2σ Guide

相手が離婚に応じない場合の
法的手段

協議離婚で止まったときに、調停、訴訟、婚姻費用、親権・監護、養育費、DV保護、証拠、履行確保をどう組み合わせるかを整理します。

4類型 現行民法770条の基本構造
2週間 審判への異議期間
2万円 法定養育費の月額目安
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相手が離婚に応じない場合の 法的手段

協議離婚で止まったときに、調停、訴訟、婚姻費用、親権・監護、養育費、DV保護、証拠、履行確保をどう組み合わせるかを整理します。

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相手が離婚に応じない場合の 法的手段
協議離婚で止まったときに、調停、訴訟、婚姻費用、親権・監護、養育費、DV保護、証拠、履行確保をどう組み合わせるかを整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 相手が離婚に応じない場合の 法的手段
  • 協議離婚で止まったときに、調停、訴訟、婚姻費用、親権・監護、養育費、DV保護、証拠、履行確保をどう組み合わせるかを整理します。

POINT 1

  • 相手が離婚に応じない場合に取れる法的手段の全体像
  • 協議離婚で止まった問題を、調停、訴訟、生活費、子、安全、履行確保に分けて考えます。
  • 協議から調停、訴訟へ
  • 婚姻費用・監護・養育費を分ける
  • DV対応と履行確保を並行する

POINT 2

  • 相手が離婚に応じない場合の法的ルート
  • 1. 協議がまとまらない:相手が離婚届に署名しない、条件で折り合わない、話し合いができない状態です。
  • 2. 離婚調停を申し立てる:離婚だけでなく、子、お金、財産、年金、慰謝料の争点を整理します。
  • 3. 調停成立か不成立か:合意できれば調停離婚へ進み、まとまらなければ訴訟を検討します。
  • 4. 調停条項で実現:合意内容を履行可能な形で残します。
  • 5. 離婚訴訟へ:法定離婚事由や婚姻破綻を証拠で示します。

POINT 3

  • 相手が離婚に応じない場合でも裁判で問われる離婚原因
  • DV・継続的暴言
  • 診断書、写真、録音、相談記録、通報記録で安全上の問題を具体化します。
  • 長期別居
  • 住民票、賃貸借契約、公共料金、別居開始時の連絡で期間と実態を示します。

POINT 4

  • 相手が離婚に応じない場合の類型別対応
  • 無視、条件対立、生活費停止では、優先する手続が異なります。
  • 任意交渉の不調を可視化し、夫婦関係調整調停へ移します。
  • 調停で争点を整理し、不成立なら訴訟を検討します。
  • 親権、養育費、財産分与、自宅、ローン、慰謝料などの条件を資料で分解します。

POINT 5

  • 子どもがいる場合の親権、監護、養育費の法的手段
  • 子の利益
  • 親権や監護は、親の希望だけでなく子の安全と生活の安定を中心に判断されます。
  • DV・害悪のおそれ
  • 身体的DVだけでなく、精神的、経済的、性的DVも問題になります。

POINT 6

  • DVや威圧がある場合の安全確保と保護命令
  • 1. 危害のおそれを確認:暴力、脅迫、つきまとい、支配的行動があるかを確認します。
  • 2. 安全な相談先へ接続:警察や支援機関に相談し、避難、連絡制限、住所秘匿を検討します。
  • 3. 証拠と生活資料を保存:診断書、写真、録音、メッセージ、相談記録、子の状況を整理します。
  • 4. 保護命令・調停・親権手続へ反映:DV事情を離婚、監護、親権、交流条件の判断材料として明確化します。

POINT 7

  • 有責配偶者から離婚を求める場合の注意点
  • 不貞などの有責性がある場合、離婚請求のハードルは高くなります。
  • 有責配偶者の離婚請求は「原則困難、例外あり」と整理されます
  • 自分が有責配偶者と評価され得る場合は、相手が離婚に応じない局面で特に慎重な検討が必要です。
  • 次の強調部分は、有責配偶者の離婚請求で読み落としやすい点をまとめています。

POINT 8

  • 相手が離婚に応じない場合の証拠整理
  • 感情の強さではなく、争点に直結した適法な証拠を整理します。
  • 離婚の法的手段では、事情が深刻でも証拠がなければ裁判所手続で動かしにくくなります。
  • 次の対応表は、争点ごとに典型的な証拠を示しており、自分の主張がどの資料で支えられているかを読み取るために重要です。
  • 次の注意点は、証拠収集でしてよいことと、紛争を広げる危険があることを区別するためのものです。

まとめ

  • 相手が離婚に応じない場合の 法的手段
  • 相手が離婚に応じない場合に取れる法的手段の全体像:協議離婚で止まった問題を、調停、訴訟、生活費、子、安全、履行確保に分けて考えます。
  • 相手が離婚に応じない場合の法的ルート:協議、調停、審判、訴訟は、相手の同意の要否と裁判所の関与が異なります。
  • 相手が離婚に応じない場合でも裁判で問われる離婚原因:拒否そのものではなく、民法770条の離婚原因や婚姻破綻を証拠で示します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

相手が離婚に応じない場合に取れる法的手段の全体像

協議離婚で止まった問題を、調停、訴訟、生活費、子、安全、履行確保に分けて考えます。

相手が離婚に応じない場合に取れる法的手段を考えるとき、離婚届に署名してもらう方法だけを探すと行き詰まります。日本法では、相手方の離婚意思がない状態で協議離婚を一方的に成立させることはできませんが、家庭裁判所の調停、調停不成立後の訴訟、婚姻費用や子の手続、DV対応、履行確保の手段があります。

次の重要ポイントは、離婚拒否への対応を三つの層で整理したものです。離婚そのもの、離婚までの生活・子・安全、決まった内容の実現を分けて読むことで、今動かすべき手続を見誤りにくくなります。

離婚手続

協議から調停、訴訟へ

合意ができないときは、家庭裁判所の夫婦関係調整調停を検討し、不成立なら法定離婚事由や婚姻破綻を立証して訴訟へ進みます。

生活と子

婚姻費用・監護・養育費を分ける

離婚自体が長引いても、別居中の生活費、子の居所、親子交流、養育費は独立した手続として整理されます。

安全と実現

DV対応と履行確保を並行する

安全確保が必要な場合は交渉より優先し、調停や判決で決まった内容については履行勧告、間接強制、差押えが問題になります。

次の強調部分は、相手の拒否を法律上どう位置づけるかを示しています。拒否そのものが自動的に離婚原因になるわけではないため、拒否の背景を証拠と争点に変換して読む必要があります。

「応じない」ことは終点ではなく、家庭裁判所手続へ移る合図です

離婚拒否の実態は、婚姻継続の希望、条件交渉、支配・威圧、生活費や子の対立などに分かれます。類型を切り分けることで、調停、婚姻費用、保護命令、訴訟などの選択肢が見えます。

Section 01

相手が離婚に応じない場合の法的ルート

協議、調停、審判、訴訟は、相手の同意の要否と裁判所の関与が異なります。

離婚のルートは、相手の同意が必要な段階と、裁判所が判断する段階に分かれます。次の比較表は、各ルートの概要、相手の同意、主な特徴を並べており、協議離婚で止まったときに次に何を読むべきかを整理するために重要です。

ルート概要相手の同意主な特徴
協議離婚夫婦の合意と届出による離婚です。必要最も簡便ですが、相手が拒否すると使えません。
調停離婚家庭裁判所の調停で合意を目指します。実質的に必要親権、親子交流、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料も同時に話し合えます。
審判離婚調停不成立でも、裁判所が相当と判断した場合に調停に代わる審判が出ることがあります。異議がなければ確定2週間以内に異議がなければ確定判決と同一の効力を持ちます。
裁判離婚離婚訴訟で判決による離婚を求めます。不要法定離婚事由や婚姻破綻の立証が必要です。

次の判断の流れは、協議で止まった後に家庭裁判所手続へ移る順番を示しています。上から下へ進むほど裁判所の判断色が強くなり、証拠と争点整理の重要性が高まることを読み取ります。

協議から裁判所手続へ移る判断の流れ

協議がまとまらない

相手が離婚届に署名しない、条件で折り合わない、話し合いができない状態です。

離婚調停を申し立てる

離婚だけでなく、子、お金、財産、年金、慰謝料の争点を整理します。

調停成立か不成立か

合意できれば調停離婚へ進み、まとまらなければ訴訟を検討します。

成立
調停条項で実現

合意内容を履行可能な形で残します。

不成立
離婚訴訟へ

法定離婚事由や婚姻破綻を証拠で示します。

Section 02

相手が離婚に応じない場合でも裁判で問われる離婚原因

拒否そのものではなく、民法770条の離婚原因や婚姻破綻を証拠で示します。

離婚訴訟で中心になるのは、「相手が拒否している」事実ではなく、婚姻関係が法的に解消されるべき状態かどうかです。次の比較表は、現行民法770条の基本類型を整理しており、どの類型に近い事情を証拠で示すのかを読み取るために重要です。

類型内容読み方
不貞行為配偶者に不貞な行為があったときです。メッセージ、写真、宿泊記録、自認書面などが問題になります。
悪意の遺棄正当な理由なく同居・協力・扶助義務を放棄するような事情です。生活費不払い、別居経緯、収入資料、請求記録などを見ます。
3年以上の生死不明配偶者の生死が3年以上明らかでない場合です。所在不明の経過や調査状況が問題になります。
婚姻を継続し難い重大な事由共同生活の実体が失われ、回復可能性が乏しい事情です。DV、暴言、長期別居、浪費、生活費不払い、重大な対立などを総合して見ます。

次の強調部分は、2026年4月以降に特に注意すべき条文構造を示しています。精神疾患や障害それ自体を短絡的に離婚原因として扱わず、共同生活の実態や安全、扶助関係を具体的に読む必要があります。

2026年4月1日以降、旧4号の「強度の精神病」は独立類型から削除されています

現行法では、精神疾患や障害それ自体が独立の離婚原因として列挙されているわけではありません。具体的な共同生活の状態、扶助・協力関係、安全への影響などが「婚姻を継続し難い重大な事由」の評価に取り込まれ得ます。

次の注意点一覧は、重大な事由として問題になりやすい事情を並べたものです。ラベルに当てはめるだけでは足りず、客観的に見て共同生活の回復可能性が乏しいことを証拠で読む必要があります。

DV・継続的暴言

診断書、写真、録音、相談記録、通報記録で安全上の問題を具体化します。

長期別居

住民票、賃貸借契約、公共料金、別居開始時の連絡で期間と実態を示します。

浪費・依存・生活費不払い

口座履歴、請求メッセージ、収入資料、家計支出を整理します。

親族対立や修復困難

対立の固定化、話し合い不能、共同生活の実体喪失を時系列で整理します。

Section 03

相手が離婚に応じない場合の類型別対応

無視、条件対立、生活費停止では、優先する手続が異なります。

離婚拒否は一つの状態に見えますが、実際には「話し合いに出てこない」「条件に反対している」「生活費を止めている」などに分かれます。次の一覧は、類型ごとに優先する手段と実務上の読み方を整理しており、相手の態度に合わせて手続を選ぶために重要です。

1

無視・先延ばし型

任意交渉の不調を可視化し、夫婦関係調整調停へ移します。調停で争点を整理し、不成立なら訴訟を検討します。

調停申立て
2

条件対立型

親権、養育費、財産分与、自宅、ローン、慰謝料などの条件を資料で分解します。感情ではなく、裁判所が判断できる資料に変換します。

条件整理
3

生活費停止型

別居後の生活費が止まった場合、離婚そのものより先に婚姻費用分担請求が重要になることがあります。

生活基盤

次の比較表は、条件対立型で集める資料を争点別に示しています。どの資料が足りないかを確認することで、離婚拒否を「判を押すかどうか」から「裁判所が判断できる争点」へ変換できます。

争点主な資料
財産分与預貯金、保険、証券、退職金見込額、不動産登記事項証明書、固定資産評価関係資料、住宅ローン残高
収入・生活費給与明細、源泉徴収票、確定申告書、家計支出、別居後の送金履歴
年金分割年金分割のための情報通知書
子の費用教育費、医療費、保育料、習い事、通学関連費の資料
Section 04

子どもがいる場合の親権、監護、養育費の法的手段

親権、監護者指定、子の引渡し、養育費、親子交流を分けて整理します。

子どもに関する対立では、親権、監護、居所、親子交流、養育費を一つにまとめてしまうと判断を誤ります。次の比較表は、それぞれのテーマと主な手続を整理しており、相手が離婚に応じない場合でも子に関する緊急課題を先に読むために重要です。

テーマ問題になる手続実務上の読み方
離婚後の親権協議、調停、訴訟で共同親権または単独親権を定めます。共同親権と単独親権のいずれかが当然の原則・例外とされているわけではなく、子の利益を中心に判断されます。
監護者指定別居中などに、子と同居し身上監護を行う者を定めます。離婚するかどうかと、今誰が子を監護するかは別問題です。
子の引渡し子を連れて行かれ戻されない場合などに、調停または審判を申し立てます。緊急性や子の生活状況、安全が重要です。
養育費・親子交流離婚自体とは独立に、費用や交流条件を申し立てることがあります。子の費用や交流条件を先に整理する必要があります。

次の強調部分は、2026年改正後の養育費に関する重要な数字を示しています。金額は暫定的な制度設計の理解に役立ちますが、最終的な負担額や執行の可否は事案ごとの資料で読む必要があります。

2026年4月1日以降、法定養育費は子1人当たり月額2万円とされています

養育費の取決めがない場合でも、主として子を監護する親は暫定的な一定額の法定養育費を請求できるとされています。また、先取特権が付与される養育費の上限額は子1人当たり月額8万円と整理されています。

次の注意点一覧は、子をめぐる判断で重視されやすい観点をまとめたものです。親の勝敗ではなく、子の安全、生活の安定、監護実績、DVの有無を読み取る必要があります。

子の利益

親権や監護は、親の希望だけでなく子の安全と生活の安定を中心に判断されます。

DV・害悪のおそれ

身体的DVだけでなく、精神的、経済的、性的DVも問題になります。

監護実績

学校、通院、送迎、家計支出、第三者陳述書などで日常の関わりを示します。

費用と交流

養育費と親子交流は、離婚自体の争いが長引いても個別に整理し得ます。

Section 05

DVや威圧がある場合の安全確保と保護命令

安全が必要な事案を、単なる夫婦げんかとして扱わないことが重要です。

DV、威圧、ストーキングがある場合、離婚交渉より安全確保を優先します。次の一覧は、危険場面で先に接続すべき対応をまとめたもので、交渉を続けるべきかではなく、身体・生活・子の安全をどう確保するかを読み取るために重要です。

相談先への接続

警察、配偶者暴力相談支援センター、自治体相談窓口へつなぐことを検討します。

証拠の保存

診断書、受診歴、写真、録音、メッセージ、相談記録を保全します。

保護命令

身体に対する暴力や一定の脅迫があり、重大な危害のおそれが大きい場合に申立てが問題になります。

生活情報の保護

住所秘匿、連絡方法の限定、子の送迎、学校対応を整理します。

次の判断の流れは、危険があるときに離婚交渉へ入る前の順番を示しています。上から順に、安全確保、証拠、家庭裁判所手続、離婚・親権手続への反映を読み取ります。

安全確保を優先する判断の流れ

危害のおそれを確認

暴力、脅迫、つきまとい、支配的行動があるかを確認します。

安全な相談先へ接続

警察や支援機関に相談し、避難、連絡制限、住所秘匿を検討します。

証拠と生活資料を保存

診断書、写真、録音、メッセージ、相談記録、子の状況を整理します。

保護命令・調停・親権手続へ反映

DV事情を離婚、監護、親権、交流条件の判断材料として明確化します。

Section 06

有責配偶者から離婚を求める場合の注意点

不貞などの有責性がある場合、離婚請求のハードルは高くなります。

自分が有責配偶者と評価され得る場合は、相手が離婚に応じない局面で特に慎重な検討が必要です。次の比較表は、最高裁判例で重視された事情を整理したもので、どの事情が離婚請求の許否に影響するかを読み取るために重要です。

考慮事情読み方
有責性の態様・程度不貞、別居先行、家庭破綻への寄与などを具体的に見ます。
相手方の婚姻継続意思や感情拒否の背景、生活状況、精神的影響を確認します。
離婚による相手方の状態精神的、社会的、経済的に過酷な状態に置かれないかを見ます。
未成熟子の監護・教育・福祉子の生活、教育、監護環境への影響を重視します。
別居後の生活関係長期間の別居や新たな生活関係、時の経過による変化を見ます。

次の強調部分は、有責配偶者の離婚請求で読み落としやすい点をまとめています。意思の強さではなく、相手方の不利益をどう具体的に緩和するかを読むことが重要です。

有責配偶者の離婚請求は「原則困難、例外あり」と整理されます

長期別居、未成熟子の不存在、相手方を極めて過酷な状態に置かないことなどが重要です。婚姻費用の支払状況、財産分与・慰謝料の提案、相手方の生活再建可能性を具体的に検討します。

Section 07

相手が離婚に応じない場合の証拠整理

感情の強さではなく、争点に直結した適法な証拠を整理します。

離婚の法的手段では、事情が深刻でも証拠がなければ裁判所手続で動かしにくくなります。次の対応表は、争点ごとに典型的な証拠を示しており、自分の主張がどの資料で支えられているかを読み取るために重要です。

争点典型的な証拠
不貞メッセージ、写真、宿泊記録、調査報告書、本人の自認書面
DV・暴言診断書、受診記録、写真、録音、相談記録、通報記録
悪意の遺棄・生活費不払い銀行口座履歴、送金停止記録、請求メッセージ、収入資料
長期別居住民票異動、賃貸借契約書、公共料金、郵便物、別居開始時の連絡
子の監護実績保育園・学校連絡、通院記録、送迎記録、家計支出、第三者陳述書
財産分与預金、証券、保険、不動産、ローン、退職金、事業資料

次の注意点は、証拠収集でしてよいことと、紛争を広げる危険があることを区別するためのものです。証拠は多さではなく、適法性と争点への近さを読み取る必要があります。

証拠収集の限界相手のアカウントへの不正ログイン、無断GPS取付け、住居侵入、業務情報の違法取得などは、刑事・民事上の問題を生じ得ます。適法で争点に直結する資料を整理し、具体的な収集方法は専門家へ相談する必要があります。
Section 08

離婚拒否へのロードマップと履行確保

安全、証拠、生活基盤、調停、訴訟、執行を段階的に組み合わせます。

離婚拒否への対応は、最初から訴訟だけを目指すより、生活と証拠を固めながら段階的に進める方が整理しやすくなります。次の時系列は、何から始めるかを順番に示しており、上から下へ進むほど最終的な権利実現に近づくことを読み取ります。

第1段階

安全・証拠・生活基盤の確保

DVや威圧があるなら安全計画を先行し、預貯金、給与、保険、不動産、年金、子の資料を確保します。

第2段階

婚姻費用・子の保護手続

生活費、監護者指定、子の引渡し、養育費、親子交流を必要に応じて動かします。

第3段階

離婚調停

離婚、親権、監護、交流、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料を争点ごとに整理します。

第4段階

離婚訴訟

調停不成立後、法定離婚事由や婚姻破綻を証拠で示します。

第5段階

履行確保

履行勧告、間接強制、差押え、公正証書や執行文書の整備を検討します。

次の比較表は、決まった内容を実現するための手段を整理しています。各手段は強制力や対象が異なるため、無料で申し出られるもの、金銭的な圧力をかけるもの、財産に直接かかるものを読み分けます。

手段概要注意点
履行勧告家庭裁判所が、調停・審判・人事訴訟で定められた事項を守らない相手に履行を促します。無料で利用しやすい一方、強制力はありません。
間接強制養育費や婚姻費用などについて、一定の金銭支払を命じて履行を促す方法が問題になります。対象や要件を確認する必要があります。
差押え養育費等に基づき、給与や預金などへの強制執行が問題になります。債務名義、相手の財産情報、手続書類が必要です。

次の比較表は、相手が応じないときにできることと、できないことを分けています。法的手段の限界を読むことで、無断提出や違法な証拠収集など別の問題を避けられます。

できることできないこと
相手の同意がなくても家庭裁判所手続に移すこと相手が拒否しているのに協議離婚を一方的に完成させること
離婚とは別に婚姻費用や子の手続を動かすこと証拠なしに「つらかった」というだけで裁判離婚を得ること
調停不成立後に訴訟で離婚を求めること子を交渉材料として自由に確保し続けること
調停・判決等に基づいて執行を図ること相手の財産や通信を違法に取得すること
Section 09

相手が離婚に応じない場合に相談優先度が高いケース

安全、子、財産、有責性、国際要素、届出事故がある場合は早期相談が重要です。

専門家相談の優先度は、単に相手が頑固かどうかではなく、手続を誤ったときの不利益の大きさで判断します。次の一覧は、早めに相談した方がよい典型場面を整理しており、安全、子、財産、手続の複雑さを読み取るために重要です。

DV・ストーキング・子の連れ去りリスク

安全確保、保護命令、住所秘匿、監護手続を並行して考える必要があります。

収入や財産の把握が難しい

相手が自営業者や会社経営者の場合、財産分与、婚姻費用、養育費の資料整理が難しくなります。

有責性の主張立証が中心

不貞、暴力、悪意の遺棄、自分自身の有責性が争点になる場合は証拠設計が重要です。

国際・送達・届出の問題

海外居住、行方不明、送達困難、不受理申出、無効確認、戸籍訂正が絡む場合は手続が複雑です。

次の重要ポイントは、相談前に整理しておくとよい資料を示しています。感情を制度に、事実を証拠に、対立を争点に翻訳するため、時系列と資料を一緒に読むことが大切です。

相談前の整理別居日、生活費の授受、子の監護状況、財産資料、収入資料、暴力や威圧の記録、相手との交渉経過を時系列でまとめると、調停、婚姻費用、監護、訴訟の優先順位を検討しやすくなります。
Section 10

相手が離婚に応じない場合のFAQ

協議離婚、調停不出頭、別居、親権、生活費、履行確保、不受理申出を一般情報として整理します。

Q1. 相手が絶対に離婚しないと言っています。それでも離婚できますか。

一般的には、相手の離婚意思がない状態では協議離婚は成立しないとされています。ただし、家庭裁判所の調停を経て、法定離婚事由や婚姻破綻を証拠で示せる場合には、訴訟で離婚が認められる可能性があります。具体的な見通しは事実関係と証拠で変わるため、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 相手が調停に出てこない場合はどうなりますか。

一般的には、不出頭だけで自動的に離婚が成立するわけではありません。ただし、調停がまとまらなければ訴訟へ進む契機になることがあります。争点整理、証拠、生活費や子の手続を並行して確認する必要があります。

Q3. 別居が長ければ、それだけで離婚できますか。

一般的には、長期別居は重要な事情とされていますが、それだけで常に離婚が認められるわけではありません。有責性、未成熟子の有無、相手方の生活状況、別居に至った経緯などで判断が変わる可能性があります。

Q4. 子どもがいる場合、相手が拒否すれば親権は取れませんか。

一般的には、親権は相手の拒否だけで決まるものではなく、子の利益を中心に判断されます。共同親権と単独親権のいずれが適切か、監護実績、DVや害悪のおそれ、子の生活状況などで結論が変わる可能性があります。

Q5. 離婚より前に生活費だけ請求できますか。

一般的には、別居中の夫婦や未成熟子の生活費について、婚姻費用分担の調停または審判を申し立てることができるとされています。収入資料や生活費資料を整理したうえで、具体的な対応は専門家へ相談する必要があります。

Q6. 調停や判決で決まったのに、相手が支払いません。

一般的には、家庭裁判所の履行勧告、間接強制、差押えなどが問題になります。履行勧告は利用しやすい一方で強制力がないため、債務名義や相手の財産情報に応じて執行手続を検討する必要があります。

Q7. 勝手に離婚届を出されるのが不安です。

一般的には、虚偽届出を防止する制度として不受理申出があります。紛争が激しい場合は、届出事故を防ぐ観点から検討対象になりますが、具体的な届出方法や必要書類は自治体や状況により確認が必要です。

Reference

参考資料・出典

裁判所資料

  • 裁判所「夫婦(離婚等)」
  • 裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」
  • 裁判所「離婚」
  • 裁判所「婚姻費用の分担請求調停」
  • 裁判所「離婚後の親権者の定めに関する手続等」
  • 裁判所「子の監護者の指定調停」
  • 裁判所「子の引渡し調停」
  • 裁判所「養育費請求調停」
  • 裁判所「親子交流調停」
  • 裁判所「履行勧告手続」
  • 裁判所「間接強制」
  • 裁判所「債権執行等(養育費等に基づく差押え)」
  • 裁判所「保護命令(DV事件)」

法令・行政資料・判例

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 法務省「不受理申出制度」
  • 法務省「婚姻、離婚、養子縁組等の届出の際の本人確認の実施」
  • 法務省「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」
  • 最高裁判所大法廷昭和62年9月2日判決