2σ Guide

信託銀行と弁護士・税理士
どちらに頼む方が割安か

信託銀行の遺産整理業務と、弁護士・税理士・司法書士への個別依頼を、最低報酬、別途費用、紛争対応、相続税申告、相続登記の観点から整理します。

110万円 遺産整理の最低報酬例
10か月 相続税申告の目安
3年 相続登記の原則期限
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信託銀行と弁護士・税理士 どちらに頼む方が割安か

信託銀行の遺産整理業務と、弁護士・税理士・司法書士への個別依頼を、最低報酬、別途費用、紛争対応、相続税申告、相続登記の観点から整理します。

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信託銀行と弁護士・税理士 どちらに頼む方が割安か
信託銀行の遺産整理業務と、弁護士・税理士・司法書士への個別依頼を、最低報酬、別途費用、紛争対応、相続税申告、相続登記の観点から整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 信託銀行と弁護士・税理士 どちらに頼む方が割安か
  • 信託銀行の遺産整理業務と、弁護士・税理士・司法書士への個別依頼を、最低報酬、別途費用、紛争対応、相続税申告、相続登記の観点から整理します。

POINT 1

  • 信託銀行と弁護士・税理士の費用比較の全体像
  • まず、何を比較しているのかをそろえると結論が見えます。
  • 相続で信託銀行と弁護士、税理士、司法書士のどちらが割安かは、依頼する業務の範囲をそろえて考える必要があります。
  • 最初の比較一覧は、費用差がどこで生まれるかを整理するものです。
  • 信託銀行は低価格商品ではなく、長期保管、法人による遺言執行、一括窓口、事務負担軽減を買う選択肢として評価します。

POINT 2

  • 信託銀行と専門職の比較は業務単位で考える
  • 「誰に頼むか」より先に「何を頼むか」を分けます。
  • 実質総費用で比較する
  • 割安かどうかは、直接報酬だけでは判断しにくいです。
  • 次の強調表示は、総額を見るときの足し算を示します。

POINT 3

  • 信託銀行の費用構造と最低報酬を読む
  • 遺言信託と遺産整理業務を分けて、銀行報酬の上乗せを確認します。
  • 信託銀行の遺産整理総費用
  • 信託銀行の費用は、遺言信託と遺産整理業務で発生時期と報酬の意味が異なります。
  • 相続発生後に依頼する遺産整理業務では、最低報酬の影響が大きくなります。

POINT 4

  • 弁護士・税理士・司法書士の役割と費用構造
  • 専門職ごとの守備範囲を分けると、重複費用を避けやすくなります。
  • 弁護士、税理士、司法書士は上下関係ではなく、担当領域が違います。
  • 税理士費用は、財産評価の難しさで変わります。
  • 司法書士費用は、不動産の数や相続関係の複雑さで変わります。

POINT 5

  • 信託銀行と専門職はケース別に割安性が変わる
  • 相続の状態ごとに、銀行報酬が便利さに見合うかを見ます。
  • 実際の割安性は、財産額、税務、登記、争いの有無で変わります。
  • 次の割合の比較は、代表的な遺産整理報酬の概算を並べています。
  • 数字が大きいほど銀行報酬が重くなり、同じ財産額でも料率体系で差が出るため、複数社の見積りを同じ前提で比較することが重要です。

POINT 6

  • 信託銀行が高くつく場面と価値が出る場面
  • 相続財産が少額
  • 税務と登記だけで足りる
  • 相続税が発生するなら税理士、不動産があるなら司法書士が必要になり、信託銀行報酬は重複的な管理費用になりやすいです。

POINT 7

  • 信託銀行と専門職の見積もりで確認すること
  • 1. 相続人間でもめているか:対立、使い込み疑い、遺留分、遺言無効がある場合は弁護士相談が中心になりやすいです
  • 2. 相続税がかかりそうか:基礎控除を超える、特例検討が必要、10か月期限が近い場合は税理士を早めに入れます
  • 3. 不動産があるか:相続登記は2024年4月1日から義務化され、原則3年以内の申請が必要です
  • 4. 金融機関が多い、代表者がいないか:事務負担が大きい場合に信託銀行の遺産整理業務を比較対象にします
  • 5. 必要な範囲で見積りを取る:信託銀行、弁護士、税理士、司法書士の業務範囲と別途費用を同じ表で比べます

POINT 8

  • よくある誤解と信託銀行・専門職の正しい使い分け
  • 個別の結論を断定せず、制度上の役割を一般情報として整理します。
  • 信託銀行は中立だから、もめた相続もまとめてくれるのですか
  • 税理士に頼めば遺産分割でもめても対応できますか
  • 弁護士は高いので最初から避けた方がよいですか

まとめ

  • 信託銀行と弁護士・税理士 どちらに頼む方が割安か
  • 信託銀行と弁護士・税理士の費用比較の全体像:まず、何を比較しているのかをそろえると結論が見えます。
  • 信託銀行と専門職の比較は業務単位で考える:「誰に頼むか」より先に「何を頼むか」を分けます。
  • 信託銀行の費用構造と最低報酬を読む:遺言信託と遺産整理業務を分けて、銀行報酬の上乗せを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

信託銀行と弁護士・税理士の費用比較の全体像

まず、何を比較しているのかをそろえると結論が見えます。

相続で信託銀行と弁護士、税理士、司法書士のどちらが割安かは、依頼する業務の範囲をそろえて考える必要があります。金額だけを見ると信託銀行は最安になりにくく、標準的な遺産整理業務では最低報酬が税込110万円程度に設定される例が多くあります。

最初の比較一覧は、費用差がどこで生まれるかを整理するものです。読者にとって重要なのは、信託銀行の報酬が税理士報酬や司法書士報酬を当然に含むわけではない点であり、表では「誰が何を担当し、何が別費用になりやすいか」を読み取ります。

判断軸信託銀行を使う場合専門職へ個別に頼む場合割安性の見方
費用の起点遺産整理報酬や遺言信託報酬が加わる必要な業務ごとに報酬が発生単純な相続ほど個別依頼が低額になりやすい
相続税申告税理士が別途担当することが多い税理士へ直接依頼申告が必要なら税理士費用はどちらでも発生しやすい
相続登記司法書士報酬と登録免許税が別途になりやすい司法書士へ直接依頼不動産名義変更だけなら直接依頼が比較しやすい
相続人間の争い受任できない、または辞退される可能性弁護士が交渉、調停、審判、訴訟を担当争いがある場面では費用以前に弁護士が中心になる
事務負担窓口一本化や財産整理を任せやすい依頼者側が専門職間を調整時間負担をどこまでお金で減らすかが評価点になる

結論の骨格は、必要業務だけを専門職に直接依頼できるなら個別依頼が割安になりやすい、争いがあるなら弁護士が先、税務があるなら税理士が不可欠、不動産があるなら司法書士が重要、という順番です。信託銀行は低価格商品ではなく、長期保管、法人による遺言執行、一括窓口、事務負担軽減を買う選択肢として評価します。

結論争いがなく、相続税申告と相続登記など必要業務だけで足りるなら、個別の専門職へ直接頼む方が割安になりやすいです。相続人間で対立がある場合は、一般的には弁護士への相談が優先されます。
Section 01

信託銀行と専門職の比較は業務単位で考える

「誰に頼むか」より先に「何を頼むか」を分けます。

同じ相続の相談でも、生前の遺言作成、遺言書の保管、遺言執行、相続発生後の名義変更、相続税申告、争いの解決では担当者も費用の意味も変わります。次の比較表は業務単位をそろえるための整理であり、どの列が別費用になりやすいかを確認することが重要です。

比較単位信託銀行での典型的な形専門職での典型的な形費用比較の注意点
生前の遺言作成遺言信託で作成支援、保管、執行を一体化弁護士、司法書士、行政書士、公証人が関与公証人手数料や文案作成報酬は別に確認します
遺言書の保管信託銀行の保管と定期照会公正証書遺言、法務局の自筆証書遺言書保管制度法務局保管制度の申請手数料は1通3900円と低額です
遺言執行信託銀行が遺言執行者に就く商品がある弁護士、司法書士、税理士、家族など紛争含みでは弁護士の関与が必要になりやすいです
相続発生後の名義変更遺産整理業務で金融資産や不動産手続を支援司法書士、行政書士、金融機関手続登記、税務、紛争代理は別枠で考えます
相続税申告税理士紹介または相続人が税理士へ依頼税理士へ直接依頼税理士報酬が銀行報酬に含まれるとは限りません
争いの解決原則として非対応または受任困難弁護士が交渉、調停、審判、訴訟を担当信託銀行との価格比較にならない場面があります

割安かどうかは、直接報酬だけでは判断しにくいです。次の強調表示は、総額を見るときの足し算を示します。依頼者にとって重要なのは、見積書に載る報酬以外に、税金、実費、別の専門職費用、期限遅れや紛争拡大のリスクも加わることです。

実質総費用で比較する

実質総費用 = 直接報酬 + 実費 + 税金 + 別途専門職費用 + 追加報酬 + 期限遅れリスク + 紛争拡大リスク + 依頼者の時間負担、という考え方で比べます。

目先の見積額が低くても、無効リスクの高い遺言、期限遅れの相続税申告、未了の相続登記、後日の遺留分請求が起きれば、差額以上の負担が生じる可能性があります。一方、信託銀行は初期費用や最低報酬が高く見えても、遠方の相続人が多い場合や金融機関が多い場合には事務負担軽減の価値があります。

Section 02

信託銀行の費用構造と最低報酬を読む

遺言信託と遺産整理業務を分けて、銀行報酬の上乗せを確認します。

信託銀行の費用は、遺言信託と遺産整理業務で発生時期と報酬の意味が異なります。次の一覧は公開手数料に出てくる代表的な項目を整理し、読者が「生前の費用」と「相続発生後の費用」を混同しないように見るためのものです。

区分主な費用項目代表的な公表例読み取り方
遺言信託基本手数料、保管料、変更手数料、遺言執行報酬三井住友信託銀行はプランにより33万円、88万円、保管料年6600円、変更5万5000円など生前に安いプランでも相続発生後の最低執行報酬が高くなることがあります
遺言信託取扱手数料と最低執行報酬三菱UFJ信託銀行は110万円型、33万円型、年間保管料5500円、変更5万5000円など初期費用だけでなく死亡後の執行報酬まで合計します
遺言信託管理料と執行報酬みずほ信託銀行はプラン100、プラン30、管理料年6600円などグループ預かり資産とその他財産で料率が変わります
遺言信託基本コースとオプションりそな銀行は取扱手数料33万円、88万円、保管料年6600円、変更11万円などコース名だけでなく最低報酬額を確認します

相続発生後に依頼する遺産整理業務では、最低報酬の影響が大きくなります。次の比較表は、最低額と別途費用の位置づけを並べるもので、どの銀行でも税理士報酬や司法書士報酬が追加され得る点を読み取ります。

金融機関等遺産整理報酬の考え方最低額の目安別途になりやすい費用
三井住友信託銀行自社取引資産0.33%、その他財産は5000万円以下2.20%など税込110万円登録免許税、司法書士手数料、戸籍等取得費、残高証明書、鑑定、不動産売却、税理士報酬など
みずほ信託銀行みずほ関連資産0.330%、その他財産は1億円以下1.540%など110万円不動産相続登記費用、司法書士、税理士などからの直接請求
りそな銀行グループ預かり資産0.33%、その他財産は5000万円以下2.20%など110万円登録免許税、司法書士報酬、相続税申告の税理士報酬など

総額を比較するときは、信託銀行の報酬に外部費用を足す必要があります。次の強調表示は銀行に一括で頼む場合の総費用の組み立てを示し、何が上乗せになりやすいかを確認するためのものです。

信託銀行の遺産整理総費用

信託銀行の遺産整理報酬に、税理士報酬、司法書士報酬、登録免許税、戸籍等の実費、残高証明書等の実費、不動産売却や鑑定の費用、特殊事情による追加報酬を加えて考えます。

専門職へ個別に依頼する場合は、税理士報酬、司法書士報酬、必要な弁護士報酬や行政書士報酬、同じ実費と税金、依頼者自身の調整時間が総額を構成します。大きな差は、信託銀行の遺産整理報酬が追加されるかどうかです。

Section 03

弁護士・税理士・司法書士の役割と費用構造

専門職ごとの守備範囲を分けると、重複費用を避けやすくなります。

弁護士、税理士、司法書士は上下関係ではなく、担当領域が違います。次の一覧は、各専門職の主な役割と信託銀行では代替しにくい場面を示すもので、最初に誰へ相談するかを読み取るために使います。

専門職主な業務費用が発生しやすい場面信託銀行との関係
弁護士遺産分割交渉、調停、審判、訴訟、遺留分、使い込み、遺言無効、相続放棄など相続人間の対立、請求、証拠整理、裁判所手続紛争対応では代替困難です
税理士相続税申告、財産評価、税務相談、税務代理、税務調査対応基礎控除超過、不動産評価、非上場株式、生前贈与、特例適用信託銀行を使っても不要になりません
司法書士相続登記、不動産名義変更、法務局提出書類、裁判所提出書類作成不動産の数、管轄法務局、数次相続、住所変更登記など登記費用は別途になりやすいです
行政書士争いがない書類作成、遺産分割協議書、相続人関係説明図など紛争、税務、登記申請がないシンプルな相続費用を抑える入口になり得ますが担当範囲に限界があります
公証人公正証書遺言の作成遺言の形式安全性を高めたい場合専門職報酬とは別に公証人手数料が発生します

税理士費用は、財産評価の難しさで変わります。次の表は費用が上がりやすい要素を整理し、相続税申告を信託銀行の費用に含めて考えない方がよい理由を確認するためのものです。

変動要素費用が上がりやすい理由
不動産が多い路線価、倍率、地積、権利関係、評価資料の確認が必要です
非上場株式がある会社評価、株価評価、事業承継税制の検討が必要です
生前贈与が多い贈与履歴、相続時精算課税、加算対象の確認が必要です
小規模宅地等の特例適用可否で税額が大きく変わり、慎重な判断が必要です
配偶者の税額軽減一次相続だけでなく二次相続への影響を考えます
税務調査リスク名義預金、現金、過去の資金移動の確認が必要です

司法書士費用は、不動産の数や相続関係の複雑さで変わります。次の表は登記費用が増えやすい要素を示し、信託銀行の見積りから司法書士費用を外して考えないための確認に使います。

変動要素費用が上がりやすい理由
不動産の数が多い登記事項確認、評価証明書、申請書作成が増えます
管轄法務局が複数申請単位が増えます
相続人が多い戸籍収集、相続関係説明図、署名押印調整が増えます
数次相続がある亡くなった相続人の相続人まで調査が必要です
遺産分割協議書が複雑登記原因証明情報との整合性確認が必要です
住所変更登記や抵当権抹消が絡む追加登記が必要になります
Section 04

信託銀行と専門職はケース別に割安性が変わる

相続の状態ごとに、銀行報酬が便利さに見合うかを見ます。

実際の割安性は、財産額、税務、登記、争いの有無で変わります。次の比較表は代表的な5場面を並べ、どの場面で信託銀行の最低報酬や事務負担軽減の価値が効くかを読み取るためのものです。

ケース状況費用面の見方一般的な方向性
A遺産4000万円、相続税なし、不動産1件、争いなし信託銀行の最低報酬110万円程度が重くなりやすい司法書士等への個別依頼が割安になりやすい
B遺産8000万円、相続税申告あり、不動産1件、争いなし信託銀行報酬に税理士、司法書士、登録免許税等が加わる税理士と司法書士へ直接依頼できるなら個別依頼が低額になりやすい
C遺産2億円、不動産複数、金融機関多数、争いなし銀行報酬は数百万円規模になり得るが事務負担も重い最安ではないが一括窓口の価値を説明しやすい
D遺産は少ないが兄弟間でもめている信託銀行は交渉代理や調停代理を担えない弁護士が中心になりやすい
E生前に遺言を作りたい法務局保管制度や専門職文案作成は低額になることがある長期保管と法人執行を買うなら信託銀行も候補になります

次の割合の比較は、代表的な遺産整理報酬の概算を並べています。数字が大きいほど銀行報酬が重くなり、同じ財産額でも料率体系で差が出るため、複数社の見積りを同じ前提で比較することが重要です。

110万
遺産4000万円の最低額
159.5万
遺産8000万円の概算
302.5万
遺産2億円の概算

ケースBで全財産をその他財産と仮定すると、三井住友信託銀行やりそな銀行型では5000万円×2.20%に3000万円×1.65%を足し、約159万5000円になります。みずほ信託銀行型では8000万円×1.540%で約123万2000円という計算例になります。

試算の注意これらは公開料率を単純化した概算であり、個別の契約額を保証するものではありません。実際には自社グループ預かり資産、評価基準、特殊報酬、消費税、外部専門職費用を確認します。
Section 05

信託銀行が高くつく場面と価値が出る場面

最低報酬を避けたい場面と、あえて一括窓口を使う場面を分けます。

信託銀行を選ぶと高くつきやすい場面は、最低報酬や別途専門職費用が重くなる場面です。次の注意点一覧は、どの条件があると総額が膨らみやすいかを整理し、見積り前に確認するためのものです。

相続財産が少額

遺産3000万円から4000万円程度で、相続税申告が不要、不動産1件、金融機関も少ない場合は、最低報酬110万円程度の負担割合が大きくなります。

税務と登記だけで足りる

相続税が発生するなら税理士、不動産があるなら司法書士が必要になり、信託銀行報酬は重複的な管理費用になりやすいです。

すでに紛争化している

相続分、遺言の効力、使い込み、遺留分などで争いがある場合、弁護士費用が別途必要になり、銀行は受任困難になることがあります。

不動産売却や評価が中心

測量、境界、分筆、鑑定、共有解消が主要論点なら、外部専門職の実務が中核になり、直接チームを組む方が低額になることがあります。

自分で事務を進められる

戸籍収集、残高証明、金融機関手続、税理士や司法書士との連携を相続人が管理できるなら、一括窓口の価値は相対的に下がります。

一方で、信託銀行の費用に意味が出やすい場面もあります。次の一覧は、安さではなく事務負担軽減や法人執行の価値を評価する場面を示し、費用以外に何を買っているかを読み取るためのものです。

長期保管

法人による遺言執行

遺言者が高齢で、相続発生時に家族だけで遺言を実行するのが難しい場合、長期保管と継続的な照会に価値があります。

多数手続

金融機関が多い

預金、証券、投資信託、保険、不動産、借入金が多く、相続人が遠方にいる場合は、窓口一本化の価値が高まります。

代表者不在

誰も事務を担いたくない

代表相続人が疑われる、または誰も手続を引き受けない場合、中立的な外部窓口として心理的負担を下げることがあります。

高額財産

安心を重視する

遺産額が大きく、資料収集、分配管理、専門職連携の負担が重い場合は、最安でなくても合理的な選択肢になり得ます。

Section 06

信託銀行と専門職の見積もりで確認すること

税込総額、別途費用、追加条件をそろえて比較します。

料金表を読むときは、税込表示、最低報酬、評価基準、自社グループ資産、解約時費用を同じ表に並べて確認します。次の表は、見落とすと総額が変わる項目を整理し、見積書で何を質問すればよいかを読み取るためのものです。

確認項目見るべき理由質問例
税込か税抜か銀行資料や専門職見積りで表示が混在することがあります税込総額でいくらですか
最低報酬少額相続ほど負担率を左右します料率計算額が最低額を下回る場合はいくらになりますか
自社グループ預かり資産低い料率が適用される財産と高い料率の財産があります他行預金、不動産、非上場株式の料率はどうなりますか
評価額の基準債務控除前や特例適用前の価額で計算されることがあります債務や小規模宅地等の特例は報酬計算で控除されますか
解約時費用と特別報酬途中解約、辞任、海外相続人、特殊財産で追加費用が出ることがありますどの条件で追加報酬が発生しますか

依頼先の優先順位は、争い、税務、不動産、事務量の順に見ると整理しやすくなります。次の判断の流れは、相続の状態を上から順に確認するためのもので、分岐の順番が重要です。

費用比較の前に確認する順番

相続人間でもめているか

対立、使い込み疑い、遺留分、遺言無効がある場合は弁護士相談が中心になりやすいです

相続税がかかりそうか

基礎控除を超える、特例検討が必要、10か月期限が近い場合は税理士を早めに入れます

不動産があるか

相続登記は2024年4月1日から義務化され、原則3年以内の申請が必要です

金融機関が多い、代表者がいないか

事務負担が大きい場合に信託銀行の遺産整理業務を比較対象にします

必要な範囲で見積りを取る

信託銀行、弁護士、税理士、司法書士の業務範囲と別途費用を同じ表で比べます

見積もりでは、銀行報酬だけでなく、税理士、司法書士、不動産売却、紛争発生時の扱いまで確認します。次の質問一覧は、後日の追加費用を減らすための確認項目であり、銀行と専門職のどちらにも同じ前提で聞くことが重要です。

1

信託銀行に聞くこと

最低報酬、税込総額、自社資産とその他財産の料率、税理士報酬と司法書士報酬の有無、争いが生じた場合の扱いを確認します。

銀行報酬 別途費用
2

弁護士に聞くこと

相談料、着手金、報酬金、調停や訴訟に進んだ場合の費用差、税理士や司法書士との連携を確認します。

紛争対応 追加費用
3

税理士に聞くこと

相続税申告報酬の基準、不動産評価、非上場株式、名義預金、生前贈与、税務調査対応の扱いを確認します。

10か月期限 評価
4

司法書士に聞くこと

不動産の数、管轄、相続人の数、戸籍収集、登録免許税、数次相続や住所変更登記の追加費用を確認します。

登記 3年期限
Section 07

よくある誤解と信託銀行・専門職の正しい使い分け

個別の結論を断定せず、制度上の役割を一般情報として整理します。

信託銀行は中立だから、もめた相続もまとめてくれるのですか

一般的には、信託銀行は相続手続の支援者であり、相続人の一方の代理人として交渉や調停を行う立場ではありません。相続分、遺留分、使い込み、遺言無効などで争いがある場合は、事実関係や証拠によって対応が変わります。具体的な見通しや対応方針は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

税理士に頼めば遺産分割でもめても対応できますか

一般的には、税理士は税務代理、税務書類の作成、税務相談を担当する専門職です。分割案の税務上の影響を説明することはありますが、相続人間の代理交渉や調停代理とは担当領域が異なります。争いの程度や資料関係で必要な専門職は変わるため、具体的には弁護士等へ相談する必要があります。

弁護士は高いので最初から避けた方がよいですか

一般的には、争いがない相続では弁護士が主担当にならないこともあります。ただし、遺留分、使い込み、遺言無効、相続人の非協力などがある場合、早期に法的争点を整理することで長期化を避けられる可能性があります。個別の費用対効果は事案によって変わるため、見積りと業務範囲を確認する必要があります。

公正証書遺言があれば遺言執行者は不要ですか

一般的には、公正証書遺言は形式面の安全性を高める手段ですが、相続発生後に誰が財産目録、通知、名義変更、分配を進めるかは別問題です。相続人間の協力状況や財産内容によって必要な対応は変わるため、遺言執行者の指定や専門職の関与を検討する必要があります。

Section 08

信託銀行と弁護士・税理士の費用比較の結論

必要な専門職を選ぶか、一括窓口の価値を買うかで判断します。

費用だけで見れば、信託銀行は最安になりにくいです。主要信託銀行の遺言信託や遺産整理業務には最低報酬、基本手数料、保管料、執行報酬があり、税理士報酬や司法書士報酬が別途になることが多いためです。

争いがある相続では、一般的には信託銀行ではなく弁護士が中心になります。税務がある相続では税理士が不可欠であり、不動産がある相続では司法書士が重要です。相続で割安に進める基本戦略は、一括で頼む前に必要な専門職を必要な範囲で選ぶことです。

一方で、信託銀行には長期保管、法人による遺言執行、一括窓口、事務負担軽減という価値があります。費用最小化ではなく、相続人の負担軽減、手続の見通し、法人としての継続性を重視する場合は、比較候補に入ります。

最終判断安さを優先するなら必要業務ごとに専門職を選び、争いがあるなら弁護士、税務があるなら税理士、不動産があるなら司法書士を早めに検討します。相続人の事務負担をお金で減らしたい場合に、信託銀行の見積りを比較します。
Reference

この記事の参考情報源

公的機関・制度情報

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務省「司法書士の業務」
  • 国税庁「相続税がかかる場合」
  • 国税庁「相続税の申告と納税」
  • 国税庁「税理士制度について」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • e-Gov法令検索「民法」

信託銀行・関連団体の公開情報

  • 信託協会「遺言信託」
  • 三井住友信託銀行「遺言信託の手数料」
  • 三菱UFJ信託銀行「遺言信託 遺心伝心」
  • みずほ信託銀行「遺言執行引受予諾業務」
  • りそな銀行「遺言信託の手数料」
  • 三井住友信託銀行「相続手続トータルサービスの手数料」
  • みずほ信託銀行「遺産整理業務」
  • りそな銀行「相続手続代行サービスの手数料」

専門職・公証実務

  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度 手数料」
  • 神奈川県弁護士会「弁護士費用について」