2σ Guide

預貯金の相続税評価額は
残高そのままでよいか

普通預金は死亡日残高で足りることが多い一方、定期預金・定期貯金・定額貯金では、死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算するのが原則です。

20.315% 国内預金利息で説明される源泉徴収税率
10か月 相続税申告期限の基本
3,000万円+ 600万円×法定相続人を加える基礎控除
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預貯金の相続税評価額は 残高そのままでよいか

最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。

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預貯金の相続税評価額は 残高そのままでよいか
最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 預貯金の相続税評価額は 残高そのままでよいか
  • 最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。

POINT 1

  • 預貯金の相続税評価額の全体像 ― 残高と利息を分けて考える
  • 最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。
  • 読者にとって重要なのは、残高証明書だけで終えやすい口座と、利息計算書まで必要になりやすい口座を早い段階で分けることです。
  • 預貯金の残高と預貯金債権の相続税評価額は、常に同じではありません。

POINT 2

  • 預貯金の相続税評価額で押さえる基礎概念
  • 預貯金、預入高、既経過利子、課税時期を分けて理解すると、残高と利息の混同を避けやすくなります。
  • 金融機関への金銭債権
  • 死亡時点の元本残高
  • 死亡日に解約した場合の利息

POINT 3

  • 預貯金の相続税評価額の根拠と基本式
  • 1. 預貯金の種類を確認:普通預金、定期預金、定額貯金、外貨預金などの商品性を分けます。
  • 2. 定期預金・定期貯金・定額貯金等か:通達で明示される定期性預金は利息確認が重要です。
  • 3. 税引後既経過利息を加算:死亡日現在で解約した場合の計算書を取得します。
  • 4. 少額性を確認:普通預金等でも大口・高金利・外貨では利息確認を検討します。

POINT 4

  • 預貯金の相続税評価額を預金種類別に判断する
  • 普通預金、当座預金、貯蓄預金、定期性預金、外貨預金で確認ポイントが変わります。
  • 自動継続定期預金・積立定期・定期積金
  • 普通預金・通常貯金は、日常的な入出金に使われる流動性預金です。
  • ただし、大口口座や金利が高い口座では、既経過利子が少額といえるか確認が必要です。

POINT 5

  • 預貯金の相続税評価額と利息の時系列
  • 1. 既に入金された利息:普通預金などへ税引後利息が入金済みなら、死亡日残高に含まれます。
  • 2. 発生済みだが未入金の利息:定期預金などで死亡日までに発生した利息は、死亡日現在で解約した場合の既経過利子として評価に反映します。
  • 3. 死亡後に発生した利息:相続開始時点の被相続人財産ではないため、死亡日現在の相続税評価額には含めません。
  • 4. 受け取る権利が確定している利息:満期後に未収となっている利息は、残高証明書・利息計算書・入金予定明細をもとに、計上漏れと二重計上を避けます。

POINT 6

  • 預貯金の相続税評価額の計算例
  • 普通預金、定期預金、複数口座、死亡後利息、外貨定期預金の典型例を整理します。
  • 普通預金で既経過利息が少額な場合
  • 定期預金で税引後既経過利息を加算する場合
  • 死亡後に利息が入金された場合

POINT 7

  • 外貨預金・ネット銀行・特殊口座の預貯金評価
  • 外貨預金
  • 外貨残高、既経過利息、源泉税、死亡日の対顧客直物電信買相場、円換算資料を確認します。
  • ネット銀行

POINT 8

  • 預貯金の相続税評価額に必要な資料と依頼方法
  • 死亡日現在の残高証明書と、定期性預金の既経過利息計算書を中心に集めます。
  • 既経過利息計算書は明示的に依頼する
  • 取引履歴は何年分確認するか
  • 残高証明書を依頼するときは、必ず被相続人の死亡日現在と指定します。

まとめ

  • 預貯金の相続税評価額は 残高そのままでよいか
  • 預貯金の相続税評価額の全体像 ― 残高と利息を分けて考える:最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。
  • 預貯金の相続税評価額で押さえる基礎概念:預貯金、預入高、既経過利子、課税時期を分けて理解すると、残高と利息の混同を避けやすくなります。
  • 預貯金の相続税評価額の根拠と基本式:相続税法の時価評価、財産評価基本通達203、源泉徴収税額相当額の控除をつなげて確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

預貯金の相続税評価額の全体像 ― 残高と利息を分けて考える

最初に、残高だけで評価できる場面と、税引後既経過利息の確認が必要な場面を整理します。

相続税申告で預貯金を評価するときは、銀行の残高証明書に記載された金額だけを見れば足りる場合と、利息を加えて評価する場合があります。財産評価基本通達203は、預貯金を課税時期の預入高と、同時期に解約した場合に受け取れる既経過利子から源泉徴収されるべき税額相当額を控除した金額との合計で評価する構造を採っています。

最短結論普通預金・通常貯金は、既経過利子が少額であれば死亡日残高を基礎にできます。定期預金・定期貯金・定額貯金は、死亡日残高に死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算するのが原則です。

次の比較表は、預貯金の種類ごとに相続税評価で何を確認するかを示しています。読者にとって重要なのは、残高証明書だけで終えやすい口座と、利息計算書まで必要になりやすい口座を早い段階で分けることです。表では、左列で口座の状況、中央列で評価の考え方、右列で取得すべき資料を読み取ってください。

預貯金の種類・状況相続税評価の考え方実務上の対応
普通預金・通常貯金など既経過利子が少額であれば死亡日残高で評価できます。死亡日現在の残高証明書を取得します。
定期預金・定期貯金・定額貯金など死亡日残高に、死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算します。残高証明書に加え、既経過利息計算書を取得します。
死亡日前に入金済みの利息残高に含まれていれば二重に加算しません。通帳・取引履歴で入金日を確認します。
死亡日まで発生した未入金利息原則として既経過利子として評価に反映します。金融機関の計算書を基礎にします。
死亡後に発生した利息相続開始時点の相続税評価額には含めません。遺産分割・所得税・相続人間精算として分けて整理します。
外貨預金外貨建ての残高・利息を邦貨換算して評価します。死亡日の為替相場と円換算資料を保存します。

預貯金の残高と預貯金債権の相続税評価額は、常に同じではありません。残高証明書は出発点であり、定期性預金や外貨預金、大口口座では、利息・源泉徴収・為替換算・死亡日前後の入出金を合わせて確認する必要があります。

Section 01

預貯金の相続税評価額で押さえる基礎概念

預貯金、預入高、既経過利子、課税時期を分けて理解すると、残高と利息の混同を避けやすくなります。

「預貯金」とは、銀行、信用金庫、信用組合、農協、ゆうちょ銀行などの金融機関に預けている金銭債権を広く指す実務上の総称です。銀行に預けるものを預金、ゆうちょ銀行等に預けるものを貯金と呼ぶことがありますが、相続税評価ではまとめて預貯金として扱います。

この一覧は、評価で頻繁に出てくる用語と確認資料の対応を示しています。読者にとって重要なのは、商品名だけで判断せず、死亡時点の元本、解約時の利息、評価の基準日を別々に確認することです。各行から、どの用語がどの資料で確認されるかを読み取ってください。

預貯金

金融機関への金銭債権

普通預金、通常貯金、当座預金、貯蓄預金、定期預金、定額貯金、外貨預金などを含みます。商品名だけでなく、満期、利率、源泉徴収、通貨を確認します。

預入高

死亡時点の元本残高

相続の場合は、原則として被相続人の死亡時点の残高を指します。金融機関の死亡日現在の残高証明書が基礎資料になります。

既経過利子

死亡日に解約した場合の利息

満期まで保有した場合の利息とは限りません。満期前なら中途解約利率や期限前解約利率で計算されることがあります。

課税時期

評価の基準時点

相続では通常、被相続人が死亡した時点です。申告日、払戻日、遺産分割協議日ではなく、死亡日現在の権利内容を見ます。

死亡後の残高変動に注意する

死亡後に葬儀費用、医療費、公共料金、介護施設費、カード決済、年金返還、相続人による引き出しが発生すると、申請日現在の口座残高は死亡日残高と異なります。相続税評価で必要なのは、あくまで死亡時点の預入高です。

注意申告書を作成する日の残高や、遺産分割協議をする日の残高をそのまま評価額にすると、死亡日現在の財産価値とずれる可能性があります。
Section 02

預貯金の相続税評価額の根拠と基本式

相続税法の時価評価、財産評価基本通達203、源泉徴収税額相当額の控除をつなげて確認します。

相続税法は、相続・遺贈・贈与により取得した財産について、原則として取得時の時価により評価する枠組みを採っています。預貯金も相続により取得される財産であるため、死亡時点における価値を把握します。

預貯金について具体的な評価方法を示す中心規定が財産評価基本通達203です。同通達は、課税時期の預入高に、同時期現在で解約した場合に受け取れる既経過利子から源泉徴収されるべき税額相当額を控除した金額を加えるという考え方を示しています。ただし、定期預金・定期郵便貯金・定額郵便貯金以外の預貯金については、既経過利子が少額なものに限り、課税時期現在の預入高で評価できます。

基本式預貯金の相続税評価額 = 課税時期現在の預入高 +(課税時期現在で解約した場合の既経過利子 − 源泉徴収されるべき税額相当額)

次の判断の流れは、残高評価で足りるか、税引後既経過利息まで確認するかを分けるものです。読者にとって重要なのは、最初に預貯金の種類を判定し、その後に利息の少額性や大口性を確認する順番です。上から下へ進み、分岐では定期性の有無と利息の重要性を読み取ってください。

残高評価と利息加算の判断の流れ

預貯金の種類を確認

普通預金、定期預金、定額貯金、外貨預金などの商品性を分けます。

定期預金・定期貯金・定額貯金等か

通達で明示される定期性預金は利息確認が重要です。

はい
税引後既経過利息を加算

死亡日現在で解約した場合の計算書を取得します。

いいえ
少額性を確認

普通預金等でも大口・高金利・外貨では利息確認を検討します。

源泉徴収税額相当額を控除する理由

国内の一般的な預貯金利息は、支払時に所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%、合計20.315%として説明される源泉徴収の対象になります。そのため、相続税評価で加算する既経過利子は、通常、税引前利息そのものではなく、源泉徴収されるべき税額相当額を控除した税引後の金額として把握します。

この比較表は、評価式に入る金額と、金融機関資料で確認する欄の対応を示しています。読者にとって重要なのは、税引前利息をそのまま加算しない点と、端数処理や商品差を自分で推測しない点です。列ごとに、名称、意味、確認資料を対応させて読んでください。

項目評価上の意味確認資料
預入高死亡日現在の元本残高残高証明書
税引前既経過利息死亡日現在で解約した場合の利息総額既経過利息計算書
源泉徴収税額相当額利息支払時に控除されるべき税額相当額既経過利息計算書の内訳
税引後既経過利息相続税評価に加算する金額の基礎金融機関の計算書

実際の税額は、金融機関の計算、端数処理、商品種別、居住者・非居住者の区分、国外預金、法人名義などにより異なり得ます。相続税申告では、相続人が独自に概算計算するよりも、金融機関が発行する既経過利息計算書を基礎にするのが安全です。

Section 03

預貯金の相続税評価額を預金種類別に判断する

普通預金、当座預金、貯蓄預金、定期性預金、外貨預金で確認ポイントが変わります。

普通預金・通常貯金は、日常的な入出金に使われる流動性預金です。利息は一般に少額で、利息決算日にまとめて入金されることが多いため、相続税申告では死亡日現在の残高証明書を基礎に評価することが多くあります。ただし、大口口座や金利が高い口座では、既経過利子が少額といえるか確認が必要です。

この一覧は、預貯金の種類ごとに残高評価で足りやすいか、利息計算まで確認すべきかを整理しています。読者にとって重要なのは、普通預金という名称だけで安心せず、定期性・大口性・外貨性を見落とさないことです。各項目から、どの口座で追加資料が必要になりやすいかを読み取ってください。

普通預金・通常貯金

既経過利子が少額であれば死亡日残高で評価できます。大口、高金利、外貨性がある場合は利息確認を検討します。

残高証明大口注意

当座預金

原則として利息が付かない決済用口座です。小切手・手形・未決済取引・事業用債権債務との対応を確認します。

残高確認事業用

貯蓄預金

普通預金より利率が高い場合や残高階層別利率の場合があります。大口なら死亡日現在の経過利息を確認します。

利率確認階層利率

定期預金

死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算します。満期前は中途解約利率で計算されることがあります。

利息計算書中途解約

定期貯金・定額貯金

通達203で明示される定期性の貯金です。預入期間や払戻し時期に応じた利息計算を金融機関に確認します。

税引後利息定額貯金

外貨預金

外貨建て残高と既経過利息を確認し、課税時期の為替相場で円換算します。為替資料の保存が重要です。

円換算為替

自動継続定期預金・積立定期・定期積金

自動継続定期預金では、死亡日前に満期が到来して自動継続されている場合があります。継続前の利息が元本に組み入れられているのか、普通預金へ振り替えられているのか、継続後から死亡日までの既経過利息があるのかを確認します。積立定期や定期積金では、商品性により既経過利息や給付補てん金等が問題になることがあります。

二重計上防止満期利息が死亡日前に普通預金へ入金済みなら、その利息は死亡日残高に含まれます。さらに未収利息として加算すると、同じ利息を二重に評価する可能性があります。
Section 04

預貯金の相続税評価額と利息の時系列

死亡日前、死亡日まで、死亡後、満期後未収のどこに属するかで扱いが変わります。

預貯金の利息は、死亡日との前後関係によって相続税評価への入り方が変わります。死亡日前に入金済みの利息は残高に含まれる一方、死亡日まで発生した未入金利息は既経過利子として確認し、死亡後に発生した利息は相続開始時点の評価額には含めません。

次の時系列は、利息がいつ発生・入金したかによる扱いを示しています。読者にとって重要なのは、入金日だけで機械的に判断せず、死亡日現在の権利内容を切り分けることです。上から順に、死亡日前、死亡日現在、死亡後、満期後未収の違いを読み取ってください。

死亡日前

既に入金された利息

普通預金などへ税引後利息が入金済みなら、死亡日残高に含まれます。別途加算すると二重計上になります。

死亡日現在

発生済みだが未入金の利息

定期預金などで死亡日までに発生した利息は、死亡日現在で解約した場合の既経過利子として評価に反映します。

死亡後

死亡後に発生した利息

相続開始時点の被相続人財産ではないため、死亡日現在の相続税評価額には含めません。遺産分割や所得税上の扱いは別に整理します。

満期後未収

受け取る権利が確定している利息

満期後に未収となっている利息は、残高証明書・利息計算書・入金予定明細をもとに、計上漏れと二重計上を避けます。

死亡日が利息決算日・満期日と重なる場合

死亡日が普通預金の利息決算日、定期預金の満期日、自動継続日と重なる場合、利息が死亡時点で既に入金されたのか、死亡後に処理されたのか、満期処理がどう行われたのかが問題になります。通帳の印字だけでなく、金融機関の残高証明書、既経過利息計算書、取引履歴を確認します。

判断軸相続税評価で見るのは、入金処理の見た目ではなく、死亡日現在に被相続人が有していた預貯金債権と利息請求権の内容です。
Section 05

預貯金の相続税評価額の計算例

普通預金、定期預金、複数口座、死亡後利息、外貨定期預金の典型例を整理します。

普通預金で既経過利息が少額な場合

死亡日現在の普通預金残高が5,000,000円で、既経過利子が数円から数十円程度と判断できる状況では、相続税評価額は死亡日現在の預入高である5,000,000円を基礎にします。利息が既に残高に含まれている場合は、別途加算しません。

定期預金で税引後既経過利息を加算する場合

死亡日現在の定期預金元本が10,000,000円、税引前既経過利息が100,000円、源泉徴収税額相当額が20,315円、税引後既経過利息が79,685円であれば、評価額は10,079,685円です。元本だけで申告すると、79,685円分の評価漏れになります。

次の比較表は、複数口座がある場合に評価額をどのように集計するかを示しています。読者にとって重要なのは、金融機関・口座種類ごとに、死亡日残高と税引後既経過利息を分けて記録することです。表では、定期性預金だけ利息が加算され、合計評価額が残高合計より増える点を読み取ってください。

金融機関口座種類死亡日残高税引後既経過利息評価額
A銀行普通預金3,200,000円少額のため加算省略3,200,000円
A銀行定期預金5,000,000円12,340円5,012,340円
B信用金庫定期積立1,800,000円3,210円1,803,210円
ゆうちょ銀行通常貯金900,000円少額のため加算省略900,000円
ゆうちょ銀行定額貯金4,000,000円18,500円4,018,500円
合計14,900,000円14,934,050円

死亡後に利息が入金された場合

6月1日に死亡し、死亡日現在の定期預金元本が8,000,000円、死亡日現在の税引後既経過利息が30,000円であれば、相続税評価額は8,030,000円です。その後9月1日に満期が到来して税引後利息50,000円が入金されても、死亡日後に対応する部分は相続開始時点の評価額には含めません。

外貨定期預金の場合

米ドル建て定期預金が100,000米ドル、税引後既経過利息が500米ドル、死亡日現在の対顧客直物電信買相場が1米ドル=150円であれば、外貨建て評価額100,500米ドルを150円で換算し、円換算評価額は15,075,000円になります。実務では金融機関が発行する死亡日現在の円換算額または為替相場資料を保存します。

限界ここでの計算例は理解のためのモデルです。端数処理、源泉徴収税額、解約利率、復興特別所得税、地方税、国外預金の扱いは商品や金融機関の処理により変わります。
Section 06

外貨預金・ネット銀行・特殊口座の預貯金評価

利息だけでなく、為替、発見漏れ、証券口座内資産、事業用口座との区分を確認します。

外貨預金では、利息の有無だけでなく、為替換算が評価額に大きく影響します。外貨額だけを相続財産明細に記載するのではなく、外貨建て元本、外貨建て既経過利息、源泉徴収税額相当額、死亡日の為替相場、円換算額を整理します。

この一覧は、特殊な口座や見落としやすい資産で確認すべき資料を示しています。読者にとって重要なのは、通帳のある銀行口座だけを見て終わらせず、デジタル・証券・休眠・事業用の資産を切り分けることです。各項目から、預貯金として評価するものと別ルールを確認するものを読み取ってください。

外貨預金

外貨残高、既経過利息、源泉税、死亡日の対顧客直物電信買相場、円換算資料を確認します。為替予約の有無も整理します。

ネット銀行

紙の通帳がないため、メール、スマートフォン、家計簿アプリ、給与・年金振込口座、クレジットカード引落口座から手掛かりを探します。

証券口座内の預り金等

預り金、MRF、MMF、外貨建MMF、投資信託、債券、株式は、預貯金と同じ評価ルールでよいとは限りません。

休眠口座・古い通帳

合併前の銀行名、転居前の支店、旧姓口座なども財産調査の対象です。承継金融機関に照会します。

事業用口座

売掛金、未収賃料、未払金、預り金、借入返済、給与支払などが混在します。準確定申告や事業用債権債務との整合性を確認します。

証券会社の口座にある投資信託や債券は、預貯金ではなく有価証券や投資信託受益権として別の評価ルールを確認する必要があります。相続財産一覧を作るときは、銀行預金、証券口座預り金、投資信託、外貨建MMF、国債、社債、保険金を区分します。

準確定申告被相続人が個人事業主などであった場合、準確定申告の期限は原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。事業用口座の残高だけでなく、所得税・消費税・貸借対照表との整合性も確認します。
Section 07

預貯金の相続税評価額に必要な資料と依頼方法

死亡日現在の残高証明書と、定期性預金の既経過利息計算書を中心に集めます。

残高証明書を依頼するときは、必ず被相続人の死亡日現在と指定します。申請日現在の残高証明書では、死亡後の引落し、入金、払戻し、口座凍結後の処理が反映され、相続税評価の基準資料として不十分になることがあります。

次の資料一覧は、預貯金評価で集める書類と、その目的を対応させたものです。読者にとって重要なのは、残高証明書だけでは利息や名義預金の確認が足りないことです。左列で書類名、右列で何を確認する資料かを読み取ってください。

資料目的
死亡日現在の残高証明書課税時期現在の預入高を確認します。
既経過利息計算書定期預金等の税引後既経過利息を確認します。
通帳の写し死亡日前後の入出金、利息入金、未記帳を確認します。
取引履歴過去の入出金、名義預金、生前贈与、使途不明出金を確認します。
定期預金証書・定額貯金証書預入日、満期日、利率、元本、商品性を確認します。
外貨残高明細・為替レート資料外貨預金を円換算するために使用します。
金融機関の相続手続書類払戻し・名義変更・相続人確認に使用します。

既経過利息計算書は明示的に依頼する

金融機関によっては、残高証明書に元本残高しか記載されず、既経過利息は別書面になることがあります。定期預金・定期貯金・定額貯金・積立定期等については、死亡日現在で解約した場合の税引前利息、源泉徴収税額相当額、税引後利息の内訳が分かる資料を依頼します。

依頼文の要点相続税申告に使用するため、死亡日現在の全口座の残高証明書と、定期性預金について同日現在で解約した場合の既経過利息計算書を発行してほしい、という趣旨を明確に伝えます。

取引履歴は何年分確認するか

相続税申告では、残高だけでなく、過去の入出金から名義預金、生前贈与、使途不明出金、相続開始直前の現金化を確認する必要があります。死亡前に多額の出金がある、相続人の一人が通帳・キャッシュカードを管理していた、被相続人が認知症・入院・施設入所中だった、家族名義口座に定期的な振替がある場合は、広めに取引履歴を取得する実務が多く見られます。

代理人が取得する場合は、被相続人の死亡が分かる戸籍、相続人であることが分かる戸籍、相続人の本人確認書類、印鑑証明書、委任状、専門職の資格者証等が必要になりやすく、金融機関ごとの様式確認が重要です。

Section 08

預貯金の相続税評価額を申告書へ反映する

第11表の付表3、申告期限、未分割、基礎控除との関係を整理します。

令和7年分用の国税庁様式一覧では、第11表の付表3が相続税がかかる財産の明細書(現金・預貯金等用)として掲載されています。預貯金は、金融機関、支店、口座種別、価額、取得者などを整理して記載する対象です。

この一覧は、預貯金評価額を申告書へ反映するときの確認順序を示しています。読者にとって重要なのは、申告書に載せる金額が単なる残高ではなく、通達に基づく評価額である点です。順番に、口座別評価、取得者、期限、基礎控除への影響を読み取ってください。

手順1

口座別に評価額を確定

金融機関・支店・口座種類ごとに、死亡日残高と税引後既経過利息を整理します。

手順2

第11表の付表3へ反映

現金・預貯金等の明細として、価額と取得者を記載する前提を整えます。

手順3

未分割なら申告方針を確認

申告期限までに遺産分割がまとまらない場合でも、期限内申告が必要になることがあります。

手順4

基礎控除との関係を確認

正味の遺産額が3,000万円+600万円×法定相続人の数を超えるかを確認します。

申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が基本です。未分割の場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などに制約が生じることがあるため、預貯金の評価だけでなく、申告全体の方針を税理士に確認する必要があります。

残高ではなく評価額定期預金等では、残高証明書の元本残高に税引後既経過利息を加えた金額が、相続税申告書へ反映する価額の基礎になります。
Section 09

預貯金の相続税評価額と遺産分割・名義預金・使い込み

税務上の評価額と相続人間の分配・精算は、目的を分けて整理します。

預貯金の相続税評価額は、相続税を計算するための価額です。これに対し、遺産分割で誰がいくら取得するかは、相続人間の民事上の分配問題です。両者は密接に関係しますが、目的が異なります。

次の比較一覧は、死亡日前後の預貯金トラブルで確認すべき論点を示しています。読者にとって重要なのは、相続税評価、遺産分割、返還請求、名義預金の判断を一つに混ぜないことです。各項目から、どの資料を残し、どの専門家領域につながるかを読み取ってください。

死亡後の預金引き出し

葬儀費用や医療費の支払いか、相続人個人の取得か、遺産分割の前渡しかを資料で説明できるようにします。

死亡前の多額出金

意思能力、出金使途、医療費・生活費・介護費・贈与・貸付け・使途不明金の区分を確認します。

名義預金

家族名義でも、資金の出所、通帳・印鑑の管理、名義人の使用実態、贈与契約の有無から相続財産と判断される可能性があります。

使い込み疑い

取引履歴、健康状態、介護記録、領収書、請求書、振込記録、相続人の説明内容を整理します。

相続税申告では死亡日現在の残高を基準にしますが、死亡後引き出しがあると申告書上の評価額と現実の残高が一致しないことがあります。この差額は、相続人間で説明できるよう資料を保存する必要があります。

紛争化使い込み疑いは、税務申告だけで処理できる問題ではありません。遺産分割調停、不当利得返還請求、損害賠償請求、遺留分侵害額請求などに発展する可能性があります。
Section 10

預貯金の相続税評価額で関わる専門職の役割

税務、紛争、登記、金融機関手続で相談先が異なります。

預貯金の相続税評価は税務の問題ですが、相続手続全体では複数の専門職が関与し得ます。相続税申告、遺産分割、相続登記、金融機関手続、遺言執行のどこに問題があるかで相談先を分けます。

次の一覧は、預貯金評価に関連する専門職・機関の役割を整理しています。読者にとって重要なのは、税務判断、法律紛争、登記、書類作成、払戻し手続を同じ相談先にまとめて期待しすぎないことです。各項目から、どの場面で誰が中心になるかを読み取ってください。

税務

税理士

相続税申告、財産評価、税務代理、税務調査対応の中心です。名義預金、生前贈与、準確定申告、国外財産、外貨預金でも判断が重要です。

紛争

弁護士

使い込み疑い、遺産分割協議の不成立、遺留分、特別受益、寄与分、調停、審判、訴訟を扱います。

登記

司法書士

相続登記、不動産名義変更、戸籍収集、登記用書類、裁判所提出書類作成などを担います。不動産がある相続で重要です。

書類

行政書士

紛争性がなく、税務・登記申請に該当しない範囲で、遺産分割協議書や金融機関提出書類の整理に関与することがあります。

遺言

公証人・遺言執行者

公正証書遺言の作成、遺言内容の実現、預貯金の解約・払戻し・分配に関わることがあります。

資料

金融機関の相続手続担当

残高証明書、既経過利息計算書、取引履歴、払戻し、名義変更、必要書類案内を担当します。

税額計算そのものは税理士の領域ですが、誰がどの預貯金を取得するか、死亡後の引き出しをどう精算するかは、法律紛争の領域になることがあります。必要に応じて専門職が連携する形で整理します。

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預貯金の相続税評価額チェックリスト

財産調査、残高証明、既経過利息、外貨、申告、紛争対応の漏れを確認します。

預貯金評価は一見単純に見えて、口座漏れ、死亡日違い、利息の二重計上、名義預金、死亡前後の出金で誤りが起きやすい分野です。以下の項目で、資料収集と評価の抜けを確認します。

次の確認一覧は、預貯金評価で漏れやすい作業を段階別に並べたものです。読者にとって重要なのは、残高証明書を集める前後で、口座の全体把握、利息、外貨、申告、紛争資料を同時に確認することです。各列から、どの段階で何を確認するかを読み取ってください。

段階確認すること
全体把握銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫、農協、ネット銀行、証券口座、外貨口座、休眠口座、家族名義口座を確認します。
残高証明書すべての金融機関に死亡日現在の残高証明書を依頼し、支店違い、口座番号違い、証書式預金を確認します。
既経過利息定期預金・定期貯金・定額貯金について、税引前利息、源泉徴収税額相当額、税引後利息を確認します。
外貨預金外貨建て残高、外貨建て既経過利息、課税時期の為替相場、円換算資料、為替予約の有無を確認します。
相続税申告評価額を口座別に一覧化し、第11表の付表3、基礎控除、申告期限、未分割時の申告方針を確認します。
紛争・使い込み死亡前後の多額出金、判断能力、領収書、請求書、医療費明細、相続人間での説明資料を保存します。
実務の軸すべての金融機関について死亡日現在の残高証明書を取得し、定期性預金は既経過利息計算書を取得し、普通預金でも大口・高金利・外貨・特殊商品では利息が少額かを確認します。
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預貯金の相続税評価額と利息のFAQ

個別事情で結論が変わるため、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 預貯金の相続税評価額は残高そのままでよいですか。

一般的には、普通預金などで既経過利子が少額であれば死亡日残高で評価できるとされています。ただし、定期預金・定期貯金・定額貯金、大口口座、外貨預金などでは結論が変わる可能性があります。具体的な評価額は、金融機関資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 普通預金は残高証明書だけでよいですか。

一般的には、多くの普通預金は死亡日現在の残高証明書を基礎に評価できるとされています。ただし、通達上は既経過利子が少額なものに限る扱いであり、残高、利率、利息決算日から死亡日までの期間によって判断が変わる可能性があります。具体的には金融機関または税理士等へ確認する必要があります。

Q3. 定期預金は残高証明書だけでは足りませんか。

一般的には、定期預金では死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算するのが原則とされています。ただし、商品性、満期前解約利率、金融機関の端数処理などで金額が変わる可能性があります。具体的な申告額は、既経過利息計算書を取得して確認する必要があります。

Q4. 既経過利息は税引前で加算しますか、税引後で加算しますか。

一般的には、税引前の既経過利息から源泉徴収されるべき税額相当額を控除した税引後の金額を加算するとされています。ただし、国外預金、居住者区分、商品内容、端数処理により扱いが変わる可能性があります。具体的には金融機関の計算書と税理士等の確認が必要です。

Q5. 源泉徴収税率は何%ですか。

一般的には、国内の預金利息では所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%、合計20.315%として説明されます。ただし、商品、居住者区分、国外預金、端数処理などにより実際の税額が異なる可能性があります。具体的には金融機関の計算内容を確認する必要があります。

Q6. 既経過利息が数円でも加算しなければなりませんか。

一般的には、定期預金等以外の預貯金では、既経過利子が少額であれば預入高で評価できるとされています。ただし、定期預金等では既経過利子を加算するのが原則であり、僅少額の実務対応は申告全体の重要性や資料の有無で変わる可能性があります。具体的には税理士等へ相談する必要があります。

Q7. 少額の明確な基準はありますか。

一般的には、財産評価基本通達203には少額の具体的な金額基準は示されていないとされています。ただし、残高、利率、利息決算日から死亡日までの期間、申告全体への影響によって判断が変わります。具体的には税理士等へ確認する必要があります。

Q8. 死亡後に普通預金へ利息が入金された場合、相続税評価に加算しますか。

一般的には、死亡日後に発生した利息は死亡日現在の相続税評価額には含めないとされています。ただし、死亡日までに発生していた部分は既経過利息として評価に反映される可能性があります。具体的には死亡日現在の既経過利息を金融機関に計算してもらう必要があります。

Q9. 死亡日前に入金された利息はどう扱いますか。

一般的には、死亡日前に入金済みの利息は死亡日現在の残高に含まれるため、別途加算すると二重計上になるとされています。ただし、入金処理、対象口座、満期処理、残高証明書の記載方法によって確認事項が変わる可能性があります。具体的には通帳・取引履歴・金融機関資料を照合する必要があります。

Q10. 定期預金が満期前の場合、満期利息を加算しますか。

一般的には、満期利息ではなく、死亡日現在で解約した場合に支払を受けることができる既経過利息を加算するとされています。ただし、満期前解約利率や商品規定で金額が変わる可能性があります。具体的には金融機関の既経過利息計算書を確認する必要があります。

Q11. 自動継続定期の場合はどうしますか。

一般的には、死亡日前に自動継続があった場合、継続前の利息が元本に組み入れられたのか、普通預金に入金されたのかを確認するとされています。ただし、継続後から死亡日までの既経過利息が別に発生する可能性があります。具体的には残高証明書、取引履歴、既経過利息計算書を照合する必要があります。

Q12. 外貨預金はどの為替レートで円換算しますか。

一般的には、取引金融機関が公表する課税時期における最終の対顧客直物電信買相場またはこれに準ずる相場を用いるとされています。ただし、課税時期に相場がない場合や金融機関資料の形式により確認方法が変わる可能性があります。具体的には金融機関資料と税理士等の確認が必要です。

Q13. 相続税がかからない場合でも既経過利息を調べる必要がありますか。

一般的には、相続税申告が不要で遺産分割でも問題にならない場合、税務申告目的で厳密な評価が不要になることがあります。ただし、相続税がかかるかどうかを判断するには、預貯金を含む財産総額を把握する必要があります。具体的には基礎控除との関係を確認する必要があります。

Q14. 相続税の申告期限はいつですか。

一般的には、相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があるとされています。ただし、期限内に遺産分割が終わらない場合や特例を使う場合には対応が変わる可能性があります。具体的には税理士等へ相談する必要があります。

Q15. 申告期限までに遺産分割が終わらない場合、預貯金評価はどうしますか。

一般的には、遺産分割が終わっていなくても、相続税申告が必要であれば期限内申告を検討するとされています。預貯金評価額は死亡日現在で把握し、未分割財産として申告書に反映することがあります。ただし、特例適用や取得者の扱いは個別事情で変わるため、税理士等へ相談する必要があります。

Q16. 残高証明書の金額と通帳残高が違う場合はどう見ますか。

一般的には、基準日、未記帳、利息入金、引落し、証明書の対象口座、外貨換算、定期預金の表示方法が違う可能性があります。ただし、どちらを基礎にするかは資料の内容で変わります。具体的には死亡日現在の残高証明書、通帳、取引履歴を照合する必要があります。

Q17. 死亡後に葬儀費用を預金から支払った場合、評価額は減りますか。

一般的には、預貯金の相続税評価額は死亡日現在で把握するため、死亡後に葬儀費用を支払って残高が減っても評価額自体は減らないとされています。ただし、一定の葬式費用は相続税計算上の控除対象になる場合があります。具体的には預金評価と葬式費用控除を分けて税理士等へ確認する必要があります。

Q18. 被相続人名義ではない家族名義の預金も申告が必要ですか。

一般的には、実質的に被相続人の財産と認められる名義預金は、相続財産として申告が必要になる可能性があります。ただし、資金の出所、通帳・印鑑の管理、名義人の使用実態、贈与契約の有無によって判断が変わります。具体的には資料を整理して税理士等へ相談する必要があります。

Q19. 相続人の一人が預金を使い込んだ疑いがある場合はどう整理しますか。

一般的には、税務申告は税理士、使い込み疑い、返還請求、遺産分割調停、証拠整理は弁護士の領域とされています。ただし、事実関係や資料の有無で対応方針は変わります。具体的には取引履歴や領収書等を整理し、必要に応じて専門家へ相談する必要があります。

Q20. 金融機関が既経過利息計算書を出してくれない場合はどうしますか。

一般的には、相続税申告に使用するため死亡日現在で解約した場合の既経過利息が必要であることを明確に伝えるとされています。ただし、金融機関の対応や商品規定により取得できる資料が異なる可能性があります。具体的には相続センター等への確認や、税理士等による合理的計算と資料保存を検討する必要があります。

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預貯金の相続税評価額で残高だけにしないための結論

死亡日現在の残高、税引後既経過利息、死亡後利息を分ければ大きな誤りを避けやすくなります。

預貯金の相続税評価額を一言でまとめると、普通預金などは既経過利子が少額であれば死亡日残高で評価できる一方、定期預金・定期貯金・定額貯金などは、死亡日現在の残高に死亡日現在で解約した場合の税引後既経過利息を加算するのが原則です。

次の重要ポイントは、このページ全体の判断軸を短く整理したものです。読者にとって重要なのは、申告日や払戻日ではなく相続開始時点を基準にし、利息を死亡日前・死亡日まで・死亡後に分けることです。3つの項目から、実務で優先して確認する資料と判断を読み取ってください。

死亡日現在の価値を資料で説明できる形にする

残高証明書を出発点に、定期性預金の既経過利息計算書、死亡日前後の取引履歴、外貨預金の円換算資料をそろえると、残高だけに頼らない評価になります。

次の3点を徹底すると、預貯金評価の大きな誤りを避けやすくなります。

  1. すべての金融機関について、死亡日現在の残高証明書を取得します。
  2. 定期預金・定期貯金・定額貯金について、死亡日現在の既経過利息計算書を取得します。
  3. 普通預金でも、大口・高金利・外貨・特殊商品では、既経過利息が少額かを確認します。

預貯金は一見単純な財産ですが、相続税評価、所得税、遺産分割、名義預金、使い込み、外貨換算が交差する領域です。残高だけを見て申告するのではなく、利息と基準時点を意識して、資料に基づく説明可能な評価を行うことが重要です。

Reference

この記事の参考情報源

公的資料を中心に、預貯金評価、利息、申告期限、基礎控除を確認しています。

公的資料

  • 国税庁 財産評価基本通達 第1章 総則
  • 国税庁 財産評価基本通達 第8章 第6節 その他の財産 203 預貯金の評価
  • 国税庁 財産評価基本通達 第8章 第6節 その他の財産 208 未収法定果実の評価
  • 国税庁タックスアンサー No.1310 利息を受け取ったとき
  • 国税庁 相続税の申告書等の様式一覧 第11表の付表3
  • 国税庁タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税
  • 国税庁タックスアンサー No.4152 相続税の計算
  • 国税庁タックスアンサー No.2022 納税者が死亡したときの確定申告
  • e-Gov法令検索 相続税法