2σ Guide

民事法律扶助は
離婚や相続でも使えるか

法テラスの利用条件、対象手続、費用立替、返済、期限、必要書類を、離婚と相続の場面に分けて整理します。

3回同一問題の無料相談目安
3か月相続放棄の原則期間
5,000円月額返済の目安下限
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民事法律扶助は 離婚や相続でも使えるか

法テラスの利用条件、対象手続、費用立替、返済、期限、必要書類を、離婚と相続の場面に分けて整理します。

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民事法律扶助は 離婚や相続でも使えるか
法テラスの利用条件、対象手続、費用立替、返済、期限、必要書類を、離婚と相続の場面に分けて整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 民事法律扶助は 離婚や相続でも使えるか
  • 法テラスの利用条件、対象手続、費用立替、返済、期限、必要書類を、離婚と相続の場面に分けて整理します。

POINT 1

  • 民事法律扶助は離婚や相続でも使える可能性がある
  • まず対象範囲と無料相談・費用立替の違いを整理します。
  • 民事法律扶助は、離婚事件にも相続事件にも利用できる可能性があります。
  • 対象になるのは、無料法律相談だけではありません。
  • ただし、事件名だけで使えるかどうかは決まりません。

POINT 2

  • 民事法律扶助とは何か ― 家事事件も対象になる理由
  • 制度の位置付けと支援類型を押さえます。
  • 法律相談援助
  • 代理援助
  • 書類作成援助

POINT 3

  • 民事法律扶助の利用条件 ― 収入・資産・見込みの見方
  • 離婚・相続に共通する審査の枠組みを確認します。
  • 民事法律扶助の対象は、原則として資力に乏しい国民と、日本国内に住所を有し適法に在留する外国人です。
  • 会社、社団、組合などの法人・団体が自らの紛争で使う制度ではありません。
  • 共通して審査されるのは、収入・資産、法律上の解決見込み、制度の趣旨に合うことです。

POINT 4

  • 民事法律扶助を離婚で使う範囲 ― 配偶者収入・費用・期限
  • 離婚事件で特に重要な資力判定と費用目安を整理します。
  • 争点ごとに必要な資料や手続が違うため重要で、離婚本体と生活費・子・財産の問題が別に扱われることを読み取ってください。
  • 配偶者が離婚、婚姻費用、養育費、財産分与などの相手方となる場合、配偶者の収入・資産は原則として合算しません。
  • 婚姻中であっても、相手方配偶者の経済力を自由に使えない人を救済するための重要な扱いです。

POINT 5

  • 民事法律扶助を相続で使う範囲 ― 遺産分割・相続放棄・遺留分
  • 1. 相続放棄:自己のために相続開始があったことを知った時から、家庭裁判所へ申述するのが原則です。
  • 2. 熟慮期間の伸長:財産調査に時間を要する場合、家庭裁判所に期間伸長を申し立てられることがあります。
  • 3. 遺留分侵害額請求:相続開始と侵害を知った時から1年以内に相手方へ意思表示する必要があります。
  • 4. 遺産分割調停から審判:遺産分割調停が不成立の場合、原則として自動的に審判へ移行します。

POINT 6

  • 民事法律扶助の費用立替と返済 ― 離婚と相続の違い
  • 分割返済
  • 援助開始後、月額5,000~10,000円程度の分割返済が一般的な目安です。
  • 取得利益から精算
  • 慰謝料、財産分与、解決金、遺産分割による金銭等を得た場合、報酬金や立替金を精算する扱いが問題になります。

POINT 7

  • 民事法律扶助の申込み手順と必要書類
  • 1. 期限と緊急性を確認:相続放棄、遺留分、財産分与、裁判所期限、安全問題を最初に整理します。
  • 2. 法テラスまたは契約専門家へ連絡:地方事務所、指定相談場所、契約弁護士・司法書士の事務所等に問い合わせます。
  • 3. 無料法律相談を受ける:事実関係、希望する解決、相手方、証拠、期限、収入・資産等を説明します。
  • 4. 代理援助:交渉、調停、審判、訴訟を任せる必要がある場合に検討します。
  • 5. 書類作成援助等:裁判所提出書類作成や簡易な通知書作成で足りるかを確認します。
  • 6. 資料提出と審査:収入・資産・事件資料を提出し、援助の可否、立替額、返済方法等の審査を受けます。
  • 7. 三者契約と事件処理:利用者、受任者等、法テラスの三者で契約し、事件処理と返済が始まります。

POINT 8

  • 民事法律扶助で弁護士・司法書士に頼む場合の違い
  • 専門家の役割、訴訟上の救助、よくある誤解を整理します。
  • 司法書士は、裁判所提出書類の作成を通じて支援できます。
  • 依頼先と制度を取り違えないため重要で、代理を任せたいのか、書類作成や裁判費用の猶予を確認したいのかを読み取ってください。

まとめ

  • 民事法律扶助は 離婚や相続でも使えるか
  • 民事法律扶助は離婚や相続でも使える可能性がある:まず対象範囲と無料相談・費用立替の違いを整理します。
  • 民事法律扶助とは何か ― 家事事件も対象になる理由:制度の位置付けと支援類型を押さえます。
  • 民事法律扶助の利用条件 ― 収入・資産・見込みの見方:離婚・相続に共通する審査の枠組みを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

民事法律扶助は離婚や相続でも使える可能性がある

まず対象範囲と無料相談・費用立替の違いを整理します。

民事法律扶助は、離婚事件にも相続事件にも利用できる可能性があります。対象になるのは、無料法律相談だけではありません。条件を満たせば、交渉、調停、審判、訴訟を弁護士等に依頼する代理援助や、裁判所提出書類を作成してもらう書類作成援助も検討できます。

ただし、事件名だけで使えるかどうかは決まりません。申込者が個人であること、収入・資産が基準以下であること、法律上の解決見込みがないとはいえないこと、制度の趣旨に合うことなどが審査されます。

結論離婚・相続はいずれも対象になり得ますが、無料相談と費用立替は別制度です。代理援助等は原則として無利息の立替えであり、通常は分割返済や取得利益からの精算を見込む必要があります。

以下の比較表は、離婚と相続で民事法律扶助が検討される主な手続を整理したものです。どの支援が必要かを見分ける入口になるため重要で、法律相談だけで足りるのか、代理や書類作成まで必要かを読み取ってください。

問題・手続離婚相続基本的な考え方
法律相談利用可能利用可能資力基準等を満たせば、同一問題につき原則3回まで、1回約30分の無料相談が可能です。
裁判前の交渉対象になり得る対象になり得る代理人による交渉が問題解決に必要と認められる場合に検討されます。
家庭裁判所の調停対象になり得る対象になり得る離婚調停、婚姻費用、養育費、遺産分割調停などが考えられます。
家庭裁判所の審判対象になり得る対象になり得る婚姻費用、養育費、遺産分割、相続放棄などで問題になります。
訴訟対象になり得る対象になり得る離婚訴訟、慰謝料請求、遺留分侵害額請求などが検討対象です。
裁判所提出書類の作成対象になり得る対象になり得る本人が手続を進め、弁護士・司法書士等に書類作成を依頼する形です。
遺言、公正証書、税務、登記関係する場合あり当然には対象外民事法律扶助と別の費用・手続を含むため、立替対象と本人負担を分けて確認します。

制度を利用できるかは、期限、本人の収入・資産、相手方との関係、求める法的成果、証拠、必要な手続、解決後に得る利益を一体で確認する必要があります。

Section 01

民事法律扶助とは何か ― 家事事件も対象になる理由

制度の位置付けと支援類型を押さえます。

民事法律扶助は、経済的な事情により弁護士等への相談や裁判手続の利用が難しい人に対し、法律相談や弁護士・司法書士費用等の立替えを行う公的制度です。日本司法支援センター、通称「法テラス」が実施しています。

日常語の「民事」から契約や貸金だけを想像しがちですが、法テラスの民事法律扶助では家庭裁判所が扱う家事事件も対象になります。離婚調停、婚姻費用、養育費、親子交流、財産分与、遺産分割、相続放棄などは代表的な家事事件です。

以下の一覧は、民事法律扶助の主な支援類型を並べたものです。相談だけで足りる場合と、代理や書類作成が必要な場合では審査や費用の扱いが変わるため、各類型の違いを読み取ることが重要です。

相談

法律相談援助

弁護士または司法書士による無料法律相談です。同一問題につき原則3回まで、1回約30分の相談が案内されています。

代理

代理援助

弁護士等が本人の代理人として交渉、調停、審判、訴訟を行う費用を法テラスが立て替える制度です。

書類

書類作成援助

弁護士または司法書士が裁判所提出書類を作成し、本人が自ら手続を進める場合の費用立替です。

簡易

簡易援助

法律相談の過程で、内容証明郵便等の簡易な法的文書作成により解決が見込まれる場合に検討されます。

代理援助や書類作成援助は、無料法律相談と別の審査を受けます。最初の相談で問題が整理でき、代理人を付けずに進められる場合もあります。

Section 02

民事法律扶助の利用条件 ― 収入・資産・見込みの見方

離婚・相続に共通する審査の枠組みを確認します。

民事法律扶助の対象は、原則として資力に乏しい国民と、日本国内に住所を有し適法に在留する外国人です。会社、社団、組合などの法人・団体が自らの紛争で使う制度ではありません。

共通して審査されるのは、収入・資産、法律上の解決見込み、制度の趣旨に合うことです。「勝訴の見込みがないとはいえない」という要件は、必ず勝てるという意味ではなく、調停・和解・示談・法的地位の確定などによる解決可能性も含めて判断されます。

以下の比較表は、2026年3月現在の代表的な収入基準を家族人数ごとに整理したものです。地域や家賃、医療費、教育費などで判定が変わるため重要で、表の金額だけで自己判断せず、どの地域・世帯人数に当たるかを読み取ってください。

家族人数東京都特別区・大阪市等その他の地域
1人200,200円以下182,000円以下
2人276,100円以下251,000円以下
3人299,200円以下272,000円以下
4人328,900円以下299,000円以下
5人以上1人増えるごとに33,000円加算1人増えるごとに30,000円加算

家賃または住宅ローンを負担している場合、一定額まで控除できることがあります。以下の比較表は控除限度額の目安を示すものです。住居費が資力判定に影響するため重要で、通常地域と東京都特別区で上限が異なる点を読み取ってください。

世帯人数通常地域の控除限度額東京都特別区の控除限度額
1人41,000円53,000円
2人53,000円68,000円
3人66,000円85,000円
4人以上71,000円92,000円

以下の比較表は、家族人数ごとの基本的な資産基準を整理したものです。相談援助と代理援助等では資産として見る範囲が異なるため重要で、現金・預貯金だけでなく有価証券や不動産が問題になり得ることを読み取ってください。

家族人数資産基準確認のポイント
1人180万円以下法律相談では現金・預貯金を中心に見ます。
2人250万円以下代理援助等では有価証券や不動産等も考慮されます。
3人270万円以下紛争対象の財産は除外できる場合があります。
4人以上300万円以下医療費、教育費などの必要な蓄えが考慮される場合があります。

報復、嫌がらせ、自己宣伝、権利濫用を目的とする申込みは対象になりません。家族事件では感情的対立が強くなりやすいため、相手方への評価ではなく、法律上何を実現したいのかを整理して相談することが大切です。

Section 03

民事法律扶助を離婚で使う範囲 ― 配偶者収入・費用・期限

離婚事件で特に重要な資力判定と費用目安を整理します。

離婚事件では、離婚そのものだけでなく、婚姻費用、養育費、親権・監護、親子交流、子の引渡し、財産分与、年金分割、慰謝料、合意内容の書面化などが法律相談や代理援助の検討対象になります。

以下の比較表は、離婚で問題になりやすい項目と想定される手続を整理したものです。争点ごとに必要な資料や手続が違うため重要で、離婚本体と生活費・子・財産の問題が別に扱われることを読み取ってください。

離婚に関する問題想定される手続援助の考え方
離婚そのもの交渉、離婚調停、離婚訴訟代理援助の典型的対象です。
婚姻費用交渉、調停、審判別居中の生活費確保に関する事件として対象になり得ます。
養育費交渉、調停、審判、履行確保離婚と同時または離婚後の請求として検討されます。
親権・監護離婚調停・訴訟、監護者指定等子の利益と法的必要性を踏まえて審査されます。
親子交流交渉、調停、審判実施条件や安全配慮を含む紛争が対象になり得ます。
財産分与・年金分割調停、審判、割合を定める手続対象財産、資料、申立時期を確認します。
慰謝料交渉、調停、訴訟原因事実、証拠、請求額、回収可能性等が審査に影響します。

配偶者が離婚、婚姻費用、養育費、財産分与などの相手方となる場合、配偶者の収入・資産は原則として合算しません。婚姻中であっても、相手方配偶者の経済力を自由に使えない人を救済するための重要な扱いです。

一方で、単に別居しているだけで配偶者が事件の相手方でない場合、配偶者収入が合算されることがあります。同居親族からの生活援助、離婚と無関係な別事件、収入や資産の申告内容も確認されます。

以下の比較表は、離婚事件で公表されている立替費用の目安を手続別に整理したものです。相談後に代理援助へ進むかを考えるため重要で、調停から訴訟へ移る場合や関連事件がある場合には費用が追加・調整され得る点を読み取ってください。

事件着手金実費開始時費用の合計目安
離婚の示談交渉66,000~110,000円20,000円86,000~130,000円
離婚調停88,000~132,000円20,000円108,000~152,000円
調停不成立後に訴訟も援助165,000円35,000円200,000円
訴訟から開始231,000円35,000円266,000円
婚姻費用分担の調停・審判88,000~132,000円20,000円108,000~152,000円

事件終了時には報酬金が生じる場合があります。金銭を得た場合の報酬金は、原則的な目安として取得額の10%に消費税を加えた額とされ、婚姻費用・養育費では2年分が計算上の上限と案内されています。金銭給付がなく離婚のみ成立した場合でも、法的成果に応じた報酬金が決定される場合があります。

2026年4月1日以後に離婚した場合、財産分与の申立期間は離婚日の翌日から起算して5年以内です。2026年4月1日より前に離婚した場合は2年以内とされています。法テラスへの相談予約や援助審査申込みだけで、裁判上の期間が自動的に止まるとは限りません。

安全優先暴力、脅迫、監視、住居侵入、子への危害などがある場合は、費用問題より先に安全確保が必要です。警察、配偶者暴力相談支援センター、医療、福祉支援などを含め、相談予約時から安全上の事情を明確に伝えます。
Section 04

民事法律扶助を相続で使う範囲 ― 遺産分割・相続放棄・遺留分

相続財産の扱いと短い期限を重点的に確認します。

相続事件では、相続人・相続分の確認、遺産の範囲・評価、遺産分割相続放棄、限定承認、遺留分侵害額請求、遺言の有効性、相続財産の返還、使途不明金、特別受益、寄与分などが検討対象になります。

以下の比較表は、相続で民事法律扶助が問題になりやすい項目と手続を整理したものです。遺産の有無だけでなく、争いの対象か、期限があるか、本人手続か代理が必要かで扱いが変わるため、その違いを読み取ってください。

相続に関する問題想定される手続援助の考え方
相続人・相続分の確認法律相談、交渉、調停等戸籍、遺言、身分関係を整理して判断します。
遺産の範囲・評価交渉、遺産分割調停・審判不動産、預貯金、有価証券、債務等を整理します。
遺産分割交渉、調停、審判相続人全員を当事者とする調停等が対象になり得ます。
相続放棄法律相談、申述書作成、代理・書類作成援助争いがない場合は書類作成援助の典型例です。
遺留分侵害額請求意思表示、交渉、調停、訴訟短い期間制限があるため早期対応が必要です。
遺言の有効性法律相談、調停・訴訟等方式、意思能力、偽造・変造等の争点を検討します。
遺言作成、公証、税務、登記法律相談や別専門職の手続当然に全額が立替対象になるわけではありません。

相続財産を取得する可能性があるだけで、直ちに資力基準を満たさないとは限りません。資力審査は申込時点で現実に利用できる収入・資産を基本とし、遺産分割の対象不動産や帰属が争われている預貯金は、係争物件として資産判定から除外できる場合があります。

ただし、既に相続手続が完了して自由に使える多額の預貯金を取得している場合、争いのない資産を本人が保有している場合、相続財産から継続的収益を得ている場合などは別に考えます。解決後に金銭や不動産を取得した場合、報酬金や立替金の精算に影響します。

以下の時系列は、相続で特に注意すべき期限を並べたものです。法テラスの予約や審査だけでは期限が止まらないため重要で、どの権利がいつまでにどの行為を必要とするかを読み取ってください。

原則3か月

相続放棄

自己のために相続開始があったことを知った時から、家庭裁判所へ申述するのが原則です。死亡日から単純に数えるとは限りませんが、死亡を知った日や債務を知った日を整理します。

必要に応じて

熟慮期間の伸長

財産調査に時間を要する場合、家庭裁判所に期間伸長を申し立てられることがあります。法テラスへの連絡だけで延びるわけではありません。

1年・10年

遺留分侵害額請求

相続開始と侵害を知った時から1年以内に相手方へ意思表示する必要があります。相続開始から10年を経過した場合にも権利は消滅します。

手続移行

遺産分割調停から審判

遺産分割調停が不成立の場合、原則として自動的に審判へ移行します。援助決定の対象範囲と追加費用は別途確認します。

相続事件の費用は、相続分、対象財産、相続人数、不動産評価、使途不明金、寄与分、特別受益、遺言の有効性などで大きく変わります。鑑定料、登記事項証明書、戸籍収集、郵便費用、申立手数料などの実費も問題になるため、誰に何を依頼し、どの費用を誰が支払うかを分けて確認します。

Section 05

民事法律扶助の費用立替と返済 ― 離婚と相続の違い

全部無料という誤解を避け、返済と精算を確認します。

離婚と相続はどちらも家事事件として民事法律扶助の対象になり得ますが、資力審査、緊急期限、取得利益、関連専門職の考え方が異なります。

以下の比較表は、離婚と相続で実務上の見方が変わる項目を並べたものです。同じ法テラス利用でも準備すべき資料と確認事項が違うため重要で、自分の案件がどちらの特徴に近いかを読み取ってください。

比較項目離婚相続
主な相手方配偶者・元配偶者共同相続人、受遺者、受贈者等
資力審査の特徴配偶者が相手方なら、その収入・資産を原則除外係争中の遺産を資産から除外できる場合あり
非金銭的成果離婚成立、親権・監護・交流条件等相続人の地位、遺言効力、放棄受理等
典型的な緊急期限財産分与の期間、調停・訴訟上の期限、安全確保相続放棄3か月、遺留分1年等
取得利益と返済慰謝料、財産分与、養育費等から精算する場合取得した遺産・解決金等から精算する場合
関連専門職弁護士、公証人、年金機関、福祉機関等弁護士、司法書士、税理士、公証人、不動産専門職等

費用面では、無料なのは法律相談援助です。代理援助・書類作成援助は、法テラスが弁護士・司法書士費用等をいったん立て替え、利用者が法テラスへ返済する制度です。利息等はありません。

以下の重要ポイントは、費用立替と返済の全体像を要約したものです。制度を「全部無料」と誤解しないために重要で、返済開始、取得利益からの精算、猶予・免除の申請が別々の論点であることを読み取ってください。

分割返済

援助開始後、月額5,000~10,000円程度の分割返済が一般的な目安です。事件終了後は原則として3年以内に完済できる返済額が設定されます。

取得利益から精算

慰謝料、財産分与、解決金、遺産分割による金銭等を得た場合、報酬金や立替金を精算する扱いが問題になります。

猶予・免除

生活保護受給者またはそれに準じる程度に生計が困難な人は、申請により返済猶予や償還免除が認められる場合があります。相手方等から利益を得る場合は、特別な事情がない限り、その利益の25%相当額を返済に充てるまで免除されない基準があります。

追加費用の確認

法テラスの決定がない追加費用を求められた場合、契約書と決定内容を確認し、必要に応じて法テラスへ照会します。

相手方等から利益を得たにもかかわらず、法テラスへの報告・精算前に全額を使ってしまうと、返済や免除の判断で不利益が生じ得ます。入金があった時点で、受任者と法テラスへ連絡することが重要です。

Section 06

民事法律扶助の申込み手順と必要書類

期限確認から三者契約、資料準備までの流れを整理します。

申込みでは、最初に期限と緊急性を確認します。相続放棄、遺留分、財産分与、裁判所からの提出期限、DV等の安全問題がある場合は、予約時に具体的な日付や事情を伝えます。

以下の判断の流れは、申込みから援助開始までの順番を整理したものです。期限がある案件では審査待ちの間に権利を失う危険があるため重要で、どの段階で連絡・相談・申請・契約に進むかを読み取ってください。

申込みから援助開始までの流れ

期限と緊急性を確認

相続放棄、遺留分、財産分与、裁判所期限、安全問題を最初に整理します。

法テラスまたは契約専門家へ連絡

地方事務所、指定相談場所、契約弁護士・司法書士の事務所等に問い合わせます。

無料法律相談を受ける

事実関係、希望する解決、相手方、証拠、期限、収入・資産等を説明します。

代理が必要
代理援助

交渉、調停、審判、訴訟を任せる必要がある場合に検討します。

本人で進める
書類作成援助等

裁判所提出書類作成や簡易な通知書作成で足りるかを確認します。

資料提出と審査

収入・資産・事件資料を提出し、援助の可否、立替額、返済方法等の審査を受けます。

三者契約と事件処理

利用者、受任者等、法テラスの三者で契約し、事件処理と返済が始まります。

審査資料として、住民票、収入証明、資力申告書、事件関係資料、返済口座資料等が必要になります。不足書類があると審査が遅れるため、提出前に一覧を確認します。

以下の比較表は、共通して求められやすい書類を区分ごとに整理したものです。書類不備による遅れを防ぐため重要で、自分の収入形態や生活状況に応じてどの資料が必要になりやすいかを読み取ってください。

区分代表例
住民関係発行後3か月以内の住民票。世帯全員、本籍、筆頭者、続柄を記載し、マイナンバーは記載しないもの。
給与所得直近2か月の給与明細、賞与明細、源泉徴収票、課税・所得証明書等。
自営業直近の確定申告書、受付結果、課税・所得証明書等。
年金・無職・失業年金通知書、非課税証明書、雇用保険受給資格関係書類、離職票等。
生活保護生活保護受給証明書、決定書、受給者証等。
資産資力申告書、預貯金資料、固定資産評価証明書、不動産登記事項証明書等。
返済口座口座振替依頼書、通帳・キャッシュカード・オンライン口座画面の写し等。

離婚事件では、戸籍謄本、相手方から届いた訴状・調停申立書・呼出状、婚姻・別居・暴力・生活費不払い等の時系列、財産資料、収入資料、子の生活や監護状況、メッセージ・録音・写真・診断書などが有用です。

相続事件では、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍・住所関係資料、遺言書、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金資料、債務資料、相続人間のやり取り、死亡日・債務判明日の記録などが重要です。期限が迫る場合は、資料が完全に揃うまで相談を先延ばしにしないことが大切です。

Section 07

民事法律扶助で弁護士・司法書士に頼む場合の違い

専門家の役割、訴訟上の救助、よくある誤解を整理します。

離婚調停、婚姻費用、養育費、遺産分割調停・審判など、家庭裁判所の手続で当事者の代理人として活動する専門家は、原則として弁護士です。

司法書士は、裁判所提出書類の作成を通じて支援できます。相続放棄申述書や遺産分割調停申立書等を作成してもらい、本人が裁判所手続を進める場合には、司法書士による書類作成援助が適することがあります。

以下の比較表は、弁護士と司法書士の役割、そして裁判所の訴訟上の救助との違いを整理したものです。依頼先と制度を取り違えないため重要で、代理を任せたいのか、書類作成や裁判費用の猶予を確認したいのかを読み取ってください。

制度・専門家主な対象確認点
弁護士交渉、調停、審判、訴訟の代理家庭裁判所での代理、緊急性の高い事件、多数争点の整理に向きます。
司法書士裁判所提出書類の作成など本人が手続を進める場合の書類作成援助で担当することがあります。
認定司法書士簡易裁判所の訴額140万円以下の民事事件等家事事件全般の代理権を意味するものではありません。
訴訟上の救助申立手数料、郵便費用等の支払猶予裁判所が決定します。弁護士費用を賄う制度ではありません。
民事法律扶助弁護士・司法書士費用、一定の実費等の立替え法テラスが審査します。すべての費用が無条件に対象になるわけではありません。

法テラス利用を前提に弁護士を探す場合は、民事法律扶助契約弁護士か、離婚または相続の案件を扱っているか、代理援助の申込みを受け付けているか、交渉・調停・訴訟のどの段階から対応できるかを確認します。

以下の一覧は、よくある誤解と正しい理解を並べたものです。相談前の思い込みで制度利用を諦めたり、反対に費用負担を誤解したりしないため重要で、対象範囲・審査・返済・期限の違いを読み取ってください。

誤解正しい理解
離婚や相続は家庭の問題なので対象外家事事件も対象であり、離婚・相続は代表的な相談分野です。
法テラスを使えば弁護士費用は全部無料無料なのは法律相談援助です。代理援助等は原則として無利息の立替えで返済が必要です。
配偶者の年収が高ければ離婚事件では使えない配偶者が紛争の相手方なら、その収入・資産は原則として合算しません。
遺産を受け取れる見込みがある人は使えない係争中の遺産を資力判定から除外できる場合があります。ただし解決後に精算することがあります。
無料相談を受けられれば代理援助も確定代理援助・書類作成援助には別の書類審査があります。
金銭請求でなければ見込みがない離婚成立、親権・監護関係、相続放棄等の法的成果も考慮されます。
負けたら返済しなくてよい敗訴または不本意な結果でも、立替金は原則返済します。
法テラスへ電話すれば相続放棄の3か月が止まる相談予約や審査申込みだけでは期間は停止しません。
調停を申し立てれば遺留分の1年の期限を守れる調停申立てとは別に、相手方への権利行使の意思表示が必要です。
Section 08

民事法律扶助を使えるか確認するチェックポイント

相談前に整理したい条件と判断順をまとめます。

利用可能性は、ひとつの条件だけで決まるものではありません。制度対象、資力、事件の見通し、緊急性を分けて確認すると、相談時に必要な情報を伝えやすくなります。

以下の一覧は、相談前に整理したい確認事項を4つの観点に分けたものです。自己判断で制度利用を諦めないため重要で、どの項目が未整理か、どの期限が迫っているかを読み取ってください。

1

制度対象

申込者は個人か、日本国民または日本国内に住所を有し適法に在留する外国人か、問題は民事・家事・行政訴訟に関するものかを確認します。

対象
2

資力

手取り月収、賞与、配偶者が相手方か、預貯金・不動産、家賃・住宅ローン・医療費・教育費、同居親族からの援助を整理します。

収入資産
3

見通し

法律上実現したい内容、証拠、交渉や調停で解決する余地、金銭請求の回収可能性、報復目的ではないことを確認します。

解決
4

緊急性

相続放棄の3か月、遺留分の1年、財産分与の申立期間、裁判所の提出期限、暴力や連れ去りなどの安全問題を確認します。

期限

以下の判断の流れは、期限・支援の強度・資力・精算見込みの順番を示すものです。どこから着手すべきかを迷う場面で重要で、相談予約より先に期限確認が必要な場合があることを読み取ってください。

利用可能性を考える順番

法律上の期限があるか

期限がある場合は、相談予約より先に具体的な期限日を伝えます。

必要な支援の強度を判断

法律関係を知りたいだけなら無料相談、代理が必要なら代理援助、書類作成が中心なら書類作成援助を検討します。

資力と事件の見通しを確認

資力基準を満たしても、解決見込みや制度利用の相当性がなければ代理援助は認められません。

解決後の精算まで見通す

離婚では財産分与・慰謝料・養育費、相続では遺産・解決金から精算する可能性があります。

Section 09

民事法律扶助と離婚・相続のFAQ

よくある疑問を一般情報型で整理します。

以下のFAQは、制度の一般的な考え方を整理したものです。個別事情により結論が変わる可能性があるため、回答では断定を避け、具体的な対応は資料を整理して専門家へ確認する前提で読んでください。

Q1.民事法律扶助は離婚や相続の案件でも使えるか

一般的には、離婚・相続はいずれも対象になり得るとされています。法テラスは無料法律相談の対象例として、離婚、養育費、婚姻費用、親子交流、親権、相続、遺言、相続放棄等を示しています。ただし、代理援助・書類作成援助は、資力、解決見込み、制度趣旨への適合性について別途審査されます。

Q2.離婚を決意していなくても相談できるか

一般的には、離婚した場合・しない場合の法律関係、別居、婚姻費用、子、財産、証拠、手続の選択肢について相談できる場合があります。ただし、人生上の決断そのものを専門家が代わりに決めるものではありません。具体的な対応は、事情を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3.配偶者の収入が高くても離婚で使えるか

一般的には、配偶者が離婚等の紛争の相手方である場合、配偶者の収入・資産を除外して申込者本人を中心に資力判定するとされています。ただし、同居家族からの援助など、ほかの要素が考慮される可能性があります。

Q4.専業主婦・専業主夫でも利用できるか

一般的には、収入がないこと自体は制度利用の妨げとは限らず、資力基準を満たす可能性があります。ただし、申込者自身の預貯金・資産や生活援助等は確認されます。具体的には資料を整理して確認する必要があります。

Q5.相続する不動産があっても利用できるか

一般的には、遺産分割等で争われている不動産は係争物件として資力判定から除外できる場合があります。ただし、既に取得済みで自由に処分できる資産や事件と無関係な自己所有資産は考慮される可能性があります。解決後の精算も確認が必要です。

Q6.相続放棄の書類だけ作ってもらえるか

一般的には、相手方との争いがない相続放棄は書類作成援助の対象になり得るとされています。ただし、相続放棄には原則3か月の期間があるため、援助審査を待てるかを含め早急に確認する必要があります。

Q7.遺言書を作る費用も全て立て替えてもらえるか

一般的には、遺言に関する法律相談は対象になり得ますが、遺言書作成、公正証書作成、公証人手数料、証人費用等が当然に全額立て替えられるとは限りません。紛争性や費用項目を分けて確認する必要があります。

Q8.無料相談を3回受ければ、必ず弁護士に依頼できるか

一般的には、無料相談援助と代理援助は別制度です。代理援助には書類提出と審査が必要で、相談担当者がその事件を受任できない場合もあります。具体的な受任可否は個別確認が必要です。

Q9.自分で選んだ弁護士に法テラスを使えるか

一般的には、その弁護士が法テラスの民事法律扶助契約弁護士で、事件を受任して援助申込みを行うことに同意すれば、利用できる可能性があります。ただし、契約の有無、案件の取扱い、受任可否は事務所ごとに確認が必要です。

Q10.事件に負けた場合、返済はなくなるか

一般的には、立替金は敗訴または希望した結果にならなかった場合でも返済する必要があります。生活保護その他の事情がある場合は、別途、猶予・免除を申請できる可能性があります。

Q11.生活保護を受けていれば完全無料か

一般的には、自動的に完全無料となるわけではありません。事件進行中の返済猶予や事件終了後の免除が認められる可能性はありますが、申請と審査が必要です。事件で利益を得た場合は、一定額を返済に充てる扱いが問題になります。

Q12.離婚と婚姻費用を同時に依頼すると費用は一件分か

一般的には、離婚事件と婚姻費用事件は手続上別事件として援助決定・費用が生じることがあります。ただし、関連事件として着手金が調整される場合があります。具体的な援助単位と費用は決定書で確認する必要があります。

Q13.遺産分割調停が不成立になったら、改めて審判を申し立てる必要があるか

一般的には、遺産分割調停が不成立となった場合、審判手続へ移行するとされています。ただし、代理援助の対象範囲や追加費用、受任者の対応範囲は、法テラスの援助決定・契約によって確認する必要があります。

Q14.相談時に資料が全部揃っていなくてもよいか

一般的には、資料が完全でなくても相談できる場合があります。ただし、正確な見通しや代理援助審査には資料が重要です。期限が迫る場合は、揃っていない資料を明示したうえで先に相談し、追加提出の方法を確認する必要があります。

Q15.審査中に裁判所の期限が来たらどうなるか

一般的には、法テラスの審査中であることだけで裁判所の期限が延びるとは限りません。期限日を相談担当者・受任予定者へ直ちに伝え、本人申立て、期限伸長申立て、暫定的な書面提出等が可能かを個別に確認する必要があります。

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民事法律扶助の制度理解とまとめ

制度の価値、限界、主要用語を最後に確認します。

民事法律扶助は、無料法律相談によって法的問題を整理する入口と、代理援助・書類作成援助によって具体的な手続を進める段階を分けた制度です。この構造により、相談だけで足りる問題、本人手続が適切な問題、代理人が必要な問題を選別できます。

家事事件では、離婚の成立、子の監護体制、親子交流、相続放棄、遺産分割など、金銭に換算しにくい法的利益が中心になることがあります。そのため、解決見込みは金銭判決だけで考えるものではありません。

以下の重要ポイントは、制度の価値と限界をまとめたものです。民事法律扶助を過大にも過小にも評価しないため重要で、司法アクセスを支える制度である一方、結果保証や関連費用すべての負担ではないことを読み取ってください。

制度の価値は、勝利の保証ではなく司法アクセスの確保です

経済的制約により適切な助言や手続利用の機会を失わないようにする点に意味があります。ただし、法的主張、証拠、相手方の対応、裁判所の判断、履行可能性等によって結果は変わります。

以下の用語一覧は、このページで繰り返し出てくる制度用語を整理したものです。相談時に書類や決定書を読むために重要で、代理援助・書類作成援助・着手金・報酬金・償還などの意味を確認してください。

用語意味
法テラス正式名称は日本司法支援センター。法的トラブルの情報提供、民事法律扶助、国選弁護関連業務、犯罪被害者支援等を行う法人です。
家事事件家庭裁判所が扱う、夫婦、親子、扶養、相続等に関する事件です。
代理援助弁護士等が本人の代理人として交渉・裁判手続を行う費用を、法テラスが立て替える援助です。
書類作成援助弁護士・司法書士が裁判所提出書類を作成する費用を法テラスが立て替え、本人が手続を進める援助です。
着手金事件の依頼を受け、処理を開始する段階で必要となる費用です。結果の成否とは別に発生します。
報酬金事件終了時に、得られた金銭・財産または法的成果等に応じて決定される費用です。
実費収入印紙、郵便、交通、記録取得、証明書、鑑定等、事件処理に実際に要する費用です。
償還法テラスが立て替えた金額を返済することです。
係争物件帰属、範囲、価値等が事件で争われている財産です。一定の場合に資産から除外できます。

まとめると、離婚も相続も民事法律扶助の対象になり得ます。利用には資力、解決見込み、制度趣旨への適合性等の審査があり、無料なのは法律相談で、代理援助等は原則として無利息の立替え・分割返済です。相続放棄、遺留分、財産分与等には期限があるため、法テラスへの連絡だけで期限が止まらない点も確認が必要です。

Reference

参考資料

制度情報の確認に用いた公的資料名です。

参考資料は、制度の根拠や手続の案内を確認するためのものです。各資料名を公的情報源として整理しています。

公的情報源

  • 日本司法支援センター(法テラス) 民事法律扶助業務
  • 日本司法支援センター(法テラス) 無料法律相談のご利用の流れ
  • 日本司法支援センター(法テラス) 民事法律扶助のしおり
  • 日本司法支援センター(法テラス) 弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ
  • 日本司法支援センター(法テラス) 審査に必要な書類について
  • 日本司法支援センター(法テラス) 代理援助立替基準
  • 日本司法支援センター(法テラス) 立替制度に関するよくあるご質問
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