2σ Guide

誹謗中傷で刑事告訴する
条件と手順

名誉毀損罪・侮辱罪を中心に、証拠保全、発信者情報開示、告訴状作成、警察相談、受理後の流れまでを一般情報として整理します。

6か月親告罪の告訴期間
3年以下名誉毀損罪の拘禁刑
9手順準備から処分確認まで
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誹謗中傷で刑事告訴する 条件と手順

名誉毀損 罪・侮辱罪を中心に、証拠保全、発信者情報開示、告訴状作成、警察相談、受理後の流れまでを一般情報として整理します。

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誹謗中傷で刑事告訴する 条件と手順
名誉毀損 罪・侮辱罪を中心に、証拠保全、発信者情報開示、告訴状作成、警察相談、受理後の流れまでを一般情報として整理します。
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  • 誹謗中傷で刑事告訴する 条件と手順
  • 名誉毀損 罪・侮辱罪を中心に、証拠保全、発信者情報開示、告訴状作成、警察相談、受理後の流れまでを一般情報として整理します。

POINT 1

  • 誹謗中傷で刑事告訴を検討する全体像
  • 被害感情だけでなく、犯罪要件・証拠・期限・安全確保の順に整理します。
  • 刑事告訴は「要件」「証拠」「期限」の組み合わせで進む
  • 具体的な事実で評判を下げられた
  • 公然と人格を攻撃された

POINT 2

  • 誹謗中傷は法律用語ではないため罪名に分けて考える
  • 1. 投稿・発言を保存する:URL、日時、投稿者、前後の文脈を削除前に残します。
  • 2. 具体的事実が示されているか:真偽を証拠で判断できる内容かを確認します。
  • 3. 名誉毀損・信用毀損を検討:社会的評価や信用の低下を説明します。
  • 4. 侮辱・脅迫等を検討:軽蔑表現、危害予告、反復性を確認します。

POINT 3

  • 誹謗中傷の刑事告訴と被害届・告発の違い
  • 親告罪では、処罰を求める意思表示の有無が特に重要です。
  • 刑事告訴とは、犯罪の被害者その他の告訴権者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。
  • 単なる相談や情報提供とは異なり、「処罰を求める」意思が中核になります。
  • 名誉毀損罪や侮辱罪は、原則として親告罪です。

POINT 4

  • 誹謗中傷で問題になる名誉毀損罪・侮辱罪の条件
  • 公然性
  • 事実の摘示
  • 「横領した」「無資格で診療している」など、証拠で真偽を判断できる具体的事項かが重要です。

POINT 5

  • 誹謗中傷の刑事告訴で注意する6か月の期限
  • 1. 投稿を発見:投稿本文、URL、投稿者ID、表示名、公開範囲を確認します。
  • 2. スクリーンショット保存
  • 3. ログ保存依頼:削除だけでなく、投稿者特定に必要なログ保存も検討します。
  • 4. 弁護士等へ相談:犯罪類型、証拠、発信者情報開示、告訴期間の見通しを確認します。
  • 5. 投稿者情報が判明:犯人を知った日がいつと評価されるか、個別事情に応じて確認します。
  • 6. 告訴状案を作成:犯罪事実、証拠、処罰意思、被害状況を対応させます。

POINT 6

  • 誹謗中傷で刑事告訴できるか確認する実務チェック
  • 対象者、表現内容、公開性、被害の具体化を順番に確認します。
  • 誰のことか分かる根拠
  • 事実か評価かの区別
  • 公開範囲と拡散状況

POINT 7

  • 誹謗中傷の証拠保全は削除前に行う
  • 不正アクセスをしない
  • 相手のアカウントにログインしたり、パスワードを推測して侵入したりする行為は避けます。
  • なりすましで取得しない
  • 相手の非公開情報をだまして取得する方法は、証拠の信用性や適法性が問題になります。

POINT 8

  • 匿名の誹謗中傷投稿者を特定する手順
  • 1. 投稿内容を保存:URL、投稿日時、投稿者ID、プロフィールを残します。
  • 2. ログ保存を求める:削除だけでなく、投稿者特定に必要な記録の保存を意識します。
  • 3. 目的を分ける:削除、特定、処罰、賠償、安全確保のどれを急ぐか整理します。
  • 4. 発信者情報開示を検討:開示命令、提供命令、消去禁止命令などを確認します。
  • 5. 警察相談を優先:脅迫やつきまといでは安全確保を先にします。

まとめ

  • 誹謗中傷で刑事告訴する 条件と手順
  • 誹謗中傷で刑事告訴を検討する全体像:被害感情だけでなく、犯罪要件・証拠・期限・安全確保の順に整理します。
  • 誹謗中傷は法律用語ではないため罪名に分けて考える:刑法上の罪名や特別法上の問題へ置き換えることで、告訴状の焦点が明確になります。
  • 誹謗中傷の刑事告訴と被害届・告発の違い:親告罪では、処罰を求める意思表示の有無が特に重要です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

誹謗中傷で刑事告訴を検討する全体像

被害感情だけでなく、犯罪要件・証拠・期限・安全確保の順に整理します。

誹謗中傷で刑事告訴を検討する場面では、まず「どの犯罪の、どの要件に、どの証拠が対応するか」を整理する必要があります。告訴は、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める法的な意思表示です。一般的な怒りや不快感を伝えるだけでは、名誉毀損罪・侮辱罪などの要件を満たすかが分かりにくくなります。

このページは、インターネット、SNS、掲示板、口コミサイト、動画コメント欄、社内外のチャット、メール、紙媒体などで誹謗中傷を受けた人が、刑事告訴を考える前に確認したい実務上の流れをまとめたものです。個別の見通しや対応方針は、投稿内容、証拠状況、投稿者の特定状況、被害の程度、時期、地域、捜査機関の判断によって変わります。

次の重要ポイントは、刑事告訴の検討で最初に押さえるべき判断軸をまとめたものです。何を急ぎ、何を証拠化し、どの専門家に相談するかを誤ると手続の選択肢が狭くなるため、自分の状況がどの軸に近いかを読み取ってください。

刑事告訴は「要件」「証拠」「期限」の組み合わせで進む

具体的事実を示されたのか、単なる罵倒なのか、危害予告や業務被害があるのかを分け、削除前の証拠保全と6か月の告訴期間を並行して確認します。

次の一覧は、誹謗中傷で刑事告訴を検討しやすい典型場面を示しています。どの犯罪類型に近いかで集める証拠や相談先が変わるため、投稿の表現だけでなく被害の広がりまで読み取ることが大切です。

Pattern 01

具体的な事実で評判を下げられた

「横領している」「不倫している」「詐欺師だ」など、証拠で真偽を確かめられる内容が示され、社会的評価が下がる場面では名誉毀損罪が中心になります。

Pattern 02

公然と人格を攻撃された

「無能」「消えろ」「気持ち悪い」など、具体的事実より軽蔑的評価や罵倒に近い表現では侮辱罪が問題になりやすくなります。

Pattern 03

信用や業務を害された

企業・店舗・個人事業主について虚偽の噂や偽計が広がる場合、信用毀損罪、偽計業務妨害罪、威力業務妨害罪も検討対象になります。

Pattern 04

危害予告やつきまといがある

「殺す」「家を燃やす」「勤務先に押しかける」などの害悪の告知がある場合は、安全確保を優先し、110番や警察署への相談が先になることがあります。

Section 01

誹謗中傷は法律用語ではないため罪名に分けて考える

刑法上の罪名や特別法上の問題へ置き換えることで、告訴状の焦点が明確になります。

一般に誹謗中傷とは、根拠のない悪口や攻撃的な表現で他人の名誉・人格・信用を傷つける行為を指します。ただし、刑法に「誹謗中傷罪」という罪名があるわけではありません。刑事告訴では、名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪、業務妨害罪、脅迫罪、強要罪、ストーカー規制法違反、私事性的画像に関する特別法違反などに分けて検討します。

次の比較表は、一般に誹謗中傷と呼ばれる行為を法的な分類へ置き換えたものです。分類を誤ると必要な証拠や説明すべき被害がずれるため、表現の性質と主に問題となる犯罪の対応を読み取ってください。

表現の性質具体例主に問題となる犯罪・問題
具体的事実の摘示「Aは横領した」「B社は偽装している」名誉毀損罪、信用毀損罪、業務妨害罪
抽象的な罵倒「無能」「クズ」「消えろ」侮辱罪
虚偽の噂で信用を害する「この店は食中毒を隠している」信用毀損罪、偽計業務妨害罪、名誉毀損罪
害悪の告知「殺す」「家を燃やす」脅迫罪、強要罪など
私生活情報の暴露病歴、住所、家族情報、性的情報など民事上のプライバシー侵害、場合により他の犯罪

次の判断の流れは、投稿を見た直後に法律用語へ分けるための順番を示しています。最初から結論を決めつけると見落としが出やすいため、公開性、事実の有無、危険性、業務被害の順に確認することを読み取ってください。

投稿内容を分類する判断の流れ

投稿・発言を保存する

URL、日時、投稿者、前後の文脈を削除前に残します。

具体的事実が示されているか

真偽を証拠で判断できる内容かを確認します。

事実あり
名誉毀損・信用毀損を検討

社会的評価や信用の低下を説明します。

事実なし
侮辱・脅迫等を検討

軽蔑表現、危害予告、反復性を確認します。

相手の投稿で深く傷ついたとしても、それだけで直ちに刑事事件になるとは限りません。誰が、いつ、どこで、どのような表現をし、不特定または多数の人が認識できる状態だったのか、社会的評価・信用・業務・安全がどう害されたのかを客観的に整理することが重要です。

Section 02

誹謗中傷の刑事告訴と被害届・告発の違い

親告罪では、処罰を求める意思表示の有無が特に重要です。

刑事告訴とは、犯罪の被害者その他の告訴権者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。単なる相談や情報提供とは異なり、「処罰を求める」意思が中核になります。

名誉毀損罪や侮辱罪は、原則として親告罪です。親告罪とは、告訴がなければ検察官が公訴を提起できない犯罪をいいます。そのため、警察相談や削除依頼だけでなく、告訴権者による告訴の意思表示を明確にする場面が出てきます。

次の比較表は、刑事告訴、被害届、告発の違いを整理したものです。提出する書面の名称だけでなく、誰が何を求める手続かによって意味が変わるため、処罰意思をどこで明確にするかを読み取ってください。

制度主な意味誹謗中傷事案での注意点
刑事告訴犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示親告罪である名誉毀損罪・侮辱罪では特に重要になります。
被害届犯罪被害に遭ったことを捜査機関に申告する書面捜査の端緒にはなりますが、処罰意思の表明として十分かは別途確認が必要です。
告発第三者が犯罪事実を申告して処罰を求める制度親告罪では、原則として告訴権者の告訴が必要になります。

実務上は、いきなり告訴状を提出して受理を求めるより、事前相談、証拠整理、担当部署との調整を経て、犯罪事実を特定した告訴状を提出する方が円滑なことがあります。もっとも、期限が迫る場合は早期に方針を確認する必要があります。

Section 03

誹謗中傷で問題になる名誉毀損罪・侮辱罪の条件

具体的事実の有無と公然性が、名誉毀損罪と侮辱罪を分ける中心になります。

名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉、つまり社会から受ける客観的評価を害する場合に問題になります。現在の刑法では、法定刑は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金とされています。

侮辱罪は、事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した場合に成立し得る犯罪です。2022年の改正で法定刑が引き上げられ、現在は1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料という構造で理解されます。

次の比較表は、名誉毀損罪と侮辱罪の条件を並べたものです。どちらに近いかで告訴状の書き方や必要な証拠が変わるため、具体的事実の有無と社会的評価への影響を読み取ってください。

犯罪類型中心となる条件典型例注意点
名誉毀損罪公然性、事実の摘示、社会的評価の低下犯罪、不正、資格詐称、性的スキャンダル、反社会的関係などの具体的投稿摘示した事実が真実でも、公共性・公益目的・真実性などの検討が必要です。
侮辱罪公然性、人に対する軽蔑の表示「バカ」「クズ」「無能」「消えろ」などの抽象的な罵倒投稿の公開範囲、反復継続性、攻撃性、対象者の特定可能性を総合的に見ます。
信用毀損・業務妨害虚偽の噂、偽計、威力による信用・業務への害虚偽レビュー、大量投稿、業務を混乱させる問い合わせなど企業・店舗では売上、予約、問い合わせ、取引先対応への影響資料が重要です。

次の注意点一覧は、条件を満たすかが争われやすい要素を示しています。短い投稿でも文脈で評価が変わるため、投稿本文だけでなく前後のやり取りや引用元まで読み取ることが重要です。

公然性

公開投稿、口コミサイト、掲示板、動画コメント欄は公然性が問題になりやすい一方、1対1のDMや少人数の非公開チャットでは伝播可能性が争点になります。

事実の摘示

「横領した」「無資格で診療している」など、証拠で真偽を判断できる具体的事項かが重要です。リンク、画像、ハッシュタグで暗示される場合もあります。

社会的評価の低下

本人の主観的な傷つきだけでなく、社会一般からの評価、信用、業務、安全にどう影響するかを説明する必要があります。

正当な批判との境界

政治、行政、企業活動、商品・サービスへの論評は表現の自由との関係があります。人格攻撃や虚偽前提の有無を分けて整理します。

「本当のことを書いただけ」という反論があっても、直ちに安全とは限りません。公共の利害に関する事実か、目的が公益目的か、重要部分について真実性の証明があるか、表現方法や公表範囲が相当かを検討します。

Section 04

誹謗中傷の刑事告訴で注意する6か月の期限

名誉毀損罪・侮辱罪では、公訴時効とは別に告訴期間を確認します。

刑事訴訟法235条は、親告罪の告訴について、原則として犯人を知った日から6か月を経過したときは告訴できないと定めています。投稿を見つけた日と犯人を知った日が常に同じとは限りませんが、実名・住所・勤務先などが判明している場合は特に早期確認が必要です。

次の重要ポイントは、期限管理で混同しやすい2つの制度を示しています。公訴時効が残っていても告訴期間を過ぎると親告罪では支障が出るため、どの期限を優先して確認するかを読み取ってください。

公訴時効と告訴期間は別の制度

侮辱罪は2022年の法定刑引上げで公訴時効の考え方が変わりましたが、名誉毀損罪・侮辱罪が親告罪である以上、犯人を知った日から6か月という告訴期間の確認が先になります。

次の時系列は、匿名投稿で投稿発見から告訴状案作成までの流れを例示したものです。起算点の説明やログ保存の必要性が問題になるため、日付ごとに何が起きたかを読み取れる形で残すことが重要です。

2026年1月10日

投稿を発見

投稿本文、URL、投稿者ID、表示名、公開範囲を確認します。

2026年1月11日

スクリーンショット保存

投稿ページ全体、プロフィール、前後のスレッド、拡散状況を保存します。

2026年1月13日

ログ保存依頼

削除だけでなく、投稿者特定に必要なログ保存も検討します。

2026年1月20日

弁護士等へ相談

犯罪類型、証拠、発信者情報開示、告訴期間の見通しを確認します。

2026年3月20日

投稿者情報が判明

犯人を知った日がいつと評価されるか、個別事情に応じて確認します。

2026年4月1日

告訴状案を作成

犯罪事実、証拠、処罰意思、被害状況を対応させます。

「まだ迷っている」と放置すると、ログが失われたり、告訴期間を失ったりする可能性があります。投稿を発見したら、証拠保存、投稿者情報の保存、発信者情報開示の検討、警察相談、弁護士等への相談を早めに進めることが重要です。

Section 05

誹謗中傷で刑事告訴できるか確認する実務チェック

対象者、表現内容、公開性、被害の具体化を順番に確認します。

刑事告訴を考える前に、被害者が特定できるか、投稿内容が事実の摘示か評価・罵倒か、公開範囲や拡散状況はどうか、被害がどのように具体化しているかを整理します。実名がなくても、写真、肩書、勤務先、地域、あだ名、過去投稿などから対象者が分かる場合があります。

次の比較表は、相談前に整理したい確認項目をまとめたものです。警察や弁護士等へ説明するときに事実関係が曖昧だと犯罪性が伝わりにくいため、各項目で何を証拠化するかを読み取ってください。

確認項目見るべき事情保存したい資料
対象者の特定第三者が誰のことか分かるか。実名がなくても写真・肩書・地域などで特定できるか。プロフィール、投稿履歴、引用元、被害者と結び付く表示
表現内容の分類具体的事実、抽象的罵倒、虚偽の噂、害悪の告知、私生活情報の暴露のどれに近いか。投稿本文、画像、動画、前後のやり取り、リンク先
公開性・拡散性公開アカウント、掲示板、口コミサイト、第三者閲覧、スクリーンショット拡散があるか。閲覧数、共有数、コメント、転送先、取引先や学校への拡散資料
被害の具体化取引先問い合わせ、予約キャンセル、職場評価、通院、身の危険などがあるか。問い合わせメール、売上資料、社内報告、通院記録、相談記録

次の一覧は、相談資料として特に重要になりやすい4つの観点を示しています。単に「傷ついた」と伝えるだけでは足りない場合があるため、第三者が見ても状況を追える資料がそろっているかを読み取ってください。

Check 01

誰のことか分かる根拠

氏名がなくても、写真、勤務先、地域、役職、過去投稿との組み合わせで被害者を特定できる事情を整理します。

Check 02

事実か評価かの区別

「横領した」のような具体的事実と、「嫌い」のような評価・感想を分け、混在している場合は文脈も保存します。

Check 03

公開範囲と拡散状況

公開アカウント、フォロワー数、第三者コメント、引用、スクリーンショット拡散などを残します。

Check 04

具体的な被害

取引先3社から問い合わせが来た、契約更新が保留された、学校でからかわれたなど、客観的事情を時系列にします。

Section 06

誹謗中傷の証拠保全は削除前に行う

投稿が消える前に、内容・URL・投稿者・文脈・被害資料を保存します。

誹謗中傷を発見した直後は削除依頼を急ぎたくなりますが、刑事告訴を検討する場合は削除前の証拠保全が重要です。投稿が削除されると、内容、URL、投稿日時、アカウント情報、前後の文脈を後から証明しにくくなります。

次の手段一覧は、保存すべき資料を実務上のまとまりに分けたものです。証拠が散らばると告訴状や警察相談で説明しづらくなるため、どの資料が投稿内容・投稿者・被害のどれを支えるかを読み取ってください。

01

投稿そのもの

投稿本文、投稿ページ全体、URL、投稿日、取得日時、画像・動画・音声・添付ファイルを保存します。

内容
02

投稿者情報

表示名、アカウントID、プロフィール画面、プロフィールURL、過去投稿、アカウント変更の履歴を残します。

投稿者
03

文脈と拡散

前後のスレッド、引用、リプライ、コメント、閲覧数、共有数、拡散先の投稿を保存します。

文脈
04

被害資料

問い合わせメール、予約キャンセル、売上資料、社内報告、通院記録、診断書、相談記録を整理します。

被害

スクリーンショットは、本文だけを切り取らず、URLまたはサービス名、投稿者名、アカウントID、投稿日時、投稿本文、被害者を特定できる部分、前後の文脈、取得日が分かる表示をできるだけ同じ画面に入れます。PCブラウザで印刷・PDF化し、スマートフォンの画面保存と併用する方法もあります。

次の注意点一覧は、被害者側でも避けるべき証拠収集を示しています。不適切な収集方法は告訴の説得力を下げるだけでなく、逆に法的責任を問われるおそれがあるため、どの行動を避けるべきかを読み取ってください。

不正アクセスをしない

相手のアカウントにログインしたり、パスワードを推測して侵入したりする行為は避けます。

なりすましで取得しない

相手の非公開情報をだまして取得する方法は、証拠の信用性や適法性が問題になります。

反撃投稿をしない

相手の個人情報を晒す、未確認情報を拡散する、中傷で反論する対応は被害を広げることがあります。

文脈を加工しない

投稿を切り貼りしたり、都合のよい部分だけ提出したりすると、客観性が疑われる可能性があります。

深刻な事案では、弁護士等による証拠確認、公証役場での事実実験公正証書、ウェブアーカイブ、HTML・PDF・印刷物の併用、取得日時・取得者・取得方法の記録なども検討されます。

Section 07

匿名の誹謗中傷投稿者を特定する手順

刑事告訴と発信者情報開示は目的が異なる別手続です。

匿名アカウントによる誹謗中傷では、「誰を告訴するのか」が最初の壁になります。警察が捜査として発信者を特定する場合もありますが、被害者側が民事手続として発信者情報開示請求を行い、氏名・住所などを特定することもあります。

次の比較表は、匿名投稿で目的ごとに使われる主な手続を示しています。削除、特定、処罰、賠償、安全確保は目的が異なるため、自分がまず何を実現したいのかを読み取ってください。

目的主な手続注意点
投稿を削除したい削除申請、送信防止措置依頼、仮処分など削除前に証拠とログ保存を意識します。
投稿者を特定したい発信者情報開示請求、発信者情報開示命令事件などログ保存期間が過ぎると特定が難しくなることがあります。
処罰を求めたい警察・検察への刑事告訴犯罪事実、証拠、処罰意思を明確にします。
損害賠償を求めたい発信者特定後の民事請求・訴訟刑事告訴とは目的と立証構造が異なります。
緊急の危険を止めたい110番、警察署相談、保護措置など危害予告やつきまといでは安全確保が優先されます。

情報流通プラットフォーム対処法は、SNSや掲示板などの特定電気通信による権利侵害について、プラットフォーム事業者等の損害賠償責任の免責要件、発信者情報の開示請求、開示命令事件の裁判手続、大規模プラットフォーム事業者の削除対応に関する義務などを定める法律です。

次の判断の流れは、匿名投稿を見つけた後の対応順を示しています。ログが消えると特定が難しくなるため、削除だけを急がず、どの順番で保存・相談・手続を進めるかを読み取ってください。

匿名投稿への対応順

投稿内容を保存

URL、投稿日時、投稿者ID、プロフィールを残します。

ログ保存を求める

削除だけでなく、投稿者特定に必要な記録の保存を意識します。

目的を分ける

削除、特定、処罰、賠償、安全確保のどれを急ぐか整理します。

特定が必要
発信者情報開示を検討

開示命令、提供命令、消去禁止命令などを確認します。

危険がある
警察相談を優先

脅迫やつきまといでは安全確保を先にします。

Section 08

誹謗中傷で刑事告訴する具体的な9手順

緊急性の判断から検察官の処分確認まで、順番に進めます。

刑事告訴の準備は、緊急性、安全確保、証拠保存、法的分類、告訴期間、弁護士等への相談、警察への事前相談、告訴状提出、受理後の協力、検察官の処分確認という流れで考えます。全ての事案で同じ順番になるわけではありませんが、抜けがあると受理や捜査が難しくなることがあります。

次の時系列は、誹謗中傷で刑事告訴を検討するときの基本的な行動順を示しています。順番を誤ると証拠や期限を失う可能性があるため、どの段階で何を準備するかを読み取ってください。

手順1

緊急性を判断する

危害予告、住所晒し、つきまとい、性的画像、未成年者等の被害がある場合は、110番や警察署への相談が優先されます。

手順2

投稿・発言を保存する

URL、日時、投稿者、内容、前後の文脈、拡散状況を残し、証拠番号を付けて整理します。

手順3

法的分類を仮決めする

名誉毀損、侮辱、信用毀損、業務妨害、脅迫、プライバシー侵害などに分けます。

手順4

告訴期間を確認する

名誉毀損罪・侮辱罪では、犯人を知った日から6か月という期間を意識します。

手順5

弁護士等へ相談する

発信者情報開示、削除請求、証拠保全、民事請求、刑事告訴を一体で整理します。

手順6

警察へ事前相談する

管轄警察署の生活安全課、刑事課、サイバー犯罪担当部署などへ連絡し、相談日時を調整します。

手順7

告訴状を提出する

提出先、告訴人・被告訴人、告訴の趣旨、告訴事実、罪名、被害状況、証拠一覧、処罰意思を記載します。

手順8

受理後の捜査に協力する

追加資料、事情聴取、供述調書作成、証拠説明などに客観的資料と時系列で対応します。

手順9

検察官の処分を確認する

起訴・不起訴の結果通知、不起訴理由の告知、検察審査会、民事請求などを必要に応じて確認します。

警察相談では、自分が何をされたのか、どの投稿が問題か、なぜ名誉毀損・侮辱・業務妨害等に当たる可能性があるのか、証拠はどれか、加害者は特定できているか、処罰を求める意思があるか、告訴期間や危険性があるかを簡潔に説明します。

Section 09

誹謗中傷の告訴状に書く内容と受理されやすい整理

犯罪事実を5W1Hで具体化し、証拠番号と本文を対応させます。

告訴状で最も重要なのは、犯罪事実の特定です。「SNSで誹謗中傷され、精神的苦痛を受けた」という抽象的な記載だけでは、どの投稿がどの犯罪に当たるのか分かりにくくなります。いつ、誰が、どこで、誰に対して、何をし、その結果何が害されたかを明確にします。

次の比較表は、告訴状に入れる一般的な項目と、それぞれで説明すべき内容を整理したものです。書式そのものよりも犯罪事実と証拠の対応が重要なため、各項目が何を支えるかを読み取ってください。

項目記載する内容実務上のポイント
表題・提出先告訴状、警察署長または検察官宛てなど提出先は事前相談で確認します。
告訴人・被告訴人住所、氏名、連絡先。不明なら氏名不詳者、アカウント名、ID、URLなど匿名の場合は投稿者特定の状況も整理します。
告訴の趣旨どの行為について処罰を求めるか名誉毀損罪、侮辱罪など中心となる罪名を明確にします。
告訴事実投稿日時、媒体、アカウント、URL、投稿内容、公開状態5W1Hで書き、投稿ごとに特定します。
被害状況社会的評価、信用、業務、安全、生活への影響問い合わせ、売上資料、通院記録などと対応させます。
証拠一覧スクリーンショット、URL印刷、プロフィール、スレッド、被害資料本文中の説明と証拠番号を一致させます。

次の注意点一覧は、受理相談で信頼性を下げやすい書き方をまとめたものです。感情の強さより事実と証拠が重視されるため、避けるべき表現と代わりに示すべき内容を読み取ってください。

抽象的に書きすぎない

「誹謗中傷された」だけでなく、投稿日時、媒体、URL、投稿内容、閲覧可能性を具体化します。

法律論を長くしすぎない

条文解釈を長く述べるより、犯罪事実、証拠、被害、処罰意思を分かりやすく示します。

感情的表現を避ける

強い被害感情はあっても、相手を社会的に抹殺したいなどの表現は手続の目的とずれて見えます。

民事目的だけに見せない

慰謝料や削除を求める気持ちがあっても、刑事告訴では犯罪事実と処罰意思を明確にします。

加害者への連絡や示談交渉では、「示談金を払わなければ告訴する」といった表現が別の法的問題を招くことがあります。相手方とのやり取りは、資料を整理したうえで弁護士等へ相談して進める必要があります。

Section 10

企業・店舗が誹謗中傷で刑事告訴を検討するとき

法人の名誉、信用、業務への影響を分け、広報対応とも整合させます。

企業や店舗が誹謗中傷を受けた場合、個人の名誉とは異なり、社会的評価、取引上の信用、業務妨害、従業員個人への攻撃、個人情報や営業秘密の漏えいなどを分けて考えます。法務部、広報部、人事部、店舗責任者、情報システム部、外部弁護士などの連携が必要になることがあります。

次の一覧は、企業・店舗で問題になりやすい被害の種類を整理したものです。どの被害を中心に説明するかで必要資料が変わるため、名誉・信用・業務・従業員保護のどこに影響が出ているかを読み取ってください。

法人名誉

社会的評価の低下

「詐欺会社」「違法営業」「偽装表示」など、法人や店舗の評価を下げる投稿では名誉毀損が問題になります。

信用毀損

取引上の信用への影響

支払能力、品質、安全性、取引先との信頼を害する虚偽情報では信用毀損が検討対象になります。

業務妨害

問い合わせや予約への影響

問い合わせ殺到、予約キャンセル、大量の虚偽レビュー、業務停止につながる投稿では業務妨害も問題になります。

従業員保護

個人攻撃と安全確保

従業員個人への攻撃、脅迫、住所晒し、顧客情報の暴露がある場合は、個人の安全と情報保護も確認します。

次の手段一覧は、企業が弁護士等へ相談するときに持参しやすい資料をまとめたものです。複数部署で情報が分散しやすいため、投稿一覧、影響資料、社内対応を結び付けて読み取れる形に整えます。

問題投稿一覧

URL、投稿者アカウント、投稿日、拡散状況、主要投稿を一覧化します。

投稿

業務への影響資料

売上、予約、問い合わせ、契約保留、顧客・取引先からの連絡を残します。

被害

社内対応記録

削除依頼、プラットフォーム回答、広報文案、従業員への影響、炎上対応記録を整理します。

対応

広報対応では、事実確認が済んでいない事項を断定しない、相手方個人を攻撃しない、法的措置を検討している場合は表現を慎重にする、顧客・取引先に必要な範囲で正確な情報を出す、従業員に個別反論をさせない、証拠保全前に削除だけを急がないことが重要です。

Section 11

誹謗中傷の刑事告訴で弁護士等へ相談すべき場面

匿名投稿、期限切迫、大量投稿、脅迫、企業被害では専門的な整理が重要です。

刑事告訴は本人でも可能ですが、ネット誹謗中傷では、発信者情報開示、削除請求、証拠保全、民事請求、刑事告訴が絡むことが多くなります。特に匿名投稿者の特定、告訴期間の管理、大量・継続投稿、脅迫やストーカー、企業・著名人・専門職の信用被害では、早期相談が有効です。

次の注意点一覧は、弁護士等への相談が重要になりやすい場面をまとめたものです。手続が複数重なるほど優先順位の判断が難しくなるため、自分の状況がどの場面に近いかを読み取ってください。

匿名投稿者を特定したい

IPアドレス、タイムスタンプ、ログイン時情報、接続プロバイダ、保存期間など技術的・法的論点が絡みます。

告訴期間が迫っている

犯人を知った日から6か月が問題になる場合、証拠整理、書面作成、警察相談を急ぐ必要があります。

投稿が大量・継続的

複数アカウント、なりすまし、組織的拡散、まとめサイト化、動画化があると全体像の整理が重要です。

脅迫・個人情報晒しがある

安全確保、警察対応、保護措置、職場・学校・家族への共有、SNS設定の見直しを同時に考えます。

企業・専門職の信用被害

公的関心や正当な批判との境界、広報対応、民事請求、削除、メディア対応を統合して判断します。

次の比較表は、弁護士等を選ぶときに確認したい事項をまとめたものです。単に「告訴できるか」だけでなく、削除、特定、処罰、賠償、再発防止の優先順位を整理できるかを読み取ってください。

確認事項見るべきポイント
ネット誹謗中傷対応の経験発信者情報開示、削除請求、SNS・口コミサイト対応の経験を確認します。
刑事告訴の経験告訴状作成、警察相談、名誉毀損・侮辱・業務妨害の要件整理を確認します。
証拠保全の具体性何を、どの順番で、どの形式で保存すべきか具体的に示せるかを確認します。
費用体系の明確さ相談、証拠整理、削除、開示、告訴状作成、代理人活動、訴訟の範囲を分けて確認します。
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警察が慎重になりやすい誹謗中傷事案と対策

民事トラブル、匿名投稿、意見論評、証拠不足に見える場合は整理を補います。

警察は、単なる契約トラブル、感情的対立、口コミ上の不満、職場内の争いなどについて、刑事事件としての犯罪性が不明確な場合、慎重に対応することがあります。犯罪事実、証拠、公然性、社会的評価や信用の低下、業務被害、処罰意思を具体的に示すことが重要です。

次の比較表は、警察が慎重になりやすい場面と補うべき説明を整理したものです。相談で「民事の問題」と見られた場合でも、刑事事件性が伝わっていないだけのことがあるため、どの資料を追加すべきかを読み取ってください。

慎重になりやすい場面補うべき説明・資料
民事トラブルに見える単なる不満表明ではなく、具体的虚偽事実の流布、公然性、信用低下、業務被害、反復継続性を示します。
投稿者が匿名で特定できない投稿者特定の見通し、証拠の明確性、発信者情報開示、ログ保存、犯罪の重大性を整理します。
意見論評との境界が微妙投稿全体の文脈、虚偽の前提事実、人格攻撃、具体的事実の摘示を分けて示します。
証拠が不十分第三者保存画像、アーカイブ、通知メール、引用投稿、検索結果、被害発生資料を集めます。

次の判断の流れは、削除請求・民事請求・刑事告訴の関係を目的別に分けたものです。すべてを同じ手続で解決できるわけではないため、まず投稿を消したいのか、投稿者を知りたいのか、処罰を求めたいのかを読み取ってください。

目的別に選ぶ手続

目的を確認する

削除、特定、賠償、処罰、安全確保、企業信用のどれを急ぐか分けます。

被害拡大を止めたい
削除請求・仮処分

証拠保全後、通報フォームや送信防止措置依頼を検討します。

処罰を求めたい
刑事告訴

犯罪事実、証拠、処罰意思、告訴期間を明確にします。

賠償・再発防止も検討

発信者特定後の民事請求、示談、削除、再発防止条項などを必要に応じて検討します。

Section 13

誹謗中傷被害の目的別ロードマップ

危険を止める、投稿を消す、投稿者を特定する、処罰を求める目的を分けます。

誹謗中傷の対応では、目的を混同すると手続の順番を誤りやすくなります。安全確保、削除、特定、損害賠償、刑事告訴はそれぞれ目的が異なり、多くの実務では組み合わせて進めます。

次の手段一覧は、目的ごとに優先される対応を整理したものです。今すぐ止めるべき危険があるのか、証拠保全後に削除を急ぐのか、投稿者特定や処罰を求めるのかを読み取ってください。

危険を止めたい

110番または警察署へ相談し、脅迫、位置情報、住所晒し、つきまといの証拠を保存します。

安全

投稿を消したい

証拠保存後、削除フォーム、送信防止措置依頼、相談窓口、仮処分を検討します。

削除

投稿者を特定したい

投稿、URL、日時、アカウント情報を保存し、ログ保存と発信者情報開示を検討します。

特定

処罰を求めたい

犯罪類型、証拠、告訴期間を確認し、告訴状案、警察への事前相談、受理後の協力へ進みます。

刑事

処罰を求める場合でも、刑事告訴が受理されれば必ず逮捕・起訴・有罪になるわけではありません。不起訴になった場合も、新たな証拠の提出、検察審査会への申立て、民事請求、削除請求、発信者情報開示後の再検討など、別の手段を検討する余地があります。

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誹謗中傷の刑事告訴でよくある質問

一般的な制度説明として、個別事案で変わる点を含めて整理します。

Q1. 誹謗中傷という言葉のまま告訴状に書いてよいですか

一般的には、日常語として誹謗中傷と書くこと自体はあり得ます。ただし、告訴状では、名誉毀損、侮辱、信用毀損、業務妨害、脅迫など、具体的な罪名と構成要件に即して記載する方が整理しやすいとされています。投稿内容や証拠関係で結論は変わるため、具体的な書き方は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 投稿が真実なら名誉毀損になりませんか

一般的には、真実であれば常に名誉毀損罪が成立しないという単純な関係ではないとされています。公共の利害に関する事実か、公益目的か、真実性の証明があるかなどが問題になります。私人の私生活情報の暴露などでは別の違法性も問題になり得るため、個別事情を踏まえて弁護士等へ相談する必要があります。

Q3. 鍵アカウント内の投稿でも刑事告訴は問題になりますか

一般的には、公開範囲、フォロワー数、投稿の性質、拡散可能性によって判断が変わるとされています。鍵アカウントでも多数の人が閲覧できる場合や、スクリーンショット拡散が予見される場合は公然性が問題になり得ます。1対1のDMでは脅迫、強要、ストーカーなど別の観点もあり得るため、具体的な対応は専門家へ相談する必要があります。

Q4. 匿名アカウントでも告訴は問題になりますか

一般的には、氏名不詳者を対象とする告訴が問題になることはあります。ただし、投稿者特定の見通し、証拠の明確性、犯罪の重大性、ログ保存の状況によって実務上の対応は変わります。発信者情報開示や警察相談の進め方は個別事情に左右されるため、資料を整理して弁護士等へ相談する必要があります。

Q5. 侮辱罪は軽い犯罪として扱われますか

一般的には、侮辱罪は2022年の改正により法定刑が引き上げられ、インターネット上の悪質な侮辱行為への対応が重視されていると説明されています。ただし、刑事事件としての扱いは投稿内容、公開範囲、反復性、被害の程度、証拠状況で変わります。具体的な見通しは専門家へ相談する必要があります。

Q6. 警察から民事で進めるよう言われた場合は終わりですか

一般的には、犯罪事実や証拠の整理が十分でないために刑事事件性が伝わっていない場合があります。一方で、実際に刑事事件としては難しく、削除請求や民事請求を優先する方が適する事案もあります。告訴状や証拠を見直すか、別手続を選ぶかは個別事情で変わるため、弁護士等へ相談する必要があります。

Q7. 告訴すると相手は逮捕されますか

一般的には、告訴があっても直ちに逮捕されるとは限らないとされています。逮捕は犯罪の嫌疑に加え、逃亡や証拠隠滅のおそれなど逮捕の必要性が検討されます。名誉毀損・侮辱では在宅捜査になることもあるため、個別の見通しは証拠と事情を整理して専門家へ相談する必要があります。

Q8. 加害者と示談した場合は告訴を取り下げることになりますか

一般的には、示談により告訴を取り消すかどうかは事案によって変わります。親告罪では告訴取消しが重要な意味を持つことがあり、一度取り消すと再告訴できない場合もあります。謝罪、削除、再発防止、損害賠償、秘密保持、取消しの時期を含め、具体的には弁護士等へ相談する必要があります。

Q9. 自分で反論投稿をしてもよいですか

一般的には、反論が必要になる場面はありますが、感情的な反撃、中傷、個人情報の暴露、未確認情報の拡散は避ける必要があるとされています。企業や専門職では炎上拡大や手続への影響も考えられます。具体的な公表対応は、証拠保全や法的措置との関係を踏まえて専門家へ相談する必要があります。

Q10. 弁護士費用が心配な場合はどう考えればよいですか

一般的には、相談、証拠整理、削除請求、発信者情報開示、告訴状作成、代理人活動、民事訴訟など、依頼範囲によって費用は変わります。最初は法律相談で見通し、優先順位、費用感を確認する方法もあります。利用できる制度や保険の有無は個別事情で変わるため、資料を整理して相談する必要があります。

Reference

参考資料

法令、公的機関、裁判所などの中立的な資料を中心に整理しています。

法令・制度資料

  • e-Gov法令検索「刑法」
  • e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
  • e-Gov法令検索「犯罪捜査規範」

公的機関の解説

  • 法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」
  • 法務省「刑事事件の手続の流れ」
  • 警察庁「インターネット上の誹謗中傷等への対応」
  • 警視庁「誹謗・中傷・個人情報の流布」

裁判所・相談窓口資料

  • 東京地方裁判所「発信者情報開示命令申立て」
  • 違法・有害情報相談センター
  • 参議院法制局「懲役・禁錮の拘禁刑への一本化」