2σ Guide

自分で相続税申告するときに
間違いやすい5つのポイント

基礎控除の判定から財産調査、不動産評価、債務控除、生前贈与、未分割申告まで、申告前に確認したい落とし穴を整理します。

10か月 申告と納税の期限
3,000万円+600万円×人数 基礎控除の計算式
2024年 贈与と登記の重要改正
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自分で相続税申告するときに 間違いやすい5つのポイント

基礎控除の判定から財産調査、不動産評価、債務控除、生前贈与、未分割申告まで、申告前に確認したい落とし穴を整理します。

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自分で相続税申告するときに 間違いやすい5つのポイント
基礎控除の判定から財産調査、不動産評価、債務控除、生前贈与、未分割申告まで、申告前に確認したい落とし穴を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 自分で相続税申告するときに 間違いやすい5つのポイント
  • 基礎控除の判定から財産調査、不動産評価、債務控除、生前贈与、未分割申告まで、申告前に確認したい落とし穴を整理します。

POINT 1

  • 自分で相続税申告するときは5つの間違いやすいポイントから確認する
  • 申告義務と財産漏れ
  • 不動産評価
  • 債務、葬式費用、保険、退職金
  • 生前贈与と税額計算
  • 期限、未分割、添付資料
  • 申告義務、財産漏れ、不動産評価、控除、贈与、期限を一つの作業としてつなげます。

POINT 2

  • 自分で相続税申告する前に申告義務と基本用語をそろえる
  • 1. 財産と債務を洗い出す:預貯金、不動産、有価証券、保険、退職金、名義預金、未収金を確認します。
  • 2. 基礎控除を計算する:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数で計算します。
  • 3. 申告準備へ進む:評価、控除、添付資料を具体的に整理します。
  • 4. 根拠資料を保存:申告不要と考えた計算根拠を残します。

POINT 3

  • 自分で相続税申告するときの財産漏れは名義預金と未収金から起きやすい
  • 名義預金
  • 子や孫名義でも、資金源が亡くなった方で、通帳や印鑑を本人が管理していた場合は確認が必要です。
  • 手元現金と直前出金
  • 死亡前の大きな出金が生活費や医療費に使われたのか、手元に残っているのかを確認します。

POINT 4

  • 自分で相続税申告する不動産評価は路線価と特例の取り違えに注意する
  • 土地、建物、マンション、小規模宅地等の特例、相続登記を分けて確認します。
  • 不動産がある相続では、評価の誤りが税額に直結します。

POINT 5

  • 自分で相続税申告するときは債務控除と保険金の非課税枠を混同しない
  • 借入金、未払金、葬式費用、死亡保険金、死亡退職金を別々に整理します。
  • 相続税では、一定の債務や葬式費用を差し引ける一方、生命保険金や死亡退職金には別の非課税枠があります。
  • どちらも税額を下げる方向に働きますが、制度の入口が異なるため、同じ表でまとめて処理すると誤りやすくなります。
  • 次の整理一覧は、保険、退職金、葬式費用を処理する順番を表します。

POINT 6

  • 自分で相続税申告する生前贈与と税額計算は順番を崩さない
  • 1. 各人の課税価格を集計:財産、みなし相続財産、贈与加算、債務控除を整理します。
  • 2. 合計額から基礎控除を差し引く:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数を使います。
  • 3. 法定相続分で仮計算:各法定相続人の仮の取得金額に税率を当て、相続税の総額を出します。
  • 4. 実際の取得割合で配分し調整:2割加算、贈与税額控除、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除などを確認します。

POINT 7

  • 自分で相続税申告する期限管理は未分割と配偶者控除まで含めて考える
  • 1. 相続人と主要財産の入口確認:戸籍、遺言、預金、不動産、保険、借入の有無を確認します。
  • 2. 相続放棄や限定承認の期限も意識:債務が多い場合は、相続放棄などの期限を確認します。
  • 3. 評価資料と特例要件を確認:不動産評価、名義預金、贈与、保険、退職金を具体的に整理します。
  • 4. 遺産分割と税額試算:誰が何を取得するか、税額と納税資金を確認します。
  • 5. 申告書提出と納税:添付資料、押印、個人番号、納税方法を確認します。

POINT 8

  • 自分で相続税申告できるケースと専門家へ相談したいケース
  • 相続人間で争いがある
  • 遺産分割や使途不明金で意見が割れている場合、税額計算だけでは解決しません。
  • 不動産が複数または形状が複雑
  • 補正や特例の誤りが税額に大きく影響します。

まとめ

  • 自分で相続税申告するときに 間違いやすい5つのポイント
  • 自分で相続税申告する前に申告義務と基本用語をそろえる:法定相続人、課税価格、みなし相続財産、名義預金などを同じ意味で使えるようにします。
  • 自分で相続税申告するときの財産漏れは名義預金と未収金から起きやすい:預金残高だけでなく、資金の出所、管理者、保険、貸付金、還付金まで確認します。
  • 自分で相続税申告する不動産評価は路線価と特例の取り違えに注意する:土地、建物、マンション、小規模宅地等の特例、相続登記を分けて確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

自分で相続税申告するときは5つの間違いやすいポイントから確認する

申告義務、財産漏れ、不動産評価、控除、贈与、期限を一つの作業としてつなげます。

相続税申告は、申告書の空欄を埋めるだけの作業ではありません。相続人と財産を確定し、評価額を出し、控除や特例を確認し、税額計算と添付資料までつなげる一連の作業です。自分で進める場合は、どこで間違いが起きやすいかを先に把握しておくことが重要です。

下の一覧は、自分で相続税申告を行うときの典型的な5つの落とし穴を表します。各項目は、申告義務の判定、財産の把握、評価、控除、期限管理のどこに関係するかを示しています。まず自分の相続に該当する項目があるかを読み取ってください。

1

申告義務と財産漏れ

基礎控除の判定だけでなく、名義預金、未収金、貸付金、還付金、未登記不動産などを含めて財産を確認します。

2

不動産評価

路線価方式、倍率方式、地形補正、マンション評価、小規模宅地等の特例を誤ると税額に大きく影響します。

3

債務、葬式費用、保険、退職金

差し引けるもの、差し引けないもの、非課税枠があるものを混同しないようにします。

4

生前贈与と税額計算

110万円以下の贈与でも加算対象になる場合があり、相続時精算課税や税額控除の順番も確認が必要です。

5

期限、未分割、添付資料

申告と納税は通常10か月以内です。未分割でも期限内申告が必要になることがあります。

基本式相続税の基礎控除は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数です。課税価格の合計が基礎控除を超えるかどうかで、申告義務の確認が始まります。
Section 01

自分で相続税申告する前に申告義務と基本用語をそろえる

法定相続人、課税価格、みなし相続財産、名義預金などを同じ意味で使えるようにします。

相続税申告では、相続人、法定相続人、課税価格、みなし相続財産などの言葉を取り違えると、基礎控除や税額計算の前提が崩れます。また、提出先は相続人の住所地ではなく、亡くなった方の最後の住所地を所轄する税務署です。

下の用語表は、申告作業で最初にそろえるべき言葉をまとめたものです。左列で用語を確認し、中央列で意味を押さえ、右列で間違えやすい点を読み取ってください。

用語意味間違いやすい点
被相続人亡くなった方最後の住所地が申告書の提出先を決めます。
相続人実際に相続する人遺言や協議で取得しない人がいる場合でも、法定相続人の数とは別に考えます。
法定相続人民法上の相続人として基礎控除などで数える人養子、相続放棄、代襲相続があると数え方に注意します。
課税価格取得財産から債務や葬式費用などを調整した金額全員分を合計して基礎控除と比べます。
みなし相続財産死亡保険金、死亡退職金など、相続税上は課税対象となる財産民法上の遺産とは扱いが異なる場合があります。
名義預金家族名義でも実質的に亡くなった方の財産と見られる預金資金源、管理、贈与の事実、通帳や印鑑の管理者を確認します。

次の判断の流れは、申告義務の有無を大きく確認する順番です。上から順に、財産を広く集め、基礎控除を計算し、特例を使う前の状態で申告義務を判断します。特例で税額が0円になりそうな場合でも、申告が必要になることがある点を読み取ってください。

申告義務を確認する順番

財産と債務を洗い出す

預貯金、不動産、有価証券、保険、退職金、名義預金、未収金を確認します。

基礎控除を計算する

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数で計算します。

超える可能性あり
申告準備へ進む

評価、控除、添付資料を具体的に整理します。

超えない見込み
根拠資料を保存

申告不要と考えた計算根拠を残します。

Section 02

自分で相続税申告するときの財産漏れは名義預金と未収金から起きやすい

預金残高だけでなく、資金の出所、管理者、保険、貸付金、還付金まで確認します。

財産漏れは、自分で申告する場合に特に起きやすい問題です。預金通帳に残っている金額だけでなく、家族名義の預金、手元現金、未収年金、貸付金、税金の還付、未登記不動産など、亡くなった方に帰属する可能性のあるものを広く確認します。

下の注意点一覧は、財産漏れになりやすい項目をまとめたものです。各項目では、なぜ漏れやすいか、どの資料を見ればよいかを確認します。名義と実質がずれるものほど、資金源と管理実態を読み取ることが重要です。

名義預金

子や孫名義でも、資金源が亡くなった方で、通帳や印鑑を本人が管理していた場合は確認が必要です。

手元現金と直前出金

死亡前の大きな出金が生活費や医療費に使われたのか、手元に残っているのかを確認します。

未収金、貸付金、還付金

未収年金、未収家賃、貸付金、所得税や医療費の還付などを見落としやすいです。

未登記不動産や共有持分

名寄帳、固定資産税通知、登記情報で、登記や課税の状態を照合します。

下の資料一覧は、財産を洗い出すための取得先と用途を示します。左列で資料を確認し、中央列で何を把握するか、右列で漏れやすい項目を読み取ってください。

資料確認する内容見落としやすい点
戸籍、住民票、法定相続情報相続人、住所、続柄代襲相続、養子、相続放棄がある場合の数え方
預貯金通帳、取引履歴残高、大口入出金、家族名義への移動死亡前後の出金、定期預金、ネット銀行
固定資産税明細、名寄帳、登記事項証明書土地、建物、共有持分、未登記建物共有持分、私道、農地、別荘地
保険、退職金、未払年金資料受取人、支払額、非課税枠、未収金生命保険契約に関する権利、死亡退職金
借入、未払金、葬式費用、贈与資料債務控除、生前贈与、精算課税贈与契約書、贈与税申告書、返済予定表
Section 03

自分で相続税申告する不動産評価は路線価と特例の取り違えに注意する

土地、建物、マンション、小規模宅地等の特例、相続登記を分けて確認します。

不動産がある相続では、評価の誤りが税額に直結します。土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額を基礎にするのが基本ですが、地形、利用状況、貸付け、共有、区分所有マンションなどで調整が必要になることがあります。

下の比較表は、不動産評価で確認する項目と読み方をまとめたものです。左列で財産の種類を見分け、中央列で使う資料や計算の入口を確認し、右列で誤りやすい点を読み取ります。

項目確認する資料と考え方間違いやすい点
土地路線価図、評価倍率表、地積、地形、道路付けを確認します。奥行、間口、形状、私道、貸付け、共有持分を反映し忘れることがあります。
建物固定資産税評価額を基礎にします。未登記建物、増改築、賃貸中の建物を見落とすことがあります。
マンション土地持分、建物、区分所有の評価、近年の評価見直しを確認します。2024年以降のマンション評価見直しに注意が必要です。
小規模宅地等の特例居住用、事業用、貸付用など区分ごとの要件を確認します。400㎡で80%、200㎡で50%、330㎡で80%など、区分ごとの限度と割合を取り違えやすいです。
相続登記2024年4月1日から相続登記の申請義務化が始まっています。相続を知った日から3年以内が基本で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
特例小規模宅地等の特例は、要件を満たすと評価減の効果が大きい一方、申告書と添付資料が必要です。未分割のままでは原則として適用できないため、期限管理と合わせて確認します。
Section 04

自分で相続税申告するときは債務控除と保険金の非課税枠を混同しない

借入金、未払金、葬式費用、死亡保険金、死亡退職金を別々に整理します。

相続税では、一定の債務や葬式費用を差し引ける一方、生命保険金や死亡退職金には別の非課税枠があります。どちらも税額を下げる方向に働きますが、制度の入口が異なるため、同じ表でまとめて処理すると誤りやすくなります。

下の比較表は、差し引けるもの、差し引けないもの、非課税枠で処理するものを分けたものです。左列で区分を確認し、中央列で代表例を見て、右列で申告時の注意点を読み取ります。

区分代表例注意点
債務控除の対象になり得るもの借入金、未払医療費、未払税金、未払公共料金など相続開始時に確実な債務か、証明資料があるかを確認します。
葬式費用として扱われ得るもの通夜、告別式、火葬、埋葬、搬送、読経など香典返し、墓石、法要費用などは扱いが異なるため分けます。
生命保険金受取人が取得する死亡保険金500万円 × 法定相続人の数の非課税枠を確認します。
死亡退職金勤務先から支払われる死亡退職金生命保険金とは別に500万円 × 法定相続人の数の非課税枠を確認します。
生命保険契約に関する権利事故がまだ発生していない契約の権利解約返戻金相当額などで評価する場面があるため、死亡保険金と区別します。

次の整理一覧は、保険、退職金、葬式費用を処理する順番を表します。番号順に、支払事実、受取人、非課税枠、控除の対象を見ていくことで、同じ金額を二重に控除する誤りを避けられます。

1

支払額と受取人を確認

保険金、退職金、葬式費用の領収書や支払通知を集めます。

資料
2

非課税枠を別々に計算

生命保険金と死亡退職金は、それぞれ500万円 × 法定相続人の数を確認します。

非課税
3

葬式費用を分類

葬式費用に含めるものと含めにくいものを領収書単位で分けます。

分類
Section 05

自分で相続税申告する生前贈与と税額計算は順番を崩さない

110万円以下の贈与、7年加算、相続時精算課税、税額控除を確認します。

生前贈与は、贈与税だけで完結するとは限りません。暦年課税の贈与は、相続開始前一定期間のものが相続財産に加算される場合があります。2024年以降は加算期間が段階的に7年へ延びるため、死亡日と贈与日の関係を確認する必要があります。

下の時系列は、生前贈与加算の確認で見るべき時期を表します。左から右へ時間が進むと考え、死亡日に近い贈与ほど確認が必要です。2024年改正後は、3年を超える期間の贈与にも一定の加算が広がる点を読み取ってください。

従来の中心

相続開始前3年以内の贈与

110万円以下の贈与でも、加算対象になることがあります。

2024年以降

加算期間が段階的に延長

制度改正により、加算対象期間が段階的に7年へ延びます。

2027年1月2日以後の相続

一定期間の100万円控除

死亡前3年を超える一定期間の贈与について、100万円控除の扱いを確認します。

2031年以後

7年加算の影響が全面化

贈与日、贈与者、受贈者、申告書控えを長めに保存する必要があります。

精算課税相続時精算課税は、累計2,500万円までの特別控除と、超過部分への20%課税が基本です。2024年1月1日以後の贈与では年間110万円の基礎控除が設けられましたが、同じ贈与者について一度選択すると暦年課税へ戻れない点に注意します。

次の判断の流れは、相続税額を計算する順番を表します。上から順に課税価格を集計し、基礎控除を差し引き、法定相続分で仮の税額を出してから、実際の取得割合で配分します。最後に各種加算と控除を反映する順番を読み取ってください。

税額計算の順番

各人の課税価格を集計

財産、みなし相続財産、贈与加算、債務控除を整理します。

合計額から基礎控除を差し引く

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数を使います。

法定相続分で仮計算

各法定相続人の仮の取得金額に税率を当て、相続税の総額を出します。

実際の取得割合で配分し調整

2割加算、贈与税額控除、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除などを確認します。

Section 06

自分で相続税申告する期限管理は未分割と配偶者控除まで含めて考える

10か月期限、未分割申告、3年以内の分割見込書、更正の請求を整理します。

相続税の申告と納税は、通常、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割が終わっていない場合でも、期限内に未分割の状態で申告が必要になることがあります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告書と添付資料の有無が重要です。

下の時系列は、死亡後から申告期限までの作業順序を表します。期間ごとに、相続人確認、財産資料、不動産評価、分割協議、申告書作成のどこまで進めるかを読み取ってください。後半に作業が集中すると、特例資料や納税資金の準備が間に合いにくくなります。

死亡から1か月

相続人と主要財産の入口確認

戸籍、遺言、預金、不動産、保険、借入の有無を確認します。

1か月から3か月

相続放棄や限定承認の期限も意識

債務が多い場合は、相続放棄などの期限を確認します。

3か月から6か月

評価資料と特例要件を確認

不動産評価、名義預金、贈与、保険、退職金を具体的に整理します。

6か月から9か月

遺産分割と税額試算

誰が何を取得するか、税額と納税資金を確認します。

9か月から10か月

申告書提出と納税

添付資料、押印、個人番号、納税方法を確認します。

下の表は、未分割や配偶者の税額軽減で間違いやすい点を示します。左列で場面を確認し、中央列で原則を押さえ、右列で期限後に必要となる手続を読み取ってください。

場面基本的な考え方注意点
期限までに分割できない未分割の状態でも申告と納税が必要になることがあります。法定相続分などでいったん計算し、分割後に修正や更正の請求を検討します。
配偶者の税額軽減1億6,000万円または法定相続分相当額までの軽減を確認します。適用には申告と添付資料が必要です。未分割財産は原則として対象外です。
3年以内の分割見込書期限内に分割できない場合に、将来の適用を残す資料として検討します。提出しただけで自動的に特例が適用されるわけではありません。
分割後の更正の請求分割が成立したことを知った日の翌日から4か月以内など、期限の確認が必要です。資料がそろわないと税額の戻しや修正が遅れる可能性があります。
Section 07

自分で相続税申告できるケースと専門家へ相談したいケース

財産構成、争い、贈与、不動産、海外資産、未成年者などで判断します。

自分で相続税申告を進めやすいのは、相続人間に争いがなく、財産が預貯金や上場株式中心で、不動産評価が単純な場合です。反対に、不動産評価が複雑、名義預金や贈与が多い、相続人間で争いがある、海外資産や非上場株式がある場合は、専門家の関与を検討する場面です。

下の比較表は、誰に相談するかを役割ごとに整理したものです。左列で相談先を確認し、中央列で得意領域を見て、右列で自分のケースに当てはまるかを読み取ります。

相談先主な役割相談したい場面
税理士相続税申告、財産評価、税額計算、特例適用不動産、贈与、名義預金、税額が大きい場合
弁護士等相続人間の紛争、遺産分割、権利関係の整理争いがある、協議が進まない、法的判断が必要な場合
司法書士相続登記、法定相続情報、登記書類不動産の名義変更が必要な場合
行政書士一部の書類作成や収集支援税務判断や紛争性のない範囲で書類を整えたい場合
不動産鑑定士、土地家屋調査士不動産の専門評価、境界や測量評価が大きく争われる土地や測量が必要な土地がある場合

次の注意点一覧は、専門家へ相談したほうがよい可能性が高いサインです。該当数が多いほど、自分だけで処理した場合の誤りや追加税負担のリスクが高くなります。

相続人間で争いがある

遺産分割や使途不明金で意見が割れている場合、税額計算だけでは解決しません。

不動産が複数または形状が複雑

補正や特例の誤りが税額に大きく影響します。

名義預金や生前贈与が多い

贈与の成立、加算期間、精算課税の確認が必要です。

未成年者、海外資産、非上場株式がある

特別代理人、国外財産、株式評価など、個別の確認事項が増えます。

Section 08

自分で相続税申告する前の事例チェックと最終確認

5つの事例で、名義預金、特例、贈与、未分割、配偶者控除の落とし穴を確認します。

最後に、典型的な誤りを事例で確認します。自分のケースと似た点がある場合は、申告書の数字だけでなく、資料、特例要件、期限、添付書類まで見直す必要があります。

下の事例一覧は、申告前に見落としやすい5つの場面を示しています。各項目で、何が問題になり、どの資料や制度を確認するかを読み取ってください。

CASE 1

子名義の定期預金

毎年入金されていても、通帳や印鑑を亡くなった方が管理し、贈与契約や受贈者の自由な管理が確認できない場合は、名義預金の検討が必要です。

CASE 2

小規模宅地等の特例

同居、保有継続、事業や貸付けの状況など、区分ごとの要件と添付資料を確認しないと、評価減を使えない可能性があります。

CASE 3

110万円以下の贈与

贈与税がかかっていなくても、相続開始前一定期間の贈与は相続財産へ加算されることがあります。

CASE 4

未分割だから申告しない

遺産分割が終わっていなくても、申告期限は原則として延びません。未分割で申告し、後で修正する場面があります。

CASE 5

配偶者控除で税額0円と考える

配偶者の税額軽減を使う場合でも、申告書と添付資料が必要です。未分割財産には原則として適用できません。

下の最終確認表は、提出前に見る項目を作業順に並べたものです。左列で確認項目、中央列で必要な資料、右列で誤りやすい点を読み取ってください。

確認項目主な資料提出前の注意
相続人と法定相続人戸籍、住民票、法定相続情報基礎控除と非課税枠の人数を確認します。
財産一覧通帳、証券、保険、不動産資料、名寄帳名義預金、未収金、未登記不動産を見直します。
債務と葬式費用残高証明、請求書、領収書差し引けるものと差し引けないものを分けます。
贈与と精算課税贈与契約書、贈与税申告書、通帳110万円以下でも加算対象になる可能性を確認します。
特例と添付資料遺産分割協議書、住民票、戸籍、登記資料配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は申告が必要です。
Reference

この記事の参考情報源

相続税申告に関する公的資料

  • 国税庁 相続税の申告のしかた
  • 国税庁 相続税のあらまし
  • 国税庁 路線価図および評価倍率表
  • 国税庁 小規模宅地等の特例に関する資料
  • 国税庁 相続時精算課税制度に関する資料

相続手続と法令に関する資料

  • 法務省 相続登記の申請義務化に関する資料
  • e-Gov法令検索 相続税法、租税特別措置法、民法、不動産登記法