2σ Guide

ネットストーカーの証拠を
適切に保全する方法

安全を最優先にしながら、投稿、DM、URL、日時、アカウント情報、原本相当データ、保管履歴を第三者が検証できる形で残す方法を整理します。

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ネットストーカーの証拠を 適切に保全する方法

安全を最優先にしながら、投稿、DM、URL、日時、アカウント情報、原本相当データ、保管履歴を第三者が検証できる形で残す方法を整理します。

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ネットストーカーの証拠を 適切に保全する方法
安全を最優先にしながら、投稿、DM、URL、日時、アカウント情報、原本相当データ、保管履歴を第三者が検証できる形で残す方法を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • ネットストーカーの証拠を 適切に保全する方法
  • 安全を最優先にしながら、投稿、DM、URL、日時、アカウント情報、原本相当データ、保管履歴を第三者が検証できる形で残す方法を整理します。

POINT 1

  • ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法の全体像
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。

POINT 2

  • ネットストーカーの証拠保全で用語の定義
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 2.1 ネットストーカー
  • 2.2 証拠保全
  • 2.3 デジタル証拠

POINT 3

  • ネットストーカーの証拠保全で法的・制度的な全体像
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 3.1 ストーカー規制法とネット上の行為
  • 3.2 刑事手続と民事手続は目的が異なる
  • 3.3 情報流通プラットフォーム対処法と発信者情報開示

POINT 4

  • ネットストーカーの証拠保全で証拠保全の基本原則
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 安全確保
  • 削除前保存
  • 場所と時刻

POINT 5

  • ネットストーカーの証拠保全で初動対応 ― 最初の60分で行うこと
  • 1. 危険度を判定:脅迫、現実の場所への接近、個人情報、位置情報追跡、拒否後の接触を確認します。
  • 2. 証拠フォルダを作る:スクリーンショット、録画、メール、メッセージ、プロフィール、URLを分けます。
  • 3. 最低限の5点を保存:本文、URL、プロフィール、投稿日時、保存日時と保存者を残します。

POINT 6

  • ネットストーカーの証拠保全で証拠の種類別 ― 何をどう保存するか
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 6.1 SNSの公開投稿
  • 6.2 ダイレクトメッセージ、チャット、LINE等
  • 6.3 メール

POINT 7

  • ネットストーカーの証拠保全でスクリーンショットの実務標準
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 7.1 良いスクリーンショットの条件
  • 7.2 PCでの撮影
  • 7.3 スマートフォンでの撮影

POINT 8

  • ネットストーカーの証拠保全でハッシュ値と保管履歴の付け方
  • 第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 8.1 ハッシュ値を取る理由
  • 8.2 WindowsでSHA-256を取得する例
  • 8.3 macOSでSHA-256を取得する例

まとめ

  • ネットストーカーの証拠を 適切に保全する方法
  • ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法の全体像:第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • ネットストーカーの証拠保全で用語の定義:第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • ネットストーカーの証拠保全で法的・制度的な全体像:第三者が検証できる保存方法を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法の全体像

第三者が検証できる保存方法を整理します。

このページは、「ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法」について、一般の読者が警察、弁護士、裁判所、プラットフォーム事業者、相談機関に説明しやすい形で証拠を残すための実務的な考え方を整理した専門的解説です。法曹実務、裁判実務、デジタルフォレンジック、企業法務・広報、被害者支援の観点を横断して構成していますが、個別事件についての法律意見ではありません。実際の対応では、被害の危険度、相手方との関係、投稿内容、匿名性、管轄、証拠の量、未成年者・性的画像・勤務先への影響の有無などによって最適解が変わります。

身体の危険、脅迫、待ち伏せ、住居・職場への接近、性的画像の拡散、アカウント乗っ取り、位置情報の不正取得が疑われる場合は、証拠保全と並行して、速やかに警察、弁護士、法テラス、関係相談機関へ相談する必要があります。

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Section 01

ネットストーカーの証拠保全で結論 ― 証拠保全の目的は「あとで第三者が検証できる状態」を作ること

第三者が検証できる保存方法を整理します。

次の重要ポイントは、証拠保全の目的を1つにまとめたものです。画像の枚数よりも、投稿・送信内容、URL、日時、投稿者識別、保存日時、改変していない説明をそろえることが重要です。

証拠保全の目的は、後から第三者が検証できる状態を作ることです

投稿、DM、アカウント情報は、本人削除、プラットフォーム削除、アカウント凍結、仕様変更、ログ保存期間の経過、端末故障で失われます。

ネットストーカー被害で最初に重要なのは、単にスクリーンショットを撮ることではありません。目的は、あとで警察、弁護士、裁判所、プラットフォーム事業者、学校、勤務先などの第三者が、次の点を検証できる状態を作ることです。

  1. いつ被害が起きたのか。
  2. どこで被害が起きたのか。SNS、掲示板、メール、メッセージアプリ、動画サイト、地図・口コミサービスなど。
  3. 誰のアカウント又はどの識別子から行われたのか。表示名だけでなく、ユーザーID、URL、アカウントID、メールアドレス、電話番号、投稿IDなど。
  4. 何が投稿・送信・表示されたのか。本文、画像、動画、音声、プロフィール、コメント、引用、リポスト、タグ付け、位置情報、脅迫文言、個人情報の掲載など。
  5. 反復性・継続性・危険性があるのか。単発の悪口なのか、拒否後も続く連絡なのか、生活圏・家族・勤務先まで巻き込むものなのか。
  6. 証拠が改ざんされていないと説明できるか。原本、保存日時、保存者、保存方法、ハッシュ値、保管履歴を残せているか。
  7. 削除・凍結・非公開化の前に必要な情報を取ったか。URL、投稿日時、投稿者、内容、関連アカウント、ログ保全要請の検討など。

ネット上の投稿、ダイレクトメッセージ、アカウント情報は、加害者本人の削除、プラットフォーム側の削除、アカウント凍結、仕様変更、ログ保存期間の経過、端末の故障によって失われます。そのため、証拠保全は「あとでやる作業」ではなく、被害を認識した直後に開始する初動対応です。

ただし、生命・身体の危険がある場合は証拠保全より安全確保を優先します。今まさに危害が迫っている、相手が自宅・職場・学校周辺にいる、殺害・暴行・性的被害を示唆している、GPSや紛失防止タグを使った追跡が疑われる、といった場合は、ためらわず110番又は最寄りの警察署へ相談する必要があります。緊急性は高くないが警察に相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」も選択肢になります。

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Section 03

ネットストーカーの証拠保全で法的・制度的な全体像

第三者が検証できる保存方法を整理します。

3.1 ストーカー規制法とネット上の行為

ストーカー規制法は、恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことへの怨恨の感情を充足する目的で行われる一定の行為を規制する法律です。警察庁の説明では、ストーカーは「つきまとい行為」や「位置情報無承諾取得等」などを繰り返し行うことであり、手紙・メール・SNSメッセージ等、名誉を害する事項をインターネットに掲載する行為、性的羞恥心を害する画像等を送付・掲載する行為、GPS機器等や紛失防止タグを用いた位置情報取得なども例示されています。

ネット上だけの行為であっても、拒否後の連続したメッセージ、名誉を害する投稿、性的画像の送信又は公開、監視していると告げる行為、位置情報を悪用する行為などは、ストーカー規制法、刑法、民法その他の法的対応の検討対象になり得ます。

3.2 刑事手続と民事手続は目的が異なる

警察への相談、被害届、告訴、捜査、検挙、警告、禁止命令などは、主に被害防止と刑事責任の追及に関係します。一方、投稿削除、発信者情報開示、損害賠償請求、差止め、慰謝料請求、勤務先・学校への対応、内容証明郵便、示談交渉などは、民事上又は私的紛争解決上の対応として検討されます。

同じ証拠でも、警察相談で重視される点、弁護士が発信者情報開示で重視する点、裁判所が損害賠償で重視する点は同じではありません。したがって、証拠保全では、単に「怖かった」という主観だけでなく、第三者が客観的に確認できる情報、すなわち投稿・送信内容、日時、URL、送信者、反復性、被害者の拒否、被害の発生、生活への影響を残すことが重要です。

3.3 情報流通プラットフォーム対処法と発信者情報開示

インターネット上の投稿者が匿名である場合、被害者が相手方を特定するには、プラットフォーム事業者やプロバイダが保有する情報が必要になることがあります。情報流通プラットフォーム対処法は、旧プロバイダ責任制限法を引き継ぐ形で、権利侵害情報への対応、発信者情報開示、発信者情報開示命令事件、一定の大規模プラットフォーム事業者の削除対応の迅速化・透明化などを定める制度です。

発信者情報開示を検討する場合、次の点が特に重要です。

  • 投稿URL、投稿日時、投稿内容、投稿者名、アカウントURL、投稿IDを正確に保存する。
  • 投稿が削除される前に画面、URL、日時、内容を残す。
  • 削除依頼を先に行うと、サイトによっては投稿者特定に必要なIPアドレス等の情報も失われる可能性があるため、削除依頼とログ保全要請の順序を弁護士に相談する。
  • 権利侵害の内容を整理する。名誉毀損、侮辱、プライバシー侵害、肖像権侵害、氏名・住所・電話番号の暴露、性的画像、なりすましなど。
  • 時間が経つほどログの保存期間が問題になりやすいため、匿名投稿者を特定したい場合は早期に相談する。

3.4 プラットフォーム通報は「証拠保全後」が原則

SNSや掲示板には通報機能があります。通報は被害拡大を止める上で重要ですが、通報の結果、投稿やアカウントが削除・非表示・凍結されると、証拠やURL、投稿者情報の確認が難しくなることがあります。したがって、身体の危険が差し迫っている場合を除き、まず証拠を保存し、その後に通報・削除依頼・弁護士相談・警察相談を進めるのが原則です。

3.5 公証・電子確定日付・第三者記録という選択肢

特に重要な投稿、短時間で削除されそうな投稿、多額の損害賠償請求や仮処分を視野に入れる投稿、相手が「画像は加工だ」と争う可能性が高い投稿では、自分だけのスクリーンショットに加え、公証役場での事実実験公正証書、電子確定日付、専門業者によるフォレンジック保全、弁護士立会いでの閲覧記録などが検討対象になります。

事実実験公正証書は、公証人が直接確認した事実を記録する公正証書であり、ウェブページの存在や内容の記録にも応用されることがあります。費用、準備、対象範囲、予約の要否は公証役場によって異なるため、緊急度が高い場合は弁護士に相談しながら検討します。

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Section 04

ネットストーカーの証拠保全で証拠保全の基本原則

第三者が検証できる保存方法を整理します。

次の一覧は、証拠保全で守る7つの原則を示しています。安全、保存順序、日時・場所、未加工、時系列、バックアップ、反撃回避の順に読むと、優先順位が分かります。

01

安全確保

危険がある場合は証拠収集より警察相談を優先します。

02

削除前保存

ブロックや通報の前にURL、投稿、プロフィールを保存します。

03

場所と時刻

投稿日時、保存日時、URL、投稿者識別子を一緒に残します。

04

未加工

トリミング、赤線、モザイクは作業用コピーで行います。

05

時系列管理

反復性、拒否後の継続、現実の危険を示します。

原則1 ― 安全確保を最優先する

証拠を残そうとして相手と会う、返信する、挑発する、相手の居場所へ行く、相手のアカウントに接触することは避けてください。証拠保全は重要ですが、危険を増やしてまで行うものではありません。命の危険、暴行・性的被害の恐れ、住居周辺への出没、職場・学校への接近、家族への連絡、位置情報追跡が疑われる場合は、警察への相談を優先します。

原則2 ― 削除・通報・ブロックの前に保存する

ブロックや通報は必要な対策ですが、実行後に相手のプロフィール、投稿、DM、URL、過去ログを確認できなくなることがあります。まずスクリーンショット、URL、投稿日時、アカウント情報、DM履歴、関連プロフィールを保存し、必要に応じて弁護士・警察に相談してから通報・削除依頼を行います。

ただし、相手からの継続接触で精神的負担が大きい場合や、未成年者・性的画像・自殺示唆・暴力示唆を含む場合は、証拠保全の完全性より安全と被害拡大防止を優先して構いません。その場合でも、できる範囲で最低限、URL、日時、投稿内容、アカウント情報を保存します。

原則3 ― 内容だけでなく「場所」と「時刻」を保存する

スクリーンショットの弱点は、画像だけではURL、投稿日時、投稿者識別子、閲覧日時、タイムゾーンが不明になりやすいことです。保存時には、投稿本文だけでなく、ブラウザのURL欄、アカウント名、ユーザーID、投稿日時、画面右下又は端末上部の日時、プロフィールページ、投稿詳細ページ、コメント欄、引用元、スレッド全体を残します。

原則4 ― 原本相当データを加工しない

スクリーンショットをトリミングする、赤線を引く、モザイクをかける、明るさを変える、ファイル名以外のメタデータを消す、動画を短く切る、PDFを結合するなどの加工は、作業用コピーで行います。最初に取得した原本相当データは、そのまま保存します。

原則5 ― 時系列で管理する

ネットストーカーでは、単発の投稿よりも、反復性、執拗性、拒否後の継続、生活への影響、現実世界との連動が重要になることがあります。証拠をバラバラに保存するだけでなく、時系列表を作成し、各出来事に証拠番号を付けます。

原則6 ― 複数媒体にバックアップする

スマートフォンだけに証拠を保存していると、端末故障、紛失、アプリ不具合、アカウント乗っ取り、誤削除で証拠を失います。証拠は、端末内、外付け媒体、クラウド、弁護士への提出控えなど、少なくとも2か所以上に保存します。性的画像、住所、電話番号、家族情報などセンシティブな証拠は、暗号化やアクセス制限を行います。

原則7 ― 違法・過剰な反撃をしない

証拠を集めるために、相手のアカウントへ不正ログインする、パスワードを試す、なりすましアカウントを作る、第三者を装って接触する、相手の個人情報を晒す、相手の勤務先に大量連絡する、相手を脅す、マルウェアを送る、GPSで追跡する、といった行為は避けてください。被害者側が加害者として扱われるリスクがあります。

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Section 05

ネットストーカーの証拠保全で初動対応 ― 最初の60分で行うこと

第三者が検証できる保存方法を整理します。

次の時系列は、最初の60分で行う証拠保全の順番を表しています。危険度、保管場所、番号付け、最低限の保存、相談用メモの順に読みます。

0分

危険度を判定

脅迫、現実の場所への接近、個人情報、位置情報追跡、拒否後の接触を確認します。

10分

証拠フォルダを作る

スクリーンショット、録画、メール、メッセージ、プロフィール、URLを分けます。

40分

最低限の5点を保存

本文、URL、プロフィール、投稿日時、保存日時と保存者を残します。

5.1 まず危険度を判定する

次のいずれかに当てはまる場合は、証拠保全だけで抱え込まず、直ちに警察又は関係機関に相談する必要があります。

  • 「殺す」「刺す」「家に行く」「職場に行く」「家族に危害を加える」などの脅迫がある。
  • 自宅、職場、学校、最寄り駅、通勤経路など現実の場所を示して接近を示唆している。
  • 住所、電話番号、勤務先、学校名、家族構成、顔写真、性的画像が晒されている。
  • GPS、紛失防止タグ、位置情報アプリ、スマートフォン通知などによる追跡が疑われる。
  • 交際・面会・復縁・金銭・性的要求を拒否した後も連続して接触してくる。
  • 相手が過去に暴力、脅迫、自傷他害、ストーカー行為をしたことがある。
  • 自分では相手が誰かわからず、行動範囲を把握されているように感じる。

5.2 証拠フォルダを作る

パソコン又は外付け媒体に、次のようなフォルダを作ります。

2026-04-26_network_stalker_case/
  00_summary/
  01_screenshots/
  02_screen_recordings/
  03_emails/
  04_messages/
  05_profiles_accounts/
  06_urls_and_logs/
  07_police_lawyer_platform/
  08_sensitive_do_not_share/
  09_working_copies/

センシティブな画像や住所等を含む証拠は、08_sensitive_do_not_share のように明確に分け、共有範囲を制限します。

5.3 証拠番号を付ける

証拠を保存するたびに、証拠番号を付けます。たとえば次のように命名します。

E001_2026-04-26_2215_X_post_profile_screenshot.png
E002_2026-04-26_2217_X_post_detail_url-visible.png
E003_2026-04-26_2220_DM_thread_part1.png
E004_2026-04-26_2225_email_original.eml
E005_2026-04-26_2230_evidence_log.xlsx

ファイル名には、証拠番号、保存日、保存時刻、サービス名、証拠の種類を入れます。相手の本名や住所など、漏えいすると危険な情報をファイル名に入れるのは避けます。

5.4 最低限の証拠セットを保存する

時間がない場合でも、最低限、次の5点を保存します。

  1. 問題の投稿・メッセージ本文が見えるスクリーンショット。
  2. URL又は投稿リンクが見える画面、又はコピーしたURLのテキストファイル。
  3. 投稿者のプロフィール画面。表示名だけでなくユーザーID、アカウントURL、自己紹介、アイコンが見えるもの。
  4. 投稿日時・送信日時がわかる画面。
  5. 保存日時と保存者を記録した証拠ログ。

5.5 その日のうちに相談用メモを作る

記憶は早く曖昧になります。保存当日に、次の内容を簡単にメモします。

  • いつ発見したか。
  • どのサービスで見つけたか。
  • 相手は誰だと思うか。不明なら不明でよい。
  • これまでの関係。元交際相手、知人、職場関係、学校関係、匿名、オンライン上のみなど。
  • 拒否の意思を伝えたことがあるか。ある場合は日時と方法。
  • これまで何回くらい接触があったか。
  • 自宅・職場・学校・家族への接近や連絡があるか。
  • 今、何を希望するか。安全確保、連絡停止、削除、相手特定、損害賠償、刑事処罰、弁護士相談など。

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Section 06

ネットストーカーの証拠保全で証拠の種類別 ― 何をどう保存するか

第三者が検証できる保存方法を整理します。

次の一覧は、媒体別に保存の重点を示しています。公開情報、非公開会話、原本性、位置情報の危険の順に読むと、媒体ごとに本文以外の必要情報が違う点が分かります。

SNS

公開投稿は所在を重視

URL、投稿ID、プロフィール、コメント、引用、リポストまで残します。

所在
DM

非公開会話は文脈を重視

拒否の意思表示、前後のやり取り、送受信日時、相手プロフィールを残します。

文脈
MAIL

メールは原本形式を重視

.emlや.msg、フルヘッダー、添付ファイルを保存します。

原本
GPS

位置情報は安全を重視

機器の状態や発見場所を写真で残しつつ、危険があれば警察相談を優先します。

危険

6.1 SNSの公開投稿

SNSの公開投稿では、投稿本文だけでなく、投稿の所在と投稿者の識別が重要です。

保存するもの ―

  • 投稿詳細ページのスクリーンショット。
  • ブラウザのURL欄が見えるスクリーンショット。
  • 投稿日時が見えるスクリーンショット。
  • 投稿者プロフィール画面。
  • アカウントURL、ユーザーID、表示名、アイコン、自己紹介。
  • 投稿に付いたコメント、引用、リポスト、返信、タグ付け。
  • 自分の氏名、住所、写真、勤務先、学校、家族情報、性的情報が含まれる部分。
  • 投稿のURLをコピーしたテキストファイル。
  • 画面録画。投稿URLを開くところから、投稿本文、プロフィール、コメント欄までを連続して録画できると有用です。

注意点 ―

  • スクリーンショットだけではURLが消えることが多いため、URLは必ず別途保存します。
  • 表示名は変更可能なため、ユーザーID、アカウントURL、投稿IDも保存します。
  • 投稿が短時間で消える可能性がある場合は、まず投稿詳細、次にプロフィール、最後に周辺コメントの順で保存します。

6.2 ダイレクトメッセージ、チャット、LINE等

DMやチャットは、公開投稿よりも文脈が重要です。切り抜きだけだと、相手から「前後の流れが違う」と反論されやすくなります。

保存するもの ―

  • 会話一覧で相手のアカウント名又は電話番号が見える画面。
  • 会話スレッドの冒頭、問題メッセージ、前後のやり取り。
  • 送受信日時が表示される画面。
  • 相手のプロフィール又は連絡先詳細。
  • 音声、画像、動画、スタンプ、ファイル送信の記録。
  • 既読、未読、送信取消、削除通知がある場合はその画面。
  • 可能であれば、アプリのエクスポート機能やバックアップ機能による履歴。

注意点 ―

  • 長いスレッドは、重なりを持たせて連続撮影します。たとえば前のスクリーンショットの下3分の1が次のスクリーンショットの上3分の1に入るようにします。
  • 自分の返信も隠さず保存します。被害者側の拒否、無反応、警告、相談予定などが重要になることがあります。
  • メッセージを削除しないでください。アプリ上の原本相当データが残っていることが重要です。
  • 相手をブロックすると過去メッセージの閲覧や相手プロフィールの確認が難しくなる場合があります。危険度と相談しながら判断します。

6.3 メール

メールは、スクリーンショットよりも「原本形式」での保存が重要です。メールヘッダーには、送信経路、送信時刻、メールサーバー情報など、技術的な検証に役立つ情報が含まれる場合があります。

保存するもの ―

  • メール本文のスクリーンショット。
  • 送信者、受信者、件名、送受信日時。
  • 添付ファイル。
  • メールの原本ファイル。.eml.msg、メールクライアントのエクスポート形式など。
  • フルヘッダー。Gmail、Outlook等では「メッセージのソース」「オリジナルを表示」「インターネットヘッダー」などの機能で確認できる場合があります。
  • メールサービスのログイン通知、迷惑メール判定、転送設定、フィルタ設定変更の通知。

注意点 ―

  • 転送メールだけでは原本性が弱くなることがあります。原本メールを保存します。
  • 添付ファイルは不用意に開かず、マルウェアの可能性がある場合は専門家に相談します。
  • 相手のメールに返信して挑発しないでください。

6.4 画像・動画・音声

画像、動画、音声は、名誉毀損、性的羞恥心の侵害、脅迫、なりすまし、プライバシー侵害の中心証拠になることがあります。

保存するもの ―

  • 投稿ページ又は送信画面で画像・動画・音声が表示されている状態。
  • ファイルそのもの。保存できる場合は原本相当のファイルを保存します。
  • URL、投稿日時、投稿者、ファイル名、サムネイル、再生時間。
  • 動画の場合は、再生画面の録画。冒頭、問題箇所、投稿者情報、URLがわかるようにします。
  • 画像のEXIF等のメタデータ。ただしSNSにアップロードされた画像はメタデータが削除されていることが多いです。

注意点 ―

  • 性的画像、未成年者の画像、裸・下着画像、私的な身体画像は、共有・転送・クラウドアップロードに慎重になる必要があります。証拠保全目的であっても、拡散と評価されないよう、弁護士・警察に早めに相談します。
  • 画像をSNS上で「証拠」として再投稿するのは避けてください。被害拡大や二次加害、名誉毀損、プライバシー侵害の問題になり得ます。
  • モザイク版は作業用コピーとして作り、原本相当データはそのまま保管します。

6.5 通話、留守番電話、音声メッセージ

通話や音声は、脅迫、強要、執拗な連絡、拒否後の連続接触を示す証拠になり得ます。

保存するもの ―

  • 着信履歴。相手番号、非通知、着信日時、回数がわかる画面。
  • 留守番電話、ボイスメッセージ、音声ファイル。
  • 通話内容メモ。録音がない場合でも、通話直後に日時、発言内容、通話時間、同席者、精神的影響を記録します。
  • 電話会社の通話明細。必要に応じて取得を検討します。

注意点 ―

  • 録音の可否や利用方法は事案によって評価が変わります。自分が当事者である会話の録音であっても、公開・拡散は別問題です。証拠として使う前に弁護士に相談するのが安全です。
  • 相手と長時間会話して証拠を取ろうとすると、危険やストレスが増えます。会話を続けること自体を目的化しないでください。

6.6 位置情報、GPS、紛失防止タグ、監視アプリ

位置情報を使った被害は、ネット上の嫌がらせと現実の危険が結びつくため、特に慎重な対応が必要です。

保存するもの ―

  • 「不明なタグがあなたと一緒に移動しています」などの端末通知。
  • 位置情報アプリの共有設定画面。
  • GPS機器、紛失防止タグ、車両・鞄・自転車・衣類に取り付けられた物の写真。
  • 発見場所、発見日時、発見者。
  • 触った人、移動した人、保管場所。
  • 相手から「見ている」「今どこにいる」「帰宅したね」など監視を示すメッセージ。

注意点 ―

  • 不審な機器を発見した場合、むやみに分解・初期化・破壊しないでください。指紋、シリアル番号、通信情報、設置状況が失われる可能性があります。
  • 身体の危険がある場合は、証拠写真を撮った上で警察に相談します。状況によっては写真撮影より避難が優先です。

6.7 なりすまし、偽アカウント、アカウント乗っ取り

なりすましや乗っ取りでは、被害者本人が投稿していないこと、第三者が本人を装っていること、周囲に誤認が生じていることを示す必要があります。

保存するもの ―

  • 偽アカウントのプロフィール、URL、ID、アイコン、自己紹介。
  • 本人の写真、氏名、勤務先、学校名などが無断利用されている箇所。
  • 偽アカウントからの投稿、DM、フォロー、コメント。
  • 周囲から届いた問い合わせや被害報告。
  • 本物のアカウント情報との対比。
  • ログイン通知、パスワード変更通知、二要素認証通知、復旧メール。

注意点 ―

  • 偽アカウントに直接抗議すると、証拠削除や被害拡大につながることがあります。
  • 本人確認書類を相手に送らないでください。プラットフォームの正式な本人確認手続以外に、免許証や学生証を送るのは危険です。

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Section 07

ネットストーカーの証拠保全でスクリーンショットの実務標準

第三者が検証できる保存方法を整理します。

7.1 良いスクリーンショットの条件

良いスクリーンショットは、本文が読めるだけでなく、「どのページの、誰の、いつの投稿か」がわかります。

チェック項目 ―

  • 投稿本文が読める。
  • 投稿者名、ユーザーID、アカウントURL又はプロフィールへの導線が見える。
  • 投稿日時又は送信日時が見える。
  • ブラウザのURL欄又はアプリ上の投稿リンクが確認できる。
  • 端末又は画面上の保存日時がわかる。
  • 画像・動画・コメント・引用がある場合は、その関係がわかる。
  • 画面を切り取りすぎていない。
  • 保存直後のファイルを加工していない。

7.2 PCでの撮影

PCでSNSや掲示板を開ける場合は、スマートフォンよりもURLを含めた保存がしやすくなります。

推奨手順 ―

  1. ブラウザで投稿詳細ページを開く。
  2. URL欄、投稿者、投稿日時、投稿本文が同時に見えるようにする。
  3. 画面全体のスクリーンショットを撮る。
  4. 投稿URLをコピーし、テキストファイルに保存する。
  5. ブラウザの印刷機能でPDF保存する。可能であればヘッダー・フッターにURL、ページタイトル、印刷日時が入るよう設定する。
  6. 投稿者プロフィールページも同様に保存する。
  7. 必要に応じて画面録画で、URL入力又はリンククリックから投稿表示までを記録する。

7.3 スマートフォンでの撮影

スマートフォンでは、アプリ画面だけではURLが表示されないことがあります。

推奨手順 ―

  1. 投稿の共有メニューから「リンクをコピー」し、メモアプリ等に貼り付ける。
  2. 投稿詳細画面のスクリーンショットを撮る。
  3. 相手プロフィールのスクリーンショットを撮る。
  4. 可能であれば、ブラウザで投稿URLを開き、URL欄が見える状態でスクリーンショットを撮る。
  5. 長いDMは、重なりを持たせて連続撮影する。
  6. 画面収録機能を使い、会話一覧から問題メッセージ、プロフィールまでを連続して録画する。

7.4 長いスレッドの保存

長いスレッドでは、途中のスクリーンショットが抜けると、文脈が争われることがあります。

  • 1枚目の下部と2枚目の上部が重なるように撮る。
  • 各スクリーンショットに証拠番号を付ける。
  • スレッド全体の開始日、終了日、相手の名前、拒否の意思表示が含まれる箇所を残す。
  • 重要箇所だけでなく、前後の数メッセージも保存する。
  • 最後に、全体の時系列表を作成する。

7.5 画面録画の使い方

画面録画は、スクリーンショットの補助として有効です。特に、動的に表示されるSNS、動画、ストーリーズ、消えるメッセージ、長いスレッドでは、画面録画が文脈を示します。

録画で残すとよい流れ ―

  1. 端末の日付・時刻が見える画面。
  2. ブラウザ又はアプリを開く画面。
  3. 投稿URL又はプロフィールURLを開く操作。
  4. 問題投稿又はメッセージの表示。
  5. 投稿者プロフィール、ユーザーID、投稿日時。
  6. コメント欄、引用元、関連投稿。
  7. 録画終了後、ファイル名と証拠番号を付ける。

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Section 08

ネットストーカーの証拠保全でハッシュ値と保管履歴の付け方

第三者が検証できる保存方法を整理します。

8.1 ハッシュ値を取る理由

ハッシュ値は、「保存したファイルがその後変更されていない」と説明する補助資料になります。裁判や警察相談で必ず要求されるとは限りませんが、重要な証拠では取得しておく価値があります。

8.2 WindowsでSHA-256を取得する例

PowerShellで次のように実行します。

Get-FileHash "C:\Evidence\E001_2026-04-26_2215_X_post_profile_screenshot.png" -Algorithm SHA256

出力されたハッシュ値を証拠ログに貼り付けます。

8.3 macOSでSHA-256を取得する例

ターミナルで次のように実行します。

shasum -a 256 "/Users/yourname/Evidence/E001_2026-04-26_2215_X_post_profile_screenshot.png"

8.4 証拠ログの例

次の比較表は、この章の情報を項目ごとに整理したものです。相談や判断で使いやすくするため、左から順に各列の対応関係を確認してください。

証拠番号保存日時発生日時媒体種類URL/識別子内容要約保存者ファイル名SHA-256備考
E0012026-04-26 22:152026-04-26 21:58X投稿スクショ投稿URL自宅住所を示唆する投稿本人E001_...pngabc...URL欄あり
E0022026-04-26 22:172026-04-26 21:58XプロフィールアカウントURL投稿者プロフィール本人E002_...pngdef...ID確認
E0032026-04-26 22:202026-04-20〜26DM会話履歴スレッド拒否後の連続連絡本人E003_...mp4ghi...画面録画

8.5 保管履歴の例

次の比較表は、この章の情報を項目ごとに整理したものです。相談や判断で使いやすくするため、左から順に各列の対応関係を確認してください。

日時操作対象証拠実施者保存先・提出先備考
2026-04-26 22:30原本相当データ取得E001〜E006本人PC内Evidenceフォルダ未加工
2026-04-26 22:45外付けSSDへコピーE001〜E006本人暗号化SSDSHA-256一致確認
2026-04-27 10:00弁護士相談用に提出E001〜E006、時系列表本人法律事務所メール添付ではなく安全な共有
2026-04-27 14:00警察相談に持参印刷物、USB本人最寄り警察署担当者名を記録

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Section 09

ネットストーカーの証拠保全で時系列表の作り方

第三者が検証できる保存方法を整理します。

ネットストーカー被害では、「どの投稿が違法か」だけでなく、「どれだけ継続・反復しているか」「拒否後に続いているか」「現実の危険と結びついているか」が重要です。時系列表は、弁護士・警察・裁判所に全体像を伝えるための中核資料です。

次の比較表は、この章の情報を項目ごとに整理したものです。相談や判断で使いやすくするため、左から順に各列の対応関係を確認してください。

番号日時場所・媒体相手行為自分の対応証拠番号危険度備考
12026-04-01 20:12LINE元交際相手復縁要求返信せずE010以前から継続
22026-04-03 08:10X同一人物と思われる匿名垢勤務先名を投稿スクショ保存E011プロフィールに本人写真の一部
32026-04-10 23:45DM匿名垢「家に行く」と送信家族に共有、警察相談検討E012住所を知っている可能性
42026-04-15 07:30自宅周辺不明不審車両写真、メモE013SNS投稿と時刻が近い

時系列表では、推測と事実を分けて書きます。「相手はA氏である」と断定できない場合は、「A氏の可能性がある」「A氏しか知らない情報が投稿されている」「A氏の口癖と一致」など、根拠を分けて記載します。

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Section 10

ネットストーカーの証拠保全で弁護士に相談する前に準備する資料

第三者が検証できる保存方法を整理します。

弁護士相談では、限られた時間で全体像を説明する必要があります。次の資料を用意すると相談が進みやすくなります。

10.1 1ページ要約

  • 被害者の氏名、連絡先。
  • 相手がわかる場合は相手の氏名、住所、勤務先、関係性。不明の場合は不明と記載。
  • 被害開始時期。
  • 主な媒体。X、Instagram、LINE、メール、掲示板、YouTube、口コミサイトなど。
  • もっとも危険な投稿・メッセージ3〜5件。
  • 希望する対応。警察相談、連絡停止、削除、相手特定、損害賠償、告訴、保護命令・警告・禁止命令に関する相談など。
  • 既に行った対応。通報、ブロック、削除依頼、警察相談、学校・職場相談、家族共有など。

10.2 証拠一覧

証拠番号、ファイル名、内容要約、URL、日時、保存場所を一覧化します。弁護士が投稿の違法性、発信者情報開示の見込み、削除請求の方法、警察への説明方針を判断しやすくなります。

10.3 優先度の高い証拠

すべてのスクリーンショットを最初から大量に見せるより、まず次の証拠を優先します。

  • 脅迫、暴力示唆、住居・職場への接近を示すもの。
  • 住所、電話番号、勤務先、学校、家族、性的情報の暴露。
  • 拒否後の連続連絡。
  • 匿名投稿者を特定したい投稿のURLと投稿日時。
  • なりすましアカウントのプロフィールと投稿。
  • GPS・位置情報・監視を示す通知やメッセージ。
  • 実害。欠勤、転居、通院、勤務先連絡、家族への連絡、売上低下など。

10.4 弁護士に確認する質問例

  • この事案で警察相談、被害届、告訴を検討すべきか。
  • ストーカー規制法、脅迫、名誉毀損、侮辱、プライバシー侵害、性的画像関連のどれが問題になり得るか。
  • 削除依頼を先に行うべきか、ログ保全要請や発信者情報開示を先に検討すべきか。
  • 発信者情報開示の期限感はどの程度か。
  • プラットフォームが海外事業者の場合、どの手続が現実的か。
  • 相手に内容証明郵便を送るべきか、送ると危険が増すか。
  • 職場、学校、家族にどこまで共有すべきか。
  • 証拠の追加保全として、公証、専門業者、端末解析が必要か。

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Section 11

ネットストーカーの証拠保全で警察へ相談する際の整理方法

第三者が検証できる保存方法を整理します。

警察相談では、危険性、緊急性、反復性、相手の特定可能性、現実世界との接点を明確に伝えます。

持参・提示するとよいもの ―

  • 1ページ要約。
  • 時系列表。
  • 重要証拠の印刷物。URL、投稿日時、投稿者、内容が見えるもの。
  • スマートフォン本体。DMや着信履歴が残っている場合。
  • USB等のデータ媒体。可能なら原本相当データと作業用コピーを分ける。
  • 相手の氏名、住所、勤務先、車両情報、過去の暴力・脅迫の有無。
  • 住所を知られた経緯、鍵、合鍵、位置情報共有、共通の知人。
  • 被害による生活上の支障。外出困難、転居、欠勤、通院、睡眠障害など。

説明では、「怖い」だけでなく、「いつ、どの媒体で、どのような文言があり、現実のどの危険につながっているか」を具体的に伝えます。

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Section 12

ネットストーカーの証拠保全でプラットフォーム通報・削除依頼の前に確認すること

第三者が検証できる保存方法を整理します。

削除依頼は被害拡大を止めるために重要ですが、発信者特定を希望する場合は順序が問題になります。

通報前の確認項目 ―

  • 投稿URLを保存したか。
  • 投稿本文、画像、動画、コメントを保存したか。
  • 投稿者プロフィールを保存したか。
  • 投稿日時が見える証拠を保存したか。
  • 発信者情報開示を検討する必要があるか。
  • ログ保全要請を検討したか。
  • 弁護士に相談する緊急性があるか。
  • 通報後に自分が相手投稿を閲覧できなくなる可能性があるか。

通報時には、プラットフォームに提出した内容、受付番号、送信日時、自動返信メール、対応結果、削除通知を保存します。これらも重要な証拠です。

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Section 13

ネットストーカーの証拠保全でよくある失敗と避け方

第三者が検証できる保存方法を整理します。

次の一覧は、証拠価値や安全性を下げやすい失敗例をまとめたものです。URL不足、加工、通報後の閲覧不能、相手への反論、推測の断定、SNS公開の順に確認してください。

URLのない画像だけ残す

投稿本文だけでは所在が争われやすくなります。

画像を加工する

加工は作業用コピーで行い、原本相当データを残します。

通報後に閲覧できない

通報やブロックの前に保存します。

相手に反論して増やす

証拠目的のやり取りは危険を増やす場合があります。

推測を断定する

可能性と根拠を分けて書きます。

13.1 URLのないスクリーンショットだけを残す

投稿本文だけの画像は、どのサイトのどの投稿かが争われやすくなります。必ずURL、投稿ID、投稿日時、投稿者プロフィールを一緒に保存します。

13.2 スクリーンショットを加工してしまう

赤枠、モザイク、トリミング、明度調整、結合は作業用コピーで行います。原本相当データは未加工で保存します。

13.3 通報・ブロック後に証拠が見られなくなる

通報やブロックの前に保存します。緊急でブロックした場合でも、可能な範囲で残っている通知、メール、通報履歴を保存します。

13.4 相手に反論して会話を増やす

証拠を増やすために相手とやり取りするのは危険です。拒否の意思を一度明確に伝える必要がある場合でも、余計な議論は避け、以後は保存と相談に切り替えます。

13.5 推測を事実のように書く

「Aが投稿した」と断定できない場合は、「Aの可能性がある」「Aしか知らない情報が含まれる」「Aの過去発言と一致する」と分けて書きます。弁護士・警察・裁判所にとって、推測と事実の区別は重要です。

13.6 証拠をSNSで公開する

「証拠」として相手の投稿、氏名、住所、画像、DMを公開すると、逆に名誉毀損、プライバシー侵害、二次拡散の問題が生じる可能性があります。証拠は、警察、弁護士、裁判所、プラットフォームなど必要な相手に限定して共有します。

13.7 性的画像を不用意に転送する

性的画像や私的画像は、証拠保全目的であっても取扱いを誤ると二次被害を拡大します。保存は最小限、共有は弁護士・警察等に限定し、一般のクラウドやチャットに拡散しないよう注意します。

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Section 14

ネットストーカーの証拠保全で特殊ケース別の注意点

第三者が検証できる保存方法を整理します。

14.1 未成年者が被害者の場合

未成年者が被害者の場合、保護者、学校、警察、児童相談関係機関、弁護士が早期に連携することが望まれます。本人だけに証拠保全を任せると、精神的負担が大きく、相手との接触が続く危険があります。

注意点 ―

  • 本人の端末を叱責目的で取り上げるだけでは証拠が消えることがあります。
  • 性的画像・裸画像・下着画像が含まれる場合は、保存・共有方法を慎重に判断します。
  • 学校内の人間関係が関係する場合でも、学校内対応だけで完結させず、危険度に応じて警察・弁護士に相談します。

14.2 勤務先・事業者が被害を受ける場合

従業員、役員、店舗、企業アカウントがネットストーカー的な嫌がらせを受ける場合、個人被害と企業被害が混在します。

企業側で行うこと ―

  • 証拠保全担当者を限定する。
  • 社内で証拠を閲覧できる人を最小限にする。
  • 公式SNS担当者が個人判断で返信しない。
  • 法務、広報、人事、情報システム、顧問弁護士で対応方針を統一する。
  • 従業員の個人情報、家族情報、勤務シフト、居住地が漏えいしていないか確認する。
  • 社内ログ、問い合わせフォーム、メール、通話録音、来店記録、防犯カメラ映像の保存期限を確認する。

14.3 海外プラットフォームの場合

海外プラットフォームでは、表示言語、利用規約、通報フォーム、データ保存、発信者情報開示、管轄、送達、翻訳が問題になります。

保存すべき情報 ―

  • 英語表記のアカウントURL、投稿URL。
  • 投稿時刻とタイムゾーン。
  • プラットフォームからの自動返信メール。
  • 通報フォームに入力した内容。
  • 削除・凍結通知。
  • 国内外のどのユーザーに見られる投稿か。

発信者情報開示や削除仮処分を考える場合は、海外事業者対応に経験のある弁護士へ早めに相談します。

14.4 消える投稿・ストーリーズ・ライブ配信

短時間で消える投稿は、発見時点で保存しないと後から確認できません。

  • 画面録画を優先する。
  • 端末日時が見える状態から録画を開始する。
  • 投稿者プロフィール、投稿内容、閲覧時刻、関連リンクを残す。
  • 録画後すぐにファイル名と証拠番号を付ける。
  • 可能なら第三者に同時確認してもらい、確認者のメモを残す。ただし不必要に拡散しない。

14.5 個人情報の晒し、ドクシング

住所、電話番号、メールアドレス、勤務先、学校、家族情報、写真、免許証、診療情報などが晒された場合は、被害拡大防止が急務です。

保存するもの ―

  • 掲載された個人情報の内容。
  • 掲載ページURL。
  • 投稿者、投稿日時。
  • 拡散先、引用、リポスト。
  • それによって届いた電話、メール、DM、来訪、注文、嫌がらせ。
  • 削除依頼・通報履歴。

安全対策として、電話番号変更、SNS公開範囲の見直し、勤務先・学校・家族への注意喚起、郵便物・宅配への注意、住居周辺の防犯、警察相談を検討します。

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Section 15

ネットストーカーの証拠保全で証拠提出用の整え方

第三者が検証できる保存方法を整理します。

証拠を提出する際は、相手に合わせて形を変えます。

15.1 弁護士向け

  • 原本相当データ。
  • 証拠一覧表。
  • 時系列表。
  • 重要証拠の印刷又はPDF。
  • 希望する対応と期限感。
  • 既に通報・削除依頼した場合はその履歴。

15.2 警察向け

  • 危険性が高い証拠を先頭に置く。
  • 住所・職場・家族・身体危険に関する文言を明確に示す。
  • 反復性を示す時系列表を付ける。
  • スマートフォン本体に残っている原本相当データを消さない。
  • 印刷物にはURL、日時、証拠番号を手書き又は別紙で対応させる。

15.3 プラットフォーム向け

  • 対象URLを正確に列挙する。
  • どの規約違反かを簡潔に説明する。嫌がらせ、脅迫、なりすまし、個人情報、性的画像、ヘイト、スパムなど。
  • 自分が被害者本人であることを説明する。
  • 削除だけでなく、なりすまし停止、検索結果からの除外、再投稿対策が必要かを整理する。
  • 受付番号、返信、結果を保存する。

15.4 裁判所・発信者情報開示向け

裁判所向けの資料は弁護士が整えるのが通常ですが、被害者側で準備する証拠は、URL、投稿日時、投稿内容、アカウント識別、権利侵害の内容、発信者情報開示を受ける必要性の説明に直結します。匿名アカウントの場合、投稿URLと日時の正確性が特に重要です。

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Section 16

ネットストーカーの証拠保全で実務テンプレート

第三者が検証できる保存方法を整理します。

16.1 証拠保全チェックリスト

## 証拠保全チェックリスト

- [ ] 身体の危険がある場合、110番又は警察相談を優先した。
- [ ] 問題投稿・メッセージのスクリーンショットを保存した。
- [ ] URL又は投稿リンクをテキストで保存した。
- [ ] 投稿者プロフィール、ユーザーID、アカウントURLを保存した。
- [ ] 投稿日時・送信日時が見える画面を保存した。
- [ ] 長いスレッドは重なりを持たせて保存した。
- [ ] 画像・動画・音声の原本相当データを保存した。
- [ ] メールは.eml等の原本形式とヘッダーを保存した。
- [ ] 証拠番号とファイル名を付けた。
- [ ] 証拠ログに保存日時、発生日時、URL、内容要約を記録した。
- [ ] 重要ファイルのSHA-256ハッシュ値を記録した。
- [ ] 原本相当データを加工していない。
- [ ] バックアップを2か所以上に保存した。
- [ ] 通報・削除依頼の前に発信者情報開示やログ保全の要否を検討した。
- [ ] 弁護士・警察に相談するための1ページ要約を作成した。

16.2 相談用1ページ要約テンプレート

# ネットストーカー被害 相談用要約

作成日 ― 
作成者 ― 

## 1. 被害者
氏名 ― 
連絡先 ― 
住所又は生活圏への危険 ― あり / なし / 不明

## 2. 相手方
氏名 ― 
アカウント名・URL ― 
関係性 ― 
相手方住所・勤務先 ― 
不明点 ― 

## 3. 被害の概要
開始時期 ― 
主な媒体 ― 
主な行為 ― 
もっとも危険な投稿・メッセージ ― 

## 4. 希望する対応
安全確保 ― 
削除 ― 
連絡停止 ― 
相手特定 ― 
損害賠償 ― 
刑事処罰 ― 
その他 ― 

## 5. 既に行った対応
ブロック ― 
通報 ― 
削除依頼 ― 
警察相談 ― 
弁護士相談 ― 
勤務先・学校・家族への共有 ― 

## 6. 証拠
証拠一覧表 ― あり / なし
時系列表 ― あり / なし
最重要証拠番号 ― 

16.3 ログ保全要請を検討する際の整理メモ

# ログ保全要請 検討メモ

対象プラットフォーム ― 
対象URL ― 
投稿日時 ― 
投稿者アカウントURL ― 
権利侵害の種類 ― 名誉毀損 / 侮辱 / プライバシー侵害 / 肖像権 / 性的画像 / なりすまし / その他
削除依頼の予定 ― あり / なし / 未定
発信者情報開示の希望 ― あり / なし / 未定
弁護士相談予定 ― 
緊急性 ― 高 / 中 / 低
備考 ― 

このメモは、プラットフォームへそのまま送る文面ではありません。弁護士相談時に、削除依頼とログ保全の順序を検討するための整理資料です。

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Section 17

ネットストーカーの証拠保全で相談先の使い分け

第三者が検証できる保存方法を整理します。

17.1 警察

身体の危険、脅迫、つきまとい、位置情報追跡、住居・職場への接近、性的画像、連続した連絡、名誉を害する投稿、現実世界の危険がある場合は警察相談が重要です。緊急の場合は110番、緊急ではないが警察に相談したい場合は#9110、又は最寄りの警察署に相談します。

17.2 弁護士

匿名投稿者を特定したい、削除請求をしたい、発信者情報開示を検討したい、相手に警告書を送りたい、損害賠償を請求したい、告訴状を作成したい、職場・学校・家族対応を整理したい場合は、弁護士相談が有効です。弁護士に相談するときは、証拠一覧、時系列表、最重要証拠を準備します。

17.3 法テラス

法テラスは、犯罪被害者支援、弁護士紹介、法律相談、費用援助に関する制度を案内しています。ストーカー、DV、児童虐待等の被害を受けている方に対し、資力要件等に応じた法律相談援助が用意されています。弁護士に心当たりがない場合や費用面が不安な場合は、法テラスの犯罪被害者支援窓口を確認します。

17.4 違法・有害情報相談センター、法務省人権相談、誹謗中傷ホットライン

インターネット上の誹謗中傷、プライバシー侵害、個人情報の晒し、なりすましなどでは、総務省関係の違法・有害情報相談センター、法務省の人権相談、セーファーインターネット協会の誹謗中傷ホットラインなども選択肢になります。これらは、削除依頼の方法、相談窓口、プロバイダ等への連絡、発信者情報開示の基本情報を整理するうえで有用です。

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Section 18

ネットストーカーのよくある質問

第三者が検証できる保存方法を整理します。

スクリーンショットだけで証拠になりますか。

一般的には、スクリーンショットは重要な証拠になり得ます。ただし、それだけで常に十分とは限りません。URL、投稿日時、投稿者プロフィール、アカウントID、前後文脈、保存日時、原本相当データ、画面録画、メール原本、時系列表などを組み合わせると説明力が高まります。

投稿削除と相手特定はどちらを先に考えますか。

一般的には、被害拡大を止めるため削除は重要です。ただし、匿名投稿者の特定を希望する場合、削除によってログや投稿情報が失われる可能性があります。身体の危険や性的画像拡散など緊急性が高い場合を除き、証拠保存、ログ保全、発信者情報開示の要否を弁護士に相談する必要があります。

友人に証拠を送って確認してもらってもよいですか。

一般的には、共有は必要最小限にとどめるべきです。特に、性的画像、住所、電話番号、勤務先、家族情報、未成年者の情報が含まれる場合、共有自体が二次被害につながる可能性があります。相談先は、警察、弁護士、法テラス、専門相談機関に絞るのが安全です。

Section 19

まとめ ― ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法の核心

第三者が検証できる保存方法を整理します。

ネットストーカーの証拠を適切に保全する方法の核心は、次の5つです。

  1. 安全を最優先すること。 証拠収集のために相手と接触しない。危険があれば警察へ相談する。
  2. 削除・通報・ブロックの前に保存すること。 URL、投稿日時、投稿者、内容、プロフィール、周辺文脈を残す。
  3. 原本相当データを未加工で保存すること。 加工、マーキング、モザイク、翻訳、要約は作業用コピーで行う。
  4. 時系列と保管履歴を記録すること。 反復性、拒否後の継続、現実世界の危険、生活への影響を説明できるようにする。
  5. 早期に専門機関へ相談すること。 匿名投稿者の特定、削除請求、ログ保全、刑事告訴、損害賠償、性的画像、未成年者、位置情報追跡は、時間と専門判断が重要である。

証拠保全は、被害者が「一人で戦う」ための作業ではありません。警察、弁護士、法テラス、相談機関、プラットフォーム、家族・職場・学校などの支援につなげるための準備です。完璧な証拠を集めようとして危険を増やすのではなく、最低限の情報を早く、正確に、安全に残し、必要な専門家へつなげることが、実務上もっとも重要です。

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Reference

ネットストーカーの参考資料

公的情報・法令・相談機関

  • 警察庁「ストーカー被害を未然に防ぐことを目的とした情報発信ポータルサイト」
  • 警視庁「ストーカー規制法」
  • 内閣府男女共同参画局「ストーカー総合対策」
  • e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」
  • e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」
  • 警察庁「インターネット上の誹謗中傷等への対応」
  • 東京地方裁判所「発信者情報開示命令申立て」
  • 違法・有害情報相談センター「相談受付について」
  • 法テラス「犯罪被害者支援業務」
  • 日本公証人連合会「事実実験公正証書」
  • ISO/IEC 27037:2012 Guidelines for identification, collection, acquisition and preservation of digital evidence
  • NIST SP 800-86 Guide to Integrating Forensic Techniques into Incident Response