相談・依頼・交渉・訴訟・家事・刑事・企業法務で使われる言葉を、初めての方にも分かるように流れで整理します。
相談・依頼・交渉・訴訟・家事・刑事・ 企業法務で使われる言葉を、初めての方にも分かるように流れで整理します。
相談、事件分析、手続の3層で、言葉の意味と確認ポイントを整理します。
弁護士との打ち合わせでは、日常語に近い言葉が、法律実務では限定された意味で使われます。請求、主張、証拠、和解、委任、着手金、争点、見通しなどは、権利義務、裁判手続、費用、リスク、証明可能性と結び付きます。
次の一覧は、打ち合わせで出てくる用語を3つの層に分けたものです。専門用語を丸暗記するより、どの場面の言葉なのかを押さえる方が実務で役立つため重要です。上から順に、相談関係、事件分析、手続の言葉として読み分けます。
法律相談、依頼、委任契約、受任、辞任、解任、守秘義務、利益相反、弁護士費用など、弁護士との関係を決める言葉です。
事実、証拠、主張、請求、争点、立証責任、見通し、回収可能性など、事件をどう評価するかに関わる言葉です。
交渉、内容証明、調停、訴訟、期日、準備書面、尋問、和解、判決、控訴、強制執行など、解決の進み方を示す言葉です。
法律用語は相談者を遠ざけるための言葉ではなく、紛争を整理し、相手方や裁判所に伝え、合意や判決に落とし込むための共通語です。分からない言葉はその場で確認すると、弁護士の説明を判断材料として受け止めやすくなります。
法律相談、依頼、委任契約、受任、代理人、弁護人、守秘義務、利益相反を整理します。
相談の入口では、助言を受ける段階と、事件処理を依頼する段階を分けることが重要です。次の比較表は、入口で出やすい用語の意味と注意点をまとめたものです。各行から、相談者がどこまで任せているのか、誰が責任を持つのか、秘密や利害対立をどう扱うのかを読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 法律相談 | 法律問題について事情を説明し、法的整理、選択肢、リスク、対応方針などについて助言を受けること | 不利な事実も含めて話すことが、方針の安定につながります |
| 依頼 | 相談者が弁護士に事件処理を任せること | 通知書作成だけ、交渉代理だけ、第一審訴訟だけなど範囲は限定されることがあります |
| 委任契約 | 法律行為などの事務処理を委ね、相手が引き受ける契約 | 事件の表示、費用、実費、終了時の扱い、資料返還などを確認します |
| 受任 | 弁護士が事件を引き受けること | 専門分野、スケジュール、利益相反、見通し、費用などで受任されない場合もあります |
| 辞任・解任 | 弁護士側または依頼者側が委任関係を終了させること | 信頼関係、費用未払い、方針不一致、利益相反などで問題になります |
| 代理人・訴訟代理人 | 本人に代わって交渉、書面作成、裁判所への出頭などを行う人 | 民事事件では訴訟手続上の権限を確認します |
| 弁護人 | 刑事事件で被疑者・被告人の権利を守る弁護士 | 民事の代理人とは役割が異なります |
| 守秘義務 | 弁護士が職務上知った秘密を守る義務 | 秘密を守る制度であり、虚偽の事実に基づく不当な請求を支える制度ではありません |
| 利益相反 | 弁護士が一方のために活動すると他の依頼者や元依頼者の利益と衝突する状態 | 相談予約時に相手方名を確認される理由の一つです |
| 弁護士会照会 | 受任事件について所属弁護士会を通じて公務所や団体に必要事項の報告を求める制度 | 照会すれば常に回答が得られるわけではありません |
次の判断の流れは、相談から依頼までの確認順を示しています。段階を混同すると、相談しただけのつもりだった、依頼した範囲が違ったという誤解につながるため重要です。上から順に、相談、依頼範囲、契約、担当者、終了条件を確認します。
助言を受ける段階で、希望と不利な事実も伝えます。
通知書作成、交渉代理、調停、訴訟など、どこまで任せるかを分けます。
費用、実費、報酬金、終了時の扱い、資料返還を確認します。
主担当、事務局、副担当、報告頻度を決めます。
相談料、着手金、報酬金、実費、日当、手数料、顧問料、時間単価を分けます。
弁護士との打ち合わせで最も聞きにくく、しかし確認が欠かせないのが費用です。次の比較表は、弁護士費用に関する用語を整理したものです。費用名ごとに発生時期と意味が違うため重要です。左から用語、意味、確認すべき注意点として読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 法律相談を受けるための費用 | 無料の範囲、時間、書面作成の有無、継続相談の費用を確認します |
| 着手金 | 事件を依頼した段階で支払う費用 | 結果に関係なく発生することが多く、報酬金の前払いではありません |
| 報酬金 | 事件が成功した場合に成功の程度に応じて支払う費用 | 何を成功と見るか、いつ発生するかを確認します |
| 実費 | 事件処理のため実際に支出する費用 | 印紙、郵券、記録謄写、交通費、鑑定料などが含まれます |
| 日当 | 遠方の裁判所や現地調査などの移動・拘束時間に応じた費用 | 交通費や宿泊費との関係を確認します |
| 手数料 | 定型的・単発的な業務に対する費用 | 契約書作成、遺言書作成、内容証明作成などで使われます |
| 顧問料 | 継続的に法律相談や簡易な契約書チェックを受ける月額等の費用 | 月内相談時間、レビュー件数、訴訟対応の有無を確認します |
| タイムチャージ | 作業時間に時間単価を掛ける方式 | 時間単価、記録単位、上限見込み、月次報告を確認します |
| 法テラス・民事法律扶助 | 一定条件のもと無料相談や費用立替えを利用できる制度 | 収入・資産要件、対象分野、償還方法を確認します |
事実、時系列、証拠、主張、請求、争点、立証責任、見通し、回収可能性を整理します。
弁護士は、相談者の生活上の言葉を、権利、義務、請求、抗弁、証拠、手続、費用、回収可能性に分解して検討します。次の判断の流れは、相談内容が法的な検討に変換される順番を示しています。事実と評価を分け、証拠で裏付け、争点を絞ることが事件の見通しに直結するため重要です。
相手が悪質という評価だけでなく、いつ、誰が、何をしたかを整理します。
日付順に出来事を並べ、契約書、メール、録音、写真、領収書などと照合します。
どの事実に基づき、相手に何を求めるかを整理します。
当事者間で争いがあり結論に影響する点と、証明できない場合の不利益を確認します。
結果、期間、費用、相手の資力、強制執行の可能性を含めて考えます。
次の比較表は、事件分析で頻出する用語をまとめたものです。似た言葉でも、事実、証拠、主張、請求、抗弁、争点は役割が異なるため重要です。各行から、弁護士が何を確認しようとしているかを読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事実 | 実際に起きた出来事 | 評価や感情と分けて、日時・場所・関係者を整理します |
| 時系列 | 出来事を日付順に並べた整理表 | 契約、離婚、相続、労働、刑事、企業不祥事などで重要です |
| 証拠 | 事実を裏付ける資料や情報 | 契約書、メール、LINE、録音、写真、診断書、振込記録などがあり得ます |
| 書証 | 文書などの書面・記録を証拠として提出するもの | 原本、作成者、作成日時、取得方法も確認されます |
| 陳述書 | 当事者や関係者が経験した事実を文章にまとめた書面 | 事実を具体的に、見聞きした範囲で書きます |
| 主張 | 裁判所や相手方に対して述べる法的・事実的な言い分 | 証拠とセットで考える必要があります |
| 請求 | 相手に対して求める内容 | 金銭支払い、明渡し、損害賠償、投稿削除などがあります |
| 抗弁・再抗弁 | 相手の請求を妨げる事情や、その抗弁をさらに妨げる事情 | 弁済、時効、相殺、債務承認などが問題になります |
| 争点 | 当事者間で争いがあり結論に影響する重要なポイント | すべての出来事が争点になるわけではありません |
| 立証責任 | 真偽不明の場合にどちらが不利益を受けるかというルール | 証拠収集の優先順位に直結します |
| 見通し | 結果、期間、費用、相手の対応、裁判所の評価などの予測 | 結果保証ではありません |
| 回収可能性 | 勝訴・合意後に実際にお金を回収できるかという問題 | 相手の財産情報や強制執行の費用が関係します |
任意交渉、内容証明、催告、受任通知、示談、和解、清算条項、秘密保持条項を整理します。
交渉や通知では、相手に何を求め、どの文書で伝え、合意した場合に何を残すかが問題になります。次の比較表は、交渉・通知で出てくる用語を整理したものです。文書を送る目的、合意の効力、後日の追加請求の有無に関わるため重要です。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 任意交渉 | 裁判所の手続を使わず、当事者間または代理人間で解決を目指す方法 | 相手が応じなければ進まない場合があります |
| 内容証明 | どのような文書を、いつ、誰から誰に送ったかを証明する郵便制度 | それ自体で裁判に勝てるわけではありません |
| 催告 | 相手に支払い、履行、回答、是正などを求める通知 | 期限と次の手続を意識して文面を確認します |
| 受任通知 | 弁護士が事件を受任したことを相手方に知らせる通知 | 連絡窓口が本人から弁護士に切り替わることがあります |
| 示談 | 当事者間の話し合いによる紛争解決の合意 | 刑事事件では処分や量刑で考慮されることがありますが、結果保証ではありません |
| 和解 | 互いに譲歩して紛争を解決する合意 | 裁判外の和解と裁判上の和解があります |
| 和解条項 | 支払額、期限、分割払い、秘密保持、違約金などを条文化したもの | 曖昧だと再紛争化しやすくなります |
| 清算条項 | 合意内容以外の債権債務がないことを確認する条項 | 広すぎるとまだ請求したい権利まで失う可能性があります |
| 秘密保持条項 | 和解内容や紛争経緯を第三者に漏らさないことを定める条項 | 税務申告、専門家相談、法令上の開示などの例外を検討します |
| 公正証書 | 公証人が作成する公的な文書 | 金銭支払いでは強制執行に利用できる効力を持たせる場合があります |
次の一覧は、交渉で合意内容を文書化するときに特に読みたい項目です。合意後の支払い遅れや追加請求を防ぐために重要です。各項目から、支払方法、期限、清算、秘密保持、強制執行への備えを読み取ります。
支払額、支払期限、分割回数、振込手数料、遅延時の扱いを確認します。
合意に含める請求と、残しておく請求を分けて確認します。
家族、税理士、行政機関、裁判所などへの開示例外を検討します。
原告・被告、訴状、答弁書、準備書面、期日、尋問、判決、控訴、強制執行を整理します。
民事訴訟では、私人間の権利義務をめぐる紛争について、裁判所で主張と証拠を整理します。次の時系列は、民事訴訟で用語が出てくる大まかな順番を示しています。手続名を時系列で理解すると、次回期日までに何を準備するかが分かるため重要です。
原告が訴状を提出し、何を求めるかとその理由を明確にします。
被告は訴状に対する認否・反論を答弁書に記載します。放置は不利な判決につながる可能性があります。
主張や反論を準備書面で整理し、次回期日までの作業を確認します。
文書や証人・当事者の話から事実関係を明らかにします。
裁判所が請求を認めるか判断し、不服がある場合は上級審が問題になります。
相手が任意に支払わない場合、判決や和解調書などを根拠に財産差押え等を検討します。
次の比較表は、民事訴訟で出やすい用語の意味を整理したものです。民事の被告は犯罪者という意味ではないなど、日常語とのズレがあるため重要です。各行から、手続上の役割と準備事項を読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 原告・被告 | 訴えた人と訴えられた人 | 民事の被告は刑事の被告人とは異なります |
| 訴状 | 訴えを起こすため裁判所へ提出する書面 | 請求の趣旨、請求の原因、当事者表示、証拠を確認します |
| 答弁書 | 被告が訴状に対して認否・反論を記載する書面 | 期限内の対応が重要です |
| 準備書面 | 主張や反論を整理して裁判所へ提出する書面 | 民事訴訟の中心的な書面です |
| 期日 | 裁判所で手続が行われる日 | 資料提出、事実確認、和解案検討などの期限になります |
| 口頭弁論 | 公開法廷で主張を述べ証拠を提出する手続 | 実際の発言が短くても書面準備が重要です |
| 弁論準備手続 | 争点や証拠を整理するための手続 | 事件の性質に応じて選ばれます |
| 尋問 | 証人や当事者に質問して事実関係を明らかにする手続 | 記憶に基づいて正確に話すことが大切です |
| 判決 | 裁判所が請求を認めるかどうか判断を示すもの | 不服申立てや強制執行が次の問題になることがあります |
| 控訴・上告 | 第一審判決などへの不服申立て | 期間制限と理由の制約に注意します |
| 強制執行・債務名義 | 相手財産の差押え等で権利を実現する手続とその根拠文書 | 相手の財産情報が重要になります |
調停、ADR、離婚、相続、被疑者、起訴、黙秘権、保釈などを整理します。
次の比較表は、裁判所以外の話し合い型手続や家庭裁判所で出てくる用語をまとめたものです。勝ち負けだけでなく合意形成や家庭内の事情調整が重視されるため重要です。各行から、どの手続が話し合い型で、どの手続が裁判所の判断型かを読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 調停 | 裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、話し合いで合意を目指す手続 | 合意できなければ不成立になることがあります |
| 家事調停 | 離婚、婚姻費用、養育費、面会交流、遺産分割など家庭裁判所で扱う調停 | 感情的対立やプライバシーへの配慮も重要です |
| 審判 | 家庭裁判所が資料や事情をもとに判断を示す手続 | 調停から審判へ移行する場合があります |
| ADR・仲裁・あっせん | 裁判外紛争解決手続の総称とその類型 | 相手が参加しないと進まない場合や、合意の強制力に注意が必要な場合があります |
| 離婚協議 | 夫婦間で離婚条件を話し合うこと | 親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料などを検討します |
| 遺産分割・相続放棄・遺留分 | 遺産を分ける手続、相続しない手続、最低限の相続分に関する制度 | 相続放棄などは期間制限に注意します |
次の比較表は、刑事事件で出てくる用語を整理したものです。民事事件とは目的も手続も異なり、身体拘束や黙秘権など権利保護に直結するため重要です。各行から、捜査段階、起訴後、身体拘束、示談、量刑のどの場面の言葉かを読み取ります。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 被疑者・被告人 | 起訴前に犯罪の疑いを受ける人と、起訴された人 | 民事の被告とは区別します |
| 逮捕・勾留 | 身体を拘束する捜査上の手続と、その拘束が継続される手続 | 家族は逮捕場所、容疑、連絡状況、接見の可否を確認します |
| 起訴・不起訴・起訴猶予 | 検察官が刑事裁判を求めること、または起訴しない処分 | 不起訴にも複数の理由があります |
| 黙秘権 | 話したくないことを話さなくてもよい権利 | 供述方針は事件の性質や証拠関係で変わります |
| 保釈 | 起訴後に保証金の納付などを条件に身体拘束を解く制度 | 請求できる人や時期を確認します |
| 私選弁護人・国選弁護人 | 本人や家族が選ぶ弁護人と、制度により選任される弁護人 | 役割はどちらも被疑者・被告人の権利を守ることです |
| 被害弁償・示談 | 被害者へ損害を賠償し、合意により紛争を解決すること | 示談成立が結果を保証するわけではありません |
| 量刑・執行猶予 | 有罪の場合の刑の判断と、その執行を一定期間猶予する制度 | 犯罪内容、被害、前科前歴、被害弁償、再犯防止策などが考慮されます |
契約や損害賠償の相談では、契約が成立したか、誰がどの義務を負うか、解除できるか、損害をどう証明するかが問題になります。次の比較表は、契約・損害賠償で出てくる用語をまとめたものです。義務違反、損害範囲、時効、相殺などが結論に影響するため重要です。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 契約 | 当事者間の合意により権利義務を発生させるもの | 契約書の有無だけでなく、成立時期、当事者、条項を確認します |
| 債権・債務 | 相手に一定の行為を求める権利と、相手に対して一定の行為をする義務 | 同じ契約で双方が債権者にも債務者にもなり得ます |
| 債務不履行 | 契約などに基づく義務を本来の内容どおり履行しないこと | 代金不払い、納期遅れ、品質不適合、秘密保持違反などがあります |
| 不法行為 | 故意または過失により他人の権利・法律上保護される利益を侵害し損害を生じさせる行為 | 交通事故、名誉毀損、暴行、プライバシー侵害などで問題になります |
| 損害賠償 | 相手の行為によって生じた損害を金銭などで補填すること | 通常損害、特別事情、予見可能性などが問題になります |
| 慰謝料 | 精神的苦痛に対する損害賠償 | 行為内容、期間、被害程度、証拠、類似事案などで変わります |
| 解除 | 契約関係を解消する意思表示 | 催告の要否、通知内容、原状回復、損害賠償を確認します |
| 取消し・無効 | 一応有効な法律行為を後から効力のないものにすることと、最初から効力がないこと | 詐欺、強迫、錯誤、未成年者などで問題になります |
| 時効 | 一定期間の経過により権利の取得や消滅などが生じる制度 | 分野ごとに期間や起算点が異なります |
| 相殺・過失相殺 | 債権を対当額で消し合うことと、被害者側の落ち度を考慮すること | 賠償額や請求額に影響します |
次の一覧は、企業法務や契約レビューで出てくる言葉を整理したものです。法的に正しいかだけでなく、事業上実行できるか、重大リスクを抑えられるかが重要です。各項目から、条項がどのリスクを配分しているかを読み取ります。
法的リスク、取引リスク、文言の曖昧さ、自社に不利な条項、抜けている条項を確認します。
M&A、投資契約、業務提携、不動産取引などで使われます。
契約上のリスク配分として設計されます。
システム開発、SaaS、業務委託、ライセンス契約などで重要です。
該当した場合の解除などを定めます。
不正調査、内部通報、ハラスメント、個人情報などで使われます。
三点セット、相談メモ、資料の持参方法、質問例を整理します。
次の注意要素の一覧は、打ち合わせで誤解されやすい質問や説明を、実務的な確認に置き換えたものです。感情的な受け止め方を避け、証拠・費用・見通しの話として整理するために重要です。各項目から、何を聞けば具体的な説明を受けやすいかを読み取ります。
現時点の証拠で強い点、弱い点、追加で必要な証拠、主な争点、和解と判決の利点・不利点を聞くと具体化しやすくなります。
慰謝料、解決金、養育費などは事件ごとの差が大きいため、証拠、地域、裁判例、相手の資力、早期解決の必要性を分けて確認します。
疑われているという意味ではなく、第三者に説明できる材料があるかを確認する質問です。
回収できる金額や得られる利益よりも、費用・実費・時間的負担が大きくなる状態を指します。
判決で勝つことと実際にお金を回収することは別問題であり、相手の財産情報や強制執行の費用を検討します。
責めるためではなく、相手に指摘される前に把握し、説明方針や証拠方針を立てるための確認です。
次の一覧は、初回打ち合わせ前に準備すると効率が上がる三点セットです。弁護士が短時間で事実、関係者、証拠を把握できるため重要です。番号順に、時系列、関係者、証拠を分けて用意します。
いつ、誰が、何をしたかを日付順に並べます。日付が曖昧な場合は、上旬、年末頃などでも構いません。
出来事 日付本人、相手方、会社、家族、証人、関係機関を整理します。相手方名は利益相反確認にも関係します。
関係者 相手方契約書、メール、LINE、写真、録音、請求書、振込記録などを種類ごとに整理します。
資料 証拠次の比較表は、打ち合わせで聞くと実務的な質問をまとめたものです。質問を用意しておくと、用語の意味だけでなく、事件の方針・費用・期間を確認しやすくなります。各行から、相談時に自分の言葉で確認する観点を読み取ります。
| 質問 | 確認したいこと |
|---|---|
| この事件の主な争点は何ですか | 結論に影響する対立点を把握します |
| こちらに足りない証拠は何ですか | 追加収集すべき資料を確認します |
| 相手は何を反論してきそうですか | 想定されるリスクを確認します |
| 交渉、調停、訴訟のどれが適していますか | 手続選択の理由を確認します |
| 費用と期間の見込みはどの程度ですか | 経済合理性と資金計画を確認します |
| 最悪のシナリオは何ですか | 敗訴、回収不能、長期化などを確認します |
| 和解する場合の落としどころはどこですか | 合意可能性と譲歩範囲を確認します |
| 依頼範囲はどこまでですか | 契約上含まれる業務を確認します |
| 途中で方針変更する場合、費用はどうなりますか | 追加費用や再契約を確認します |
相談、費用、証拠、手続、刑事、契約の基本語を一覧で確認します。
次のミニ辞典は、相談時に見返しやすいよう頻出語を一つの一覧にまとめたものです。打ち合わせ中に意味を確認し、どの注意点と結び付くかを把握するために重要です。左から用語、打ち合わせでの意味、注意点として読みます。
| 用語 | 打ち合わせでの意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 法律相談 | 法的問題について助言を受けること | 依頼とは別段階です |
| 依頼 | 弁護士に事件処理を任せること | 範囲を明確にします |
| 委任契約 | 弁護士との依頼契約 | 費用・範囲・終了条件を確認します |
| 受任 | 弁護士が事件を引き受けること | 利益相反等の確認が必要です |
| 代理人 | 本人に代わって行為する人 | 民事では訴訟代理人が重要です |
| 弁護人 | 刑事事件で被疑者・被告人を守る弁護士 | 代理人とは役割が異なります |
| 守秘義務 | 職務上知った秘密を守る義務 | 嘘を守る制度ではありません |
| 利益相反 | 依頼者間の利益が衝突する状態 | 相手方情報の確認が必要です |
| 着手金 | 依頼時に支払う費用 | 結果に関係なく発生し得ます |
| 報酬金 | 成功時に支払う費用 | 成功の定義を確認します |
| 実費 | 実際にかかる支出 | 弁護士報酬とは別の場合が多いです |
| 事実 | 実際に起きた出来事 | 評価と分けます |
| 証拠 | 事実を裏付ける資料 | 取得方法にも注意します |
| 主張 | 法的・事実的な言い分 | 証拠とセットで考えます |
| 請求 | 相手に求める内容 | 金額・行為・期限を明確にします |
| 抗弁 | 請求を妨げる反論 | 時効・弁済・相殺などがあります |
| 争点 | 結論に影響する対立点 | 争点を絞ると方針が明確になります |
| 立証責任 | 証明できない場合に不利益を受ける側 | 証拠収集方針に直結します |
| 内容証明 | 文書の内容・送付を証明する郵便 | 送る目的を明確にします |
| 示談 | 当事者間の合意による解決 | 条項の明確化が重要です |
| 和解 | 互いに譲歩して解決する合意 | 清算条項に注意します |
| 清算条項 | 追加請求がないことを確認する条項 | 広すぎると権利を失うことがあります |
| 原告 | 訴えた人 | 民事訴訟の用語です |
| 被告 | 訴えられた人 | 刑事の被告人とは異なります |
| 訴状 | 訴えを起こす書面 | 請求の趣旨・原因が重要です |
| 答弁書 | 被告の反論書面 | 放置は危険です |
| 準備書面 | 主張・反論を整理する書面 | 民事訴訟の中心的書面です |
| 期日 | 裁判所で手続を行う日 | 準備期限として重要です |
| 判決 | 裁判所の判断 | 回収には別途執行が必要な場合があります |
| 控訴 | 第一審判決への不服申立て | 期限に注意します |
| 強制執行 | 財産差押え等で権利を実現する手続 | 財産情報が重要です |
| 債務名義 | 強制執行の根拠文書 | 判決・和解調書等です |
| 調停 | 話し合いによる紛争解決手続 | 合意できなければ不成立もあります |
| 審判 | 家庭裁判所などが判断する手続 | 家事事件で重要です |
| ADR | 裁判外紛争解決手続 | 仲裁・調停・あっせん等です |
| 被疑者 | 起訴前に犯罪の疑いを受ける人 | 刑事事件の用語です |
| 被告人 | 起訴された人 | 民事の被告と区別します |
| 起訴 | 検察官が刑事裁判を求めること | 起訴後は被告人です |
| 不起訴 | 検察官が起訴しない処分 | 理由の種類があります |
| 黙秘権 | 話したくないことを話さない権利 | 方針は弁護人と検討します |
| 保釈 | 保証金等を条件とする身体拘束からの解放 | 起訴後の制度です |
| 債務不履行 | 契約上の義務違反 | 損害賠償・解除が問題です |
| 不法行為 | 権利侵害による損害発生 | 故意・過失等が問題です |
| 損害賠償 | 損害の補填 | 範囲と証明が重要です |
| 慰謝料 | 精神的苦痛への賠償 | 金額は事案ごとに異なります |
| 時効 | 期間経過による権利変動 | 早急な確認が必要です |
| 相殺 | 債権を対当額で消し合うこと | 要件確認が必要です |
| 契約レビュー | 契約書の法的確認 | 事業上の運用も見ます |
| 表明保証 | 一定事実の真実性を表明・保証する条項 | M&A等で重要です |
| 責任制限 | 損害賠償範囲を限定する条項 | 例外の設計が重要です |
用語を理解する最大の効果は、弁護士の説明を怖い専門用語ではなく判断材料として受け止められるようになることです。証拠が弱い、費用倒れの可能性がある、和解を検討する、といった説明も、人格評価ではなく実務上の検討として整理できます。
一般的な制度説明として、用語理解で迷いやすい点を整理します。
一般的には、分からない法律用語をその場で確認することは、相談内容を正確に理解するために有用とされています。ただし、事件の種類、相談時間、資料の量によって説明の深さは変わる可能性があります。具体的な対応は、相談メモに分からない語を残したうえで弁護士等の専門家へ確認する必要があります。
一般的には、証拠が弱いという説明は、第三者に事実を説明する資料が不足しているという実務上の評価を意味します。ただし、追加資料の有無、相手方の反論、手続選択によって見通しは変わる可能性があります。具体的な対応は、証拠一覧を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、費用倒れとは、回収できる金額や得られる利益よりも費用・時間的負担が大きくなる状態を指します。ただし、名誉、早期解決、安全確保、再発防止など金銭以外の目的が重要な場合もあります。具体的な判断は、目的と費用見込みを整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
公的機関・専門団体の公開情報を中心に整理しています。