2σ Guide

兄弟間の経営権紛争を防ぐ
契約設計

同族会社・中小企業の事業承継で起きやすい兄弟間対立を、定款、株主間契約、種類株式、遺言、遺留分、税務、出口条項の総合設計で予防します。

6つ契約設計の中核
50対50停止リスクの焦点
8段階導入プロセス
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兄弟間の経営権紛争を防ぐ 契約設計

同族会社・中小企業の事業承継で起きやすい兄弟間対立を、定款、株主間契約、種類株式、遺言、遺留分、税務、出口条項の総合設計で予防します。

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兄弟間の経営権紛争を防ぐ 契約設計
同族会社・中小企業の事業承継で起きやすい兄弟間対立を、定款、株主間契約、種類株式、遺言、遺留分、税務、出口条項の総合設計で予防します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ 契約設計
  • 同族会社・中小企業の事業承継で起きやすい兄弟間対立を、定款、株主間契約、種類株式、遺言、遺留分、税務、出口条項の総合設計で予防します。

POINT 1

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ契約設計の全体像
  • 支配権、経済的利益、相続、出口を同時に設計します。
  • 最終判断者を明文化
  • 経営支配と経済的利益を分ける
  • 株式が外へ出る場面を想定

POINT 2

  • 兄弟間の経営権紛争が起きる原因と予防設計
  • 配偶者・子世代の意見
  • 兄弟本人が納得していても、配偶者や子世代が配当、売却、情報提供を求めることで、株主意思が複雑化します。
  • 相続税と住宅ローン
  • 相続税、住宅ローン、介護費用、保証債務が重なると、非後継者が株式換金を求めやすくなります。

POINT 3

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ5つの支配要素
  • 株主としての支配権
  • 業務執行権
  • 情報支配
  • 人的支配
  • 経済的支配
  • 株式、業務執行、情報、人、経済的利益を分けて設計します。

POINT 4

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ会社法・民法・税務の基本構造
  • 会社法の支配設計と、相続・遺留分・納税資金を同時に見ます。
  • 除外合意と固定合意を相続設計に接続する
  • 兄弟間の経営権紛争を予防するには、会社法、民法、経営承継円滑化法、税務・資金制約を横断して見る必要があります。
  • 法的に可能でも、登記、財源規制、遺留分、納税資金が整わなければ実行できません。

POINT 5

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ文書体系とデッドロック対策
  • 1. 重要事項で決議に至らない:株主総会または取締役会で二回連続して合意できないなど、発生条件を明確にします。
  • 2. 一定期間の代表者協議:発生日から30日以内など、期限を区切って協議します。
  • 3. 買取または会社売却へ:評価方法に基づく相手方株式の買取、自己株式取得、会社売却プロセスを実行します。
  • 4. 通常運営へ戻す:合意内容を議事録、契約変更、社内規程に反映します。

POINT 6

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐケース別設計・種類株式・相続対策
  • 議決権と経済的利益を分け、遺言・民法特例・資金計画までつなげます。
  • 議決権集中、経済的補償、デッドロック解消、暫定的な経営権合意のどれを優先するかが分かります。
  • 支配集中、経済的補償、死亡・退職時処理、限定的拒否権のどれに使うかを読み取ってください。
  • 遺言だけで足りない理由を読み取り、民法特例、生命保険、買取資金、税制、株式評価を同じ設計に組み込みます。

POINT 7

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ導入プロセスとFAQ
  • 1. 事実調査
  • 2. リスク診断
  • 3. 基本方針決定
  • 4. タームシート作成
  • 5. 文書化・手続・見直し

まとめ

  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ 契約設計
  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ契約設計の全体像:支配権、経済的利益、相続、出口を同時に設計します。
  • 兄弟間の経営権紛争が起きる原因と予防設計:同数株式、報酬・配当、相続分散、家族関与を先に見える化します。
  • 兄弟間の経営権紛争を防ぐ会社法・民法・税務の基本構造:会社法の支配設計と、相続・遺留分・納税資金を同時に見ます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

兄弟間の経営権紛争を防ぐ契約設計の全体像

支配権、経済的利益、相続、出口を同時に設計します。

兄弟間の経営権紛争は、単なる相続や株式比率の問題ではありません。会社法上の支配、相続法上の権利、税務上の資金制約、役員報酬、配当、貸付金、保証債務、家族感情、従業員・金融機関・取引先の信認が一体となって噴出する複合紛争です。

次の重要ポイントは、契約設計の中核を6つに整理したものです。経営支配と経済的利益を分け、相続と出口まで接続するために読み取ります。

中核01

最終判断者を明文化

日常業務、重要業務、資金調達、役員人事、株式処分、M&A、親族従業員の処遇、代表印管理について、誰に決定権があるかを分けて定めます。

中核02

経営支配と経済的利益を分ける

会社を継ぐ兄弟に議決権を集中させ、他の兄弟には配当、退職金、役員報酬、株式買取代金、優先配当株式、生命保険、他財産で納得を設計します。

中核03

株式が外へ出る場面を想定

死亡、相続、離婚、破産、差押え、認知症、退職、不祥事、競業、会社売却、子世代承継をトリガーとして設計します。

中核04

50対50を放置しない

兄弟二人で半分ずつ株式を持ち双方が拒否権を持つ構造は、決裂時に会社を機能停止させます。

中核05

相続と会社支配を一体処理

自社株式は相続財産であり、会社支配権でもあります。遺言、遺留分対策、民法特例、税制、生命保険、自己株式取得資金を一体で設計します。

中核06

経営停止を避ける

目的は裁判で勝つことだけではなく、会社の信用、従業員の雇用、取引先との継続、金融機関対応を守ることです。

Section 01

兄弟間の経営権紛争が起きる原因と予防設計

同数株式、報酬・配当、相続分散、家族関与を先に見える化します。

兄弟間紛争は、親が存命中の権威、株式、代表権、個人保証、不動産、金融機関との関係が失われたときに表面化しやすくなります。現在の仲の良さだけでは将来の対立リスクを測れません。

次の比較表は、典型原因、法務上の問題、契約設計上の対策を対応させたものです。何が紛争の火種になり、どの文書や条項で先に処理するかを読み取ってください。

原因法務上の問題契約設計上の対策
兄弟が同数株式を持つ株主総会・取締役会の膠着デッドロック条項、議決権比率の非対称化、第三者取締役、買取条項
一人だけが会社で働く報酬と配当の不公平感役員報酬規程、配当方針、情報権、退出権
親が口頭で後継者を決めた証拠がなく相続時に争う遺言、株式移転契約、株主間契約、議事録化
株式が相続で分散した会社支配が細分化遺留分対策、売渡請求、種類株式、持株会社
配偶者や子が関与する株主の意思決定が家族単位で複雑化相続時買取、譲渡制限、家族ガバナンス
会社資金と家計が混同される役員貸付金、仮払金、背任・横領リスク関連当事者取引規程、決裁規程、内部監査

次の重要ポイントは、親族関係の変化が契約設計を脆弱にする場面を整理したものです。生活上の変化が議決権、納税資金、保証、配当への不満に結びつく流れを読み取ります。

配偶者・子世代の意見

兄弟本人が納得していても、配偶者や子世代が配当、売却、情報提供を求めることで、株主意思が複雑化します。

相続税と住宅ローン

相続税、住宅ローン、介護費用、保証債務が重なると、非後継者が株式換金を求めやすくなります。

会社の赤字化・株価上昇

業績悪化時は責任分担が、株価上昇時は経済的利益の配分が問題になります。

親の判断能力低下

親の認知症、代表退任、保証解除により、兄弟間の抑止力が失われます。

Section 02

兄弟間の経営権紛争を防ぐ5つの支配要素

株式、業務執行、情報、人、経済的利益を分けて設計します。

「経営権」は法律上単一の権利名ではなく、株主としての支配、役員としての業務執行、情報、人的関係、経済的利益に分解して設計する必要があります。

次の一覧は、経営権を5つの支配要素に分けたものです。各要素が別々の文書や運用に現れるため、どこを定款に置き、どこを契約や社内規程に置くかを読み取ってください。

支配01

株主としての支配権

議決権割合、株主総会決議、定款変更、役員選任・解任、組織再編、株式発行、剰余金配当、自己株式取得に関わります。

支配02

業務執行権

代表印、銀行口座、契約締結、雇用、発注、借入れ、担保提供、訴訟対応、許認可対応は役員権限と社内決裁で決まります。

支配03

情報支配

会計帳簿、取締役会資料、顧客情報、原価情報、技術情報、クラウド会計、金融機関資料、株主名簿の管理が重要です。

支配04

人的支配

従業員、幹部、顧問税理士、金融機関担当者、主要取引先が誰を経営者として認識しているかは事業継続に影響します。

支配05

経済的支配

役員報酬、配当、退職慰労金、貸付金返済、保証料、不動産賃料、知的財産権の帰属が紛争の動機になります。

Section 03

兄弟間の経営権紛争を防ぐ会社法・民法・税務の基本構造

会社法の支配設計と、相続・遺留分・納税資金を同時に見ます。

兄弟間の経営権紛争を予防するには、会社法、民法、経営承継円滑化法、税務・資金制約を横断して見る必要があります。法的に可能でも、登記、財源規制、遺留分、納税資金が整わなければ実行できません。

次の一覧は、制度ごとに使える道具と注意点を整理したものです。どの制度が支配集中に効き、どの制度が非後継者の経済的納得や納税資金に関わるかを読み取ってください。

会社法上の装置

譲渡制限、種類株式、取得請求権付株式、取得条項付株式、全部取得条項付種類株式、議決権制限株式などを活用できます。

会社法

相続・遺留分

自社株式は相続財産であり、遺言や生前贈与がなければ分散しやすくなります。遺留分権利者の範囲を混同しないことが重要です。

民法

経営承継円滑化法

一定の要件のもと、推定相続人全員の合意、確認、家庭裁判所の許可を経て、除外合意や固定合意を行える場合があります。

民法特例

税務・資金制約

事業承継税制、金融支援、生命保険、自己株式取得資金、買取資金を検討します。資金調達できない買取条項は機能しません。

資金計画

次の重要ポイントは、遺留分に関する民法特例の意味をまとめたものです。後継者の努力による企業価値上昇をどのように扱うかを読み取ります。

除外合意と固定合意を相続設計に接続する

除外合意は一定株式を遺留分算定財産から外す方向の設計であり、固定合意は算入価額を合意時の時価に固定する方向の設計です。株式評価、非後継者への代償、遺言、税務申告と整合させる必要があります。

Section 04

兄弟間の経営権紛争を防ぐ文書体系とデッドロック対策

定款、株主間契約、遺言、役員契約を矛盾なく接続します。

契約設計は、一通の契約書だけで完結しません。定款、株主間契約、種類株式、株式譲渡契約、役員契約、遺言、遺留分合意、株式評価、社内規程、紛争解決条項を相互に矛盾なく接続する必要があります。

次の比較表は、文書ごとの役割分担を整理したものです。どの文書に会社法上の効力を置き、どの文書に家族内の詳細運用を置くかを読み取ってください。

文書主に書く事項注意点
定款譲渡制限、相続人等売渡請求、種類株式、議決権制限、配当優先、取得条項、機関設計会社法上の効力が必要な事項を置きます。
株主間契約株式保有方針、先買権、議決権行使、役員指名、重要事項承認、情報提供、配当、退出、相続、買取価格、紛争解決当事者間拘束には有用ですが、会社法上の効力や第三者対抗には限界があります。
家族憲章理念、承継方針、親族従業員の入社条件、配偶者の関与、子世代教育、家族会議法的拘束力を持たせる部分と、運用宣言にとどめる部分を分けます。
遺言・公正証書自社株式や事業用資産の承継先指定遺留分、税務、株式評価、買取資金、譲渡承認は遺言だけでは処理しきれません。

次の比較表は、株主間契約や関連文書に落とし込む条項を整理したものです。家族内の合意を会社法上・契約上の運用へ変換しなければ、実際の紛争時に使えないため重要です。条項ごとに、支配権、退出、相続、情報、競業のどこを処理するのかを読み取ります。

条項領域主な内容設計上の注意点
目的・基本方針事業継続、会社価値維持、後継者支援、非後継者の経済的利益の確保。理念だけでなく、議決権・報酬・配当・情報提供へ接続します。
株式保有・先買権譲渡制限、親族外流出防止、先買権、共同売却、譲渡承認手続。定款の譲渡制限や相続人等売渡請求との整合を確認します。
議決権行使・重要事項役員選任、借入、担保提供、M&A、不動産処分、親族雇用、役員報酬。拒否権を広げすぎると経営停止の原因になります。
Good Leaver・Bad Leaver円満退任、死亡、病気、不祥事、競業、重大違反時の株式買取。価格算定、支払方法、財源規制、証拠化をセットで定めます。
死亡・相続時処理相続人への売渡請求、死亡時買取、生命保険、遺言、遺留分対策。期限、特別決議、資金調達、相続税を同時に確認します。
秘密保持・情報提供会計情報、顧客情報、技術情報、監査権、非経営株主への報告範囲。非経営株主の納得と営業秘密保護の均衡を取ります。

次の判断の流れは、50対50会社などで意思決定が止まった場合の段階的処理を表しています。協議、第三者意見、調停的手続、買取、会社売却へ進むことで、対立を経営停止に直結させない読み方をします。

デッドロック発生時の段階的処理

重要事項で決議に至らない

株主総会または取締役会で二回連続して合意できないなど、発生条件を明確にします。

一定期間の代表者協議

発生日から30日以内など、期限を区切って協議します。

はい
買取または会社売却へ

評価方法に基づく相手方株式の買取、自己株式取得、会社売却プロセスを実行します。

いいえ
通常運営へ戻す

合意内容を議事録、契約変更、社内規程に反映します。

次の強調欄は、株式買取価格を曖昧にしないための考え方をまとめたものです。価格を「その時話し合う」としておくと、退出条項や相続時買取が機能しにくくなるため重要です。どの価格を基準にし、誰が評価し、いつ支払うかを読み取ります。

価格算定は条項の実効性を左右します

買取価格は、純資産価額、類似業種比準価額、DCF、税務評価、第三者評価、一定のディスカウントやプレミアムなどを組み合わせて定めることがあります。Good Leaver と Bad Leaver で価格を変える場合も、過度な制裁や不明確な算定は紛争の火種になるため、算定基準、評価日、評価人、異議手続、分割払い、利息、担保をあわせて定めます。

Section 05

兄弟間の経営権紛争を防ぐケース別設計・種類株式・相続対策

議決権と経済的利益を分け、遺言・民法特例・資金計画までつなげます。

ケース別の設計では、後継者が一人か、兄弟二人で共同経営するか、三兄弟以上で分散しているか、すでに紛争が起きているかで優先順位が変わります。

次の比較表は、典型ケースごとの設計を整理したものです。議決権集中、経済的補償、デッドロック解消、暫定的な経営権合意のどれを優先するかが分かります。

ケース設計の軸避けるべき点
後継者と非経営株主後継者に議決権株式を集中し、非後継者には無議決権優先株式、買取代金、他財産、生命保険、情報提供で調整します。非後継者にも平等に普通株式を渡し、口出ししないと信じるだけの設計。
50対50共同経営代表権、担当領域、重要事項、デッドロック解消、株式買取、会社売却、役員報酬と配当の区別を定めます。終わらせ方を決めない設計。
三兄弟以上で分散経営株主グループと非経営株主グループを分け、議決権を後継者または持株会社に集約します。一人だけ反対すれば止まる構造。
紛争発生後代表印、銀行口座、会計データ、契約書、株主名簿を保全し、株式評価と買取交渉を並行します。感情的勝利を優先し、会社価値の毀損を止めない対応。

次の比較表は、種類株式ごとの用途と注意点を整理したものです。支配集中、経済的補償、死亡・退職時処理、限定的拒否権のどれに使うかを読み取ってください。

種類株式用途注意点
議決権制限株式非後継者に経済的利益を与えつつ支配を集中します。配当・買取条件の納得性が必要です。
優先配当株式非経営兄弟の経済的利益を確保します。会社の配当原資、税務、会計への影響を確認します。
取得請求権付株式一定時期に株主が会社へ取得請求できるようにします。財源規制、価格算定、資金計画を確認します。
取得条項付株式死亡・退職・競業等を契機に会社が取得します。トリガーの明確性、公正価格、登記を確認します。
拒否権付種類株式特定重要事項に限定的拒否権を付与します。拒否権を広げすぎると経営停止を招きます。

次の一覧は、相続対策と契約設計を接続する要素を整理したものです。遺言だけで足りない理由を読み取り、民法特例、生命保険、買取資金、税制、株式評価を同じ設計に組み込みます。

遺言だけでは残る問題

遺留分侵害額請求、自社株式評価額の上昇、相続税納税資金、非後継者の不満、自己株式取得資金不足、遺言能力・方式不備が残ります。

遺言

遺留分に関する民法特例

除外合意や固定合意を検討します。対象会社、推定相続人、全員合意、株式評価、確認・許可手続、代償措置との整合が必要です。

民法特例

生命保険・資金調達

死亡時買取、相続人等売渡請求、非後継者からの株式買取では、生命保険、退職慰労金、金融機関借入れ、自己株式取得、分割払いを検討します。

資金
Section 06

兄弟間の経営権紛争を防ぐ導入プロセスとFAQ

事実調査から文書化、会社法手続、定期見直しまで段階的に進めます。

次の時系列は、事実調査、リスク診断、基本方針、タームシート、文書化、会社法手続、相続・税務実行、定期見直しを段階的に整理したものです。株式比率や遺留分、納税資金、保証、親族従業員を把握しないまま契約書だけ作ると、実行できない設計になりやすいため重要です。順番を追いながら、どの段階で資料、合意、手続、見直しを行うかを読み取ります。

第1段階

事実調査

定款、登記事項証明書、株主名簿、株券発行の有無、過去の株式譲渡契約、贈与契約、議事録、決算書、借入・保証、役員報酬、親族間貸付、不動産、知的財産、遺言、保険契約を確認します。

第2段階

リスク診断

株式比率、相続人、遺留分、金融機関保証、取締役構成、配当実績、役員報酬、株式評価、納税資金、名義株、親族従業員を確認します。

第3段階

基本方針決定

後継者への支配集中、兄弟共同経営、持株会社、種類株式、段階的買取、第三者承継会社分割・事業分離のいずれを採るかを決めます。

第4段階

タームシート作成

株式保有割合、役員構成、重要事項承認、配当方針、役員報酬、譲渡制限、退出時価格、死亡時処理、デッドロック、相続、税務・資金調達を合意します。

第5〜8段階

文書化・手続・見直し

契約、定款変更、登記、議事録、遺言、贈与、税制、生命保険、納税資金を実行し、代表交代、株価上昇、M&A、法改正などで見直します。

次の比較表は、タームシートに入れる主要項目を整理したものです。最初に論点を短い合意表へ落とすと、契約書、定款、遺言、税務実行が同じ方向へ進むため重要です。どの項目が支配、経済的利益、相続、退出に関係するかを読み取ります。

項目定める内容確認するリスク
株式保有割合後継者、非後継者、親、持株会社、子世代の保有割合。50対50、少数株主権、相続分散、名義株。
役員構成・重要事項代表者、取締役、監査役、重要事項承認、親族役員の報酬。拒否権の過不足、会社停止、報酬への不公平感。
配当・情報提供配当方針、経営情報、会計報告、監査範囲。非経営株主の不満、営業秘密流出、過度な情報負担。
退出・買取死亡、退職、競業、不祥事、会社売却、買取価格、支払方法。財源規制、資金不足、評価紛争、担保不足。
相続・税務遺言、遺留分、民法特例、生命保険、納税猶予、自己株式取得。遺留分侵害額請求、納税資金不足、税務要件未充足。

次の重要ポイントは、実務で多い失敗と予防の視点を整理したものです。家族の信頼だけに頼ると、株式、印鑑、会計データ、報酬、価格算定で会社運営が止まるため重要です。どの失敗が経営停止や相続紛争につながるかを読み取ります。

兄弟仲が良いことを根拠にする

配偶者、子世代、金融機関、相続税、会社業績の変化で利害は変わります。将来の不一致を前提に設計します。

契約だけ作り定款を変えない

当事者間の合意と会社法上の効力は別です。種類株式、譲渡制限、売渡請求などは定款や登記との整合が必要です。

価格算定を先送りする

退出時や死亡時の買取で最も争いやすいのは価格です。評価方法、評価日、評価人、異議手続を先に決めます。

親族役員の報酬を曖昧にする

会社で働く兄弟と働かない兄弟の不公平感は、配当、報酬、退職金、貸付金返済へ広がります。

印鑑・通帳・会計データを軽視する

実際の業務執行は、代表印、銀行口座、会計データ、主要契約、株主名簿の管理に左右されます。

次の比較表は、専門家別の役割を整理したものです。法務、税務、労務、金融、評価を分けずに進めると、実行段階で矛盾が出るため重要です。どの専門家がどの論点を支え、どこで連携が必要かを読み取ります。

専門機能主な役割連携が必要な場面
弁護士・企業法務定款、株主間契約、種類株式、紛争解決条項、相続関連文書との整合。会社法手続、遺留分、役員責任、交渉・調停・訴訟。
税理士・会計士株式評価、相続税、贈与税、事業承継税制、自己株式取得の税務。買取価格、納税資金、生命保険、配当・退職金設計。
司法書士定款変更、種類株式、役員変更、登記、議事録の形式確認。会社法手続の実行、登記事項の反映。
金融機関・保険担当買取資金、借入、保証解除、生命保険、資金繰り。死亡時買取、自己株式取得、納税資金、会社売却。
社会保険労務士・人事親族従業員、役員報酬、雇用契約、退職金、内部規程。親族の勤務条件、報酬不満、会社内の人事統制。

兄弟で株式を半分ずつ持つのは避けるべきですか。

一般的には、50対50はデッドロックの危険が高い構造とされています。ただし、一律に避けるべきとは限らず、代表権、担当領域、重要事項、デッドロック解消、買取価格、会社売却条項を整えているかによって評価が変わります。

株主間契約だけで十分ですか。

一般的には、株主間契約だけでは十分でない場合が多いとされています。当事者間の拘束には有用でも、会社法上の効力、第三者対抗、相続、登記、種類株式、譲渡承認には限界があります。

会社を継がない兄弟には株式を渡さない方がよいですか。

一般的には、後継者へ議決権を集中させる設計が検討されることがあります。ただし、非後継者の経済的利益、遺留分、納税資金、親族間の納得性によって結論は変わります。無議決権株式、優先配当、買取代金、他財産、生命保険などを組み合わせる必要があります。

遺留分対策として何が重要ですか。

一般的には、自社株式の評価、非後継者への代償、遺言、生前贈与、民法特例、生命保険、納税資金を一体で見ることが重要とされています。遺留分権利者の範囲や株式評価は事案によって変わるため、具体的には弁護士・税理士等の専門家へ相談する必要があります。

相続人等に対する売渡請求を定款に入れれば安全ですか。

一般的には、有用な制度ですが万能ではないとされています。請求期限、株主総会特別決議、価格決定、財源規制があり、株主構成によっては後継者に不利に使われる可能性もあります。

兄弟の配偶者にも契約へ署名してもらうべきですか。

一般的には、配偶者本人が株主や保証人でない限り、署名の必要性や効力は契約内容によって異なるとされています。ただし、配偶者や子世代の意向が将来の相続・売却・情報請求に影響する可能性があるため、家族会議や説明資料で納得形成を図ることがあります。

家族信託は有効ですか。

一般的には、認知症対策や議決権行使の継続に役立つ場合があります。ただし、会社法上の権限、税務、受託者の利益相反、遺留分、金融機関対応などを確認する必要があります。具体的な設計は、専門家へ相談する必要があります。

Reference

経営権紛争予防の参考資料

法令・公的資料

  • e-Gov法令検索「会社法」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「信託法」
  • 中小企業庁「事業承継ガイドライン」
  • 中小企業庁「経営承継円滑化法による支援」
  • 中小企業庁「事業承継と民法<遺留分>」
  • 中小企業庁「中小企業経営承継円滑化法 申請マニュアル『民法特例』」
  • 国税庁「No.4148 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等」
  • 中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
  • 日本公証人連合会「2 遺言」