2σ Guide

税理士との
初回面談で
聞かれることと
伝えるべきこと

相続税申告の要否、期限、財産、特例、紛争、専門家連携を初回面談で整理するために、聞かれやすい質問と準備すべき情報を体系的にまとめます。

10か月 申告期限
4か月 準確定
3年 登記期限
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税理士との 初回面談で 聞かれることと 伝えるべきこと

相続税申告の要否、期限、財産、特例、紛争、専門家連携を初回面談で整理するために、聞かれやすい質問と準備すべき情報を体系的にまとめます。

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税理士との 初回面談で 聞かれることと 伝えるべきこと
相続税申告の要否、期限、財産、特例、紛争、専門家連携を初回面談で整理するために、聞かれやすい質問と準備すべき情報を体系的にまとめます。
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  • 税理士との 初回面談で 聞かれることと 伝えるべきこと
  • 相続税申告の要否、期限、財産、特例、紛争、専門家連携を初回面談で整理するために、聞かれやすい質問と準備すべき情報を体系的にまとめます。

POINT 1

  • 税理士との初回面談で聞かれることの全体像
  • 1. 相続放棄や限定承認を意識する時期
  • 2. 準確定申告を確認する時期
  • 3. 相続税申告と納税の中心期限:遺産分割が未了でも、申告期限が原則として到来する点に注意します。
  • 4. 相続登記や分割見込書に関わる期限:相続登記の申請義務や、申告期限後3年以内の分割見込書に関わる論点を、税務と登記の両面から確認します。

POINT 2

  • 税理士との初回面談で最初に確認される基本事実
  • 遺言書の種類
  • 公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言、法務局保管の有無を確認します。
  • 検認の要否
  • 家庭裁判所の検認が必要な遺言書か、検認不要の資料かを区別します。

POINT 3

  • 税理士との初回面談で聞かれる財産と債務の質問
  • 預貯金、不動産、保険、債務、生前贈与は、税務調査時の説明にもつながります。
  • 現金、預貯金、証券口座
  • 生命保険金、死亡退職金、共済金
  • 契約情報

POINT 4

  • 税理士との初回面談で確認する相続税特例と期限
  • 1. 争いのある財産を特定:預金、不動産、保険、会社株式など、争いがある財産とない財産を分けます。
  • 2. 期限までに合意できる見込みを確認:調停予定、弁護士相談、相手方の主張、署名押印の見込みを伝えます。
  • 3. 未分割申告を検討:納税資金と特例を後日適用する書類を確認します。
  • 4. 分割案を税務確認:取得者、特例、二次相続、登記実務の整合性を見ます。

POINT 5

  • 税理士との初回面談で専門家連携を切り分ける
  • 税務、紛争、登記、評価、事業承継を混ぜずに整理します。
  • 弁護士が必要になりやすい事情
  • 司法書士やその他専門職が必要になりやすい事情
  • 税理士の中心業務は、税務代理、税務書類の作成、税務相談です。

POINT 6

  • 税理士との初回面談で必ず伝える不利な事実
  • 完成した説明よりも、未確定情報と不明点がリスク判定に役立ちます。
  • 分からないことの伝え方
  • 一般読者は、初回面談に整理済みの資料だけを持っていこうとしがちです。
  • しかし、税理士にとって重要なのは、不明点、矛盾点、資料不足、不利な事情、親族間で認識が違う点です。

POINT 7

  • 税理士との初回面談に持参する資料と準確定申告
  • 全資料を完璧にそろえるより、あるものとないものを分けて伝えることが重要です。
  • 最低限の資料
  • 資料がない場合の伝え方
  • 準確定申告について聞かれること

POINT 8

  • 税理士との初回面談で税務調査リスクを先に伝える
  • 名義預金
  • 口座名義が配偶者、子、孫であっても、資金の原資、管理、支配、使用実態から被相続人の財産と評価され得ます。
  • 死亡前引出し
  • 医療費、介護費、葬儀準備、贈与、生活費、手元現金、使途不明金に分けて説明します。

まとめ

  • 税理士との 初回面談で 聞かれることと 伝えるべきこと
  • 税理士との初回面談で聞かれることの全体像:料金相談だけでなく、相続全体の初期診断として位置づけます。
  • 税理士との初回面談で最初に確認される基本事実:死亡日、相続人、遺言、遺産分割の状況は、申告期限と特例判断の出発点です。
  • 税理士との初回面談で聞かれる財産と債務の質問:預貯金、不動産、保険、債務、生前贈与は、税務調査時の説明にもつながります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

税理士との初回面談で聞かれることの全体像

料金相談だけでなく、相続全体の初期診断として位置づけます。

相続に関する税理士との初回面談は、単なる申告書作成の受付ではありません。相続税申告の要否、申告期限、納税資金、遺産分割の進捗、名義預金の有無、生前贈与、土地評価、特例適用、準確定申告、相続登記、家族間の対立、税務調査リスクを同時に整理する初期診断の場です。

最初に押さえたいのは、相続税の申告期限は、一般的には被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内とされる点です。正味の遺産額が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告と納税が必要になる可能性があります。基礎控除額は、3,000万円に600万円と法定相続人の数を掛けた金額を加えて計算します。

次の一覧は、初回面談で同時に確認されやすい期限と役割をまとめたものです。期限ごとに担当専門家や必要資料が変わるため、どの手続が近いのかを早めに把握することが、申告漏れや専門家選びの遅れを防ぐうえで重要です。

3か月

相続放棄や限定承認を意識する時期

借金が多い、保証債務がある、財産より債務が大きい可能性がある場合は、税理士面談と並行して弁護士や司法書士への確認が必要になることがあります。

4か月

準確定申告を確認する時期

亡くなった人に給与、年金、不動産所得、事業所得、配当、譲渡所得などがあった場合、所得税の準確定申告が必要になる可能性があります。

10か月

相続税申告と納税の中心期限

遺産分割が未了でも、申告期限が原則として到来する点に注意します。納税資金、特例、添付書類を早い段階で整理します。

3年

相続登記や分割見込書に関わる期限

相続登記の申請義務や、申告期限後3年以内の分割見込書に関わる論点を、税務と登記の両面から確認します。

税理士との初回面談で重要なのは、税額をいくら下げられるかより先に、期限までに、正確な前提事実を、どの専門家の守備範囲で処理するかを決めることです。税理士は税務代理、税務書類の作成、税務相談の専門家ですが、相続人間の代理交渉や訴訟、相続登記の申請実務は別の専門職の領域になります。

次の3つの視点で初回面談を準備すると、税理士が相続全体のリスクを把握しやすくなります。分類ごとに、伝えるべき情報の性質が違うため、未確定情報も含めて整理することが大切です。

期限

いつまでに何をするか

死亡日、死亡を知った日、申告期限、準確定申告、相続放棄、相続登記の期限を同時に確認します。

事実

誰が何を取得するか

相続人、遺言、遺産分割、財産、債務、生前贈与、名義財産、不動産評価を洗い出します。

連携

どの専門家が扱うか

税務は税理士、紛争は弁護士、登記は司法書士、不動産評価や境界は専門職と分担します。

Section 01

税理士との初回面談で最初に確認される基本事実

死亡日、相続人、遺言、遺産分割の状況は、申告期限と特例判断の出発点です。

死亡日、死亡を知った日、最後の住所

相続は死亡によって開始します。税務上は、相続税の申告期限を計算するため、被相続人が死亡したことを知った日が重要です。通常は死亡日と一致しますが、疎遠な親族、海外居住者、後から相続人であることを知った人では、死亡を知った日が別に問題になることがあります。

次の表は、税理士が最初に確認する基本事項と持参資料を対応させたものです。どの資料が期限、所轄、戸籍収集に関係するかを読み取ると、初回面談前の優先順位をつけやすくなります。

事項税理士が確認する理由持参すべき資料
死亡日申告期限、評価時点、所得計算の基準になる死亡診断書の写し、除籍謄本、住民票の除票
死亡を知った日10か月期限、4か月期限、3か月期限の起算点に関係する通知書、連絡記録、戸籍取得日など
最後の住所所轄税務署、家庭裁判所、法務局手続に影響する住民票の除票、戸籍の附票
本籍地戸籍収集、相続人確定に必要戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍

相続人の構成と連絡状況

税理士は、相続人の人数を確認しなければ基礎控除額を計算できません。法定相続人の数は、死亡保険金や死亡退職金の非課税限度額にも影響し、死亡保険金の非課税限度額は500万円に法定相続人の数を掛けて計算されます。

次の一覧は、相続人に関して初回面談で聞かれやすい項目です。法定相続人の数だけでなく、連絡不能者、未成年者、後見関係の有無が手続の進み方に影響する点を確認します。

確認項目具体例重要になる理由
配偶者の有無法律上の配偶者、内縁関係法定相続分、配偶者税額軽減、遺産分割に影響
子の有無実子、養子、前婚の子、認知された子法定相続人の数、戸籍調査、争いの可能性に影響
直系尊属の有無父母、祖父母子がいない場合の相続人判定に影響
兄弟姉妹の有無兄弟姉妹、代襲相続人子も直系尊属もいない場合に問題になる
相続放棄の有無申述済みの人、検討中の人税務上の法定相続人の数、債務整理、家庭裁判所手続に影響
連絡不能者行方不明、海外在住、絶縁状態遺産分割、申告書の共同提出、資料収集に影響
未成年者、成年後見利用者親と子が共同相続人など特別代理人や後見関係の確認が必要

遺言書、遺産分割協議、遺言執行者

税理士は、財産を誰が取得するかを知らなければ相続税申告書を完成できません。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、誰がどの財産を取得するかと密接に関係します。申告期限までに分割されていない財産は、特例の適用で不利になることがあります。

遺言と分割状況は、検認の要否、遺言執行者、相続人の合意状況、遺留分の争いまで広がります。次の項目を事前に整理すると、税理士が申告作業と弁護士連携の必要性を判断しやすくなります。

遺言書の種類

公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言、法務局保管の有無を確認します。

検認の要否

家庭裁判所の検認が必要な遺言書か、検認不要の資料かを区別します。

協議の進捗

遺産分割協議が未開始、協議中、合意済み、紛争ありのどれかを伝えます。

連絡と合意

相続人全員が連絡に応じているか、署名押印できる見込みがあるかを確認します。

Section 02

税理士との初回面談で聞かれる財産と債務の質問

預貯金、不動産、保険、債務、生前贈与は、税務調査時の説明にもつながります。

現金、預貯金、証券口座

税理士が最初に確認する財産は、現金、預貯金、有価証券です。残高証明書、取引履歴、通帳、証券会社の年間取引報告書、保有銘柄明細などで確認しますが、死亡日時点の残高だけでは足りません。

次の表は、金融資産について聞かれる質問と、依頼者側が伝えるべき実態を対応させたものです。口座名義だけで判断せず、資金の原資、管理者、引き出しの使途まで説明することが重要です。

聞かれること伝えるべきこと
銀行口座はいくつあるか普段使っていた銀行、休眠口座、ネット銀行、農協、信用金庫、外貨預金を含めて伝える
死亡前に大きな引き出しがあったか医療費、施設費、葬儀準備、家族への送金、現金保管などの使途を説明する
家族名義の預金があるか原資、通帳管理者、印鑑管理者、贈与契約の有無、本人が自由に使えたかを伝える
証券口座があるか上場株式、投資信託、国債、外債、NISA口座、特定口座、一般口座を伝える
現金が自宅にあるか金庫、仏壇、貸金庫、事業用現金、封筒管理の有無を伝える

隠すべきでない典型例は、死亡直前に親族が引き出した現金です。引き出し自体が直ちに違法という意味ではありませんが、使途不明のままでは、相続財産、贈与、預け金、使途不明金として説明が必要になる可能性があります。引き出した日、金額、使途、領収書の有無、残った現金の所在を伝えます。

不動産

相続財産に不動産がある場合、税理士の初回面談は一段階複雑になります。相続税評価、遺産分割、相続登記、売却、固定資産税、賃貸収入、空き家、借地借家、境界問題が同時に発生するためです。

次の表は、不動産について持参すると診断精度が上がる資料をまとめたものです。資料ごとに使途が違うため、所在や評価額だけでなく、道路、境界、賃貸、共有、農地などの論点を読み取る必要があります。

資料使途
固定資産税納税通知書、課税明細書不動産の所在、地番、家屋番号、固定資産税評価額の把握
登記事項証明書所有者、共有持分、抵当権、地目、地積の確認
公図、地積測量図、建物図面形状、道路接道、面積、境界の把握
賃貸借契約書貸宅地、貸家建付地、借家権、賃料収入の確認
住宅地図、現況写真利用状況、私道、セットバック、がけ地、不整形地の把握
農地関係資料農地評価、納税猶予、農地法手続の確認
共有者情報共有解消、売却、分割、登記に影響

生命保険金、死亡退職金、共済金

生命保険金は、民法上の遺産分割対象財産と税務上の相続税対象財産の関係がずれやすい財産です。受取人固有の権利とされる場面でも、相続税法上はみなし相続財産として課税対象になり得ます。

保険関係は、契約者、被保険者、受取人、保険料負担者を分けて確認することが重要です。次の項目をそろえると、非課税枠、入金口座、未収保険金、死亡退職金の整理がしやすくなります。

保険

契約情報

保険会社名、証券番号、保険種類、契約者、被保険者、受取人を伝えます。

資金

保険料負担

保険料を誰が実質的に負担していたか、通帳履歴や契約内容から確認します。

入金

支払状況

支払われた保険金の金額、入金口座、入院給付金、未収保険金、解約返戻金を整理します。

債務、未払金、葬式費用

相続税の計算では、一定の債務と葬式費用を遺産総額から差し引けることがあります。プラスの財産だけでなく、借入金、未払税金、医療費、施設費、保証債務、事業債務を必ず伝える必要があります。

次の表は、控除や相続放棄の検討につながる債務と費用の整理です。死亡時点で確実に存在した債務か、死亡後に支払った費用か、領収書やメモがあるかを読み分けます。

区分注意点
借入金住宅ローン、事業借入、個人向けローン団体信用生命保険で消滅するか確認
未払税金所得税、住民税、固定資産税納付書、通知書を持参
医療費、施設費入院費、介護施設利用料死亡時点で未払か、死亡後に支払ったかを分ける
葬式費用通夜、告別式、火葬、納骨までの一定費用領収書がない支払はメモを残す
保証債務連帯保証、根保証弁護士、金融機関との確認が必要
事業債務買掛金、未払給与、リース債務個人事業の承継、廃業と連動

生前贈与、相続時精算課税、贈与税申告

税理士は、亡くなった人から相続人や受遺者への過去の贈与を確認します。令和6年1月1日以後の暦年課税に係る贈与では、相続開始前7年以内が加算対象期間になる点が重要です。ただし、相続開始日の時期に応じた経過措置があり、令和8年12月31日以前の相続開始では加算対象期間は相続開始前3年以内とされています。

注意贈与契約書がない送金、毎年110万円以下の贈与、家族名義預金、相続時精算課税選択届出書は、初回面談で隠さず伝えます。後から発見されると、修正申告、加算税、延滞税、税務調査対応に直結する可能性があります。
Section 03

税理士との初回面談で確認する相続税特例と期限

配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、未分割申告は、事実関係の確認が結論を左右します。

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減は、一般に「配偶者なら相続税がかからない」と誤解されやすい制度です。正確には、配偶者が遺産分割や遺贈によって実際に取得した正味の遺産額が、1億6千万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です。

次の比較は、特例の前提として税理士へ伝えるべき事実を整理したものです。単に税額が下がる制度としてではなく、誰が取得し、いつ分割され、二次相続でどう影響するかを読み取ることが大切です。

確認事項初回面談で伝える内容
取得予定財産配偶者が実際に取得する予定の財産と金額
協議の進捗遺産分割協議が進んでいるか、対立があるか
二次相続配偶者固有財産、年齢、生活費、子の将来負担を考慮したいか
名義財産配偶者名義の財産と被相続人名義の財産の実質関係

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、土地評価を大きく下げる可能性がある一方で、要件確認が複雑です。自宅の土地、事業用の土地、貸付用の土地では、限度面積、減額割合、取得者要件、居住継続要件、保有継続要件が異なります。

次の一覧は、土地の種類ごとに税理士が確認する実態をまとめたものです。土地の名前や評価額だけでなく、誰が住み、誰が取得し、申告期限までどう使う予定かを読み取る必要があります。

自宅

居住の実態

被相続人が死亡直前にどこに住んでいたか、老人ホーム等への入所があったか、その前の自宅を誰が使っていたかを伝えます。

取得者

誰が相続するか

配偶者、同居親族、別居親族のどなたが取得するか、申告期限まで居住や保有を続ける予定かを確認します。

貸付

賃貸の状況

貸付事業の開始時期、賃貸借契約、空室状況、事業継続の予定を整理します。

未分割申告と申告期限後3年以内の分割見込書

相続人間で協議がまとまらない場合でも、相続税の申告期限は原則として延びません。未分割のまま申告する場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が直ちに使えない、または手続上の見込書が必要になることがあります。

次の判断の流れは、分割がまとまらないときに初回面談で整理する順番を表しています。上から順に確認し、争いの有無、納税資金、後日適用のための書類管理を切り分けます。

未分割時に確認する順番

争いのある財産を特定

預金、不動産、保険、会社株式など、争いがある財産とない財産を分けます。

期限までに合意できる見込みを確認

調停予定、弁護士相談、相手方の主張、署名押印の見込みを伝えます。

合意が難しい
未分割申告を検討

納税資金と特例を後日適用する書類を確認します。

合意できそう
分割案を税務確認

取得者、特例、二次相続、登記実務の整合性を見ます。

要点特例は強力ですが、隠蔽または仮装された財産、分割未了、取得者要件の不備、保有や居住の継続見込みによって結論が変わる可能性があります。初回面談では、税額だけでなく要件事実を正確に伝えます。
Section 04

税理士との初回面談で専門家連携を切り分ける

税務、紛争、登記、評価、事業承継を混ぜずに整理します。

税理士の中心業務は、税務代理、税務書類の作成、税務相談です。相続税申告の作成、税務署への対応、税務調査対応、相続税額の試算、特例の税務判断は税理士の領域です。一方、相続人どうしの代理交渉、遺留分、使い込み疑い、遺産分割調停、審判、訴訟、相続登記は別の専門職が中心になります。

次の一覧は、税理士との初回面談で「誰に引き継ぐ論点か」を判断するための整理です。専門家ごとの守備範囲を早めに分けることで、申告期限と紛争対応、登記期限がずれたまま進むリスクを下げられます。

税理士

相続税申告、税額試算、特例判断、税務調査対応、準確定申告を中心に扱います。

税務

弁護士

使い込み疑い、遺留分、遺言の有効性、遺産分割調停、審判、訴訟、代理交渉を扱います。

紛争

司法書士

相続登記、戸籍収集、登記原因証明情報、不動産名義変更の実務を担います。

登記

不動産鑑定士、土地家屋調査士

時価評価、境界、分筆、地積、表示登記など、不動産評価と現況確認で関わります。

不動産

公認会計士、中小企業診断士

非上場株式、事業承継、会社価値、後継者問題、金融機関対応で関わることがあります。

事業

弁護士が必要になりやすい事情

相続人間に争いがある場合、税理士より先に、または税理士と並行して弁護士相談が必要になることがあります。税理士には争いを隠さず伝え、申告上の処理と法的紛争の処理を分けます。

  • 相続人の一人が預金を使い込んだ疑いがある。
  • 遺言書の有効性を争っている。
  • 遺留分侵害額請求をしたい、または受けている。
  • 特定の相続人が財産資料を開示しない。
  • 遺産分割協議書に署名押印してくれない人がいる。
  • 相続人が感情的に対立しており、直接交渉が難しい。
  • 被相続人の判断能力が争点になっている。

司法書士やその他専門職が必要になりやすい事情

不動産がある場合、税理士は相続税評価を行いますが、相続登記の申請実務は司法書士が中心となります。先代名義の不動産、共有、抵当権、登記簿上の地目と現況の違い、住所変更登記の未了などは早めに伝えます。

行政書士は、争いのない範囲で遺産分割協議書や相続関係説明図などの作成支援をする場面があります。ただし、紛争性のある交渉、税務相談、登記申請代理は別の資格領域です。公証人は公正証書遺言、不動産鑑定士は時価評価、土地家屋調査士は境界や分筆、宅地建物取引士と不動産業者は売却実務で関わります。

Section 05

税理士との初回面談で必ず伝える不利な事実

完成した説明よりも、未確定情報と不明点がリスク判定に役立ちます。

一般読者は、初回面談に整理済みの資料だけを持っていこうとしがちです。しかし、税理士にとって重要なのは、不明点、矛盾点、資料不足、不利な事情、親族間で認識が違う点です。最初に把握できれば、調査の優先順位を決めやすくなります。

次の表は、税理士に必ず伝えたい事情と、その理由をまとめたものです。表の左側はリスクの入口、右側は税務、紛争、期限、専門家連携にどうつながるかを示しています。

伝えるべき事情理由
家族名義の預金がある名義預金として相続財産に含めるべきか検討が必要
死亡前に多額の引出しがある使途、現金残、贈与、貸付、費消の説明が必要
贈与契約書がない贈与がある贈与成立や相続財産性の判断が必要
相続人が資料を隠している可能性がある弁護士連携や金融機関照会が必要
遺産分割協議がまとまらない未分割申告、特例不適用、後日の更正請求に影響
財産評価に自信がない土地評価、不動産鑑定、税務調査リスクに影響
海外財産、海外居住者がいる納税義務、国外財産、資料翻訳、送金確認が必要
会社経営者だった非上場株式、役員貸付金、死亡退職金、事業承継が必要
借金が財産を上回るかもしれない相続放棄、限定承認、債権者対応が必要
被相続人の判断能力に疑問がある遺言、贈与、預金引出しの有効性に関係

分からないことの伝え方

初回面談では、分からないことを無理に断定しないことも重要です。税理士は、断定情報を前提に申告スケジュールや見積もりを組むため、後から前提が変わると追加資料の収集や申告内容の修正に影響します。

  • 預金口座は3行把握しているが、ネット銀行の有無は未確認です。
  • 父が兄に毎年送金していたようですが、贈与契約書は見つかっていません。
  • 母名義の定期預金がありますが、原資は父の退職金かもしれません。
  • 自宅土地は同居していた長男が取得予定ですが、妹が反対しています。
  • 相続税がかかるかどうか分からないので、要否判定から相談したいです。
重要税金が増えそうな資料、使途不明の引き出し、家族名義の口座、争いの存在を隠して申告準備を進めると、後日の税務調査や修正申告で説明が難しくなる可能性があります。一般的には、不利な事情ほど早く共有することが安全とされています。
Section 06

税理士との初回面談に持参する資料と準確定申告

全資料を完璧にそろえるより、あるものとないものを分けて伝えることが重要です。

最低限の資料

初回面談で全資料を完璧にそろえる必要はありません。ただし、次の資料があると診断精度が上がります。分類ごとに、どの資料が相続人確定、財産評価、債務控除、準確定申告、事業承継に関わるかを確認します。

分類資料
身分関係被相続人の戸籍、除籍、改製原戸籍、相続人の戸籍、住民票の除票
相続人整理家族関係図、法定相続情報一覧図、相続人の住所連絡先
遺言遺言書、遺言書情報証明書、検認済証明書、遺言執行者の資料
預貯金通帳、残高証明書、取引履歴、ネット銀行情報
証券証券会社の残高証明書、年間取引報告書、銘柄一覧
不動産固定資産税課税明細書、登記事項証明書、公図、地積測量図、賃貸借契約書
保険保険証券、支払通知書、契約内容照会書
債務借入金残高証明書、納付書、請求書、保証契約書
葬儀葬儀社の請求書、領収書、支払メモ
贈与贈与契約書、贈与税申告書控え、送金記録
所得確定申告書控え、源泉徴収票、年金源泉徴収票、医療費領収書
事業決算書、会社謄本、株主名簿、法人税申告書、役員借入金資料

法定相続情報証明制度を利用すると、相続登記、預金払戻し、相続税申告、年金手続などで法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合があります。必要書類の収集、一覧図の作成、申出書の記入と登記所への申出を進めます。

資料がない場合の伝え方

資料が不足している場合、初回面談を延期する必要はありません。期限が近い場合は、未収集のまま相談したほうがよいこともあります。何があり、何が未取得で、誰が管理しているのかを分けて伝えます。

  • 固定資産税課税明細書はありますが、登記事項証明書は未取得です。
  • 預金通帳は手元にありますが、残高証明書はまだ請求していません。
  • 生命保険会社は分かりますが、証券が見つかりません。
  • 贈与税申告をしたかどうか不明です。
  • 兄が通帳を管理しており、私は見ていません。

準確定申告について聞かれること

相続税申告と混同されやすいものに、亡くなった人の所得税に関する準確定申告があります。準確定申告の期限は、一般的には相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内とされています。

次の表は、準確定申告の要否を判断するために初回面談で聞かれやすい項目です。相続税がかかるか分からない場合でも、被相続人が確定申告者だったか、死亡年の収入資料があるかを確認します。

聞かれること具体例
被相続人に所得があったか給与、年金、不動産賃貸、事業、配当、譲渡所得
確定申告をしていたか過去の申告書控え、税理士関与の有無
死亡年の収入資料があるか源泉徴収票、支払調書、賃料明細
医療費控除の対象資料があるか死亡日までに被相続人が支払った医療費
還付金が生じる可能性があるか還付金は相続財産として扱う検討が必要
個人事業を営んでいたか廃業届、消費税、従業員、在庫、売掛金
Section 07

税理士との初回面談で税務調査リスクを先に伝える

申告書の作成だけでなく、後日説明できるかを見据えて情報を出します。

相続税申告では、税務署に提出する申告書だけでなく、後日の税務調査で説明できるかが重要です。初回面談では、名義預金、死亡前引出し、生前贈与の継続、貸付金、立替金、未収金を早めに伝えます。

次の一覧は、税務調査で説明が求められやすい論点をまとめたものです。各項目について、資金の原資、管理者、使途、契約書、通帳履歴、領収書の有無を確認します。

名義預金

口座名義が配偶者、子、孫であっても、資金の原資、管理、支配、使用実態から被相続人の財産と評価され得ます。

死亡前引出し

医療費、介護費、葬儀準備、贈与、生活費、手元現金、使途不明金に分けて説明します。

生前贈与の継続

毎年110万円以下の贈与でも、加算対象期間、贈与の成立、名義財産性を確認します。

貸付金や未収金

親が子に貸した住宅資金、会社への役員貸付金、医療費の立替えなどを資料で確認します。

ケース別に重点質問は変わる

家族構成や財産内容によって、税理士が重点的に確認する質問は変わります。次の表は、典型的な相続の形ごとに、初回面談で伝えるべき重点情報を整理したものです。

ケース重点質問伝えるべきこと
配偶者と子、自宅と預金が中心基礎控除、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、二次相続配偶者が住み続けるか、同居者、預金取得予定、配偶者固有財産、二次相続対策
兄弟姉妹間で対立未分割申告、資料不足、納税資金、特例適用主張内容、使い込み疑い、遺言の有効性、調停、弁護士相談、中立的申告の可否
不動産が多い土地評価、相続登記、売却、納税資金、不動産鑑定、共有回避所在地、利用状況、賃貸、空き家、共有予定、境界トラブル、古い登記名義
会社経営者、個人事業主非上場株式、役員貸付金、死亡退職金、保証債務、事業承継株主名簿、決算書、持株割合、後継者、金融機関借入、連帯保証
国外財産、海外居住者がいる課税財産の範囲、資料収集、送金、外国語書類、現地税制国籍、住所、過去10年の居住状況、海外口座、不動産、外国での納税
実務感覚使途が分からない場合でも、隠すより先に伝えるほうが一般的には安全です。税理士は、取引履歴、領収書、家族への確認、現金残高、申告上の処理方針を検討できます。
Section 08

税理士との初回面談で確認する契約事項と質問

税理士の資格、経験、報酬、外部専門家費用、申告後対応まで確認します。

本当に税理士かを確認する

税務代理、税務書類の作成、税務相談を行うことができるのは、税理士、税理士法人、国税局長に通知した弁護士および弁護士法人に限られるとされています。税理士であるかは、税理士証票の提示や日本税理士会連合会の税理士情報検索で確認できます。

次の表は、初回面談で確認すべき契約事項です。報酬額だけでなく、土地評価、税務調査対応、外部専門家費用、利益相反時の対応まで見ることで、後から想定外の費用や対応漏れが出るリスクを下げられます。

確認項目見るべきポイント
相続税申告の経験経験件数、担当体制、土地評価や非上場株式評価の対応力
土地評価現地確認の有無、評価資料の作成者、特殊な土地への対応
税務調査対応報酬に含まれるか、書面添付制度を利用するか
専門家連携弁護士、司法書士、不動産鑑定士との連携体制
スケジュール申告期限までの工程、資料提出期限、納税資金確認の時期
報酬と追加費用基本報酬、土地1筆ごとの追加、非上場株式、準確定申告、調査立会い
契約関係契約書、委任状、税務代理権限証書、一部相続人のみの依頼か
利益相反相続人間で対立が生じた場合の対応

料金だけを聞く危険

相続税申告の報酬は、遺産総額、不動産数、非上場株式、相続人の数、土地評価の難易度、準確定申告、税務調査対応、申告期限の近さによって変わります。料金だけを比較すると、必要な評価や調査が省略されるリスクがあります。

次の質問は、依頼者側から確認しておきたい内容です。質問の目的は、相続税申告の必要性、期限、評価、専門家連携、申告後対応を一方通行にしないことです。

期限

申告要否と期限

相続税申告が必要になる可能性、基礎控除額、申告期限、準確定申告、相続放棄、未分割申告を確認します。

評価

財産評価

不動産評価、小規模宅地等の特例、名義預金、死亡前引出し、非上場株式や事業用資産を確認します。

連携

専門家連携

弁護士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、公認会計士、金融機関との分担を確認します。

申告後

保管と対応

税務調査対応、評価資料の保管、二次相続、後日分割時の更正請求、登記や売却の進め方を確認します。

Section 09

税理士との初回面談前の1枚メモと面談後の流れ

短時間で全体像を共有するため、空欄や不明点も含めて整理します。

資料が多い相続では、税理士が全体像を短時間で把握できるよう、1枚メモを作ると効果的です。完全である必要はなく、空欄や不明欄があること自体が、初回面談で確認すべき論点になります。

次の表は、1枚メモに入れると実務で使いやすい項目です。左の分類ごとに、分かる内容、不明な内容、資料の有無を分けて書くと、税理士が追加調査の優先順位をつけやすくなります。

分類書いておく内容
被相続人氏名、死亡日、死亡時住所、本籍、職業や事業、過去の確定申告の有無
相続人配偶者、子、その他相続人、連絡不能者、未成年者、後見利用者、相続放棄予定者
遺言と分割遺言の有無、種類、法務局保管、協議状況、紛争の有無、弁護士相談の有無
財産概算預金、証券、不動産、生命保険、死亡退職金、事業や会社株式、その他財産
債務と費用借入金、未払税金、医療費、施設費、葬式費用、保証債務
気になる点名義預金、死亡前引出し、生前贈与、争い、海外要素、期限が近い手続

初回面談後の進み方

初回面談後は、一般に次の順番で進みます。上から順に、申告要否、契約、資料収集、評価、分割、申告、登記や名義変更へ進むため、税理士が主担当となる部分と他専門職が主担当となる部分を分けることが重要です。

面談直後

申告要否、概算税額、資料収集表、報酬見積もり

依頼する場合は、契約書、委任状、税務代理権限証書などを整えます。

資料収集

戸籍、不動産、金融機関、保険、証券、債務、贈与資料

準確定申告が必要な場合は、4か月期限に向けて所得資料を優先します。

評価と分割

不動産評価、現地確認、特例要件、納税資金

遺産分割協議の状況を税務上の期限と照合し、特例の可否を確認します。

申告後

申告、納税、相続登記、預金払戻し、名義変更

二次相続対策や資料保管、税務調査への備えも整理します。

伝え方の例

初回面談では、結論を急がず、分かっていることと分からないことを分ける伝え方が有効です。次の例は、税理士が調査範囲を判断しやすい表現です。

  • 相続税がかかるか分かりませんが、不動産が2つあり、預金はおよそ4,000万円です。
  • 母名義の預金がありますが、父の収入から積み立てた可能性があります。
  • 死亡前に300万円を引き出しました。葬儀費用に使った分と残っている分があります。
  • 遺言はありますが、妹が内容に納得していません。
  • 準確定申告が必要か分かりません。父は毎年不動産所得の申告をしていました。
  • 相続登記はまだしていません。司法書士の関与が必要か確認したいです。
避けたい伝え方家族名義なので関係ない、税金が増えそうな資料は出さなくてよいか、相続人同士でもめているが税理士だけで何とかしてほしい、不動産は固定資産税評価額だけで申告すればよい、という形で断定しないことが大切です。
Section 10

税理士との初回面談で正したい誤解と専門職の視点

相続税、分割、登記、紛争の思い込みを、一般情報として整理します。

相続では、基礎控除、配偶者の税額軽減、名義預金、紛争、相続登記、未分割申告について誤解が生じやすくなります。次の一覧は、初回面談で早めに修正したい代表的な思い込みです。一般的な制度理解として読み、個別の結論は資料を見たうえで専門家へ確認する必要があります。

基礎控除以下なら何もしなくてよい

基礎控除以下かどうかは、財産評価、生前贈与、名義預金、死亡保険金、債務、葬式費用を整理して判断します。

配偶者が全部もらえば安心

一次相続の税額は下がっても、二次相続で子の税負担が増えることがあります。分割資料や申告も重要です。

家族名義の口座は相続財産ではない

名義だけでは決まりません。誰の資金で作られ、誰が管理し、誰が自由に使えたかが重要です。

税理士が家族間の争いも解決する

税理士は税務の専門家です。代理交渉や訴訟代理が必要な紛争は、弁護士の関与が重要です。

相続登記は税理士に頼めばよい

相続税評価と相続登記は別です。不動産名義変更は司法書士が中心になります。

分割が終わらなければ申告しなくてよい

遺産分割がまとまらなくても、相続税の申告期限は原則として到来します。未分割申告が問題になります。

専門職別の見方

同じ相続でも、専門職によって見ているポイントは異なります。次の表は、初回面談でどの情報をどの専門職につなぐかを考えるための整理です。

専門職主に見ていること
税理士課税価格、相続税総額、各人の税額、特例適用、納税方法、申告書作成、税務署対応
弁護士相続人間の対立、遺留分、遺言の有効性、使い込み、遺産分割調停、審判、訴訟
司法書士不動産名義、相続登記、戸籍収集、登記原因証明情報、登記に使える協議書
行政書士争いのない範囲での書類作成、遺産分割協議書、相続関係説明図、行政手続の整理
不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士時価評価、境界、分筆、売却実務、相続税評価額と売却価格の違い
公認会計士、中小企業診断士非上場株式、後継者、金融機関対応、経営改善、事業承継計画
家庭裁判所実務調停、審判、特別代理人、遺言検認、相続放棄と税務申告期限のずれ
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税理士との初回面談で伝えるべき最重要事項

不利な事実と不明な事実を隠さないことが、相続全体の設計につながります。

税理士との初回面談で聞かれることと伝えるべきことの中心は、資料リストの暗記ではありません。相続税申告は、死亡日から10か月という限られた期間の中で、戸籍、財産、債務、評価、遺産分割、特例、納税資金、準確定申告、相続登記、紛争対応を同時に進める総合実務です。

税理士が初回面談で聞くことは、すべて申告要否、税額、特例、期限、税務調査リスクに関係しています。読者が伝えるべきことは、預金、不動産、保険、債務、葬式費用、生前贈与、名義預金、死亡前引出し、遺言、分割協議、紛争、国外要素、会社関係、相続放棄の可能性です。

次の総合チェックリストは、初回面談で聞かれることと、依頼者が伝えるべきことを1つにまとめたものです。大分類ごとに抜けを確認し、該当しない項目は「なし」、分からない項目は「不明」と伝えることが実務上役立ちます。

大分類税理士から聞かれること依頼者が伝えるべきこと
期限死亡日、死亡を知った日10か月、4か月、3か月、3年の各期限に関係する事情
相続人誰が相続人か前婚の子、養子、認知、行方不明、海外居住、未成年者
遺言遺言書の有無種類、保管場所、検認、遺言執行者、争い
分割協議状況合意済み、協議中、未分割、調停予定、弁護士関与
預金口座、残高、取引履歴ネット銀行、死亡前引出し、家族名義口座
証券株式、投信、債券口座種類、評価資料、売却予定
不動産土地建物の所在利用状況、賃貸、空き家、共有、登記未了、売却予定
保険死亡保険金契約者、被保険者、受取人、保険料負担者
債務借入金、未払金保証債務、医療費、税金、事業債務
葬儀葬式費用領収書、支払メモ、香典返しや法事費用との区分
贈与生前贈与贈与契約書、申告書、送金記録、相続時精算課税
事業会社、個人事業株主名簿、決算書、役員貸借、後継者
海外国外財産、海外居住者国籍、住所、国外口座、不動産、外国税務
紛争争いの有無使い込み、遺留分、遺言無効、資料不開示
専門家他士業の関与弁護士、司法書士、不動産鑑定士、金融機関担当

特に重要なのは、不利な事実と不明な事実を隠さないことです。名義預金かもしれない口座、使途不明の引出し、贈与契約書のない送金、兄弟間の対立、遺言の有効性への疑問、相続人の連絡不能、会社の保証債務などは、初回面談の段階で出すほど対応余地が広がります。

税理士との初回面談は、税額を計算する前に、相続全体の設計を作る場です。依頼者が正確な情報を出し、税理士が税務上の論点を整理し、必要に応じて弁護士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、公認会計士、金融機関担当者と連携することで、相続は申告作業だけでなく、紛争予防、納税資金確保、名義整理、次世代への承継まで含む実務として進められます。

Reference

参考情報源

相続税、登記、家庭裁判所手続、税理士制度に関する公的情報を中心に整理しています。

公的機関と制度資料

  • 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • 国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 裁判所「遺言書の検認」
  • 国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」
  • 国税庁税大ジャーナル掲載資料「名義預金に関する事例解説」
  • 国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
  • 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」
  • 国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除」
  • 国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」
  • 国税庁「No.9203 税理士制度について」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
  • 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告、準確定申告」
  • 国税庁「No.4138 相続人が外国に居住しているとき」
  • 国税庁「No.9204 にせ税理士にご注意」
  • 日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト」