交通事故後に治療費の一括対応終了を告げられたとき、保険会社の支払判断と医師の治療判断を切り分け、主治医意見、医療資料、保険制度、後遺障害申請までつなげて整理します。
保険会社の連絡だけで治療終了と決めつけず、医学的根拠と制度の使い分けを確認します。
保険会社の連絡だけで治療終了と決めつけず、医学的根拠と制度の使い分けを確認します。
交通事故後の通院中に、相手方任意保険会社から「そろそろリハビリを打ち切ります」「治療費の一括対応を終了します」「今月末で症状固定にしてください」と連絡されることがあります。この場面で重要なのは、その連絡を医療上の治療終了の決定と誤解しないことです。
医療上リハビリが必要かどうかは、原則として主治医が症状、画像所見、神経学的所見、関節可動域、筋力、疼痛、日常生活動作、就労状況、治療効果を踏まえて判断します。一方、保険会社の打ち切りは、多くの場合、以後の治療費を病院へ直接支払う一括対応をやめるという支払管理上の判断です。
保険会社の一括対応が終わっても、医師が必要と判断する治療を受けること自体が直ちに禁止されるわけではありません。ただし、続けた治療費が当然にすべて賠償対象になるわけでもないため、資料化と制度選択が重要になります。
電話で終了日を告げられても、主治医確認前に治療終了へ同意したように扱われる返答は避けます。
診断名、残存症状、他覚所見、リハビリ内容、改善傾向、今後の見通しを主治医に確認します。
健康保険、労災、人身傷害、自己負担での継続、後日の賠償請求を検討します。
改善可能性がある間は治療継続を考え、改善が頭打ちになれば症状固定と後遺障害資料の準備へ移ります。
次の判断の流れは、連絡を受けた直後から後遺障害申請の検討までを上から順に示しています。青は最初に確認する行動、紫は判断が必要な分岐、橙は資料不足や同意扱いの危険がある場面、緑は治療を続けるための制度的な受け皿を表します。
担当者名、発言内容、根拠資料の有無を残します。
リハビリ継続の必要性、頻度、期間、症状固定時期を確認します。
口頭説明だけで判断せず、診療録や計画書を整えます。
一括対応継続要請、健康保険、労災、人身傷害を検討します。
後遺障害診断書、画像、検査、生活支障を整理します。
同じ「打ち切り」という言葉でも、医療判断、支払運用、損害賠償の評価は別の問題です。
リハビリの打ち切りをめぐる混乱の多くは、医療、保険、法律の三層が混在することから生じます。保険会社が言う打ち切りは、多くの場合「以後の一括払いをやめる」という保険実務上の判断です。
| 層 | 中心になる人 | 問題になること | 弁護士対応の焦点 |
|---|---|---|---|
| 医療上の層 | 医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師 | 症状、機能障害、改善可能性、リハビリ計画、症状固定 | 主治医意見、診療録、検査、リハビリ計画の確認 |
| 保険実務上の層 | 任意保険会社、自賠責保険、共済、労災、健康保険 | 一括対応終了、支払限度額、第三者行為届、労災給付 | 支払継続要請、健康保険切替え、労災利用、被害者請求 |
| 法律上の層 | 弁護士、裁判所、損害調査機関 | 相当因果関係、必要性、相当性、損害額、過失相殺 | 証拠化、交渉、示談、調停、訴訟、後遺障害申請 |
加害者側任意保険会社が医療機関へ治療費を直接支払う実務上の運用です。永久に続く制度ではなく、一定時期に終了を打診されることがあります。
治療を継続しても大きな改善が見込めず、症状が安定した状態です。痛みが完全になくなったという意味ではありません。
事故による傷害が消失または実質的に回復した状態です。症状固定とは意味が異なります。
治療後も残り、労働能力や日常生活に支障を及ぼすものとして自賠責保険の等級評価の対象になり得る障害です。
交通事故など第三者の行為による負傷で健康保険を使う場合に、加入する健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険などへ提出する届出です。
日常語としてのリハビリ打ち切りには、少なくとも三つの意味があります。どの意味で使われているかを確認することで、取るべき対応が変わります。
| 表現 | 実際の意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 保険会社がリハビリを打ち切る | 保険会社が直接支払を終了する | 医療上の治療終了とは限りません。 |
| 医師がリハビリ終了と判断する | 医療上、リハビリ継続の必要性が乏しいと判断する | 症状固定、治癒、通院間隔変更など内容確認が必要です。 |
| 患者が通院をやめる | 経済的、時間的、心理的理由で通院中断する | 後日の賠償、後遺障害認定で不利に働くことがあります。 |
期間、画像、限度額、通院頻度などの理由を、個別事情に照らして確認します。
保険会社の理由が常に不当というわけではありません。ただし、個別事情を見ない機械的な打ち切りであれば、主治医意見や通院経過をもとに争う余地があります。
むち打ちや打撲捻挫では、事故から3か月前後、6か月前後などの節目で打診されることがあります。期間だけで医学的必要性が決まるわけではありません。
X線、CT、MRIで明らかな外傷所見がないことがあります。画像所見が乏しいことと症状がないことは同義ではありません。
自賠責保険の傷害部分には、治療関係費、休業損害、慰謝料などを含め、被害者1人につき120万円の限度額があります。
通院間隔が長く空くと、治療の必要性や事故との因果関係を争われやすくなります。予約事情や仕事などの理由を説明できるようにします。
施術が症状緩和に役立つことはありますが、賠償や後遺障害の中核資料は医師の診断書、診療録、画像、検査結果です。
保険会社が同意を得て医療機関へ照会し、治療終了相当や症状固定相当と判断することがあります。照会内容と主治医意見の相違点を確認します。
| 保険会社の説明 | 確認したい材料 | 反論の入口 |
|---|---|---|
| 期間が長い | 受傷内容、残存症状、改善している機能、通院頻度 | 期間だけではなく、改善可能性と治療内容の相当性を示します。 |
| 画像に異常がない | 神経学的所見、可動域、疼痛誘発動作、服薬状況 | 症状経過と診察所見の継続性で説明します。 |
| 軽微事故である | 車両損傷写真、修理見積書、衝突方向、乗車姿勢 | 車両損傷の大小だけで身体損傷の有無は決まりません。 |
| 既往症が原因 | 事故前の症状有無、事故後の症状変化、画像上の新旧判断 | 発症または増悪の経過を主治医意見と合わせて整理します。 |
| 治療効果がない | 可動域、鎮痛薬、睡眠、就労時間、歩行距離、しびれ範囲 | 改善指標があれば継続理由に、改善が乏しければ症状固定検討につながります。 |
感情的に反論する前に、同意扱いを避け、記録化と主治医確認を進めます。
| 記録項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | いつ電話やメールがあったか |
| 相手 | 保険会社名、担当者名、部署、連絡先 |
| 発言内容 | いつまで払うのか、理由は何か、症状固定と言ったか |
| こちらの回答 | 同意していないこと、主治医確認をすると伝えたこと |
| 次の予定 | 書面回答、医療照会、弁護士相談、主治医受診 |
| 確認事項 | 医学的意味 | 法務上の意味 |
|---|---|---|
| 現在の診断名 | 頚椎捻挫、腰椎捻挫、骨折、神経根症など | 事故との関連性の基礎 |
| 残存症状 | 痛み、しびれ、可動域制限、筋力低下など | 治療継続の必要性 |
| 他覚所見 | 画像、神経学的所見、可動域、筋力、反射など | 客観資料として重要 |
| リハビリ内容 | 運動療法、可動域訓練、筋力訓練、ADL訓練など | 治療内容の相当性 |
| 改善傾向 | どの機能が改善しているか | 継続の合理性 |
| 今後の見通し | 何か月程度、どの頻度が必要か | 延長交渉の期間設定 |
| 症状固定時期 | まだか、近いか、固定済みか | 後遺障害申請への移行判断 |
| 資料 | 入手先 | 目的 |
|---|---|---|
| 交通事故証明書 | 自動車安全運転センター等 | 事故発生の基礎資料 |
| 診断書 | 医療機関 | 傷病名と治療期間の確認 |
| 診療明細、領収書 | 医療機関、薬局 | 治療内容と費用の確認 |
| 画像資料 | 病院 | 骨折、ヘルニア、靱帯損傷、脳損傷などの確認 |
| お薬手帳 | 薬局、本人保管 | 痛みや神経症状の治療実態確認 |
| リハビリ計画書 | 医療機関 | 継続必要性、目標、評価の確認 |
| 保険会社とのメールや書面 | 本人保管 | 打ち切り理由、経緯の確認 |
| 事故車両写真、ドライブレコーダー | 本人、修理業者、警察資料 | 衝撃程度、事故態様の確認 |
| 休業損害資料 | 勤務先、本人 | 就労への支障の確認 |
| 症状日記 | 本人 | 継続性、一貫性、生活支障の補助資料 |
単なる延長依頼ではなく、医学的根拠と法的争点を保険会社が検討できる形に整えます。
弁護士が介入しても、保険会社が当然に延長するわけではありません。重要なのは、主治医の意見、検査結果、リハビリ実施計画、症状経過、生活や仕事への支障、通院頻度、薬の処方、画像所見、事故態様、車両損傷などを整理し、支払継続を検討できる資料構造を作ることです。
事故日、受傷内容、治療経過、現在症状、主治医判断、改善可能性、必要な頻度と期間、終了する場合の根拠開示を整理します。
交渉医師の結論を誘導せず、治療継続の必要性、改善内容、頻度、想定期間、症状固定時期を医学的判断として確認します。
医療資料照会目的、対象医療機関、対象期間、対象傷病、回答書写し、顧問医意見の扱いを確認します。
個人情報一括対応終了後も治療を中断しないため、第三者行為による傷病届や後日請求の資料保存を案内します。
制度選択領収書、診療明細、交通費明細、通院日、症状推移、医師の指示、リハビリ内容を治療中から残します。
後日請求痛みの訴えだけではなく、計画、検査、生活支障、就労支障を組み合わせます。
交通事故賠償の場面でも、リハビリ実施計画書は有用です。目標、訓練内容、機能評価、予後、実施頻度が記載されるため、単なる「痛いから通っている」ではなく、機能改善のために医学的計画に基づいて通っていることを示しやすくなります。
医療保険の疾患別リハビリテーションでは、計画書の作成、患者への説明、定期的な効果判定が重視されています。
肩、肘、手関節、股関節、膝、足関節、頚椎、腰椎などの屈曲、伸展、外転、内転、回旋の数値を残します。
骨折、脱臼、靱帯損傷、椎間板ヘルニア、脊髄損傷、脳出血、脳挫傷、外傷性変化を確認します。
着替え、入浴、洗髪、料理、運転、睡眠、通勤、残業制限、復職可否などを具体的に記録します。
| 所見 | 意味 |
|---|---|
| 深部腱反射 | 神経障害の有無をみます。 |
| 筋力検査 | 麻痺、筋力低下をみます。 |
| 知覚検査 | しびれ、感覚低下の分布をみます。 |
| スパーリングテスト | 頚椎由来の神経根症状を評価します。 |
| SLRテスト | 腰椎由来の神経症状を評価します。 |
| 徒手筋力検査 | 機能低下の程度をみます。 |
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 痛みの部位 | 頚部、右肩、腰、左膝など |
| 程度 | 10段階で6、夜間痛ありなど |
| しびれ | 右手親指から中指、左下腿外側など |
| 生活支障 | 洗髪不可、長時間座位不可、運転30分で悪化など |
| 服薬 | 鎮痛薬、湿布、神経障害性疼痛薬など |
| リハビリ後の変化 | 可動域改善、痛み軽減、翌日悪化など |
| 仕事への影響 | 早退、欠勤、業務軽減、在宅勤務など |
一括対応が終わる場合でも、健康保険、労災、自賠責、人身傷害を確認します。
一括対応終了後に現実的な選択肢となるのが、健康保険への切替えです。自動車事故等による傷病も、医療保険各法において一般の保険事故と同様に給付対象とされる旨が公的資料で示されています。ただし、第三者行為による傷病届などの手続が必要になります。
| 制度・方法 | 使う場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 業務中や通勤中ではない交通事故で、窓口負担を抑えながら治療継続を考える場面 | 加入保険者へ第三者行為による傷病届を提出します。自己負担分や交通費は記録します。 |
| 自由診療 | 健康保険への切替えがすぐにできない、または医療機関の取扱い上継続が必要な場面 | 費用負担が大きく、後日全額が賠償される保証はありません。必要性と相当性の証拠化が重要です。 |
| 労災保険 | 業務中または通勤中の交通事故 | 療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、加害者側賠償との調整を確認します。 |
| 自賠責保険の被害者請求 | 一括対応終了後に、自賠責へ直接請求を検討する場面 | 傷害部分には120万円の限度額があり、既払治療費、慰謝料、休業損害などで枠を消費します。 |
| 人身傷害保険 | 自分や同居家族の自動車保険に付帯している場合 | 契約内容、約款、支払範囲、相手方への求償、過失割合との関係を確認します。 |
むち打ち、骨折、頭部外傷、慢性疼痛、耳症状、精神症状では必要資料が変わります。
傷病ごとに、保険会社が問題にしやすい点と、主治医や関係専門職と確認すべき資料が異なります。整形外科だけで足りない領域では、脳神経外科、耳鼻咽喉科、精神科、リハビリテーション科などとの連携も検討します。
| 傷病 | 実務上のポイント | 確認したい資料 |
|---|---|---|
| 頚椎捻挫、腰椎捻挫、むち打ち | 画像上明らかな外傷性変化がないことが多く、早めに打ち切りを打診されやすい傾向があります。 | 症状の一貫性、通院の連続性、神経学的所見、投薬、リハビリ効果、事故態様 |
| 骨折、脱臼、靱帯損傷 | 受傷自体の立証はしやすい一方、リハビリ期間、可動域制限、復職時期が争点になります。 | 画像、手術記録、可動域測定、握力、筋力、装具、職業動作の制限 |
| 頭部外傷、高次脳機能障害 | 初期の意識障害、画像所見、救急記録、認知機能低下が重要です。 | 救急搬送記録、脳神経外科記録、神経心理学的検査、家族や職場から見た変化 |
| CRPS、慢性疼痛 | 疼痛の強さ、浮腫、皮膚色変化、発汗異常、関節拘縮、骨萎縮、感覚過敏が問題になります。 | 疼痛外来、麻酔科、ペインクリニック、整形外科、リハビリ科の連携資料 |
| めまい、耳鳴り、難聴 | 整形外科通院だけでは資料が不足することがあります。 | 耳鼻咽喉科、平衡機能検査、聴力検査、眼振検査、事故直後からの症状経過 |
| PTSD、不安、抑うつ、不眠 | 身体症状と精神症状が重なる場合、医療機関間の情報連携が重要です。 | 精神科、心療内科、公認心理師、臨床心理士の記録、運転回避や睡眠障害の経過 |
| 状況 | 相談を検討する理由 |
|---|---|
| 保険会社が今月末で一括対応終了と言っている | 期限前に資料化と交渉が必要です。 |
| 主治医は継続必要と言っている | 医学的根拠を交渉資料にする必要があります。 |
| 痛み、しびれ、可動域制限が残っている | 後遺障害申請も見据える必要があります。 |
| 事故から3か月、6か月の節目で打ち切りを言われた | 機械的判断か個別判断か検討する必要があります。 |
| 自賠責120万円に近いと言われた | 任意保険部分、健康保険切替えを検討する必要があります。 |
| 通勤中または業務中事故 | 労災と賠償の調整が必要です。 |
| 医療照会同意書を求められた | 照会範囲と個人情報の管理が必要です。 |
| 後遺障害診断書の話が出ている | 診断書作成前の準備が重要です。 |
| 休業損害も争われている | 治療継続と就労支障が連動します。 |
| 相手保険会社の説明が曖昧 | 書面化と根拠確認が必要です。 |
無理な主張ではなく、医学的に説明できる事実を法的に評価される資料へ整えます。
| できること | 具体的対応 |
|---|---|
| 保険会社対応 | 一括対応継続要請、打ち切り理由の確認、支払交渉 |
| 医療資料整理 | 診断書、診療録、画像、リハビリ計画書の確認 |
| 医師への確認 | 医学的必要性、症状固定時期、予後の質問整理 |
| 健康保険対応 | 第三者行為届の案内、自己負担分の後日請求準備 |
| 労災対応 | 労災利用の検討、社会保険労務士連携、給付調整の確認 |
| 後遺障害 | 後遺障害診断書作成前の準備、被害者請求、異議申立て |
| 損害算定 | 治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益、交通費の算定 |
| 紛争解決 | 示談交渉、ADR、調停、訴訟 |
| できないこと | 理由 |
|---|---|
| 保険会社に無条件で支払を強制する | 任意交渉では相手の同意が必要です。 |
| 医師に特定の診断を書かせる | 医学的判断は医師の専門領域です。 |
| 医学的に不要な治療を賠償対象にする | 必要性、相当性が必要です。 |
| 通院していない期間の治療実態を作る | 事後的な資料作成には限界があります。 |
| 後遺障害等級を保証する | 認定は資料と審査により決まります。 |
治療継続と後遺障害申請は対立せず、時期によって役割が変わります。
次の時期整理は、交通事故後の治療と賠償実務を時間順に示しています。上から下へ進むほど、機能回復の治療から残存障害の評価、損害額の確定へ重点が移ります。どの段階にいるかを確認すると、治療継続交渉と後遺障害申請のどちらを優先するかが見えやすくなります。
救急、画像、診断書、安静、投薬を整えます。
リハビリ、可動域、筋力、ADL評価を重ねます。
弁護士交渉、医師意見、健康保険切替えを検討します。
後遺障害診断書、画像、検査、日常生活支障を整理します。
慰謝料、休業損害、逸失利益、治療費精算を検討します。
症状固定前に通院をやめてしまうと、後遺障害申請で症状の継続性や治療の必要性が争われる危険があります。一方、症状固定後に漫然と通院を続けても、その費用がすべて賠償対象になるとは限りません。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 自覚症状 | 痛み、しびれ、動作制限、めまい、記憶障害などが具体的か |
| 他覚所見 | 画像、神経学的所見、可動域、筋力、検査結果があるか |
| 症状固定日 | 医師の判断として合理的か |
| 通院経過 | 中断や転院の理由を説明できるか |
| 後遺障害部位 | 頚部、腰部、肩、膝、頭部など漏れがないか |
| 生活支障 | 仕事、家事、育児、運転、睡眠などが整理されているか |
| 画像資料 | 必要な画像を提出できるか |
| 追加検査 | MRI、神経伝導検査、聴力検査、心理検査などの必要性 |
保険会社への要請と医師への確認は、目的と立場を分けて書きます。
| 項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 件名 | 治療費一括対応継続の要請 |
| 事故の概要 | 事故日、事故態様、受傷部位、初診日 |
| 現在の症状 | 頚部痛、腰痛、上肢しびれ、可動域制限、睡眠障害、就労制限等 |
| 治療経過 | 初診から現在までの通院頻度、投薬、リハビリ内容、検査結果 |
| 医学的必要性 | 主治医が判断する改善可能性、疼痛軽減、可動域改善、就労復帰支援 |
| 症状固定未了 | 現時点では症状固定に至ったとの医学的判断が示されていないこと |
| 要請事項 | 一定期間の一括対応継続、終了する場合の理由や医学的根拠の文書化 |
| 留保 | 終了後も必要な治療を継続し、相当因果関係ある治療費等を後日請求する可能性 |
| 場面 | 返答や確認事項 |
|---|---|
| 避けたい返答 | わかりました。では今月で終わりにします。 |
| 望ましい返答 | 主治医に確認し、必要であれば弁護士にも相談します。現時点では一括対応終了に同意したわけではありません。終了理由、根拠、終了予定日を書面で送ってください。 |
| 確認すべき質問 | どの資料に基づく判断か、顧問医意見があるか、主治医照会を行ったか、症状固定判断なのか一括対応だけの終了なのか、健康保険切替え後の自己負担分の後日請求に異議があるのか。 |
治療中断、症状の伝え漏れ、早すぎる示談を避け、資料を段階ごとに整えます。
費用不安だけで通院をやめると、後日、治療の必要性がなかったと評価される危険があります。
診療録に残っていない症状は、後から立証が難しくなります。痛み、しびれ、睡眠障害、仕事への支障は具体的に伝えます。
医師の診察が途切れると、診断、症状固定、後遺障害診断書、画像、医学的意見が不足します。
抽象的な説明だけで判断せず、理由を書面で確認します。担当者の言い方と会社としての正式判断を分けます。
治療継続中、症状固定前、後遺障害申請前に示談すると、後から追加請求が難しくなることがあります。
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 打ち切り連絡を受けた当日 | 担当者名、日時、発言内容をメモする。終了に同意していないことを残す。終了理由を書面で求める。主治医予約と弁護士相談候補日を確保する。 |
| 主治医受診時 | 現在の症状、リハビリ継続の必要性、症状固定かどうか、今後の通院頻度と期間、計画書や診断書の作成可否を確認する。 |
| 弁護士相談前 | 事故証明書、診断書、領収書、診療明細、保険会社とのやり取り、画像データ、休業損害資料、症状日記、弁護士費用特約を確認する。 |
| 一括対応終了後 | 健康保険への切替え、第三者行為による傷病届、労災該当性、領収書保管、通院交通費記録、治療中断を避ける方法を検討する。 |
主治医に症状、神経学的所見、リハビリ効果を確認し、症状一貫性と通院連続性を整理します。1か月から2か月程度の延長要請と健康保険切替え準備を並行します。
画像、手術記録、リハビリ計画書、可動域測定、筋力低下、疼痛、職業動作の制限を整理し、症状固定後の後遺障害申請も見据えます。
救急記録、意識障害、画像、脳神経外科、リハビリ科、精神科、神経心理検査、家族や職場から見た変化を整理します。
通勤災害に当たるかを確認し、労働基準監督署、勤務先、社会保険労務士、弁護士と、労災・自賠責・任意保険の調整を確認します。
個別事情で結論が変わるため、制度の一般的な考え方として整理します。
一般的には、保険会社の一括対応が終わるだけで、医師が必要と判断する治療を受けること自体が直ちに禁止されるわけではないとされています。ただし、窓口負担、健康保険への切替え、労災、人身傷害、後日請求の見通しは事故態様や保険契約で変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、健康保険を使うこと自体で賠償請求を放棄したことにはならないとされています。ただし、第三者行為による傷病届などの手続や、業務中・通勤中事故で労災が問題になる場合があります。具体的には、加入保険者や弁護士等へ確認する必要があります。
一般的には、主治医意見は重要な資料とされていますが、保険会社が常にそのまま支払継続に応じるとは限りません。事故態様、治療期間、症状経過、画像、医療照会、既往歴などで判断が変わる可能性があります。具体的な見通しは、医療資料を整理して弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、必要な治療を続けること自体が直ちに不利とはいえないとされています。ただし、改善可能性がある時期か、改善が頭打ちになっている時期かによって、治療継続と後遺障害評価の整理は変わります。具体的には、主治医の症状固定判断や検査結果を踏まえて専門家へ相談する必要があります。
一般的には、症状固定は医学的判断を基礎に、賠償実務上の評価として問題になるものとされています。保険会社の説明だけで確定するものではなく、主治医の見解、治療経過、症状の推移、検査結果によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、整骨院通院自体が直ちに不利とは限らないとされています。ただし、医師の診察が途切れている場合、診断、治療必要性、症状固定、後遺障害診断書の面で資料が不足する可能性があります。具体的には、医師の診察状況や施術内容を整理して弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、医療照会により治療継続の必要性が確認されることもありますが、照会範囲が広すぎる場合には注意が必要とされています。対象医療機関、対象期間、対象傷病、回答書の写し、既往歴の扱いで判断が変わります。具体的には、同意書の内容を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、事故との相当因果関係、治療の必要性、治療内容や期間の相当性が認められる範囲で、後日請求できる余地があるとされています。ただし、保険会社が任意に支払わない場合は争いになる可能性があります。領収書、診療明細、通院交通費、主治医意見、症状経過を残し、具体的には弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、弁護士が関与しても延長が保証されるわけではありません。弁護士の役割は、医学的資料と法的根拠を整理し、延長交渉、健康保険切替え、後日請求、後遺障害申請に結び付けることとされています。具体的な見通しは、症状、治療経過、保険会社の理由によって変わるため、資料を確認する必要があります。
一般的には、打ち切り予定日の前に相談すると、主治医意見の確認、保険会社との交渉、健康保険切替え、証拠化の準備を進めやすいとされています。終了後でも対応できる場合はありますが、時期、資料、治療中断の有無で見通しが変わる可能性があります。具体的には、早めに資料を整理して専門家へ相談する必要があります。