2σ Guide

住居侵入罪とは
成立要件・刑罰・逮捕後の流れ

住居侵入罪は、家の中に入ったかだけでなく、場所の管理状況、同意、正当な理由、退去要求、目的、関連犯罪まで総合して考える必要があります。

130条 根拠条文
3年以下 拘禁刑の上限
72時間 逮捕後初期判断
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住居侵入罪とは 成立要件・刑罰・逮捕後の流れ

住居侵入罪は、家の中に入ったかだけでなく、場所の管理状況、同意、正当な理由、退去要求、目的、関連犯罪まで総合して考える必要があります。

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住居侵入罪とは 成立要件・刑罰・逮捕後の流れ
住居侵入罪は、家の中に入ったかだけでなく、場所の管理状況、同意、正当な理由、退去要求、目的、関連犯罪まで総合して考える必要があります。
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  • 住居侵入罪とは 成立要件・刑罰・逮捕後の流れ
  • 住居侵入罪は、家の中に入ったかだけでなく、場所の管理状況、同意、正当な理由、退去要求、目的、関連犯罪まで総合して考える必要があります。

POINT 1

  • 住居侵入罪とは何かを先に整理する
  • 刑法130条の対象、法定刑、未遂、逮捕後の時間制限を最初に押さえます。
  • 刑法130条は場所・理由・退去要求をまとめて見る条文です
  • どこへ入ったか
  • 許されていたか

POINT 2

  • 住居侵入罪の成立要件と条文構造
  • 1. 対象場所を確認:住居、邸宅、建造物、艦船、附属地、共用部のどれに当たるかを見ます。
  • 2. 立入りの理由を確認:配達、来客、救助、契約上の権限など、正当化の根拠があるかを確認します。
  • 3. 居住者・管理者の意思に反したか:掲示、施錠、過去のやり取り、時間帯、目的、退去要求を総合します。
  • 4. 刑事事件化の検討:故意、未遂、関連犯罪、被害者対応が重要になります。
  • 5. 成立に疑問:資料を整理し、個別事情に基づく説明が必要になります。

POINT 3

  • 住居侵入罪の対象場所 ― 住居・邸宅・建造物・艦船
  • 家の中だけでなく、共用部・敷地・店舗・公共施設まで対象を広く確認します。
  • マンション・アパート共用部
  • 庭・駐輪場・通路
  • 売場とバックヤード

POINT 4

  • 住居侵入罪で重要な同意・正当な理由・故意
  • 別居・交際終了後
  • 別居中の配偶者、元交際相手、親族名義の家でも、現に暮らす人の意思に反する立入りは問題になります。
  • 同居・ルームシェア
  • 共用部分を使えることと、他の入居者の個室へ入れることは別です。

POINT 5

  • 住居侵入罪になり得る典型場面
  • 共用部、敷地、鍵、家族関係、店舗、公共施設の違いを具体例で確認します。
  • 典型場面を並べて見ると、住居侵入罪が「家の中に入ったか」だけでは決まらないことが分かります。
  • 建物に接続し、門・塀・柵で境界が示された附属地では、建物本体に入っていなくても刑法130条の対象になり得ます。
  • 無施錠や合鍵の存在は承諾そのものではありません。

POINT 6

  • 住居侵入罪の関連犯罪・刑罰・時効
  • 場所と時間
  • 住居内、女性の単身住居、子どもや高齢者のいる住宅、夜間・深夜の侵入は重く見られやすくなります。
  • 侵入態様
  • 鍵の破壊、窓割り、フェンス乗越え、尾行によるオートロック突破などは悪質性を強めます。

POINT 7

  • 住居侵入罪で逮捕された場合の流れ
  • 1. 警察による取調べ:現行犯逮捕、通常逮捕などの後、本人は自由に外部連絡できないことがあります。
  • 2. 釈放または検察官送致:警察は48時間以内に釈放するか、検察官へ送致する必要があります。
  • 3. 勾留請求・起訴・釈放の判断:検察官は身柄を受け取ってから24時間以内、かつ逮捕時から72時間以内に判断します。
  • 4. 原則10日間、延長はさらに10日以内:証拠隠滅や逃亡のおそれ、勾留の必要性などがある場合に勾留が問題になります。
  • 5. 不起訴・略式命令請求・公判請求:証拠、被害者対応、示談、再発防止策などを踏まえて処分が判断されます。

POINT 8

  • 住居侵入罪の示談・不起訴・相談準備
  • 被害者の生活空間への不安をどう回復するかが中心になります。
  • 立入りの事実
  • 相手との関係
  • 証拠とやり取り

まとめ

  • 住居侵入罪とは 成立要件・刑罰・逮捕後の流れ
  • 住居侵入罪とは何かを先に整理する:刑法130条の対象、法定刑、未遂、逮捕後の時間制限を最初に押さえます。
  • 住居侵入罪の成立要件と条文構造:刑法130条を要素ごとに分解し、どの事実が争点になるかを整理します。
  • 住居侵入罪の対象場所 ― 住居・邸宅・建造物・艦船:家の中だけでなく、共用部・敷地・店舗・公共施設まで対象を広く確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

住居侵入罪とは何かを先に整理する

刑法130条の対象、法定刑、未遂、逮捕後の時間制限を最初に押さえます。

住居侵入罪とは、正当な理由がないのに、人の住居、人の看守する邸宅・建造物・艦船へ侵入し、または退去要求を受けても退去しない行為を処罰する犯罪です。刑法130条は住居侵入だけでなく、邸宅侵入、建造物侵入、艦船侵入、不退去も同じ条文で扱います。

この制度で重要なのは、所有権だけでなく、居住者や管理者が保っている生活空間の平穏、住居の自由、施設管理の安全が守られている点です。所有者や親族であっても、現に他人が暮らし、管理している場所へ無断で入れば、住居侵入罪が問題になることがあります。

次の重要ポイントは、住居侵入罪を読むときの入口になる数値と概念をまとめたものです。最初に刑罰、未遂、身柄拘束の期限を見ることで、単なる建物立入りの問題ではなく、刑事手続や示談対応までつながるテーマであることを読み取れます。

刑法130条は場所・理由・退去要求をまとめて見る条文です

法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。刑法132条により未遂も処罰対象となり、逮捕された場合は48時間、24時間、72時間という初期の時間制限が実務上大きな意味を持ちます。

次の一覧は、住居侵入罪で最初に確認する3つの軸を示します。場所、許可・理由、事後の対応を分けて見ることが重要で、どれか一つだけで結論を急がないことを読み取ってください。

PLACE

どこへ入ったか

住居、邸宅、建造物、艦船、マンション共用部、囲繞地、店舗のバックヤードなど、場所の性質と管理状況を確認します。

PERMISSION

許されていたか

明示・黙示の同意、配達や救助などの正当な理由、立入禁止表示、退去要求、過去の関係性を具体的に見ます。

PROCESS

手続へどうつながるか

関連犯罪、被害者の不安、示談、供述調書、逮捕後の期限、処分判断への影響を整理します。

Section 01

住居侵入罪の成立要件と条文構造

刑法130条を要素ごとに分解し、どの事実が争点になるかを整理します。

住居侵入罪の条文は短く見えますが、実際には対象場所、正当な理由、侵入、不退去、故意、未遂を分けて確認する必要があります。次の比較表は各要素と実務上の確認ポイントを対応させたもので、表の左から順に、何が要件になり、どの資料や事情が重要になるかを読み取れます。

要素内容確認ポイント
行為の対象人の住居、人の看守する邸宅・建造物・艦船自宅だけでなく、共用部、店舗、事務所、学校、倉庫、管理敷地も問題になります。
正当な理由がないこと法律上・社会生活上の合理的根拠がないこと配達、来客、救助、令状、契約上の権限があっても、範囲や態様が重要です。
侵入管理権者・居住者の意思に反する立入り立入禁止表示がなくても、場所の性質、目的、管理状況から判断されます。
不退去退去要求後に正当な理由なく留まること最初の立入りが適法でも、帰るよう求められた後は別に検討します。
故意許されない立入りであることの認識部屋間違い、許可の誤信、緊急救助の認識などが問題になります。
未遂侵入に向けた実行行為があること窓やドアをこじ開けようとする、オートロックを突破しようとする行為などです。

次の判断の流れは、住居侵入罪の成立を考える順番を表しています。上から順に確認し、途中で正当な理由や同意が具体的に認められる場合には、結論が変わり得る点を読み取ってください。

住居侵入罪の基本的な判断順序

対象場所を確認

住居、邸宅、建造物、艦船、附属地、共用部のどれに当たるかを見ます。

立入りの理由を確認

配達、来客、救助、契約上の権限など、正当化の根拠があるかを確認します。

居住者・管理者の意思に反したか

掲示、施錠、過去のやり取り、時間帯、目的、退去要求を総合します。

反する事情が強い
刑事事件化の検討

故意、未遂、関連犯罪、被害者対応が重要になります。

許可や理由が具体的
成立に疑問

資料を整理し、個別事情に基づく説明が必要になります。

現行表記2025年6月1日に拘禁刑の制度が施行され、古い資料にある「懲役・禁錮」は現在の説明では「拘禁刑」と整理されます。
Section 02

住居侵入罪の対象場所 ― 住居・邸宅・建造物・艦船

家の中だけでなく、共用部・敷地・店舗・公共施設まで対象を広く確認します。

住居侵入罪では、どの場所に入ったかが出発点です。次の比較表は、刑法130条の対象場所を分類したもので、建物内部だけでなく、管理された共用部や附属地も検討対象になる点を読み取れます。

区分典型例重要な見方
住居一戸建て、マンション専有部、寮の個室、ホテル客室、病室生活の本拠または生活に準じる利用があるかを見ます。
邸宅空き家、別荘、官舎、集合住宅の共用部分人の看守があり、居住空間と結びつく管理があるかが問題です。
建造物店舗、事務所、工場、倉庫、学校、病院、駅施設一般開放区域と従業員専用区域、営業時間、利用目的を分けて見ます。
艦船船舶、艦艇、係留中の船、管理された船内区域移動する施設でも、居住・業務・保管・運航の場として管理されます。
囲繞地庭、マンション敷地、学校敷地、工場構内門・塀・柵などで外部との境界が示され、建物利用に付属するかを見ます。

次の一覧は、場所ごとに問題になりやすい場面を整理したものです。似た立入りでも、住居性、管理の明確さ、時間帯、目的によって評価が変わるため、自分の事案に近い要素を読み分けることが重要です。

共同住宅

マンション・アパート共用部

オートロック、立入禁止表示、管理人、深夜の立入り、各戸玄関前までの移動、待ち伏せや勧誘目的が問題になります。

敷地

庭・駐輪場・通路

建物に接続し、門や塀で境界が示されている場所では、建物利用の平穏を害する立入りとして検討されます。

店舗

売場とバックヤード

営業中の通常利用は許されやすい一方、従業員専用区域、閉店後、出入り禁止、業務妨害目的では問題が強まります。

公共施設

学校・病院・駅・役所

公共性があっても、職員専用区域、機械室、屋上、夜間の校舎、病棟内の制限区域には別の判断が必要です。

立川反戦ビラ配布事件では、表現活動の重要性を前提にしつつ、防衛庁職員用宿舎の共用部分や周辺敷地への立入りが問題になりました。表現、営業、宗教活動、取材などの目的があっても、他人の管理する居住関連空間に立ち入る方法が当然に許されるわけではありません。

Section 04

住居侵入罪になり得る典型場面

共用部、敷地、鍵、家族関係、店舗、公共施設の違いを具体例で確認します。

典型場面を並べて見ると、住居侵入罪が「家の中に入ったか」だけでは決まらないことが分かります。次の一覧は場所と目的ごとの違いを示しており、同じ立入りでも管理状況、時間帯、目的、退去要求で評価が変わる点を読み取れます。

01

マンション共用部へ入る

オートロック、チラシ投函禁止表示、管理人の退去要求、深夜の各戸前移動、待ち伏せ目的などがあると、邸宅侵入・建造物侵入が問題になります。

共用部管理状況
02

庭や敷地に入る

建物に接続し、門・塀・柵で境界が示された附属地では、建物本体に入っていなくても刑法130条の対象になり得ます。

囲繞地境界
03

鍵が開いていた・合鍵を使った

無施錠や合鍵の存在は承諾そのものではありません。過去の関係があっても、現在の立入りが許されていたかを確認します。

同意現在性
04

店舗や商業施設へ入る

通常の買い物目的なら問題になりにくい一方、閉店後、従業員専用区域、出入り禁止後、盗撮や業務妨害目的では建造物侵入が問題になります。

建造物目的
05

公共施設や学校・病院へ入る

公共性があっても、職員専用区域、夜間の校舎、病棟内の制限区域などは、施設管理権や安全との調整が必要です。

公共施設区域

店舗の万引き目的入店については、営業中の売場が一般客に開放されているため、常に建造物侵入罪が成立するとまではいえません。内心の不正目的だけでなく、外形的な態様、立入り区域、退去要求、出入り禁止処分などを慎重に見ます。

Section 05

住居侵入罪の関連犯罪・刑罰・時効

単独の条文だけでなく、窃盗・盗撮・ストーカーなどとの結びつきを確認します。

住居侵入罪は単独でも成立し得ますが、実務では他の犯罪や条例違反と一緒に問題になることが多いです。次の表は関連しやすい犯罪と典型例を対応させたもので、侵入目的や侵入後の行為によって処分の重さが変わることを読み取れます。

関連する犯罪・法令典型例住居侵入罪との関係
窃盗罪・強盗罪盗む目的、暴行・脅迫を伴う侵入財産犯の前提行為として重く見られます。
器物損壊・建造物損壊ドア、窓、鍵、フェンスを壊して入る侵入態様の悪質性と民事賠償にも影響します。
性的犯罪・盗撮関連浴室、更衣室、トイレ、宿泊場所への接近被害者の恐怖や処罰感情が強く問題になります。
ストーカー規制法・DV関連待ち伏せ、押しかけ、住居付近の見張り接近禁止や再接触リスクが重要になります。
脅迫・強要・威力業務妨害侵入後に脅す、居座る、業務を妨げる退去要求、不退去、示談の難易度に影響します。

次の一覧は、処分や量刑に影響しやすい事情をまとめたものです。各項目は単独で結論を決めるものではありませんが、夜間、住居内、性的目的、反復性、被害者との関係などが重なるほど重く評価されやすい点を読み取れます。

場所と時間

住居内、女性の単身住居、子どもや高齢者のいる住宅、夜間・深夜の侵入は重く見られやすくなります。

侵入態様

鍵の破壊、窓割り、フェンス乗越え、尾行によるオートロック突破などは悪質性を強めます。

目的と関連行為

窃盗、盗撮、性的目的、脅迫、暴行、ストーカー的行為があると、別犯罪と併せて検討されます。

事後対応

謝罪、被害弁償、示談、接触禁止、再発防止策、被害者の処罰感情が処分判断に影響します。

住居侵入罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金で、単体の公訴時効は原則として3年と整理されます。ただし、別犯罪が成立する場合は、それぞれの罪について別に時効を検討する必要があります。住居侵入罪は親告罪ではないため、告訴がなくても捜査や起訴が可能です。

Section 06

住居侵入罪で逮捕された場合の流れ

48時間、24時間、72時間、10日間という期限を時系列で確認します。

逮捕後は短い期限の中で釈放、送致、勾留請求、起訴・不起訴の判断が進みます。次の時系列は各段階の期限を表しており、早い段階で事実整理、供述方針、家族対応、示談可能性を確認する必要があることを読み取れます。

逮捕直後

警察による取調べ

現行犯逮捕、通常逮捕などの後、本人は自由に外部連絡できないことがあります。

48時間以内

釈放または検察官送致

警察は48時間以内に釈放するか、検察官へ送致する必要があります。

24時間以内かつ逮捕から72時間以内

勾留請求・起訴・釈放の判断

検察官は身柄を受け取ってから24時間以内、かつ逮捕時から72時間以内に判断します。

勾留決定後

原則10日間、延長はさらに10日以内

証拠隠滅や逃亡のおそれ、勾留の必要性などがある場合に勾留が問題になります。

勾留満期まで

不起訴・略式命令請求・公判請求

証拠、被害者対応、示談、再発防止策などを踏まえて処分が判断されます。

逮捕の可能性が高まりやすい事情には、現行犯発見、夜間の住宅侵入、被害者の強い恐怖、逃亡や証拠隠滅のおそれ、被害者への接触のおそれ、窃盗・盗撮・性犯罪・暴行・脅迫との結びつき、同種前科・前歴、ストーカーやDVの文脈などがあります。

次の重要ポイントは、在宅事件でも軽く考えられない理由をまとめています。在宅で進む場合でも、後に起訴、略式命令、罰金、正式裁判となる可能性があるため、供述調書や証拠の扱いが重要であることを読み取ってください。

供述調書「勝手に入った」「悪いことだと分かっていた」などの表現が自分の認識と合うか、許可があると思った根拠や退去要求の有無が省略されていないかを確認する必要があります。
Section 07

住居侵入罪の示談・不起訴・相談準備

被害者の生活空間への不安をどう回復するかが中心になります。

住居侵入罪の示談では、金銭だけでなく、生活空間への不安をどう小さくするかが重要になります。次の表は示談で検討されることが多い項目を整理したもので、金額、接触禁止、再発防止、被害届・告訴の扱いを分けて読む必要があります。

項目内容注意点
謝罪・慰謝料謝罪文、慰謝料、被害者の不安への配慮不適切な直接連絡は恐怖や威迫と受け取られるおそれがあります。
実費鍵交換費用、防犯カメラ設置費用、修理費用、転居費用住居侵入後の生活上の不安に関わる費用が問題になります。
接触禁止訪問禁止、周辺立入り禁止、SNS・電話・メール禁止元交際相手、DV、近隣トラブルでは特に重要です。
刑事処分への反映被害届、告訴、処罰感情に関する条項示談成立が不起訴を保証するものではありません。

次の一覧は、弁護士に相談する前に整理しておくとよい情報を示しています。いつ、どこに、なぜ、どのように入ったかを時系列でそろえることで、同意、故意、正当な理由、示談可能性を検討しやすくなる点を読み取れます。

FACT

立入りの事実

日時、場所、入った範囲、鍵・フェンス・掲示・オートロック、退去要求の有無を整理します。

RELATION

相手との関係

家族、元交際相手、近隣、勤務先、学校など、関係が続く相手かを確認します。

EVIDENCE

証拠とやり取り

防犯カメラ、メッセージ、通話履歴、位置情報、警察・被害者・管理者とのやり取りを保存します。

RISK

周辺リスク

窃盗、盗撮、ストーカー、器物損壊、勤務先・学校・資格・在留資格への影響を確認します。

不起訴の可能性に関わる事情には、犯罪成立への疑問、故意の弱さ、正当な理由や同意、被害の軽微性、初犯、反省、謝罪・示談、接触禁止、再発防止策、被害者の処罰感情の緩和などがあります。ただし、住宅内への侵入、夜間侵入、性的目的、窃盗目的、ストーカー的行為、反復性がある場合は厳しく判断されることがあります。

Section 08

住居侵入罪の実務判断と防御方針

場所、管理状況、目的、態様、同意、被害、事後対応を総合して見ます。

実務では「入ったかどうか」だけでなく、複数の観点を積み重ねて判断します。次の一覧は判断枠組みを7つに分けたもので、各項目を時系列と証拠に結びつける必要があることを読み取れます。

01

場所の性質

住居、邸宅、建造物、艦船、共用部、附属地のどれに当たるかを見ます。

02

管理状況

鍵、オートロック、フェンス、掲示、警備員、管理人、防犯カメラ、利用規約を確認します。

03

立入り目的

配達、来客、救助などの社会生活上の目的か、窃盗、盗撮、待ち伏せ、威迫などかを見ます。

04

立入り態様

正面訪問か、塀を越えたか、窓から入ったか、鍵を壊したか、夜間に忍び込んだかを確認します。

05

同意・拒絶

明示・黙示の許可、過去の許可、退去要求、立入禁止表示、鍵の返還要求を整理します。

06

被害と事後対応

実害、心理的被害、防犯費用、謝罪、示談、接触禁止、再発防止策を確認します。

次の比較表は、防御方針として検討されることがある論点を整理したものです。個別の主張は証拠に基づいて専門家が検討すべきですが、客体、侵入性、正当な理由、故意、情状を分けて考えることが重要です。

方針検討する事情資料の例
客体該当性管理されていない土地、附属関係が薄い場所、一般通行が予定される場所地図、写真、現地状況、掲示、利用実態
侵入性承諾、通常利用、管理状況の不明確さメッセージ、訪問履歴、受付運用、過去の出入り
正当な理由救助、緊急避難、業務上の必要、契約上の権限通報記録、契約書、業務指示、現場状況
故意部屋間違い、許可の誤信、公道や管理外だと思った事情案内図、予約情報、やり取り、当日の行動
情状初犯、反省、示談、被害弁償、接触禁止、再発防止謝罪文、示談書、誓約書、治療・相談記録

施設管理者側では、立入禁止区域の表示、来訪者受付、入館証、倉庫・機械室・屋上の施錠、防犯カメラや入退室ログ、退去要求の手順、警察通報基準、証拠保存、従業員教育が重要です。ルールが曖昧だと「入ってよいと思った」という説明が出やすくなります。

Section 09

住居侵入罪とは何かに関するFAQ

よくある疑問を一般情報として整理し、個別判断が必要な点を明示します。

次のFAQは、住居侵入罪で相談前によく問題になる疑問を整理したものです。回答は一般的な制度説明であり、実際の結論は場所、目的、証拠、被害者との関係、時期によって変わる点を読み取ってください。

Q1

家の中に入らないと成立しませんか

一般的には、管理された敷地、庭、マンション共用部、建物の附属地への立入りも問題になり得るとされています。ただし、境界、管理状況、目的で結論は変わります。

Q2

マンションの廊下だけでも犯罪ですか

一般的には、オートロック、掲示、管理人の存在、時間帯、退去要求、立入り目的によって邸宅侵入・建造物侵入が問題になる可能性があります。

Q3

鍵が開いていたら入ってよいのですか

一般的には、鍵が開いていることは立入りの承諾を意味しないと考えられます。許可があると考えた根拠の有無を具体的に整理する必要があります。

Q4

家族の家でも問題になりますか

一般的には、所有者や親族であっても、現に他人が居住・管理している住居へその人の意思に反して入れば問題になる可能性があります。

Q5

元交際相手の家に合鍵で入った場合はどうですか

一般的には、過去に鍵を預かっていても現在の立入り許可とは限りません。拒絶、鍵の返還要求、別れた後の経緯などで判断が変わります。

Q6

酔って部屋を間違えた場合はどうですか

一般的には、真に誤った場合は故意が争点になります。ただし、泥酔、深夜、施錠状況、発見時の行動、供述の信用性によって評価は変わります。

Q7

ビラ配布や営業活動でも問題になりますか

一般的には、表現活動や営業活動であっても、管理者の意思に反して居住関連空間へ立ち入ることが当然に許されるわけではありません。

Q8

万引き目的で店舗に入ると常に建造物侵入ですか

一般的には、一律にはいえません。営業中の売場か、立入り禁止区域か、出入り禁止や退去要求があるかなどで結論が変わる可能性があります。

Q9

謝罪や示談で不起訴になりますか

一般的には、謝罪や示談は重要な事情とされています。ただし、不起訴が保証されるものではなく、悪質性、被害者の処罰感情、前科前歴、証拠状況で判断されます。

Q10

弁護士相談は大げさですか

一般的には、逮捕・勾留、前科、勤務先や学校への影響、別犯罪との関係が問題になる場合があります。具体的対応は資料を整理して弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

この記事の参考情報源

公的資料、裁判所判例、法令、学術文献を中心に整理しています。

法令・公的資料

  • 刑法(刑法130条・132条)
  • 刑事訴訟法(公訴時効に関する規定)
  • 参議院法制局「懲役・禁錮の拘禁刑への一本化」
  • 裁判所「裁判手続 刑事事件Q&A」
  • 検察庁「刑事事件の手続について」

主要判例・研究資料

  • 最高裁平成20年4月11日第二小法廷判決(立川反戦ビラ配布事件)
  • 最高裁昭和58年4月8日第二小法廷判決(侵入概念に関する判例)
  • 最高裁昭和51年3月4日第一小法廷判決(囲繞地に関する判例)
  • 日本建築学会計画系論文集掲載論文(無施錠を侵入手口とする住居侵入事案の研究)
  • 名古屋大学法政論集掲載論文(囲繞地、住居権者・管理権者の意思に関する研究)