相続登記、法定相続情報証明制度、家庭裁判所、税務署、金融機関で戸籍謄本等の原本をどう返してもらうかを、手続先ごとに整理します。
相続登記、法定相続情報証明制度、家庭裁判所、税務署、金融機関で戸籍謄本等の原本をどう返してもらうかを、手続先ごとに整理します。
最初に、どの手続で何を準備すればよいかを押さえます。
相続手続で提出する戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などは、手続先によって返却の方法が異なります。相続登記では原本と写しを提出し、写しに「原本に相違ありません。」などと記載して署名または記名押印する方法が基本です。戸籍一式は、相続関係説明図を添付することで全ページの写しを省略できる場面があります。
次の比較表は、主な提出先ごとの返却方法を整理したものです。提出先で扱いが変わる点が重要なので、左列で手続先を確認し、右列で原本を出すのか、写しで足りる可能性があるのか、返却希望をどの段階で伝えるのかを読み取ってください。
| 提出先 | 基本方針 | 準備の要点 |
|---|---|---|
| 法務局・相続登記 | 原本と写しを提出し、写しに原本証明を付けて登記完了後に返却を受けます。 | 戸籍は相続関係説明図、協議書や印鑑証明書は通常の原本還付を組み合わせます。 |
| 法務局・法定相続情報証明制度 | 一覧図の写しの交付時に、戸籍謄本等も併せて返却される運用です。 | 本人確認書類や住民票記載事項証明書等は別扱いになるため確認が必要です。 |
| 家庭裁判所 | 家事事件では写し提出が可能な運用もありますが、裁判所ごとに案内が異なります。 | 申立先の案内を確認し、原本返却を希望する場合は申請書と写しを添えます。 |
| 税務署・相続税申告 | 国税庁資料上、戸籍謄本や一覧図の写し、またはそれらのコピーが選択肢になる場面があります。 | 他手続で使う原本は手元に残し、写し提出で足りるかを確認します。 |
| 銀行・証券会社 | 原本確認後に返却する運用が多いものの、各社で異なります。 | 郵送時は原本返却希望を明記し、一覧図の写しで代替できるか確認します。 |
| 生命保険会社 | 原本確認後返却、一覧図対応、写し可否などが会社ごとに異なります。 | 請求前に必要書類と返却時期を照会します。 |
戸籍は一度集めるだけでも時間と費用がかかります。被相続人が転籍、婚姻、離婚、養子縁組、再婚などをしている場合は、出生から死亡までの戸籍が何十枚にも及ぶことがあります。再取得の手間を減らすため、返却方法、返却時期、原本の保管者を最初に決めておきます。
役所名や書類名に含まれる「写し」の意味を取り違えないことが出発点です。
ここでいう原本とは、市区町村、法務局、税務署、裁判所、公証役場などの公的機関が発行・作成した証明書そのもの、または当事者が署名押印して作成した書類そのものです。市区町村が発行する「住民票の写し」や「戸籍の附票の写し」は、名称に写しとあっても、役所が発行した証明書そのものは実務上の原本です。
次の表は、相続手続で原本還付や返却の対象になりやすい書類を種類ごとに整理したものです。どの書類が相続人の範囲、住所、協議内容、税額、登記内容を支えているかを確認すると、返却を求めるべき書類の優先順位が分かります。
| 種類 | 例 | 相続実務上の意味 |
|---|---|---|
| 戸籍関係 | 戸籍全部事項証明書、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 | 被相続人の死亡、相続人の範囲、親族関係を証明します。 |
| 住所関係 | 住民票の除票、戸籍の附票、住民票の写し | 登記名義人と被相続人の同一性や相続人の住所を証明します。 |
| 協議・意思表示 | 遺産分割協議書、相続分譲渡証明書、特別受益証明書 | 誰が不動産や預金を承継するかを示します。 |
| 印鑑関係 | 印鑑登録証明書、印鑑証明書 | 協議書等の押印が本人の実印であることを示します。 |
| 登記・評価関係 | 固定資産評価証明書、登記事項証明書 | 登録免許税の計算や不動産の特定に使います。 |
| 遺言関係 | 公正証書遺言、自筆証書遺言、遺言書情報証明書 | 遺言の存在と内容を確認する資料になります。 |
相続手続では、現在戸籍だけでなく、除籍、改製原戸籍、戸籍全部事項証明書、除籍全部事項証明書、戸籍個人事項証明書などが問題になります。被相続人の出生から死亡までのつながり、相続人全員の現在戸籍、代襲相続がある場合の被代襲者の戸籍など、相続関係を証明するために必要な範囲を確認します。
原本還付とは、手続先に原本を提出したうえで、手続先が原本と写しを照合し、審査または確認後に原本を返すことです。不動産登記では不動産登記規則第55条に基づく手続として扱われます。一方、家庭裁判所、税務署、銀行では、原本返却、返戻、返還、確認後返却、原本確認後にコピー保管などの言い方が使われることがあります。
法定相続情報一覧図は、被相続人と相続人の関係を一覧にした図に登記官の認証文が付いた書面です。法務局では一覧図が5年間保存され、その間は再交付を受けられるとされています。相続関係説明図は、相続登記で使う家系図のような説明資料で、認証文は付きません。
返却方法だけでなく、いつ返るか、他の手続が止まらないかを確認します。
戸籍謄本等を返してもらいたいときは、最初に提出先、再利用予定、返却の急ぎ具合、紛争や税務リスクの4点を確認します。次の判断の流れは、どこで原本還付を使い、どこで写し提出や法定相続情報一覧図を使うかを決めるためのものです。順番に見ることで、原本を出したまま別手続が止まるリスクを避けやすくなります。
法務局、家庭裁判所、税務署、金融機関、保険会社のどこに出すかで扱いが変わります。
登記、銀行、税務、裁判所で同じ戸籍一式を使う予定があるかを確認します。
法定相続情報一覧図の写しを複数通取得し、戸籍の束の持ち回りを減らします。
相続登記では原本証明、金融機関では返却希望メモなど、提出先ごとに準備します。
相続放棄の3か月、相続税申告の10か月、証拠保全の必要性があるときは順序管理を優先します。
再利用予定がある書類は、原本還付または返却を必ず検討します。代表例は、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の現在戸籍、住民票の除票、戸籍の附票、遺産分割協議書、印鑑登録証明書、固定資産評価証明書、法定相続情報一覧図の写しです。
相続登記では、通常、登記官の審査が終わった後に原本が返却されます。法務局に出している間は、その原本を銀行や税務署に使えません。複数手続を同時に進める必要があるときは、戸籍一式を複数セット取るか、法定相続情報一覧図を複数通取得する方が早いことがあります。
相続人同士で揉めている場合、遺産分割協議書の原本、印鑑証明書、遺言書、預金取引履歴、財産目録などは、後の交渉、調停、審判、訴訟、税務調査で重要な証拠になります。提出前にコピーやスキャンを残し、提出先、提出日、返却日を記録します。
通常の原本還付と相続関係説明図を組み合わせるのが実務的です。
相続登記は、相続で不動産を取得した人の名義に登記を移す手続です。2024年4月1日から申請が義務化され、相続により不動産を取得した相続人は、原則として取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
次の時系列は、相続登記で戸籍謄本等を返してもらうための実務手順を示しています。上から順に、返却対象の仕分け、写しの作成、原本証明、契印、提出、郵送返却の準備を確認することで、補正や返却漏れを防ぎやすくなります。
戸籍一式、住民票の除票、遺産分割協議書、印鑑証明書、固定資産評価証明書など、他手続でも使う書類を仕分けます。
戸籍は端、認証文、発行番号、公印、欄外記載、続紙、改製や除籍の記載まで切れないようにします。両面書類は両面を写します。
「原本に相違ありません。」と記載し、申請書に押印した人が署名または記名押印します。代理人申請では代理人が証明することがあります。
写しを原本と同じ順番にそろえ、左側を留め、各用紙のつづり目に申請人または代理人の印で契印します。
原本還付は写しだけを出す制度ではありません。原本と写しを法務局に提出し、登記官が照合して登記完了後に返却します。
郵送申請で返送を希望する場合は、宛名を書いた返信用封筒、書留郵便に必要な郵券、またはレターパック等を同封します。
次の表は、相続登記で返却を受けるべき書類と、返却対象外または別扱いになりやすい書類を区別したものです。戸籍だけでなく協議書や印鑑証明書も重要なので、右列で通常の原本還付が必要か、相続関係説明図で写しを省けるかを確認してください。
| 書類 | 原本還付の考え方 |
|---|---|
| 被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍 | 原則として返却を受けるべきです。相続関係説明図で写しを省ける場面があります。 |
| 相続人の戸籍 | 原則として返却を受けるべきです。戸籍一式の一部として管理します。 |
| 住民票の除票・戸籍の附票 | 他手続で使うなら返却を受けます。通常は写しと原本証明を準備します。 |
| 遺産分割協議書 | 相続人全員の署名押印がある重要書類なので、返却を受けるべきです。 |
| 印鑑登録証明書 | 遺産分割協議書に添付する印鑑証明書は原本還付の対象になり得ますが、登記の種類によって例外があります。 |
| 固定資産評価証明書 | 他の不動産や税務で使うなら返却を受けます。 |
| 委任状 | 登記申請のためだけに作成されたものは返却対象外となることがあります。 |
| 相続関係説明図 | 戸籍原本還付のために提出する資料で、通常は返却対象ではありません。 |
写しには、一般に「原本に相違ありません。」と書き、日付、申請人の住所氏名、押印を記載します。代理人である司法書士が申請する場合は、上記代理人として司法書士が証明することがあります。複数ページの場合は契印も忘れないようにします。
申請書類の束には、登記申請書、登記原因証明情報、相続関係説明図、原本証明付きの遺産分割協議書写し、印鑑証明書写し、住民票等の写し、評価証明書写しを入れます。別に、戸籍一式、住民票の除票、遺産分割協議書、印鑑証明書、固定資産評価証明書などの原本還付希望の原本束を分けておくと、窓口でも郵送でも伝わりやすくなります。
戸籍の写しを省く方法と、戸籍の束そのものを何度も出さない方法を分けて考えます。
相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を一覧化した図です。法務局が戸籍原本と相続関係説明図を照合できれば、戸籍の全ページ写しを保管しなくても相続関係を記録できるため、戸籍謄本等の原本を返却できるという考え方です。
次の比較表は、相続関係説明図で写しを省ける書類と、通常の原本還付を併用すべき書類を分けたものです。戸籍以外の書類まで自動的に返るわけではない点が重要なので、右列で別途写しと原本証明が必要かを確認してください。
| 書類 | 相続関係説明図で写しを省けるか |
|---|---|
| 被相続人の出生から死亡までの戸籍 | できる場合が多いです。 |
| 相続人の現在戸籍 | できる場合が多いです。 |
| 被代襲者の戸籍 | 相続関係を示す戸籍として対象になり得ます。 |
| 住民票の除票・戸籍の附票 | 通常は別途、写しと原本証明が必要です。 |
| 遺産分割協議書 | 別途、写しと原本証明が必要です。 |
| 印鑑証明書 | 別途、写しと原本証明が必要です。 |
| 固定資産評価証明書 | 別途、写しと原本証明が必要です。 |
被相続人については氏名、生年月日、死亡年月日、最後の本籍、最後の住所、登記簿上の住所と異なる場合のつながりを整理します。相続人については、氏名、生年月日、続柄、住所、相続する者と相続しない者の区別、代襲相続の場合の被代襲者との関係を記載します。遺産分割がある場合は、不動産を取得する相続人が分かる注記を加えます。
次の比較表は、法定相続情報一覧図と相続関係説明図の使い分けをまとめたものです。認証の有無、主な用途、再交付の可否が違うため、複数手続で使い回すのか、相続登記だけで戸籍の写しを減らしたいのかを読み取ってください。
| 項目 | 法定相続情報一覧図 | 相続関係説明図 |
|---|---|---|
| 認証 | 登記官の認証文があります。 | 認証文はありません。 |
| 主な用途 | 銀行、相続登記、税務等の各種相続手続です。 | 主に相続登記です。 |
| 交付 | 法務局が写しを交付します。 | 申請人が作成して提出します。 |
| 再交付 | 保存期間中に可能です。 | 制度上の再交付はありません。 |
| 戸籍原本返却との関係 | 申出時の戸籍は一覧図交付時に返却されます。 | 相続登記で戸籍の写し省略に使います。 |
| 作成の手間 | 申出手続が必要です。 | 登記申請書類として作成します。 |
法定相続情報一覧図は、相続人の範囲を証明する制度です。遺産分割協議の成立、誰がどの財産を取得するか、相続放棄の有無、遺留分侵害額請求、特別受益や寄与分、遺言の有効性、相続税評価額、預金残高、紛争の有無までは証明しません。そのため、遺産分割協議書、印鑑証明書、相続放棄申述受理証明書、遺言書、調停調書、審判書等は別途必要になります。
不動産登記の原本還付とは別の運用があるため、提出前の確認が重要です。
相続放棄、遺言書検認、遺産分割調停、相続税申告、預貯金払戻し、証券口座移管、生命保険金請求では、戸籍謄本等の扱いがそれぞれ異なります。次の一覧は、提出先ごとの確認事項をまとめたものです。どの窓口で写し提出が可能か、どこで返却希望を明記するか、どの期限を優先するかを読み取ってください。
家事調停事件や家事審判事件で戸籍謄本等の写し提出が認められる運用があります。ただし、事件類型、裁判所、担当裁判官の判断で扱いが変わることがあります。
写し確認申立先ごと相続税申告では、戸籍謄本や法定相続情報一覧図の写し、またはそれらを複写したものが選択肢になる場面があります。原本を不用意に提出しない順序管理が重要です。
10か月写し活用原本確認後に返却する運用が多く見られます。郵送提出では原本返却希望のメモを同封し、法定相続情報一覧図の写しで代替できるかも確認します。
返却希望各社確認原本確認後返却、一覧図対応、写し可否などは会社ごとに異なります。請求前に必要書類、返却先、返却時期を確認します。
請求前確認会社別コピー提出で足りる事件なら、正確な写しを提出して原本を手元に残す方が簡単です。原本提出が必要で返却を希望する場合は、原本返却申請書、原本、写しを同時に提出します。郵送返却を希望する場合は返信用封筒や切手、レターパックを同封し、返却時期が事件終了後か照合後かを確認します。
相続税申告では、登記のように必ず戸籍原本を提出して原本還付を受けるという発想ではなく、そもそも写し提出で足りるかを確認します。遺産分割協議書の原本は、相続人全員の署名押印がある重要な証拠なので、税務署には写しを提出し、原本は保管するのが安全です。
銀行へ郵送する場合は、「原本返却希望」と書いたメモに、返却希望書類、返却先住所、氏名、電話番号を記載します。金融機関によっては専用の返却依頼欄やチェック欄があるため、その場合は専用様式を優先します。印鑑証明書については、発行後何か月以内などの社内ルールを確認します。
複数手続があるときは、返却待ちを前提に全体の順番を組みます。
相続手続では、戸籍を集める順番と提出する順番がその後の進み方を左右します。次の時系列は、戸籍収集から最終保管までを示しています。各段階で、一覧図を作るか、原本還付を受けるか、期限を優先するかを確認してください。
相続人調査のため、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の現在戸籍を集めます。
戸籍を読み取り、相続人の範囲、代襲相続、前婚の子、養子、認知された子などを確認します。
不動産、預貯金、証券、保険、債務、税務、裁判所手続の有無を整理します。
複数手続があるなら、法定相続情報一覧図を申出し、必要通数の写しを取得します。
相続人全員の合意内容を文書化し、署名押印と印鑑証明書を管理します。
相続関係説明図や原本証明付き写しを使い、原本還付を受ける準備をします。
一覧図の写し、戸籍一式、協議書、印鑑証明書の返却希望を各社に確認します。
相続税申告が必要な場合は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内という期限を優先します。
提出先、提出日、返却日、返却方法を記録し、後日の税務調査や紛争に備えます。
2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書・除籍証明書を請求できる広域交付が始まりました。被相続人が転籍を繰り返していた場合でも、一定の範囲で近くの市区町村窓口で戸籍をまとめて請求できるようになっています。
広域交付には制限があります。窓口請求が基本で、郵送請求や代理人請求ができない場合があります。請求できる人は本人、配偶者、直系尊属、直系卑属などに限られ、兄弟姉妹の戸籍取得には使えない場面があります。戸籍の附票、身分証明書、古い紙戸籍、一部事項証明等が対象外となる場合もあります。
相続税申告期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。相続放棄を検討している相続人がいる場合は、戸籍原本の返却よりも期限と単純承認リスクの管理が優先されます。
返却準備の漏れと、原本の所在不明を防ぐための章です。
原本還付の失敗は、写しの添付漏れ、原本証明漏れ、契印漏れ、返却希望の伝達漏れなど、事前に確認すれば避けられるものが多いです。次の一覧は失敗例と予防策をまとめたものです。各項目で、何が遅延や補正の原因になるか、提出前に何を確認すべきかを読み取ってください。
相続登記の通常の原本還付では、原本だけでなく写しが必要です。写しがないと補正や再提出になることがあります。
写しに「原本に相違ありません。」という記載や署名・記名押印がないと、要件を満たさないと扱われる可能性があります。
複数ページの写しを留めただけで契印しないと、書類の一体性が確認しにくくなります。
表紙、欄外、改製事項、除籍事項、続紙を省略すると、相続関係が証明できないことがあります。
相続関係説明図で写しを省けるのは主に戸籍謄本等です。住民票や協議書は別途準備します。
写し提出で足りる書類まで原本提出すると、相続登記や銀行手続が止まることがあります。
金融機関へ郵送する場合は、原本返却希望を明記しないと処理が遅れることがあります。
郵送返却では、返信用封筒、郵券、レターパック等の不足が遅延の原因になります。
専門職、銀行、保険会社、証券会社、裁判所、法務局へ書類が移動するため、原本管理表で追跡します。
次の管理表は、原本の所在、提出先、返却予定、返却日を記録するためのひな型です。相続書類は複数の窓口を移動するため、列ごとに現在の保管者と返却予定を記録し、手元に戻っていない書類を見落とさないようにします。
| No. | 書類名 | 原本通数 | 現在の保管者 | 提出先 | 提出日 | 返却予定 | 返却日 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 出生から死亡までの戸籍一式 | 1 | 相続人代表 | 法務局 | R○/○/○ | 登記完了後 | 相続関係説明図あり | |
| 2 | 相続人全員の戸籍 | 1 | 相続人代表 | 法務局 | R○/○/○ | 登記完了後 | ||
| 3 | 遺産分割協議書 | 1 | 司法書士 | 法務局 | R○/○/○ | 原本還付 | 写しに原本証明済み | |
| 4 | 印鑑証明書 | 各1 | 司法書士 | 法務局 | R○/○/○ | 原本還付 | ||
| 5 | 法定相続情報一覧図の写し | 5 | 相続人代表 | 各銀行 | R○/○/○ | 返却不要 | 必要通数を控える |
争いがある場合は、戸籍一式をスキャンまたはコピーして全相続人が確認できるようにし、原本の保管者を明確にします。使い込み疑い、遺留分、寄与分、特別受益、遺言無効がある場合は、証拠としての原本管理を優先し、専門家に相談する必要があります。
手続先の数、争いの有無、税務の有無で優先順位は変わります。
同じ戸籍謄本返却でも、不動産が1件だけの相続と、銀行・証券・保険・税務が同時にある相続では最適な段取りが違います。次の一覧は、典型的な状況別に進め方を整理したものです。自分の状況に近い項目を見て、効率を優先するのか、証拠保全や期限管理を優先するのかを確認してください。
戸籍一式を1セット集め、相続登記では相続関係説明図を作成し、協議書や印鑑証明書等は通常の原本還付を受けます。返却後に銀行手続へ回す方法で足りることがあります。
法定相続情報一覧図を申出し、必要通数の写しを取得します。金融機関には一覧図の写しを提出し、相続登記では一覧図または相続関係説明図を活用します。
効率より証拠保全を優先します。提出前に全ページを保存し、原本管理表を作り、家庭裁判所では写し提出の運用を確認します。
税務署提出が写しで足りるか、登記用原本を誰がいつ持つか、印鑑証明書の必要通数と発行時期、協議書原本の保管者を共有します。
次の表は、専門職ごとの関与領域をまとめたものです。相続手続は登記、税務、紛争、書類整理で担当領域が分かれるため、右列を見て、どの専門家にどの確認を依頼すべきかを整理してください。
| 専門職等 | 原本還付・戸籍返却との関わり |
|---|---|
| 弁護士 | 相続人間の紛争、遺留分、使い込み疑い、調停・審判・訴訟で証拠として原本管理を行います。 |
| 司法書士 | 相続登記、原本還付、相続関係説明図、法定相続情報一覧図、登記添付書類の作成を担います。 |
| 税理士 | 相続税申告で戸籍、法定相続情報、遺産分割協議書の写しを管理し、税務署提出書類を整理します。 |
| 行政書士 | 紛争・税務・登記申請を除く範囲で、遺産分割協議書や相続関係書類の整理を支援します。 |
| 公証人 | 公正証書遺言作成時に関与し、相続開始後は遺言内容の確認資料として重要になります。 |
| 不動産鑑定士 | 遺産分割や税務で不動産評価が争点となる場合、評価資料の原本管理にも関わります。 |
| 土地家屋調査士 | 分筆、境界、表示登記が必要な相続不動産で、登記書類の原本管理に関わります。 |
| 金融機関相続担当 | 戸籍原本確認、法定相続情報一覧図の確認、返却処理を行います。 |
個別事情で結論が変わるため、回答は一般的な制度説明として整理しています。
一般的には、原本還付の手続をしていれば登記完了後に返却される扱いとされています。戸籍については、相続関係説明図を提出すれば写しを省略して返却を受けられる場合があります。ただし、申請内容や管轄法務局の確認事項によって対応が変わる可能性があります。具体的な準備は、申請前に法務局または司法書士等の専門家へ確認する必要があります。
一般的には、登記完了前であれば相談できる場合がありますが、原則として申請時に原本還付の準備を整えることが望ましいとされています。すでに完了し、書類が保管処理された後は難しくなる可能性があります。具体的な対応は、管轄法務局へ早めに確認する必要があります。
一般的には、相続登記では戸籍謄本等の原本または法定相続情報一覧図の写し等が必要とされています。単なる写しだけで足りるとは限りません。原本還付は、原本を提出したうえで返却を受ける制度であり、具体的な添付書類は申請内容に応じて確認する必要があります。
一般的には、相続関係説明図で写し省略の対象になりやすいのは、主に戸籍謄本等とされています。遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、評価証明書などは、別途原本と写しを提出し、写しに原本証明をする扱いになることがあります。具体的には、登記内容や提出書類を整理したうえで確認する必要があります。
一般的には、多くの相続手続で戸籍の束の代わりに使える可能性があります。ただし、すべての金融機関、保険会社、証券会社、裁判所、税務署で必ず使えるとは限りません。また、遺産分割協議書や印鑑証明書の代わりにはなりません。提出先ごとの運用を確認する必要があります。
一般的には、まず写し提出で足りるかを確認することが重要です。写し提出が認められるなら、原本を提出しない方が簡便な場合があります。原本提出が必要で返却を希望する場合は、申立時に返却申請書、原本、写しを提出する方法があります。ただし、返却可否は裁判所や事件内容によって変わる可能性があります。
一般的には、国税庁資料上、戸籍謄本や法定相続情報一覧図の写し、またはそれらを複写したものが選択肢とされる場面があります。原本が必要かどうかは申告内容や提出資料によって変わる可能性があります。原本を他手続で使う予定がある場合は、税理士または税務署に確認する必要があります。
一般的には、金融機関では原本確認後に返却する運用が多いとされています。ただし、返却時期、返却方法、一覧図の写しで代替できるかは各社で異なります。郵送提出では原本返却希望を明記し、事前に相続センターや支店へ確認する必要があります。
一般的には、相続登記では戸籍謄本や遺産分割協議書添付の印鑑証明書について、銀行のような一律の発行後3か月・6か月ルールとは異なる扱いになることがあります。ただし、家庭裁判所や金融機関は独自に発行時期を求めることがあります。提出先ごとの案内を確認する必要があります。
一般的には、戸籍の範囲確認、相続関係説明図の作成、原本証明、契印、管轄法務局の運用確認、郵送返却手続、補正対応を任せられる点が利点とされています。ただし、争いがある場合は弁護士、相続税がある場合は税理士との連携が必要になる可能性があります。
公的機関や手続先が公表している資料を中心に整理しています。