初診、診療科、通院頻度、治療費、症状固定、後遺障害、示談前の確認まで、医療・保険・法律の接点を一般情報として整理します。
初診、診療科、通院頻度、治療費、症状固定、後遺障害、示談前の確認まで、医療・保険・法律の接点を一般情報として整理します。
交通事故後の通院は、医学的な回復だけでなく、保険実務と損害賠償の資料づくりにも関係します。
交通事故の治療と通院に関する問題は、単に病院へ行くかどうかの話ではありません。医学的には損傷の発見、悪化予防、疼痛管理、機能回復、後遺症評価に関わり、保険実務上は治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料、後遺障害認定に関わります。法律上は、不法行為による損害賠償の範囲、相当因果関係、過失相殺、時効、証拠評価が問題になります。
次の一覧は、交通事故後の治療と通院を支える六つの領域を整理したものです。どの領域の資料が足りないかを見つけることが重要で、医療記録だけ、保険会社とのやり取りだけ、事故資料だけに偏らないよう読み取ってください。
| 領域 | 主な関係者 | 治療と通院に関する意味 |
|---|---|---|
| 現場対応 | 警察官、救急隊員、消防、レッカー | 事故発生、負傷、搬送、届出、交通事故証明書の前提をつくります。 |
| 医療 | 救急医、整形外科医、脳神経外科医、看護師、リハビリ職、心理職 | 診断、画像検査、治療、リハビリ、症状固定、後遺症評価を担います。 |
| 保険 | 自賠責保険、任意保険、共済、損害調査担当 | 治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害の支払判断に関与します。 |
| 法律 | 弁護士、裁判所、司法関係者 | 損害賠償、過失割合、因果関係、時効、示談、訴訟を扱います。 |
| 車両・工学 | 事故鑑定人、整備士、映像解析者 | 衝突態様、速度、車両損傷、回避可能性を検討します。 |
| 生活再建 | 社労士、医療ソーシャルワーカー、福祉職、産業医、職場担当者 | 労災、傷病手当金、障害年金、復職、介護、就労支援に関わります。 |
次の重要ポイントは、事故後の判断で特に見落とされやすい三つの軸を示します。左から順に、誰の判断を基礎にするか、何が賠償で評価されるか、どの段階で資料の意味が変わるかを確認してください。
治療継続、検査、リハビリ、症状固定は、症状や検査結果を踏まえた医師の判断が土台になります。
治療費、交通費、休業、慰謝料は、事故との関係や治療内容の必要性を含めて評価されます。
症状固定前後では、治療費中心の資料から、後遺障害や将来損害の資料へ重点が移ります。
このページは一般的な制度説明です。頭部外傷、意識障害、強い首や背中の痛み、手足の麻痺、胸腹部痛、息苦しさ、嘔吐、けいれん、視力障害、強いめまい、出血、骨折が疑われる場合は、保険や示談よりも救急受診が優先される対応とされています。
同じ言葉でも、医療、保険、法律で意味がずれることがあります。
交通事故後のやり取りでは、治療、通院、症状固定、後遺障害、一括対応などの言葉が何度も出てきます。次の比較表は、各用語が何を示し、どの場面で重要になるかを整理したものです。後の章で出てくる判断の前提として、医学的な意味と保険上の意味の違いを読み取ってください。
| 用語 | 意味 | 通院実務での注意点 |
|---|---|---|
| 治療 | 診察、検査、投薬、処置、手術、リハビリ、経過観察などです。 | 慢性疼痛、神経症状、精神症状、社会復帰支援も検討対象になります。 |
| 通院 | 入院せずに医療機関で診察、検査、リハビリ、処方を受けることです。 | 回数、期間、実治療日数、間隔、診療内容、症状推移が資料になります。 |
| 入院 | 医療機関に滞在して治療を受けることです。 | 急性期、回復期、慢性期で病院や病棟の役割が変わることがあります。 |
| 転院 | 治療目的や病状に応じて医療機関を変更することです。 | 紹介状、画像、診療情報提供書、転院理由を残すことが重要です。 |
| リハビリテーション | 機能回復や社会復帰を目指す医学的支援です。 | 慰謝料のためではなく、医学的目標を持つ治療として位置づけます。 |
| 症状固定 | 一般に、治療を続けても医学上通常期待できる改善が見込めない状態です。 | 治ったという意味ではなく、治療費中心の段階から後遺障害評価の段階へ移ります。 |
| 後遺障害 | 症状固定後も残る障害で、一定の等級評価の対象となるものです。 | 後遺障害診断書だけでなく、初診からの経過や検査所見も評価されます。 |
| 相当因果関係 | 事故と損害との間に、賠償対象として認めるべき関係があることです。 | 受診時期、診断名、画像、既往症、事故態様、生活変化が総合的に検討されます。 |
| 一括対応 | 任意保険会社が自賠責保険分を含めて治療費等を支払う実務運用です。 | 便利な仕組みですが、治療の必要性を最終決定する制度ではありません。 |
警察への届出、初診、救急受診の判断は、医療安全と証拠管理の両方に影響します。
事故直後は、身体の安全確認と資料の出発点づくりが重なります。次の時系列は、最初に確認する順番を示すものです。上から順に、緊急性、届出、初診、記録の流れを押さえると、後から事故との関係を説明しやすくなります。
意識障害、強い痛み、麻痺、胸腹部痛、呼吸困難、出血、骨折が疑われる場合は、119番や救急受診が優先される対応とされています。
交通事故証明書は、警察から提供された資料に基づく重要書類です。負傷がある場合は、その事実を伝えることが後の手続に影響します。
初診記録には、受傷部位、神経症状、意識障害、画像検査、診断名、治療方針が残ります。受診が遅れた理由も記録化の対象になります。
痛みの部位、出現時期、仕事や家事への影響、通院できなかった事情を整理しておくと、医師や保険会社への説明が具体化します。
次の一覧は、一般に救急受診が優先される症状をまとめたものです。命や後遺症に関わる可能性を見落とさないことが重要で、保険連絡や施術予約よりも、赤信号に近い症状がないかを先に読み取ってください。
頭を打った、意識を失った、記憶がない、嘔吐、強い頭痛、けいれん、言葉が出にくい場合です。
首や背中の強い痛み、手足のしびれ、片側の脱力、歩行障害、感覚異常がある場合です。
胸痛、腹痛、呼吸困難、血尿、創傷、出血、骨折や脱臼が疑われる場合です。
子ども、高齢者、妊婦、基礎疾患がある人の事故では、症状の訴えが見えにくいことがあります。
物損事故として扱われた後に痛みが出ることもあります。その場合は、診断書を取得し、警察や保険会社に相談する流れが一般的ですが、人身扱いにできるか、どの書類が必要かは事故状況や警察実務によって異なります。
症状に合う診療科を選び、医師の診断と施術の位置づけを混同しないことが大切です。
次の一覧は、交通事故で相談対象になりやすい診療科を症状別に整理したものです。どの診療科が中心になるかを見誤ると、必要な検査や診断書が不足しやすいため、症状と受診先の対応関係を読み取ってください。
むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫、骨折、脱臼、打撲、関節痛、筋損傷、神経根症状、可動域制限で中心になります。
骨・関節初診記録頭部外傷、意識障害、記憶障害、注意障害、めまい、けいれん、麻痺、失語、人格変化などで評価が必要になることがあります。
頭部外傷高次脳機能めまい、耳鳴り、難聴、耳閉感、平衡障害が続く場合に、内耳障害や前庭機能障害を含めて検討します。
めまい視力低下、視野異常、複視、眼痛、眼球打撲、網膜損傷、眼窩骨折が疑われる場合に検査が必要です。
視機能歯の破折、脱臼、顎関節症状、咬合異常、顎骨骨折、口腔内損傷がある場合に受診先となります。
口腔外傷不眠、悪夢、不安、運転恐怖、抑うつ、過覚醒、集中力低下、パニック症状などは記録化が重要です。
心理面整骨院、接骨院、鍼灸、マッサージは、医療機関での診断や画像検査と役割が異なります。次の比較表は、医師の診療と施術の違いを示すものです。費用が支払われる可能性だけでなく、後遺障害や因果関係の資料として何が残るかを読み取ってください。
| 項目 | 医療機関 | 整骨院等 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 診断、検査、投薬、手術、リハビリ、診断書作成 | 柔道整復、はり、きゅう、マッサージなどの施術 |
| 後遺障害資料 | 後遺障害診断書、画像、神経学的所見の中心になります。 | 施術記録は補助資料になり得ますが、診断書の中心にはなりにくいです。 |
| 費用の考え方 | 事故との関係、必要性、妥当性が検討されます。 | 必要かつ妥当な実費となる可能性がありますが、無条件ではありません。 |
| 注意点 | 症状、検査、治療方針を具体的に伝えることが重要です。 | 医師の治療方針との整合性、施術内容、頻度、症状変化の記録が重要です。 |
回数だけでなく、症状、治療内容、間隔、記録の一貫性が見られます。
通院頻度に、すべての事故へ共通する固定回数はありません。次の比較表は、通院評価で見られやすい要素を整理したものです。単に多い少ないではなく、症状や治療目的と整合しているかを読み取ってください。
| 場面 | 考え方 | 記録しておきたいこと |
|---|---|---|
| 集中的な治療が必要な場合 | 骨折後、脊髄損傷、脳外傷、手術後、関節拘縮ではリハビリを含む継続治療が必要になることがあります。 | リハビリ計画、可動域、筋力、生活動作、症状の改善度 |
| 軽症で早期改善した場合 | 長期高頻度通院を続けると、医学的必要性が疑問視される可能性があります。 | 改善した時期、残る症状、治療終了の判断 |
| 通院間隔が空く場合 | 事故との関係、症状継続、治療の必要性について説明を要することがあります。 | 仕事、育児、介護、予約、感染症流行、経済事情などの理由 |
| 慰謝料を意識する場合 | 傷害慰謝料は治療期間や実治療日数などを踏まえて考慮されますが、形式的な回数増加が目的ではありません。 | 診療内容、症状推移、医師の指示、必要な治療であること |
次の判断の流れは、通院を続けるか迷う場面で確認する順番を示しています。上から順に、医学的必要性、通院できない理由、保険上の資料、専門家相談の必要性を読み取ると、漫然通院と必要な治療を分けて考えやすくなります。
痛み、しびれ、可動域、生活支障、リハビリ目標を医師に伝えます。
通院頻度、薬、検査、セルフケア、勤務調整の必要性を確認します。
仕事、育児、介護、予約などの事情を残します。
診療内容、症状変化、交通費、領収書を保管します。
薬だけをもらう通院も治療の一部になることがありますが、長期にわたり診察内容が乏しく、症状評価や治療計画が記録されていない場合は、通院の実質が問題となることがあります。薬の効果、副作用、必要性、減薬や変更の経過も医師と確認します。
治療費、交通費、文書料、健康保険、労災は、制度ごとの手続が異なります。
自賠責保険の傷害損害では、積極損害、休業損害、慰謝料という整理が用いられます。次の比較表は、治療と通院で問題になりやすい費用を分けたものです。実際に払ったかだけでなく、必要かつ妥当な実費といえるかを読み取ってください。
| 費用 | 含まれやすいもの | 保存する資料 |
|---|---|---|
| 治療関係費 | 応急手当、診察、入院、投薬、手術、処置、リハビリ、柔道整復等の費用 | 領収書、診療明細、診断書、画像、リハビリ記録 |
| 通院交通費 | 電車、バス、自家用車、必要性がある場合のタクシーなど | 通院日、経路、交通手段、領収書、医師の指示や歩行困難の事情 |
| 文書料 | 診断書、診療報酬明細書、交通事故証明書、印鑑証明書、住民票など | 発行費用の領収書、請求に必要な書類一式 |
| 休業損害 | 治療や症状により仕事や家事に支障が出た損害 | 休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書、勤務表 |
健康保険や労災は、相手方保険会社の一括対応とは別の制度です。次の判断の流れは、健康保険と労災を検討するときの順番を示しています。業務中・通勤中かどうか、第三者行為届が必要か、示談前に調整が必要かを読み取ってください。
業務中または通勤途中か、それ以外の私的な移動中かを整理します。
労働基準監督署、勤務先、社労士等に第三者行為災害届や給付調整を確認します。
加入保険者へ第三者行為による傷病届の提出を確認します。
同一事由の重複受領や求償への影響を確認してから進めます。
交通事故では健康保険を使えないと誤解されることがありますが、業務上や通勤災害でなければ、健康保険を使って治療を受けることができるとされています。ただし、第三者行為による傷病届などの手続が必要です。過失割合が大きい場合、治療費が高額な場合、一括対応が打ち切られた場合には、健康保険利用の有無が実質負担に影響することがあります。
打切りは、医師による治療終了の医学的診断とは区別して考えます。
保険会社から治療費の支払終了を告げられても、それは一括対応や任意保険会社としての支払判断です。次の判断の流れは、打切り連絡を受けたときに確認する順番を示しています。上から順に、医学的必要性、保険会社の理由、費用負担の選択肢、資料保存を読み取ってください。
現在の症状、治療効果、今後の治療計画、症状固定の見込みを確認します。
打切り理由、支払終了予定日、医療照会の有無、今後の必要書類を確認します。
健康保険、労災、自費、被害者請求などの選択肢を制度ごとに検討します。
領収書、診療明細、交通費記録、検査、リハビリ計画、症状変化を保存します。
次の時系列は、打切り前後で資料の意味がどう変わるかを示しています。早い段階ほど医師の治療計画が重要で、打切り後ほど自費通院や健康保険利用の証拠が重要になる点を読み取ってください。
電話だけで終わらせず、内容、日付、担当者、理由、必要資料を記録します。
症状、所見、治療効果、リハビリ目標、症状固定時期を確認します。
自費や健康保険で通院する場合も、事故との関係と必要性を示す資料を残します。
症状が残りそうな場合は、後遺障害診断書や必要検査について主治医に相談します。
打切り後に自費や健康保険で通院した費用も、事故と相当因果関係があり、必要かつ相当な治療であれば、後に請求対象となる可能性があります。ただし、すべてが認められるとは限らず、長期通院では医学的必要性を示す記録がより重要になります。
症状固定の前後で、中心となる損害項目と準備資料が変わります。
症状固定は、治療終了と同じ意味ではありません。次の比較表は、症状固定前後で問題になりやすい損害項目を整理したものです。前後で資料の目的が変わるため、どの段階で何を準備するかを読み取ってください。
| 段階 | 中心となる項目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 症状固定前 | 治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料 | 治療内容、通院期間、実治療日数、症状推移が重要です。 |
| 症状固定時 | 後遺障害診断書、画像、検査、症状の一貫性 | 医師の記載だけでなく、初診からの経過全体が見られます。 |
| 症状固定後 | 後遺障害慰謝料、逸失利益、将来介護費、将来治療費、装具費、住宅改造費 | 維持、悪化防止、疼痛管理、将来治療の必要性が個別に問題になります。 |
次の一覧は、症状固定を急がない方がよい場合に見られる要素を整理しています。まだ改善や検査が残っているのか、漫然通院になっていないかを分けて読むことが重要です。
骨癒合や可動域回復がまだ進行中である場合は、医学的経過の確認が必要です。
手術予定、再手術、専門医評価が残っている場合は、症状固定時期を慎重に検討します。
認知機能評価、神経心理学的検査、家族や職場の観察資料が未整理のことがあります。
MRI、神経学的検査、専門医評価が未実施なら、症状の根拠確認が重要です。
後遺障害申請では、後遺障害診断書だけで等級が決まるわけではありません。次の一覧は、申請で重視される資料の種類をまとめたものです。医療側、事故側、生活側の資料を一体として見ることが、症状の一貫性や支障の具体性を説明するうえで重要です。
| 資料群 | 具体例 | 意味 |
|---|---|---|
| 医療資料 | 診断書、診療報酬明細書、カルテ、看護記録、リハビリ記録、画像、神経学的検査 | 初診から症状固定までの症状、検査、治療経過を示します。 |
| 後遺障害資料 | 後遺障害診断書、可動域測定、筋力検査、神経心理学的検査 | 残存症状や機能障害を評価する中心資料になります。 |
| 事故資料 | 交通事故証明書、車両写真、修理見積、ドライブレコーダー、事故状況資料 | 事故態様や受傷機転を説明します。 |
| 生活資料 | 家族の観察、職場や学校の変化、勤務表、休業資料、症状日誌 | 日常生活、仕事、学業への影響を具体化します。 |
むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫では、画像で明確な外傷性異常が出ないことがあります。そのため、事故直後からの症状、一貫性、神経学的所見、MRIなどの説明可能な所見、通院継続、仕事や日常生活への支障、既往症や加齢変化との区別が重視されます。高次脳機能障害では、急性期記録、意識障害の有無、画像、神経心理学的検査、家族や職場の観察が重要になります。
遅れた受診、転院、MRI、子ども・高齢者など、説明が必要になりやすい具体例を整理します。
次の一覧は、交通事故後に争点になりやすい具体例を整理したものです。各項目では、何が疑問視されやすいか、どの資料で説明するかを読み取ることが重要です。
いつ、どこに、どのような症状が出たか、なぜすぐ受診できなかったかを正確に説明します。
診断書を取得し、警察や保険会社へ相談します。必要書類は事故証明の扱いで変わることがあります。
車両写真、修理見積、衝突方向、乗車姿勢、症状、検査、治療経過を合わせて整理します。
主治医に事情を伝え、通院頻度、薬、セルフケア、勤務調整、診断書の必要性を相談します。
待ち時間、専門性、距離、設備、相性など合理的理由を整理し、紹介状や画像を引き継ぎます。
痛みの部位、性質、悪化動作、しびれ、仕事や家事への影響、薬やリハビリの効果を具体化します。
次の比較表は、検査、子ども、高齢者など、特に見落としやすい場面をまとめたものです。本人の訴えだけに頼りにくい場合や、事故前の状態との比較が必要な場合に、どの観察記録が役立つかを読み取ってください。
| 場面 | 問題になりやすい点 | 整理する資料 |
|---|---|---|
| MRIやCT | 必要性は症状、診察所見、神経症状、経過により医師が判断します。 | しびれ、脱力、疼痛、可動域制限、めまい、頭痛などの具体的症状 |
| 薬だけの通院 | 投薬管理も治療の一部ですが、長期に診察内容が乏しいと実質が問題になります。 | 薬の効果、副作用、必要性、減薬や変更の経過 |
| 子どもの事故 | 症状を言語化しにくく、心理面や通学への影響が見えにくいことがあります。 | 睡眠、食欲、機嫌、集中力、学習、運動、登校状況、保護者の休業 |
| 高齢者の事故 | 骨折、慢性硬膜下血腫、圧迫骨折、既往症悪化、廃用、介護状態の変化が問題になります。 | 事故前の生活状況、介護度、歩行能力、服薬、既往歴、事故後の変化 |
不法行為責任、自賠責保険、過失相殺、時効の枠組みを確認します。
治療と通院の問題は、医療だけで完結しません。次の比較表は、損害賠償や保険手続の土台になる法律上の要素を整理したものです。どの制度が何を支え、どの場面で確認が必要になるかを読み取ってください。
| 項目 | 基本的な位置づけ | 通院実務への影響 |
|---|---|---|
| 民法709条・710条 | 故意または過失により他人の権利や利益を侵害した者の損害賠償責任と、精神的損害の賠償を定めます。 | 治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害による逸失利益などの基礎になります。 |
| 自動車損害賠償保障法 | 自動車の運行で人の生命または身体が害された場合の被害者保護を目的とします。 | 自賠責保険、任意保険の一括対応、民事上の損害賠償請求が重なって動きます。 |
| 過失相殺 | 被害者に過失がある場合、損害賠償額に影響することがあります。 | 治療費や慰謝料の計算だけでなく、最終的な受取額にも関わります。 |
| 時効・請求期限 | 人身損害の損害賠償請求権は、一定の期間制限が問題になります。 | 自賠責の被害者請求では、傷害は事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内が目安として説明されています。人身損害の民事時効では5年が問題になることがあります。 |
過失割合が争われる場合は、信号、速度、一時停止、歩行者や自転車の位置、ドライブレコーダー、実況見分、車両損傷、道路環境が重要になります。治療と通院の資料だけを見ていると、過失相殺による最終的な回収額を見落とすことがあります。
医療、事故、生活、仕事の資料を分けて保存し、相談時に全体を説明できるようにします。
次の一覧は、保存しておきたい資料を種類別に整理したものです。治療のための資料であると同時に、保険会社、損害調査機関、裁判所が経過を理解するための資料にもなる点を読み取ってください。
初診記録、診断書、診療報酬明細書、領収書、画像データ、検査結果、処方箋、リハビリ実施記録、入退院記録、看護記録、紹介状、後遺障害診断書を保存します。
交通事故証明書、警察への届出内容、現場写真、車両写真、修理見積、ドライブレコーダー、目撃者情報、道路状況、天候、路面状態を整理します。
勤務表、休業損害証明書、給与明細、確定申告書、有給休暇使用記録、家事・育児支障、学校欠席、介護サービス、症状日誌を残します。
次の一覧は、専門職ごとの視点を整理したものです。誰に何を相談するかを分けることが重要で、医師に法律交渉を求めたり、保険会社の支払判断を医学的判断と混同したりしないよう読み取ってください。
診断、治療、検査、症状固定、後遺障害診断書に関わります。症状と生活支障を正確に伝えることが重要です。
医学判断痛み、可動域、歩行、ADL、訓練内容、改善度、生活上の困難を記録することがあります。
生活機能因果関係、治療の必要性、治療期間、費用、休業損害、過失割合、後遺障害を確認します。
支払判断損害項目、立証、示談交渉、後遺障害申請、異議申立て、訴訟、過失割合、時効を検討します。
法的整理届出、現場確認、衝突角度、速度、車両損傷、視認性、映像などの事故態様を扱います。
事故態様労災、休業補償、障害年金、退院調整、介護、就労支援、心理的支援に関わることがあります。
生活再建弁護士相談を検討しやすい場面には、治療費打切り、症状固定の強い要請、後遺障害の可能性、頭部外傷、脊髄損傷、骨折、顔面外傷、歯科損傷、整骨院費用や自由診療の争い、健康保険・労災・自賠責・任意保険の使い分け、休業損害、過失割合、既往症、示談案、加害者の無保険、時効などがあります。相談時は、事故日、事故状況、負傷内容、通院先、通院期間、保険会社名、交通事故証明書、診断書、保険会社からの文書、示談案、休業資料を整理しておくと、相談の精度が上がります。
事故直後、通院中、症状固定前、示談前で確認項目を分けます。
次の一覧は、時期別に確認したい項目をまとめたものです。上から順に進むほど、医療安全から証拠管理、後遺障害、示談内容へ重点が移るため、今いる段階の抜け漏れを読み取ってください。
よくある疑問を、一般的な制度説明として整理します。
一般的には、受診が遅れるほど事故と症状の関係について説明を要しやすいとされています。ただし、症状の出方、受診できなかった理由、初診時の記録、事故態様、既往症などによって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで医師や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、診断書、画像検査、後遺障害診断書の中心は医師の医学的診断とされています。整骨院等の施術費用が問題になる場合も、必要性、相当性、事故との関係、医師の治療方針との整合性によって扱いが変わる可能性があります。具体的には、医療機関での診察状況や施術記録を整理し、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、保険会社の打切り連絡は支払判断であり、医師による医学的な治療終了の診断とは区別されます。ただし、治療継続の必要性、費用負担、健康保険や労災の利用、後の請求可否は個別事情によって変わる可能性があります。具体的な対応は、主治医の意見や資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、症状固定後の治療費は争点になりやすいとされています。ただし、症状維持、悪化防止、疼痛管理、将来治療の必要性など、事故態様や医療記録によって検討が変わる可能性があります。具体的な見通しは、主治医の記録、検査結果、症状の経過を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、治療費、交通費、休業損害、慰謝料、後遺障害、逸失利益、過失割合、健康保険や労災との調整、将来治療、時効、清算条項を確認するとされています。ただし、事故態様、負傷程度、保険契約、既往症、後遺障害の有無で結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、示談案と資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。