2σ Guide

後見人の選任手続き
家庭裁判所への申立てから選任後の実務まで

成年後見・任意後見・未成年後見の違い、申立人、管轄、必要書類、費用、審理、候補者選定、専門職後見人、選任後の責任までを整理します。

43,159件令和7年申立件数
83.6%親族以外の選任割合
1〜2か月多くの事案の目安
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後見人の選任手続き 家庭裁判所への申立てから選任後の実務まで

成年後見 ・任意後見・未成年後見の違い、申立人、管轄、必要書類、費用、審理、候補者選定、専門職後見人、選任後の責任までを整理します。

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後見人の選任手続き 家庭裁判所への申立てから選任後の実務まで
成年後見 ・任意後見・未成年後見の違い、申立人、管轄、必要書類、費用、審理、候補者選定、専門職後見人、選任後の責任までを整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 後見人の選任手続き 家庭裁判所への申立てから選任後の実務まで
  • 成年後見 ・任意後見・未成年後見の違い、申立人、管轄、必要書類、費用、審理、候補者選定、専門職後見人、選任後の責任までを整理します。

POINT 1

  • 後見人の選任手続きの全体像
  • 候補者を届け出るだけではなく、本人保護を中心に家庭裁判所が判断します。
  • 候補者の希望よりも本人保護が中心
  • 後見・保佐・補助などの選択
  • 本人の状態と財産を正確に伝える

POINT 2

  • 後見人の選任手続きで押さえる用語と役割
  • 制度ごとの呼び方を分けると、申立ての種類と選任後の責任が見えます。
  • 本人、財産管理、身上保護を区別する
  • どの用語がどの場面に対応するかを見分けることが、申立ての種類や必要書類の読み違いを防ぐ出発点になります。
  • 成年後見・保佐・補助・任意後見では、支援を受ける人を「本人」と呼びます。

POINT 3

  • 後見人の選任手続きが必要になる典型場面
  • 預貯金、施設契約、不動産、相続、財産流出など、動機ごとに準備が変わります。
  • 場面ごとに必要な証拠や裁判所が見る事情が変わるため、何のために申し立てるのかを具体化することが大切です。
  • 左の短い文字は論点の種類を示し、各項目では「なぜ手続が必要になるのか」と「何を整理すべきか」を読み取れます。
  • 本人が預金の払戻しや解約の意思表示をできない場合、家族であっても当然に本人名義の預金を動かせるわけではありません。

POINT 4

  • 後見人の選任手続きで選ぶ制度類型
  • 法定後見、任意後見、未成年後見、追加選任の違いを整理します。
  • 法定後見は後見・保佐・補助に分かれる
  • 制度選択を誤ると、申立書、必要書類、費用、効力発生の時点がずれてしまいます。
  • 判断能力、申立ての目的、家庭裁判所に求める内容の列を確認すると、どの手続を検討すべきかを整理できます。

POINT 5

  • 成年後見人の選任手続きの流れ
  • 1. 本人の状態・支援課題を整理:判断能力、生活状況、財産状況、申立ての目的を確認します。
  • 2. 制度類型と申立人を確認:後見・保佐・補助、任意後見監督人、未成年後見などを検討します。
  • 3. 管轄家庭裁判所と必要書類を確認:本人の住所地を基準に、診断書、本人情報シート、財産資料等を準備します。
  • 4. 家庭裁判所へ申立て:収入印紙、郵便切手、登記手数料などの実費も準備します。
  • 5. 照会・面接・調査・鑑定:親族照会や鑑定が入ると期間が延びる可能性があります。
  • 6. 審判へ進む:診断書等で判断できる場合は審判まで進みます。
  • 7. 後見開始の審判と成年後見人の選任:審判確定後、成年後見登記がされ、選任後の実務に入ります。

POINT 6

  • 後見人の選任手続き前に整理する事項と必要書類
  • 本人の判断能力
  • 預金解約、施設契約、不動産売却、相続協議、保険金請求などの意味を理解できるかを確認します。
  • 本人の生活状況
  • 生活場所、介護者、利用サービス、今後必要な施設入所や医療・福祉契約を整理します。

POINT 7

  • 後見人の選任手続きの申立人・管轄・費用
  • 誰がどこへ申し立て、どの実費がかかるのかを制度別に確認します。
  • 成年後見開始の申立てができる人と申立先は、法律や裁判所の案内で定められています。
  • 申立資格と管轄を誤ると、書類をそろえても手続が進まないため、本人の住所地と申立人の立場を早めに確認します。
  • 制度ごとの列を横に見ることで、同じ家庭裁判所の手続でも申立人や登記手数料が異なることを確認できます。

POINT 8

  • 家庭裁判所が後見人を選任する判断要素
  • 財産や法的課題が複雑
  • 候補者と本人の利益相反
  • 遺産分割、贈与、貸し借り、不動産共有、過去の預金引出しなどがある場合、親族候補者がそのまま関与できるとは限りません。

まとめ

  • 後見人の選任手続き 家庭裁判所への申立てから選任後の実務まで
  • 後見人の選任手続きの全体像:候補者を届け出るだけではなく、本人保護を中心に家庭裁判所が判断します。
  • 後見人の選任手続きで押さえる用語と役割:制度ごとの呼び方を分けると、申立ての種類と選任後の責任が見えます。
  • 後見人の選任手続きが必要になる典型場面:預貯金、施設契約、不動産、相続、財産流出など、動機ごとに準備が変わります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

後見人の選任手続きの全体像

候補者を届け出るだけではなく、本人保護を中心に家庭裁判所が判断します。

後見人の選任手続きは、家族が候補者を届け出ればそのまま選ばれる手続ではありません。家庭裁判所が、本人の判断能力、生活状況、財産状況、支援課題を確認し、本人の権利と生活を守るために適任者を選ぶ司法手続です。

このページでは、成年後見、保佐、補助、任意後見監督人、未成年後見、既に後見が始まっている場合の追加選任までを整理します。制度名が似ていても、申立人、管轄、費用、必要書類、選任後の責任が異なるため、最初に全体像をつかむことが重要です。

重要後見人の選任手続きでは、候補者を挙げることはできますが、最終的な選任権限は家庭裁判所にあります。希望した候補者と異なる人が選任されることもあり、そのことだけを理由に不服申立てをすることはできないとされています。

次の重要ポイントは、後見人の選任手続きで特に誤解が起きやすい数字と判断要素をまとめたものです。手続の長さ、親族以外の選任割合、鑑定の実施割合を並べることで、読者は「家族だけで短期間に決まる」と思い込まず、準備すべき論点を読み取れます。

候補者の希望よりも本人保護が中心

令和7年統計では、成年後見人等と本人との関係について、親族以外の選任が83.6%、親族の選任が16.4%とされています。手続の多くは2か月以内に終局しますが、鑑定や親族対立があると長期化する可能性があります。

後見人の選任手続きで最初に確認する観点は、制度類型、本人の状態、候補者の適否です。次の3点を順番に見ると、申立て前に何を整理すべきかが分かります。

制度

後見・保佐・補助などの選択

本人の判断能力と必要な支援により、後見、保佐、補助、任意後見監督人、未成年後見のいずれを検討するかが変わります。

資料

本人の状態と財産を正確に伝える

診断書、本人情報シート、財産目録、収支予定表、親族関係資料などにより、本人に必要な支援を裁判所へ示します。

選任

家庭裁判所が適任者を判断する

親族候補者がいても、専門職後見人、複数後見人、後見監督人、支援信託・支援預貯金が検討される場合があります。

Section 01

後見人の選任手続きで押さえる用語と役割

制度ごとの呼び方を分けると、申立ての種類と選任後の責任が見えます。

「後見人」という言葉は日常では広く使われますが、法律上は成年後見人、保佐人、補助人、任意後見人、未成年後見人、監督人などに分かれます。どの用語がどの場面に対応するかを見分けることが、申立ての種類や必要書類の読み違いを防ぐ出発点になります。

次の比較表は、後見人の選任手続きで混同しやすい用語を、対象者、選任や効力発生の仕組み、主な役割ごとに整理したものです。列ごとの違いを読むことで、同じ「後見」という言葉でも家庭裁判所に求める手続が異なることを確認できます。

用語主な対象選任・効力発生典型的な役割
成年後見人判断能力を欠く常況にある成人家庭裁判所の後見開始審判と同時に選任財産管理、法律行為の代理、取消し、身上保護に関する契約等
保佐人判断能力が著しく不十分な成人家庭裁判所の保佐開始審判により選任重要な法律行為への同意・取消し、必要に応じた代理
補助人判断能力が不十分な成人家庭裁判所の補助開始審判により選任特定の行為への同意・取消し、特定の代理
任意後見人将来に備えて契約した受任者任意後見監督人が選任されると契約が効力を生じる契約で定めた範囲の財産管理・身上保護関連事務
任意後見監督人任意後見人を監督する人家庭裁判所が選任任意後見人の事務を監督し、家庭裁判所に報告
未成年後見人親権者がいない未成年者等家庭裁判所の選任等監護養育、財産管理、契約等の法定代理
後見監督人後見人等の事務を監督する立場家庭裁判所が必要に応じて選任後見人の監督、利益相反場面での関与等

本人、財産管理、身上保護を区別する

成年後見・保佐・補助・任意後見では、支援を受ける人を「本人」と呼びます。高齢の親の預金を子が管理したい場合でも、制度の中心にいるのは申立人ではなく本人です。

財産管理は、預貯金、不動産、年金、保険、株式、債務、税金、公共料金、入出金、相続財産などを本人の利益のために管理することです。身上保護は、生活、医療、介護、福祉に関する契約や手続を行い、本人が必要な支援を受けられるように関与することです。

範囲後見人は本人の財産を自由に使える人ではありません。食事介助、入浴介助、掃除、通院付き添いなどの事実上の介護を当然に自ら行う職務でもなく、医療同意についても包括的な権限があると単純に考えるのは危険です。
Section 02

後見人の選任手続きが必要になる典型場面

預貯金、施設契約、不動産、相続、財産流出など、動機ごとに準備が変わります。

後見人の選任手続きは、預金解約だけでなく、施設契約、不動産処分、相続手続、悪質商法への対応、親権者がいない未成年者の支援などで検討されます。場面ごとに必要な証拠や裁判所が見る事情が変わるため、何のために申し立てるのかを具体化することが大切です。

次の一覧は、後見人の選任手続きが検討される代表的な場面を、支援課題ごとにまとめたものです。左の短い文字は論点の種類を示し、各項目では「なぜ手続が必要になるのか」と「何を整理すべきか」を読み取れます。

銀行口座の管理・解約

本人が預金の払戻しや解約の意思表示をできない場合、家族であっても当然に本人名義の預金を動かせるわけではありません。生活費、施設費、医療費、税金の支払い目的を整理します。

預貯金意思確認

介護施設入所・介護サービス契約

本人が施設入所契約や介護サービス契約を理解して締結できない場合、契約主体の問題が生じます。本人の希望、費用負担、医療・福祉関係者との連携を整理します。

身上保護契約

不動産の売却・賃貸・管理

自宅売却、空き家管理、賃貸物件整理などは本人の生活基盤と財産に大きく関わります。売却の必要性、居住用不動産処分許可、価格の妥当性を確認します。

不動産許可

相続手続・遺産分割協議

本人が相続人で判断能力が不十分な場合、遺産分割協議を進めるために後見人等の選任が問題になります。候補者も相続人であれば利益相反に注意が必要です。

相続利益相反

悪質商法・詐欺・財産流出

高額契約、第三者による引出し、親族間の財産管理不信がある場合、代理・取消し・財産管理による本人保護が検討されます。取引履歴や支出記録を確認します。

被害防止証拠

親権者がいない未成年者

親権者の死亡、行方不明、親権喪失等により親権を行う人がいない場合、未成年後見人の選任が問題になります。養育環境と財産管理能力が重視されます。

未成年後見養育

申立ての目的が一つに見えても、後見が開始されると継続的な支援が始まります。たとえば「預金解約だけ」のつもりでも、選任後は本人の財産管理・身上保護・定期報告が続く点を申立て前に共有する必要があります。

Section 03

後見人の選任手続きで選ぶ制度類型

法定後見、任意後見、未成年後見、追加選任の違いを整理します。

後見人の選任手続きで最も大きな分岐は、本人の判断能力が既に不十分なのか、将来に備える契約なのか、未成年者のための制度なのかという点です。制度選択を誤ると、申立書、必要書類、費用、効力発生の時点がずれてしまいます。

次の比較表は、法定後見、任意後見、未成年後見、追加選任を同じ軸で見比べるものです。判断能力、申立ての目的、家庭裁判所に求める内容の列を確認すると、どの手続を検討すべきかを整理できます。

制度使う場面家庭裁判所に求めること注意点
法定後見本人の判断能力が既に不十分後見・保佐・補助開始の審判と後見人等の選任本人の状態に応じて後見、保佐、補助を選びます。
任意後見本人が元気なうちに契約し、判断能力低下後に使う任意後見監督人の選任契約だけでは効力が生じず、監督人選任が必要です。
未成年後見親権者がいない未成年者がいる未成年後見人の選任成人の判断能力低下を支える制度ではありません。
後任・追加選任後見人等が死亡・辞任・解任した、または追加が必要後見人等の選任既存の後見類型に応じて申立人や資料が変わります。

法定後見は後見・保佐・補助に分かれる

法定後見は、本人の判断能力が既に不十分になっている場合に使う制度です。後見は判断能力を欠く常況、保佐は判断能力が著しく不十分、補助は判断能力が不十分という目安で整理されます。

次の比較表は、法定後見の3類型を、判断能力の目安と権限の特徴で比べたものです。本人がどの程度自分で判断できるか、どの範囲の支援が必要かを読み取ることが制度選択につながります。

類型判断能力の目安選任される人特徴
後見判断能力を欠く常況成年後見人代理権が広く、本人の財産に関する法律行為を広く代理できます。
保佐判断能力が著しく不十分保佐人重要な法律行為の同意・取消しが中心で、必要に応じ代理権を付与します。
補助判断能力が不十分補助人本人の状態に応じ、特定の行為に限って同意・取消し・代理を設定します。
任意後見任意後見では、通常「任意後見人を選任する」のではなく、家庭裁判所へ任意後見監督人の選任を申し立てます。監督人が選任されて初めて、任意後見契約の効力が生じます。
Section 04

成年後見人の選任手続きの流れ

申立てから審判、登記、選任後の報告までを順番に確認します。

成年後見人の選任手続きは、本人の状態整理から始まり、申立書類の準備、家庭裁判所での審理、審判、登記、選任後の初回報告へ進みます。最初に順番を押さえると、どの段階で診断書や財産資料が必要になるかが分かります。

次の手順図は、成年後見開始の申立てから選任後の初動までを、家庭裁判所での判断の流れに沿って並べたものです。上から下へ進む順番を確認し、どの段階で資料準備、面接、鑑定、報告が入るのかを読み取ってください。

成年後見人の選任手続きの順番

本人の状態・支援課題を整理

判断能力、生活状況、財産状況、申立ての目的を確認します。

制度類型と申立人を確認

後見・保佐・補助、任意後見監督人、未成年後見などを検討します。

管轄家庭裁判所と必要書類を確認

本人の住所地を基準に、診断書、本人情報シート、財産資料等を準備します。

家庭裁判所へ申立て

収入印紙、郵便切手、登記手数料などの実費も準備します。

必要あり
照会・面接・調査・鑑定

親族照会や鑑定が入ると期間が延びる可能性があります。

資料で足りる
審判へ進む

診断書等で判断できる場合は審判まで進みます。

後見開始の審判と成年後見人の選任

審判確定後、成年後見登記がされ、選任後の実務に入ります。

手続全体を14項目に分けると、事実整理、制度選択、書類準備、申立て、審理、審判、登記、選任後報告という流れになります。特に、候補者の希望だけでなく本人の利益と支援課題を一貫して示すことが重要です。

  1. 本人の判断能力、生活状況、財産状況、支援課題を整理する
  2. 後見・保佐・補助・任意後見・未成年後見のいずれが適切か検討する
  3. 申立人になれる人を確認する
  4. 管轄の家庭裁判所を確認する
  5. 診断書、本人情報シート、戸籍、住民票、財産資料、収支資料等を準備する
  6. 申立書類を作成する
  7. 収入印紙、郵便切手、登記手数料等を準備する
  8. 家庭裁判所へ申立てをする
  9. 照会、面接、調査、親族への意向確認等を受ける
  10. 必要に応じて鑑定を受ける
  11. 家庭裁判所が後見開始の審判をし、成年後見人を選任する
  12. 審判確定後、成年後見登記がされる
  13. 成年後見人が財産目録・収支予定表等を作成し、家庭裁判所へ報告する
  14. 以後、後見事務を行い、定期的に家庭裁判所または後見監督人へ報告する
Section 05

後見人の選任手続き前に整理する事項と必要書類

本人の状態、財産、親族関係、申立目的を先に整理すると、書類準備の精度が上がります。

後見人の選任手続きでは、書類集めの前に本人の判断能力、生活状況、財産状況、親族関係、申立ての目的を整理します。申立書は単なる形式書類ではなく、本人にどの支援が必要かを家庭裁判所に伝える中核資料だからです。

次の注意項目は、申立て前に確認すべき事実関係を分野ごとにまとめたものです。各項目を読むことで、医師、福祉関係者、親族、金融機関、裁判所へ何を確認すべきかが分かります。

本人の判断能力

預金解約、施設契約、不動産売却、相続協議、保険金請求などの意味を理解できるかを確認します。診断書は家庭裁判所の判断資料になります。

本人の生活状況

生活場所、介護者、利用サービス、今後必要な施設入所や医療・福祉契約を整理します。本人情報シートは医療・福祉関係者の情報を伝える資料です。

本人の財産状況

預貯金、不動産、有価証券、保険、年金、債務、税金、施設費等を整理します。財産が複雑なほど専門職選任が検討されやすくなります。

親族関係と利害対立

相続、贈与、貸し借り、不動産共有、過去の預金引出しなど、本人と候補者の利益が対立し得る事情を隠さず整理します。

必要書類の全体像

次の一覧は、成年後見開始の申立てで準備する資料を、基本書類、身分関係、医学的資料、登記関係、財産・収支資料、提出時の注意に分けたものです。どの列も家庭裁判所が本人保護の必要性と候補者の適否を判断する材料になるため、抜けや古い資料がないかを確認してください。

区分主な資料確認ポイント
基本書類申立書、申立事情説明書、親族関係図、親族の意向確認に関する資料、候補者事情説明書、財産目録、収支予定表、本人情報シート本人の支援課題と候補者の事情を具体的に記載します。
戸籍・住民票等本人の戸籍謄本、本人の住民票または戸籍附票、候補者の住民票または戸籍附票など個人番号(マイナンバー)記載のないものを取得します。
医学的資料診断書、診断書付票等、裁判所所定の関連資料、本人情報シート診断書は発行から3か月以内のものが必要とされています。
登記関係資料登記されていないことの証明書既に後見・保佐・補助・任意後見の登記を受けていないかを確認します。
財産・収支資料預貯金通帳写し、残高証明書、不動産登記事項証明書、有価証券資料、保険証券、負債資料、年金・施設費・医療費資料など本人財産の全体像と支援課題を示します。
提出時の注意住民票、通帳写し、各種添付資料個人番号(マイナンバー)を記載した資料を提出しないよう注意します。
Section 06

後見人の選任手続きの申立人・管轄・費用

誰がどこへ申し立て、どの実費がかかるのかを制度別に確認します。

成年後見開始の申立てができる人と申立先は、法律や裁判所の案内で定められています。申立資格と管轄を誤ると、書類をそろえても手続が進まないため、本人の住所地と申立人の立場を早めに確認します。

次の比較表は、成年後見開始、任意後見監督人選任、未成年後見人選任で、申立人、申立先、主な費用を比べたものです。制度ごとの列を横に見ることで、同じ家庭裁判所の手続でも申立人や登記手数料が異なることを確認できます。

手続申立人申立先主な公的実費
成年後見開始本人、配偶者、四親等内の親族、一定の後見関係者、検察官など。必要に応じ市区町村長申立てもあります。本人の住所地を管轄する家庭裁判所申立手数料800円、登記手数料2600円、連絡用郵便切手、必要に応じ鑑定費用
任意後見監督人選任本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者。本人以外の申立てでは、本人が意思表示できないときを除き本人同意が必要です。本人の住所地を管轄する家庭裁判所申立手数料800円、登記手数料1400円、連絡用郵便切手、必要に応じ鑑定費用
未成年後見人選任未成年者本人、未成年者の親族、その他利害関係人未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所未成年者1人につき申立手数料800円、連絡用郵便切手

費用面では、申立手数料や登記手数料だけでなく、鑑定費用や専門職へ依頼する場合の報酬も検討します。次の割合の比較は、令和7年統計に基づく鑑定実施割合と鑑定費用の分布を示しており、鑑定が必ずではない一方で、必要になった場合の金額感を読み取れます。

鑑定実施
3.4%
5万円以下
43.7%
10万円以下
85.8%
鑑定費用の割合は、鑑定が実施された事件の費用分布です。

経済的に専門職費用が不安な場合には、法テラスの民事法律扶助により、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替えを受けられる可能性があります。成年後見申立ての書類作成援助も対象例として示されています。

Section 07

家庭裁判所が後見人を選任する判断要素

家族だから当然に選ばれるのではなく、本人の利益と管理の難しさが重視されます。

家庭裁判所は、本人の財産や生活の状況に照らして最も適任と思われる人を選任すると説明しています。候補者は重要な情報ですが、推薦に近い位置づけであり、本人の利益、財産管理の難しさ、親族間対立、利益相反などが重視されます。

次の注意項目は、家庭裁判所が後見人候補者や専門職選任の要否を判断する際に問題になりやすい事情を整理したものです。各項目を読むことで、親族候補者を立てる場合に何を説明し、どの事情を隠さず示すべきかが分かります。

財産や法的課題が複雑

高額財産、不動産売却、相続、訴訟、債務整理、損害賠償、消費者被害などがある場合、専門職後見人が検討されやすくなります。

候補者と本人の利益相反

遺産分割、贈与、貸し借り、不動産共有、過去の預金引出しなどがある場合、親族候補者がそのまま関与できるとは限りません。

親族間対立や財産流用の疑い

親族の反対が強い、使途不明金がある、本人財産の管理に不信がある場合、第三者や監督人の関与が検討されます。

候補者の継続性と管理能力

年齢、健康状態、居住地、時間的余裕、財産管理能力、本人の生活状況を把握できるかが問題になります。

親族後見人と専門職後見人

親族後見人は本人の生活歴や希望をよく知っていることがありますが、家庭裁判所への報告義務、財産目録作成、収支管理、本人財産と自己財産の分別管理は必要です。家族内の慣習ではなく、制度上の管理が求められます。

次の割合の比較は、令和7年統計における成年後見人等と本人との関係を示したものです。横方向の長さが選任割合を表しており、親族以外の選任が多数を占める実情を読み取れます。

親族以外
83.6%
親族
16.4%
成年後見人等と本人との関係に関する令和7年統計の割合です。

家庭裁判所は、必要に応じて複数の後見人を選任したり、後見監督人を選任したりすることがあります。生活面は親族、財産管理や法的課題は専門職という役割分担のほか、後見制度支援信託・支援預貯金が利用される場合もあります。

Section 08

後見人候補者と申立て後の取下げリスク

候補者の説明、利益相反、本人の意向、撤回制限を申立て前に確認します。

後見人候補者を立てる場合は、本人の利益を第一にできること、財産管理能力があること、本人との利益相反がないこと、継続して職務を担えることを具体的に示します。抽象的に「家族だから」「面倒を見てきたから」と書くだけでは不十分です。

次の比較一覧は、候補者を立てるときの説明ポイントと、避けるべきリスクを並べたものです。左列で説明すべき内容を確認し、右列で裁判所の不信につながりやすい事情を読み取ってください。

整理すべき点具体的に示す内容注意すべき事情
候補者の事情職業、収入、資産、負債、健康状態、居住地、後見事務に使える時間遠方居住、健康不安、管理経験不足がある場合は補足説明が必要です。
本人との関係生活支援、通院対応、介護契約、金銭管理、親族間調整への関与過去の支出や預金引出しを曖昧にすると問題になります。
利益相反相続、贈与、貸し借り、不動産共有、同居費用などの有無隠さず説明し、必要に応じ専門職や監督人の関与を検討します。
本人の意向どこで暮らしたいか、誰に支援してほしいか、どんな生活を望むか家族や支援者の都合だけで進めると、本人中心の説明になりません。
取下げ成年後見等の申立ては、申立人の都合だけで自由に撤回できるものではありません。審判前であっても、取下げには家庭裁判所の許可が必要とされています。

申立人が「候補者が自分にならないなら取り下げたい」と考えても、家庭裁判所が本人保護の必要性を認める場合、取下げが許可されない可能性があります。申立て前に、候補者が選ばれない場合や専門職後見人が選ばれる場合も想定しておくことが重要です。

Section 09

後見人の選任手続き後に始まる実務と責任

選任後は財産目録、収支予定表、分別管理、定期報告が続きます。

成年後見人が選任されると、成年後見登記が行われ、選任後の実務が始まります。選任は終点ではなく、本人財産の調査、財産目録と収支予定表の作成、家庭裁判所または後見監督人への報告、継続的な財産管理・身上保護の出発点です。

次の時系列は、審判後から継続報告までの実務を順番に整理したものです。上から下へ時期が進み、どの段階で登記事項証明書、金融機関届出、財産目録、年次報告が必要になるかを読み取れます。

審判確定後

審判書・確定証明書・登記事項証明書を確認

成年後見登記により、成年後見人等の権限や任意後見契約の内容が証明されます。

選任直後

本人・親族・支援機関から情報収集

本人と面会し、生活状況、意思、希望を確認し、施設、ケアマネジャー、医療機関、行政機関等から情報を集めます。

おおむね1か月以内

財産目録と年間収支予定表を作成

預貯金、不動産、保険、年金、債務、収支を確認し、本人財産と後見人自身の財産を完全に分けて管理します。

継続管理

定期報告と日々の記録

おおむね1年ごとに、本人の財産や生活状況を記載した報告書を提出し、家庭裁判所または後見監督人の監督を受けます。

後見人は本人の財産を本人のために使う立場です。本人の預金を後見人名義の口座に移す、家族の生活費に流用する、領収書を残さず現金管理する、相続対策目的で資産移転する、といった対応は問題になります。

責任後見人が本人財産を不正に利用した場合、家庭裁判所による解任、損害賠償、刑事責任が問題になる可能性があります。親族後見人であっても、制度上の責任は重いものです。
Section 10

任意後見・未成年後見・追加選任の手続き

成年後見開始以外の選任手続は、目的と効力発生の仕組みが異なります。

任意後見、未成年後見、既に後見が始まっている場合の後任・追加選任は、成年後見開始と似た言葉で語られますが、申立ての目的が異なります。特に任意後見では、契約を結んでいるだけでは任意後見人として権限を行使できる段階ではありません。

次の比較表は、成年後見開始以外の後見人の選任手続きを、申立てのきっかけ、申立人、費用、注意点で整理したものです。各行を読むと、どの制度で家庭裁判所に何を求めるのかを区別できます。

手続きっかけ申立人・費用注意点
任意後見監督人選任任意後見契約を結んだ本人の判断能力が不十分になった本人、配偶者、四親等内親族、任意後見受任者。申立手数料800円、登記手数料1400円など本人以外の申立てでは、本人が意思表示できないときを除き本人同意が必要です。
未成年後見人選任親権者がいない未成年者がいる未成年者本人、親族、その他利害関係人。未成年者1人につき申立手数料800円など養育環境、財産管理能力、親族間対立、利益相反が問題になります。
後任・追加選任既に選任された後見人等が欠けた、または追加が必要になった本人、配偶者、親族、既に選任されている後見人等、監督人等、検察官等申立ての理由を証する資料、候補者事情説明書、候補者の住民票等が必要になります。

任意後見は、本人が十分な判断能力を有する時点で将来に備えて契約する制度です。ただし、契約内容に定められていない事務は任意後見人の権限外となる可能性があり、法定後見との関係を検討すべき場合もあります。

未成年後見は、判断能力が不十分な成人の制度ではありません。未成年者の監護養育、財産管理、契約等を担う人を選ぶ制度であり、未成年者の利益を中心に判断されます。

Section 11

後見人の選任手続きで専門職相談が必要になりやすい局面

親族対立、相続、不動産、財産流出、法テラス利用は早めの整理が重要です。

後見人の選任手続きは申立人だけで進められる場合もありますが、親族間対立、相続、不動産売却、使途不明金、債務、訴訟、候補者争い、市区町村長申立て、任意後見契約の解釈が絡む場合には、専門職へ相談する必要性が高くなります。

次の一覧は、専門職相談を検討しやすい局面を、問題の種類ごとに整理したものです。各項目では、単に申立書を書く問題にとどまらず、証拠整理、財産保全、親族調整、福祉機関との連携が必要になり得ることを読み取れます。

親族間で対立がある

候補者の適否、預金引出し、介護負担、相続見込みをめぐる対立がある場合、申立書の記載と資料整理が重要になります。

親族対立

本人財産の流出が疑われる

取引履歴、領収書、支出目的、生活費不足、経済的虐待の可能性を整理し、後見申立て以外の手段も検討します。

財産流出証拠

相続・遺産分割が絡む

本人と候補者が同じ相続の当事者になる場合、利益相反や特別代理人、専門職後見人の要否が問題になります。

相続

本人名義の不動産を売却したい

売却の必要性、本人が戻る可能性、居住用不動産処分許可、売却価格の妥当性、親族買受けの利益相反を確認します。

不動産

身寄りがなく申立人が見つからない

市区町村長申立て、地域包括支援センター、社会福祉協議会、中核機関、医療・福祉機関との連携が必要になることがあります。

福祉連携

費用面で法テラスを検討したい

収入・資産基準、民事法律扶助の趣旨への適合、書類作成援助、費用立替の利用可否を確認します。

法テラス

本人の意思決定支援を中心に据える

成年後見制度は、本人を管理する制度ではありません。本人の権利を守り、本人の意思を尊重しながら、必要な法律行為や財産管理を支援する制度です。

  • 本人が理解しやすい方法で説明する
  • 本人の過去の生活歴、価値観、希望を確認する
  • 家族や支援者の都合だけで決めない
  • 本人の安全と自由のバランスを考える
  • 本人が表現できる小さな希望も尊重する
  • 本人の財産を本人の生活のために使う
  • 本人にとって過度に制限的な制度利用を避ける
Section 12

後見人の選任手続きでよくある誤解とチェックリスト

申立て前の思い込みをほどき、制度選択・資料・候補者・取下げリスクを確認します。

後見人の選任手続きでは、家族の便宜、預金解約、介護の代行、任意後見契約の効力などについて誤解が生じやすくなります。誤解したまま申立てをすると、候補者が選ばれない、取下げが許可されない、後見が継続するなどの不一致が起こります。

次の比較表は、よくある誤解と実際の制度理解を並べたものです。左列の思い込みに当てはまる場合は、右列の説明を読み、申立て前に家族間で共有すべき前提を確認してください。

よくある誤解制度上の整理
家族なら本人の預金を自由に使える本人名義の財産は本人のものです。判断能力が不十分で意思確認ができない場合、適法な権限に基づく管理が必要になることがあります。
候補者を書けば必ずその人が後見人になる最終的に選任するのは家庭裁判所であり、希望した候補者が選任されないこともあります。
専門職後見人は例外的な存在である令和7年統計では、親族以外の選任が83.6%、親族の選任が16.4%とされています。
申立てはいつでも取り下げられる申立て後の取下げには家庭裁判所の許可が必要です。
後見人は介護を直接してくれる介護サービス契約や費用支払いなどの法律的・財産的支援は行いますが、食事の世話や実際の介護そのものは一般に職務ではありません。
預金解約が終われば後見は自動的に終わる成年後見制度は一回限りの代行サービスではなく、本人の状態に応じた継続的支援制度です。
任意後見契約があればすぐ動ける任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて効力を生じます。

実務チェックリスト

次のチェック項目は、制度選択、申立資格、資料、候補者、申立後リスクをまとめたものです。申立て前に一つずつ確認すると、後見人の選任手続きで見落としやすい論点を把握できます。

制度選択

本人の状態と制度

成人か未成年か、判断能力はどの程度か、後見・保佐・補助のどれが適切か、任意後見契約や既存の後見人等があるかを確認します。

申立資格

申立人と管轄

本人、配偶者、四親等内親族等に該当するか、市区町村長申立てが必要か、本人の住所地と実際の居所を確認します。

資料

診断書と財産資料

発行から3か月以内の診断書、本人情報シート、戸籍、住民票、登記されていないことの証明書、預貯金・不動産・保険・年金・債務資料を集めます。

候補者

適格性と利益相反

本人の利益を第一にできるか、財産管理能力があるか、利益相反や過去の本人財産利用がないか、継続して職務を担えるかを確認します。

申立後

取下げと専門職選任

取下げには家庭裁判所の許可が必要であること、希望する候補者が選ばれない可能性、支援信託・支援預貯金の利用可能性を理解します。

Section 13

後見人の選任手続きの事案類型別ポイント

預金、施設、自宅売却、遺産分割、財産流出、身寄りなしの場面を整理します。

同じ後見人の選任手続きでも、実際の相談場面では、預金、施設、不動産、相続、財産流出、身寄りなしといった具体的な課題から検討が始まります。事案類型ごとに、家庭裁判所へ示すべき事情や専門職相談の必要性が変わります。

次の一覧は、代表的な事案類型ごとに検討ポイントを整理したものです。各項目では、何を確認し、どの資料や関係者との連携が重要になるかを読み取れます。

預金

認知症の親の預金を解約したい

本人が預金解約の意味を理解して意思表示できるか、解約目的が本人の生活費・医療費・施設費か、親族間で異論がないかを整理します。

施設

施設入所契約を結びたい

本人の生活場所、費用負担、医療・介護体制、本人の希望、身元保証人・連帯保証人の問題、関係機関との連携を確認します。

自宅

本人名義の自宅を売却したい

売却が本人の生活・医療・介護のために必要か、本人が戻る可能性はあるか、居住用不動産処分許可や売却価格の妥当性を検討します。

相続

遺産分割協議を進めたい

本人が相続人で判断能力が不十分な場合、後見人等の選任が必要になることがあります。候補者も相続人であれば利益相反に注意します。

流出

本人財産の使い込みが疑われる

いつ、誰が、いくら引き出したか、本人のために使われたか、生活費や医療費が不足していないか、経済的虐待の可能性を整理します。

身寄り

身寄りがない高齢者・障害者

本人が申立てできない場合、市区町村長申立て、地域包括支援センター、社会福祉協議会、中核機関との連携が必要になることがあります。

事案類型ごとの検討では、本人の意思と利益を中心に据え、家族や支援者の都合だけで進めないことが重要です。特に相続、不動産、財産流出が絡む場合は、早期に資料を整理して専門職へ相談する必要性が高くなります。

Section 14

2025年統計で見る後見人の選任手続きの実情

申立件数、期間、鑑定、親族以外の選任割合から実務の傾向を確認します。

統計を見ると、後見人の選任手続きは、預貯金管理だけでなく、生活支援、介護、相続、不動産処分など広い課題と結びついていることが分かります。数字で実情を確認すると、準備すべき資料や専門職関与の可能性を現実的に見積もれます。

次の割合の比較は、令和7年統計に基づく終局までの期間を示しています。数値が高いほどその期間内に終局した割合が大きく、手続の多くは数か月以内に進む一方、鑑定や対立がある場合には長期化し得ることを読み取れます。

71.1%
2か月以内
93.8%
4か月以内
3.4%
鑑定実施

令和7年の成年後見関係事件の申立件数は合計43,159件で、内訳は後見開始29,233件、保佐開始9,743件、補助開始3,302件、任意後見監督人選任881件とされています。申立ての動機は、預貯金等の管理・解約、身上保護、介護保険契約、不動産処分、相続手続、保険金受取などが多く見られます。

次の比較表は、令和7年統計の主な数字を、手続件数、期間、選任関係、実務上の読み取りに分けて整理したものです。数字だけでなく、後見人の選任手続きで何に備えるべきかを確認してください。

項目数値読み取り
申立件数合計43,159件成年後見関係事件は広く利用されており、前年から増加しています。
後見開始29,233件法定後見の中でも後見開始が大きな割合を占めます。
保佐開始9,743件判断能力が著しく不十分な場合の支援も一定数あります。
補助開始3,302件本人の自己決定を尊重しながら特定支援を設定する手続です。
任意後見監督人選任881件契約型の任意後見でも、家庭裁判所の監督人選任が必要です。
Section 15

後見人の選任手続きのFAQ

候補者、取下げ、期間、鑑定、費用、任意後見、未成年後見を一般情報として整理します。

FAQは、後見人の選任手続きで特に質問が多い点を一般情報として整理しています。個別の事情によって結論や必要資料は変わるため、具体的な対応方針は資料を整理して専門家や関係機関へ確認してください。

Q1. 後見人の選任手続きは自分で進められますか。

一般的には、申立人が必要書類を準備し、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることが可能とされています。ただし、親族間対立、相続、不動産売却、使途不明金、債務、訴訟、候補者争いがある場合には、結論や必要資料が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 後見人候補者に家族を書けば、その家族が必ず選ばれますか。

一般的には、候補者を記載しても、最終的に選任するのは家庭裁判所とされています。本人の財産・生活状況、候補者の適格性、利害対立、親族関係などによって結論が変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 専門職後見人が選ばれた場合、不服申立てはできますか。

裁判所資料では、希望する候補者が選任されなかったことを理由に不服申立てをすることはできないと説明されています。ただし、選任後の事情、職務内容、監督や解任に関する問題は個別事情によって扱いが変わる可能性があります。具体的な対応は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q4. 申立て後に取り下げることはできますか。

一般的には、申立て後、審判前であっても、取下げには家庭裁判所の許可が必要とされています。ただし、本人保護の必要性、申立ての経緯、候補者をめぐる事情などによって判断が変わる可能性があります。具体的には、家庭裁判所や弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

Q5. 成年後見人は介護をしてくれますか。

一般的には、成年後見人は介護サービス契約や費用支払いなどの法律的・財産的支援を行う立場とされています。食事の世話や実際の介護そのものは通常の職務ではないと説明されています。ただし、生活状況や契約内容で必要な調整は変わる可能性があるため、具体的には関係機関や専門家へ相談する必要があります。

Q6. 後見人の選任手続きにはどのくらい時間がかかりますか。

裁判所資料では、多くの場合、申立てから1〜2か月程度で審判がされると説明されています。令和7年統計では、成年後見関係事件の終局事件のうち2か月以内が71.1%、4か月以内が93.8%でした。ただし、鑑定、親族対立、資料不足などにより期間は変わる可能性があります。

Q7. 鑑定は必ず必要ですか。

一般的には、鑑定は必ず行われるものではなく、家庭裁判所が必要と判断した場合に実施されるとされています。令和7年統計では、鑑定が実施された割合は3.4%でした。ただし、本人の判断能力、診断書の内容、事案の複雑さによって扱いが変わる可能性があります。

Q8. 後見人の選任手続きの費用はいくらですか。

成年後見開始では、申立手数料800円、登記手数料2600円、連絡用郵便切手、必要に応じ鑑定費用がかかるとされています。郵便切手額は家庭裁判所により異なり、専門職へ依頼する場合は別途報酬が必要です。具体的な総額は、管轄家庭裁判所や依頼内容を確認する必要があります。

Q9. 任意後見契約がある場合、成年後見開始を申し立てるべきですか。

一般的には、任意後見契約がある場合、まず任意後見監督人選任の申立てが検討されます。任意後見契約は、任意後見監督人が選任されて効力を生じる制度です。ただし、契約内容、本人の状態、代理権の範囲、任意後見人の適否により法定後見との関係を検討する必要があります。

Q10. 未成年後見人と成年後見人は同じ制度ですか。

一般的には、未成年後見人と成年後見人は異なる制度です。成年後見人は判断能力が不十分な成人を支援する制度であり、未成年後見人は親権者がいない未成年者の監護養育・財産管理等を行う制度です。具体的な申立ては、対象者の年齢や親権者の有無によって変わります。

Section 16

後見人の選任手続きは本人の権利を守るための司法手続

制度選択、資料準備、本人の意思、家庭裁判所の判断を丁寧に整理することが重要です。

後見人の選任手続きは、家族の便宜のために代理人を届け出る手続ではありません。本人の判断能力、生活状況、財産状況、支援課題を家庭裁判所が確認し、本人の権利と生活を守るために適任者を選任する司法手続です。

成年後見では、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行い、診断書、本人情報シート、戸籍、住民票、登記されていないことの証明書、財産資料、収支資料等を準備します。申立て後は、照会、面接、調査、必要に応じた鑑定を経て、後見開始の審判と成年後見人の選任に進みます。

任意後見では、任意後見契約を結んでいるだけでは足りず、本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てる必要があります。未成年後見では、親権者がいない未成年者について、未成年者の監護養育・財産管理・契約等を担う人を家庭裁判所が選任します。

後見人候補者を立てることはできますが、最終的に誰を選任するかは家庭裁判所が判断します。親族が選ばれることもあれば、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職が選ばれることもあります。相続、不動産、親族対立、財産流出、訴訟、債務、虐待、任意後見契約の解釈などが絡む場合には、早期に弁護士等の専門職へ相談することが望まれます。

Guide

後見人の選任手続きで次に確認したいこと

目的に近い詳しい解説へ進めるよう、関連するテーマを整理しました。

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このテーマから次に確認されやすい詳しい解説を7件表示しています。

Reference

後見人の選任手続きの参考資料

公的機関・制度資料

  • 裁判所「成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ」
  • 裁判所「後見開始」
  • 裁判所「任意後見監督人選任」
  • 裁判所「未成年後見人選任」
  • 裁判所「成年後見人(保佐人、補助人)、未成年後見人の選任」
  • 厚生労働省「成年後見はやわかり」
  • 厚生労働省「成年後見人等の選任と役割」
  • 法テラス「成年後見の申立てができるのは誰ですか?」
  • 法テラス「民事法律扶助制度に関する案内」
  • 法務局「成年後見登記制度・成年後見登記の証明書」
  • 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況 令和7年1月〜12月」
  • e-Gov法令検索「民法」「任意後見契約に関する法律」「後見登記等に関する法律」