2σ Guide

事故から解決まで
保管しておくべき書類一覧

交通事故では、事故の事実、治療経過、収入減、後遺障害、保険請求、示談や訴訟までを資料でつなぐ必要があります。現場資料から最終解決文書まで、何を、いつ、どの形で残すかを整理します。

7群中核書類の分類
5年人身事故証明の目安
3年主な自賠責請求期限
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事故から解決まで 保管しておくべき書類一覧

交通事故では、事故の事実、治療経過、収入減、後遺障害、保険請求、示談や訴訟までを資料でつなぐ必要があります。

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事故から解決まで 保管しておくべき書類一覧
交通事故では、事故の事実、治療経過、収入減、後遺障害、保険請求、示談や訴訟までを資料でつなぐ必要があります。
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  • 事故から解決まで 保管しておくべき書類一覧
  • 交通事故では、事故の事実、治療経過、収入減、後遺障害、保険請求、示談や訴訟までを資料でつなぐ必要があります。

POINT 1

  • 事故から解決まで保管しておくべき書類の全体像
  • 交通事故の解決は、資料を時系列でつなぎ、証明できる状態を維持する作業です。
  • 現場資料
  • 公的証明
  • 医療資料

POINT 2

  • 事故から解決まで保管すべき最重要書類
  • まず失くしてはいけない中核資料と、保管の五原則を確認します。
  • 裁判所や保険会社へは写し提出を基本に考え、原本は手元で整理保管します。
  • 事故当日、初診、転医、手術、復職、症状固定、認定、示談提案を順番に追える状態にします。
  • 画像CD、PDF、紙レポートが混在するため、どちらか一方だけに頼らない保管が安全です。

POINT 3

  • 交通事故の書類保管が証明を左右する理由
  • 1. 事故があったこと:交通事故証明書、通報記録、現場メモ
  • 2. どのような事故態様だったか:現場写真、ドライブレコーダー、事故発生状況報告書
  • 3. どの傷病が生じたか:初診時診断書、診療記録、画像資料
  • 4. どの治療が続いたか:診療報酬明細書、領収書、リハビリ記録
  • 5. どの損害がいくら発生したか:休業損害証明書、収入資料、修理見積書
  • 6. 何が認定され誰が支払うべきか:認定結果通知、示談書、判決書、支払証明

POINT 4

  • 事故から解決までフェーズ別に保管する書類一覧
  • 1. 現場と初動の資料:現場全景、車両損傷、負傷部位、ドライブレコーダー原データ、目撃者情報、通報・搬送メモを残します。
  • 2. 交通事故証明と届出資料:交通事故証明書、人身事故切替の診断書控え、警察や検察からの通知、取扱警察署や担当者のメモを保管します。
  • 3. 医療資料と支出資料:診断書、診療録、画像、読影レポート、領収書、診療報酬明細書、通院交通費、リハビリ記録、症状日誌を蓄積します。
  • 4. 休業と制度調整の資料:休業損害証明書、給与資料、確定申告資料、自賠責・任意保険請求書類、健康保険・労災の届出控えを残します。
  • 5. 認定資料:後遺障害診断書、症状固定までの画像一式、検査結果、家族や勤務先の報告書、認定結果通知を一体で管理します。
  • 6. 最終解決と相続関係の資料:示談書、和解調書、判決書、支払証明、死亡診断書、戸籍、葬儀費用、相続関係資料などを長期保管します。

POINT 5

  • 交通事故書類の再発行と保管期間の考え方
  • 1. 人身事故は原則5年、物件事故は原則3年:警察届出がなければ発行されません。
  • 2. 損害と加害者を知った時から5年、不法行為時から20年:2020年4月1日以降の改正民法下の一般的な整理です。
  • 3. 法令上5年間の保存義務:患者側が必要とする期間はこれより長くなることがあります。

POINT 6

  • 事故から解決までの書類保管で多い失敗と実務テンプレート
  • 交通事故証明書を後回しにする
  • 保険、労災、支援制度、訴訟で後から必要になることがあります。
  • 領収書だけを残す
  • 支払額は分かっても、治療が必要だった理由は診療記録や画像で補う必要があります。

まとめ

  • 事故から解決まで 保管しておくべき書類一覧
  • 事故から解決まで保管しておくべき書類の全体像:交通事故の解決は、資料を時系列でつなぎ、証明できる状態を維持する作業です。
  • 事故から解決まで保管すべき最重要書類:まず失くしてはいけない中核資料と、保管の五原則を確認します。
  • 交通事故の書類保管が証明を左右する理由:事故、傷病、治療、損害、最終解決を資料で連結する必要があります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

事故から解決まで保管しておくべき書類の全体像

交通事故の解決は、資料を時系列でつなぎ、証明できる状態を維持する作業です。

交通事故の解決は、相手方と示談するだけでは終わりません。事故の存在、受傷の有無と程度、事故と傷病との因果関係、治療経過、休業や減収、車両損害、後遺障害、保険金請求、健康保険や労災との調整、示談、調停、訴訟、死亡事故であれば相続まで、複数の制度をまたいで進みます。

その中心にあるのが書類保管です。交通事故証明書、診断書、診療記録、診療報酬明細書、休業損害証明書、後遺障害診断書、画像資料、認定結果通知、示談書、判決書、支払記録は、どれか一つ欠けても立証が弱くなることがあります。

次の一覧は、事故から解決までの資料を7つのまとまりで示すものです。制度ごとに資料が分かれるため、最初に全体像を持つことが重要です。読者は、どの時期にどの資料が必要になり、最終的に何を一つの時系列へ統合するかを読み取ってください。

01

現場資料

現場写真、車両損傷写真、ドライブレコーダー原データ、目撃者情報、通報や搬送のメモを残します。

02

公的証明

交通事故証明書、人身事故への切替に使った診断書控え、警察や検察からの通知を保存します。

03

医療資料

診断書、診療記録、画像データ、読影レポート、紹介状、処方記録、リハビリ記録をそろえます。

04

損害資料

領収書、診療報酬明細書、通院交通費、休業損害証明書、給与資料、確定申告資料を管理します。

05

保険・公的給付資料

自賠責、任意保険、健康保険、労災の請求書、届出控え、照会回答、支払通知を一式で残します。

06

後遺障害資料

後遺障害診断書、症状固定までの画像、検査結果、生活変化の報告書、認定結果通知を保管します。

07

解決文書

示談書、和解調書、判決書、支払証明、入金記録は最終解決を示す資料として長期保管します。

次の強調枠は、書類保管の結論を一文で整理したものです。多くの資料が必要に見えても、原本を残し、写しを提出し、紙とデータを時系列で整理するという原則に戻れば迷いにくくなります。まず保存体制を作ることが、適正な補償や認定に近づく土台になります。

原本中心、時系列、紙とデータの二重管理

交通事故では、現場資料、公的証明、医療資料、損害資料、保険・公的給付資料、後遺障害資料、解決文書の7群を、事故日から最終支払まで一続きで説明できる形に整えることが基本です。

Section 01

事故から解決まで保管すべき最重要書類

まず失くしてはいけない中核資料と、保管の五原則を確認します。

次の比較表は、交通事故で特に重要度が高い書類を、取得先と失うと困る理由で整理したものです。請求や認定では資料同士のつながりが見られるため、表の右列を見ながら、どの資料がどの立証に使われるかを確認してください。

優先度書類名主な取得先失うと困る理由
S交通事故証明書自動車安全運転センター事故の事実を公的に証明する基礎資料になります。
S初診時の診断書受診医療機関事故直後の受傷状況と傷病名を示す出発点になります。
S診療記録の写し受診医療機関因果関係、症状経過、治療内容の中核証拠になります。
S画像データと読影レポート受診医療機関骨折、神経損傷、頭部外傷などの客観資料になります。
S診療報酬明細書と領収書医療機関、薬局治療内容と支払額の双方を示します。
S休業損害証明書、給与・確定申告資料勤務先、税務資料休業損害や逸失利益の算定基礎になります。
S自賠責・任意保険の請求書類一式保険会社、本人作成何を請求し、何を提出し、何を認定されたかを残します。
S後遺障害診断書主治医後遺障害認定の中心資料になります。
S認定結果通知、支払通知、異議申立書保険会社等認定経過、支払内容、不服申立ての争点を確認できます。
S示談書、和解調書、判決書、支払証明当事者、裁判所、保険会社最終解決の内容と履行状況を確定します。

次の一覧は、資料を失わないための行動原則を5つに分けたものです。書類名を覚えるだけでは管理が続かないため、原本、時系列、紙とデータ、取得情報、説明メモという観点で読み取り、日々の保管方法に落とし込むことが重要です。

原本を残す

裁判所や保険会社へは写し提出を基本に考え、原本は手元で整理保管します。

原本管理

事故日を起点に並べる

事故当日、初診、転医、手術、復職、症状固定、認定、示談提案を順番に追える状態にします。

時系列

紙とデータの両方を持つ

画像CD、PDF、紙レポートが混在するため、どちらか一方だけに頼らない保管が安全です。

二重保管

取得日と取得先を記録する

同じ診断書でも、いつ、どの病院から、どの版を取得したかで意味が変わります。

版管理

説明内容も書き残す

病院、警察、保険会社などから受けた説明は、後の整理や相談で重要な素材になります。

記録
注意一般的には、原本を一度手放すと別制度へ提出する場面で困ることがあります。提出を求められた場合でも、原本提出が本当に必要か、写しで足りるかを確認してから対応することが大切です。
Section 02

交通事故の書類保管が証明を左右する理由

事故、傷病、治療、損害、最終解決を資料で連結する必要があります。

交通事故で問題になる立証は、大きく6つの段階に分かれます。次の判断の流れは、どの資料がどの段階を支えるかを表しています。順番に意味があり、上の段階が弱いと下の損害計算や解決文書の説得力も弱くなるため、抜けている段階がないかを確認してください。

交通事故の立証を支える6段階

事故があったこと

交通事故証明書、通報記録、現場メモ

どのような事故態様だったか

現場写真、ドライブレコーダー、事故発生状況報告書

どの傷病が生じたか

初診時診断書、診療記録、画像資料

どの治療が続いたか

診療報酬明細書、領収書、リハビリ記録

どの損害がいくら発生したか

休業損害証明書、収入資料、修理見積書

何が認定され誰が支払うべきか

認定結果通知、示談書、判決書、支払証明

次の表は、事故後によく使う用語と、その資料が持つ意味を整理したものです。用語の違いが分かると、診断書だけでは足りない場面、領収書だけでは説明しにくい場面、保険や労災の届出控えが重要になる場面を読み取りやすくなります。

用語意味保管上の注意
交通事故証明書警察から提供された資料に基づき、交通事故の事実を確認したことを証明する書面です。警察への届出が前提です。人身事故は原則5年、物件事故は原則3年の制限に注意します。
診療記録診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見、画像、紹介状、退院要約などを含みます。患者等から開示を求められた場合、原則として応じるべきものとされています。
診療報酬明細書どの診療行為が行われたかを確認しやすい資料です。単なる領収書より治療内容の裏付けに使いやすく、自賠責請求でも重要です。
症状固定症状が安定し、一般的な医療を続けても効果が期待しにくくなった時点を指します。後遺障害請求の起点になるため、診断書と過去の治療経過を合わせて残します。
第三者行為による傷病届交通事故など第三者の行為で負傷し、健康保険を使うときに保険者へ届け出る書類です。健康保険を使った事実ではなく、届出控えや照会回答の欠落が後で問題になり得ます。
第三者行為災害届業務中または通勤中の交通事故で労災保険給付を受ける際に提出する書類です。正当な理由なく提出しない場合、給付が一時差し止められることがあると案内されています。
ポイント交通事故の解決は、資料を1枚ずつ集めるだけでなく、事故日から支払完了までの説明としてつながるかが問われます。資料名、取得日、取得先、提出先を台帳で管理すると、相談や請求の場面で整理しやすくなります。
Section 03

事故から解決までフェーズ別に保管する書類一覧

事故直後、警察、医療、保険、物損、後遺障害、解決文書まで段階ごとに整理します。

次の時系列は、事故から最終解決までの主な段階と、その時点で失いやすい資料を示しています。上から下へ進む順番に意味があり、早い段階ほど再取得が難しい資料が多くなります。読者は、現在の進行段階だけでなく、後で必要になる資料も先回りして保存してください。

事故直後から24時間以内

現場と初動の資料

現場全景、車両損傷、負傷部位、ドライブレコーダー原データ、目撃者情報、通報・搬送メモを残します。

警察・公的証明

交通事故証明と届出資料

交通事故証明書、人身事故切替の診断書控え、警察や検察からの通知、取扱警察署や担当者のメモを保管します。

初診から治療継続

医療資料と支出資料

診断書、診療録、画像、読影レポート、領収書、診療報酬明細書、通院交通費、リハビリ記録、症状日誌を蓄積します。

収入・保険・公的給付

休業と制度調整の資料

休業損害証明書、給与資料、確定申告資料、自賠責・任意保険請求書類、健康保険・労災の届出控えを残します。

症状固定・後遺障害

認定資料

後遺障害診断書、症状固定までの画像一式、検査結果、家族や勤務先の報告書、認定結果通知を一体で管理します。

示談・調停・訴訟・死亡事故

最終解決と相続関係の資料

示談書、和解調書、判決書、支払証明、死亡診断書、戸籍、葬儀費用、相続関係資料などを長期保管します。

事故直後から24時間以内

次の表は、正式書類がそろう前に確保したい資料をまとめたものです。再取得のしやすさの列が重要で、事故直後にしか残せない資料ほど優先順位が高くなります。特に写真、原データ、目撃者情報は、後日の事故態様争いで補助資料になります。

資料取得方法実務上の意味再取得のしやすさ
事故現場の全景写真スマートフォン等位置関係、天候、路面、見通しの記録ほぼ不可
車両損傷写真本人、レッカー、修理工場損傷態様、衝突方向、修理前状態の記録修理後は困難
負傷部位写真本人、家族打撲、腫れ、裂創など初期状態の補助証拠時間経過で不可
ドライブレコーダー原データ車載機器から保存事故態様、速度、信号、相手挙動の重要資料上書きされやすい
目撃者の氏名・連絡先その場で確認後日の確認や証言の起点その場を逃すと困難
相手方の情報メモ免許証、車検証、保険会社名等後日の請求先確定に必要事故直後が最も確実
レッカー・ロードサービス伝票業者から受領物損費用、保管料、移動経過の証明一部再発行可
通報・搬送に関するメモ110番、119番、搬送先、時刻初動対応の時系列整理後で曖昧になりやすい

医療・収入・保険の資料

次の比較表は、医療資料、就労資料、保険・公的給付資料をまとめて確認するためのものです。列ごとに取得先と用途を分けているため、どの機関へ依頼すべきか、どの損害を説明する資料かを読み取れます。

分野保管すべき資料主な取得先用途
初診医療診断書、診療録、画像データ、読影レポート、紹介状、手術説明書、退院要約医療機関事故直後の傷病、治療内容、客観所見の確認
治療継続領収書、診療報酬明細書、通院交通費、リハビリ記録、症状日誌、就労制限文書医療機関、本人、勤務先治療必要性、支出額、生活支障の整理
収入・生活休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、勤怠記録、確定申告書、介護日誌、学校記録勤務先、税務資料、家族、学校休業損害、逸失利益、家事・介護・学業支障の説明
自賠責・任意保険支払請求書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書、画像、支払通知保険会社、本人、医療機関何を請求し、何が認定され、どの理由で支払われたかの記録
健康保険第三者行為による傷病届、連絡記録、事故状況説明、相手方情報、照会回答控え保険者、本人健康保険利用時の調整と説明
労災第三者行為災害届、交通事故証明書、念書・同意書、労災請求書控え、支払決定通知労基署、勤務先、本人業務中・通勤中事故の給付と損害賠償の調整

物損・後遺障害・解決文書・死亡事故

次の表は、後半で問題になりやすい資料をまとめたものです。修理前状態、症状固定までの経過、最終合意、死亡事故の相続関係は後から補いにくいため、左列の分野ごとに一式で保管することが重要です。

分野主な資料保管する理由
車両・物損修理見積書、請求書、修理前後写真、代車契約書、レッカー費用、全損評価資料、携行品購入証明損害額だけでなく、事故態様や修理前状態の確認にも役立ちます。
後遺障害後遺障害診断書、事故直後から症状固定までの画像、神経学的検査、症状日誌、生活変化報告、認定結果通知診断書だけでなく、全治療経過が認定資料の信用性を支えます。
示談・調停・訴訟内容証明、請求書、回答書、示談提案書、計算書、訴状、準備書面、証拠説明書、和解調書、判決書、入金記録交渉経過、主張構造、最終解決内容、履行状況を示します。
死亡事故死亡診断書または死体検案書、戸籍・除籍、相続関係説明図、葬儀費用、収入資料、扶養関係資料、保険請求書類医療、刑事、民事、保険、相続、税務の手続が同時に進むためです。
Section 04

交通事故書類の再発行と保管期間の考え方

再取得できる資料と戻らない資料、制度上の期限を分けて考えます。

次の表は、資料を再取得しやすい順ではなく、実務上の証拠価値に注意しながら整理したものです。法的には再発行できる資料でも、時間が経つほど内容確認が難しくなることがあります。右列を見て、早く確保すべき資料を見極めてください。

区分代表例再取得可能性実務上の評価
比較的再取得しやすい交通事故証明書、戸籍、住民票期間内であれば可能早めの取得が安全です。
再取得できるが早い方がよい診療記録、画像データ、診断書医療機関の保存と手続に依存医療機関の保存年限との差に注意します。
一部再発行可能領収書、修理明細、勤務先証明発行先次第時間が経つほど困難になります。
実質的に戻らない現場写真、ドライブレコーダー原データ、目撃者連絡先、修理前状態ほぼ不可最優先で保全します。
記憶依存で弱くなる電話内容、説明内容、痛みの程度、日常生活支障書き残さない限り不可事故後すぐのメモが重要です。

次の一覧は、主要制度の期限を時系列で確認するためのものです。期限は請求や交付の可否に影響するため、いつを起点に数えるかが重要です。個別事情で扱いが変わる場合もあるため、時効が近いときは早めに専門家や制度窓口へ確認してください。

交通事故証明書

人身事故は原則5年、物件事故は原則3年

警察届出がなければ発行されません。必要性を感じなくても早めの取得が安全です。

自賠責の被害者請求

傷害は事故発生から3年、後遺障害は症状固定から3年、死亡は死亡から3年

請求類型によって起算点が異なります。

生命・身体侵害の損害賠償請求権

損害と加害者を知った時から5年、不法行為時から20年

2020年4月1日以降の改正民法下の一般的な整理です。旧法や経過措置は個別確認が必要です。

診療録

法令上5年間の保存義務

患者側が必要とする期間はこれより長くなることがあります。

重要示談が終わったから直ちに捨ててよいとは限りません。保険会社との交渉、自賠責請求、健康保険や労災との調整、後遺障害認定、支払完了後の履行確認まで見て、長期保管する資料を分けることが安全です。
Section 05

事故から解決までの書類保管で多い失敗と実務テンプレート

よくある落とし穴を避け、すぐ使えるフォルダ構成と台帳項目に落とし込みます。

次の一覧は、交通事故の書類保管で特に多い失敗をまとめたものです。どの失敗も、後から資料を集めればよいという発想から起きやすいため、左上から順に自分の案件で同じ穴がないかを確認してください。

交通事故証明書を後回しにする

保険、労災、支援制度、訴訟で後から必要になることがあります。

領収書だけを残す

支払額は分かっても、治療が必要だった理由は診療記録や画像で補う必要があります。

画像データを確保しない

後遺障害や脳外傷では、紙レポートだけでなく画像そのものが重要になることがあります。

健康保険や労災の届出控えを軽視する

第三者行為の届出や照会回答は、後の調整を説明する資料になります。

修理後に物損写真を探す

修理前の損傷状態は再現できないため、着手前の写真と見積書が重要です。

原本を渡してしまう

写しで足りる提出先もあるため、原本は手元保管を基本に考えます。

症状日誌を作らない

痛み、しびれ、めまい、睡眠、家事制限、運転制限は時間が経つほど具体性が失われます。

次の表は、紙フォルダやデータフォルダを作るときの分類例です。番号順に並べることで、事故直後から最終解決までを自然に追えるようになります。読者は、自分の案件にない分類を削るのではなく、該当しないものとして空欄管理するかを検討してください。

番号分類名入れる資料の例
01事故現場現場写真、車両位置、目撃者メモ、ドラレコ保存メモ
02警察・交通事故証明交通事故証明書、警察届出、通知書、担当者メモ
03医療・初診初診診断書、初診時カルテ、画像、紹介状
04医療・継続治療通院記録、リハビリ記録、処方、お薬手帳
05画像CT、MRI、X線、読影レポート、画像受領記録
06領収書・診療報酬明細医療費、薬代、交通費、文書料
07休業・収入・勤務先休業損害証明書、給与明細、勤怠、確定申告資料
08健康保険・労災第三者行為関係届出、請求書控え、支給決定通知
09自賠責・任意保険請求書、事故発生状況報告書、支払通知、照会回答
10後遺障害後遺障害診断書、認定結果、異議申立書
11車両・物損見積書、修理写真、代車、レッカー、全損評価
12交渉・示談請求書、回答書、示談案、計算書、最終示談書
13調停・訴訟申立書、訴状、準備書面、証拠説明書、判決書
14死亡事故・相続死亡診断書、戸籍、相続関係、葬儀費用、収入資料
99メモ・時系列表電話メモ、説明内容、症状日誌、台帳

次の台帳項目は、1枚で案件全体を管理するための一覧です。日付、機関、受付番号、認定結果を一つの表にすることで、書類の山から必要情報を探す時間を減らせます。空欄がある箇所は、これから取得すべき資料の候補として読み取ってください。

項目記入例確認する資料
事故日・事故場所2026-04-15、東京都内の交差点交通事故証明書、現場メモ
相手方氏名・車両番号相手方名、車両番号相手方情報メモ、車検証
取扱警察署警察署名、担当者名届出メモ、通知書
初診日・初診医療機関2026-04-15、救急外来診断書、診療記録
傷病名・画像取得頚椎捻挫、腰部打撲、CTあり、MRIあり診断書、画像、読影レポート
休業開始日2026-04-16休業損害証明書、勤怠記録
保険会社受付番号受付番号を記載保険会社通知、メール
労災・健康保険届出提出日、受付日届出控え、照会回答
症状固定日・診断書取得日2026-08-20、2026-08-22後遺障害診断書
認定結果・示談成立日・最終支払日非該当または等級、示談日、入金日認定通知、示談書、入金記録

最低限のチェックリスト

  • 交通事故証明書を取得した
  • 初診時の診断書を保存した
  • 診療記録の開示請求先を確認した
  • 画像データと読影レポートを確保した
  • 領収書と診療報酬明細書を時系列で保存した
  • 通院交通費の明細を作った
  • 休業損害証明書や収入資料を確保した
  • 健康保険または労災の届出控えを保存した
  • 保険会社からの通知を全て保存した
  • 症状固定前後の資料を一式まとめた
  • 示談書または判決書、支払記録を保存した

事故から解決まで保管しておくべき書類一覧は、単なる持ち物リストではありません。複数制度を横断する交通事故を、証明可能な形で最後まで通すための設計図です。最も危険なのは、後で取り直せるだろうという油断です。まず資料の保存体制を作ることが、適正な補償、認定、解決に到達する近道になります。

Reference

この記事の参考情報源

公的機関、裁判所、保険実務資料を中心に確認しています。

公的機関・裁判所資料

  • 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 自動車安全運転センター「申請方法」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 国土交通省「障害が残ったときは?」
  • 厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針の策定について」
  • 厚生労働省「診療録等の保存を行う場所について」
  • 全国健康保険協会「第三者行為による傷病届」
  • 厚生労働省「第三者行為災害のしおり」
  • 裁判所「民事訴訟(交通事件)で使う書式」
  • 地方裁判所資料「証拠書類の提出方法について」
  • 法務省「2020年4月1日から事件や事故によって発生する損害賠償請求権の時効が変わりました」
  • 国土交通省「交通事故にあったときには」
  • 警視庁「交通事故にあわれた方へ」

保険実務資料

  • 損害保険料率算出機構「脳外傷による高次脳機能障害の後遺障害認定について」
  • 損害保険料率算出機構「請求キット 冊子② ご請求に関する書類」