2σ Guide

副業解禁に踏み切る際の
規程整備手順

副業禁止条項を外すだけでは制度は機能しません。就業規則、届出書、労働時間管理、健康管理、秘密保持、個人情報、周知と監査を一体で整えるための実務手順を確認します。

12段階 整備手順
4類型 制限事由
10週 導入目安
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副業解禁に踏み切る際の 規程整備手順

副業禁止条項を外すだけでは制度は機能しません。

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副業解禁に踏み切る際の 規程整備手順
副業禁止条項を外すだけでは制度は機能しません。
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  • 副業解禁に踏み切る際の 規程整備手順
  • 副業禁止条項を外すだけでは制度は機能しません。

POINT 1

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の全体像
  • 1. 現状診断:現行規程、職種、勤務実態、情報資産、業法規制を棚卸しします。
  • 2. 経営方針:副業解禁の目的、許容範囲、制限方針を明文化します。
  • 3. 届出制の設計:類型別リスク、制限事由、手続保障を規程に落とし込みます。
  • 4. 運用開始後の統制:労働時間、健康、情報管理、個人情報、監査、見直しを継続します。

POINT 2

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で使う基本用語
  • 制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 1.1 副業・兼業
  • 1.2 副業解禁
  • 1.3 規程整備

POINT 3

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を支える法的背景
  • 労務提供上の支障
  • 疲労、遅刻、欠勤、集中力低下、勤務シフト衝突など、本務への具体的影響を確認します。
  • 秘密漏えい
  • 営業秘密、顧客情報、技術情報、価格情報、人事情報などの接触と持出しを確認します。

POINT 4

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順 ― 12段階の進め方
  • 1. 診断と方針:規程、職種、情報資産、規制業種を診断し、経営方針と制度目的を決めます。
  • 2. 類型と書式:副業類型、制度方式、就業規則案、届出書、誓約書を整えます。
  • 3. 時間・健康・情報:労働時間通算、健康管理、秘密保持、競業避止、情報セキュリティを接続します。
  • 4. 労使手続と監査:意見聴取、届出、周知、研修、監査、定期見直しを実施します。

POINT 5

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順1 ― 現状診断
  • 制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 4.1 規程棚卸し
  • 4.2 従業員属性と職種リスクの把握
  • 4.3 規制業種の確認

POINT 6

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順2 ― 経営方針の明文化
  • 制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 副業解禁は、法務・人事だけの制度ではない。
  • 規程改定の前に、経営陣は次の事項を明文化すべきである。
  • 方針文の例は次のとおりである。

POINT 7

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順3 ― 副業類型の分類
  • 制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 副業解禁の規程整備では、副業を一括りにしないことが重要である。
  • 雇用型と非雇用型では、労働時間通算、割増賃金、労災、社会保険、健康管理の論点が異なる。
  • 競業型と非競業型では、秘密保持や利益相反の論点が異なる。

POINT 8

  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順4 ― 制度方式の選択
  • 制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 7.1 原則届出制が実務上の基本形
  • 7.2 許可制を維持する場合の条件
  • 規程整備の基本形は、原則届出制である。

まとめ

  • 副業解禁に踏み切る際の 規程整備手順
  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の全体像:制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で使う基本用語:制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を支える法的背景:制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の全体像

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の重要ポイントは、副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で最初に押さえる判断軸をまとめたものです。制度変更が労務、情報管理、個人情報、税務、内部統制にまたがるため重要で、三つの視点を読むと、単なる条文変更では足りない理由が分かります。

副業解禁は就業規則だけでは完結しません

現行規程の診断、経営方針、届出制、労働時間管理、健康管理、秘密保持、個人情報管理、周知と監査までを一体で設計する必要があります。

次の時系列は、制度設計の全体の順番を表しています。順番を誤ると届出書だけが先行し、判断基準や健康管理が追いつかないため重要で、上から下へ読むと、経営方針から監査までの流れを把握できます。

Step 1

現状診断

現行規程、職種、勤務実態、情報資産、業法規制を棚卸しします。

Step 2

経営方針

副業解禁の目的、許容範囲、制限方針を明文化します。

Step 3

届出制の設計

類型別リスク、制限事由、手続保障を規程に落とし込みます。

Step 4

運用開始後の統制

労働時間、健康、情報管理、個人情報、監査、見直しを継続します。

企業が副業を解禁するという判断は、単に「副業禁止」の一文を削除する作業ではない。労働時間管理、健康確保、秘密保持、競業避止、利益相反、個人情報、情報セキュリティ、知的財産、社会保険、税務、内部統制、人事評価、懲戒、社内通報、採用広報まで連動する経営上の制度変更である。

このページは、企業法務に関連した問題に悩む経営者、法務担当、人事労務担当、コンプライアンス担当、内部監査担当、企業内弁護士、外部弁護士、社会保険労務士、税理士、公認会計士、経営コンサルタント、中小企業診断士、研究者等を主な読者として、「副業解禁に踏み切る際の規程整備手順」を実務に落とし込むための体系的な解説を行う。

結論を先に述べると、適切な手順は次のとおりである。

  1. 現行規程、職種、勤務実態、情報資産、規制業種該当性を診断する。
  2. 副業解禁の目的と許容範囲を経営方針として明文化する。
  3. 届出制を基本としつつ、制限事由、判断基準、手続保障を規程化する。
  4. 雇用型副業について労働時間通算、割増賃金、三六協定、健康管理の運用を設計する。
  5. 業務委託型、役員就任型、個人事業型、家業型、投資型などを分類し、それぞれのリスクに応じた届出項目を定める。
  6. 秘密保持、競業避止、利益相反、会社資産利用、知的財産、情報セキュリティを就業規則、誓約書、社内ガイドラインで接続する。
  7. 個人情報保護の観点から、届出情報の利用目的、閲覧権限、保存期間、削除手順を設計する。
  8. 労働者代表からの意見聴取、労働基準監督署への届出、周知、研修、相談窓口、監査、定期見直しを実施する。

この順序を誤ると、副業解禁は従業員の自律性を高める制度ではなく、長時間労働、情報漏えい、不公平な運用、恣意的な不許可、懲戒紛争、採用上の信頼低下を招く制度になりかねない。

このページでは、公的機関の資料を中心に参照する。主な根拠は、厚生労働省の副業・兼業関連資料、モデル就業規則、労働時間通算に関する通達、労働条件ポータルサイトの解説、個人情報保護委員会のFAQ、経済産業省の営業秘密管理指針、国税庁および日本年金機構の公表情報である。なお、このページは一般的な実務解説であり、個別事案の法的助言ではない。実際の規程改定にあたっては、事業内容、労働時間制度、労働組合または労働者代表との関係、業法規制、個人情報の取扱状況を踏まえ、弁護士、社会保険労務士、税理士、公認会計士等の専門家に確認する必要がある。

Section 01

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で使う基本用語

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

1.1 副業・兼業

このページでいう「副業・兼業」とは、従業員が本務先である会社の勤務時間外に、他社で雇用されること、自ら事業を営むこと、業務委託を受けること、役員や顧問として報酬を得ること、継続的な創作・発信活動から収益を得ることなどを広くいう。

公的資料では「副業・兼業」という表現が多く用いられる。実務上は「副業」は本業に対して補助的な収入活動を指すことが多く、「兼業」は複数の職業を並行する状態を指すことが多い。しかし、規程整備では両者を厳密に分けるよりも、「勤務時間外に行う社外の就労・事業・報酬活動」を包括的に把握し、雇用型か非雇用型か、競業性があるか、秘密情報に接触するか、長時間労働につながるかで分類する方が実務的である。

1.2 副業解禁

「副業解禁」とは、会社が従業員の勤務時間外の活動を原則として認めつつ、業務提供への支障、秘密漏えい、競業、信用毀損、健康障害などの合理的な理由がある場合に限り、禁止、制限、条件付承認を行う制度へ移行することをいう。

ここで重要なのは、副業解禁は「完全自由化」ではないという点である。会社は、従業員の私生活上の自由を尊重しなければならない一方で、労務提供を受ける契約当事者として、誠実な職務遂行、企業秘密の保護、職場秩序、労働安全衛生、顧客・取引先との信頼関係を確保する必要がある。

1.3 規程整備

「規程整備」とは、就業規則の条項だけでなく、関連する社内ルール、届出書、誓約書、情報セキュリティ規程、秘密情報管理規程、職務発明規程、ハラスメント相談規程、個人情報取扱規程、労働時間管理手順、健康相談流れ、人事評価ルール、懲戒運用基準を一体として設計することをいう。

副業解禁の失敗例の多くは、就業規則だけを改定し、運用ルールを作らないことに起因する。逆に、実務で必要な手順を事前に定めておけば、現場管理職が個人的な感覚で許否を判断する危険を減らすことができる。

1.4 届出制、許可制、承認制

副業規程の設計では、次の三つを区別する必要がある。

次の比較表は、区分、意味、実務上の注意点を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

区分意味実務上の注意点
届出制従業員が副業内容を会社に届け出る制度原則自由と整合しやすい。会社は届出内容を確認し、問題がある場合に限定して制限する。
許可制会社の許可がなければ副業できない制度判断基準が不明確だと恣意的運用となりやすい。許可制を維持する場合も、不許可事由を客観化する必要がある。
承認制実質的には許可制と近いが、会社が条件を付して承認する運用を含む条件付承認の範囲、期間、再届出、取消事由を明確にする必要がある。

厚生労働省のモデル就業規則は、勤務時間外に他社等の業務に従事できることを前提に、事前の届出と限定的な禁止・制限事由を示している。したがって、一般企業の初期設計では、届出制を基本形とし、事業上の高リスク領域に限定して事前承認または追加確認を組み合わせることが望ましい。

Section 02

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を支える法的背景

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の重要ポイントは、副業解禁で会社が制限できる典型事由を整理したものです。原則許容と合理的制限の境界を誤ると恣意的運用になりやすいため重要で、各項目から制限理由を具体的リスクに結び付けて読むことが大切です。

労務提供上の支障

疲労、遅刻、欠勤、集中力低下、勤務シフト衝突など、本務への具体的影響を確認します。

秘密漏えい

営業秘密、顧客情報、技術情報、価格情報、人事情報などの接触と持出しを確認します。

競業・利益相反

競合先、顧客、仕入先、会社機会、報酬関係が会社の正当な利益を害しないかを見ます。

信用・名誉への影響

会社名、肩書、SNS発信、違法行為、反社会的勢力との関係など、ブランド毀損の可能性を確認します。

2.1 勤務時間外の活動は原則として私生活領域に属する

副業規程の出発点は、従業員の勤務時間外の活動は原則として私生活領域に属するという考え方である。会社は労働契約に基づき、所定労働時間中の労務提供を受けることができる。しかし、勤務時間外の過ごし方を無制限に支配できるわけではない。

厚生労働省の副業・兼業関連資料でも、企業は副業・兼業を原則として認める方向で検討すること、長時間労働、秘密漏えい、競業、信用毀損などの問題がある場合に適切な対応を行うことが示されている。

この考え方から、規程整備では「禁止から許可へ」ではなく、「原則許容から合理的制限へ」という設計思想を採用する必要がある。

2.2 会社が制限できる典型的な事由

会社が副業を制限し得る典型事由は、次の四類型で整理できる。

次の比較表は、制限事由、意味、規程上の具体化例を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

制限事由意味規程上の具体化例
労務提供上の支障疲労、遅刻、欠勤、集中力低下、職務専念への影響深夜勤務型副業、長時間勤務、休息時間不足、勤務シフトの衝突を届出対象とする。
秘密漏えい営業秘密、顧客情報、技術情報、価格情報、人事情報等が流出する危険競合他社、取引先、同業種での情報接触を重点確認する。
競業による利益侵害会社と競合する事業を行い、顧客、技術、ノウハウ、商機を奪う危険競業先での就労、自社顧客への営業、会社案件の横取りを禁止する。
信用・名誉の毀損会社の信用、ブランド、社会的信頼を損なう危険反社会的勢力との関係、違法行為、企業名を用いた不適切発信を禁止する。

厚生労働省のモデル就業規則も、勤務時間外の他社業務を認めつつ、労務提供上の支障、企業秘密の漏えい、会社の名誉・信用の毀損、競業による利益侵害を禁止・制限事由として示している。

2.3 就業規則改定の基本手続

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出る必要がある。変更の場合も同様である。厚生労働省は、就業規則を作成・変更する際には、事業場の実態に合ったものにすることを求めている。

実務上の改定手順は、少なくとも次の段階を含む。

  1. 改定方針の決定
  2. 現行規程の確認
  3. 改定案の作成
  4. 労働者代表または労働組合からの意見聴取
  5. 意見書の添付
  6. 労働基準監督署への届出
  7. 従業員への周知
  8. 管理職研修と運用開始
  9. 運用記録の保存
  10. 定期的な見直し

就業規則は作成しただけでは足りない。従業員が内容を知り得る状態に置く必要がある。副業規程についても、イントラネット掲載、説明会、FAQ、届出フォーム、相談窓口、管理職向けマニュアルを整備し、実際に利用できる状態にすることが重要である。

2.4 労働時間通算という副業解禁の中核論点

副業解禁における最大の実務論点は、労働時間管理である。労働基準法三八条一項は、労働時間について事業場を異にする場合にも通算する旨を定めており、厚生労働省の通達は「事業場を異にする場合」には事業主を異にする場合も含むと整理している。

したがって、従業員が本務先で雇用され、さらに副業先でも労働者として雇用される場合、労働時間通算の問題が生じる。これに対し、業務委託、請負、委任、顧問契約、個人事業など、労働基準法上の労働者に該当しない形態であれば、労働基準法上の労働時間通算の対象とならない場合がある。ただし、契約名称が業務委託であっても、実態として指揮命令下で働き、時間的場所的拘束が強い場合には、労働者性が問題となる。

このため、副業届出書では、副業先の名称だけでなく、雇用型か非雇用型か、契約期間、勤務日、勤務時間、時間外労働の見込み、深夜・休日労働の有無、業務内容を確認する必要がある。

2.5 管理モデルの位置づけ

厚生労働省は、副業・兼業における労働時間管理の負担を軽減するため、いわゆる管理モデルに関する考え方を示している。管理モデルは、先に雇用契約を締結している使用者と後から雇用契約を締結する使用者の労働時間の上限をあらかじめ設定し、単月百時間未満、複数月平均八十時間以内などの枠内に収めることを前提に、他方の実労働時間の逐次把握を簡略化する仕組みである。

ただし、管理モデルは万能ではない。導入には従業員と副業先の協力が必要であり、会社が一方的に設定できるものではない。また、管理モデルを採用しても、健康障害の兆候、勤務状況の悪化、深夜業の増加がある場合には、追加確認や条件変更が必要になる。

2.6 安全配慮義務と健康管理

副業解禁は、従業員の健康確保と切り離せない。企業には、労働契約に伴う安全配慮義務があり、労働安全衛生法上の健康診断、医師による面接指導、ストレスチェック等の制度も存在する。厚生労働省の解説でも、副業・兼業による長時間労働や健康障害を防止する観点から、労使の話し合いや必要な措置が重要であるとされている。

実務上は、副業を認めるか否かの問題だけでなく、副業開始後に疲労、睡眠不足、遅刻、欠勤、メンタルヘルス不調、業務ミスが発生した場合に、誰が、何を、どの範囲で確認し、どのような措置をとるかを事前に定める必要がある。

Section 03

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順 ― 12段階の進め方

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の時系列は、副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を十二段階で示しています。担当部門と成果物を同時に押さえることが運用定着に重要で、順番どおりに読むと、どの段階で何を作るべきかが分かります。

1-2

診断と方針

規程、職種、情報資産、規制業種を診断し、経営方針と制度目的を決めます。

3-6

類型と書式

副業類型、制度方式、就業規則案、届出書、誓約書を整えます。

7-9

時間・健康・情報

労働時間通算、健康管理、秘密保持、競業避止、情報セキュリティを接続します。

10-12

労使手続と監査

意見聴取、届出、周知、研修、監査、定期見直しを実施します。

「副業解禁に踏み切る際の規程整備手順」は、次の十二段階で整理できる。

次の比較表は、段階、手順、主担当を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

段階手順主担当主な成果物
1現状診断法務、人事、労務、内部監査現行規程棚卸表、リスク診断表
2経営方針の明文化経営陣、法務、人事副業解禁方針、制度目的
3副業類型の分類法務、人事、社労士類型別リスク表
4制度方式の選択法務、人事、外部専門家届出制、承認制、禁止類型の設計
5就業規則案の作成法務、社労士、弁護士就業規則改定案
6届出書・誓約書の作成法務、人事、個人情報担当届出書、変更届、誓約書、同意文言
7労働時間管理手順の設計人事、労務、社労士労働時間通算流れ、管理モデル運用書
8健康管理手順の設計人事、産業医、衛生管理者健康相談流れ、就業制限基準
9情報・競業リスク対策法務、情報システム、知財秘密保持、情報セキュリティ、競業確認表
10労使手続と届出人事、社労士意見書、労基署届出書類
11周知・研修人事、法務、管理職FAQ、研修資料、申請マニュアル
12監査・見直し内部監査、法務、人事運用レビュー、改善計画

この十二段階を、以下で詳細に検討する。

Section 04

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順1 ― 現状診断

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

4.1 規程棚卸し

最初に実施すべきは、現行規程の棚卸しである。副業禁止条項だけを見ても足りない。次の規程を確認する必要がある。

次の比較表は、確認対象、確認すべきポイントを横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

確認対象確認すべきポイント
就業規則副業禁止、職務専念、服務規律、懲戒、秘密保持、競業避止、労働時間、休職、健康管理の条項
賃金規程割増賃金、固定残業代、深夜手当、休日労働、欠勤控除、休職中の賃金
情報セキュリティ規程会社PC、私物端末、クラウド、USB、外部送信、ログ管理、アカウント利用
秘密情報管理規程営業秘密の区分、アクセス権限、持出制限、退職後義務
個人情報取扱規程副業届出情報の利用目的、保存期間、閲覧権限、第三者提供
職務発明規程副業中の発明、創作、著作物、ソフトウェア、ノウハウの帰属
ハラスメント防止規程副業先との関係、社外活動でのハラスメント、相談窓口
内部通報規程無届副業、情報漏えい、利益相反の通報と調査手順
反社会的勢力排除規程副業先が反社会的勢力と関係する場合の扱い
懲戒規程無届、虚偽届出、競業、秘密漏えい、信用毀損への対応

棚卸しの結果、就業規則上は副業禁止であるのに、採用広報では副業可能と表示している場合、ある部署では認め、別の部署では認めていない場合、管理職が口頭で例外許可している場合などが発見されることがある。こうした不統一は、制度移行時の紛争要因となる。

4.2 従業員属性と職種リスクの把握

副業解禁のリスクは、全従業員で同一ではない。たとえば、研究開発、営業、経営企画、法務、知財、人事、財務、情報システム、購買、顧客データ分析部門では、秘密情報、個人情報、競争上の情報、未公表情報に接触する可能性が高い。

一方、定型的な現場業務でも、深夜副業、肉体労働型副業、運転業務、副業先での労災、疲労による事故のリスクが高まることがある。したがって、職種ごとに主たるリスクを分類し、届出時の確認項目に反映する。

次の比較表は、職種・部門、主なリスク、追加確認項目を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

職種・部門主なリスク追加確認項目
研究開発、知財技術情報、職務発明、共同研究、競業副業先の事業分野、成果物の権利帰属、使用データ
営業、マーケティング顧客情報、価格情報、取引先関係、競業顧客接触の有無、同業他社での業務内容
経営企画、M&A、財務インサイダー情報、未公表計画、利益相反副業先との取引関係、投資勧誘、顧問就任
人事、労務個人情報、採用情報、評価情報採用支援副業、転職支援副業、人材紹介との関係
情報システム認証情報、ログ、セキュリティ、顧客データ会社機器利用、クラウド利用、コード持出し
製造、物流、運転疲労、事故、労災、深夜業副業の勤務時間、運転時間、休息時間
管理職部下への影響、利益相反、会社名の利用副業先での役職、部下の勧誘禁止、社外表示

4.3 規制業種の確認

金融、保険、医薬、医療、介護、建設、運輸、警備、教育、食品、通信、プラットフォーム、個人情報を大量に扱う事業などでは、業法、監督指針、許認可条件、資格者倫理、利益相反規制が副業に影響する場合がある。

たとえば、金融機関では顧客との利益相反や未公表情報の利用が問題となりやすい。医薬・ヘルスケア領域では広告規制、研究倫理、患者情報が問題となる。建設・不動産では宅建業法、建設業法、下請関係が関係することがある。副業規程は、一般労働法だけでなく、業界規制との接点を確認して設計する必要がある。

Section 05

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順2 ― 経営方針の明文化

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

副業解禁は、法務・人事だけの制度ではない。人材戦略、採用競争力、従業員エンゲージメント、イノベーション、地域貢献、リスキリング、収入補完、定年後キャリア、社外ネットワーク形成に関わる経営判断である。

規程改定の前に、経営陣は次の事項を明文化すべきである。

  1. なぜ副業解禁を行うのか。
  2. 会社としてどのような副業を歓迎するのか。
  3. どのような副業は制限するのか。
  4. 従業員の健康をどのように守るのか。
  5. 会社の秘密情報、顧客、ブランドをどのように守るのか。
  6. 副業を人事評価や昇進で不利益に扱わない方針をとるのか。
  7. 管理職にどこまで裁量を与えるのか。
  8. どの期間で制度を検証するのか。

方針文の例は次のとおりである。

方針文例当社は、従業員の自律的なキャリア形成、多様な知識・経験の獲得、社会参加を尊重し、勤務時間外の副業・兼業を原則として認める。もっとも、従業員の健康、安全、誠実な職務遂行、会社の秘密情報、顧客・取引先との信頼関係、競争上の正当な利益を保護するため、必要かつ合理的な範囲で届出、確認、条件付承認、制限を行う。

このような方針を冒頭に置くと、制度の趣旨が従業員に伝わりやすくなる。逆に、禁止事由だけを列挙すると、「会社は本当は副業を認めたくないのではないか」という不信を生みやすい。

Section 06

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順3 ― 副業類型の分類

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

副業解禁の規程整備では、副業を一括りにしないことが重要である。雇用型と非雇用型では、労働時間通算、割増賃金、労災、社会保険、健康管理の論点が異なる。競業型と非競業型では、秘密保持や利益相反の論点が異なる。

次の比較表は、類型、例、主な論点を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

類型主な論点規程上の扱い
雇用型他社のアルバイト、パート、契約社員労働時間通算、割増賃金、三六協定、健康管理原則届出。勤務時間、契約期間、時間外労働見込みを確認。
業務委託型ライター、デザイナー、IT開発、コンサル労働者性、秘密保持、成果物権利、フリーランス法原則届出。業務内容、取引先、成果物、会社資産利用を確認。
個人事業型EC販売、講師、店舗運営、士業登録競業、信用、税務、時間負荷事業内容、顧客、屋号、広告表示を確認。
役員・顧問型他社取締役、監査役、アドバイザー善管注意義務、利益相反、競業、責任事前承認制を検討。会社名利用、職務時間、報酬を確認。
クリエイター型動画配信、SNS、執筆、講演信用毀損、著作権、秘密情報、炎上原則届出。会社情報の発信禁止、肩書表示を制限。
投資型不動産賃貸、株式投資、暗号資産インサイダー、業務時間中取引、利益相反原則届出不要または限定届出。ただし業務化、顧客勧誘は別扱い。
家業・親族支援型家族店舗の手伝い、農業、介護事業補助労働時間、労災、報酬有無、疲労継続性と時間負荷が高い場合は届出。
ボランティア型地域活動、NPO活動報酬、事故、会社名利用、政治・宗教活動原則自由。ただし継続的有償活動や会社名利用は確認。

ここで注意すべきは、「報酬の有無」だけで副業該当性を決めないことである。無償でも、競合先での技術支援、会社名を用いた活動、深夜に及ぶ継続活動、秘密情報の利用がある場合にはリスクが生じる。反対に、少額の収益があっても、会社業務と無関係で労務提供に支障がない活動まで過度に規制すべきではない。

Section 07

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順4 ― 制度方式の選択

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

7.1 原則届出制が実務上の基本形

規程整備の基本形は、原則届出制である。勤務時間外の活動を一律に会社の許可対象とするよりも、従業員が一定の情報を届け出て、会社が合理的なリスクを確認し、必要な場合に限定して制限する仕組みの方が、現在の政策動向と整合しやすい。

届出制のメリットは次のとおりである。

  1. 従業員の私生活上の自由を尊重しやすい。
  2. 無届副業を地下化させにくい。
  3. 会社が健康管理と労働時間管理に必要な情報を取得しやすい。
  4. 許否判断の恣意性を下げやすい。
  5. 採用広報上、「副業可」と説明しやすい。

7.2 許可制を維持する場合の条件

一部企業では、業界規制、秘密情報の性質、職種特性から、許可制または承認制を維持したい場合がある。許可制が常に違法というわけではない。しかし、許可制を採用する場合でも、次の条件を満たすように設計すべきである。

次の比較表は、条件、内容を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

条件内容
判断基準の明確化不許可事由を、労務提供上の支障、秘密漏えい、競業、信用毀損等に限定する。
手続の明確化申請期限、審査期間、担当部署、必要書類、結果通知方法を定める。
理由提示不許可または条件付承認の場合、可能な範囲で理由を示す。
再申請可能性条件変更によりリスクが低下した場合、再申請を認める。
不利益取扱い禁止相談または届出をしたこと自体を人事上不利益に扱わない。
記録保存判断根拠を記録し、同種事案で判断がぶれないようにする。

許可制を採用しても、単に「会社が不適当と認めた場合」といった抽象的条項だけでは、現場運用が不安定になる。実務上は、届出制を基本とし、役員就任、競合他社での業務、規制業種、会社資産利用、社名表示など、限定された高リスク類型について事前承認制を組み合わせる方法が現実的である。

Section 08

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順5 ― 就業規則条項の設計

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

8.1 条項設計の原則

副業規程の条項は、次の七要素を含めるべきである。

  1. 原則として勤務時間外の副業・兼業を認めること。
  2. 事前届出または事前承認の対象となる副業の範囲。
  3. 届出内容の変更、終了、再開の手続。
  4. 会社が禁止、制限、条件付承認を行う事由。
  5. 労働時間、健康状態、秘密保持、競業避止、利益相反に関する従業員の義務。
  6. 虚偽届出、無届副業、秘密漏えい等がある場合の対応。
  7. 相談・届出を理由とする不利益取扱いの禁止。

厚生労働省のモデル就業規則は、副業・兼業条項を独立した章として設け、勤務時間外の副業・兼業を前提にしつつ、一定の事由がある場合に会社が禁止または制限できる構成を示している。

8.2 条文案

以下は、一般企業向けの条文案である。事業内容、職種、労働時間制度、業界規制に応じて修正する必要がある。

規程例
第X条(副業・兼業)
1 従業員は、勤務時間外において、会社以外の者に雇用され、または自ら事業、業務委託、請負、委任、役員就任その他の継続的な報酬活動を行うことができる。
2 従業員は、前項の活動を行おうとするときは、会社所定の方法により、あらかじめ会社に届け出なければならない。ただし、会社業務への支障、労働時間管理、健康管理、秘密保持、競業避止、利益相反の観点から確認の必要性が低い活動については、会社が別に定める基準により届出を不要とすることがある。
3 従業員は、届出内容に重要な変更が生じたとき、または副業・兼業を終了したときは、速やかに会社に届け出なければならない。
4 会社は、副業・兼業が次の各号のいずれかに該当し、または該当するおそれがある場合、必要かつ合理的な範囲で、当該副業・兼業を禁止し、制限し、または条件を付すことができる。
(1) 会社に対する労務提供に支障を生じさせる場合
(2) 会社の秘密情報、個人情報、顧客情報、技術情報その他の保護すべき情報が漏えいし、または不正に利用されるおそれがある場合
(3) 会社の事業と競合し、会社の正当な利益を害するおそれがある場合
(4) 会社の名誉、信用、ブランド、顧客または取引先との信頼関係を害するおそれがある場合
(5) 法令、業法、社内規程、公序良俗に反する場合
(6) 反社会的勢力またはこれに準ずる者との関係を生じさせる場合
(7) その他前各号に準ずる重大な支障がある場合
5 従業員は、副業・兼業に関して、会社の施設、設備、端末、アカウント、資料、データ、肩書、名刺、メールアドレス、知的財産その他会社の資産を、会社の事前承認なく使用してはならない。
6 従業員は、副業・兼業により労働時間または健康状態に影響が生じるおそれがある場合、会社の求めに応じ、必要な範囲で勤務時間、業務内容、休息状況その他健康管理上必要な事項を報告しなければならない。
7 会社は、従業員が副業・兼業について相談し、または届出をしたことのみを理由として、解雇、降格、減給、不利益な配置転換その他不利益な取扱いをしない。
8 従業員が、虚偽の届出をし、会社の合理的な制限に反して副業・兼業を行い、または副業・兼業に関連して服務規律に違反した場合、会社は、事案の性質、故意過失、損害の有無、改善可能性、過去の対応との均衡を踏まえ、必要な措置を講じることができる。

この条文案のポイントは、原則許容を明記しつつ、会社が制限できる根拠を具体化している点である。また、届出をしたこと自体を不利益に扱わない旨を規定することで、無届副業の地下化を防ぐ効果がある。

8.3 届出不要類型を設けるか

すべての収益活動を届出対象にすると、制度が過剰になり、実務が回らない。たとえば、短時間のアンケート回答、単発のフリーマーケット販売、少額の不用品売却、受動的な投資、家族の短時間手伝いまで届出対象にすると、従業員も管理部門も疲弊する。

ただし、少額でも競業、秘密情報、会社名利用、継続的な労働時間負荷がある場合は、届出対象とする必要がある。したがって、届出不要類型を設ける場合は、金額基準だけでなく、継続性、時間負荷、競業性、会社資産利用、会社名利用の有無を組み合わせるべきである。

届出不要の例を定める場合の文言は次のようにする。

規程例
次の活動は、原則として届出を要しない。ただし、会社業務への支障、秘密情報の利用、競業、会社名または会社資産の利用、継続的な長時間活動、社会的信用への影響がある場合はこの限りでない。
(1) 私的な資産運用
(2) 不用品の単発的売却
(3) 報酬を伴わない短時間の地域活動
(4) 会社が別に定める軽微な活動
Section 09

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順6 ― 届出書・誓約書の設計

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

9.1 届出書の目的

副業届出書の目的は、従業員を監視することではない。会社が、労働時間、健康、安全、秘密保持、競業、利益相反、信用毀損の観点から必要な確認を行うことにある。

個人情報保護の観点からも、届出書で収集する情報は必要な範囲に限定すべきである。個人情報保護委員会は、利用目的をできる限り特定し、本人が合理的に予測できる程度に明確にする考え方を示している。副業届出情報についても、「副業・兼業の可否判断、労働時間管理、健康管理、秘密保持、利益相反確認、社内規程遵守確認のため」といった利用目的を明記することが望ましい。

9.2 届出書の標準項目

次の比較表は、項目、必要性、注意点を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

項目必要性注意点
副業の類型雇用型、業務委託型、役員型等で管理論点が異なる選択式にして入力負担を下げる。
副業先の名称競業、反社、取引関係の確認個人相手の業務では不要または任意にする場合がある。
副業先の事業内容競業性、秘密漏えいの確認詳細すぎる営業情報を求めない。
業務内容労務提供上の支障、秘密情報接触の確認本務との関連性を確認する。
契約形態労働時間通算、社会保険、フリーランス法対応雇用、業務委託、請負、委任、役員等を選択。
勤務日・時間帯労働時間通算、健康管理固定でない場合は見込みを記載。
時間外・深夜・休日労働見込み長時間労働リスク雇用型では重要。
開始日・終了予定日管理期間期間不定の場合は定期確認日を設定。
会社資産利用の有無情報セキュリティ会社PC、メール、資料、肩書の利用は禁止または承認制。
競合・取引先該当性競業、利益相反自社の顧客・取引先・競合先を選択式で確認。
健康上の申告安全配慮病歴の詳細取得は慎重に。必要最小限にする。
誓約事項規程遵守秘密保持、競業避止、変更届、健康管理を確認。

9.3 取得すべきでない情報

副業届出書で、次の情報を当然に取得するのは避けるべきである。

  1. 副業収入の詳細金額
  2. 確定申告書や源泉徴収票の写し
  3. 副業先との契約書全文
  4. 取引先の顧客名簿
  5. 家族構成や私生活の詳細
  6. 疾病名、治療内容、服薬情報の詳細
  7. 政治、宗教、思想信条に関する活動の詳細

もちろん、個別事案で利益相反、労働時間、健康管理、法令遵守の確認に必要な場合、追加資料を求めることはあり得る。しかし、最初から過度な情報を求めると、個人情報保護上の問題だけでなく、従業員の信頼を損なう。

9.4 誓約書の文言例

規程例
私は、副業・兼業を行うにあたり、次の事項を遵守します。
1 会社の勤務時間中に副業・兼業を行わないこと。
2 会社の秘密情報、個人情報、顧客情報、技術情報、営業情報を副業・兼業に利用しないこと。
3 会社のPC、メール、アカウント、資料、設備、肩書、名刺、ロゴを会社の承認なく利用しないこと。
4 副業・兼業により会社業務への支障、健康障害、利益相反、競業、信用毀損のおそれが生じた場合、速やかに会社へ報告すること。
5 届出内容に変更が生じた場合、速やかに変更届を提出すること。
6 会社が必要かつ合理的な範囲で確認、条件変更、制限を求めた場合、誠実に協議すること。
Section 10

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順7 ― 労働時間管理

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の判断の流れは、雇用型副業で労働時間通算を確認する順番を表しています。雇用型か非雇用型かで管理方法が大きく変わるため重要で、上から下へ読むと、どの時点で時間上限や健康確認を設定するかが分かります。

雇用型副業の労働時間確認

届出受領

副業先、契約形態、勤務日、勤務時間、深夜休日勤務の見込みを確認します。

雇用契約の有無

副業先でも労働者として雇用される場合は労働時間通算を検討します。

上限リスク確認

本務と副業を合算し、時間外労働、三六協定、健康リスクを確認します。

条件設定と定期報告

曜日、時間帯、上限、報告頻度、健康相談の導線を定めます。

10.1 雇用型副業の確認流れ

雇用型副業では、労働時間通算が最重要である。会社は、少なくとも次の流れを作る必要がある。

  1. 従業員から副業届出を受ける。
  2. 副業先で雇用契約があるか確認する。
  3. 所定労働日、所定労働時間、時間外労働見込み、深夜・休日勤務の有無を確認する。
  4. 本務先の労働時間と副業先の労働時間を通算した場合の上限リスクを確認する。
  5. 必要に応じて副業時間の上限、曜日、時間帯、報告頻度を条件として設定する。
  6. 定期的に実績を報告させる。
  7. 三六協定、割増賃金、健康管理措置との関係を確認する。

厚生労働省の解説では、使用者は従業員の申告等により副業・兼業先での労働時間を把握し、自社の労働時間と通算して管理することが示されている。

10.2 労働時間通算の実務上の難所

労働時間通算では、次の難所がある。

次の比較表は、論点、実務上の問題、対応策を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

論点実務上の問題対応策
他社の労働時間をどう把握するか他社の勤怠情報に直接アクセスできない従業員申告、定期報告、管理モデル、必要に応じた確認書を使う。
どちらの会社が割増賃金を払うか労働契約の先後、時間外発生順序で複雑化する社労士と連携し、雇用型副業は事前確認を徹底する。
三六協定の上限管理本務先では上限内でも通算で過重になる副業時間の上限条件を設定する。
変形労働時間制、フレックスタイム通算計算が複雑になる対象者ごとに個別管理し、自動化できない部分を残す。
管理監督者本務先で労働時間規制の一部適用除外でも健康管理は必要労働時間把握と健康配慮は別問題として管理する。
非雇用型副業労働基準法上の通算対象外でも過労リスクはある作業時間見込み、深夜作業、休息状況を確認する。

10.3 管理モデルを導入する場合

管理モデルを導入する場合、社内規程または運用マニュアルで次の事項を定める。

  1. 管理モデルの対象となる副業の範囲
  2. 本務先と副業先の労働時間上限
  3. 従業員の同意取得方法
  4. 副業先への通知または確認方法
  5. 上限超過時の報告義務
  6. 健康状態悪化時の停止または条件変更
  7. 記録保存期間
  8. 定期見直しの頻度

管理モデルは、他社の実労働時間を日々取得できない現実に対応する手段である。しかし、制度を理解しないまま導入すると、単なる「自己申告で済ませる制度」になってしまう。人事労務担当者、社会保険労務士、必要に応じて外部弁護士が共同で設計すべきである。

10.4 非雇用型副業の健康管理

非雇用型副業は、労働基準法上の労働時間通算の対象外となる場合がある。しかし、健康管理上は別である。たとえば、本務後に毎晩深夜まで動画制作、受託開発、配送、店舗運営を行えば、睡眠不足と疲労が本務に影響する。

したがって、非雇用型副業では、厳密な労働時間通算ではなく、次のような健康配慮型の確認が必要である。

  1. 週あたり作業時間の見込み
  2. 深夜作業の頻度
  3. 連続休息時間の確保
  4. 本務の勤務状況への影響
  5. 体調不良時の相談ルール
  6. 業務量が増えた場合の変更届
Section 11

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順8 ― 健康管理と安全配慮

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

11.1 健康管理規程に入れるべき事項

副業解禁に伴い、健康管理に関する社内ルールを明確化する必要がある。就業規則本文に詳細を書き込む方法もあるが、実務上は「副業・兼業運用細則」または「副業・兼業ガイドライン」に具体化する方が使いやすい。

含めるべき事項は次のとおりである。

次の比較表は、項目、内容を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

項目内容
自己管理義務従業員は十分な休息を確保し、健康状態に留意する。
報告義務副業により本務に支障または健康不安が生じた場合、速やかに報告する。
会社の確認権限必要な範囲で勤務時間、作業時間、健康状態を確認する。
産業医面談長時間労働、疲労、睡眠不足、メンタル不調が疑われる場合に面談を案内する。
条件変更健康リスクが高い場合、副業時間の制限、深夜業の停止、期間短縮を求める。
不利益取扱い禁止健康相談を理由として不利益に扱わない。

11.2 健康確認の頻度

雇用型副業では、少なくとも月次確認を基本とする。副業時間が短い場合は四半期ごと、深夜勤務や休日勤務が多い場合は月次または必要時確認とする。非雇用型副業でも、週十時間を超える継続作業、深夜作業、肉体的負荷の高い作業、運転業務を含む場合には、一定の確認を行うべきである。

11.3 健康情報の取り扱い

健康情報は慎重に扱う必要がある。会社は、副業制度の運用に必要な範囲で、疲労、睡眠、勤務状況、医師面談の要否などを確認できる場合がある。しかし、疾病名、治療内容、服薬内容などの詳細情報は、産業医や人事の限定された担当者のみが必要最小限で扱うべきであり、上司や法務担当に広く共有すべきではない。

Section 12

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順9 ― 秘密保持・競業避止・利益相反

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

12.1 営業秘密保護の基本

副業解禁により、営業秘密の漏えいリスクは高まる。営業秘密として保護されるためには、一般に、秘密として管理されていること、有用な技術上または営業上の情報であること、公然と知られていないことが必要とされる。経済産業省の営業秘密管理指針も、この三要件を整理している。

副業規程だけで営業秘密を守ることはできない。会社は、情報そのものを区分し、アクセス権限を設定し、秘密表示を行い、持出し制限を設け、退職時や異動時に返却・削除を確認し、ログを管理する必要がある。

12.2 副業における秘密保持条項

副業規程または誓約書には、次のような事項を入れる。

  1. 会社の秘密情報を副業に利用しないこと。
  2. 会社の顧客情報、価格情報、技術情報、ノウハウ、ソースコード、研究データを外部に開示しないこと。
  3. 会社の資料、データ、端末、アカウント、メールを副業に使用しないこと。
  4. 副業先から会社情報の提供を求められた場合、直ちに拒否し、必要に応じて会社へ報告すること。
  5. 副業先から秘密保持契約を求められた場合、自社業務との抵触がないか確認すること。

12.3 競業避止の範囲

競業避止は、広く書きすぎると従業員の職業選択の自由を過度に制約する。副業規程では、「同業他社で働くこと」を一律に禁止するのではなく、会社の正当な利益を害する具体的な危険を基準にすべきである。

たとえば、次のように分類できる。

次の比較表は、類型、扱いを横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

類型扱い
会社と同一顧客に対して競合サービスを販売する原則禁止または承認困難
会社の顧客情報を利用して営業する禁止
競合他社で研究開発、営業、価格戦略に関与する高リスク。事前承認制または原則禁止を検討
競合他社で本務と無関係な短時間業務を行う個別判断。秘密情報接触と労務支障を確認
同業界だが地域、顧客、業務内容が異なる個別判断
一般知識を活かした講演・執筆会社秘密を含まない限り原則許容

12.4 利益相反の管理

利益相反とは、従業員の副業上の利益と会社に対する職務上の義務が衝突する状態をいう。たとえば、購買担当者が仕入先の顧問を務める、営業担当者が顧客企業から個人的報酬を受ける、人事担当者が転職支援業務を行う、情報システム担当者が会社のベンダーから開発委託を受ける場合などである。

利益相反を避けるため、届出書には次の質問を入れるとよい。

  1. 副業先は当社の競合先、取引先、顧客、仕入先、業務委託先に該当しますか。
  2. 副業において、当社の顧客、取引先、従業員に営業、勧誘、紹介を行いますか。
  3. 当社の業務上知り得た情報を利用する可能性がありますか。
  4. 当社の勤務時間、施設、設備、端末、アカウントを利用しますか。
  5. 当社での職務上の判断に影響する報酬、便益、贈答を受ける可能性がありますか。
Section 13

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順10 ― 個人情報・情報セキュリティ・知的財産

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

13.1 副業届出情報の個人情報管理

副業届出情報は、個人情報である。副業先、収入活動、勤務時間、健康状況、場合によっては思想信条や家庭事情に近い情報が含まれる可能性がある。したがって、社内での閲覧権限を限定し、利用目的を明確にし、保存期間を定める必要がある。

推奨される管理は次のとおりである。

次の比較表は、項目、推奨対応を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

項目推奨対応
利用目的副業可否判断、労働時間管理、健康管理、秘密保持、競業避止、利益相反確認に限定する。
閲覧権限人事労務、法務、直属上司のうち必要者、産業医などに限定する。
保存期間副業終了後一定期間。紛争リスクや賃金請求時効等を踏まえて設定する。
第三者提供原則として行わない。副業先との確認が必要な場合は本人同意または法的根拠を確認する。
目的外利用人事評価、昇進、異動に機械的に利用しない。利用する場合は目的と基準を明確にする。
削除保存期間満了時に削除または匿名化する。

13.2 情報セキュリティ

副業を認めると、会社端末と私物端末、会社アカウントと個人アカウント、会社クラウドと個人クラウドの混在リスクが高まる。規程整備では、次の禁止事項を明確にする。

  1. 会社PCで副業を行うこと。
  2. 会社メールアドレスで副業先と連絡すること。
  3. 会社のクラウドストレージに副業資料を保存すること。
  4. 会社データを個人クラウドに移すこと。
  5. 会社の生成AIアカウントに副業先情報を入力すること。
  6. 副業で得た秘密情報を会社システムに保存すること。
  7. 会社の名刺、肩書、ロゴを承認なく利用すること。

13.3 知的財産と成果物

副業で作成したプログラム、デザイン、記事、発明、ノウハウが誰に帰属するかは、将来大きな紛争になり得る。特に、研究開発、ソフトウェア、デザイン、コンテンツ、教育資料、営業ノウハウでは注意が必要である。

規程上は、次のように整理する。

  1. 会社の職務に属する発明、考案、著作物、ノウハウについては、職務発明規程、著作権規程、労働契約に従う。
  2. 従業員が勤務時間外に私物機器で作成した成果物であっても、会社の秘密情報、データ、コード、資料を利用した場合は問題となる。
  3. 副業先との契約で、自社の職務発明規程または秘密保持義務と抵触する義務を負わないよう注意する。
  4. 共同研究、技術顧問、ソフトウェア開発の副業では、事前承認または専門部署確認を必須とする。
Section 14

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順11 ― 税務・社会保険・労災・フリーランス取引

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

14.1 税務

副業収入がある従業員には、所得税、住民税、消費税、インボイス制度、必要経費、源泉徴収などの論点が生じる場合がある。会社は従業員個人の税務申告を代行するわけではないが、誤解を避けるため、一般的な注意喚起を行うことは有益である。

国税庁は、一定の給与所得者について、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が二十万円以下である場合など、所得税の確定申告を要しない例を示している。ただし、これは所得税の取扱いであり、住民税申告その他の条件とは異なる場合があるため、社内FAQでは「詳細は税務署、税理士、自治体に確認」と明記すべきである。

会社が避けるべきなのは、「副業収入が二十万円以下なら申告不要」と単純化して社内案内することである。所得の種類、医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除、住民税、消費税などで結論が変わることがある。

14.2 社会保険

副業先でも社会保険の適用対象となる場合、複数事業所勤務の届出が必要となることがある。日本年金機構は、複数の適用事業所で被保険者となる場合の届出手続を公表している。

会社は、従業員の副業先での社会保険適用を詳細に管理する立場ではない。しかし、副業解禁に伴う社内FAQでは、「副業先で雇用される場合、社会保険、雇用保険、労災保険、税務の手続が生じることがある」と説明し、必要に応じて公的機関または専門家に相談するよう案内すべきである。

14.3 労災保険

複数就業者に関する労災保険の取扱いは改正が行われており、複数事業労働者に関する給付や業務上の負荷評価が問題となることがある。社内規程上は、副業中の事故と本務先の労災を混同しないようにしつつ、従業員が本務の通勤や勤務に支障を来す場合には速やかに報告させる。

14.4 フリーランス取引

従業員が副業としてフリーランス業務を受ける場合、または会社が副業人材・外部人材へ業務委託を発注する場合、フリーランス取引に関する新たな規律にも注意が必要である。特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律は、取引条件の明示やハラスメント相談体制などを内容とし、二〇二四年十一月一日に施行されている。

従業員向けの副業規程では、フリーランス法を詳述する必要はないが、業務委託型副業を行う従業員に対し、契約条件、成果物の帰属、守秘義務、報酬支払条件、キャンセル条件を確認するよう促すことが望ましい。

Section 15

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順12 ― 労使手続・届出・周知・研修

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

15.1 労働者代表または労働組合との協議

副業解禁は、従業員に有利な制度変更に見えることが多い。しかし、実際には届出義務、報告義務、制限事由、健康確認、情報管理義務、懲戒可能性が追加されるため、労働条件の変更として慎重に扱うべきである。

労働者代表または労働組合には、次の事項を説明する。

  1. 副業解禁の目的
  2. 原則届出制とする理由
  3. 禁止・制限事由の範囲
  4. 個人情報の管理方法
  5. 労働時間と健康管理の方法
  6. 不利益取扱いをしない方針
  7. 懲戒は悪質事案に限定し、比例原則を踏まえること
  8. 制度開始後の見直し予定

15.2 労働基準監督署への届出

就業規則を変更した場合、必要な手続に従って労働基準監督署へ届け出る。届出書、意見書、改定後就業規則、変更対照表を準備する。社労士が関与する場合でも、最終的な制度趣旨と運用責任は会社にある。

15.3 従業員周知

周知は、単なるイントラネット掲載では不十分なことがある。副業制度は、従業員が具体的に「何をすればよいか」を理解しなければ機能しない。

周知資料には、次の内容を入れる。

  1. 副業が原則認められること
  2. 届出が必要な場合と不要な場合
  3. 届出フォームへのアクセス方法
  4. 審査期間と結果通知
  5. 禁止・制限される典型例
  6. 労働時間の申告方法
  7. 健康相談窓口
  8. 秘密情報、会社資産、会社名利用の禁止
  9. よくある質問
  10. 相談先

15.4 管理職研修

管理職は、副業解禁の運用で最も重要な役割を担う。管理職が個人的価値観で「副業する人は本業に熱心でない」と判断すれば、不利益取扱い、ハラスメント、評価紛争につながる。

管理職研修では、次の点を徹底する。

  1. 副業をしたこと自体を低評価の理由にしない。
  2. 業務成果、勤務態度、健康状態は客観的事実に基づいて評価する。
  3. 副業内容を不必要に聞き出さない。
  4. 部下の副業情報を部署内に漏らさない。
  5. 疲労や勤務不良がある場合は、人事労務と連携して対応する。
  6. 競業、秘密漏えい、利益相反の疑いがある場合は、個別判断せず法務に相談する。
Section 16

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の運用方法

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の判断の流れは、副業届出を受けてから結果通知と定期報告へ進む標準的な順番です。現場担当者ごとのばらつきを防ぐために重要で、各段階で担当部門と確認項目を明確にすると、恣意的な判断を避けやすくなります。

副業届出の標準処理

相談・届出要否確認

従業員が相談し、届出が必要な活動か確認します。

形式確認と専門確認

人事労務が形式確認し、必要に応じて法務、情報セキュリティ、知財、上長が確認します。

労働時間・健康リスク確認

雇用型副業や深夜作業では時間上限、休息、体調への影響を確認します。

結果通知と記録保存

受理、条件付受理、追加確認、制限を文書化し、定期報告と監査につなげます。

副業制度は、運用流れが明確でなければ現場で止まる。標準流れは次のとおりである。

規程例
従業員相談

届出要否の確認

届出書提出

人事労務による形式確認

法務・情報セキュリティ・知財・上長による必要範囲の確認

労働時間・健康リスクの確認

結果通知(受理、条件付受理、追加確認、制限)

副業開始

定期報告(月次、四半期、年次)

変更届または終了届

記録保存と監査

16.1 標準処理期間

副業届の審査期間が不明確だと、従業員はいつ開始できるか分からない。規程またはマニュアルに標準処理期間を記載する。

次の比較表は、類型、標準処理期間を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

類型標準処理期間
低リスクの非雇用型副業三営業日から五営業日程度
雇用型副業五営業日から十営業日程度
競業・利益相反の可能性がある副業十営業日から二十営業日程度
役員就任、顧問、技術提供個別審査。取締役会または経営会議付議も検討

16.2 条件付受理の例

副業を全面禁止する前に、条件付受理を検討する。条件付受理は、従業員の自由と会社のリスク管理を調整する実務的手段である。

次の比較表は、リスク、条件例を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

リスク条件例
長時間労働週十時間以内、深夜勤務不可、月次報告
競業に近い特定顧客への営業禁止、会社情報利用禁止、業務範囲限定
会社名利用肩書、社名、ロゴの使用禁止
情報セキュリティ会社端末利用禁止、個人クラウド分離、成果物保管先確認
健康不安産業医面談、一定期間後の再確認
役員就任取締役会承認、利益相反発生時の報告義務
Section 17

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で考える懲戒と紛争予防

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

17.1 無届副業を発見した場合

無届副業を発見した場合、直ちに懲戒処分へ進むのは危険である。厚生労働省の解説でも、未届の副業・兼業が判明した場合には、まず届出を求め、副業内容を確認したうえで適切に管理する考え方が示されている。

実務流れは次のとおりである。

  1. 事実確認を行う。
  2. 本人に説明機会を与える。
  3. 届出が必要な副業か確認する。
  4. 労務提供上の支障、秘密漏えい、競業、信用毀損の有無を確認する。
  5. 必要なら是正指導、条件設定、停止要請を行う。
  6. 悪質性、損害、虚偽、再発、規程周知状況を踏まえて懲戒の要否を判断する。

17.2 懲戒が問題となりやすい類型

次の比較表は、類型、懲戒判断上のポイントを横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

類型懲戒判断上のポイント
単なる届出漏れ規程周知、故意、支障の有無、指導後の対応を重視。
虚偽届出故意性が高い。競業や長時間労働を隠した場合は重く評価され得る。
勤務時間中の副業職務専念義務違反として問題が大きい。勤務実態の証拠が必要。
会社情報の利用秘密保持違反、個人情報保護、営業秘密侵害が問題となる。
競合先への顧客紹介競業避止、利益相反、背信性が高い。
SNS炎上会社名利用、信用毀損、表現の自由との調整が必要。
健康悪化後の無理な継続安全配慮上、会社の対応も問われる。

懲戒は、規程に書いてあるから機械的にできるものではない。行為の性質、結果、故意過失、過去の処分例、周知状況、是正機会、比例性を検討する必要がある。

Section 18

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を内部統制と監査につなげる

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

副業制度は、開始時よりも運用後の統制が重要である。内部監査またはコンプライアンス部門は、次の項目を定期的に確認する。

次の比較表は、監査項目、確認内容を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

監査項目確認内容
届出状況届出件数、承認件数、条件付件数、不受理件数、部署別偏り
審査期間標準処理期間を超過していないか
判断の一貫性同種事案で部署により判断が異ならないか
個人情報管理閲覧権限、保存期間、目的外利用の有無
労働時間管理雇用型副業の通算確認、上限超過、報告漏れ
健康管理産業医面談、長時間労働者対応、休職者との関係
情報漏えい会社端末利用、外部送信、秘密情報持出しの有無
懲戒運用処分の均衡、証拠、説明機会、再発防止
採用広報実際の制度と採用説明の整合性

副業制度を健全に運用する会社は、単に「副業可能」と掲げるだけでなく、透明なルール、迅速な審査、個人情報保護、健康配慮、情報管理をセットで監査している。

Section 19

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順に関わる専門職の役割分担

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

副業解禁は、複数専門職の協働で設計すべきテーマである。

次の比較表は、専門職・部門、主な役割を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

専門職・部門主な役割
経営陣副業解禁の目的、許容範囲、リスク許容度を決める。
ゼネラルカウンセル、企業内弁護士法的論点の全体設計、経営判断への助言、外部専門家との調整。
外部弁護士就業規則条項、競業避止、懲戒、労務紛争、業法規制のレビュー。
社会保険労務士就業規則改定、労働時間通算、三六協定、労基署届出、労務管理。
税理士副業収入に関する一般的注意喚起、会社の源泉徴収や役員報酬周辺論点の確認。
公認会計士内部統制、利益相反、財務報告、監査上の関心事項の確認。
個人情報保護担当副業届出情報の利用目的、閲覧権限、保存期間、削除。
情報システム部門端末、アカウント、ログ、クラウド、生成AI利用の統制。
知財担当、弁理士職務発明、著作物、ノウハウ、技術副業の権利帰属。
コンプライアンス担当反社、贈収賄、ハラスメント、社内通報、教育。
内部監査担当制度運用の点検、証跡管理、改善提言。
管理職勤務状況、健康状態、業務支障の早期把握。ただし私生活情報の過剰取得はしない。
リーガルオペレーション担当届出ワーク流れ、テンプレート、ナレッジ、KPI、記録管理。
Section 20

中小企業が副業解禁に踏み切る際の規程整備手順

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

中小企業では、法務部、人事部、情報システム部が分かれていないことも多い。そのため、すべてを大企業型に設計すると運用できない。

中小企業向けには、次の簡易パッケージが現実的である。

  1. 就業規則に副業・兼業条項を追加する。
  2. 副業届出書を一枚にまとめる。
  3. 雇用型副業だけは勤務時間を必ず確認する。
  4. 競合先、取引先、会社資産利用、会社名利用だけは明確に禁止または承認制にする。
  5. 深夜・長時間副業は健康面から条件を付ける。
  6. 税務、社会保険は専門家または公的機関への相談を案内する。
  7. 半年後に一度見直す。

小規模事業者ほど、社長や上司の属人的判断で副業可否が決まりがちである。だからこそ、簡潔でも明文化された基準が重要である。

Section 21

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の実装スケジュール

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の時系列は、制度導入前後の実装スケジュールを示しています。規程案だけでなく周知、研修、初回レビューまで組み込むことが重要で、期間の順番を見ると、準備から一年後評価までの作業量を見積もれます。

1-2週目

棚卸し

現行規程、職種、情報資産、労働時間制度、既存の副業実態を確認します。

3-6週目

制度設計

経営方針、就業規則案、届出書、誓約書、運用手順を作成します。

7-10週目

手続と開始

労働者代表への説明、労基署届出、社内周知、説明会、届出受付を行います。

3か月から1年

レビュー

初回レビュー、監査、FAQ更新、制度効果の評価を行います。

次の比較表は、期間、実施内容を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

期間実施内容
1週目から2週目現行規程、職種、情報資産、労働時間制度、既存副業実態の棚卸し
3週目経営方針、制度目的、リスク許容度の決定
4週目から5週目就業規則案、届出書、誓約書、運用流れの作成
6週目法務、社労士、税理士、情報システム、個人情報担当によるレビュー
7週目労働者代表または労働組合への説明、意見聴取
8週目就業規則変更届、社内周知資料、FAQ、管理職研修資料の準備
9週目労基署届出、イントラ掲載、従業員説明会
10週目制度開始、届出受付開始
3か月後初回運用レビュー
6か月後監査、FAQ更新、条項見直し
1年後制度効果、離職率、採用効果、健康リスク、紛争件数の評価
Section 22

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順で使うリスクマトリクス

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次の重要ポイントは、副業解禁後に監査すべきリスクを整理したものです。発生場面と予防策を分けておくことが再発防止に重要で、各項目から、制度開始後に何を記録し、どの兆候で対応を始めるかを読み取ります。

長時間労働

雇用型副業や深夜副業では、届出、月次報告、時間上限、健康相談の記録を確認します。

秘密漏えい

競合先、技術副業、クラウド混在では、端末分離、アクセス制御、証拠保全の手順を確認します。

不公平運用

部署ごとの判断差、審査期間、条件付受理の偏りを監査し、判断基準を更新します。

個人情報過剰取得

届出書と健康確認で、利用目的、閲覧権限、保存期間、削除手順が守られているかを確認します。

次の比較表は、リスク、発生場面、予防策を横並びで確認するためのものです。制度設計や処分判断で見落としを防ぐために重要で、左から順に項目の意味、実務上の注意点、確認すべき差を読み取ると、社内で検討すべき範囲が分かります。

リスク発生場面予防策発生時対応
長時間労働雇用型副業、深夜副業届出、月次報告、時間上限、管理モデル条件変更、産業医面談、副業停止要請
秘密漏えい競合先、技術副業、クラウド混在秘密保持誓約、端末分離、アクセス制御調査、証拠保全、差止、懲戒、当局対応
競業同業他社、顧客紹介競業確認、利益相反申告、顧客接触禁止停止要請、損害確認、法的措置検討
信用毀損SNS、会社名利用、違法副業肩書利用禁止、広報ガイドライン事実確認、削除要請、再発防止
不公平運用部署ごとに判断が異なる審査基準、記録、法務レビュー過去判断の見直し、研修
個人情報過剰取得届出書、健康確認利用目的、最小限取得、権限管理削除、権限是正、本人説明
懲戒紛争無届、虚偽、勤務中副業周知、段階的対応、証拠保存弁護士相談、説明機会、比例判断
採用広報との不一致求人で副業可と表示広報文言と規程整合表示修正、候補者説明
副業先とのトラブル業務委託、報酬未払契約確認を促す会社は原則介入せず、本務支障時のみ対応
Section 23

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順に関するFAQ

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

次のFAQは、実務でよく問題になる論点を一般情報として整理したものです。個別事情によって結論が変わる可能性があるため重要で、回答では制度上の考え方と専門家確認が必要になる場面を読み取ってください。

副業禁止規定をそのまま残すことはできますか。

一般的には、一律の副業禁止は現在の政策動向や裁判例の考え方と整合しにくい場合があります。ただし、業種、職種、秘密情報の性質、業法規制によって制限の必要性は変わります。具体的な規程設計は、事業内容と運用実態を整理したうえで弁護士、社会保険労務士等の専門家へ相談する必要があります。

届出制ではなく許可制にしてもよいですか。

一般的には、業種や職種によって許可制を採用する余地はあります。ただし、判断基準が曖昧で会社裁量が広すぎる制度は紛争につながる可能性があります。不許可事由、審査期間、理由提示、再申請、記録保存を明確にし、具体的な制度設計は専門家へ相談する必要があります。

副業収入を会社に申告させてもよいですか。

一般的には、会社が副業収入の詳細金額を常に把握する必要性は高くないと考えられます。ただし、利益相反、健康管理、法令遵守の確認に必要な場合は追加確認が問題となることがあります。取得情報の範囲は個人情報保護との関係で慎重に整理し、具体的には専門家へ相談する必要があります。

副業先との契約書を提出させてもよいですか。

一般的には、必要性がある場合でも契約書全文ではなく、契約形態、業務内容、勤務時間、競業性、成果物の権利帰属など必要箇所の確認にとどめることが考えられます。ただし、副業先の秘密情報や個人情報が含まれることがあるため、個別の資料提出の要否は慎重に判断する必要があります。

フリーランス副業なら労働時間通算は不要ですか。

一般的には、労働基準法上の労働者に該当しない場合は労働時間通算の対象外となる場合があります。ただし、契約名称が業務委託でも実態として労働者性が認められる可能性があります。健康管理上の配慮も別途必要となり得るため、具体的には契約実態を確認する必要があります。

副業をしている従業員を評価で不利に扱えますか。

一般的には、副業をしていること自体を理由に不利に扱うことは避けるべきです。ただし、副業の影響で遅刻、欠勤、業務品質低下、秘密保持違反、利益相反が発生した場合は、客観的事実に基づく評価や指導が問題となります。評価理由は具体的事実に基づける必要があります。

休職中や病気療養中の副業は認めるべきですか。

一般的には、休職の趣旨、医師の意見、就労可能性、本務先での労務提供不能との整合性を確認する必要があります。ただし、活動の負荷、療養への影響、休職規程、個別事情によって結論は変わります。具体的な対応は、医学的資料と労務資料を整理して専門家へ相談する必要があります。

管理職の副業は一般従業員と同じでよいですか。

一般的には、管理職は機密情報、部下の人事情報、経営情報に接触するため、利益相反や秘密漏えいのリスクが高いと考えられます。ただし、役職、担当情報、副業内容、競業性によって判断は変わります。事前承認制や追加確認の範囲は、具体的な職務内容に応じて設計する必要があります。

SNSや動画配信は副業届出の対象ですか。

一般的には、収益化、継続性、会社名利用、会社情報発信、信用毀損リスクがある場合に届出対象とすることが考えられます。ただし、私的投稿を広く届出対象にすると過剰介入となる可能性があります。対象範囲は収益化、継続性、会社関連性を基準に整理する必要があります。

制度開始後に最初に見るべきKPIは何ですか。

一般的には、届出件数、承認率、条件付承認率、審査期間、部署別偏り、雇用型副業の時間超過、健康相談件数、無届発見件数、情報漏えいインシデント、従業員アンケートを確認することが考えられます。ただし、事業規模や制度目的に応じて重視する指標は変わります。

Section 24

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順のチェックリスト

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

24.1 規程改定前チェック

  • 現行就業規則の副業禁止条項を確認した。
  • 服務規律、懲戒、秘密保持、競業避止、健康管理、賃金規程を確認した。
  • 雇用型副業と非雇用型副業を区別した。
  • 職種別のリスクを整理した。
  • 規制業種、資格者倫理、業法上の制限を確認した。
  • 経営方針を明文化した。
  • 届出制、承認制、禁止類型を整理した。

24.2 規程案チェック

  • 原則として副業・兼業を認める趣旨を明記した。
  • 届出対象と届出不要類型を定めた。
  • 禁止・制限事由を具体化した。
  • 労働時間報告と健康管理の条項を入れた。
  • 秘密保持、競業避止、利益相反を接続した。
  • 会社資産、会社名、肩書利用の禁止を定めた。
  • 届出・相談を理由とする不利益取扱い禁止を明記した。
  • 懲戒は比例原則を踏まえる運用とした。

24.3 運用開始前チェック

  • 届出書、変更届、終了届を作成した。
  • 副業届出情報の利用目的を明記した。
  • 閲覧権限、保存期間、削除手順を定めた。
  • 雇用型副業の労働時間通算流れを作った。
  • 管理モデル導入の要否を検討した。
  • 健康相談、産業医面談、就業制限の流れを作った。
  • 労働者代表または労働組合の意見を聴取した。
  • 労働基準監督署への届出を行った。
  • 従業員向けFAQと管理職研修資料を作成した。

24.4 運用後チェック

  • 審査期間が長期化していない。
  • 部署ごとの判断差が大きすぎない。
  • 無届副業を発見した場合の初動が統一されている。
  • 健康不調者への対応が記録されている。
  • 個人情報の目的外利用がない。
  • 会社端末や会社アカウントの副業利用がない。
  • 半年または一年ごとに制度を見直している。
Section 25

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順の結論

制度設計、運用、監査までを一続きの実務として確認します。

副業解禁に踏み切る際の規程整備手順は、就業規則の一部改定ではなく、企業法務、労務、コンプライアンス、情報セキュリティ、個人情報、税務、社会保険、内部統制を横断する制度設計である。

実務上の中心は、次の三点に集約される。

第一に、原則許容と合理的制限を両立させること。従業員の勤務時間外の自由を尊重しつつ、労務提供上の支障、秘密漏えい、競業、信用毀損、健康障害という具体的リスクを基準にする。

第二に、雇用型副業の労働時間管理を軽視しないこと。副業解禁は、採用広報や従業員満足度の施策であると同時に、労働基準法、三六協定、割増賃金、健康管理に関わる実務課題である。

第三に、届出書と運用流れを作り込むこと。就業規則に美しい条項があっても、届出書、審査基準、個人情報管理、管理職研修、監査がなければ制度は機能しない。

副業解禁の本質は、従業員を外へ送り出すことではない。従業員の自律的な成長と会社の正当な利益保護を同時に成立させる、成熟した企業統治の設計である。副業解禁に踏み切る際の規程整備手順を丁寧に実行することは、企業が人材流動化の時代において、信頼される雇用主であり続けるための基礎となる。

Reference

この記事の参考資料

副業・兼業と就業規則

  • 厚生労働省「副業・兼業」
  • 厚生労働省「モデル就業規則」
  • 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
  • 厚生労働省「副業・兼業の場合における労働時間管理の解釈通達」
  • 厚生労働省「確かめよう労働条件 ― 副業・兼業と労働条件」

個人情報・営業秘密・税務社会保険

  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインに関するQ&A」
  • 経済産業省「営業秘密管理指針」
  • 内閣官房ほか「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
  • 日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」
  • 国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」