2σ Guide

利益相反取引の
議事録記載方法

取引内容、重要事実、特別利害関係取締役の扱い、定足数、審議経過、決議結果、事後報告まで、会社法・登記・会計税務・内部統制を横断して整理します。

10項目 必須記載
3類型 競業・直接・間接
7手順 確認から保存まで
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利益相反取引の 議事録記載方法

承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。

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利益相反取引の 議事録記載方法
承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。
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  • 利益相反取引の 議事録記載方法
  • 承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。

POINT 1

  • 利益相反取引の議事録記載方法で最初に押さえる全体像
  • 承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。
  • 強い議事録は、形式証拠と実質証拠の両方になります
  • 対象取引の特定
  • 特別利害関係取締役の明示

POINT 2

  • 利益相反取引の議事録記載方法に必要な取引類型の理解
  • 関連会社・親族会社
  • 取締役が代表者、株主、実質支配者、紹介者として関与していないかを確認します。
  • 会社保証・担保提供
  • 会社財産が取締役の債務のために危険にさらされていないかを確認します。

POINT 3

  • 利益相反取引の議事録記載方法を支える会社法の基本構造
  • 会社法356条・365条・369条と施行規則101条を中心に確認します。
  • 議事録本文へすべてを書き込めない場合でも、別紙資料と一体で管理し、どの資料に基づいて説明したかを記録します。

POINT 4

  • 利益相反取引の議事録記載方法を手順で整理する
  • 1. 1. 該当性を確認します:取締役本人、支配会社、親族会社、保証・担保、競業を確認します。
  • 2. 2. 承認機関を確認します:取締役会設置会社は取締役会、非設置会社は原則として 株主総会を確認します。
  • 3. 3. 重要事実を資料化します:契約書案、条件表、価格根拠、税務・会計メモ、法務メモを準備します。
  • 4. 4. 特別利害関係取締役を除外します:説明・質疑と審議・決議を分け、議決に参加しないことを記録します。
  • 5. 5. 承認対象を特定します:相手方、金額、期間、条件、委任範囲、再承認が必要な変更を示します。
  • 6. 6. 取引後に報告します:承認内容との差異、実行日、会社への影響、今後の管理事項を確認します。
  • 7. 7. 保存と閲覧対応を整えます:議事録、添付資料、契約書、電子署名ログ、事後報告資料を一体管理します。

POINT 5

  • 利益相反取引の議事録記載方法で必ず入れる事項
  • 基本情報、議案名、重要事実、定足数、審議、決議結果を具体化します。
  • 議事録には、通常の取締役会議事録としての基本事項に加え、利益相反取引に特有の記載が必要です。
  • リモート参加がある場合は、相互に音声・映像で意見交換できる状態や本人確認、通信障害の有無も残すと説明しやすくなります。
  • 各行は後日の争点を減らすために重要であり、読者は「誰が読んでも取引と判断過程が分かるか」を読み取ってください。

POINT 6

  • 利益相反取引の議事録記載方法を取引類型別に使い分ける
  • 不動産売買、保証、関連会社取引、株主総会、みなし決議、事後報告を整理します。
  • 利益相反取引の文例は、取引類型によって重点が変わります。
  • 不動産売買では価格と登記、保証では保証限度額と求償権保全、関連会社取引では第三者比較と成果物の権利帰属が重要になります。
  • 物件表示、売買代金、支払方法、引渡日、価格算定根拠、代金回収リスク、登記手続、司法書士確認を記録します。

POINT 7

  • 利益相反取引の議事録記載方法と登記・会計税務・内部統制
  • 登記実務
  • 不動産売買や抵当権設定では、承認議事録が登記添付情報として問題になります。
  • 会計・関連当事者
  • 関連当事者取引として注記や監査手続の対象になる場合があります。

POINT 8

  • 利益相反取引の議事録記載方法で起きやすい失敗と修正
  • 薄い議事録、議決参加、価格根拠なし、広すぎる包括承認を避けます。
  • 強い議事録は、取引・利害・開示・除外・判断・保存をつなげます
  • 失敗例を先に把握すると、作成段階で修正しやすくなります。
  • 左から右へ確認すると、どの欠落がどの修正につながるかが分かるため、読者は自社の既存議事録を点検する観点として使ってください。

まとめ

  • 利益相反取引の 議事録記載方法
  • 利益相反取引の議事録記載方法で最初に押さえる全体像:承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。
  • 利益相反取引の議事録記載方法に必要な取引類型の理解:直接取引、間接取引、競業取引を分けると、議事録に残すべき情報が見えます。
  • 利益相反取引の議事録記載方法を支える会社法の基本構造:会社法356条・365条・369条と施行規則101条を中心に確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

利益相反取引の議事録記載方法で最初に押さえる全体像

承認した事実だけでなく、判断材料と議決から外した範囲まで残すことが中心です。

利益相反取引の議事録記載方法では、「承認しました」という結論だけでは足りません。どの取引が問題になり、どの取締役に特別の利害関係があり、どの資料に基づいて重要な事実が開示され、誰が議決に参加しなかったのかを、後日検証できる程度に残す必要があります。

この重要ポイントは、議事録がどのような役割を持つかを整理したものです。紛争、監査、登記、金融機関審査、税務調査、M&A確認で確認されやすいため、読者は「結果」「理由」「手続」「証拠」の4層がそろっているかを読み取ってください。

強い議事録は、形式証拠と実質証拠の両方になります

取引内容、利益相反構造、重要事実の開示、利害関係取締役の扱い、定足数、審議の要点、決議結果、事後報告を一体で記録すると、会社が適正な検討をしたことを説明しやすくなります。

以下の一覧は、議事録に最低限残すべき10項目を整理しています。各項目は後日の確認場面で見られる論点に対応しており、抜けがあると承認範囲や判断過程が分かりにくくなるため、取引内容の特定から保存管理まで順に確認します。

取引

対象取引の特定

直接取引、間接取引、競業取引のどれに当たるかを明確にし、相手方、対象、金額、期間、主要条件を記録します。

利害

特別利害関係取締役の明示

誰がどの理由で議決に加われないかを示し、説明後の退席や議決不参加を記録します。

判断

合理性と会社への影響

価格根拠、代替案、会社の利益、リスク、反対意見、条件付き承認、事後報告予定を残します。

注意「取締役Aとの取引について全員一致で承認した」という短い記載では、相手方、条件、開示資料、議決に参加できる取締役の範囲が分かりません。利益相反取引では証拠価値が下がるため、主要条件と審議の要点を必ず残します。
Section 01

利益相反取引の議事録記載方法に必要な取引類型の理解

直接取引、間接取引、競業取引を分けると、議事録に残すべき情報が見えます。

利益相反取引は、会社と取締役の利益が衝突し得る取引です。会社法上は競業取引、直接取引、間接取引が問題になり、議事録では形式上の契約名義だけでなく、実質的に誰へ利益が帰属するかを確認します。

次の比較表は、3つの類型と議事録で特に確認すべき観点を整理しています。類型ごとに会社財産への影響や見落としやすい点が異なるため、読者は自社の取引がどの列に近いか、また追加資料が必要かを読み取ってください。

類型概要典型例議事録での重点
競業取引取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をします。同種事業を営む別会社で取引します。会社事業との重なり、取締役の関与、会社機会の流出可能性を確認します。
直接取引取締役が自己または第三者のために会社と取引します。会社が取締役へ不動産を売却する、取締役へ貸し付ける、取締役支配会社へ委託します。相手方、価格、支払条件、取締役への利益、第三者条件との比較を明確にします。
間接取引会社が第三者と取引しますが、取締役の利益に影響します。会社が取締役の銀行借入を保証する、取締役債務のため担保提供します。保証限度額、期間、求償権保全、担保、会社が負うリスクを具体化します。

直接取引では、取締役本人だけでなく、取締役が代表する会社、実質的に支配する会社、親族会社、個人事業、第三者名義で取締役のために行われる取引も確認対象になります。間接取引では、契約相手が銀行や第三者になるため、会社が取締役の債務を保証・担保・引受する場面を見落とさないことが重要です。

次の確認一覧は、形式名義だけでは把握しにくい利益帰属を洗い出すためのものです。該当項目が多いほど承認資料を厚くする必要があり、読者は契約相手の背後にいる取締役の利益を読み取ってください。

関連会社・親族会社

取締役が代表者、株主、実質支配者、紹介者として関与していないかを確認します。

会社保証・担保提供

会社財産が取締役の債務のために危険にさらされていないかを確認します。

会社に有利に見える取引

無利息借入などでも期限、相殺、担保、税務、関連契約により評価が変わるため、承認不要と即断しません。

関連当事者取引

会計上の関連当事者取引と会社法上の利益相反取引は重なりますが、同じ概念ではありません。

Section 02

利益相反取引の議事録記載方法を支える会社法の基本構造

会社法356条・365条・369条と施行規則101条を中心に確認します。

利益相反取引の議事録記載方法は、忠実義務・善管注意義務、重要事実の開示、承認機関、特別利害関係取締役の議決排除、取締役会議事録の記載事項、責任リスクが組み合わさって成り立ちます。

次の表は、議事録作成時に参照しやすい主要条文を機能別に並べたものです。条文ごとに議事録へ反映する事項が違うため、読者は「開示」「承認」「議決排除」「記録」「責任」のどの論点を補強するかを読み取ってください。

根拠実務上の意味議事録への反映
会社法355条取締役の忠実義務を定めています。会社利益を考慮した判断過程を示します。
会社法356条競業・利益相反取引で重要な事実の開示と承認を求めています。取引当事者、目的、金額、条件、リスク、代替案、関連資料を示します。
会社法365条取締役会設置会社では取締役会承認と事後報告が中心になります。事前承認議事録と取引後の報告記録を分けて整えます。
会社法369条特別利害関係取締役は議決に加われません。氏名、理由、退席または議決不参加、定足数の再計算を記録します。
会社法施行規則101条取締役会議事録の記載事項を定めています。日時、場所、出席者、議事経過、結果、特別利害関係取締役の氏名を記録します。
会社法423条・428条損害賠償責任、任務懈怠推定、自己のための直接取引の厳格な責任が問題になります。価格・条件の合理性、審議内容、反対意見、事後報告を証拠化します。

重要な事実の開示には、取引当事者、取締役との関係、取引目的、対象、金額、算定根拠、支払条件、担保・保証、期間、会社への利益とリスク、代替案、税務・会計上の影響が含まれます。議事録本文へすべてを書き込めない場合でも、別紙資料と一体で管理し、どの資料に基づいて説明したかを記録します。

実務特別利害関係取締役は、重要事実を説明し質疑に答える場面に参加することがあります。ただし、審議と決議の公正性を示すため、説明後に退席し、議決へ参加しなかったことを明記する運用が実務的です。
Section 03

利益相反取引の議事録記載方法を手順で整理する

該当性確認から事後報告・保存までを一体で管理します。

利益相反取引の議事録は、会議当日の文章だけで完成しません。取引の発見、重要事実の整理、承認、契約締結、事後報告、保存までを同じ線で管理すると、承認範囲と証跡がずれにくくなります。

次の判断の流れは、取引申請から保存までの順番を表しています。上から下へ進むほど実行に近づくため、読者は各段階で「承認前に確認すること」と「実行後に報告すること」が混ざっていないかを読み取ってください。

利益相反取引を議事録へ落とし込む順番

1. 該当性を確認します

取締役本人、支配会社、親族会社、保証・担保、競業を確認します。

2. 承認機関を確認します

取締役会設置会社は取締役会、非設置会社は原則として株主総会を確認します。

3. 重要事実を資料化します

契約書案、条件表、価格根拠、税務・会計メモ、法務メモを準備します。

4. 特別利害関係取締役を除外します

説明・質疑と審議・決議を分け、議決に参加しないことを記録します。

5. 承認対象を特定します

相手方、金額、期間、条件、委任範囲、再承認が必要な変更を示します。

6. 取引後に報告します

承認内容との差異、実行日、会社への影響、今後の管理事項を確認します。

7. 保存と閲覧対応を整えます

議事録、添付資料、契約書、電子署名ログ、事後報告資料を一体管理します。

次の時系列は、会議前後の作業を時間の順番で整理しています。各段階の順番には意味があり、事前承認前に契約を締結してしまうと、後から補正や責任整理が必要になるため、読者は「いつ何を残すか」を確認してください。

付議前

関連当事者と取引条件を洗い出します

関連当事者チェック、契約書案、価格根拠、代替案、税務・会計確認を整えます。

承認時

重要事実と議決範囲を記録します

特別利害関係取締役の氏名、議決不参加、定足数、審議内容、決議結果を残します。

実行後

承認条件との差異を報告します

契約締結日、履行日、金額、差異の有無、会社への影響、継続管理を報告します。

保存

議事録と根拠資料を一体で保管します

招集通知、契約書、評価書、稟議、反対意見、電子署名ログ、登記資料を紐づけます。

Section 04

利益相反取引の議事録記載方法で必ず入れる事項

基本情報、議案名、重要事実、定足数、審議、決議結果を具体化します。

議事録には、通常の取締役会議事録としての基本事項に加え、利益相反取引に特有の記載が必要です。リモート参加がある場合は、相互に音声・映像で意見交換できる状態や本人確認、通信障害の有無も残すと説明しやすくなります。

次の表は、議事録本文で確認されやすい項目と、記載の狙いを整理したものです。各行は後日の争点を減らすために重要であり、読者は「誰が読んでも取引と判断過程が分かるか」を読み取ってください。

記載項目具体的な内容不足した場合のリスク
会議の基本情報日時、場所、出席者、議長、議事録作成者、招集手続、リモート参加方法を記録します。議事録の形式面や出席状況が分かりにくくなります。
具体的な議案名「当社所有不動産を取締役Aに売却する利益相反取引承認の件」のように取引構造を示します。何を承認したか不明確になります。
重要事実の開示契約書案、評価書、条件表、法務・税務メモに基づいて説明した事項を示します。取締役が十分な情報で判断したか説明しにくくなります。
特別利害関係取締役氏名、理由、説明後の退席、議決不参加を記録します。会社法369条や施行規則101条の観点で疑義が残ります。
定足数・可決要件議決に加われる取締役数、出席者数、賛成数を利害関係取締役を除いて記録します。決議の有効性を説明しにくくなります。
審議の経過価格公正性、会社利益、リスク、代替案、反対意見、監査役意見を要約します。形式承認に見えやすくなります。
決議結果と条件承認範囲、条件付き承認、上限額、委任範囲、再承認条件を示します。実行時の変更が承認範囲内か判断しにくくなります。

次の比較一覧は、議案名と決議結果で避けたい書き方と望まれる書き方を対比しています。短い文言は一見便利ですが承認範囲が曖昧になるため、読者はどの要素を足すと証拠として使いやすくなるかを確認してください。

場面避けたい記載望まれる記載
議案名利益相反取引承認の件当社所有不動産を取締役Aに売却する利益相反取引承認の件
定足数全員一致で承認しました本議案について議決に加わることができる出席取締役全員の賛成により承認可決しました
委任範囲詳細は代表取締役に一任します主要条件の範囲内で契約締結日調整と軽微な文言修正を委任します
差異対応変更があれば適宜対応します金額、相手方、取引対象、担保、保証、期間を変更する場合は再度承認を得ます
実務文言「本議案について議決に加わることができる取締役は取締役Aを除く4名であり、その全員が出席しているため、定足数を満たしていることを確認しました」のように、除外後の人数で記録すると誤解を減らせます。
Section 05

利益相反取引の議事録記載方法を取引類型別に使い分ける

不動産売買、保証、関連会社取引、株主総会、みなし決議、事後報告を整理します。

利益相反取引の文例は、取引類型によって重点が変わります。不動産売買では価格と登記、保証では保証限度額と求償権保全、関連会社取引では第三者比較と成果物の権利帰属が重要になります。

次の一覧は、取引類型ごとの記載ポイントを整理しています。項目の並びは「取引特定」「会社への影響」「証拠資料」の順になっており、読者は自社の取引に足りない根拠資料を読み取ってください。

01

会社が取締役に不動産を売却する場合

物件表示、売買代金、支払方法、引渡日、価格算定根拠、代金回収リスク、登記手続、司法書士確認を記録します。

直接取引登記
02

会社が取締役の債務を保証する場合

主債務者、債権者、借入金額、保証限度額、保証期間、保証料、担保、求償権保全策、返済能力を示します。

間接取引保証
03

取締役の関連会社と業務委託する場合

相手方会社との関係、持株比率、委託内容、委託料、契約期間、再委託、成果物の権利帰属、相見積りを確認します。

関連会社第三者比較
04

非取締役会設置会社の場合

株主総会議事録として、出席株主、議決権数、議案、議事経過、決議結果を残し、取締役会の代替にしないよう確認します。

株主総会
05

みなし取締役会決議の場合

定款の定め、同意者の範囲、特別利害関係取締役の除外、監査役の異議なし、電磁的記録の保存を確認します。

みなし決議
06

事後報告の場合

承認日、契約締結日、履行日、実際の金額、承認内容との差異、会社への影響、今後の管理事項を報告します。

事後報告

次の表は、文例へ入れる主要条件を取引別に並べています。列ごとに必要な情報が異なるため、読者は契約書案、条件表、評価資料、専門家確認を議事録と一体にできているかを読み取ってください。

取引類型必ず確認したい条件添付資料の例
不動産売買物件表示、売買代金、支払時期、引渡日、固定資産税精算、契約不適合責任契約書案、物件目録、鑑定評価、近隣取引事例、登記必要書類
金銭貸付貸付額、利率、返済期限、担保、遅延損害金、資金使途、返済能力金銭消費貸借契約書案、信用資料、資金繰り資料、担保資料
会社保証主債務、保証限度額、保証期間、保証料、求償権保全、担保、保証履行リスク保証契約書案、借入契約書案、財務資料、求償権保全資料
業務委託業務範囲、委託料、契約期間、再委託、成果物、検収、秘密保持、解除契約書案、見積比較表、選定理由書、業務実績資料
知的財産対象権利、登録番号、対価、ロイヤルティ、独占性、サブライセンス、権利侵害対応権利台帳、ライセンス契約書案、弁理士確認、ロイヤルティ資料
株式・自己株式株式数、価格、算定根拠、希薄化、支配権、既存株主への影響、開示規制株式価値算定書、株主名簿、会計税務メモ、開示検討資料
Section 06

利益相反取引の議事録記載方法と登記・会計税務・内部統制

議事録を単体で終わらせず、添付資料と社内統制へ接続します。

利益相反取引の議事録は、登記、会計、税務、上場会社のガバナンス、内部監査で確認されることがあります。議事録本文だけでなく、添付資料、台帳、年次確認書、稟議システムとの連携が重要です。

次の一覧は、専門領域ごとに議事録へ接続する実務を整理しています。領域ごとに見られる資料が違うため、読者は社内のどの部門と事前にすり合わせるべきかを読み取ってください。

登記実務

不動産売買や抵当権設定では、承認議事録が登記添付情報として問題になります。物件表示、押印、印鑑証明書、電子署名の受入可否を司法書士と確認します。

会計・関連当事者

関連当事者取引として注記や監査手続の対象になる場合があります。相手方、金額、取引日、条件が議事録と会計資料で一致するよう管理します。

税務

時価との差額、役員給与、寄附金、低額譲渡、高額譲受、登録免許税、不動産取得税を確認し、税務判断の前提を資料化します。

上場会社・IPO準備

少数株主保護、独立社外取締役、特別委員会、支配株主取引、開示要否、監査法人対応を記録へ反映します。

内部統制

関連当事者台帳、役員年次確認書、稟議システムのチェック項目、事後報告管理表を整備し、属人的な処理を避けます。

保存・閲覧対応

招集通知、取締役会資料、契約書、評価書、稟議、反対意見、電子署名ログ、事後報告資料を一体で保管します。

次のチェック表は、付議前、議事録作成時、取引後の3段階で確認する項目をまとめています。段階ごとに確認する意味が異なるため、読者は「付議前に不足している資料」と「取引後に追うべき差異」を分けて読み取ってください。

段階確認項目主な担当
付議前取引相手、実質的利益、承認機関、特別利害関係取締役、契約書案、価格根拠、税務・会計確認、登記利用の有無法務、商事法務、経理、税務、事業部
議事録作成時議案名、取引条件、重要事実、添付資料、議決不参加、定足数、審議要点、決議結果、反対意見取締役会事務局、議長、監査役
取引後契約締結日、承認内容との差異、再承認要否、事後報告、会計・税務処理、台帳登録、資料保存法務、経理、内部監査、取締役会事務局
Section 07

利益相反取引の議事録記載方法で起きやすい失敗と修正

薄い議事録、議決参加、価格根拠なし、広すぎる包括承認を避けます。

利益相反取引では、形式上は議事録があっても、内容が薄い、特別利害関係取締役が議決に参加している、価格根拠がない、事後報告がないなどの問題が起きやすいです。失敗例を先に把握すると、作成段階で修正しやすくなります。

次の表は、よくある失敗と修正方法を対にしたものです。左から右へ確認すると、どの欠落がどの修正につながるかが分かるため、読者は自社の既存議事録を点検する観点として使ってください。

失敗例問題点修正方法
「承認した」としか書いていない取引内容、相手方、金額、条件、重要事実が分かりません。主要条件と別紙資料を特定し、重要事実の説明を記録します。
利害関係取締役が議決に参加した決議の公正性と有効性に疑義が残ります。議決から除外し、必要に応じて再決議を検討します。
特別利害関係取締役の氏名がない施行規則上の記載事項を欠く可能性があります。氏名、理由、議決不参加を明記します。
価格根拠がない会社財産の流出や不公正取引の疑いを招きます。鑑定、相見積り、市場価格、第三者評価、税務・会計資料を添付します。
包括承認が広すぎるどの取引まで承認されたか分かりません。取引類型、相手方、上限額、期間、主要条件、報告頻度を限定します。
事後報告がない取引実行後の監督記録が残りません。直近の取締役会などで重要事実を報告し、差異を確認します。
登記で使えない物件表示、当事者、押印、印鑑証明書が不足することがあります。司法書士と事前に確認し、登記添付情報として必要な形式を満たします。

次の重要ポイントは、強い議事録の条件を12個にまとめたものです。番号は確認順を表しており、前半は取引の特定、後半は判断過程と保存管理に対応するため、読者は抜けている番号を優先的に補ってください。

強い議事録は、取引・利害・開示・除外・判断・保存をつなげます

取引が一読して特定でき、利益相反構造、特別利害関係取締役、重要事実、価格合理性、議決不参加、定足数、審議実質、承認範囲、事後報告、添付資料、登記・会計・税務での説明可能性がそろっている状態を目指します。

FAQ

利益相反取引の議事録記載方法に関するFAQ

一般的な制度説明として、個別事案の結論は専門家確認が必要です。

契約書の全文を議事録へ入れる必要はありますか。

一般的には、契約書全文を議事録本文へ貼り付ける必要まではないとされています。ただし、承認対象を明確にするため、契約書案を別紙として添付し、議事録本文で「別紙契約書案の内容により承認しました」と記録する方法が実務的です。具体的な記載範囲は、取引類型、金額、登記利用、紛争リスクによって変わるため、必要に応じて弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

特別利害関係取締役は退席する必要がありますか。

一般的には、法令上つねに会議室からの退席まで明文で求められるとは限りません。ただし、議決に加わることはできないとされています。審議の公正性を示す観点では、重要事実の説明と質疑応答の後に退席し、残りの取締役だけで審議・決議したことを記録する運用が有用です。具体的な対応は、会議運営や取引内容に応じて専門家へ確認する必要があります。

取締役が会社へ無利息で貸し付ける場合も承認が必要ですか。

一般的には、会社に不利益が生じるおそれがない取引では承認不要と考える余地があります。ただし、期限、担保、相殺、期限の利益、遅延損害金、関連契約、資金繰り、税務処理によって判断が変わる可能性があります。迷う場合は承認手続と記録化を検討し、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

取締役会の議事録に全員一致と書いてよいですか。

一般的には、特別利害関係取締役を含めた全員一致と読める書き方は避ける必要があります。「本議案について議決に加わることができる出席取締役全員の賛成により」と記録すると、議決権を持つ取締役だけで判断したことが分かりやすくなります。具体的な文言は、出席状況と機関設計に応じて確認が必要です。

電子署名・電子議事録でも足りますか。

一般的には、要件を満たせば電磁的記録による議事録も利用できるとされています。ただし、登記、金融機関、監査、社内規程で紙の議事録と扱いが異なる場合があります。電子署名の方式、真正性、保存、閲覧対応、提出先の受入可否は、事前に確認する必要があります。

Reference

参考資料

公的資料と中立的な制度資料のみを資料名で整理します。

法令・公的資料

  • e-Gov法令検索「会社法」
  • e-Gov法令検索「会社法施行規則」
  • 日本法令外国語訳データベースシステム「Companies Act」
  • 日本法令外国語訳データベースシステム「Regulation for Enforcement of the Companies Act」
  • 東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」
  • 不動産登記令