2σ Guide

示談金の計算に漏れがないか
チェックするポイント

交通事故の示談書に署名する前に、損害費目、必要資料、計算式、過失割合、既払金、保険給付、清算条項を分けて確認するための実務的な整理です。

120万円自賠責の傷害限度額
3,000万円自賠責の死亡限度額
30問署名前の確認項目
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示談金の計算に漏れがないか チェックするポイント

交通事故の示談書に署名する前に、損害費目、必要資料、計算式、過失割合、既払金、保険給付、清算条項を分けて確認するための実務的な整理です。

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示談金の計算に漏れがないか チェックするポイント
交通事故の示談書に署名する前に、損害費目、必要資料、計算式、過失割合、既払金、保険給付、清算条項を分けて確認するための実務的な整理です。
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  • 示談金の計算に漏れがないか チェックするポイント
  • 交通事故の示談書に署名する前に、損害費目、必要資料、計算式、過失割合、既払金、保険給付、清算条項を分けて確認するための実務的な整理です。

POINT 1

  • 示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントの全体像
  • 1. 費目を広く拾う:治療費、交通費、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損、将来損害を分けます。
  • 2. 資料と計算式で確認する:診断書、支払明細、収入資料、修理見積、保険給付を突き合わせます。
  • 3. 示談書の範囲を読む:人身・物損・後遺障害・将来損害を清算していないか確認します。

POINT 2

  • 示談金の計算に漏れがないか確認するための基本用語
  • 示談金、自賠責、症状固定、後遺障害、休業損害、逸失利益などを先に整理します
  • 基本用語を混同すると、どの費目がまだ未確定なのか、どの資料が必要なのかを見誤りやすくなります。
  • 左から用語、意味、漏れやすい確認点の順に読むと、提示額の内訳を分解しやすくなります。
  • 用語を押さえたら、示談案に書かれた「一式」や「最終支払額」をそのまま受け取らず、各費目へ戻して確認します。

POINT 3

  • 示談金の計算に漏れがないか見る全体計算式
  • 最終支払額ではなく、全損害額から減額・控除・追加要素を順番に見ます
  • 示談前の検算対象額
  • 示談金を検算するときは、最初に全体の計算順序を押さえる必要があります。
  • 次の重要ポイントは、最終額がどの要素で増減するのかを表しています。

POINT 4

  • 示談金の計算に漏れがないか見る五つの確認
  • 事故の責任関係
  • 治療段階か症状固定後か
  • 全損害費目の一覧化
  • 減額・控除の根拠
  • 示談書の範囲
  • 責任関係、治療段階、費目一覧、減額根拠、示談範囲を順番に確認します

POINT 5

  • 示談金の計算に漏れがないか確認する必須資料
  • 事故、医療、収入、支出、保険・社会保障の資料をそろえます
  • 事故態様と過失割合を支える資料
  • 治療経過と後遺障害を支える資料
  • 休業損害と逸失利益を支える資料

POINT 6

  • 人身・休業・慰謝料で示談金の計算漏れを防ぐ
  • 会社員・給与所得者
  • 欠勤、遅刻、早退、有給休暇、賞与減、残業代、役職手当、復職後の減収を確認します。
  • パート・派遣・契約社員
  • 事故前後のシフト予定、勤務実績、雇用契約、平均勤務日数を確認します。

POINT 7

  • 後遺障害・死亡事故で示談金の計算漏れを防ぐ
  • 等級申請、逸失利益、死亡慰謝料、遺族固有の慰謝料を分けて確認します
  • 後遺障害逸失利益の基本構造
  • 後遺障害は、示談金の計算漏れの中でも金額差が大きくなりやすい領域です。
  • 次の重要ポイントは、後遺障害逸失利益の基本構造を示しています。

POINT 8

  • 物損・過失割合・因果関係で示談金の計算漏れを防ぐ
  • 過失割合
  • 道路交通法上の優先関係、予見可能性、回避可能性、交通弱者保護、判例資料を確認します。
  • 医療因果関係
  • 事故直後の症状、初診までの期間、診断名、画像所見、症状の一貫性、治療経過、事故態様と傷害部位の整合性を確認します。

まとめ

  • 示談金の計算に漏れがないか チェックするポイント
  • 示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントの全体像:示談書に署名する前に、費目・資料・計算式・示談範囲を分けて確認します
  • 示談金の計算に漏れがないか確認するための基本用語:示談金、自賠責、症状固定、後遺障害、休業損害、逸失利益などを先に整理します
  • 示談金の計算に漏れがないか見る全体計算式:最終支払額ではなく、全損害額から減額・控除・追加要素を順番に見ます
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントの全体像

示談書に署名する前に、費目・資料・計算式・示談範囲を分けて確認します

交通事故の示談金は、単に提示額が高いか低いかを見るだけでは足りません。示談書には清算条項が入ることが多く、成立後に「治療費を入れ忘れた」「休業損害を計算していなかった」「後遺障害を申請すべきだった」と気づいても、簡単にやり直せない場合があります。

このページで扱う示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントは、損害費目を棚卸しし、各費目の計算根拠を確認し、人身・物損・後遺障害・死亡・既払金・社会保険給付・示談書の範囲を分けることです。個別の結論は事故態様、診療経過、証拠、保険契約、時期によって変わるため、署名前に資料をそろえて確認する姿勢が重要です。

次の判断の流れは、示談金の計算に漏れがないかを大きく三段階で確認するものです。最初に費目を広く拾い、次に資料と計算式で裏づけ、最後に示談書の範囲を確認する順番が重要です。順番を追うことで、最終額だけを見て見落としやすい費目を発見しやすくなります。

署名前に見る三つの入口

費目を広く拾う

治療費、交通費、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損、将来損害を分けます。

資料と計算式で確認する

診断書、支払明細、収入資料、修理見積、保険給付を突き合わせます。

示談書の範囲を読む

人身・物損・後遺障害・将来損害を清算していないか確認します。

とくに重要な数字は、自賠責保険の傷害部分の限度額120万円、死亡損害の限度額3,000万円、後遺障害の等級別限度額75万円から4,000万円、傷害慰謝料の日額4,300円、そして過失割合20%なら総損害1,000万円から単純計算で200万円が減るという点です。これらは最終提示額を検算する入口になります。

一般情報としての位置づけ示談金の計算は、医学的診断、後遺障害等級、税務、労災・健康保険、保険契約、地域の実務で結論が変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
Section 01

示談金の計算に漏れがないか確認するための基本用語

示談金、自賠責、症状固定、後遺障害、休業損害、逸失利益などを先に整理します

基本用語を混同すると、どの費目がまだ未確定なのか、どの資料が必要なのかを見誤りやすくなります。次の一覧は、示談金の計算に漏れがないか確認するうえで特に重要な用語を、何を確認すべきかと合わせて整理したものです。左から用語、意味、漏れやすい確認点の順に読むと、提示額の内訳を分解しやすくなります。

用語意味漏れやすい確認点
示談金交通事故の損害賠償問題を話し合いで解決するために支払われる金銭です。損害賠償金、和解金、解決金など名称が違っても内訳を確認します。
自賠責保険自動車事故の被害者に基本的な対人補償を確保する制度です。傷害120万円、死亡3,000万円、後遺障害75万円から4,000万円の限度額を確認します。
症状固定治療を続けても大きな改善が見込みにくい状態です。症状固定前は治療費・休業損害・入通院慰謝料、固定後は後遺障害が問題になります。
後遺障害治療後も身体・精神・神経の障害が残り、労働や生活に影響する状態です。等級申請をしないまま示談すると、慰謝料や逸失利益を失う可能性があります。
休業損害事故によって仕事や家事労働ができず、収入や労働価値が失われた損害です。有給休暇、賞与、残業、家事労働、自営業の売上減を分けて見ます。
逸失利益事故がなければ将来得られたはずの収入や利益を失った損害です。基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、ライプニッツ係数を確認します。
過失割合事故発生について双方の落ち度を割合で示すものです。総損害1,000万円で被害者過失20%なら、単純化すると請求額は800万円になります。
損益相殺・既払控除一定の給付や既に支払われた金額を最終額から差し引く考え方です。労災、自賠責、人身傷害保険、健康保険、傷病手当金などは性質を分けます。

用語を押さえたら、示談案に書かれた「一式」や「最終支払額」をそのまま受け取らず、各費目へ戻して確認します。後遺障害の可能性、治療終了の時期、清算条項の範囲が曖昧な場合は、金額交渉より前に前提を固める必要があります。

Section 02

示談金の計算に漏れがないか見る全体計算式

最終支払額ではなく、全損害額から減額・控除・追加要素を順番に見ます

示談金を検算するときは、最初に全体の計算順序を押さえる必要があります。次の重要ポイントは、最終額がどの要素で増減するのかを表しています。足し引きの順番を読むことで、費目の漏れだけでなく、過失相殺や既払控除の重複も見つけやすくなります。

示談前の検算対象額

事故による全損害額 − 過失相殺による減額 − 既払金・控除対象給付 + 事案により考慮される遅延損害金・弁護士費用相当額等

全損害額は一つの数字ではなく、性質の違う損害を合算したものです。次の比較表は、どの費目がどの分類に入るのかを示しています。分類ごとに証拠と計算式が異なるため、自分の事故で該当する列に抜けがないかを読むことが重要です。

分類主な費目確認する資料
積極損害治療費、交通費、入院雑費、付添看護費、診断書料、装具費、葬儀費領収書、診療報酬明細、交通費記録、文書取得費用
消極損害休業損害、後遺障害逸失利益、死亡逸失利益収入資料、休業損害証明、確定申告書、家事労働の実態
精神的損害入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料通院期間、実通院日数、等級、死亡事故の家族関係資料
物的損害修理費、時価額、代車費用、レッカー費用、保管料、評価損、携行品修理見積、査定資料、写真、領収書、中古車市場資料
将来損害将来介護費、将来治療費、義肢・装具交換費、住宅改造費、車両改造費医師意見、介護計画、見積、耐用年数、生活環境の資料

保険会社の提示書では、これらが「解決金一式」「慰謝料一式」「最終支払額」とまとめて表示されることがあります。その場合でも、示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントは、費目ごとに発生有無、証拠、計算式、減額理由を確認することです。

Section 03

示談金の計算に漏れがないか見る五つの確認

責任関係、治療段階、費目一覧、減額根拠、示談範囲を順番に確認します

示談前の確認は、思いついた費目をバラバラに見るより、入口を五つに分けると漏れを防ぎやすくなります。次の判断の流れは、事故の責任関係から示談書の範囲までを順番に確認するものです。上から下へ読むことで、まだ金額を確定できない段階なのに署名してしまう危険を避けやすくなります。

署名前の五つの確認

事故の責任関係

信号、車線、速度、一時停止、横断歩道、進路変更、追突、右左折などを確認します。

治療段階か症状固定後か

治療中に最終示談すると、将来の治療費や後遺障害を取り逃がすおそれがあります。

全損害費目の一覧化

人身、後遺障害、死亡、物損、労務・社会保障、税務に分けます。

減額・控除の根拠

過失割合、治療費打切り、症状固定日、既払金、労災給付などを一つずつ確認します。

示談書の範囲

物損だけか、人身も含むか、後遺障害や将来損害を清算していないかを読みます。

責任関係の資料としては、交通事故証明書、実況見分調書、供述調書、ドライブレコーダー、防犯カメラ、現場写真、車両損傷写真、修理見積、道路形状図などがあります。交通事故証明書だけで過失割合が決まるわけではないため、事故態様を示す資料を複数そろえる視点が重要です。

治療中、痛みやしびれが残る、仕事や家事に支障がある、医師が症状固定を明確に判断していないといった場合は、人身損害全体の最終示談は慎重に確認します。示談書で後遺障害や将来損害まで清算してしまうと、後から請求範囲を争うことになります。

Section 04

示談金の計算に漏れがないか確認する必須資料

事故、医療、収入、支出、保険・社会保障の資料をそろえます

資料不足は、示談金の計算漏れに直結します。次の一覧は、専門家が最初に確認する資料を五つの領域に分けたものです。各領域は証明する内容が異なるため、どの資料が何を裏づけるのかを読み取りながら、自分の手元に欠けているものを確認します。

事故・責任

事故態様と過失割合を支える資料

交通事故証明書、実況見分調書、ドライブレコーダー、防犯カメラ、現場写真、車両損傷写真、修理見積、道路形状図、目撃者情報を整理します。

医療

治療経過と後遺障害を支える資料

診断書、診療報酬明細、領収書、診療録、画像検査、神経学的検査、後遺障害診断書、退院サマリー、服薬内容を確認します。

収入・休業

休業損害と逸失利益を支える資料

休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、賞与明細、有給休暇記録、勤怠表、確定申告書、売上台帳、家事労働の実態を集めます。

支出・生活

実費と生活再建費を支える資料

通院交通費、タクシー領収書、付添看護記録、入院雑費、装具・車いす・補聴器、住宅改造、車両改造、介護計画を整理します。

保険・制度

控除と給付調整を支える資料

自賠責保険証明書、任意保険証券、弁護士費用特約、人身傷害保険、支払明細、労災給付、健康保険の届出、傷病手当金、障害年金を確認します。

資料は、事故日から示談案の提示日まで時系列で並べると、治療中断、通院間隔、休業期間、支払済み金額、保険給付の重複が見えやすくなります。提示額に納得できない場合も、資料の不足が先に見つかることがあります。

Section 05

人身・休業・慰謝料で示談金の計算漏れを防ぐ

治療費、交通費、休業損害、傷害慰謝料は頻繁に漏れや争いが起きます

人身損害は、治療費だけで終わりではありません。次の比較表は、治療関係費、交通費、入院雑費、付添看護費、文書料、装具費など、見落としやすい費目を確認するためのものです。列ごとに、何を請求候補に入れるのか、どの資料で裏づけるのかを読み取ってください。

費目確認する内容注意点
治療関係費診察、投薬、手術、入院、検査、リハビリ、自己負担分初診から症状固定まで、事故と関係する診療科が漏れていないか確認します。
通院交通費電車、バス、自家用車、タクシー、駐車場、高速料金、付添人分通院日ごとに交通手段と金額を記録します。
入院雑費日用品、通信、衣類、衛生用品など領収書の有無にかかわらず一定額が問題になることがあります。
付添看護費幼児、高齢者、重傷者、手術後、歩行困難、認知機能障害の付添医学的必要性、付添日、時間、内容、付添人の休業影響を整理します。
文書料診断書、後遺障害診断書、診療報酬明細、画像コピー、戸籍、住民票少額でも積み重なるため、取得費用を一覧化します。
装具・住宅改造義肢、車いす、歩行器、眼鏡、補聴器、手すり、段差解消、福祉車両将来交換が必要な装具は耐用年数や交換周期も確認します。

休業損害は職業や生活実態によって証明方法が変わるため、同じ計算式を全員に当てはめると漏れが出ます。次の一覧は、雇用形態ごとに確認すべきポイントを示しています。自分の立場に近い行を読み、給与減だけでなく有給休暇、賞与、家事労働、自営業の売上減などを確認します。

会社員・給与所得者

欠勤、遅刻、早退、有給休暇、賞与減、残業代、役職手当、復職後の減収を確認します。給与が満額でも、有給休暇の消費が損害評価される場合があります。

パート・派遣・契約社員

事故前後のシフト予定、勤務実績、雇用契約、平均勤務日数を確認します。単なる休日か、事故で勤務できなかった日かを分けます。

自営業者・個人事業主

売上減、経費構造、代替労働、予約キャンセル、請求書、入金記録、外注費、代替スタッフ費用を確認します。

会社役員

役員報酬のうち労務対価部分と利益配当部分を分ける必要があります。決算書、議事録、実際の業務内容が重要です。

家事従事者

現金収入がなくても家事労働の価値が評価されることがあります。家族構成、育児・介護、事故後にできなくなった家事を整理します。

学生・就職予定者・無職者

アルバイト収入、就職遅延、留年、資格試験延期、求職活動、家事従事の実態があるかを確認します。

傷害慰謝料では、自賠責基準、任意保険会社の内部基準、裁判基準の違いが問題になります。自賠責基準では傷害損害の限度額が120万円で、慰謝料は1日4,300円を基礎に計算されますが、通院期間、実通院日数、治療内容、傷害の重さ、通院頻度によって評価が変わります。

長期入院、複数回手術、重度骨折、顔面外傷、醜状痕、妊娠中の事故、乳幼児・児童の事故、受験・就職・結婚式など重要なライフイベントへの影響、飲酒・無免許・ひき逃げなどは、慰謝料評価に影響する可能性があります。ただし、必ず増額につながるとは限らず、証拠化と法的評価が必要です。

Section 06

後遺障害・死亡事故で示談金の計算漏れを防ぐ

等級申請、逸失利益、死亡慰謝料、遺族固有の慰謝料を分けて確認します

後遺障害は、示談金の計算漏れの中でも金額差が大きくなりやすい領域です。次の重要ポイントは、後遺障害逸失利益の基本構造を示しています。基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、中間利息控除係数のどれか一つでも低く見積もられると、最終額が大きく変わることを読み取ってください。

後遺障害逸失利益の基本構造

基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数

後遺障害の確認では、症状が残っているかだけでなく、申請前の医療資料が整っているかが重要です。次の比較表は、後遺障害と死亡事故で分けて見るべき損害と資料を整理したものです。行ごとに、どの費目が未確認だと大きな漏れになりやすいかを確認します。

場面確認する費目必要な視点
後遺障害後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益、将来介護費、装具交換費後遺障害診断書、画像、神経学的所見、可動域、日常生活への影響を確認します。
高次脳機能障害・脳外傷認知機能、記憶、注意、遂行機能、人格変化に関する損害頭部外傷の資料、画像、神経心理検査、家族の観察記録を確認します。
むち打ち・神経症状痛み、しびれ、可動域制限、14級・12級の可能性通院継続性、症状の一貫性、検査、後遺障害診断書の記載を確認します。
死亡事故死亡までの治療費、葬儀費、死亡逸失利益、死亡慰謝料、遺族固有の慰謝料相続人、内縁、扶養、未成年者、相続放棄遺産分割、特別代理人を確認します。
死亡事故の税務遺族が受け取る損害賠償金、相続税・所得税の整理原則非課税となる場合が多い一方、生前に受取が確定していた場合などは個別確認が必要です。

死亡逸失利益では、基礎収入、就労可能年数、生活費控除率、扶養家族、年金、家事労働、将来昇給可能性を確認します。若年者、学生、家事従事者、高齢者、個人事業主、会社役員では評価方法が変わるため、保険会社の一律計算をそのまま受け入れない視点が必要です。

Section 07

物損・過失割合・因果関係で示談金の計算漏れを防ぐ

車両損害、評価損、過失相殺、既往症や素因減額を確認します

人身損害に注意が向きすぎると、物損や過失割合の影響を見落としやすくなります。次の比較表は、車両・物品に関する損害を整理するものです。費目ごとに必要資料が異なるため、修理費だけでなく代車、休車、評価損、積載物まで確認します。

物損の費目確認する資料注意点
修理費・全損修理見積、損傷写真、車検証、走行距離、年式、グレード、中古車市場価格修理費が時価額を超えると、経済的全損として時価額が上限になることがあります。
買替諸費用登録費用、車庫証明、納車費用、廃車費用などの資料全損時は買替に必要な周辺費用も確認します。
代車費用レンタカー領収書、修理期間、買替期間、使用目的必要性、期間の相当性、代車クラスの相当性が問題になります。
休車損害運行記録、売上台帳、配車表、稼働率、外注費、利益率タクシー、トラック、配送車など事業用車両で問題になります。
評価損修理後の査定資料、骨格損傷、修復歴、車両価値資料高年式車、高額車、骨格損傷などでは確認が必要です。
携行品・積載物購入資料、写真、破損状況、業務用品の資料車内の荷物、商品、仕事道具が漏れていないか確認します。

過失割合や因果関係は、示談金の計算そのものを大きく変えます。次の一覧は、減額や争いにつながる要素を整理したものです。各項目は「減額される」と断定するものではなく、どの資料で反論や説明が必要になるかを読み取るための確認点です。

過失割合

道路交通法上の優先関係、予見可能性、回避可能性、交通弱者保護、判例資料を確認します。被害者過失が10%増えるだけでも、総損害1,000万円なら100万円の差になります。

医療因果関係

事故直後の症状、初診までの期間、診断名、画像所見、症状の一貫性、治療経過、事故態様と傷害部位の整合性を確認します。

既往症・素因減額

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、変形性関節症、精神疾患、認知症、糖尿病、骨粗鬆症などがあっても、直ちに減額されるとは限りません。事故前の生活や就労への支障を資料で確認します。

初診が遅い、通院中断がある、事故前から同じ部位の治療歴がある場合は、保険会社から因果関係を争われることがあります。事故後の症状の推移と医療資料を時系列で整理しておくことが重要です。

Section 08

保険・社会保障・税務・示談書で示談金の計算漏れを防ぐ

自賠責、労災、健康保険、人身傷害、税務、清算条項をまとめて確認します

保険や社会保障の給付は、すべてが同じように控除されるわけではありません。次の比較表は、制度ごとに何を確認するかを整理したものです。控除されるもの、されないもの、充当先が限定されるものを区別して読むことが、二重控除や請求漏れを防ぐうえで重要です。

制度・論点確認する内容漏れ・誤解が起きやすい点
自賠責保険傷害、後遺障害、死亡の限度額、被害者請求、請求期限民法上の時効と自賠責の請求期限は考え方が異なるため両方確認します。
労災保険業務中・通勤中事故、第三者行為災害届、給付と民事賠償の調整不用意な示談は、給付停止や求償・控除の問題を生む可能性があります。
健康保険第三者行為による傷病届、自己負担分、保険者求償自己負担額だけでなく、保険者との調整も確認します。
人身傷害保険自分の保険からの給付、相手方賠償との関係、充当順序どの損害に充当されたのかで最終額が変わることがあります。
弁護士費用特約相談料、着手金、報酬、家族の保険、利用条件費用倒れを避けられる場合があるため、署名前に加入有無を確認します。
税務慰謝料、治療費、休業損害、逸失利益、事業用損害、死亡事故の受取金損害補填は非課税となる場合が多い一方、必要経費補填などは個別確認が必要です。

示談書の文言は、計算の確認が終わった後の最後の関門です。次の判断の流れは、署名前に示談範囲を確認する順番を示しています。上から順に読むことで、物損だけのつもりが人身まで清算してしまう危険や、後遺障害を留保しない危険を発見しやすくなります。

示談書の署名前確認

対象範囲を読む

人身損害を含むのか、物的損害のみか、傷害部分だけかを確認します。

支払条件を読む

支払金額、支払期限、支払方法、振込手数料、遅延時の扱いを確認します。

清算条項を読む

「一切の債権債務がない」などの文言が未確定損害まで含まないかを確認します。

例外を明記する

物損先行、人身留保、後遺障害留保、労災求償別途などを必要に応じて確認します。

未成年者、成年後見、死亡事故では、親権者との利益相反、特別代理人、相続人全員の関与、遺産分割などが問題になることがあります。示談書の署名者が適切かどうかも、金額と同じくらい重要です。

Section 09

示談金の計算に漏れがないか30問と典型例で確認する

署名前に30問を確認し、よくある計算漏れを避けます

30問の確認は、署名前の最終点検として使います。次の一覧は、30問を六つの領域にまとめたものです。各領域で一つでも不安があれば、その領域に計算漏れや資料不足が残っている可能性があると読み取ってください。

治療・通院

治療費、通院交通費、タクシー利用、入院雑費、文書料、症状固定前の最終示談、通院間隔を確認します。

休業・収入

欠勤、遅刻、早退、有給休暇、賞与、残業、家事従事者、自営業、役員、学生、就職予定を確認します。

慰謝料・後遺障害

入通院慰謝料の基準、後遺障害申請、等級、逸失利益、基礎収入、喪失率、喪失期間を確認します。

死亡事故

葬儀費、死亡逸失利益、本人慰謝料、遺族慰謝料、相続人、未成年者、相続放棄を確認します。

物損・過失

修理費、全損時価、代車、休車、評価損、レッカー、保管料、携行品、過失割合の根拠を確認します。

保険・示談書

既払金、労災、健康保険、人身傷害、弁護士費用特約、税務、清算条項、後遺障害留保を確認します。

典型的な計算漏れは、どれも「保険会社が払っているから終わり」「給与が減っていないから損害なし」といった思い込みから起きます。次の比較表は、よくある誤解と実際に確認すべきことを並べたものです。誤解の列に心当たりがある場合は、右列の確認点に戻ってください。

よくある誤解確認すべきこと
治療費は保険会社が払ったから終わり通院交通費、文書料、休業損害、慰謝料、後遺障害は別に確認します。
有給休暇を使ったので給与減がない事故で有給休暇を消費した損害評価が問題になることがあります。
家事従事者に収入がないので休業損害がない家事労働の価値が損害として評価される場合があります。
症状固定前でも早く示談した方がよい将来治療費、休業損害、後遺障害を取り逃がすおそれがあります。
物損示談書だから人身には影響しない本文に「本件事故に関する一切の損害」とある場合は範囲確認が必要です。
労災事故でも全部まとめて示談してよい労災給付と民事賠償の調整、求償、控除を確認します。
後遺障害非該当なら終わり資料不足や診断書記載の問題がないか、異議申立の余地を確認します。

30問は、すべてに完璧な答えを出すためのものではありません。未確認の項目を見つけ、署名前に資料や専門家確認へつなげるための点検です。

Section 10

示談金の計算に漏れがないか確認する実践手順

費目別分解、自賠責・任意・裁判基準、後遺障害、過失、既払金、示談範囲を順に確認します

実践段階では、提示額を費目別に分解することから始めます。次の表は、提示額、自分の計算、差額、必要資料を横並びで確認するためのものです。空欄を埋めるように読むことで、どの費目に資料不足や金額差があるのかを発見しやすくなります。

区分費目提示額自分の計算差額必要資料
人身治療費確認確認確認診療報酬明細、領収書
人身通院交通費確認確認確認通院日、交通手段
人身休業損害確認確認確認休業損害証明、源泉徴収票
人身傷害慰謝料確認確認確認通院期間、実日数
後遺障害後遺障害慰謝料確認確認確認等級、診断書
後遺障害逸失利益確認確認確認基礎収入、喪失率
物損修理費・全損確認確認確認見積、時価資料
物損代車・評価損確認確認確認領収書、査定資料
控除既払金確認確認確認支払明細

費目別の分解ができたら、署名前の確認を七つの順番で進めます。次の時系列は、示談案を受け取ってから署名前の第三者確認までの行動順を示しています。上から順に進めることで、後遺障害や過失割合のような前提問題を後回しにしないことが重要です。

手順1

示談案を費目別に分解する

一式表示を分解し、提示額、自分の計算、差額、必要資料を並べます。

手順2

計算基準を確認する

自賠責、任意保険、裁判基準のどの水準に近いかを見ます。

手順3

後遺障害の可能性を先に判断する

症状が残る場合、金額交渉より先に後遺障害申請の要否を確認します。

手順4

過失割合と証拠を再確認する

映像、現場写真、警察資料、車両損傷を確認します。

手順5

既払金・社会保険給付を整理する

控除されるもの、されないもの、充当先が限定されるものを分けます。

手順6

示談書の範囲を限定する

物損のみ先行、人身損害留保、後遺障害留保、労災求償別途などを確認します。

手順7

署名前に第三者確認を受ける

死亡事故、後遺障害、過失割合争い、自営業者、労災事故では特に慎重に確認します。

示談金の計算に漏れがないかチェックするポイントは、提示額の高低だけでなく、事故態様、医療、収入、生活、車両、保険、社会保障、税務、示談書の文言を一体で見ることです。保険会社の提示は出発点であって、常に最終的な正解とは限りません。

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示談金の計算に漏れがないかに関するFAQ

個別判断ではなく、一般的な確認観点として整理します

Q1. 保険会社の提示額が出ていれば、計算漏れはないと考えてよいですか。

一般的には、提示額は示談交渉の出発点であり、常に全費目を網羅した最終的な正解とは限りません。ただし、事故態様、治療経過、支払済み金額、保険契約によって確認すべき範囲は変わります。具体的な妥当性は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 治療費を保険会社が直接払っていれば、人身損害は終わりですか。

一般的には、治療費の直接払いと、通院交通費、休業損害、慰謝料、後遺障害は別の問題とされています。ただし、既払金や一括対応の範囲によって整理は変わります。具体的には、支払明細と示談案を突き合わせて専門家へ確認する必要があります。

Q3. 有給休暇を使って給与が減っていない場合、休業損害はありませんか。

一般的には、有給休暇を事故対応のために使った場合、その財産的価値が損害評価の対象となる可能性があります。ただし、勤務実態、休暇取得の理由、証拠関係で結論は変わります。具体的な請求可否は、勤務資料を整理して弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. 後遺障害が非該当なら、そのまま示談してよいですか。

一般的には、非該当の理由、医療資料、後遺障害診断書、通院状況、症状の一貫性を確認してから判断することが重要とされています。ただし、異議申立の見通しは症状や証拠により変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで専門家に相談する必要があります。

Q5. 物損だけの示談書なら、人身損害には影響しませんか。

一般的には、示談書の表題よりも本文の対象範囲と清算条項が重要とされています。ただし、文言によっては「本件事故に関する一切の損害」と読める場合があります。具体的な影響は、署名前に示談書全文を確認して弁護士等へ相談する必要があります。

Q6. 交通事故の示談金は課税されますか。

一般的には、心身や資産の損害を補填する性質の損害賠償金は非課税となる場合が多いとされています。ただし、事業所得の必要経費を補填する金額、事業用車両、店舗損害、死亡事故の受取時期などで整理が変わる可能性があります。具体的な税務処理は税理士等へ確認する必要があります。

Q7. 署名前に弁護士へ見せる必要がありますか。

一般的には、死亡事故、後遺障害、高額損害、過失割合争い、労災併用、自営業者、事業用車両の事故では、署名前の確認が特に重要とされています。ただし、相談の必要性や費用対効果は事案によって異なります。弁護士費用特約の有無も含めて確認する必要があります。

Reference

参考資料

制度や計算の根拠となる公的・中立的な資料を整理します

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「自動車損害賠償保障事業が行う損害の塡補の基準実施要領」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「交通事故の損害賠償に関する解説」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 厚生労働省「第三者行為災害」関連資料
  • 国税庁タックスアンサー「加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき」
  • 国税庁タックスアンサー「個人事業者が事業所得の必要経費を補てんするための損害賠償金を受け取ったとき」
  • 国税庁タックスアンサー「遺族の方が損害賠償金を受け取ったとき」
  • 国税庁タックスアンサー「交通事故の損害賠償金」