2σ Guide

派遣法の実務解説
定義・期間制限・偽装請負

企業法務・人事労務・コンプライアンス担当者が、派遣法を契約管理だけでなく、現場の指揮命令、期間、待遇、安全衛生、行政対応まで含めて理解できるように整理します。

3年 期間制限
2026/10/1 明示事項改正
30日 日雇派遣の目安
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派遣法の実務解説 定義・期間制限・偽装請負

派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。

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派遣法の実務解説 定義・期間制限・偽装請負
派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 派遣法の実務解説 定義・期間制限・偽装請負
  • 派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。

POINT 1

  • 派遣法の全体像と企業法務での重要性
  • 派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。
  • 雇用と指揮命令の分離
  • 契約名称ではなく運用を見る
  • 契約管理ではなく業務実態管理

POINT 2

  • 派遣法の基本構造と主要用語
  • 三者関係、労働者派遣、責任者、抵触日、待遇方式を整理します。
  • 読者は、どの関係で何を整えるべきかを読み取ってください。
  • 次の用語一覧は、派遣法上の主要概念を実務で使える形に整理したものです。
  • 用語を暗記するだけでなく、契約、台帳、抵触日、待遇情報、責任者のどの文書に現れるかを読み取ることが重要です。

POINT 3

  • 派遣法で派遣先が負う義務と契約実務
  • 許可確認、契約事項、派遣先責任者、台帳、特定目的行為、契約外業務を整えます。
  • 派遣先企業は、派遣元が雇用主だから自社は関係ないと考えると危険です。
  • 読者は、契約開始前、受入れ中、終了時のどこで証跡を残すかを読み取ってください。
  • 列は契約項目と実務上の読み方を表します。

POINT 4

  • 派遣法の3年ルールと抵触日管理
  • 1. 派遣開始日と組織単位を確認します:事業所と課・チームなどの単位を分けて記録します。
  • 2. 3年に近づいていますか:事業所単位と個人単位の両方で抵触日を確認します。
  • 3. 延長手続と個人単位を分けて検討します:意見聴取、直接雇用、別業務、例外該当性を記録します。
  • 4. 台帳と通知を更新します:更新時に契約、台帳、就業条件、派遣元連絡を確認します。

POINT 5

  • 派遣法の同一労働同一賃金と雇用安定措置
  • 比較対象情報
  • 職務内容、責任、配置変更範囲、基本給、賞与、手当、福利厚生、教育訓練、休暇を整理します。
  • 労使協定
  • 協定期間、対象労働者、賃金水準、能力・経験調整、代表者選出手続、毎年度改定を確認します。

POINT 6

  • 派遣法の禁止業務・日雇派遣・偽装請負
  • 1. 注文先を確認します:発注者は受託者の責任者へ依頼し、個々の作業者へ直接指示しない設計にします。
  • 2. 労務管理は受託者側ですか:勤怠、休暇、残業、配置、人員交代を誰が決めるかを確認します。
  • 3. 運用を修正します:管理者、指示経路、報酬体系、成果責任、社内チャット運用を見直します。
  • 4. 証跡を残します:契約書、責任者連絡、成果物、会議記録、教育記録を保存します。

POINT 7

  • 派遣法の労働時間・安全衛生・行政対応
  • 1. 調査趣旨と対象を確認します:対象期間、対象事業所、提出資料、回答期限を整理します。
  • 2. 対応チームを作ります:法務、人事、現場、購買、経理、内部監査で資料収集と説明方針を合わせます。
  • 3. 契約書と実態の差異を確認します:契約、台帳、就業条件明示、抵触日、労使協定、現場指示を照合します。
  • 4. 是正方針と再発防止を文書化します:行政への説明は事実に基づき、過度な断定や隠蔽を避けて進めます。

POINT 8

  • 派遣法のM&A・IPO・実務チェックリスト
  • 台帳・抵触日不備
  • 派遣先管理台帳がない、更新されていない、抵触日を誰も管理していない状態は重大な指摘になりやすいです。
  • 実態との不一致
  • 業務委託契約なのに発注者が直接指揮命令している、派遣労働者に契約外業務をさせている場合は注意が必要です。

まとめ

  • 派遣法の実務解説 定義・期間制限・偽装請負
  • 派遣法の全体像と企業法務での重要性:派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。
  • 派遣法の基本構造と主要用語:三者関係、労働者派遣、責任者、抵触日、待遇方式を整理します。
  • 派遣法で派遣先が負う義務と契約実務:許可確認、契約事項、派遣先責任者、台帳、特定目的行為、契約外業務を整えます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

派遣法の全体像と企業法務での重要性

派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係から、実態管理の必要性を整理します。

派遣法の核心は、雇用する者と実際に指揮命令する者が分かれる点にあります。派遣元が派遣労働者を雇用し、派遣先が日々の業務上の指揮命令を行います。この構造は便利ですが、責任の所在が曖昧になりやすいため、契約、期間、待遇、安全衛生、情報管理を一体で整える必要があります。

次の比較一覧は、派遣法を読むための3つの視点を表します。読者にとって重要なのは、派遣元だけでなく派遣先にも義務があること、契約名称より現場実態が重視されること、外部人材活用全体の統制として見ることです。

構造

雇用と指揮命令の分離

派遣元が雇用し、派遣先が指揮命令します。労働時間、安全衛生、苦情処理、情報管理は連携が不可欠です。

実態

契約名称ではなく運用を見る

業務委託や請負という名称でも、発注者が直接指示していれば労働者派遣に該当する可能性があります。

統制

契約管理ではなく業務実態管理

契約書、台帳、抵触日、待遇情報、現場指示、教育、監査を一つの管理体制として設計します。

免責このページは一般的な制度説明です。個別の契約、行政対応、紛争、是正判断では、最新法令、通達、行政解釈、契約内容、就業実態を確認し、弁護士、社会保険労務士等の専門家へ相談する必要があります。

次の強調表示は、派遣法対応で見落としやすい3つの数値をまとめたものです。3年ルール、2026年10月1日施行予定の明示事項、30日以内の日雇派遣の原則禁止を同時に押さえると、期間管理と書面管理の重要性が分かります。

派遣法対応は、3年、2026年10月1日、30日以内という期限管理が重要です。

期間制限、待遇説明、日雇派遣の例外確認を、契約更新や受入れ開始前の手順へ組み込みます。

Section 01

派遣法の基本構造と主要用語

三者関係、労働者派遣、責任者、抵触日、待遇方式を整理します。

派遣法の三者関係は、派遣元と派遣労働者、派遣元と派遣先、派遣先と派遣労働者の3つに分けると理解しやすくなります。次の比較表は、それぞれの法律関係、主な文書、論点を表します。読者は、どの関係で何を整えるべきかを読み取ってください。

関係法律関係主な文書主な論点
派遣元と派遣労働者雇用契約労働条件通知書、雇用契約書、就業規則賃金、雇用期間、社会保険、有休、教育訓練、待遇説明
派遣元と派遣先労働者派遣契約基本契約、個別契約、注文書、派遣通知業務内容、就業場所、期間、料金、責任分担、契約解除
派遣先と派遣労働者指揮命令関係就業条件明示、現場ルール、入退館規程作業指示、労働時間、安全衛生、苦情、ハラスメント

次の用語一覧は、派遣法上の主要概念を実務で使える形に整理したものです。用語を暗記するだけでなく、契約、台帳、抵触日、待遇情報、責任者のどの文書に現れるかを読み取ることが重要です。

用語意味実務上の注意点
労働者派遣派遣元が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令で働かせることです。雇用、指揮命令、派遣先のための労働という3要素を確認します。
労働者派遣事業業として労働者派遣を行うことです。営利目的だけで判断せず、反復継続性や実態を見ます。
派遣労働者派遣元に雇用され、派遣先で派遣就業する労働者です。有期雇用と無期雇用で期間制限や雇用安定措置の扱いを確認します。
派遣元責任者派遣元で雇用管理、台帳、連絡調整、苦情処理を担う責任者です。名義だけでなく、現場状況と契約内容を把握している必要があります。
派遣先責任者派遣先で派遣就業の適正な実施を管理する責任者です。人数、業務、指揮命令者、抵触日、苦情窓口を把握します。
抵触日この日以降に同じ受入れを続けると期間制限に抵触する日です。事業所単位と個人単位を混同しないことが重要です。
比較対象労働者派遣先均等・均衡方式で比較する派遣先の通常の労働者です。待遇情報の提供根拠と更新頻度を記録します。
労使協定方式派遣元が労使協定で一定水準以上の待遇を確保する方式です。毎年度の一般賃金水準、協定、代表者選出手続を確認します。
Section 02

派遣法で派遣先が負う義務と契約実務

許可確認、契約事項、派遣先責任者、台帳、特定目的行為、契約外業務を整えます。

派遣先企業は、派遣元が雇用主だから自社は関係ないと考えると危険です。次の比較表は、派遣を受け入れる企業が基本的に確認すべき義務を示します。読者は、契約開始前、受入れ中、終了時のどこで証跡を残すかを読み取ってください。

義務確認する内容主な証跡
適法な派遣元からの受入れ許可番号、有効期間、事業所情報を確認します。許可証写し、取引先マスタ、更新記録
労働者派遣契約業務内容、就業場所、期間、指揮命令者、料金、責任分担を定めます。基本契約、個別契約、注文書、派遣通知
派遣可能期間管理事業所単位と個人単位の抵触日を分けて管理します。抵触日管理表、意見聴取資料
派遣先責任者派遣元連絡、台帳、苦情処理、就業状況確認を担います。選任記録、職務説明、連絡記録
派遣先管理台帳誰が、いつ、どこで、どの業務に従事したかを記録します。派遣先管理台帳、就業状況記録
特定目的行為の回避通常派遣で事前面接や履歴書提出要求をしないようにします。採用手続記録、紹介予定派遣との区分
契約外業務の防止契約で定めた業務以外を恒常的に命じないようにします。業務範囲表、現場教育記録
待遇情報提供同一労働同一賃金のため必要な情報を派遣元へ提供します。比較対象労働者情報、変更通知
安全衛生・苦情処理現場の安全、労働時間、ハラスメント、苦情に対応します。事故報告、相談記録、是正記録

次の表は、労働者派遣契約で定めるべき主な事項と確認ポイントを示します。列は契約項目と実務上の読み方を表します。契約書レビューでは、記載の有無だけでなく、現場の指示、就業時間、場所、危険有害業務との一致を確認してください。

項目実務上の確認ポイント
業務内容抽象的な事務全般ではなく、実態に即して具体化します。
就業場所本社、支店、工場、在宅勤務、顧客先常駐の有無を確認します。
指揮命令者実際に日々の業務指示をする人を明記します。
派遣期間抵触日、個人単位期間制限との整合を確認します。
就業日・就業時間・休憩残業、休日勤務、シフト勤務、深夜勤務の有無を確認します。
派遣労働者数契約人数と実人数の差異を管理します。
安全衛生危険有害業務、保護具、教育、健康診断、事故報告を確認します。
苦情処理派遣元・派遣先双方の窓口と処理手順を明確にします。
契約解除中途解除時の派遣労働者保護措置を定めます。
派遣料金時間外、休日、深夜、交通費、教育訓練費の扱いを確認します。
2026年10月1日同日から、派遣労働者として雇い入れるとき、または派遣するときの明示事項について、待遇の相違の内容および理由等について説明を求めることができる旨の明示が求められます。労働条件通知書、就業条件明示書、説明資料、電子契約テンプレートの改訂が必要です。
Section 03

派遣法の3年ルールと抵触日管理

事業所単位と個人単位を分け、例外と脱法的運用を確認します。

派遣法の期間制限は、事業所単位と個人単位を別々に見る必要があります。次の比較表は、対象、原則、延長・例外の違いを示します。読者は、事業所単位の意見聴取をしただけでは、同じ人を同じ組織単位で使い続けられない点を読み取ってください。

区分対象原則延長・例外
事業所単位派遣先の同一事業所での派遣受入れ全体原則3年です。過半数労働組合等への意見聴取により延長できる場合があります。
個人単位同一派遣労働者を同一組織単位で受け入れること原則3年です。事業所単位の延長だけでは延長されません。例外類型を別途確認します。

次の一覧は、抵触日管理で一覧化すべき情報を表しています。各行は期間制限の判断に使う管理項目です。読者は、Excelで属人的に管理すると漏れが起きやすいため、契約管理、人事、購買、入退館の情報をつなぐ必要があることを読み取ってください。

管理項目説明
派遣先事業所本社、支店、工場、店舗、部門等を特定します。
組織単位課、グループ、チーム等を、業務のまとまりと指揮命令系統で確認します。
派遣元派遣会社名、許可番号、有効期間を確認します。
派遣労働者氏名または管理IDで管理します。
派遣開始日個人単位と事業所単位の起算点を確認します。
事業所単位抵触日事業所として派遣受入れが抵触する日を管理します。
個人単位抵触日当該派遣労働者が同一組織単位で抵触する日を管理します。
意見聴取日過半数労働組合等への意見聴取日を記録します。
延長後期間延長後の派遣可能期間を確認します。
例外該当性無期雇用、60歳以上、代替業務等を確認します。

次の判断の流れは、3年に近づく派遣受入れを確認する順番を示します。分岐は、継続の可否を機械的に決めるものではなく、事業所単位、個人単位、例外、直接雇用、業務変更の検討順序を示します。

期間制限を確認する順番

派遣開始日と組織単位を確認します

事業所と課・チームなどの単位を分けて記録します。

3年に近づいていますか

事業所単位と個人単位の両方で抵触日を確認します。

近い
延長手続と個人単位を分けて検討します

意見聴取、直接雇用、別業務、例外該当性を記録します。

余裕あり
台帳と通知を更新します

更新時に契約、台帳、就業条件、派遣元連絡を確認します。

注意形式的な短期中断、部署名だけの変更、別派遣元への切替、請負への名目変更は、期間制限を避けるための脱法的運用と評価される可能性があります。契約名称ではなく実態を確認する必要があります。
Section 04

派遣法の同一労働同一賃金と雇用安定措置

派遣先均等・均衡方式、労使協定方式、2026年10月1日対応を整理します。

派遣労働者の同一労働同一賃金対応には、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式があります。次の比較表は、比較対象、負担、実務での使われ方、リスクの違いを表します。読者は、労使協定方式を選んでも、派遣先の協力が不要になるわけではない点を読み取ってください。

観点派遣先均等・均衡方式労使協定方式
比較対象派遣先の通常の労働者です。一般労働者の平均的賃金等です。
派遣先の負担待遇情報提供の負担が大きくなります。相対的に小さいですが、教育訓練・福利厚生等の協力は必要です。
派遣元の負担派遣先ごとに待遇情報を反映します。労使協定、賃金テーブル、毎年度改定対応が重要です。
実務での利用派遣先の情報提供体制が整う場合に使われます。多くの派遣元で採用されやすい方式です。
主なリスク比較対象労働者の選定、情報不足、変更時通知漏れです。協定不備、賃金水準不足、代表者選出不備です。

次のポイント一覧は、待遇確保と雇用安定措置を運用するために確認する項目です。待遇、教育、キャリア、直接雇用依頼は分断されやすいため、派遣元と派遣先の連絡手順を読み取ることが重要です。

比較対象情報

職務内容、責任、配置変更範囲、基本給、賞与、手当、福利厚生、教育訓練、休暇を整理します。

労使協定

協定期間、対象労働者、賃金水準、能力・経験調整、代表者選出手続、毎年度改定を確認します。

雇用安定措置

直接雇用依頼、新たな派遣先提供、派遣元での無期雇用、その他の雇用継続措置を確認します。

キャリアアップ

段階的な教育訓練、キャリアコンサルティング、現場教育、安全衛生教育をつなげます。

2026年10月1日以降の実務変更は、書式だけでなく説明対応全体に影響します。次の表は、企業が改訂すべき文書と運用を示します。読者は、派遣元だけでなく派遣先も情報提供や説明依頼の流れを確認する必要があることを読み取ってください。

対応項目確認する内容
労働条件通知書・就業条件明示書待遇差の内容と理由について説明を求めることができる旨を明示します。
派遣スタッフ向け説明資料説明請求の方法、窓口、回答手順を更新します。
派遣先への説明依頼比較対象労働者情報や変更通知の依頼手順を整えます。
労使協定方式の説明文書協定方式の待遇決定、賃金水準、教育訓練を分かりやすく示します。
派遣元・派遣先間契約待遇説明、情報提供、変更通知、協力義務を条項化します。
移行管理2026年10月1日以降の新規雇入れ、新規派遣、更新案件を管理します。
Section 05

派遣法の禁止業務・日雇派遣・偽装請負

建設、警備、医療、日雇派遣、37号告示、IT常駐の実態を確認します。

派遣法では、業務によって派遣が禁止・制限される場合があります。次の比較表は、代表的な禁止・制限業務と実務上の注意点を示します。読者は、業務名だけでなく、現場の指揮命令、安全衛生、資格法、例外要件を一体で確認してください。

領域注意点
港湾運送業務派遣禁止業務として確認が必要です。港湾特有の規制と安全管理を確認します。
建設業務多重下請、応援、常駐作業、指揮命令混在が起きやすく、建設業法や安全衛生も確認します。
警備業務警備業法による教育、指導監督、責任体制が重視され、単純な労働力派遣として扱えません。
医療関係業務医師、看護師等は派遣が禁止または制限される場面があります。例外や資格法も確認します。
士業等の一定業務弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社労士、行政書士等の一定業務は確認が必要です。
日雇派遣日々または30日以内の期間を定めて雇用される派遣は原則禁止です。例外該当性を確認します。

偽装請負の判断では、契約名称ではなく、誰が労働者へ直接指揮命令をしているかを見ます。次の比較表は、請負・業務委託と労働者派遣の違いを表します。読者は、発注者が個々の作業者を動かしていないか、労務管理が受託者側に残っているかを読み取ってください。

区分請負・業務委託労働者派遣
発注者・派遣先の関与成果物や業務結果を注文します。派遣労働者に業務指示を行います。
労働者への指揮命令受託者が行います。派遣先が行います。
労務管理受託者が行います。派遣元が雇用管理し、派遣先が就業上の指揮命令を行います。
報酬成果や業務単位が中心です。労働時間や人数単位になりやすいです。
責任受託者が業務遂行責任を負います。派遣先が指揮命令下の業務遂行を管理します。

次のポイント一覧は、偽装請負が疑われやすい典型場面を表します。項目に当てはまるほど、契約書の名称ではなく現場運用の修正が必要です。特にIT常駐、SES、構内請負では、タスク指示、勤怠、評価、成果責任を丁寧に確認してください。

直接作業指示

発注者の社員が受託者の作業員へ直接タスク、順序、方法を指示している場合は注意が必要です。

勤怠・休暇・残業承認

発注者が受託者作業員の勤怠や休暇を承認している場合、労務管理独立性が弱まります。

受託者側管理者の不在

受託者側の現場責任者が実質的にいない場合、発注者の指揮命令が強くなりやすいです。

人月・時間単価中心

成果物責任が曖昧で、人員貸しのように請求している場合は、請負性が弱く見られやすいです。

次の判断の流れは、請負・業務委託を適法に運用するための確認順序を示します。分岐は、契約書の整備だけで終わらず、現場のチャット、会議、タスク管理、勤怠管理まで確認する必要があることを示します。

請負・業務委託の実態確認

注文先を確認します

発注者は受託者の責任者へ依頼し、個々の作業者へ直接指示しない設計にします。

労務管理は受託者側ですか

勤怠、休暇、残業、配置、人員交代を誰が決めるかを確認します。

不十分
運用を修正します

管理者、指示経路、報酬体系、成果責任、社内チャット運用を見直します。

整備済み
証跡を残します

契約書、責任者連絡、成果物、会議記録、教育記録を保存します。

Section 06

派遣法の労働時間・安全衛生・行政対応

労働契約申込みみなし制度、行政調査、不祥事対応までを現場管理に接続します。

派遣労働者の現場管理では、労働時間、安全衛生、ハラスメント、個人情報が派遣元・派遣先の双方にまたがります。次の一覧は、現場で確認すべき項目をまとめたものです。読者は、派遣元だけ、派遣先だけでは管理が完結しないことを読み取ってください。

01

労働時間

派遣先は就業時間を把握し、派遣元へ正確に通知します。残業、休憩、深夜、休日勤務は契約と36協定を確認します。

勤怠
02

安全衛生

派遣先は作業場所を管理し、危険防止措置、保護具、作業環境、事故対応を整えます。

安全
03

労災事故

救護、派遣元連絡、現場保存、写真撮影、関係者ヒアリング、労災手続、再発防止を連携します。

事故
04

ハラスメント

派遣先の社員に、派遣労働者もハラスメント防止措置の対象であることを教育します。

相談
05

個人情報・秘密保持

入退館情報、ID、ログ、苦情、事故情報、顧客情報、営業秘密へのアクセスを契約と運用で管理します。

情報

労働契約申込みみなし制度は、違法派遣リスクが直接雇用リスクへ変わる制度です。次の比較表は、対象となり得る違法派遣と予防策を表します。読者は、知らなかったと説明するためにも、許可確認、期間管理、台帳、教育、37号告示観点の確認が必要なことを読み取ってください。

対象となり得る類型予防策
派遣禁止業務への派遣受入れ業務分類、資格法、例外要件を受入れ前に確認します。
無許可事業主からの派遣受入れ派遣元の許可番号、有効期間、事業所情報を確認します。
事業所単位の期間制限違反事業所単位抵触日、意見聴取、延長後期間を管理します。
個人単位の期間制限違反同一派遣労働者と同一組織単位を管理します。
偽装請負等派遣・請負・業務委託の区分基準、現場教育、直接指揮命令の禁止を徹底します。

行政調査では、契約書だけでなく現場実態と書類の一致が確認されます。次の時系列は、調査を受けた場合の対応順序を表します。読者は、現場担当者だけで回答せず、法務、人事、現場、購買、経理、内部監査をまとめて動かす必要があることを読み取ってください。

受領時

調査趣旨と対象を確認します

対象期間、対象事業所、提出資料、回答期限を整理します。

初動

対応チームを作ります

法務、人事、現場、購買、経理、内部監査で資料収集と説明方針を合わせます。

確認

契約書と実態の差異を確認します

契約、台帳、就業条件明示、抵触日、労使協定、現場指示を照合します。

是正

是正方針と再発防止を文書化します

行政への説明は事実に基づき、過度な断定や隠蔽を避けて進めます。

Section 07

派遣法のM&A・IPO・実務チェックリスト

外部人材の棚卸し、契約、台帳、実態、行政対応を横断して点検します。

M&A、IPO、グループ会社間取引では、派遣法違反が偶発債務、直接雇用リスク、行政対応、上場審査指摘へ広がります。次の表は、確認すべき資料を示します。読者は、外部人材の利用状況を契約類型ごとに棚卸しする重要性を読み取ってください。

資料確認する内容
派遣元との基本契約・個別契約業務内容、期間、指揮命令者、責任分担を確認します。
派遣元の許可番号・許可証写し許可有効期間、事業所情報、更新状況を確認します。
派遣労働者一覧・派遣先管理台帳受入人数、組織単位、就業期間、業務内容を確認します。
抵触日管理表・意見聴取資料事業所単位と個人単位の期間制限を確認します。
同一労働同一賃金の情報提供資料比較対象労働者、労使協定、説明資料を確認します。
業務委託・請負契約一覧常駐外部人材、直接指揮命令、偽装請負リスクを確認します。
行政調査・指導・紛争履歴是正報告、苦情、労働者からの申立てを確認します。

次の比較一覧は、M&AやIPOで見つかりやすい問題を表しています。各項目は、書類がない、更新されていない、現場実態と違う、分類が曖昧という構造に分けて読むと、自社の点検に使いやすくなります。

台帳・抵触日不備

派遣先管理台帳がない、更新されていない、抵触日を誰も管理していない状態は重大な指摘になりやすいです。

実態との不一致

業務委託契約なのに発注者が直接指揮命令している、派遣労働者に契約外業務をさせている場合は注意が必要です。

許可・代表者手続

派遣元許可確認をしていない、過半数代表者の選出手続が不適切な場合は、統制不備として扱われます。

グループ会社間取引

親会社・子会社間でも、雇用、指揮命令、賃金負担、人事権、業務遂行責任を実態に即して確認します。

次のチェックリストは、受入れ前、受入れ中、期間満了前、偽装請負、同一労働同一賃金、行政調査で見る項目を統合したものです。読者は、個別契約書レビューだけでなく、外部人材管理体制全体を点検する読み方をしてください。

場面確認項目
受入れ開始前派遣元許可、契約書、業務内容、期間制限、責任者、指揮命令者、待遇方式、安全衛生、情報セキュリティ、台帳準備
受入れ中契約書記載業務との一致、契約外業務の有無、残業・休憩、苦情、ハラスメント、安全衛生、抵触日接近、台帳更新
期間満了前事業所単位と個人単位の抵触日、意見聴取、直接雇用、雇用安定措置、貸与物返却、ID削除
偽装請負直接作業指示、勤怠承認、受託者側管理者、報酬体系、面談、成果物責任、社内チャット指示、評価関与
同一労働同一賃金方式選択、労使協定、比較対象情報、待遇説明資料、2026年10月1日対応、派遣料金設計
行政調査照会一元管理、資料収集、現場ヒアリング、書類と実態の差異、是正方針、提出資料確認、再発防止
Section 08

派遣法に関するよくある質問

FAQは一般情報として整理し、個別事情で結論が変わる点を明示します。

派遣法は派遣会社だけが守ればよい法律ですか。

一般的には、派遣法は派遣元だけでなく派遣先にも義務を課す制度とされています。派遣先は雇用主ではありませんが、指揮命令を行う立場にあるため、期間制限、責任者、台帳、待遇情報提供、安全衛生、苦情処理に関わります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

業務委託契約にすれば派遣法は関係ありませんか。

一般的には、契約書の名称だけでは判断されず、発注者が受託者の労働者に直接指揮命令しているかという実態が重視されます。請負や業務委託の形式でも、運用によっては労働者派遣に該当する可能性があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣労働者に簡単な雑務を頼むことは問題になりますか。

一般的には、契約で定められた業務範囲内であれば問題になりにくいとされています。ただし、契約外業務を恒常的に命じると、契約内容と実態の不一致が生じる可能性があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣労働者を3年を超えて同じ部署で受け入れることはできますか。

一般的には、同一派遣労働者を同一組織単位で3年を超えて受け入れることは原則として制限されます。事業所単位の延長手続をしても、個人単位の期間制限が当然に延長されるわけではありません。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

過半数代表者から意見聴取すれば、同じ人を何年でも受け入れられますか。

一般的には、意見聴取は事業所単位の派遣可能期間を延長する手続です。同一派遣労働者を同一組織単位で3年を超えて受け入れることを当然に認めるものではありません。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣労働者を直接雇用する場合、派遣元に違約金を支払う必要がありますか。

一般的には、契約内容によって検討されます。ただし、派遣労働者の雇用安定を過度に阻害する条項は問題となる可能性があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣労働者に事前面接をしてもよいですか。

一般的には、通常の労働者派遣では、派遣先が派遣労働者を特定する目的の行為は原則として禁止されるとされています。紹介予定派遣など例外制度との区別が必要です。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のどちらが安全ですか。

一般的には、派遣先均等・均衡方式では待遇情報提供、労使協定方式では協定内容、賃金水準、代表者選出手続、毎年度の見直しが重要です。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

2026年10月1日以降、派遣法実務で何を変える必要がありますか。

一般的には、2026年10月1日以降は、待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨を明示する必要があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

日雇派遣は全面的に禁止ですか。

一般的には、日雇派遣は原則禁止ですが、一定の業務や一定の労働者属性について例外があるとされています。形式上31日以上の契約にするだけでは足りない可能性があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣先で労災事故が起きた場合、派遣元だけの問題ですか。

一般的には、派遣元は雇用主として責任を負いますが、派遣先も作業場所を管理し作業指示を行うため、安全衛生上の重要な責任を負う可能性があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣労働者に在宅勤務をさせることはできますか。

一般的には、在宅勤務が可能な場合もあります。ただし、就業場所、労働時間管理、情報セキュリティ、業務指示、貸与物、個人情報、労災、契約記載事項を整理する必要があります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

グループ会社から社員を受け入れる場合も派遣法を確認すべきですか。

一般的には、グループ会社間でも、雇用関係、指揮命令、賃金負担、人事権、業務遂行責任の実態によって、出向、業務委託、労働者派遣の区別が問題になります。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣法違反が見つかった場合、最初に何をすべきですか。

一般的には、違反が見つかった場合は、契約書、台帳、就業実態、指揮命令、期間、許可、禁止業務、待遇説明、労使協定を確認し、証拠を破棄せず是正範囲を検討します。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

派遣法対応で最も重要な社内統制は何ですか。

一般的には、最も重要なのは、外部人材を派遣、請負、業務委託、出向、職業紹介、フリーランスなどに正しく分類し、分類ごとの管理ルールを整えることです。 個別事情によって結論が変わる可能性があるため、具体的には資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

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派遣法で次に確認したいこと

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Reference

派遣法の主要参考資料

公的資料名と専門職の関与領域を整理します。

  • e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業について」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業に係る法令・指針・疑義応答集・関連情報等」
  • 厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」
  • 厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準関係疑義応答集」
  • 厚生労働省「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」
  • 厚生労働省「派遣労働者に係る安全衛生対策について」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」

専門職別の関与領域

弁護士・企業内弁護士・外部弁護士は、派遣法の解釈、契約レビュー、偽装請負調査、行政対応、労働契約申込みみなし制度、M&Aデューデリジェンス、不祥事調査に関与します。社会保険労務士は、派遣元の雇用管理、労使協定、就業規則、教育訓練、雇用安定措置に関与します。

法務担当・コンプライアンス担当は、派遣契約、請負契約、業務委託契約、NDA、個人情報条項、損害賠償条項、研修、通報制度、内部監査、是正計画を整えます。内部監査担当は、台帳、抵触日、許可確認、偽装請負、待遇情報提供、行政指導対応を監査項目に含めます。

公認会計士や税理士は、M&A、IPO、組織再編、派遣事業会社の財務・会計・税務・内部統制の観点から関与します。経営者、取締役、監査役は、派遣法を外部人材戦略、人的資本、内部統制、レピュテーションの問題として把握する必要があります。