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節税目的の不動産購入が
税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例

相続直前の不動産購入、借入金、通達評価と時価の差、相続後の売却がどのように見られるかを、総則6項、最高裁判決、税務調査、追徴課税の計算例から整理します。

総則6項 通達評価を外す根拠
令和4年 最高裁が枠組みを提示
約2.2億円 想定例Aの本税差額
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節税目的の不動産購入が 税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例

売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。

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節税目的の不動産購入が 税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例
売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。
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  • 節税目的の不動産購入が 税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例
  • 売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。

POINT 1

  • 節税目的の不動産購入で何が否認されるのか
  • 売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。
  • 評価差だけではなく、取引全体の合理性が問われます
  • 相続税対策として不動産を購入すること自体は、一般的には直ちに違法でも無効でもありません。
  • 収益不動産や分譲マンションでは、この評価差を利用した相続税対策が行われてきました。

POINT 2

  • 節税目的の不動産購入を判断する基礎用語
  • 相続税法22条、財産評価基本通達、総則6項、更正処分、附帯税を整理します。
  • 相続税法22条の客観的交換価値
  • 財産評価基本通達
  • 総則6項

POINT 3

  • 節税目的の不動産購入と最高裁令和4年4月19日判決
  • 1. 時価の確認:相続税法22条の時価は客観的な交換価値です。
  • 2. 平等原則の確認:特定の納税者だけに通達評価を超える評価をすることは、合理的理由がない限り問題になり得ます。
  • 3. 公平を害する事情の確認:通達による画一的評価が、実質的な租税負担の公平に反する事情があるかを見ます。
  • 4. 合理的理由がある場合

POINT 4

  • 節税目的の不動産購入が追徴課税につながる4つの想定例
  • 想定例A、相続直前の借入れ付き収益不動産購入
  • 想定例Aの本税差額は約2億2280万円
  • 想定例B、タワーマンション購入と令和6年以後の評価補正
  • 想定例C、相続後すぐ売却された物件
  • 借入れ付き収益不動産、タワーマンション、短期売却、通常の資産入替えを比較します。

POINT 5

  • 節税目的の不動産購入で税務署が見る証拠資料
  • 高齢または重病
  • 相続開始が近いことを家族や専門家が認識していると、相続直前取引と見られやすくなります。
  • 多額借入れ
  • 購入資金の大部分が借入金で、債務控除により課税価格が大きく下がる場合は圧縮効果が目立ちます。

POINT 6

  • 節税目的の不動産購入が否認された場合の税務手続
  • 1. 相続税申告と納税:財産評価、名義預金、生命保険、贈与、債務控除、不動産取引などを整理して申告します。
  • 2. 売買契約書や借入契約書などの確認:相続直前の不動産購入がある場合、通帳、提案書、賃貸資料、相続後の売却資料も確認されます。
  • 3. 更正処分と賦課決定処分:申告額が認められない場合、課税価格や税額が増額され、過少申告加算税について別途処分がされることがあります。
  • 4. 原則3か月以内に請求を検討:処分の通知を受けた日の翌日から原則3か月以内に、審査請求または再調査の請求を検討します。
  • 5. 裁決後は6か月以内が目安:裁決後の訴訟提起は、裁決を知った日の翌日から6か月以内と案内されています。

POINT 7

  • 節税目的の不動産購入で必要になる専門職の役割
  • 相続税、行政争訟、不動産評価、登記、売却実務、相続人間紛争が交差します。
  • 節税目的の不動産購入が税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例では、単独の専門職だけでは対応が不十分になりやすいです。
  • 重要なのは、税務判断、不動産評価、争訟、登記、売却、資金計画を切り離さずに連携して検討することです。
  • 不動産を相続した場合には相続登記も重要です。

POINT 8

  • 節税目的の不動産購入を申告前に点検するチェックリスト
  • 評価差、取引目的、医療・介護事情、売却方針、意見書を事前に確認します。
  • 申告前には、不動産購入の目的を税務調査で説明できる程度に具体化します。
  • 評価差の測定では、通達評価額、市場価格、購入価格、鑑定評価額、固定資産税評価額、路線価評価額を並べます。
  • 重要なのは、差額の大きさだけでなく、その差を説明できる客観資料があるかを読み取ることです。

まとめ

  • 節税目的の不動産購入が 税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例
  • 節税目的の不動産購入で何が否認されるのか:売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。
  • 節税目的の不動産購入を判断する基礎用語:相続税法22条、財産評価基本通達、総則6項、更正処分、附帯税を整理します。
  • 節税目的の不動産購入と最高裁令和4年4月19日判決:評価通達、平等原則、租税負担の公平をどう見るかが示されました。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

節税目的の不動産購入で何が否認されるのか

売買契約ではなく、相続税申告で使った評価額が問題になります。

相続税対策として不動産を購入すること自体は、一般的には直ちに違法でも無効でもありません。不動産の相続税評価は、土地なら路線価方式や倍率方式、建物なら固定資産税評価額を基礎にすることが多く、市場価格より低くなる場合があります。収益不動産や分譲マンションでは、この評価差を利用した相続税対策が行われてきました。

ただし、相続開始が近いことを見越して、多額の借入金で不動産を購入し、相続税評価額を大きく圧縮し、相続後すぐに売却するような設計では、税務署が財産評価基本通達どおりの評価を採用しない可能性があります。代表的な根拠が財産評価基本通達6、いわゆる総則6項です。

次の比較表は、納税者側の申告と税務署側の判断がどこで食い違うかを表しています。否認リスクを考えるうえで重要なのは、契約の有効性ではなく、評価方法、課税価格、税額、手続がどのように変わるかを読み取ることです。

論点納税者側の申告税務署側の判断
不動産の評価方法財産評価基本通達どおりに低く評価この事案で通達評価を使うと著しく不適当と判断
課税価格借入金控除と低い不動産評価により大幅に圧縮不動産鑑定評価などの合理的方法で再評価
税額相続税が少額、またはゼロ本税の不足、過少申告加算税、延滞税が発生し得る
法的手続申告は適正だったと主張更正処分、過少申告加算税の賦課決定処分

追徴課税とは、一般に、本来納めるべきだった相続税本税の追加納付に、過少申告加算税や延滞税などの附帯税が加わる状態を指します。申告期限までに申告していても、取得財産を実際より少ない額で申告したと判断される場合には、追加の税負担が生じる可能性があります。

このページで最初に押さえるべき結論を、重要ポイントとして整理します。下の強調欄は、節税目的の不動産購入を検討する人が、評価差だけで判断しないために読むべき要点です。

評価差だけではなく、取引全体の合理性が問われます

通達評価が低いこと自体ではなく、相続直前性、多額借入れ、短期売却、税額軽減効果、関与者の認識が重なると、租税負担の公平を害する事情として見られやすくなります。

Section 01

節税目的の不動産購入を判断する基礎用語

相続税法22条、財産評価基本通達、総則6項、更正処分、附帯税を整理します。

相続税の評価問題では、同じ不動産でも「時価」「通達評価額」「鑑定評価額」という異なる言葉が出てきます。次の一覧は、それぞれの用語が何を意味し、なぜ重要かを表しています。読み取るべき点は、通達評価が実務上重要であっても、法律上の時価そのものと常に同じではないという関係です。

時価

相続税法22条の客観的交換価値

相続、遺贈、贈与により取得した財産は、特別の定めがある場合を除き、取得時の時価で評価するという考え方です。最高裁は、時価を財産の客観的な交換価値と整理しています。

通達

財産評価基本通達

国税庁が相続税や贈与税の財産評価に関する実務上の評価方法を定めたものです。行政内部の取扱いですが、課税実務で画一的評価を行うための重要な基準です。

例外

総則6項

通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産について、国税庁長官の指示を受けて評価する仕組みです。評価額が安いという理由だけで自由に使える規定ではありません。

更正処分は、納税者が提出した申告書の課税価格や税額が税務署長の認定と異なる場合に、税額等を改める処分です。節税目的の不動産購入が問題になる事例では、相続人が通達評価で申告した後、税務署が鑑定評価額等を基礎にすべきと判断し、課税価格と税額を増額することがあります。

附帯税の種類は、追徴課税の負担感を左右します。次の比較表は、過少申告加算税、延滞税、重加算税の違いを表しています。重要なのは、評価の見解相違だけで重加算税になるとは限らない一方、仮装や隠蔽があると評価問題を超えた重い論点になることです。

附帯税問題になる場面注意点
過少申告加算税期限内申告後に、修正申告または更正で本来より税額が少なかったとされる場合総則6項により課税価格が増えると、本税とともに問題になり得ます。
延滞税税金が定められた期限までに納付されない場合原則として法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて発生します。
重加算税仮装または隠蔽がある場合現金、名義預金、売却合意、賃貸状況、借入金の実態を意図的に隠した場合に問題化します。

不動産購入が相続税対策になる基本構造は、市場価格と相続税評価額の差にあります。1億円の現金は原則として1億円で計上されますが、1億円で購入した不動産は、土地が路線価、建物が固定資産税評価額などを基礎に評価され、市場価格より低くなることがあります。国税庁は、路線価等について地価公示価格等を基にした価格の80パーセント程度を目途に定めていると説明しています。

さらに賃貸中の不動産では、借家権割合や借地権割合を反映した評価減が生じることがあります。金融機関から借入れをして購入した場合、借入金は債務として控除されるため、通達評価額と借入金の差額が小さくなり、課税価格が大きく下がる場合があります。

注意この仕組み自体は通常の財産評価実務の一部です。問題は、取引全体が相続税負担の著しい軽減を目的として、相続直前に通常の経済合理性を欠く形で設計されたと見られる場合です。
Section 02

節税目的の不動産購入と最高裁令和4年4月19日判決

評価通達、平等原則、租税負担の公平をどう見るかが示されました。

最高裁令和4年4月19日判決の事案は、相続直前の不動産購入と借入れがどのように見られるかを理解するうえで重要です。次の比較表は、判決で問題になった購入額、借入金、通達評価、鑑定評価、更正後の税額を整理したものです。読者にとって重要なのは、金額差だけでなく、相続税負担を減少または免除させる期待をもって企画実行されたと認定された点です。

項目金額や事情読み取るポイント
被相続人の状況90歳代近い将来の相続発生が意識されやすい時期でした。
1件目の購入借入金6億3000万円を伴う8億3700万円の購入多額借入れと高額不動産取得が組み合わさっています。
2件目の購入借入金等を伴う5億5000万円の購入複数物件で相続税負担の軽減効果が大きくなっています。
相続人側の評価2件合計約3億3370万円、相続税額ゼロ通達評価により課税価格が大きく圧縮されました。
税務署側の評価鑑定評価額を基礎に2件合計約12億7300万円国税庁長官の指示を受け、通達評価を外した評価が採用されました。
更正後の相続税総額約2億4050万円通達評価との差が追徴課税の中心論点になりました。

最高裁の判断枠組みは、単純に通達評価より鑑定評価が高ければよいというものではありません。次の判断の流れは、最高裁がどの順番で法的な整理をしたかを示しています。順番を読むことで、通達評価の尊重と、例外的に通達評価を外す合理的理由の関係が分かります。

最高裁が示した判断の流れ

時価の確認

相続税法22条の時価は客観的な交換価値です。評価通達は、その評価方法を定めた実務基準にすぎません。

平等原則の確認

特定の納税者だけに通達評価を超える評価をすることは、合理的理由がない限り問題になり得ます。

公平を害する事情の確認

通達による画一的評価が、実質的な租税負担の公平に反する事情があるかを見ます。

合理的理由がある場合

著しい税負担軽減を意図して企画実行した事情などが重なると、鑑定評価額を基礎とする更正処分が適法とされる可能性があります。

実務上特に重要なのは、最高裁が、通達評価額と鑑定評価額の間に大きなかい離があるという事実だけでは、直ちに総則6項の適用を基礎づける事情があるとはいえないと述べた点です。評価差の大きさに加え、取引目的、借入れ、保有方針、税額効果、関与者の認識を総合して見る必要があります。

次の比較表は、総則6項リスクを高める事情と低める事情を対応させたものです。列の左右はリスク方向を示しており、複数の高リスク事情が同時に並ぶほど、他の納税者との不均衡を指摘されやすいと読み取れます。

判断要素高リスク方向の事情低リスク方向の事情
相続開始との近接性高齢、重病、相続開始が近い時期の購入相続開始の相当以前から保有
取引目的提案書、議事録、メール等に相続税圧縮が明記賃貸経営、資産入替え、事業承継などの実体的目的
借入れ多額借入れで課税価格を大幅圧縮返済可能性、収支計画、担保評価が合理的
物件の保有相続後すぐ売却、または売却予定が既定路線長期保有、賃貸運営、修繕投資
評価差市場価格と通達評価の差が極端通常想定される範囲の差
税額効果相続税がゼロまたは大幅減税額効果が副次的
関与者の認識家族、金融機関、専門家が相続税回避効果を中心に検討投資採算、事業上の必要性が中心
Section 03

節税目的の不動産購入が追徴課税につながる4つの想定例

借入れ付き収益不動産、タワーマンション、短期売却、通常の資産入替えを比較します。

以下の想定例は、理解のために数字を簡略化した架空事例です。実際の税額は、相続人の数、配偶者の有無、相続税額の2割加算、過去の贈与、小規模宅地等の特例、未分割申告、取得割合、延納や物納、取得費加算、譲渡税などにより変動します。

相続税の基本計算では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、法定相続分に応ずる取得金額に税率を当てはめて相続税の総額を計算します。基礎控除額は、3000万円に600万円かける法定相続人の数を加えた金額です。

想定例A、相続直前の借入れ付き収益不動産購入

被相続人Xは89歳で、配偶者はすでに死亡し、相続人は長男と長女の2人です。Xは預金、有価証券等を合計9億円保有していました。相続税対策の提案を受け、相続開始の8か月前に都心の収益不動産を8億円で購入し、購入資金のうち6億5000万円は金融機関からの借入れ、1億5000万円は手元資金でした。相続開始時点では、手元資産7億5000万円、不動産の市場価格7億9000万円、借入金残高6億5000万円で、相続人は通達評価額を3億2000万円としました。

次の比較表は、想定例Aで通達評価を使った当初申告と、鑑定評価額を使った更正後の概算を横並びにしたものです。読者にとって重要なのは、不動産評価額が3億2000万円から7億9000万円に変わるだけで、課税遺産総額と概算相続税総額が大きく増える点です。

項目当初申告の概算更正後の概算
手元資産7億5000万円7億5000万円
不動産評価額通達評価額3億2000万円鑑定評価額7億9000万円
借入金マイナス6億5000万円マイナス6億5000万円
課税価格の合計額4億2000万円8億9000万円
基礎控除額、相続人2人4200万円4200万円
課税遺産総額3億7800万円8億4800万円
概算相続税総額約1億1720万円約3億4000万円

当初申告では、課税遺産総額3億7800万円を子2人で2分の1ずつ取得すると仮定し、1人あたり1億8900万円です。速算表の1億円超から2億円以下の区分は税率40パーセント、控除額1700万円なので、1人あたり約5860万円、2人合計で約1億1720万円となります。

更正後では、課税遺産総額8億4800万円を子2人で2分の1ずつ取得すると仮定し、1人あたり4億2400万円です。速算表の3億円超から6億円以下の区分は税率50パーセント、控除額4200万円なので、1人あたり約1億7000万円、2人合計で約3億4000万円となります。

次の重要ポイントは、当初申告と更正後の差額がどこに表れるかを示します。ここでは本税差額だけで約2億2280万円となり、さらに過少申告加算税や延滞税が加わる可能性がある点を読み取る必要があります。

想定例Aの本税差額は約2億2280万円

令和8年中の延滞税割合について、国税庁は納期限の翌日から2か月を経過する日までの一定期間は年2.8パーセント、2か月経過後は年9.1パーセントと案内しています。割合は期間により変動するため、実務では最新情報の確認が必要です。

この例は、総則6項リスクが高い典型です。高齢者、相続直前、多額借入れ、市場価格と通達評価額の大差、相続税圧縮を中心にした提案書、相続後の売却可能性が重なっています。

想定例B、タワーマンション購入と令和6年以後の評価補正

被相続人Yは85歳で、相続人は子2人です。Yは、都心の高層分譲マンション一室を5億円で購入しました。従来の評価方法では、建物の固定資産税評価額と敷地権の路線価評価を基礎に、相続税評価額が2億円程度になると試算されました。

令和6年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した居住用の区分所有財産については、評価乖離率、評価水準、区分所有補正率を用いる評価方法が導入されています。次の比較表は、従来評価額2億円、評価乖離率3.0、評価水準1割る3.0で0.333、区分所有補正率3.0かける0.6で1.8とした場合の補正効果を示します。重要なのは、市場価格との差が縮小しても、相続直前性や短期売却などの事情があれば総則6項リスクが残る点です。

項目従来評価令和6年以後の補正後評価
マンションの市場価格5億円5億円
相続税評価額2億円3億6000万円
市場価格との差3億円1億4000万円

令和6年以後のマンション評価補正により、分譲マンションの過度な評価差は一定程度縮小されます。しかし、補正後評価額でも市場価格との差が大きく、相続直前の購入、多額借入れ、相続後の短期売却、節税目的を示す資料がある場合には、総則6項の問題が完全に消えるわけではありません。

想定例C、相続後すぐ売却された物件

被相続人Zは、死亡の1年前に賃貸マンションを4億円で購入しました。相続人は、通達評価額1億8000万円で相続税申告を行いました。しかし、相続開始から3か月後、同じ物件を3億9500万円で第三者に売却しました。

次の時系列は、購入、相続、申告、短期売却がどの順番で並ぶと税務調査で重要視されるかを表しています。なぜ重要かというと、相続後の売却価格は相続開始時の時価そのものではないものの、短期間で市場価格に近い金額で売れた事実は、客観的交換価値を推認する資料になり得るからです。

死亡の1年前

賃貸マンションを4億円で購入

相続直前の取得か、投資目的や保有方針があったかが確認されます。

相続税申告

通達評価額1億8000万円で申告

評価単位、賃貸割合、権利関係が正しく反映されているかが見られます。

相続開始から3か月後

3億9500万円で第三者へ売却

売却価格、売却理由、市況変動、特殊事情の有無が時価の推認資料になります。

最高裁令和4年判決の事案でも、相続後に1件の不動産が5億1500万円で売却された事実が認定されています。納税者側が反論する場合には、相続開始時点の賃貸状況、空室、修繕必要性、管理状況、売却時点までの市場変動、売却価格が特殊事情により高くなった資料、通達評価の正確性、非税務目的を示す当時資料が重要です。

想定例D、通常の資産入替えで否認リスクが低い例

被相続人Aは70歳の時点で、老朽化した自社ビルを売却し、代替資産として賃貸需要が安定した共同住宅を購入しました。購入から相続開始まで10年以上が経過し、空室率、修繕計画、賃料相場、返済計画を検討した資料があり、毎年の賃貸収入と管理費用も帳簿上明確です。借入金の返済も継続され、相続後も相続人が賃貸経営を継続しています。

次の比較一覧は、想定例Dが相対的に低リスクとされる理由と、それでも残る注意点を表しています。読み取るべき点は、長期保有や事業実体があっても、評価計算の誤りや特例の誤用は別問題として更正リスクになり得ることです。

長期保有

購入から相続開始まで10年以上が経過しており、相続直前の一時的な資産変換とは見られにくい事情です。

賃貸事業の実体

収益性、管理体制、修繕計画、帳簿が整っていると、非税務目的を説明しやすくなります。

残る注意点

賃貸割合、土地の評価単位、小規模宅地等の特例に誤りがあれば、通常の税務調査で指摘される可能性があります。

Section 04

節税目的の不動産購入で税務署が見る証拠資料

申告書だけでなく、取引の背景、意思決定、資金の流れ、売却資料が確認されます。

税務署の調査では、相続税負担の軽減を意図していたかどうか、またその効果がどれほど大きかったかが争点になります。次の比較表は、調査で確認されやすい資料と、そこから読み取られるポイントを表しています。読者にとって重要なのは、税務調査が始まってから理由を作るのではなく、購入時点の資料で非税務目的、投資採算、資金計画、長期保有方針を説明できるかです。

資料税務署が見るポイント
不動産会社、金融機関、税理士等の提案書相続税がゼロになる、評価差を使うなどの記載
融資申込書、稟議資料借入れの必要性、返済原資、担保評価、相続税対策としての説明
家族会議メモ、メール、チャット相続税額の減少を目的とする意思決定の有無
売買契約書、重要事項説明書価格、契約時期、特約、売却予定の有無
賃貸借契約、管理報告書賃貸事業の実体、空室率、収益性
不動産鑑定評価書相続開始時の正常価格、収益還元法、取引事例比較法等
相続後の売却資料短期売却の有無、売却価格、市場価格の推認
医療、介護、年齢に関する事情近い将来の相続発生の予見可能性
遺言書、遺産分割協議書取得者、処分予定、相続人間の利害関係
申告書、財産評価明細書評価単位、補正率、債務控除、小規模宅地等の特例の適否

高リスクな設計は、複数の事情が重なります。次の注意要素の一覧は、どのような事情が重なると「他の納税者との間に看過し難い不均衡が生じる」という課税庁の主張を強めるかを表しています。各項目を単独で見るのではなく、重なり方を読み取ることが重要です。

高齢または重病

相続開始が近いことを家族や専門家が認識していると、相続直前取引と見られやすくなります。

多額借入れ

購入資金の大部分が借入金で、債務控除により課税価格が大きく下がる場合は圧縮効果が目立ちます。

極端な評価差

市場価格と通達評価額との差が著しく大きいと、通常の評価差を超える事情として検討されます。

税額圧縮中心の資料

提案書に相続税減少額が大きく記載され、利回りや修繕リスクの検討が薄いと、非税務目的が弱く見えます。

短期売却

相続後すぐに売却する計画があると、一時的な資産変換と評価されやすくなります。

相続人主導

購入者本人ではなく相続人や関係者が主導していると、本人の投資目的が問題になりやすくなります。

一方、低リスク方向の事情もあります。購入から相続開始まで相当な期間があること、賃貸事業としての収益性、管理体制、修繕計画が合理的であること、借入れが返済能力に見合うこと、資産入替えや事業承継などの実体目的があること、相続後も長期保有していること、評価資料や議事録、収支計画、専門家意見書が整っていること、通達評価の計算に無理がないことなどです。

実務視点低リスクは無リスクを意味しません。相続税評価の誤り、賃貸割合の誤認、土地の評価単位の誤り、小規模宅地等の特例の誤用があれば、通常の税務調査で更正リスクが生じます。
Section 05

節税目的の不動産購入が否認された場合の税務手続

申告、税務調査、更正処分、不服申立て、訴訟までの流れを確認します。

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。申告期限までに申告しても、実際に取得した財産の額より少ない額で申告した場合には、本来の税金のほか加算税や延滞税がかかる場合があります。

次の時系列は、申告から税務調査、処分、不服申立てまでの順番を表しています。読者にとって重要なのは、修正申告をするか、更正処分を受けて争うかで、その後の手続の入口が変わる点を読み取ることです。

相続開始後10か月以内

相続税申告と納税

財産評価、名義預金、生命保険、贈与、債務控除、不動産取引などを整理して申告します。

税務調査

売買契約書や借入契約書などの確認

相続直前の不動産購入がある場合、通帳、提案書、賃貸資料、相続後の売却資料も確認されます。

処分

更正処分と賦課決定処分

申告額が認められない場合、課税価格や税額が増額され、過少申告加算税について別途処分がされることがあります。

不服申立て

原則3か月以内に請求を検討

処分の通知を受けた日の翌日から原則3か月以内に、審査請求または再調査の請求を検討します。

訴訟

裁決後は6か月以内が目安

裁決後の訴訟提起は、裁決を知った日の翌日から6か月以内と案内されています。

税務調査で指摘を受けた場合の選択肢は一つではありません。次の比較表は、修正申告、更正処分を受けて争う方法、一部修正、事前意見書提出の違いを整理しています。どの選択肢にも手続上の意味があるため、争点がある場合は安易に決めないことが重要です。

選択肢内容留意点
修正申告納税者が自ら申告を直す後から争いにくくなるため、法的争点がある場合は慎重に判断します。
更正処分を受ける税務署の処分を受けたうえで争う不服申立てや訴訟の入口になります。
一部のみ修正明らかな評価誤りは修正し、総則6項部分は争うどこを認め、どこを争うかの論点整理が重要です。
事前に意見書提出事実関係、評価、法的主張を税務署に提出税理士、弁護士、不動産鑑定士の連携が有効です。

税務調査での主張構成

納税者側が総則6項の適用を争う場合、主張は大きく3層に分かれます。第一に、申告した通達評価額が評価単位、路線価、奥行価格補正、不整形地補正、貸家建付地、貸家評価、借地権、区分所有補正率などのルールに正確に従っていることを示します。

第二に、総則6項を発動すべき事情がないことを主張します。相続税以外の合理的目的、相続開始が近いことを前提にした取引ではないこと、借入れの返済可能性と事業収益、短期売却が予定されたものではないこと、他の納税者との看過し難い不均衡を生じさせるほどの著しい税額軽減ではないことを整理します。

第三に、課税庁評価額が時価を超える、または合理性を欠くことを検討します。不動産鑑定評価の前提となる賃料、空室率、還元利回り、修繕費、土地建物配分、取引事例、個別格差、権利関係を確認し、必要に応じて反対鑑定または意見書を提出します。

Section 06

節税目的の不動産購入で必要になる専門職の役割

相続税、行政争訟、不動産評価、登記、売却実務、相続人間紛争が交差します。

節税目的の不動産購入が税務署に否認されて追徴課税を受ける想定例では、単独の専門職だけでは対応が不十分になりやすいです。次の比較表は、各専門職がどの領域を担当するかを表しています。重要なのは、税務判断、不動産評価、争訟、登記、売却、資金計画を切り離さずに連携して検討することです。

専門職主な役割
税理士相続税申告、財産評価、税務調査対応、修正申告または更正処分対応、税務意見書
弁護士総則6項の法的主張、不服申立て、税務訴訟、相続人間の責任分担、遺産分割紛争対応
不動産鑑定士相続開始時の正常価格、収益価格、取引事例、価格形成要因の分析
司法書士相続登記、所有権移転登記、担保抹消、登記原因証明情報、戸籍収集等
宅地建物取引士、不動産仲介業者購入価格、売却価格、取引条件、市場性、重要事項説明の実務資料
ファイナンシャル・プランナー家計、納税資金、保険、老後資金、資産承継の全体設計
公認会計士会社所有不動産、非上場株式、事業承継、財務分析
土地家屋調査士境界、分筆、表示登記、土地利用状況の整理
信託銀行等遺言信託、財産管理、執行支援。ただし税務判断は税理士、争訟は弁護士との連携が必要です。

不動産を相続した場合には相続登記も重要です。相続により不動産の所有権を取得した相続人は、一定の日から3年以内に相続登記の申請をする義務があり、正当な理由なく怠ったときは10万円以下の過料の対象となると説明されています。この相続登記義務化は2024年4月1日、令和6年4月1日に施行され、施行日前に開始した相続にも経過措置付きで対象となります。

相続人間の紛争も見落とせません。たとえば、長男が主導して被相続人に不動産を購入させ、その不動産を長男が相続し、税務調査で追徴課税が発生した場合、他の相続人は誰が追加税額を負担するのか、長男の判断で損害が発生したのではないかと主張する可能性があります。

遺産分割協議後に更正処分が行われた場合、納税資金の追加負担、相続分の調整、税理士報酬や弁護士費用の負担、延滞税や加算税の帰属が争点になります。遺産分割協議書には、後日税務調査や更正処分があった場合の追加税額、還付金、専門家費用の負担条項を入れることが望ましい場合があります。

Section 07

節税目的の不動産購入を申告前に点検するチェックリスト

評価差、取引目的、医療・介護事情、売却方針、意見書を事前に確認します。

申告前には、不動産購入の目的を税務調査で説明できる程度に具体化します。単なる資産運用という説明だけでは弱い場合があるため、購入検討の開始時期、候補物件比較表、利回り、空室率、修繕費、管理費、税金、保険、借入金の返済計画、相続人の関与範囲、相続税効果以外の理由、長期保有方針を文書化します。

評価差の測定では、通達評価額、市場価格、購入価格、鑑定評価額、固定資産税評価額、路線価評価額を並べます。次の比較表は、どの指標をどの資料で確認するかを表しています。重要なのは、差額の大きさだけでなく、その差を説明できる客観資料があるかを読み取ることです。

指標確認資料
購入価格売買契約書、決済明細
相続開始時の市場価格鑑定評価書、取引事例、査定書
通達評価額財産評価明細書、路線価図、固定資産税評価証明書
収益価格賃貸借契約、レントロール、管理報告書
売却価格媒介契約書、売買契約書、買付証明書

リスク点検では、はいが多いほど総則6項と追徴課税のリスクが高まります。次の表は、どのチェック項目が何を意味するかを示しています。読むべき点は、年齢、時期、借入れ、評価差、短期売却、相続人主導、提案資料の内容が一体で判断されることです。

チェック項目はいの場合のリスク
被相続人が80歳以上または重い疾病を抱えていた相続開始の近接性が問題化
購入から相続開始まで1年以内相続直前取引と見られやすい
購入資金の大半が借入金債務控除による圧縮効果が大きい
提案書に相続税減少額が大きく記載されている節税目的の立証資料になり得る
物件利回りや修繕リスクの検討資料がない経済合理性が弱い
相続後1年以内に売却した、または売却予定だった一時的な資産変換と見られやすい
通達評価額が購入価格の半分以下評価差が大きい
不動産を買わなければ相続税が多額だった税額軽減効果が大きい
相続人が購入判断を主導した被相続人本人の投資目的が弱い
専門家の説明資料が税額圧縮中心課税庁の主張を補強し得る

予防策は、取引前から資料化することが大切です。次の実務対応の一覧は、相続税だけを目的にしない、購入時期、借入金、相続後の売却、複数専門家の事前レビューをどう整理するかを表しています。重要なのは、後から説明を作るのではなく、購入時点の意思決定資料として残すことです。

1

相続税だけを目的にしない

賃貸事業、資産入替え、収益安定化、インフレ対策、老朽物件の整理、事業承継などの実体的目的と結びつけます。

目的整理
2

購入時期を慎重に考える

相続開始が近い状況で大規模な不動産購入を行うほど、税務、意思能力、適合性、家族間紛争の問題が重なります。

時期
3

借入金の合理性を示す

返済計画、賃料収入、金利上昇リスク、空室リスク、修繕費、相続後の承継者を明確にします。

資金計画
4

相続後の売却を前提にしない

売却が必要な場合でも、購入時から予定していたものではないこと、売却時期や価格の合理性を資料で示します。

売却方針
5

複数専門家で事前レビューする

税務調査での主張、相続人間の費用負担、登記、遺言、納税資金まで一体で設計します。

連携

高額な不動産、相続直前の購入、多額借入れがある場合、申告前に税理士、不動産鑑定士、弁護士の連名または分担で意見書を作成することがあります。意見書には、評価方法の妥当性だけでなく、総則6項リスクに対する事実整理と法的評価を含めるべきです。

Section 08

節税目的の不動産購入でよくある誤解と紛争の接点

通達評価、節税目的、鑑定評価、相続人の認識、マンション評価改正を正しく整理します。

よくある誤解は、リスク判断を単純化しすぎるところにあります。次の一覧は、実務で問題になりやすい誤解と正しい見方を並べたものです。重要なのは、どれか一つの要素だけで安全または危険と決めず、事実関係を総合して読むことです。

誤解1

通達どおりなら絶対に安全

通達評価は通常の実務基準として重要ですが、それだけで総則6項の適用を完全に排除できるわけではありません。

誤解2

節税目的が少しでもあれば全て否認

税負担を考慮して取引すること自体は通常の経済活動でもあり得ます。問題は、租税負担の公平に反するほどの事情があるかです。

誤解3

鑑定評価を取れば必ず勝てる

評価額だけでなく、購入目的、借入れ、時期、相続人の認識、相続後の処分、税額効果も問われます。

誤解4

相続人が知らなかったと言えば足りる

本当に関与していない場合は重要な事情になり得ますが、家族会議、メール、面談、専門家説明、遺言内容から認識が推認されることがあります。

誤解5

令和6年のマンション評価改正でリスクは消えた

評価差は一定程度補正されますが、相続直前購入、多額借入れ、短期売却、極端な税額軽減が重なる事案では総則6項の検討対象になり得ます。

相続人間の紛争では、追加税額だけでなく、誰が実質的に負担するか、専門家費用をどう分けるか、税務調査や更正処分が遺産分割後に出た場合の調整をどうするかが問題になります。相続税法上の連帯納付義務も関係するため、税務と遺産分割を別々に考えると実務上の摩擦が残ります。

最終的な判断では、税額がどれだけ下がるかだけでなく、その取引を税務署、国税不服審判所、裁判所の前で、非税務目的を含めて合理的に説明できるかが基準になります。

このページの結論を、実務上の重要ポイントとして整理します。次の重要ポイントは、節税目的の不動産購入を検討する際に、数値効果だけでなく説明可能性を確認するための要約です。

節税額よりも説明可能性を先に確認します

通達評価は重要ですが絶対的な安全地帯ではありません。取引目的、相続開始との近接性、借入れ、短期売却、税額効果、証拠資料、専門職連携を総合して設計する必要があります。

  1. 通達評価は重要ですが、絶対的な安全地帯ではありません。
  2. 評価差だけではなく、取引目的、相続開始との近接性、借入れ、短期売却、税額効果が総合評価されます。
  3. 税務署は、提案書、メール、融資資料、売却資料、鑑定評価を重視します。
  4. 否認されると、本税だけでなく過少申告加算税、延滞税、不服申立て費用、相続人間紛争が発生し得ます。
  5. 高額案件では、税理士、弁護士、不動産鑑定士、司法書士等の連携による事前設計と証拠化が不可欠です。
Section 09

節税目的の不動産購入と追徴課税に関するFAQ

一般的な制度説明として、個別事案で変わりやすいポイントを整理します。

Q1. 相続税対策で不動産を買うことは違法ですか。

一般的には、不動産購入そのものが直ちに違法になるとは限らないとされています。通常の資産運用や賃貸経営として合理性があり、財産評価基本通達に従って評価することは、相続税実務で行われています。ただし、相続直前に多額の借入れで不動産を購入し、税額を著しく減らすことを主目的とする場合には、総則6項により通達評価が採用されない可能性があります。具体的な見通しは、事実関係と資料を整理したうえで税理士や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 税理士が通達評価でよいと言った場合でも追徴課税されますか。

一般的には、税理士の助言は重要な事情ですが、税務署や裁判所の判断を拘束するものではないとされています。特に最高裁令和4年判決の後は、通達評価だけでなく、取引全体の目的、時期、税額効果、他の納税者との公平が検討されます。具体的な対応は、助言内容、資料、申告内容を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q3. 鑑定評価額が通達評価額より高ければ必ず否認されますか。

一般的には、鑑定評価額と通達評価額の大きなかい離だけで直ちに否認されるとは限らないとされています。問題は、かい離に加えて、相続税負担を著しく軽減する目的で取引が企画実行され、通達評価を使うことが租税負担の公平に反する事情があるかどうかです。評価手法や前提条件によって結論は変わるため、具体的には税理士、不動産鑑定士、弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. 相続後に売却したら危険ですか。

一般的には、相続後の短期売却は税務調査で重要資料として見られる可能性があります。ただし、常に通達評価が否認されるわけではなく、売却が納税資金確保、相続人間の分割、予期せぬ事情によるものなのか、購入時から予定されたものなのかで評価が変わります。具体的な説明資料や対応方針は、個別事情に応じて専門家へ相談する必要があります。

Q5. 令和6年以後のマンション評価改正後なら安心ですか。

一般的には、居住用区分所有財産の評価方法が見直され、評価乖離率や区分所有補正率を使う仕組みになったため、評価差は一定程度補正されるとされています。ただし、過度な租税負担軽減を目的とした相続直前の購入であれば、なお総則6項の適用が問題になり得ます。具体的なリスクは購入時期、借入れ、売却方針、資料内容により変わります。

Q6. 追徴課税を受けたら、相続人全員が負担するのですか。

一般的には、相続税は各相続人の取得財産や課税価格に応じて計算されますが、相続税法上の連帯納付義務なども関係します。遺産分割後に更正処分が出た場合、相続人間で誰が実質的に負担するかが紛争になる可能性があります。具体的な負担関係や協議書の扱いは、税務と法律の両面から専門家へ相談する必要があります。

Reference

参考文献、信頼できる情報源

公的機関、裁判所、法令、国税庁、法務省の資料名を整理しています。

法令、判例、国税庁資料

  • e-Gov法令検索「相続税法」
  • 最高裁判所第三小法廷 令和4年4月19日判決、令和2年(行ヒ)第283号、相続税更正処分等取消請求事件
  • 国税庁「財産評価基本通達 第1章 総則」
  • 国税庁タックスアンサー No.4205「相続税の申告と納税」
  • 国税庁タックスアンサー No.9205「延滞税について」
  • 国税庁「令和7年分の路線価等について」
  • 国税庁タックスアンサー No.4152「相続税の計算」
  • 国税庁タックスアンサー No.4155「相続税の税率」
  • 国税庁タックスアンサー No.4667「居住用の区分所有財産の評価」

手続、登記に関する公的資料

  • 国税不服審判所「不服申立手続等」
  • 国税庁タックスアンサー No.7200「税務署長等の処分に不服があるときの不服申立手続」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」