保険会社から支払われるお金でも、発生原因・受取人・保険料負担者によって、本来の相続財産かみなし相続財産かが変わります。未請求の入院給付金、死亡保険金の非課税枠、遺産分割との関係を整理します。
保険会社から支払われるお金でも、発生原因・受取人・保険料負担者によって、本来の相続財産かみなし相続財産かが変わります。
保険会社からの支払いでも、発生原因・権利帰属・税法上の分類が異なります。
入院給付金と死亡保険金は、どちらも保険会社から支払われるお金ですが、相続税では同じ扱いになりません。判断の中心は、支払名目ではなく、何を原因に発生したか、契約上の受取人が誰か、保険料を誰が負担したかです。
次の3つの視点の一覧は、両者を分ける出発点を表しています。相続税申告や遺産分割で混同しやすい論点なので、左から順に発生原因、権利の帰属、税法上の扱いを読み取ることが重要です。
入院給付金は、病気やけがによる入院、手術、通院などを原因に発生します。死亡保険金は、被保険者の死亡を保険事故として発生します。
被相続人本人が受取人の入院給付金は、死亡時に未請求なら本人の未収債権として考えます。受取人指定の死亡保険金は、民法上は原則として受取人固有の権利です。
死亡保険金は、被相続人が保険料を負担していた部分がみなし相続財産になり、相続人受取なら一定の非課税枠があります。入院給付金には原則としてこの枠はありません。
下の比較表は、入院給付金と死亡保険金を相続税実務で分けるための主要項目を並べたものです。支払日や振込口座ではなく、各行の発生原因、受取人、分類、非課税枠の違いを確認してください。
| 比較項目 | 入院給付金 | 死亡保険金 |
|---|---|---|
| 典型的な発生原因 | 病気、けがによる入院、手術、通院、治療など | 被保険者の死亡 |
| 生前に本人が受け取った場合 | 所得税上は身体の傷害や疾病に基因する給付として非課税となるのが通常です。ただし医療費控除では補てん金として差し引きます。 | 死亡前には発生しません。 |
| 死亡時点で未請求または未入金の場合 | 本人が受取人なら、未収入金などとして本来の相続財産に含めて考えます。 | 受取人固有の保険金請求権として発生するのが原則ですが、税法上はみなし相続財産になり得ます。 |
| 相続税法上の典型分類 | 本来の相続財産、または契約上の受取人固有財産 | みなし相続財産 |
| 生命保険金の非課税枠 | 原則として適用なし | 受取人が相続人で一定要件を満たす場合、500万円×法定相続人の数まで非課税 |
| 遺産分割の対象 | 被相続人が受取人なら対象になり得ます。 | 原則として対象外です。ただし著しい不公平がある場合は、特別受益に準じた考慮が問題になることがあります。 |
| 実務上の誤り | 死亡保険金と同じ非課税枠を使ってしまうことです。 | 民法上は遺産でないから相続税申告にも不要だと誤解することです。 |
相続財産、みなし相続財産、保険契約上の4つの役割を区別します。
保険金や給付金の相続税を整理するには、相続法上の用語と保険契約上の役割を分けて読む必要があります。特に、口座に入った人と契約上の権利者が一致するとは限らない点が重要です。
次の一覧は、相続財産とみなし相続財産の違いを理解するための基本語をまとめたものです。どの財産が相続によって承継され、どの財産が税法上だけ取り込まれるのかを読み取ってください。
亡くなった人をいいます。相続は死亡によって開始し、財産上の権利義務は原則として相続人に承継されます。
民法により相続権を持つ人です。配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹などが順位に従って相続人になります。
被相続人に属していた預貯金、不動産、有価証券、未収金などです。本人受取の未請求入院給付金もここで検討します。
民法上の遺産そのものではないものの、相続税法が相続等により取得したものとみなして課税対象に含める財産です。
保険契約では、契約者、保険料負担者、被保険者、受取人の4つを別々に確認します。次の表では、税務判断でどの役割を見るべきかを示しているため、契約者名義だけで判断しないことを読み取ってください。
| 用語 | 意味 | 税務上の注意点 |
|---|---|---|
| 契約者 | 保険契約を締結し、契約上の権利義務を持つ人 | 名義上の契約者と実際の保険料負担者が異なることがあります。 |
| 保険料負担者 | 実際に保険料を負担した人 | 死亡保険金の課税関係を決める重要要素です。 |
| 被保険者 | その人の入院、手術、死亡などが保険事故となる人 | 死亡保険金では、誰の死亡かが課税関係の出発点になります。 |
| 受取人 | 保険金や給付金を請求し受け取る権利を持つ人 | 指定代理請求人とは異なります。口座に入った人ではなく、契約上の権利者を確認します。 |
本人受取、未請求、医療費控除、死亡保険金との同時入金を分けて見ます。
入院給付金は、まず身体の傷害や疾病に基づく給付として所得税非課税となる場面を押さえます。ただし、所得税の非課税と相続税の非課税は同じではなく、死亡時点で本人に帰属する未収債権があれば相続財産として検討します。
次の表は、入院給付金がどの場面でどのように扱われるかを状況別に整理したものです。読者にとって重要なのは、所得税の扱い、相続財産性、死亡保険金の非課税枠の有無を同時に確認することです。
| 状況 | 相続税での見方 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 生前に本人が受け取り、使い残しがある | 死亡時点の預貯金残高として相続財産に含めて判断します。 | 給付時に所得税非課税でも、残高として残れば相続税の財産把握から外れません。 |
| 本人が受取人で、死亡時点で未請求または未入金 | 本人が取得すべきだった未収債権として、本来の相続財産に含めるのが基本です。 | 支払日ではなく、入院や手術により請求権が発生していたかを確認します。 |
| 死亡保険金と同時期に振り込まれた | 入院給付金部分は死亡保険金ではありません。 | 500万円×法定相続人の数の非課税枠には原則として入れません。 |
| 契約上の受取人が本人以外 | 受取人固有の財産として整理される可能性があります。 | 請求した人ではなく、契約上の受取人、保険料負担者、約款を確認します。 |
| 医療費控除を計算する | 相続税とは別論点です。 | 所得税上非課税でも、医療費控除では補てん金として該当医療費から差し引きます。 |
次の判断の流れは、死亡後に入院給付金が見つかったとき、どの資料から確認するかを順番に示しています。分岐ごとに、受取人、発生原因、死亡時点の請求権を読み取ることが大切です。
死亡保険金、入院給付金、手術給付金などの内訳を分けます。
死亡による支払いか、生前の入院や手術による支払いかを見ます。
保険証券、約款、契約内容通知で権利者を確認します。
死亡時点で請求権があれば、本来の相続財産に含めます。
受取人固有の権利か、契約形態と資料から確認します。
民法上の固有財産と、相続税法上のみなし相続財産を分けて整理します。
死亡保険金は、受取人が指定されている場合、民法上は原則として受取人固有の財産です。一方で、被相続人が保険料を負担していた部分は、相続税法上のみなし相続財産として申告対象になり得ます。
次の表は、被保険者、保険料負担者、受取人の組み合わせで税目が変わることを示しています。契約者名義だけではなく、実際に保険料を負担した人を読むことが重要です。
| 被保険者 | 保険料負担者 | 保険金受取人 | 主な課税関係 |
|---|---|---|---|
| A | A | B | 相続税 |
| A | B | B | 所得税。一時金なら一時所得、年金なら雑所得 |
| A | B | C | 贈与税 |
生命保険金の非課税限度額は、死亡保険金が相続税の対象になる場合に特に重要です。次の強調表示では、限度額の算式と、入院給付金をこの計算に入れない点を読み取ってください。
受取人が相続人で一定要件を満たす死亡保険金について、相続人全員が受け取った保険金の合計額から差し引く枠です。未請求の入院給付金はこの計算に入れません。
次の計算例は、法定相続人3人、死亡保険金合計2,000万円、非課税限度額1,500万円の按分を示しています。受け取った人ごとに500万円を直接差し引くのではなく、受取額の割合で非課税額を配分する点を読み取ってください。
| 受取人 | 受取額 | 非課税額の按分 | 課税対象額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 1,200万円 | 1,500万円 × 1,200万円 ÷ 2,000万円 = 900万円 | 300万円 |
| 長男 | 800万円 | 1,500万円 × 800万円 ÷ 2,000万円 = 600万円 | 200万円 |
| 合計 | 2,000万円 | 1,500万円 | 500万円 |
死亡により取得した保険金と、生前の医療給付に由来する未収金は制度の前提が異なります。
入院給付金に死亡保険金の非課税枠がない理由は、条文の前提、給付の機能、税目の違い、死亡保険金の特殊性にあります。所得税で非課税とされる性質が、相続税の財産把握を当然に消すわけではありません。
次の注意点の一覧は、非課税枠を使えるかどうかを誤らないための理由を4つに分けて示しています。各項目から、死亡を原因とする保険金か、生前の医療給付に由来する未収金かを読み取ってください。
生命保険金非課税枠は、死亡により取得したものとみなされる生命保険金等を前提とします。入院給付金は死亡そのものを原因に発生する給付ではありません。
入院給付金は生前の治療や療養に関する給付です。死亡保険金は死亡時の資金移転や遺族の生活保障という性質を持ちます。
入院給付金が所得税上非課税となることと、死亡時に本人へ帰属する未収債権が相続財産になることは別の問題です。
死亡保険金は民法上の遺産ではないのに、相続税法上はみなし相続財産になる特殊な財産です。この構造は入院給付金とは異なります。
死亡保険金2,000万円、入院給付金80万円などの例で分類を確認します。
具体例では、同じ保険会社からの振込でも税務上の分類が分かれることが見えてきます。金額、受取人、保険料負担者を分けて確認することで、申告書のどこに入れるかが整理しやすくなります。
次の表は、本文で扱う5つの代表例を並べたものです。各行では、死亡保険金か入院給付金かだけでなく、誰が保険料を負担し、誰が受け取ったかによって結論が変わる点を読み取ってください。
| 例 | 前提 | 税務上の整理 |
|---|---|---|
| 例1 | 父の死亡保険金2,000万円と、父本人受取の未請求入院給付金80万円が長男口座に入金された。法定相続人は母、長男、長女の3人。保険料負担者は父。 | 死亡保険金は非課税枠1,500万円を差し引き、500万円が課税対象。入院給付金80万円は未収入金等として本来の相続財産に計上します。 |
| 例2 | 父が生前に入院給付金100万円を受け取り、医療費に80万円を使い、20万円が父名義預金に残った。 | 20万円は死亡時点の預貯金残高として相続財産に含めます。原資が入院給付金であることは、相続財産性を消す理由になりません。 |
| 例3 | 妻が保険料を負担し、夫を被保険者、妻を受取人としていた死亡保険金を妻が受け取った。 | 夫が保険料を負担していないため、夫の相続税ではなく、妻の所得税の問題となるのが基本です。 |
| 例4 | 父が保険料を支払い、父を被保険者、子の配偶者を死亡保険金受取人としていた。 | 父が保険料を負担しているため、相続税法上は遺贈により取得したものとみなされます。相続人でない受取人には生命保険金の非課税枠が適用されません。 |
| 例5 | 相続放棄をした人が、受取人指定の死亡保険金を受け取る。 | 民法上は受取人固有財産として受け取れる場合があります。ただし、相続放棄者には生命保険金の非課税枠が適用されません。 |
例1の金額整理は、死亡保険金部分と入院給付金部分を分けるために重要です。次の表では、同じ2,080万円の入金でも、非課税枠を使う部分と未収入金として扱う部分を読み取ってください。
| 項目 | 金額 | 税務上の扱い |
|---|---|---|
| 死亡保険金 | 2,000万円 | みなし相続財産。非課税枠1,500万円を差し引き、500万円を課税対象に算入します。 |
| 入院給付金 | 80万円 | 本来の相続財産。80万円を未収入金等として算入します。 |
申告書に入れることと、遺産分割で分けることを混同しないための整理です。
保険金や給付金は、相続税申告と遺産分割で扱いが一致しないことがあります。特に死亡保険金は、申告書に記載することと、遺産分割協議で分けることを分けて考える必要があります。
次の比較表は、未請求入院給付金と死亡保険金について、申告、遺産分割、紛争時の見方を並べています。税務上の記載と民法上の帰属が一致するかどうかを読み取ることが重要です。
| 項目 | 未請求入院給付金 | 死亡保険金 |
|---|---|---|
| 相続税申告 | 被相続人が受取人なら未収入金等として相続財産に計上します。 | 被相続人が保険料を負担していた部分は、みなし相続財産として生命保険金等の明細で整理します。 |
| 遺産分割 | 本来の相続財産として、誰が取得するかを協議する対象になり得ます。 | 受取人指定がある限り、原則として受取人固有財産であり、遺産分割対象ではありません。 |
| 紛争になりやすい場面 | 代表相続人の口座に入った後、他の相続人へ説明がない場合です。 | 一部の相続人だけが高額な保険金を受け取り、著しい不公平が問題になる場合です。 |
| 確認資料 | 支払通知書、契約内容、受取人欄、請求者名、入院期間、診断書 | 保険証券、受取人指定、保険料負担資料、遺産総額、相続人の生活実態 |
最高裁平成16年10月29日決定は、死亡保険金は原則として特別受益に当たらないとしつつ、保険金の額、遺産総額との比率、同居や介護への貢献、生活実態などから、不公平が到底是認できないほど著しい特段の事情がある場合には、特別受益に準じた持戻しが問題になり得ると判断しています。
支払通知書、保険証券、保険料負担資料、第9表、基礎控除を確認します。
相続税申告では、保険会社の支払通知書をそのまま合計するのではなく、支払項目ごとに分解します。死亡保険金、入院給付金、手術給付金、通院給付金、解約返戻金などは、同じ振込でも申告上の欄が異なることがあります。
次の手続き一覧は、申告前に確認する順番と確認目的を示しています。左の番号順に、内訳、受取人、保険料負担者、申告書上の位置を読み取ることで、非課税枠の使い過ぎや申告漏れを防ぎます。
死亡保険金、入院給付金、手術給付金、通院給付金、配当金、据置金、解約返戻金などに分けます。
内訳確認保険証券、約款、契約内容通知で、死亡保険金と入院給付金それぞれの受取人を見ます。
権利帰属通帳、保険料控除証明書、確定申告書、給与天引き資料などで実質負担者を整理します。
税目判定未収入院給付金はその他の財産や未収入金、死亡保険金は生命保険金等の明細で整理します。
混同注意保険金だけでなく、不動産、預貯金、有価証券、名義預金、生前贈与、債務控除などを含めて判断します。
総合判断次の資料一覧は、入院給付金と死亡保険金を正しく分けるために集めるべきものを示しています。各資料の確認目的を読み取り、支払通知書だけに頼らないことが重要です。
| 資料 | 確認目的 |
|---|---|
| 保険証券 | 契約者、被保険者、受取人、特約の有無を確認します。 |
| 約款・契約内容のお知らせ | 入院給付金の受取人、死亡保険金の受取人、指定代理請求人を確認します。 |
| 保険料払込履歴 | 実際の保険料負担者を確認します。 |
| 預金通帳・口座引落履歴 | 名義上の契約者と実質負担者のずれを確認します。 |
| 支払通知書 | 死亡保険金、入院給付金、手術給付金等の内訳を確認します。 |
| 診断書・入院証明書 | 入院給付金の発生原因、入院期間、死亡前後の区分を確認します。 |
| 死亡診断書・戸籍 | 死亡日、相続開始日、相続人を確認します。 |
| 遺産分割協議書 | 未収入院給付金を誰が取得するかを明確にします。 |
| 相続税申告書第9表 | 死亡保険金等の非課税枠を計算します。 |
非課税、死亡後入金、相続放棄、指定代理請求人をめぐる誤りを修正します。
保険金の相続税処理では、名称や入金日だけで判断したことによる誤解が起きやすくなります。誤りの多くは、支払原因、受取人、保険料負担者、非課税枠を分けて確認すれば避けやすいものです。
次の誤解の一覧は、申告漏れや相続人間の説明不足につながりやすいポイントを示しています。各項目では、誤った理解と修正後の考え方を読み取ってください。
本人が受け取るべき未請求給付金が死亡時点で残っていれば、相続財産として課税対象になり得ます。
生前の入院や手術を原因とする給付金は、死亡後に入金されても死亡保険金ではありません。
民法上は受取人固有財産でも、被相続人が保険料を負担していれば、みなし相続財産として申告対象になり得ます。
生命保険金の非課税枠は、相続によって取得したものとみなされる死亡保険金等を前提とします。
受取人固有財産として死亡保険金を受け取れる場合でも、相続放棄者には生命保険金の非課税枠が適用されません。
指定代理請求人は手続代理の立場であり、給付金の権利者とは限りません。契約上の受取人を確認します。
税理士、弁護士、司法書士、保険会社などの役割を分けて確認します。
入院給付金と死亡保険金の問題は、税務、相続法、保険実務、登記、紛争対応が交差します。相談先ごとの役割を分けておくと、税務判断だけ、または法務判断だけに偏ることを避けやすくなります。
次の表は、専門家や機関ごとに確認できる主な内容を整理したものです。どの論点を誰に確認すべきかを読み取り、保険会社からの回答だけで最終判断しないことが重要です。
| 相談先 | 主な役割 | 相談が必要になりやすい場面 |
|---|---|---|
| 税理士 | 相続税申告、生命保険金の非課税枠、未収入院給付金の計上、保険料負担者の判定、税務調査対応 | 保険金額が大きい場合、死亡保険金と入院給付金が同時に支払われた場合、基礎控除を超えるか微妙な場合 |
| 弁護士 | 遺産分割、遺留分、特別受益、使途不明金、相続放棄や限定承認が絡む紛争対応 | 受取人だけが高額な死亡保険金を取得した場合、入院給付金の使途が不明な場合 |
| 司法書士 | 相続登記、戸籍収集、法定相続情報一覧図、不動産名義変更に関する実務支援 | 不動産があり、相続登記や戸籍収集と保険請求書類の整理を同時に進める場合 |
| 行政書士 | 争いのない相続での遺産分割協議書、相続関係説明図、金融機関や保険会社提出書類の整理 | 税務相談、登記申請代理、紛争代理が不要な書類整理を進める場合 |
| 公証人・遺言執行者 | 公正証書遺言の作成や遺言内容の実現 | 生前対策で受取人指定と遺言内容のずれを防ぎたい場合 |
| 生命保険会社・生命保険協会 | 契約内容、支払手続、生命保険契約照会制度による契約有無の確認 | 保険契約の有無や受取人が分からない場合 |
| ファイナンシャル・プランナー | 家計、保険、老後資金、必要保障額、相続対策の全体整理 | 生前の保険設計や納税資金対策を検討する場合 |
受取人、指定代理請求人、保険料負担者、高額保険金の理由を見直します。
生前対策では、死亡保険金の非課税枠だけを意識するのではなく、入院給付金の受取人、指定代理請求人、保険料負担者、家族関係の変化も確認します。契約内容が古いままだと、相続税や遺産分割の紛争につながります。
次の確認項目の一覧は、保険を相続対策に使う前に見直すべき点を示しています。どの項目が税務リスク、どの項目が紛争予防につながるかを読み取ってください。
離婚、再婚、養子縁組、子の死亡、障害のある家族の生活保障など、家族関係が変わったら受取人を見直します。
指定代理請求人は給付金の帰属を変更するものではありません。受取人と代理請求人を区別できる資料を保管します。
親名義の契約で子が保険料を負担している場合などは、税目が変わる可能性があります。引落口座や贈与契約を整理します。
入院給付金は死亡保険金の非課税枠を増やすものではありません。死亡保険金の設計と医療保障は別に考えます。
特定の相続人に高額な死亡保険金を集中させる場合は、生活保障や納税資金などの理由を資料化して紛争予防につなげます。
支払通知書の内訳から、申告要否と資料保存まで順に確認します。
死亡後に保険金や給付金が見つかったら、急いで一括処理するのではなく、支払項目、受取人、保険料負担者、相続財産性を順番に確認します。順番を決めておくことで、相続税申告と遺産分割のずれを減らせます。
次の判断の流れは、死亡後に保険会社から支払通知が届いたときの整理順を示しています。上から下へ、内訳、権利者、負担者、申告要否、保存資料を読み取ってください。
死亡保険金、入院給付金、手術給付金、通院給付金、配当金、据置金、解約返戻金等を分けます。
死亡保険金と入院給付金の受取人が同じとは限りません。
通帳、保険料控除証明書、確定申告書、給与天引き資料などを確認します。
未収入院給付金は本来の相続財産、死亡保険金はみなし相続財産として分けます。
未収入院給付金は対象になり得ます。死亡保険金は原則として対象外です。
不動産、預貯金、有価証券、名義預金、生前贈与、債務、葬式費用を含め、10か月以内の申告期限を意識します。
支払通知書、請求書控え、診断書、保険証券、通帳コピー、遺産分割協議書、税理士の計算資料を保存します。
一般的な制度説明に絞り、個別判断は資料確認と専門家相談を前提にします。
FAQでは、個別の申告可否や紛争の結論を断定せず、一般的な制度説明として整理します。実際の判断は、契約書、約款、支払通知書、保険料負担資料、戸籍、通帳などを確認して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、契約上の受取人が被相続人本人で、死亡時点で未請求または未入金だった入院給付金は、本来の相続財産として相続税の課税対象になり得るとされています。ただし、契約上の受取人、給付の性質、保険料負担者、請求時期によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、入院給付金が非課税といわれるのは主として所得税の場面です。身体の傷害や疾病に基づく給付として所得税が非課税でも、死亡時点で被相続人に帰属する未収債権であれば、相続税上は財産として把握される可能性があります。具体的な扱いは、契約内容や死亡時点の請求権の有無を確認して判断する必要があります。
一般的には、受取人指定の死亡保険金は民法上、受取人固有財産であるのが原則とされています。一方、相続税法では、被相続人が保険料を負担していた部分について、相続または遺贈により取得したものとみなす仕組みがあります。民法上の帰属と税法上の課税は異なるため、申告上の扱いは税理士等に確認する必要があります。
一般的には、この非課税枠は相続によって取得したものとみなされる死亡保険金等を前提とする制度であり、未請求入院給付金には適用されないとされています。ただし、保険契約の種類や給付の名目によって確認すべき点があるため、支払通知書と約款を確認する必要があります。
一般的には、同じ日に同じ口座へ入金されても、支払通知書の内訳に従って死亡保険金と入院給付金を分けて整理する必要があります。死亡保険金は生命保険金等の明細で非課税枠を計算し、入院給付金は未収入金等として検討する可能性があります。具体的には税理士等へ確認する必要があります。
一般的には、受取人として指定されている死亡保険金は受取人固有財産とされるため、相続放棄をしても受け取れる場合があります。ただし、相続税法上の生命保険金非課税枠は相続放棄者には適用されないとされています。債務、遺産、保険金、未請求給付金の関係で結論が変わるため、弁護士や税理士へ相談する必要があります。
一般的には、未請求入院給付金が被相続人本人に帰属する相続財産であれば、相続放棄者は相続財産を承継しないと考えられます。ただし、契約上の受取人や給付金の性質によって判断が変わる可能性があり、受領行為が相続放棄との関係で問題になることもあります。具体的には弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、代表相続人の口座は便宜的な受取口座であることがあり、口座名義だけで権利帰属は決まりません。契約上の受取人が被相続人本人であれば、相続財産として遺産分割対象になる可能性があります。具体的には、契約内容、請求書、支払通知書、入金経緯を確認する必要があります。
一般的には、保険証券、保険会社からの通知、通帳の保険料引落、生命保険料控除証明書を確認します。契約の有無自体が不明な場合は、生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用できる場合があります。税務や遺産分割への影響は、取得した資料をもとに専門家へ確認する必要があります。
一般的には、申告対象となる財産は正確に申告する必要があるとされています。保険会社からの支払通知や銀行口座の入金履歴により確認される可能性があり、過少申告や加算税等のリスクもあります。具体的な申告要否や修正の対応は、税理士等へ相談する必要があります。
発生原因、契約上の受取人、保険料負担者を順に確認すれば、多くの誤りを防げます。
入院給付金と死亡保険金では相続税の扱いが異なる理由は、発生原因、権利帰属、相続税法上の擬制、非課税枠の有無が異なるからです。死亡後の入金という事実だけでは、どちらの扱いになるかは決まりません。
最後に確認すべき3点の一覧は、申告と遺産分割を安全に進めるための要点を示しています。各項目から、支払原因、受取人、保険料負担者を順に確認することを読み取ってください。
死亡を原因とする死亡保険金か、生前の入院や手術を原因とする給付金かを支払通知書で分けます。
指定代理請求人や入金口座ではなく、契約上の受取人が誰かを保険証券や約款で確認します。
死亡保険金の税目は、実際に保険料を負担した人で変わります。通帳や控除証明書を保管します。