2σ Guide

情報公開請求で開示される文書と
不開示情報の基準

行政文書の開示対象、不開示情報、一部開示、文書不存在、請求書の書き方、不服申立てまで、一般情報として分かりやすく整理します。

3要件 行政文書性
6類型 不開示情報
3区分 不存在・存否拒否・不開示
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情報公開請求で開示される文書と 不開示情報の基準

行政文書の開示対象、不開示情報、一部開示、文書不存在、請求書の書き方、不服申立てまで、一般情報として分かりやすく整理します。

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情報公開請求で開示される文書と 不開示情報の基準
行政文書の開示対象、不開示情報、一部開示、文書不存在、請求書の書き方、不服申立てまで、一般情報として分かりやすく整理します。
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  • 情報公開請求で開示される文書と 不開示情報の基準
  • 行政文書の開示対象、不開示情報、一部開示、文書不存在、請求書の書き方、不服申立てまで、一般情報として分かりやすく整理します。

POINT 1

  • 情報公開請求で開示される文書と不開示になる情報の基準をつかむ
  • 原則開示と例外不開示の関係を、最初に全体像として整理します。
  • 情報公開請求は、行政機関などが保有する文書を市民が確認するための制度です。
  • 行政の説明責任を支え、行政監視や民主的統制を実質化する役割があります。
  • ただし、請求すれば保有文書がすべてそのまま見られるわけではありません。

POINT 2

  • 情報公開請求とは何か ― 制度と請求先の違い
  • 国、独立行政法人、自治体、裁判所、本人情報では使う制度が異なります。
  • 情報公開請求の目的は、行政機関等が保有する文書を市民が確認できるようにし、行政の説明責任を果たすことにあります。
  • どの制度を使うかを誤ると、対象外の手続を選んでしまうため重要です。
  • 読者は、まず請求先の種類を見て、本人情報や裁判記録のように別手続が必要な場面を読み取ってください。

POINT 3

  • 情報公開請求で開示対象になる文書の基準
  • 1. 職務上作成または取得:業務として作成・受領された決裁案、報告書、会議資料、照会文書などかを確認します。
  • 2. 組織的に利用:決裁、会議、共有フォルダ、事務処理、審査基準、委託成果物などとして使われたかを見ます。
  • 3. 行政機関が保有:請求時点で作成済みで、保存期間内にあり、請求先機関が保有しているかを確認します。
  • 4. 紙文書だけでなく電磁的記録も対象:メール、PDF、Word、Excel、画像、データベース上の記録も要件を満たせば対象になり得ます。

POINT 4

  • 情報公開請求で不開示になる情報の主要類型
  • 個人情報は組み合わせも見る
  • 氏名が消えていても、住所、役職、経歴、事案内容を組み合わせて個人が分かる場合は不開示になり得ます。
  • 企業情報は絶対非公開ではない
  • 公金支出、補助金、許認可、行政処分など公共性が高い情報は、開示方向に働くことがあります。

POINT 5

  • 情報公開請求の一部開示、黒塗り、文書不存在を見分ける
  • 1. 決定の種類を確認:全部開示、一部開示、全部不開示、文書不存在、存否応答拒否のどれかを見ます。
  • 2. 対象文書を確認:請求した文書のうち、どの文書が対象になったかを確認します。
  • 3. 理由は具体的か:法人情報、個人情報、事務支障などの抽象語だけでなく、どの情報がなぜ該当するかを見ます。
  • 4. 次の手続を選ぶ:窓口確認、再請求、審査請求、訴訟、専門家相談のどれが適切かを検討します。

POINT 6

  • 情報公開請求の手続と請求書の書き方
  • 1. 公表済み資料を確認する:行政機関のウェブサイト、審議会資料、予算・決算資料、入札情報、政策評価、白書、統計、報道発表を確認します。
  • 2. 存在しそうな文書を書く:対象事業名、期間、所管部署、文書類型、紙文書と電磁的記録を含むことを整理します。
  • 3. 文書特定を詰める:文書名が分からない場合、所管部署、対象期間、公表資料と未公表資料の切り分けを確認します。
  • 4. 開示、不開示、不存在を読む:対象文書、不開示根拠、第三者意見照会、期限延長、一部開示の有無を確認します。
  • 5. 審査請求や再請求を検討する:探索範囲、理由の具体性、公表済み情報、一部開示、公益上の開示、時間経過を整理します。

POINT 7

  • 情報公開請求の不開示決定通知書と争い方
  • 1. 担当窓口に確認:理由の補足、探索範囲、請求書の解釈、別文書名での再請求、公表資料を確認します。
  • 2. 争点が残るか:不開示該当性、探索不足、理由提示、一部開示、公益上の開示を整理します。
  • 3. 審査請求・訴訟を検討:期限、費用、証拠、専門的主張が関わるため、専門家相談の価値が高くなります。
  • 4. 再請求・補正で改善:期間、文書類型、部署、請求目的の補足を調整し、対象文書を絞ります。

POINT 8

  • 自治体の情報公開請求と裁判所の司法行政文書開示
  • 国の制度と似ていても、自治体条例や裁判所手続では対象と運用が異なります。
  • 条例ごとの差を確認
  • 司法行政文書と事件記録を分ける
  • 保有個人情報開示請求を検討

まとめ

  • 情報公開請求で開示される文書と 不開示情報の基準
  • 情報公開請求で開示される文書と不開示になる情報の基準をつかむ:原則開示と例外不開示の関係を、最初に全体像として整理します。
  • 情報公開請求とは何か ― 制度と請求先の違い:国、独立行政法人、自治体、裁判所、本人情報では使う制度が異なります。
  • 情報公開請求で開示対象になる文書の基準:行政文書に当たるかどうかは、職務上作成・取得、組織的利用、保有の三要件から確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

情報公開請求で開示される文書と不開示になる情報の基準をつかむ

原則開示と例外不開示の関係を、最初に全体像として整理します。

情報公開請求は、行政機関などが保有する文書を市民が確認するための制度です。行政の説明責任を支え、行政監視や民主的統制を実質化する役割があります。ただし、請求すれば保有文書がすべてそのまま見られるわけではありません。

中心になる考え方は、行政機関等が保有する対象文書は原則として開示される一方、法律上の不開示情報に当たる部分は全部または一部が開示されないという構造です。文書の存在、行政文書性、不開示情報、一部開示、第三者の権利利益を順番に確認します。

基本構造情報公開請求は行政に質問する制度ではなく、存在する文書の開示を求める制度です。知りたい内容をそのまま書くより、決裁文書、会議資料、議事録、契約書、調査報告書など、存在しそうな文書に落とし込むことが重要です。

次の比較表は、請求の入口から不服申立てまでの主要論点を一覧化したものです。各列は、基本的な考え方と実務上の注意点を並べています。最初に全体を眺めることで、どこで開示され、どこで不開示や文書不存在が問題になるかを読み取れます。

論点基本的な考え方実務上の注意
誰が請求できるか国の行政機関情報公開制度では、原則として誰でも請求できます。国籍、住所、利害関係の有無は通常問われませんが、制度ごとの確認が必要です。
何が対象か職員が職務上作成または取得し、組織的に利用し、行政機関等が保有する文書、図画、電磁的記録です。個人メモ、未作成文書、保存期間満了で廃棄済みの文書などは対象外になり得ます。
開示される文書決裁文書、契約書、会議資料、議事録、調査報告書、通知、統計資料、メール等が対象になり得ます。文書全体ではなく、個人名や企業秘密など一部だけが黒塗りになる場合があります。
不開示情報個人情報、法人情報、国の安全、公共安全、審議・検討情報、行政事務事業情報などです。行政に都合が悪いという理由だけでは足りず、法律上の根拠と具体的理由が必要です。
一部開示不開示部分を除いて開示できる場合は、一部開示が検討されます。黒塗りが多い場合でも、理由の妥当性や範囲を争えることがあります。
文書不存在文書が存在しない、保有していない、保存期間満了で廃棄済みなどの判断です。不開示とは別物です。探索範囲、保存期間、所管部署を確認します。
存否応答拒否文書の有無を答えるだけで不開示情報を明らかにする場合、有無自体を答えないことがあります。捜査、相談、通報、特定個人や企業に関する機微情報で問題になりやすいです。
不服申立て不開示や一部不開示に不満があれば、審査請求等を検討できます。期限、理由整理、対象文書の特定、証拠化が重要です。
Section 01

情報公開請求とは何か ― 制度と請求先の違い

国、独立行政法人、自治体、裁判所、本人情報では使う制度が異なります。

情報公開請求の目的は、行政機関等が保有する文書を市民が確認できるようにし、行政の説明責任を果たすことにあります。国の行政機関では行政機関情報公開法が基本になりますが、請求先によって根拠制度は一つではありません。

次の比較表は、請求先ごとに使う制度と注意点を整理したものです。どの制度を使うかを誤ると、対象外の手続を選んでしまうため重要です。読者は、まず請求先の種類を見て、本人情報や裁判記録のように別手続が必要な場面を読み取ってください。

請求先主な制度注意点
国の行政機関行政機関情報公開法省庁や地方支分部局などが対象になります。
独立行政法人等独立行政法人等情報公開法国立研究開発法人、国立大学法人等では別法が問題になります。
地方自治体各自治体の情報公開条例対象文書、手数料、期限、不開示基準が条例ごとに異なります。
裁判所司法行政文書開示手続情報公開法は直接適用されません。事件記録は別手続です。
行政機関が持つ本人情報保有個人情報開示請求自分の情報を見たい場合は通常の情報公開請求とは別枠で考えます。

国の行政機関情報公開制度では、基本的に何人も開示請求ができます。一般市民、法人、報道機関、研究者、NPO、競合企業も請求者になり得ます。ただし、請求者の資格が広いことと、何でも開示されることは別です。

制度選択自分に関する行政記録を確認したい場合は、通常の情報公開請求ではなく保有個人情報開示請求が適することがあります。裁判所の事件記録も司法行政文書開示手続ではなく、個別の閲覧・謄写手続を確認する必要があります。
Section 02

情報公開請求で開示対象になる文書の基準

行政文書に当たるかどうかは、職務上作成・取得、組織的利用、保有の三要件から確認します。

情報公開請求の第一関門は、請求対象が制度上の行政文書に当たるかどうかです。行政文書は、職員が職務上作成または取得し、組織的に用いるものとして、行政機関が保有している文書、図画、電磁的記録を指します。

次の判断の流れは、請求対象が開示対象文書に当たるかを順番に確認するものです。上から下へ進む順番に意味があり、どこかで要件を満たさないと文書不存在や対象外の判断につながります。まず三要件と電子データの扱いを読み取ってください。

開示対象文書かを確認する順番

職務上作成または取得

業務として作成・受領された決裁案、報告書、会議資料、照会文書などかを確認します。

組織的に利用

決裁、会議、共有フォルダ、事務処理、審査基準、委託成果物などとして使われたかを見ます。

行政機関が保有

請求時点で作成済みで、保存期間内にあり、請求先機関が保有しているかを確認します。

紙文書だけでなく電磁的記録も対象

メール、PDF、Word、Excel、画像、データベース上の記録も要件を満たせば対象になり得ます。

次の一覧は、実務で開示対象になり得る文書類型と、開示時に調整されやすい情報を並べたものです。文書類型ごとに保護される情報が異なるため、読者は自分が請求したい文書がどの行に近いかを確認し、黒塗りになりやすい部分を予測できます。

文書類型開示時の典型的な調整
決裁文書起案文、伺い文、決裁票、承認記録担当者名、内線番号、内部管理情報が黒塗りになることがあります。
契約関係文書契約書、仕様書、見積書、入札結果、委託報告書ノウハウ、単価、技術情報が一部不開示になることがあります。
会議関係文書会議資料、議事録、議事要旨、出席者名簿発言者名、未成熟な検討内容、個人情報が問題になります。
調査・監査文書立入検査記録、調査報告書、監査結果調査対象者の個人情報、企業秘密、検査手法が黒塗りになることがあります。
補助金・許認可文書申請書、審査資料、交付決定通知、報告書申請者の財務情報、取引先情報、個人情報が問題になります。
苦情・相談関係文書苦情受付票、相談記録、対応記録相談者、通報者、相手方の個人情報が強く保護されます。
内部規程・基準審査基準、処理要領、マニュアル検査・監督の実効性を害する部分は不開示になり得ます。
メール・連絡文書部署間照会、外部とのやり取り組織的利用性、保存状況、個人情報や法人情報が問題になります。

契約書では、契約の存在、相手方、金額、期間などは公金支出の透明性から開示されやすい一方、原価、技術ノウハウ、セキュリティ情報、取引先情報は不開示になり得ます。議事録や会議資料でも、配布資料は開示されても、発言者名や未公表の検討案が黒塗りになる場合があります。

Section 03

情報公開請求で不開示になる情報の主要類型

不開示は文書単位ではなく情報単位で判断されます。

請求対象文書に不開示情報が一部含まれているからといって、当然に文書全体が不開示になるわけではありません。実務上は、どの記載部分がどの不開示情報に当たるかを個別に見ます。

次の比較表は、国の行政機関情報公開法で代表的に問題になる六類型をまとめたものです。各行は、保護される利益と典型例の対応を示しています。読者は、不開示理由通知に書かれた条文がどの利益を守るものかを読み取ってください。

類型概要典型例
個人に関する情報特定個人を識別できる情報、または個人の権利利益を害するおそれがある情報です。氏名、住所、病歴、相談内容、処分歴、家族情報
法人等に関する情報法人や事業者の権利、競争上の地位、正当な利益を害するおそれがある情報です。営業秘密、原価、技術情報、顧客情報、未公表の経営情報
国の安全・外交等国の安全、他国等との信頼関係、交渉上の不利益に関わる情報です。防衛情報、外交交渉資料、国際協議メモ
公共の安全・秩序維持犯罪予防、捜査、警備、治安維持に支障を及ぼす情報です。捜査手法、警備計画、情報提供者情報
審議・検討・協議率直な意見交換や意思決定の中立性を損なうおそれがある未成熟な検討内容です。政策案の内部検討、採点案、人事案、交渉方針
行政事務・事業開示により事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報です。検査手法、試験問題、監査着眼点、契約交渉資料

次の重要ポイント一覧は、不開示判断で争点になりやすい考え方を整理したものです。各項目は、行政機関の説明がどこまで具体的であるべきかを確認するために重要です。読者は、単なる抽象的理由と具体的な支障説明を区別して読む必要があります。

個人情報は組み合わせも見る

氏名が消えていても、住所、役職、経歴、事案内容を組み合わせて個人が分かる場合は不開示になり得ます。

企業情報は絶対非公開ではない

公金支出、補助金、許認可、行政処分など公共性が高い情報は、開示方向に働くことがあります。

検討中だけでは足りない

未成熟な案でも、率直な意見交換や意思決定の中立性への具体的支障が問題になります。

事務への支障は具体性が必要

どの事務に、どのような支障が、どの程度現実的に生じるのかを確認します。

法人情報であっても、人の生命、健康、生活、財産を保護するために開示が必要な情報は、開示方向に働く場合があります。重大な製品事故、食品衛生、環境汚染、建築安全、医療安全、労働安全などでは公益的開示が問題になります。

Section 04

情報公開請求の一部開示、黒塗り、文書不存在を見分ける

似て見える拒否の種類を分けて理解すると、次の対応を整理しやすくなります。

一部開示とは、文書中の不開示情報を黒塗り、白抜き、マスキング、削除等で除いて交付することです。文書の一部に個人情報や企業秘密があるからといって、文書全体を不開示にするのではなく、分離できるかを検討します。

次の比較表は、文書不存在、存否応答拒否、不開示の違いを整理したものです。三つは結論も争い方も異なるため、通知書の文言を正確に読むことが重要です。読者は、確認すべき点の列を使って、行政機関に質問する事項を洗い出してください。

区分意味確認すべき点
文書不存在探索したが文書を保有していない、または存在しないという判断です。探索範囲、文書名、保存期間、所管部署、別名文書の有無を確認します。
存否応答拒否文書の有無を答えること自体が不開示情報を明らかにする場合です。なぜ有無を答えるだけで不開示情報が明らかになるのかを確認します。
不開示文書はあるが、全部または一部を開示しない判断です。根拠条項、理由、部分開示の可否を確認します。

次の判断の流れは、黒塗り文書や拒否通知を受け取ったときの確認順を表します。上から順に確認すると、感情的な反論ではなく、根拠条項、理由、探索範囲、一部開示の余地へ争点を絞れます。

通知を受け取った後の確認順

決定の種類を確認

全部開示、一部開示、全部不開示、文書不存在、存否応答拒否のどれかを見ます。

対象文書を確認

請求した文書のうち、どの文書が対象になったかを確認します。

理由は具体的か

法人情報、個人情報、事務支障などの抽象語だけでなく、どの情報がなぜ該当するかを見ます。

次の手続を選ぶ

窓口確認、再請求、審査請求、訴訟、専門家相談のどれが適切かを検討します。

黒塗りが多い場合でも、文書名、作成日、作成部署、項目構成、分量、根拠条項、公表済み情報との照合から争点を把握できます。黒塗りの量だけで違法かどうかは判断できず、不開示部分ごとに法律上の根拠と具体的理由があるかが問題になります。

Section 05

情報公開請求の手続と請求書の書き方

文書を特定できる請求書を作ることが、開示可能性を高める実務上の出発点です。

情報公開請求は、通常、開示請求書を提出して行います。請求書には、請求者の氏名・住所、請求する文書を特定するための事項、開示方法などを記載します。最も重要なのは、行政文書を特定できる程度の記載です。

次の時系列は、請求書提出から不満がある場合の対応までの流れを示しています。順番に意味があり、補正や決定後の確認を軽視すると、後の審査請求や再請求で争点がぼやけます。各段階で何を確認するかを読み取ってください。

提出前

公表済み資料を確認する

行政機関のウェブサイト、審議会資料、予算・決算資料、入札情報、政策評価、白書、統計、報道発表を確認します。

請求書提出

存在しそうな文書を書く

対象事業名、期間、所管部署、文書類型、紙文書と電磁的記録を含むことを整理します。

補正

文書特定を詰める

文書名が分からない場合、所管部署、対象期間、公表資料と未公表資料の切り分けを確認します。

決定

開示、不開示、不存在を読む

対象文書、不開示根拠、第三者意見照会、期限延長、一部開示の有無を確認します。

不満がある場合

審査請求や再請求を検討する

探索範囲、理由の具体性、公表済み情報、一部開示、公益上の開示、時間経過を整理します。

次の比較一覧は、請求書の悪い書き方と改善例を示します。左右の違いは、質問や評価ではなく、行政機関が探せる文書類型、期間、部署に落とし込めているかです。読者は、右側のように具体的な文書名や類型へ置き換える発想を読み取ってください。

避けたい書き方改善した書き方
〇〇政策についてのすべての情報を開示してください。2024年4月1日から2025年3月31日までに、〇〇省△△課が作成または取得した、〇〇政策の制度設計に関する決裁文書、会議資料、議事要旨、関係部局との協議記録、外部有識者会議の配布資料および議事録。
〇〇事業がなぜ失敗したのか知りたい。〇〇事業の失敗原因を検討した報告書、会議資料、監査資料、契約変更資料、関係部署との協議記録。
過去すべての資料をください。契約締結日の前後1年間、政策決定日の前後6か月、監査報告書作成年度など、重要期間に絞って請求します。
文書類型文書名が分からない場合は、決裁文書、起案文、契約書、仕様書、見積書、委託成果物、会議資料、議事録、庁内協議資料、外部委託先との協議記録、電子メールその他これらに類する電磁的記録のように、文書類型を列挙すると特定可能性が高まります。
Section 06

情報公開請求の不開示決定通知書と争い方

通知書は、根拠条項、理由の具体性、探索範囲、一部開示の検討を中心に読みます。

不開示決定通知書を受け取った場合は、まず請求した文書のうちどの文書が対象とされたか、全部不開示、一部不開示、文書不存在、存否応答拒否のどれか、不開示の根拠条項、理由の具体性、不服申立ての方法と期限を確認します。

次の一覧は、不開示通知を読むときの確認項目を並べたものです。項目の順番は、通知書の結論から理由の妥当性へ進む読み方を示しています。読者は、抽象的な理由で止まらず、どの情報がなぜ不開示なのかを確認してください。

CHECK 01

理由が抽象的すぎないか

事務の適正な遂行、法人の正当な利益、個人に関する情報などの文言だけでなく、どの情報がなぜ該当するかを確認します。

CHECK 02

文書不存在の探索は十分か

部署、文書管理システム、共有フォルダ、紙ファイル、保存期間、別名称の文書、他機関の保有可能性を確認します。

CHECK 03

一部開示は尽くされたか

公表済みの氏名、企業名、会議名、日付、件名まで不必要に黒塗りされていないかを見ます。

次の判断の流れは、不開示や一部不開示への対応を整理するものです。分岐は、行政機関への確認で解決できるのか、審査請求や訴訟まで検討するのかを分けます。読者は、期限と争点整理の重要性を読み取ってください。

不開示に不満があるときの対応

担当窓口に確認

理由の補足、探索範囲、請求書の解釈、別文書名での再請求、公表資料を確認します。

争点が残るか

不開示該当性、探索不足、理由提示、一部開示、公益上の開示を整理します。

残る
審査請求・訴訟を検討

期限、費用、証拠、専門的主張が関わるため、専門家相談の価値が高くなります。

整理できる
再請求・補正で改善

期間、文書類型、部署、請求目的の補足を調整し、対象文書を絞ります。

審査請求では、対象文書が存在するはずである、探索範囲が不十分である、不開示情報該当性がない、不開示範囲が広すぎる、一部開示が可能である、時間の経過で不開示理由が弱まっている、公益上の開示が必要である、理由提示が不十分である、といった主張を整理します。

Section 07

自治体の情報公開請求と裁判所の司法行政文書開示

国の制度と似ていても、自治体条例や裁判所手続では対象と運用が異なります。

地方自治体の情報公開制度は、都道府県、市区町村、広域連合、一部事務組合など、それぞれの条例に基づきます。国の情報公開法に似た仕組みが多い一方、対象機関、対象文書、手数料、期限、不開示基準、審査会の仕組みは異なります。

次の比較一覧は、国、自治体、裁判所、本人情報で確認すべき項目を並べたものです。制度ごとの対象が違うため、最初に請求先と手続の対応を確認することが重要です。読者は、事件記録や本人情報のように別制度へ進むべき場面を読み取ってください。

自治体

条例ごとの差を確認

請求できる人、対象機関、対象文書、不開示条文、決定期限、費用、審査会の仕組みを確認します。

裁判所

司法行政文書と事件記録を分ける

庁舎管理、会計、調達、通達、広報、統計などは司法行政文書の問題ですが、訴訟記録や証拠は別制度です。

本人情報

保有個人情報開示請求を検討

福祉、医療、教育、入管、労働行政などで自分の記録を見たい場合は、本人情報の手続が適することがあります。

自治体では、入札、補助金、都市計画、学校、福祉、開発許可、環境、住民苦情、議会関連文書が問題になりやすいです。国の法律と同じような用語でも、条例、施行規則、審査基準、審査会答申を確認する必要があります。

裁判所司法行政文書開示手続の対象は、裁判所職員が司法行政事務に関して組織的に用いる文書、図画、電子データです。特定事件の訴訟記録、調停記録、刑事事件記録、家事事件記録は、各事件記録の閲覧・謄写手続を確認します。
Section 08

情報公開請求の具体例で開示と不開示を見分ける

文書類型ごとの開示されやすい部分と不開示になり得る部分を比較します。

情報公開請求では、同じ文書名でも開示される部分と不開示になり得る部分が混在します。具体例で見ると、何が公的説明責任に関わり、何が個人情報、企業秘密、事務支障として保護されるかを理解しやすくなります。

次の比較一覧は、五つの典型例を、開示されやすい部分、不開示になり得る部分、実務上の見方に分けています。列の違いは、開示方向に働く利益と保護される利益の衝突を示しています。読者は、自分の請求対象に近い例を探してください。

具体例開示されやすい部分不開示になり得る部分実務上の見方
行政委託契約の契約書表題、契約日、相手方、金額、期間、業務の大枠、入札結果脆弱性、セキュリティ設計、技術提案、原価、人員単価、再委託先公金支出の透明性は強い一方、サイバーセキュリティや企業秘密の調整が必要です。
行政処分の調査報告書根拠法令、処分日、概要、公表済みの理由、行政機関が公表した事実検査手法、通報者、顧客・従業員の個人情報、未確認情報、内部管理資料処分の透明性と第三者保護が衝突します。公表済み資料との差分を見ます。
住民苦情に関する記録件数、対応部署、対応の大枠、一般的な行政対応申出人の氏名、住所、連絡先、近隣関係から個人が特定される記載個人情報保護が強く働くため、件数や対応概要など特定されにくい形が有効な場合があります。
政策決定前の内部検討資料公表済み審議会資料、検討スケジュール、一般的説明、過去統計未成熟な政策案、調整方針、影響分析、交渉戦略、公表前案決定前と決定後で判断が変わる可能性があります。再請求も選択肢です。
試験・採用・選考資料募集要項、試験概要、公表済み基準、合格者数等の統計未公表採点基準、面接評価票、受験者情報、今後流用される問題個人情報と事務事業情報が強く問題になります。本人情報の手続も検討します。
Section 09

情報公開請求で弁護士相談や企業対応が必要になる場面

請求する側、企業側、個人の権利利益が関わる側で準備すべきことが異なります。

通常の請求書提出や公表資料の確認であれば、必ずしも弁護士が必要なわけではありません。しかし、不開示決定を争う場合、文書不存在に疑問がある場合、審査請求や取消訴訟を検討する場合、他の紛争と連動する場合には専門的整理が重要です。

次の一覧は、相談や社内対応が必要になりやすい場面を立場別に整理したものです。各項目は、期限や証拠、秘密情報、他の法的手続との接続が問題になるため重要です。読者は、自分が請求者なのか、資料を出した企業なのか、本人情報を確認したい立場なのかを読み分けてください。

1

不開示決定を争う請求者

黒塗り範囲が広い、不開示理由が抽象的、同種文書が他機関では開示されている、文書不存在に納得できない場合は、条文、答申例、判例、文書管理実務を踏まえた整理が必要です。

審査請求期限確認
2

他の法的手続と連動する場合

行政処分取消訴訟、国家賠償請求、住民監査請求、労働事件、環境訴訟、消費者被害救済、入札紛争、調査報道では、どの文書を先に取得するかが重要です。

証拠化期限管理
3

企業・団体の資料が請求された場合

行政に提出した提案書、補助金申請、事故報告、行政調査回答は請求対象になり得ます。営業秘密、個人情報、セキュリティ情報の範囲と不利益を具体的に説明します。

第三者意見照会広報対応
4

個人の権利利益に関わる場合

福祉、医療、教育、入管、警察、労働、DV、児童相談、懲戒、行政処分などでは、情報公開請求、保有個人情報開示請求、事件記録閲覧などの制度選択を誤らないことが重要です。

制度選択専門家相談

企業側では、行政提出資料を一覧管理し、秘密情報のページや項目を特定し、非公知性、開示された場合の不利益、個人情報、営業秘密、セキュリティ情報の区別を説明できるようにしておくことが望まれます。第三者意見照会が届いた場合は、回答期限が短いこともあります。

次のチェック一覧は、請求する側、不開示通知を受けた側、企業側の準備事項を整理したものです。三つの列は立場ごとの確認対象を示しています。読者は、自分に該当する列を中心に、漏れている準備を読み取ってください。

請求する側不開示通知を受けた側企業側
請求先、制度、公表済み資料、対象期間、所管部署を確認する。全部不開示、一部不開示、文書不存在、存否応答拒否のどれかを確認する。行政提出資料を一覧管理し、秘密情報の範囲を明確にする。
文書類型、電磁的記録、請求範囲、手数料、期限を整理する。根拠条項、理由の具体性、一部開示、公表済み情報、探索範囲を確認する。公表可能版と詳細版を分け、個人情報を必要最小限にする。
補正に対応できる連絡先と、不開示時の期限確認を準備する。再請求、審査請求、弁護士相談の必要性を検討する。第三者意見照会の窓口、営業秘密該当性、広報シナリオを準備する。
Section 10

情報公開請求でよくある質問

個別事案の結論ではなく、制度の一般的な考え方として整理します。

情報公開請求をすれば、行政機関が持っている文書は全部見られますか。

一般的には、対象文書が存在し、開示対象文書に当たる場合でも、個人情報、法人情報、国の安全、公共安全、審議・検討情報、行政事務事業情報などの不開示情報は開示されない可能性があります。ただし、不開示部分を除いて開示できる場合は一部開示が検討されます。具体的な見通しは、対象文書や根拠条項によって変わるため、必要に応じて弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

請求理由を書かなければなりませんか。

一般的には、請求理由は必要ない制度が多いとされています。情報公開制度では、請求者の目的や動機ではなく、対象文書と不開示情報該当性が中心になります。ただし、文書特定や公益上の開示を求める場面では、背景を簡潔に説明することが役立つ可能性があります。

自分の情報なのに黒塗りされることはありますか。

一般的には、通常の情報公開請求では、請求者本人の情報であっても制度上は個人に関する情報として扱われることがあります。自分自身の情報を確認したい場合は、保有個人情報開示請求を検討する必要があります。ただし、その手続でも第三者情報や行政事務への支障がある部分は不開示になる可能性があります。

文書不存在といわれたら、もう争えませんか。

一般的には、文書不存在にも、本当に存在しない場合、保存期間満了で廃棄済みの場合、別部署が保有している場合、請求書の文書特定が狭すぎた場合、探索が不十分な場合などがあります。探索範囲、保存期間、文書名、所管部署を確認し、具体的な対応は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

黒塗りが多すぎる場合、どうすればよいですか。

一般的には、不開示部分ごとの根拠条項と理由を確認します。公表済み情報まで黒塗りされていないか、不開示範囲が必要最小限か、一部開示が尽くされているかを検討します。審査請求や再請求の要否は、対象文書や通知書の理由によって変わります。

企業の提案書は開示されますか。

一般的には、企業の提案書も開示対象になり得ます。ただし、営業秘密、技術ノウハウ、原価、顧客情報、セキュリティ情報などは不開示になり得ます。一方、契約相手、契約金額、事業概要など、公金支出や行政説明責任に関わる情報は開示されやすい場合があります。

裁判所の事件記録も情報公開請求で見られますか。

一般的には、事件記録は司法行政文書開示手続の対象ではありません。事件記録を確認したい場合は、民事訴訟法、刑事訴訟法、家事事件手続法など、個別の事件記録閲覧・謄写手続を確認する必要があります。

弁護士に相談するタイミングはいつですか。

一般的には、最初の請求書作成段階でも相談できますが、不開示決定を争う場合、文書不存在に疑問がある場合、審査請求や訴訟を検討する場合、他の紛争や行政訴訟と連動する場合、企業秘密や個人情報が関わる場合には、早めに相談することが有効とされています。

取得した文書をインターネットに公開してよいですか。

一般的には、開示を受けた文書の利用には、著作権、個人情報、名誉毀損、プライバシー、営業秘密、契約上の義務など、情報公開制度とは別の法的問題が生じる可能性があります。公開の可否は内容や目的によって変わるため、具体的には専門家に確認する必要があります。

同じ文書を再請求できますか。

一般的には、再請求自体が直ちに禁止されるわけではありません。時間の経過、政策決定後の事情変更、公表済み情報の増加、請求範囲の再設定により、結果が変わる場合があります。ただし、制度の趣旨を逸脱する濫用的請求は問題になり得ます。

Section 11

情報公開請求で開示される文書と不開示になる情報の基準のまとめ

制度選択、文書特定、不開示理由、対応期限を順番に確認します。

情報公開請求で開示される文書と不開示になる情報の基準を理解するには、どの制度を使うのか、請求先は正しいか、対象文書は職務上作成・取得され、組織的に利用され、保有されている文書か、文書は現在存在するか、文書中に不開示情報が含まれるか、不開示部分を除いて一部開示できるか、理由は具体的かを順番に確認します。

次の重要ポイントは、請求者と行政機関・企業側の双方に共通する整理です。三つの項目は、情報公開制度が行政の透明性だけでなく、個人のプライバシー、企業秘密、公共安全、行政事務の適正な遂行との調整で成り立つことを示しています。読者は、強く請求する場面と保護される情報を切り分けて読み取ってください。

原則開示、例外不開示を文書と情報に分けて考える

制度を使うときは、何でも暴く道具としてではなく、文書に基づいて行政を検証する手続として考えることが重要です。不開示決定に納得できない場合や重要な権利利益に関わる場合は、対象文書、根拠条項、争点、期限を早い段階で整理します。

Reference

この記事の参考情報源

法令・公的資料

  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
  • 個人情報の保護に関する法律
  • 総務省 情報公開制度関連資料
  • e-Gov 行政制度 情報公開制度案内
  • 特許庁 開示審査基準
  • 内閣法制局 開示請求に係る審査基準
  • 厚生労働省近畿厚生局 情報公開請求に関するQ&A
  • 裁判所 司法行政文書開示手続
  • 国立公文書館 情報公開制度と公文書管理