2σ Guide

証券口座や投資信託を
見つけ出す手順

相続で故人の証券口座、上場株式、ETF、REIT、投資信託の販売会社を調査し、残高証明、相続税評価、遺産分割につなげるための実務手順を整理します。

5層 漏れを減らす調査構造
10か月 相続税申告の原則期限
6,050円 相続人等のJASDEC開示費用
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証券口座や投資信託を 見つけ出す手順

通帳のない資産、電子交付された通知、銀行で購入した投資信託まで、入口を広げて確認します。

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2σ GUIDE ・ VIDEO
証券口座や投資信託を 見つけ出す手順
通帳のない資産、電子交付された通知、銀行で購入した投資信託まで、入口を広げて確認します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 証券口座や投資信託を 見つけ出す手順
  • 通帳のない資産、電子交付された通知、銀行で購入した投資信託まで、入口を広げて確認します。

POINT 1

  • 証券口座や投資信託を見つけ出す手順の全体像
  • 1. 資料を保全する:郵便物、端末、税務資料、銀行明細を動かさず記録します。
  • 2. 金融機関名を推定する:通帳、入出金、配当、分配金、年間取引報告書から候補を作ります。
  • 3. 候補が判明したか:判明分は相続窓口へ、未判明分はJASDEC等も検討します。
  • 4. 相続照会へ進む:残高証明、取引履歴、NISA、特定口座情報を請求します。
  • 5. 追加調査を行う:住所履歴、株式関係書類、勤務先制度、外国証券を確認します。

POINT 2

  • 証券口座や投資信託を見つけ出す前に押さえる用語
  • 口座の種類、投資信託の関係者、残高証明と取引履歴の違いを先にそろえます。
  • 被相続人・相続人・受遺者
  • 証券口座
  • 投資信託

POINT 3

  • 証券口座や投資信託の調査前に守る原則
  • 本人になりすましたログイン
  • 故人のIDやパスワードで取引画面に入り、売却や送金を行うことは、法令、契約、相続人間の紛争の面でリスクがあります。
  • 証券の独断売却
  • 死亡日評価、分割時価、売却時価がずれることがあります。

POINT 4

  • 証券口座や投資信託を自宅と電子情報から探す
  • 1. 年間取引報告書・支払通知書:税務関連の書類が届きやすく、特定口座や配当・分配金の手がかりになります。
  • 2. 株主総会招集通知・議決権行使書:株主番号、発行会社名、住所、株式関係書類の送付先を確認します。
  • 3. 3月決算会社の配当関係:配当金計算書や証券代行機関の情報から、株式保有や特別口座の可能性を読み取ります。
  • 4. 中間配当・投信報告・NISA通知:中間配当や投資信託の報告書、NISA関連通知を確認します。

POINT 5

  • 証券口座や投資信託を銀行口座と税務資料から逆引きする
  • 入出金、配当、分配金、確定申告書から金融機関候補を絞り込みます。
  • ネット証券であっても、入金、出金、配当、分配金、投信積立の引落しは銀行口座に痕跡を残します。
  • 普通預金の取引履歴やインターネットバンキング明細を見て、証券会社名や投資信託の手がかりを探します。
  • 記載名だけで断定せず、候補金融機関として記録し、相続窓口で口座有無や残高証明の取得可否を確認します。

POINT 6

  • 証券口座や投資信託が判明した金融機関へ相続照会する
  • 1. 相続窓口を確認:支店ではなく、全店照会や相続専用窓口につなげます。
  • 2. 本人情報と関係を伝える:被相続人の氏名、生年月日、死亡日、住所、照会者との関係を伝えます。
  • 3. 請求資料を分けて依頼:口座有無、死亡日残高、取引履歴、NISA、特定口座情報を目的別に依頼します。
  • 4. 必要書類を提出:戸籍、本人確認、遺言書、遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などを確認します。

POINT 7

  • 証券口座や投資信託の不明先をJASDEC開示請求で探す
  • 1. 氏名と住所を整理:最終住所だけでなく旧住所、旧姓、旧字体、通称、マンション名の表記違いも確認します。
  • 2. 必要書類を全ページコピー:確認書類はコピーを提出し、原本提出は不可、提出書類は返却されない扱いに注意します。
  • 3. 郵送で請求:窓口受付や電話回答ではなく、郵送後に登録済加入者情報通知書を待ちます。
  • 4. 各金融機関へ再照会:証券会社名や加入者口座コードを基に、全店検索ができる窓口へ連絡します。

POINT 8

  • 投資信託とNISA口座を見つけた場合の相続手続
  • 1. 名称を記録:ファンド名、愛称、運用会社名をそのまま控えます。
  • 2. 販売会社一覧を確認:運用会社の情報から取扱候補を確認します。
  • 3. 生活圏と入出金で絞る:給与振込、退職金受取、住宅ローン、担当者名刺、分配金入金先を照合します。
  • 4. 販売会社へ相続照会:口座有無、残高証明、取引履歴、評価資料を確認します。

まとめ

  • 証券口座や投資信託を 見つけ出す手順
  • 証券口座や投資信託を見つけ出す手順の全体像:通帳のない資産、電子交付された通知、銀行で購入した投資信託まで、入口を広げて確認します。
  • 証券口座や投資信託を見つけ出す前に押さえる用語:口座の種類、投資信託の関係者、残高証明と取引履歴の違いを先にそろえます。
  • 証券口座や投資信託の調査前に守る原則:保全、正規照会、記録化を先に行い、独断の売却やログインを避けます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

証券口座や投資信託を見つけ出す手順の全体像

通帳のない資産、電子交付された通知、銀行で購入した投資信託まで、入口を広げて確認します。

相続で最初に問題になるのは、いくらあるかよりも、どこにあるかです。預貯金は通帳やキャッシュカードから入口を見つけやすい一方、証券口座や投資信託は紙の通帳がなく、郵便物も電子交付に切り替えられていることがあります。ネット証券、銀行窓口の投資信託、NISA口座、特定口座、ETF、REIT、外国株式、勤務先持株会、確定拠出年金が混在すると、全体像の把握に時間がかかります。

このページでは、2026年6月23日時点の制度と実務を前提に、相続人、受遺者、遺言執行者、家族が調査を始めるときの一般的な進め方を整理します。制度、費用、必要書類、金融機関の運用は変わることがあるため、提出前には公式情報と各金融機関の相続手続窓口で確認する必要があります。

注意個別案件の法律判断、税務判断、代理交渉、訴訟戦略、税務申告書作成を代替するものではありません。資産規模が大きい場合、相続人間に不信感がある場合、相続税が発生しそうな場合、未成年者や判断能力に不安のある人が関係する場合は、早期に専門職へ相談することが重要です。

次の一覧は、証券口座や投資信託を見つけるための5つの調査段階を示しています。左から順に、入口資料を保全し、金融機関名を推定し、判明した窓口へ照会し、公的インフラを使い、最後に例外的な資産を追跡する構造です。どの段階を誰が担いやすいかを見て、作業の抜けを防ぐことが大切です。

目的主な作業主担当になりやすい人
第1層入口資料の保全郵便物、書類、スマートフォン、パソコン、メール、税務資料を保全する相続人、遺言執行者、FP、行政書士
第2層金融機関名の推定銀行口座、クレジットカード、確定申告書、配当金通知から逆引きする相続人、税理士、FP
第3層判明機関への照会証券会社、銀行、信託銀行、ゆうちょ銀行等へ死亡連絡と相続照会をする相続人、遺言執行者、弁護士、司法書士
第4層公的インフラを使う証券保管振替機構の登録済加入者情報の開示請求を使う相続人、遺言執行者、代理人
第5層例外財産を追跡投資信託、NISA、特別口座、外国証券、勤務先持株会、確定拠出年金、非上場株式等を個別に調べる弁護士、税理士、司法書士、社労士、公認会計士等

調査は、いきなり証券会社へ片端から連絡するより、資料保全から順番に進めるほうが漏れを減らせます。下の判断の流れは、相続税申告の10か月期限も意識しながら、どの段階で何を確認するかを示しています。

証券口座・投資信託調査の進め方

資料を保全する

郵便物、端末、税務資料、銀行明細を動かさず記録します。

金融機関名を推定する

通帳、入出金、配当、分配金、年間取引報告書から候補を作ります。

候補が判明したか

判明分は相続窓口へ、未判明分はJASDEC等も検討します。

判明
相続照会へ進む

残高証明、取引履歴、NISA、特定口座情報を請求します。

不明
追加調査を行う

住所履歴、株式関係書類、勤務先制度、外国証券を確認します。

Section 01

証券口座や投資信託を見つけ出す前に押さえる用語

口座の種類、投資信託の関係者、残高証明と取引履歴の違いを先にそろえます。

調査対象を正しく広げるには、相続人、受遺者、証券口座、投資信託、販売会社、運用会社、受託銀行、振替制度、残高証明書、取引履歴、特定口座、一般口座、NISA口座の違いを整理しておく必要があります。名称が似ていても、相続照会の窓口や取得できる資料は異なります。

次の一覧は、証券口座や投資信託の調査で頻出する用語の意味と、調査上の見方をまとめたものです。どの相手に照会すればよいか、どの資料が評価や分割に関係するかを読み取るために使います。

相続関係

被相続人・相続人・受遺者

被相続人は亡くなった人、相続人は民法上財産上の地位を承継する人、受遺者は遺言で財産を受ける人です。誰が照会できるかは家族関係や遺言で変わります。

口座種別

証券口座

証券会社、銀行、信託銀行などにある有価証券や投資信託の取引・保管口座です。総合取引、特定、一般、NISA、外国証券、信用取引、債券、投資信託口座が重なることがあります。

商品

投資信託

投資家の資金をまとめて株式や債券等で運用する商品です。相続実務では、ファンドを運用する会社ではなく、顧客口座を管理する販売会社を探すことが出発点です。

証明資料

残高証明書と取引履歴

残高証明書は死亡日など特定日の残高を示し、取引履歴は買付、売却、入出金、配当、分配金、手数料の流れを示します。税務、分割、使い込み疑いの検討では両方が問題になります。

投資信託では、販売会社、運用会社、受託銀行の役割を混同しないことが重要です。次の比較では、相続調査でどの機関に何を確認するのかを読み取れます。

関係者役割相続調査での重要度
販売会社証券会社、銀行、郵便局など。顧客口座を管理し、購入、換金、分配金支払いを扱う最重要。相続照会の窓口になる
運用会社ファンドを設定し、運用方針を決めるファンド情報の確認に有用。ただし口座の有無は通常分からない
受託銀行信託財産を保管、管理する個別相続人の口座照会先ではないことが多い

上場株式や投資信託の多くは、紙の券面ではなく電子的な帳簿で管理されます。投資信託振替制度では、受益権の発生、消滅、移転が振替口座簿の記録で行われるため、紙の証券を探すだけでは不十分です。

NISANISA口座の資産は、相続人のNISA口座へそのまま受け入れることはできず、特定口座または一般口座に受け入れる扱いになります。死亡日、届出、移管先口座、取得価額の確認が必要です。
Section 02

証券口座や投資信託の調査前に守る原則

保全、正規照会、記録化を先に行い、独断の売却やログインを避けます。

最初に行うべきことは、資産を動かすことではなく、証拠と情報を保全することです。証券や投資信託は、売却して現金化すれば分けやすく見えますが、価格変動、税務、取得費、遺言、遺留分、名義財産、相続人間の合意が絡みます。独断で処理すると紛争の原因になります。

次の重要ポイントは、調査開始時に避けるべき行動と、その理由を整理しています。どれも後の相続税申告、遺産分割、使い込み疑いの検討に影響しやすいため、作業前に相続人間で共有しておくことが大切です。

本人になりすましたログイン

故人のIDやパスワードで取引画面に入り、売却や送金を行うことは、法令、契約、相続人間の紛争の面でリスクがあります。アプリ名や通知の確認にとどめ、正式な相続窓口へ連絡します。

証券の独断売却

死亡日評価、分割時価、売却時価がずれることがあります。全員合意、遺言、遺言執行権限、金融機関の手続を確認してから処理します。

資料の廃棄

封筒、配当金計算書、議決権行使書、旧住所記載の郵便物は、住所履歴やJASDEC開示請求の確認資料になることがあります。不要に見える紙も保全します。

調査記録は、相続人間の疑念を減らし、金融機関や専門職への説明を速くするための基本資料になります。次の表では、最低限記録すべき項目と、その意味を確認できます。

項目記録内容
調査日いつ確認したか
調査者誰が確認したか
資料名郵便物、通帳、メール、書類名
金融機関名推定でもよい
口座種別証券総合、投資信託、NISA、特定口座、一般口座等
照会状況未照会、照会中、回答済み、追加資料待ち
取得書類残高証明書、取引履歴、年間取引報告書等
相続税対応評価資料取得済みか
紛争リスク不明出金、売却履歴、特定相続人の関与等
原則まず保全し、次に照会し、最後に分配します。相続人であっても、故人名義の取引画面を操作して本人の取引のように見せる対応は避け、金融機関の相続手続に沿って進めます。
Section 03

証券口座や投資信託を自宅と電子情報から探す

紙の書類、郵便物、端末、メール、手帳を組み合わせて入口を見つけます。

自宅で探すべきものは、証券会社名が明記された書類だけではありません。銀行で購入した投資信託では、書類名に証券という語が出てこない場合があります。封筒、旧住所の郵便物、株主関係書類も捨てずに残します。

次の一覧は、紙資料ごとに何が分かるかを整理したものです。金融機関名、口座番号、銘柄、残高、住所、株主番号など、後の照会に使う手がかりを読み取ります。

資料何が分かるか
取引残高報告書金融機関名、口座番号、保有銘柄、残高
取引報告書売買日、銘柄、金額、手数料
特定口座年間取引報告書譲渡損益、配当、源泉徴収、証券会社名
支払通知書配当、分配金、債券利子の支払内容
投資信託運用報告書・目論見書ファンド名、運用会社名、購入時期の手がかり
NISA口座関連書類NISA口座のある金融機関
配当金計算書・議決権行使書上場会社名、株主番号、証券代行機関、住所履歴
株主総会招集通知株式保有の可能性
証券会社の封筒旧住所、支店、部署名、問い合わせ先
確定申告控え配当所得、譲渡所得、外国税額控除、金融機関名

郵便物は差出人別だけでなく、届いた時期でも整理します。年1回しか届かない書類があるため、直近1年分だけで判断せず、最低でも過去3年分、可能なら5年分を見ると漏れを減らせます。

1月

年間取引報告書・支払通知書

税務関連の書類が届きやすく、特定口座や配当・分配金の手がかりになります。

3月から6月

株主総会招集通知・議決権行使書

株主番号、発行会社名、住所、株式関係書類の送付先を確認します。

6月から7月

3月決算会社の配当関係

配当金計算書や証券代行機関の情報から、株式保有や特別口座の可能性を読み取ります。

9月から12月

中間配当・投信報告・NISA通知

中間配当や投資信託の報告書、NISA関連通知を確認します。

電子交付に切り替えられている場合、端末やメールの差出人・件名が入口になります。下の一覧では、検索語の種類ごとに何を見つけたいのかを整理しています。ログインして取引操作をするのではなく、候補を控えて正式窓口に照会します。

種類検索語の例
証券会社証券、Securities、Trade、NISA、特定口座、年間取引報告書
投資信託投信、ファンド、基準価額、分配金、運用報告書、目論見書
株式配当、株主、議決権、株主総会、株式数比例配分方式
債券利金、償還、国債、社債、外債
外国証券foreign、US stock、ADR、ETF、dividend
ネット証券ログイン通知、ワンタイムパスワード、二要素認証

手帳、家計簿、メモ、名刺も確認します。担当者名、支店名、銀行の資産運用担当、信託銀行の相続担当、税理士、FP、生命保険募集人、不動産業者の名刺が、金融資産の入口になることがあります。

Section 04

証券口座や投資信託を銀行口座と税務資料から逆引きする

入出金、配当、分配金、確定申告書から金融機関候補を絞り込みます。

ネット証券であっても、入金、出金、配当、分配金、投信積立の引落しは銀行口座に痕跡を残します。普通預金の取引履歴やインターネットバンキング明細を見て、証券会社名や投資信託の手がかりを探します。

次の一覧は、銀行明細の記載から推定できる資産や手続を整理しています。記載名だけで断定せず、候補金融機関として記録し、相続窓口で口座有無や残高証明の取得可否を確認します。

記載例推定される意味
〇〇証券、〇〇セキュリティーズ証券会社への入出金
投信積立、投信自動積立銀行または証券会社での投資信託積立
配当金、株式配当株式の保有または過去保有
分配金投資信託の保有
MRF、MRF入金証券総合口座の可能性
外貨、外貨MMF外貨建て資産、外国証券口座の可能性
国債、利金個人向け国債、債券口座の可能性
証券代行、信託銀行株式名義、特別口座、配当関係の可能性

クレジットカードや家計簿アプリには、投資情報サービス、新聞電子版、マーケットデータ、クラウド会計、パスワード管理サービス、連携済み金融機関一覧が残る場合があります。閲覧や解約、データ取得は規約と法令に従い、必要に応じて運営会社へ相続手続を確認します。

税務資料は、死亡時点の残高だけでなく、過去に証券取引があったかを知る手がかりです。次の一覧では、確定申告書や税理士資料から読み取るべき項目を示しています。

資料確認する内容
確定申告書控え株式譲渡所得、配当所得、先物取引、外国税額控除の有無
譲渡所得の計算明細書売却済み証券、取得費、譲渡時期
特定口座年間取引報告書金融機関名、譲渡損益、配当、源泉徴収
配当所得の明細上場株式、投資信託、外国配当の可能性
税理士保管資料金融機関名、年間取引報告書、配当通知の控え
確認点過去に売却済みで死亡時点の残高がない場合でも、生前贈与、名義財産、使途不明出金、準確定申告との関係で過去取引が重要になることがあります。
Section 05

証券口座や投資信託が判明した金融機関へ相続照会する

支店ではなく相続専用窓口や全店照会が可能な窓口を使います。

金融機関名が判明したら、できる限り相続専用窓口または全店照会が可能なコールセンターに連絡します。支店単位では別支店の口座を確認できない場合があるため、加入者口座コードや顧客番号が分かるときは必ず伝えます。

初回照会では、口座有無だけでなく、残高証明、取引履歴、特定口座、NISA、死亡日現在の評価資料まで確認します。次の判断の流れは、金融機関への連絡から資料取得までの順番を示しています。

金融機関への相続照会の進め方

相続窓口を確認

支店ではなく、全店照会や相続専用窓口につなげます。

本人情報と関係を伝える

被相続人の氏名、生年月日、死亡日、住所、照会者との関係を伝えます。

請求資料を分けて依頼

口座有無、死亡日残高、取引履歴、NISA、特定口座情報を目的別に依頼します。

必要書類を提出

戸籍、本人確認、遺言書、遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などを確認します。

金融機関への照会では、単に残高を知るだけでは不足します。次の一覧は、目的ごとに取得したい資料を整理したものです。相続税、遺産分割、譲渡所得、NISA、使い込み疑い、準確定申告のどれに使うかを読み分けます。

目的取得したい資料
口座有無確認口座有無の回答、顧客番号、口座番号、取扱店
相続税申告死亡日現在の残高証明書、銘柄別明細、評価額、外貨換算資料
遺産分割現在残高、死亡日現在残高、売却可否、移管方法
譲渡所得対応取得価額、取得日、特定口座情報、取得費資料
NISA対応NISA口座の有無、非課税口座開設者死亡届出書、移管書類
使い込み疑い入出金履歴、売買履歴、出庫履歴、ログイン履歴の取扱い確認
準確定申告死亡年の配当、譲渡、源泉徴収、年間取引報告書の扱い

必要書類は金融機関ごとに異なりますが、戸籍、本人確認、遺産分割協議書、遺言書、遺言執行者の資格資料、法定相続情報一覧図などが求められます。次の一覧では、書類ごとの確認目的を整理しています。

書類目的
被相続人の死亡が分かる戸籍または除籍相続開始の確認
被相続人の出生から死亡までの戸籍一式相続人の範囲確認
相続人の現在戸籍相続人であることの確認
相続人の本人確認書類照会者の確認
印鑑登録証明書相続届、払戻し、移管等の確認
遺産分割協議書誰が取得するかの確認
遺言書遺言による承継の確認
検認済証明書または遺言書情報証明書自筆証書遺言等の手続確認
遺言執行者の資格資料執行権限の確認
法定相続情報一覧図の写し戸籍束の代替または簡素化

2024年3月1日から、戸籍証明書等の広域交付により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書や除籍証明書を請求できるようになっています。ただし、請求できる人、対象証明書、本人確認、郵送や代理人請求の可否には制限があります。

Section 06

証券口座や投資信託の不明先をJASDEC開示請求で探す

株式等に係る口座開設先を調べる制度であり、残高証明そのものではありません。

上場株式等について、故人がどこの証券会社等に口座を開設していたか分からない場合、証券保管振替機構の登録済加入者情報の開示請求が重要な調査手段になります。この制度で分かるのは主に口座の開設先です。保有銘柄、保有株数、取引履歴、相続手続は、開示結果を基に各証券会社等へ直接問い合わせます。

次の一覧は、開示請求で期待しがちなことと実際の扱いの違いを整理しています。制度の限界を先に把握することで、開示結果を受け取った後に何を金融機関へ確認するかを判断できます。

期待しがちなこと実際の扱い
保有銘柄を一覧で知る開示請求だけでは分からない。各証券会社等へ照会する
保有株数を知る開示請求だけでは分からない
取引履歴を知る各証券会社等へ請求する
投資信託をすべて見つける投資信託の種類と販売会社による。銀行販売の投資信託等は別途調査が必要
外国証券や非上場株式まで網羅する制度の対象外や把握困難なものがある
相続手続を完了する開示後、金融機関ごとに相続手続を行う

開示請求は、必要書類の用意、郵送、開示結果の受取という流れで進みます。受付は郵送で、窓口受付や電話回答は行われません。書類に不備がない場合でも、受付から開示結果の送付まで1か月ほどかかり、混雑時はさらに日数を要する可能性があります。

JASDEC開示請求の進め方

氏名と住所を整理

最終住所だけでなく旧住所、旧姓、旧字体、通称、マンション名の表記違いも確認します。

必要書類を全ページコピー

確認書類はコピーを提出し、原本提出は不可、提出書類は返却されない扱いに注意します。

郵送で請求

窓口受付や電話回答ではなく、郵送後に登録済加入者情報通知書を待ちます。

各金融機関へ再照会

証券会社名や加入者口座コードを基に、全店検索ができる窓口へ連絡します。

開示費用は請求者区分や提出資料で変わります。次の費用一覧では、1件目の費用と複数の氏名・住所組合せを同時に請求する場合の加算額を確認できます。該当がない場合でも費用がかかる点を読み取る必要があります。

請求区分費用補足
本人請求1件4,400円本人が請求する場合
相続人等請求1件6,050円亡くなった方について相続人等が請求する場合
遺言執行者請求1件6,050円遺言執行者として請求する場合
法定相続情報一覧図を提出する相続人等請求1件4,950円法務局発行の写しを提出する場合
複数の氏名・住所組合せ2件目以降1件あたり1,100円加算旧住所や表記違いを同時に調べる場合

氏名と住所の組合せは調査単位です。転居、住居表示変更、改姓、旧字体と新字体、通称、マンション名の表記違いがある場合、現住所だけで調べると漏れるおそれがあります。住所履歴は、住民票の除票、戸籍の附票、配当金計算書、議決権行使書、証券会社の封筒、確定申告書、不動産登記簿から抽出します。

再照会開示結果に証券会社名があるのに口座なしと言われた場合、支店単位の確認にとどまっている可能性があります。全店検索が可能な窓口に連絡し、加入者口座コードを伝えて再確認します。
Section 07

投資信託とNISA口座を見つけた場合の相続手続

運用会社ではなく販売会社を探し、残高証明、評価、死亡届出、受入口座を確認します。

投資信託を見つけるうえで最も多い誤解は、運用会社に問い合わせれば故人の保有状況が分かるというものです。個々の投資家の口座管理、換金、分配金支払いは販売会社が担うため、販売会社を探す必要があります。販売会社は証券会社だけでなく、銀行、信託銀行、郵便局、信用金庫、信用組合、農協、労働金庫の場合もあります。

ファンド名だけが分かる場合は、候補を段階的に絞ります。次の判断の流れでは、ファンド名、販売会社一覧、銀行口座の痕跡、郵便物、税務資料をどうつなげるかを示しています。

ファンド名だけ分かる場合の探し方

名称を記録

ファンド名、愛称、運用会社名をそのまま控えます。

販売会社一覧を確認

運用会社の情報から取扱候補を確認します。

生活圏と入出金で絞る

給与振込、退職金受取、住宅ローン、担当者名刺、分配金入金先を照合します。

販売会社へ相続照会

口座有無、残高証明、取引履歴、評価資料を確認します。

投資信託の残高証明や明細では、口数と基準価額だけでなく、税務や換金に関係する情報も確認します。次の一覧は、評価・分割・将来売却のために見るべき項目を整理しています。

項目理由
ファンド名同名類似ファンドがあるため正確な名称が必要
口数評価額計算の基礎
基準価額相続税評価の基礎
評価日死亡日現在か、現在日かを区別する
個別元本将来の譲渡、換金時の税務に関係する
取得価額取得費、譲渡所得計算に関係する
未収分配金相続財産または準確定申告に関係する
信託財産留保額、解約手数料相続税評価に影響する場合がある
外貨建てか為替換算が必要

NISA口座は、非課税メリットがそのまま相続人に移る制度ではありません。死亡後の配当や分配金、受入口座、取得日、取得価額の扱いが問題になるため、次の確認事項を金融機関に伝えて整理します。

確認事項理由
死亡日現在のNISA残高相続税評価と遺産分割の基礎
配当、分配金の支払日死亡前後で税務処理が変わり得る
相続人の受入口座特定口座か一般口座かを決める
同一金融機関の特定口座有無特定口座移管の条件確認
非課税口座開設者死亡届出書提出遅延による課税関係を避ける

ETFやREITは取引所に上場しているため、発見手順は上場株式に近い一方、相続税評価では商品性に応じた確認が必要です。税理士へ渡す資料として、死亡日現在の残高証明、銘柄別明細、基準価額や取引所価格、外貨建ての場合の為替換算資料を整えます。

Section 08

証券口座や投資信託以外の特殊資産も確認する

特別口座、外国証券、勤務先制度、確定拠出年金を別ルートで調べます。

証券会社口座が見つからなくても、株券電子化時に証券会社へ移管されなかった株式が、発行会社の特別口座で管理されていることがあります。通常は信託銀行などの株主名簿管理人が管理し、売却や相続移管のために証券会社口座への振替が必要になることがあります。

次の一覧は、特別口座や株主名簿上の株式を見つける手がかりです。発行会社名、株主番号、株主名簿管理人、住所、配当受領方法を読み取り、証券会社口座が見つからない場合でも発行会社や管理機関へ相続手続を確認します。

資料読み方
株主総会招集通知発行会社名と株主番号を確認する
議決権行使書株主番号、住所、名義を確認する
配当金計算書配当支払、株主名簿管理人を確認する
配当金領収証銀行口座振込ではなく郵便局で受領していた可能性を確認する
信託銀行からの案内特別口座管理機関の可能性を確認する

外国株式、米国ETF、外貨建てMMF、外貨建て投資信託、海外金融機関口座は、国内の一般的な照会だけでは見つからないことがあります。次の手がかりから、海外資産、外国配当、外国税額控除、海外送金、非居住者取引の可能性を読み取ります。

手がかり可能性
外貨預金の送金履歴海外証券口座、外貨建て投資
英文メール海外ブローカー、米国株通知
外国税額控除外国配当、外国株式
パスポート、海外住所非居住者取引、海外銀行
W-8BEN、CRS、FATCA関連書類外国証券口座
Wise、PayPal等の履歴海外送金、海外投資サービス

故人が会社員、役員、上場会社勤務、スタートアップ勤務であった場合、勤務先関連の資産が残ることがあります。次の比較では、照会先と注意点を確認し、通常の証券会社照会だけでは漏れやすい制度を拾います。

資産照会先注意点
従業員持株会勤務先総務、人事、持株会事務局退会、単元株振替、端株精算が必要な場合がある
役員持株会勤務先、証券会社インサイダー規制、売却制限に注意
ストックオプション勤務先、発行会社、弁護士、税理士権利行使期間、相続可否、税務が複雑
譲渡制限株式発行会社、株主名簿管理人、弁護士会社承認、評価、分割方法が問題になる
企業型DC、iDeCo運営管理機関、記録関連運営管理機関相続財産というより死亡一時金の性質に注意
退職金、弔慰金勤務先相続税の非課税枠や受取人の扱いを確認

外国証券がある場合は、相続手続、税務評価、為替換算、外国での相続手続、遺産管理人制度が絡むことがあります。早期に税理士、弁護士、場合によっては現地専門家へ確認します。

Section 09

証券口座や投資信託の調査を税務・紛争・専門職へつなぐ

死亡日評価、分割時価、使い込み疑い、相続税申告期限を分けて考えます。

相続税の申告が必要かどうかは、証券口座や投資信託だけでなく、不動産、預貯金、生命保険、退職金、非上場株式、債務、生前贈与などを合算して判断します。申告が必要な場合、相続税の申告と納税の期限は原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

税理士に渡す証券関連資料は、残高証明だけでは足りないことがあります。次の一覧は、どの資料がどの用途に使われるかを示しています。死亡日評価、準確定申告、外国税額、名義財産や使途不明出金の検討に使う資料を区別します。

資料用途
死亡日現在の残高証明書相続財産の確定
銘柄別明細評価単位の確認
上場株式評価資料相続税評価額の算定
投資信託基準価額資料投信評価額の算定
特定口座年間取引報告書準確定申告、取得費確認
配当、分配金通知所得税、相続税の整理
外国税額控除資料外国株、外国ETFの税務
取引履歴生前贈与、名義財産、使途不明出金の検討
NISA関連書類死亡後課税、移管処理

上場株式の相続税評価では、死亡日の最終価格を原則としつつ、死亡日の属する月、前月、前々月の毎日の最終価格の月平均額のうち最も低い価額を使う場合があります。投資信託は、課税時期に解約請求または買取請求をした場合に受け取れる価額を基礎に評価する考え方が問題になります。

評価日相続税評価は死亡日を基準にしますが、遺産分割で公平と感じる価格は協議日、売却日、分割日、調停時点などになることがあります。現物承継、換価分割、死亡後の配当や分配金、売却損益の負担を協議書に明確に記載します。

相続人間で話がまとまらない場合や使い込み疑いがある場合は、資料の収集が先です。次の一覧では、使い込み疑いで取得したい資料と、見るべき点を整理しています。感情的な非難ではなく、売却日、出金先、権限、当時の判断能力、支出の正当性を確認します。

資料見るべき点
取引履歴売却日、出金日、銘柄、金額
出金先口座誰の口座に資金が移ったか
委任状故人本人の意思に基づく手続か
ログイン履歴金融機関が開示可能か確認する
医療、介護記録当時の判断能力との関係
領収書、介護費、生活費資料正当な支出か
遺言書、財産管理契約権限の有無

専門職の役割は、争い、税務、登記、書類整理、資産棚卸し、非上場株式、年金、不動産の有無で変わります。次の比較を使って、どの場面で誰に相談するかを整理します。

場面主担当候補理由
相続人間で争いがある弁護士交渉、調停、審判、訴訟、遺留分、使い込み疑いに対応
証券残高の相続税評価税理士相続税申告、評価、税務調査対応
戸籍収集、法定相続情報一覧図、不動産登記司法書士相続登記、登記書類、戸籍整理に強い
争いのない書類作成行政書士遺産分割協議書案、相続関係説明図等の整理に有用。ただし紛争、税務、登記申請は不可
遺言執行遺言執行者、弁護士、司法書士、信託銀行等遺言内容の実現、金融機関手続
非上場株式、事業承継公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士株価評価、財務分析、経営承継、会社法対応
遺族年金、企業年金社会保険労務士年金、社会保険関係の手続
相続登記の期限管理司法書士、弁護士2024年4月1日から相続登記義務化が始まり、不動産を相続したことを知った日から3年以内の登記が必要とされるため
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証券口座や投資信託調査の実務タイムラインと確認リスト

死亡後1週間、1か月、2か月から4か月、5か月から10か月で作業を分けます。

相続税申告期限や金融機関の回答期間を考えると、調査は早く始めるほど余裕ができます。次の時系列は、証券口座や投資信託の調査を相続全体の進行に接続するための目安です。各時期に何を終えるべきかを読み取り、遅れている作業を見つけます。

死亡後1週間以内

保全と仮リスト作成

郵便物、通帳、スマホ、PC、書類を保全し、相続人代表を仮に決め、遺言書の有無と金融機関名の仮リストを確認します。不用意なログイン、売却、出金を避けます。

死亡後1か月以内

戸籍収集と初回照会

戸籍収集、法定相続情報一覧図の準備、判明金融機関への照会、JASDEC開示請求準備、税理士相談の要否判断を進めます。

死亡後2か月から4か月

残高と履歴を集める

残高証明書、取引履歴、投資信託、NISA、特別口座、不明入出金、相続税評価の仮算定、遺産分割方針を確認します。

死亡後5か月から10か月

分割と申告へ接続

遺産分割協議書、相続税申告書、証券の移管または売却、未解決部分の専門家対応を進めます。

探索段階では、紙資料、通帳、税務資料、証券保管振替機構、勤務先制度、外国資産を広めに確認します。次の確認リストは、見落としやすい入口を一つずつつぶすために使います。

探索で確認すること目的
自宅の郵便物を1年分以上確認直近通知の把握
過去3年から5年分の通帳、取引明細を確認入出金、配当、分配金の痕跡を探す
確定申告書控え、特定口座年間取引報告書を確認証券会社名と過去取引を把握
配当金計算書、議決権行使書を保全株式、住所、証券代行機関を確認
投資信託運用報告書、目論見書を保全ファンド名と運用会社を確認
銀行に投資信託、公共債、外貨、保険、信託商品の有無を確認銀行販売商品を見落とさない
勤務先持株会、企業年金、ストックオプションを確認勤務先関連資産を探す
外国証券、外貨建て資産の可能性を確認国内照会で漏れる資産を確認

JASDEC開示請求では、氏名と住所の組合せ、法定相続情報一覧図、必要書類のコピー、費用、結果受領後の再照会準備が重要です。次の一覧は、開示請求前に不備を減らすための確認項目です。

開示請求前の確認見るポイント
氏名表記、旧姓、旧字体、通称検索対象の揺れを整理する
最終住所と旧住所住民票除票、戸籍の附票、配当書類で確認する
氏名と住所の組合せ複数調査時の費用加算を確認する
法定相続情報一覧図費用軽減や戸籍提出簡素化を検討する
必要書類の全ページコピー原本を送らない運用と返却されない扱いを確認する
結果受領後の照会先各証券会社へ保有状況、残高、取引履歴を照会する準備をする

税務資料では、死亡日現在の残高証明、上場株式の死亡日価格と月平均価格、投資信託の基準価額、口数、信託財産留保額、未収分配金、NISA、外貨換算、過去取引を確認します。申告要否が不明でも、後から証券資産が見つかると修正や延滞税等が問題になることがあります。

Section 11

証券口座や投資信託調査で使える照会文と共有文

金融機関、相続人間、再照会の3場面で使う文面を整理します。

文面を残して照会すると、誰が何を依頼したかを後から確認しやすくなります。次の一覧は、初回照会、相続人間共有、口座なし回答後の再照会で伝えるべき内容を整理したものです。相手先や個別事情に合わせて、氏名、住所、死亡日、関係、請求資料を調整します。

1

金融機関への初回照会

証券口座、投資信託口座、NISA口座、特定口座、一般口座、外国証券口座その他金融商品取引口座の有無を確認し、残高証明や取引履歴の手続を尋ねます。

口座有無残高証明
2

相続人間の共有

財産の移動、売却、分配は行わず、まず口座有無、死亡日現在残高、取引履歴、税務評価資料を取得し、全員が確認できる形で共有する方針を伝えます。

記録共有紛争予防
3

口座なし回答後の再照会

JASDECの登録済加入者情報通知書に証券会社名や加入者口座コードが記載されている場合、支店単位ではなく全店検索が可能な窓口で再確認を依頼します。

再確認全店検索

金融機関への初回照会文

件名 ― 相続に伴う口座有無照会および残高証明書発行手続の確認

〇〇証券株式会社 相続手続ご担当者様

私は、下記被相続人の相続人です。被相続人が貴社に証券口座、投資信託口座、NISA口座、特定口座、一般口座、外国証券口座その他金融商品取引口座を有していた可能性があるため、相続に伴う口座有無の照会を希望します。

  • 被相続人氏名 ― 〇〇〇〇
  • 生年月日 ― 〇年〇月〇日
  • 死亡日 ― 〇年〇月〇日
  • 最終住所 ― 〇〇
  • 旧住所 ― 〇〇
  • 照会者氏名 ― 〇〇〇〇
  • 被相続人との関係 ― 子

次の手続について、必要書類、申請書式、送付先、手数料、発行までの期間をご教示ください。

  1. 口座有無の照会
  2. 死亡日現在の残高証明書の発行
  3. 銘柄別明細、投資信託明細、外貨建て資産明細の発行
  4. 取引履歴の発行可能期間
  5. 特定口座年間取引報告書の再発行
  6. NISA口座の有無および非課税口座開設者死亡届出書の手続
  7. 相続による移管、売却、換価分割の手続

相続人間の共有メッセージ

証券口座と投資信託の調査について、相続人間の誤解を防ぐため、調査記録を共有します。現時点では財産の移動、売却、分配は行わず、まず口座有無、死亡日現在残高、取引履歴、税務評価資料を取得します。取得した資料は一覧化し、全員が確認できる形で共有します。相続税申告期限があるため、必要に応じて税理士または弁護士へ相談します。

証券会社に口座がないと言われた場合の再照会文

先日、被相続人〇〇〇〇について口座有無を照会したところ、口座なしとの回答を受けました。しかし、証券保管振替機構の登録済加入者情報通知書に貴社名および加入者口座コードが記載されています。支店単位ではなく、全店検索が可能な窓口にて、加入者口座コードに基づく再確認をお願いいたします。

Section 12

証券口座や投資信託を見つけ出す手順のFAQ

よくある誤解を一般情報として整理し、個別判断は専門家確認につなげます。

Q1. 証券保管振替機構に照会すれば、投資信託まで全部分かりますか。

一般的には、全部は分からないと考えられます。登録済加入者情報の開示請求は、主に株式等に係る口座開設先を確認する制度であり、保有銘柄、保有株数、取引履歴は各証券会社等へ問い合わせる必要があります。投資信託は販売会社が銀行、郵便局、信用金庫等であることもあるため、銀行口座、郵便物、税務資料から販売会社を探す作業が必要です。

Q2. 相続人の一人だけで照会できますか。

一般的には、証券保管振替機構の開示請求については、本人が亡くなっている場合、法定相続人が複数いるときでも、そのうち1名により手続できると案内されています。ただし、開示請求ができることと、財産を単独で売却、取得、分配できることは別です。遺言、遺産分割協議、金融機関の手続に従う必要があります。

Q3. 残高がゼロなら相続税や遺産分割では無関係ですか。

一般的には、無関係とは限りません。死亡日時点で残高がゼロでも、直前に売却、出金、移管、贈与があれば、相続税、名義財産、生前贈与、使い込み疑い、準確定申告に影響する可能性があります。具体的な扱いは取引履歴や証拠関係で変わるため、必要に応じて税理士や弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. 故人の旧住所が分かりません。

一般的には、戸籍の附票、住民票の除票、配当金計算書、議決権行使書、証券会社の封筒、過去の確定申告書、不動産登記簿などから住所履歴を復元します。登録済加入者情報の開示請求では氏名と住所の組合せが重要となるため、旧住所を丁寧に集めることが有用です。

Q5. NISAの非課税口座は相続人のNISAに移せますか。

一般的には、相続人のNISA口座には受け入れられないと説明されています。被相続人のNISA口座で保有していた上場株式等は、特定口座または一般口座に受け入れる扱いとなります。死亡後は、非課税口座開設者死亡届出書の提出や課税関係の確認も必要になります。

Q6. ネット証券なので紙の書類がありません。どうすればよいですか。

一般的には、銀行口座の入出金、メール通知、スマートフォンのアプリ名、特定口座年間取引報告書、確定申告書、配当や分配金の入金、登録済加入者情報の開示請求を組み合わせます。本人になりすましてログイン操作をするのではなく、候補を整理して金融機関の相続窓口へ正式に照会します。

Q7. 証券会社が口座はないと回答しました。

一般的には、支店単位で照会されている可能性があります。全店検索が可能な相続窓口またはコールセンターに再照会し、登録済加入者情報通知書に記載された加入者口座コードを伝えることが考えられます。口座閉鎖、売却済み、移管済み、登録情報の不一致も確認します。

Q8. 法定相続情報一覧図は作るべきですか。

一般的には、金融機関が複数ある相続では有用なことが多いとされています。認証文付き写しを使うことで戸籍束を繰り返し提出する負担を軽減できる場合があります。ただし、法定相続情報一覧図は相続人関係を示すものであり、相続放棄、遺産分割結果、誰がどの財産を取得するかまで証明するものではありません。

Q9. 投資信託の運用会社に問い合わせれば保有状況が分かりますか。

一般的には、販売会社に問い合わせることになります。運用会社はファンドを設定、運用する会社であり、個々の投資家口座を管理する窓口は販売会社です。ファンド名しか分からない場合は、運用会社の販売会社一覧を手がかりに、銀行口座や郵便物から実際の販売会社を絞り込みます。

Q10. 相続人の一人が書類を隠しているようです。

一般的には、まず金融機関への正規照会、残高証明、取引履歴、郵便物、税務資料を集めます。話合いがつかない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停や審判を検討することがあります。具体的な対応方針は、証拠関係や相続人間の状況で変わるため、弁護士等の専門家に相談する必要があります。

Section 13

証券口座や投資信託調査で起きやすい失敗とまとめ

見つからない資産を、申告漏れ、分割漏れ、不信感、紛争にしないための最終確認です。

実務上の失敗は、最初の見落としや早すぎる処分から生じやすいです。次の一覧では、典型的な失敗例、起きる結果、予防策を並べています。自分の調査がどこで止まっているか、どの予防策を追加すべきかを確認します。

失敗例結果予防策
証券会社名だけ見つけて安心した別会社の投資信託や特別口座を見落とした銀行、税務、JASDEC、勤務先制度を併用する
現住所だけでJASDEC開示請求をした旧住所登録の口座が漏れた戸籍の附票や配当書類で旧住所を集める
支店に電話して口座なしと言われた全店検索されていなかった相続窓口、コールセンター、加入者口座コードで再照会
死亡日残高だけ取得した直前売却や使い込み疑いを確認できなかった必要に応じて取引履歴も請求する
NISA口座を放置した死亡後の配当課税や移管手続が遅れた非課税口座開設者死亡届出書を確認する
投資信託の運用会社だけ調べた販売会社が分からず相続手続が進まなかった販売会社を探す
相続人の一人が売却を急いだ価格変動、税務、分割で紛争化した全員合意または遺言、権限確認後に処理する
相続税期限を軽視した申告漏れ、延滞税、納税資金不足が生じた早期に税理士へ相談する

最後に、証券口座や投資信託を見つけ出す手順の要点を5つにまとめます。単なる金融機関探しではなく、相続法、税法、金融商品取引実務、本人確認、戸籍制度、家庭裁判所実務が重なる領域として、早く、広く、記録を残して進めることが大切です。

証券口座・投資信託調査の5原則

紙資料、電子情報、銀行取引、税務資料を保全する。投資信託は販売会社を探す。判明した金融機関へ口座有無、死亡日残高、取引履歴、NISA、特定口座を明確に照会する。不明な上場株式等はJASDEC開示請求を検討する。税務、分割、使い込み、遺留分、外国証券、勤務先制度が絡む場合は早期に専門職を使う。

Reference

参考文献・公式情報

税務・評価

  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「No.4632 上場株式の評価」
  • 国税庁「No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価」

証券口座・振替制度

  • 証券保管振替機構「ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合」
  • 証券保管振替機構「登録済加入者情報の開示請求、開示費用について」
  • 証券保管振替機構「登録済加入者情報の開示請求、開示結果の受取」
  • 証券保管振替機構「必要書類」
  • 証券保管振替機構FAQ「株式に係る口座開設先の調査」
  • 証券保管振替機構FAQ「相続人による口座開設先の調査」
  • 証券保管振替機構FAQ「開示結果に記載された証券会社等への再確認」
  • 証券保管振替機構「投資信託振替制度」
  • 日本証券業協会「口座が開設されている証券会社を有料で照会できるサービスのご案内」

投資信託・NISA

  • 資産運用業協会「投資信託とは」
  • 日本証券業協会「NISAのよくある質問」

戸籍・法定相続情報・裁判所手続

  • 法務局「法定相続情報証明制度について」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
  • 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について、令和6年3月1日施行」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」

情報管理

  • 警視庁「不正アクセス」