2σ Guide

認知症の親の預金が
引き出せない場合の対処法

親名義の預金は親本人の財産です。本人の意思確認が難しい場合は、銀行への個別相談、成年後見等の検討、弁護士や地域窓口への相談を、本人の利益を中心に整理します。

3層銀行・後見・弁護士
253,941人成年後見制度利用者
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認知症の親の預金が 引き出せない場合の対処法

親名義の預金は親本人の財産です。

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認知症の親の預金が 引き出せない場合の対処法
親名義の預金は親本人の財産です。
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  • 認知症の親の預金が 引き出せない場合の対処法
  • 親名義の預金は親本人の財産です。

POINT 1

  • 認知症の親の預金が引き出せなくなった場合の全体像
  • 短期は銀行相談、中期は成年後見等、紛争性があれば弁護士相談で整理します。
  • 銀行相談・成年後見・弁護士相談の三層構造
  • 銀行への個別相談
  • 成年後見等の検討

POINT 2

  • なぜ認知症の親の預金は家族でも自由に引き出せないのか
  • 預金は本人財産であり、銀行は本人意思・代理権・支払目的を確認します。
  • 銀行対応では、家族関係だけでは足りず、本人の財産を誰がどの権限で動かすのかが問われます。
  • この用語一覧は、本人、判断能力、代理権、法定代理、任意代理、無権代理を整理するものです。
  • 親族であることと代理権があることは別だと読み取ってください。

POINT 3

  • 認知症の親の預金を動かす前に行う初動対応
  • 1. 支払目的と金額を明確にする:本人のための医療費・介護費・生活費かを確認します。
  • 2. 資料を集める:請求書、診断書、親族関係資料、支払先情報を整理します。
  • 3. 銀行へ事前連絡する:必要資料や予約の要否を確認します。
  • 4. 直接振込を相談する:病院、施設、自治体など本人のための支払先に送る形を検討します。

POINT 4

  • 銀行が取り得る対応と認知症の親の預金払戻しの限界
  • 支払目的
  • 本人の医療・介護・生活に必要か、家族の利益や相続前渡しに近いかで扱いが変わります。
  • 金額と頻度
  • 少額の一時支払いと、継続的な高額支払いでは、求められる資料が変わります。

POINT 5

  • 認知症の親の預金管理で成年後見制度を検討する場面
  • 1. 診断書・本人情報・財産資料を集める:診断書、本人情報シート、預貯金、有価証券、不動産、負債、収入・支出資料を整理します。
  • 2. 家庭裁判所へ提出する:本人、配偶者、四親等内の親族などが申立人になります。
  • 3. 後見登記と銀行届出を行う:後見人等が銀行へ必要書類を提出し、本人財産の管理を開始します。

POINT 6

  • 認知症の親の預金問題で相談すべき場面
  • 親族対立、不正出金、緊急支払い、高額財産がある場合は早期相談が重要です。
  • 相談先は、問題の性質によって異なります。
  • 紛争性があるか、書類作成中心か、介護・生活支援が必要かを読み取ってください。
  • 弁護士相談では、入出金明細と請求書があると、本人のための支出と疑わしい支出を分けやすくなります。

POINT 7

  • 認知症の親の預金に関するFAQ
  • 一般的な制度説明として、結論が変わる条件も含めて整理します。
  • 子どもなら親の預金を引き出せますか。
  • 銀行に認知症と伝えると口座が凍結されますか。
  • キャッシュカードで少額ずつ引き出す対応は安全ですか。

まとめ

  • 認知症の親の預金が 引き出せない場合の対処法
  • 認知症の親の預金が引き出せなくなった場合の全体像:短期は銀行相談、中期は成年後見等、紛争性があれば弁護士相談で整理します。
  • なぜ認知症の親の預金は家族でも自由に引き出せないのか:預金は本人財産であり、銀行は本人意思・代理権・支払目的を確認します。
  • 認知症の親の預金を動かす前に行う初動対応:何のためにいくら必要かを資料で示し、銀行へ個別相談します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

認知症の親の預金が引き出せなくなった場合の全体像

短期は銀行相談、中期は成年後見等、紛争性があれば弁護士相談で整理します。

認知症の親の預金が引き出せなくなった場合、親名義の預金は親本人の財産であり、子どもや配偶者であっても当然に自由に引き出せるものではありません。銀行は本人の財産を守るため、本人意思または代理権を確認します。

次の重要ポイントは、実務上の優先順位を三層で整理したものです。目前の支払い、継続的な財産管理、親族間対立や緊急性を分けて読むことで、最初にどこへ相談すべきかを判断しやすくなります。

銀行相談・成年後見・弁護士相談の三層構造

医療費や介護費など本人のための支払いが迫る場合は銀行へ個別相談し、今後も継続的に管理が必要なら成年後見・保佐・補助を検討します。親族間対立、不正出金の疑い、不動産売却、施設費滞納などがある場合は、早期に弁護士へ相談する必要があります。

この一覧は、預金払戻しで誰の利益を中心に考えるかを整理しています。各項目は「家族が困っているか」ではなく、「本人の利益に結びつくか」「資料で説明できるか」を読み取るために重要です。

Bank

銀行への個別相談

本人の医療費、介護施設費、生活費について、請求書や振込先を示して相談します。全国一律の対応ではありません。

Court

成年後見等の検討

継続的な預金管理、契約、施設入所、不動産管理が必要なら、家庭裁判所で後見・保佐・補助を検討します。

Lawyer

弁護士相談

親族対立、使途不明金、銀行が応じない、施設費滞納、不動産売却が絡む場面では紛争対応の専門性が必要です。

Section 01

なぜ認知症の親の預金は家族でも自由に引き出せないのか

預金は本人財産であり、銀行は本人意思・代理権・支払目的を確認します。

銀行対応では、家族関係だけでは足りず、本人の財産を誰がどの権限で動かすのかが問われます。この用語一覧は、本人、判断能力、代理権、法定代理、任意代理、無権代理を整理するものです。親族であることと代理権があることは別だと読み取ってください。

用語意味銀行対応での注意点
本人預金口座の名義人である親です。本人の財産権と生活を守ることが中心になります。
判断能力取引内容、金額、支払先、結果、不利益を理解し意思決定する能力です。診断名だけでなく、当該取引を理解できるかが問題になります。
代理権本人に代わって法律行為をする権限です。銀行所定の代理人届、委任、成年後見人等の法定代理権などが根拠になります。
法定代理人成年後見人、保佐人、補助人などです。審判書や登記事項証明書等を銀行へ提出します。
無権代理代理権がない人が本人の代理人として行動することです。本人の利益に明らかに適合する支払いなど、極めて限定的な検討になります。

一般に「口座が凍結された」と言われますが、相続開始後の制度的な凍結とは異なります。この比較表は、認知症による制限の実態を分けて見るためのものです。問題の核心が本人確認・意思確認・代理権確認にあることを読み取ってください。

よくある表現実務上起きていること対応の方向性
認知症で口座が凍結された本人の意思確認や代理権確認ができず、払戻し・解約・振込などが制限されています。本人のための支払いか、誰に代理権があるかを資料で説明します。
子どもなのに引き出せない親族であることだけでは、本人財産を減らす権限になりません。請求書、診断書、親族関係資料、支払先情報をそろえます。
認知症と伝えなければよかった問題は診断名の告知ではなく、本人の理解力と取引の安全性です。虚偽説明を避け、透明な記録を残します。
Section 02

認知症の親の預金を動かす前に行う初動対応

何のためにいくら必要かを資料で示し、銀行へ個別相談します。

初動では、家族が必要な金額ではなく、本人の医療・介護・生活に必要な金額として説明できるかが重要です。この表は、支出項目ごとに銀行へ示す資料を整理したものです。支払目的、具体例、証拠資料をそろえる順番で読んでください。

支出項目銀行に示す資料
医療費入院費、手術費、薬代、通院費請求書、診療明細、病院の振込先
介護費介護施設費、デイサービス費、訪問介護費施設請求書、契約書、介護保険関係資料
生活費食費、家賃、公共料金、日用品費領収書、請求書、過去の支払履歴
税金・社会保険料固定資産税、国民健康保険料、介護保険料納付書、通知書

銀行に行く前には、資料をそろえたうえで事前連絡をすると相談が進みやすくなります。この判断の流れは、今日から行う行動の順番を示します。資金需要の特定、資料収集、銀行への連絡、直接振込の相談へ進むと読み取ってください。

初動対応の順番

支払目的と金額を明確にする

本人のための医療費・介護費・生活費かを確認します。

資料を集める

請求書、診断書、親族関係資料、支払先情報を整理します。

銀行へ事前連絡する

必要資料や予約の要否を確認します。

直接振込を相談する

病院、施設、自治体など本人のための支払先に送る形を検討します。

Section 03

銀行が取り得る対応と認知症の親の預金払戻しの限界

本人の判断能力、代理権、支払目的によって対応が分かれます。

銀行の対応は、本人に判断能力があるか、代理権者がいるか、本人のための支払いかで変わります。この比較表は、状況別にどのような対応が考えられるかを整理したものです。本人状態、対応の根拠、限界を確認してください。

状況考えられる対応限界・注意点
本人に判断能力がある本人確認・意思確認のうえで通常取引として扱われる場合があります。家族が本人の発言を遮ると真意確認が難しいと判断されることがあります。
本人の判断能力が低下している本人の医療費・介護費など、利益に適合する支払いは個別検討の余地があります。成年後見制度等の利用を促されるのが一般的です。
成年後見人等がいる法定代理人として銀行手続を行います。審判書、登記事項証明書、本人確認資料などが必要です。
任意代理人の届出がある届出内容の範囲で取引できる場合があります。取引範囲や判断能力低下後の扱いは銀行ごとに異なります。
代理権がない親族が依頼する本人のための支払いに限り、極めて限定的に検討されることがあります。投資信託等の解約は預金払戻しより慎重に扱われます。

銀行判断は、支払目的、金額、本人の状態、親族間対立によって変わり得ます。この一覧は、銀行が慎重になる要素を示します。同じ家族関係でも、資料や支払先によって結論が変わる理由を読み取ってください。

支払目的

本人の医療・介護・生活に必要か、家族の利益や相続前渡しに近いかで扱いが変わります。

金額と頻度

少額の一時支払いと、継続的な高額支払いでは、求められる資料が変わります。

本人の状態

診断名だけでなく、取引内容を理解し説明できるかが問題になります。

親族間対立

他の親族が反対している、使途不明金がある場合、銀行はより慎重になります。

Section 04

認知症の親の預金管理で成年後見制度を検討する場面

継続的な支払い、契約、不動産管理が必要なら中心的な選択肢になります。

成年後見制度は、単に預金を引き出すための制度ではなく、本人の財産管理と身上保護を家庭裁判所の監督のもとで続ける制度です。この比較表は、後見・保佐・補助の違いを整理したものです。対象となる判断能力の程度と、必要な支援範囲を対応させて読んでください。

類型対象となる状態実務上のイメージ
後見判断能力が欠けているのが通常の状態預金管理・契約等を広く代理する必要がある場合
保佐判断能力が著しく不十分重要な財産行為について同意・代理支援が必要な場合
補助判断能力が不十分本人の意思を尊重しつつ、特定行為だけ支援する場合

制度利用者数の内訳は、制度利用を考える際の目安になります。この横棒グラフは、令和6年12月末時点の利用者数を表します。棒の長さは人数規模を示し、成年後見が最も多く、保佐・補助・任意後見が続くことを読み取れます。

成年後見
179,373人
保佐
54,916人
補助
16,857人
任意後見
2,795人
成年後見制度全体の利用者数は253,941人とされています。

申立てから銀行届出までには複数の段階があります。この時系列は、医師の診断書、財産資料、家庭裁判所の審理、後見登記、銀行手続の順番を示します。継続的に管理できる状態へ近づく流れとして読み取ってください。

準備

診断書・本人情報・財産資料を集める

診断書、本人情報シート、預貯金、有価証券、不動産、負債、収入・支出資料を整理します。

申立て

家庭裁判所へ提出する

本人、配偶者、四親等内の親族などが申立人になります。

選任後

後見登記と銀行届出を行う

後見人等が銀行へ必要書類を提出し、本人財産の管理を開始します。

Section 05

認知症の親の預金問題で相談すべき場面

親族対立、不正出金、緊急支払い、高額財産がある場合は早期相談が重要です。

相談先は、問題の性質によって異なります。この比較表は、弁護士、司法書士、地域包括支援センター、社会福祉協議会、税理士、法テラスの役割を分けたものです。紛争性があるか、書類作成中心か、介護・生活支援が必要かを読み取ってください。

相談内容主な相談先理由
親族間で対立がある、不正出金が疑われる弁護士証拠整理、銀行対応、返還請求、保全処分、相続紛争まで見通す必要があります。
成年後見申立書類の作成を依頼したい弁護士、司法書士書類作成と制度選択を支援できます。
介護サービスや認知症支援につなぎたい地域包括支援センター高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防などを支援します。
日常的な金銭管理支援を受けたい社会福祉協議会本人が契約内容を理解できる場合、日常生活自立支援事業が使えることがあります。
税務・贈与・相続税が絡む税理士、弁護士預金移動が贈与税、相続税、特別受益に波及することがあります。

弁護士相談では、入出金明細と請求書があると、本人のための支出と疑わしい支出を分けやすくなります。この資料一覧は、相談時に持参するとよいものを整理したものです。完全でなくても重要資料から優先して集めてください。

資料目的
通帳コピー、入出金明細預金残高、使途不明金、支払い実績の確認
キャッシュカードの管理状況メモ誰がカードを持ち、いつから管理しているかの確認
診断書、介護認定資料判断能力の低下時期と程度の確認
施設・病院の請求書緊急性と本人のための支出であることの確認
戸籍謄本、親族関係図申立権者と相続関係の確認
Section 06

認知症の親の預金に関するFAQ

一般的な制度説明として、結論が変わる条件も含めて整理します。

子どもなら親の預金を引き出せますか。

一般的には、親の預金は親本人の財産であり、子どもであっても本人の意思確認または代理権の確認が必要とされています。ただし、本人の医療費・介護費など本人の利益に明らかに適合する支払いについては、銀行に個別相談する余地があります。具体的な対応は、支払目的、資料、親族関係、銀行の運用によって変わります。

銀行に認知症と伝えると口座が凍結されますか。

一般的には、認知症と伝えた瞬間に制度的に凍結されるという単純な仕組みではありません。ただし、銀行が本人の意思確認をできないと判断すれば、払戻しや解約に慎重になります。

キャッシュカードで少額ずつ引き出す対応は安全ですか。

一般的には、本人のための支出であっても、領収書や記録がなければ使途不明金と疑われる可能性があります。やむを得ず支出した場合でも、日付、金額、使途、領収書、残額を記録する必要があります。

成年後見人になれば家族が自由に親のお金を使えますか。

一般的には、成年後見人は本人のために財産を管理する立場であり、家庭裁判所の監督を受けます。本人以外の家族の利益のために自由に使える制度ではありません。

日常生活自立支援事業で預金管理をしてもらえますか。

一般的には、本人が契約内容を理解できる能力を有している場合、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業により日常的金銭管理の支援を受けられることがあります。ただし、本人が契約できない状態であれば、成年後見制度の検討が必要になります。

Reference

参考資料

公的資料・専門機関資料

  • 全国銀行協会「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方」
  • 全国銀行協会「不測の事態における預金の払出しに関する考え方について」
  • 裁判所「成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ」
  • 裁判所「後見開始」
  • 裁判所「後見開始の申立書」
  • 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」
  • 厚生労働省「第二期成年後見制度利用促進基本計画・施策の実施状況等」
  • 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
  • 厚生労働省「認知症に関する相談について」
  • 厚生労働省「日常生活自立支援事業」
  • 厚生労働省「任意後見制度とは」
  • 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
  • 日本弁護士連合会「高齢者・障害者に関する法律相談窓口」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「任意後見契約に関する法律」