2σ Guide

カルテの開示請求は
どうやって行う?

医療機関の窓口確認から、対象資料の指定、費用、電子カルテ、拒否時の確認、医療事故が疑われる場合の相談先まで、一般情報として整理します。

原則 開示対象
5年 診療録保存
3段階 請求から点検
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

カルテの開示請求は どうやって行う?

医療機関の窓口確認から、対象資料の指定、費用、電子カルテ、拒否時の確認、医療事故が疑われる場合の相談先まで、一般情報として整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
カルテの開示請求は どうやって行う?
医療機関の窓口確認から、対象資料の指定、費用、電子カルテ、拒否時の確認、医療事故が疑われる場合の相談先まで、一般情報として整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • カルテの開示請求は どうやって行う?
  • 医療機関の窓口確認から、対象資料の指定、費用、電子カルテ、拒否時の確認、医療事故が疑われる場合の相談先まで、一般情報として整理します。

POINT 1

  • カルテの開示請求の全体像をつかむ
  • まず、請求先・必要書類・対象資料・費用・受領後確認の流れを整理します。
  • 基本は窓口確認、資料特定、受領後点検の3段階
  • 本人以外が請求する場合は、委任状、戸籍、後見登記事項証明書など、関係性や代理権を示す資料が必要になることがあります。
  • 次の重要ポイントは、請求前から受領後までの判断の軸を表します。

POINT 2

  • カルテ開示請求で対象になる診療記録の範囲
  • 診療録本文だけでなく、看護記録、検査、画像、同意書、電子カルテ関連情報も確認対象になります。
  • 一般にカルテと呼ばれるものは、法律や行政文書では診療録または診療記録と呼ばれます。
  • なぜ重要かというと、請求書に書く言葉が曖昧だと、必要な資料が対象外と扱われる可能性があるからです。
  • 読者は、用語ごとの範囲を確認し、狭い意味のカルテ本文だけに請求対象を限定しないよう読み取ってください。

POINT 3

  • カルテ開示請求の法的根拠と理由欄の考え方
  • 個人情報保護法と厚生労働省指針を軸に、原則開示と例外を確認します。
  • カルテ開示は、主に個人情報保護法上の保有個人データの開示請求と、厚生労働省の診療情報の提供等に関する指針から理解します。
  • なぜ重要かというと、窓口で理由の詳細説明を求められたり、一部不開示とされたりした場合に、何を確認すべきかが変わるからです。
  • 読者は、開示の原則、理由記載、例外、手数料の見方を読み取ってください。

POINT 4

  • カルテ開示請求ができる人と必要書類
  • 本人、法定代理人、任意代理人、遺族で必要資料が変わります。
  • 請求できる人は、患者本人を中心に、法定代理人、本人から委任を受けた代理人、一定範囲の遺族などです。
  • なぜ重要かというと、本人確認や代理権確認が不足すると受付が止まり、交付時期が遅れるためです。
  • 読者は、自分の立場に該当する行を確認し、郵送請求では原本還付や返信用封筒の要否もあわせて読む必要があります。

POINT 5

  • カルテ開示請求で漏れやすい資料を具体的に指定する
  • 「カルテ一式」だけでは足りない場合があるため、記録の種類を列挙します。
  • カルテ開示請求で多い失敗は、「カルテ一式」と書いたのに必要資料の一部が含まれないことです。
  • 医療機関側がどこまでを一式に含むと理解するかは、窓口や病院規程によって差があり得ます。
  • 重要な案件では、対象期間、診療科、入院・外来・救急・手術関連記録を分けて指定します。

POINT 6

  • カルテ開示請求の手順と申請文例
  • 1. 窓口を確認:担当部署、申請書式、必要書類、費用、交付目安を確認します。
  • 2. 期間と診療科を特定:対象期間、診療科、入院・外来・救急・手術関連記録を分けます。
  • 3. 申請書と添付書類を準備:本人確認書類、委任状、戸籍、後見資料などを立場に応じてそろえます。
  • 4. 開示方法と費用を確認:紙、閲覧、電子データ、画像媒体のどれが必要かを選びます。
  • 5. 文書で追加確認:資料名、不存在か不開示か、理由、根拠、苦情窓口を確認します。
  • 6. 時系列整理へ:資料を日付・時刻順に並べ、医学的疑問と法的疑問を分けます。

POINT 7

  • カルテ開示請求の費用・受取方法・電子カルテの注意点
  • 紙、閲覧、電子データ、画像媒体で使いやすさと費用が変わります。
  • 読みやすいが枚数で費用が増える
  • 原本や画面を院内で確認する
  • 整理・共有・再分析に向く

POINT 8

  • カルテ開示請求を拒否された場合と重大事案の対応
  • 不存在と不開示
  • 記録が存在しないのか、存在するが開示しないのかを分けて確認します。
  • 理由を求められた場合
  • 理由欄や利用目的を詳しく書く義務が当然にあるわけではありません。

まとめ

  • カルテの開示請求は どうやって行う?
  • カルテの開示請求の全体像をつかむ:まず、請求先・必要書類・対象資料・費用・受領後確認の流れを整理します。
  • カルテ開示請求で対象になる診療記録の範囲:診療録本文だけでなく、看護記録、検査、画像、同意書、電子カルテ関連情報も確認対象になります。
  • カルテ開示請求の法的根拠と理由欄の考え方:個人情報保護法と厚生労働省指針を軸に、原則開示と例外を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

カルテの開示請求の全体像をつかむ

まず、請求先・必要書類・対象資料・費用・受領後確認の流れを整理します。

カルテの開示請求は、受診した医療機関の診療情報開示窓口や個人情報開示窓口に、申請書と本人確認書類を提出して進めるのが基本です。本人以外が請求する場合は、委任状、戸籍、後見登記事項証明書など、関係性や代理権を示す資料が必要になることがあります。

次の重要ポイントは、請求前から受領後までの判断の軸を表します。なぜ重要かというと、カルテ開示は資料を受け取って終わりではなく、不足資料、黒塗り、不存在回答、電子カルテの修正履歴、時効リスクまで確認して初めて次の対応につながるからです。読者は、どの段階で窓口確認をし、どこから専門家相談を検討するかを読み取ってください。

基本は窓口確認、資料特定、受領後点検の3段階

医療機関の申請書式に従いながら、診療科・期間・記録の種類を具体的に指定します。死亡、重い後遺障害、改ざん懸念、時効問題がある場合は、任意開示の前後を問わず弁護士等への相談を早めに検討します。

法的な出発点は、患者本人の診療情報が個人情報であり、診療録等が保有個人データとして開示請求の対象になり得る点です。厚生労働省の診療情報提供指針も、患者等から診療記録の開示を求められた場合、原則として応じるべきものと整理しています。ただし、医療機関ごとに申請書式、費用、交付方法、本人確認方法は異なるため、法令上の権利と病院ごとの受付実務をあわせて確認することが大切です。

Section 01

カルテ開示請求で対象になる診療記録の範囲

診療録本文だけでなく、看護記録、検査、画像、同意書、電子カルテ関連情報も確認対象になります。

一般にカルテと呼ばれるものは、法律や行政文書では診療録または診療記録と呼ばれます。医療過誤・医療事故の検討では、医師の記載だけでは事実経過を復元できないことがあるため、どの記録が何を示すのかを理解して指定することが重要です。

次の比較表は、診療情報、診療記録、診療記録の開示という基本用語の違いを表します。なぜ重要かというと、請求書に書く言葉が曖昧だと、必要な資料が対象外と扱われる可能性があるからです。読者は、用語ごとの範囲を確認し、狭い意味のカルテ本文だけに請求対象を限定しないよう読み取ってください。

用語意味請求時の注意
診療情報診療の過程で医療従事者が知り得た身体状況、病状、治療等の情報です。口頭説明、説明文書、記録開示など複数の提供方法があります。
診療記録診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見、画像、紹介状、退院時要約などです。入院、外来、救急、手術、検査、画像を分けて指定すると漏れを防ぎやすくなります。
診療記録の開示患者等の求めに応じて診療記録を閲覧させること、または写しを交付することです。紙、閲覧、電子データ、画像媒体など方法ごとに費用と使いやすさが変わります。

診療記録には、外来カルテ、入院カルテ、看護記録、バイタル記録、検査結果、読影レポート、手術記録、麻酔記録、処方・注射記録、説明文書、同意書、紹介状、返書、退院時サマリーなどが含まれ得ます。電子カルテでは、加筆修正履歴や付箋機能に記録された情報も、保有個人データの開示等請求の対象になり得ると整理されています。

Section 03

カルテ開示請求ができる人と必要書類

本人、法定代理人、任意代理人、遺族で必要資料が変わります。

請求できる人は、患者本人を中心に、法定代理人、本人から委任を受けた代理人、一定範囲の遺族などです。未成年者や死亡後の請求では、本人の意思、プライバシー、相続関係、医療機関の規程が関わるため、必要書類を事前に確認する必要があります。

次の一覧は、請求者ごとに準備しやすい書類を表します。なぜ重要かというと、本人確認や代理権確認が不足すると受付が止まり、交付時期が遅れるためです。読者は、自分の立場に該当する行を確認し、郵送請求では原本還付や返信用封筒の要否もあわせて読む必要があります。

請求者必要になりやすい書類注意点
患者本人本人確認書類、診察券、申請書顔写真付き書類や複数書類を求められることがあります。
親権者親権者の本人確認書類、患者との関係を示す書類、申請書満15歳以上の未成年者では、疾病内容により本人意思が慎重に考慮される場合があります。
成年後見人登記事項証明書、後見人の本人確認書類、申請書代理権の範囲と発行日の条件を確認します。
任意代理人・家族委任状、患者本人の本人確認書類写し、代理人の本人確認書類、申請書家族であっても、本人の委任状を求められるのが一般的です。
遺族申請者の本人確認書類、死亡事実を示す書類、続柄を示す戸籍等、申請書配偶者、子、父母および準ずる者などが想定されますが、病院ごとに運用が異なります。
弁護士委任状、本人確認資料、弁護士身分証明書、職印など医療事故調査や損害賠償請求を見据える場合は、依頼範囲を明確にします。
Section 04

カルテ開示請求で漏れやすい資料を具体的に指定する

「カルテ一式」だけでは足りない場合があるため、記録の種類を列挙します。

カルテ開示請求で多い失敗は、「カルテ一式」と書いたのに必要資料の一部が含まれないことです。医療機関側がどこまでを一式に含むと理解するかは、窓口や病院規程によって差があり得ます。重要な案件では、対象期間、診療科、入院・外来・救急・手術関連記録を分けて指定します。

次の比較表は、請求対象として列挙したい資料と、それぞれが何を確認するために重要かを表します。なぜ重要かというと、後から医学的評価や法的評価を行う際、時刻、検査、投薬、説明、画像のどれかが欠けるだけで事実経過の復元が難しくなるからです。読者は、必要な列をそのまま申請書の別紙に転用できる項目として読み取ってください。

分類請求対象の例実務上の意味
診療録本文外来カルテ、入院カルテ、経過記録診断、治療方針、説明内容を確認する中心資料です。
看護記録看護経過、観察記録、バイタル記録急変、疼痛、転倒、服薬、患者申出の時系列確認に重要です。
検査記録血液、尿、病理、培養、生理検査異常値の発見時期、検査指示、結果確認の有無を確認します。
画像X線、CT、MRI、エコー、内視鏡、読影レポート診断の妥当性、見落とし、病変の推移を検討します。
手術・処置手術記録、麻酔記録、術前術後記録、処置記録手技、合併症、出血、麻酔管理、術後対応を確認します。
投薬・注射処方歴、注射指示、薬剤投与記録、服薬管理記録薬剤量、投与時刻、副作用対応、禁忌薬確認に重要です。
説明・同意説明文書、同意書、不同意書、IC記録説明内容と同意の経過を確認します。
連携資料紹介状、返書、診療情報提供書、退院時サマリー他院との情報連携や転院時説明を確認します。
電子カルテ関連加筆修正履歴、付箋機能の情報後日の追記や補助的記録の有無を確認する場合に重要です。
Section 05

カルテ開示請求の手順と申請文例

窓口確認から不足資料の再確認まで、順番に進めると漏れを減らせます。

実務では、まず医療機関のウェブサイトや代表電話で、診療情報開示、カルテ開示、個人情報開示、医事課、患者相談窓口などの担当を確認します。電話だけで済ませず、申請書、必要書類、費用表、対象資料の範囲を後で確認できる形で入手しておくと安全です。

次の判断の流れは、カルテ開示請求を進める順番を表します。なぜ重要かというと、対象期間や資料名の特定が曖昧なまま申請すると、追加照会や不足資料の再請求が発生しやすいからです。読者は、上から下へ順に進め、途中で重大事案や時効が見えた場合は専門家相談へ切り替える位置を読み取ってください。

カルテ開示請求の行動順

窓口を確認

担当部署、申請書式、必要書類、費用、交付目安を確認します。

期間と診療科を特定

対象期間、診療科、入院・外来・救急・手術関連記録を分けます。

申請書と添付書類を準備

本人確認書類、委任状、戸籍、後見資料などを立場に応じてそろえます。

開示方法と費用を確認

紙、閲覧、電子データ、画像媒体のどれが必要かを選びます。

不足あり
文書で追加確認

資料名、不存在か不開示か、理由、根拠、苦情窓口を確認します。

不足なし
時系列整理へ

資料を日付・時刻順に並べ、医学的疑問と法的疑問を分けます。

申請書に入れたい対象資料の書き方

医療機関所定の書式がある場合はそれに合わせます。別紙には、たとえば「2024年4月1日から2024年6月30日までの消化器外科外来および入院診療に関する診療記録一式。診療録本文、看護記録、検査結果、画像データ、読影レポート、手術記録、麻酔記録、説明同意書、退院時サマリー、紹介状・返書を含む」といった形で具体化します。

委任状に入れたい範囲

代理人に依頼する場合は、開示請求、必要書類の提出、費用の支払い、開示資料の受領、不足資料に関する照会、付随手続を委任することを明確にします。弁護士に依頼する場合は、診療記録開示請求、医療事故調査、損害賠償請求に関する交渉など、依頼内容に応じて範囲を定めます。

Section 06

カルテ開示請求の費用・受取方法・電子カルテの注意点

紙、閲覧、電子データ、画像媒体で使いやすさと費用が変わります。

医療機関は、診療記録の開示に要する費用を徴収できます。ただし、費用は実費を勘案して合理的と認められる範囲内である必要があります。基本手数料、コピー代、CD-RやDVD-Rなどの媒体代、画像データ出力費用、郵送料、診療録要約書作成料、閲覧立会料などに分かれることがあります。

次の比較一覧は、開示方法ごとの特徴を表します。なぜ重要かというと、紙だけでは画像評価に足りない場合があり、電子データだけでは時系列整理がしにくい場合もあるためです。読者は、費用を抑えるだけでなく、後で医師や弁護士に相談する目的に合う形式を読み取ってください。

紙の写し

読みやすいが枚数で費用が増える

入院記録では数百枚から数千枚になることがあります。時系列整理には使いやすい一方、画像評価には限界があります。

閲覧

原本や画面を院内で確認する

費用を抑えられる場合がありますが、大量資料の確認には不向きです。メモ、写真撮影、同席者の可否を確認します。

電子データ

整理・共有・再分析に向く

電子カルテ、検査結果、画像は電子データで受け取れると後日の整理がしやすくなります。出力可否は病院システムで変わります。

画像媒体

CTやMRIでは画像そのものが重要

読影レポートだけでなく、DICOM形式など確認可能な形式で画像データを取得できるかを確認します。

電子カルテでは、システムが加筆修正履歴を保存している場合の履歴や、付箋機能に記録された情報も対象になり得ます。ただし、どのシステムにどの機能があるか、第三者情報や内部検討情報が含まれるか、電子データとして出力できるかは医療機関により異なります。

電子カルテの指定例「当該診療記録に関する加筆・修正履歴が保存されている場合は、当該履歴も開示対象に含める」と、対象期間・対象診療科・対象記録をあわせて書くと範囲が明確になります。
Section 07

カルテ開示請求を拒否された場合と重大事案の対応

不開示理由、保存期間、証拠保全、時効を切り分けます。

カルテ開示は原則として認められるべきものですが、第三者の利益を害するおそれや、患者本人の心身の状況を著しく損なうおそれなどを理由に、全部または一部が開示されない場合があります。拒否や黒塗りを受けた場合は、まず文書で理由と根拠を確認します。

次の一覧は、拒否・一部不開示・重大事案で確認すべき争点を表します。なぜ重要かというと、不存在と不開示、保存期間経過と改ざん疑い、任意開示と証拠保全、カルテ開示と時効は別の問題だからです。読者は、どの問題が起きているかを分け、必要に応じて医療安全支援センター、個人情報保護委員会、弁護士への相談に進む流れを読み取ってください。

不存在と不開示

記録が存在しないのか、存在するが開示しないのかを分けて確認します。保存期間経過、別システム、黒塗り理由が問題になります。

理由を求められた場合

理由欄や利用目的を詳しく書く義務が当然にあるわけではありません。診療内容確認のためなど簡潔な説明で足りる場面があります。

保存期間

医師法や保険医療機関及び保険医療養担当規則では診療録の5年間保存が問題になります。古い記録は廃棄済みの場合があります。

証拠保全

死亡、重い後遺障害、改ざん懸念、説明の変遷などがある場合、任意開示の前に裁判所の証拠保全を検討することがあります。

時効

カルテ開示は、損害賠償請求権の消滅時効を当然に止める手続ではありません。事故から長期間経過している場合は並行確認が必要です。

訂正請求

住所、氏名、日付、薬剤量など事実の誤りは訂正問題になり得ますが、診断や医学的評価への不満は別途検討が必要です。

重大事案では順序が重要です。記録の改ざんや隠ぺいが強く疑われる場合、医療機関との関係が深刻に対立している場合、時効完成が近い可能性がある場合は、任意の開示請求だけで進めず、医療事件に詳しい弁護士等へ相談する必要があります。
Section 08

カルテ開示後の読み方と相談先

時系列表、不足資料、医学的疑問と法的疑問を整理します。

開示資料を受け取った後は、申請した診療科・期間が含まれているか、入院・外来の漏れがないか、看護記録、手術記録、麻酔記録、検査結果、画像、同意書、紹介状、退院時サマリーが含まれているかを確認します。黒塗りや不開示部分がある場合は、理由の説明があるかも確認します。

次の時系列は、受領後の整理手順を表します。なぜ重要かというと、患者・家族の記憶と診療記録の記載が一致する部分と食い違う部分を分けることで、医師や弁護士への相談が短時間で具体的になるからです。読者は、上から順に資料を整理し、不足資料や法的疑問が残る箇所を読み取ってください。

受領直後

資料の有無を点検

申請した資料名、期間、診療科、媒体名、ページ番号、日付、時刻を確認します。

整理段階

日付・時刻順に並べる

外来受診、救急搬送、検査、手術、説明、退院などを時系列表にします。

照合段階

記憶と記録を分ける

記憶、診療録、看護記録、検査結果、画像で確認できる事実を分けます。

相談前

医学的疑問と法的疑問を分ける

診断・治療の妥当性と、注意義務、説明義務、因果関係、損害、時効を分けてメモします。

次の一覧は、相談先ごとの役割を表します。なぜ重要かというと、院内説明で足りる問題、医療安全の相談窓口が向く問題、個人情報保護法上の相談が向く問題、損害賠償や証拠保全として弁護士相談が必要な問題は異なるからです。読者は、目的に応じて相談先を選ぶ手がかりを読み取ってください。

医療機関内の窓口

患者相談窓口、医事課、個人情報保護窓口、診療情報管理室などに、不足資料や不開示理由を確認します。

最初の確認先

医療安全支援センター

医療に関する苦情や心配、医療機関とのやり取りについて助言や情報提供を受けられる場合があります。

相談窓口

個人情報保護委員会

開示請求、手数料、本人確認、不開示理由など個人情報保護法上の問題を確認します。

制度確認

弁護士等の専門家

証拠保全、時効、損害賠償、医療機関との交渉、訴訟可能性が問題になる場合に相談します。

重大事案
Section 09

カルテ開示請求のFAQ

よくある疑問を一般情報として整理します。

カルテ開示請求は弁護士に依頼しないとできませんか

一般的には、患者本人が自分で請求できる手続とされています。ただし、死亡、重度後遺障害、医療過誤疑い、改ざん懸念、時効問題がある場合は、請求の順序や方法で結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

家族だけで請求できますか

一般的には、本人の委任状がある場合や、未成年者、成年被後見人、死亡後の遺族など一定の立場にある場合に請求できる可能性があります。ただし、疾病内容、本人意思、続柄、医療機関の規程によって必要書類が変わるため、窓口で確認する必要があります。

理由を聞かれた場合は詳しく答える必要がありますか

一般的には、理由記載を要求したり理由を尋ねたりすることは不適切と整理されています。ただし、窓口実務では目的欄がある場合もあります。詳細を述べたくない場合は、診療内容確認のためなど簡潔な説明にとどめ、必要に応じて上席者や個人情報保護窓口へ確認します。

費用はいくらですか

全国一律ではありません。一般的には、基本手数料、コピー代、画像媒体代、郵送料などが医療機関ごとに定められています。ただし、実費を勘案した合理的範囲である必要があるとされています。高額に感じる場合は、費用表、対象枚数、媒体数、根拠を確認します。

電子カルテの修正履歴も対象になりますか

一般的には、システムが加筆修正履歴を記録する機能を有している場合の履歴や、付箋機能に記録された情報も対象になり得るとされています。ただし、システム仕様や第三者情報の有無により扱いが変わる可能性があります。対象期間と対象記録を明示して確認します。

古いカルテも請求できますか

保存されていれば請求できる可能性があります。ただし、診療録には法令上5年間の保存義務があり、保存期間を超えた記録は廃棄済みの場合があります。医療機関によっては長期保存している場合もあるため、所在確認が必要です。

開示を拒否されたらどう確認しますか

一般的には、不開示資料の範囲、不存在か不開示か、不開示理由、根拠規程、苦情窓口を文書で確認します。そのうえで、院内相談窓口、医療安全支援センター、個人情報保護委員会、弁護士等への相談を検討します。

画像データは紙のコピーで足りますか

一般的には、CT、MRI、内視鏡などの医学的評価では、紙の印刷画像だけでは不十分な場合があります。セカンドオピニオンや医療事件の検討では、画像データそのものと読影レポートの取得が重要になる可能性があります。

Section 10

カルテ開示請求の実務チェックリストとまとめ

請求前と受領後で確認すべき項目を最後に点検します。

請求前には、窓口、書式、費用表、対象期間、対象診療科、入院・外来・救急・手術区分、看護記録、検査結果、画像、同意書、電子カルテ修正履歴、本人確認書類、委任状、弁護士相談の要否を確認します。受領後には、資料の有無、黒塗り理由、不存在回答、日付・時刻、ページ番号、媒体名を確認します。

次の比較表は、請求前と受領後に確認する項目を分けて表します。なぜ重要かというと、申請時の指定漏れと受領後の点検漏れは、どちらも後日の相談や追加請求の妨げになるからです。読者は、左列を準備段階、右列を受領後の点検として読み、未確認の項目を埋めてください。

請求前チェック受領後チェック
診療情報開示窓口、申請書式、費用表、対象期間、対象診療科を確認する。申請した期間、診療科、入院・外来記録がそろっているか確認する。
看護記録、検査、画像、同意書、手術・麻酔記録、紹介状、退院時サマリーを明示する。画像データと読影レポート、手術記録と麻酔記録、説明文書と同意書があるか確認する。
電子カルテ修正履歴や付箋情報の要否を検討する。黒塗り、不存在、不開示の理由が文書で示されているか確認する。
本人確認書類、委任状、戸籍、後見資料などを立場に応じて準備する。日付・時刻順に時系列表を作り、不足資料と疑問点を整理する。
医療過誤疑い、死亡、重い後遺障害、改ざん懸念、時効問題がある場合は専門家相談を検討する。医学的疑問と法的疑問を分け、必要に応じて医師や弁護士等へ相談する。

カルテは、病院内の事務記録にとどまらず、患者本人の身体、生命、治療選択、家族の理解、場合によっては法的権利の行使に直結する基礎資料です。適切な範囲を、適切な方法で、適切な時期に取得することが、後悔の少ない対応につながります。

Reference

この記事の参考情報源

公的機関・公的性格の強い資料

  • 厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針の策定について」
  • 個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」
  • 個人情報保護委員会FAQ「電子カルテを対象とする保有個人データの開示請求」
  • 日本医師会「診療情報の提供に関する指針」
  • e-Gov法令検索「医師法」「歯科医師法」「保険医療機関及び保険医療養担当規則」
  • 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」
  • e-Gov法令検索「民事訴訟法」
  • 法務省「損害賠償請求権の消滅時効期間に関する資料」
  • 東京弁護士会「医療過誤に関する法律相談案内」
  • 法テラス「医療問題法律相談の案内」
  • 医療安全支援センター総合支援事業「医療安全支援センターとは」
  • 個人情報保護委員会「個人情報保護法相談ダイヤル」