2σ Guide

ストーカー規制法で禁止される
行為の具体例

つきまとい、待ち伏せ、監視告知、連続連絡、名誉侵害、性的羞恥心侵害、GPS・紛失防止タグによる位置情報取得まで、条文構造と実務上の判断ポイントを整理します。

2群規制対象の大枠
8類型つきまとい等
2025年タグ規制改正
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ストーカー規制法で禁止される 行為の具体例

つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。

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ストーカー規制法で禁止される 行為の具体例
つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。
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  • ストーカー規制法で禁止される 行為の具体例
  • つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。

POINT 1

  • ストーカー規制法で禁止される行為の具体例の全体像
  • つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。
  • 目的が限定される
  • 本人以外も対象になり得る
  • 反復が重要になる

POINT 2

  • ストーカー規制法の用語と処罰の関係
  • 目的
  • 交際したい、復縁したい、好意を受け入れてほしい、拒絶された恨みを晴らしたいなどの感情が中心になります。
  • 相手方
  • 本人だけでなく、配偶者、直系・同居の親族、社会生活上密接な関係者に対する行為も問題になり得ます。

POINT 3

  • ストーカー規制法で禁止されるつきまとい等8類型
  • 待ち伏せ、監視告知、連続連絡、名誉侵害、性的羞恥心侵害まで整理します。
  • つきまとい等の8類型は、現実の接近からオンライン上の名誉侵害や性的画像まで広がります。
  • 具体例を見ると、場所や手段が違っても「相手の自由や平穏を脅かす」という共通点があります。
  • 1回だけか、毎日・毎週続くのか、手段が変わって継続しているのかを記録します。

POINT 4

  • GPS・スマートフォン・紛失防止タグによる位置情報取得
  • 1. GPS機器等への対応
  • 2. 紛失防止タグへの対応
  • 3. 職権での警告
  • 4. 勤務先・学校の支援努力義務:被害者を雇用する者や、被害者が就学する学校の長が、被害者への援助に係る努力義務の主体に追加されました。
  • 5. 所在地情報提供への対策

POINT 5

  • ストーカー規制法のグレーゾーンと判断演習
  • 事例A ― 毎日DM
  • 拒否後に毎日DMを送り、ブロック後も別アカウントから送る場合、拒否後の連続連絡や面会・交際要求に当たり得ます。
  • 事例B ― 職場前で待つ
  • 職場の出入口で待ち「話すまで帰らない」と言う場合、待ち伏せ、見張り、面会要求に当たり得ます。

POINT 6

  • ストーカー規制法の相談前に残す証拠と避ける対応
  • 被害者側の証拠保全と、指摘された側の接触停止を整理します。
  • 証拠メモの書式例
  • まず接触を停止する
  • 正当な連絡は第三者経由へ

POINT 7

  • 勤務先・学校・家族の対応と他法令との関係
  • 情報非開示、来訪対応、刑法・民法・DV防止法などを横断して見ます。
  • 家族・友人
  • 勤務先、学校、家族は、本人の安全と個人情報保護を両立する必要があります。
  • ストーカー事案では、ストーカー規制法だけでなく複数の法令や制度が同時に問題になります。

POINT 8

  • ストーカー規制法のよくある質問
  • 好意目的、拒否、SNS、位置情報、警察相談を一般情報として整理します。
  • 相手が「好きだからやった」と言えば、むしろ当たりやすいのですか。
  • 連絡を拒否していない場合でも問題になりますか。
  • ブロック後に別アカウントから連絡するのは危険ですか。

まとめ

  • ストーカー規制法で禁止される 行為の具体例
  • ストーカー規制法で禁止される行為の具体例の全体像:つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。
  • ストーカー規制法の用語と処罰の関係:禁止される行為、警告・禁止命令、罰則の段階を確認します。
  • ストーカー規制法で禁止されるつきまとい等8類型:待ち伏せ、監視告知、連続連絡、名誉侵害、性的羞恥心侵害まで整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

ストーカー規制法で禁止される行為の具体例の全体像

つきまとい等と位置情報無承諾取得等の2群から整理します。

ストーカー規制法で禁止される行為の具体例は、大きく「つきまとい等」と「位置情報無承諾取得等」の2群に分けて理解すると整理しやすくなります。反復される場合には、刑事罰の対象となるストーカー行為として扱われる可能性があります。

次の比較表は、ストーカー規制法の規制対象を2群に分けたものです。読者が自分の被害や相談内容を分類するために重要で、左列の大分類、中央の内容、右列の典型例を対応させて読み取ってください。

大分類内容典型例
つきまとい等相手やその身近な人に対し、恋愛感情・好意感情又はそれが満たされなかったことへの怨恨感情を充足する目的で行う行為類型尾行、待ち伏せ、押し掛け、監視告知、面会・交際要求、乱暴な言動、連続電話・連続メッセージ、汚物等送付、名誉侵害、性的羞恥心侵害
位置情報無承諾取得等相手の承諾なく、GPS機器等や紛失防止タグ等を利用して位置情報を取得したり、相手の所持品に取り付けたりする行為車にGPSを付ける、バッグに紛失防止タグを入れる、スマートフォンの位置情報アプリを無断利用する、タグ付きの物をひそかに渡す

全体像をつかむうえでは、行為の種類だけでなく、目的、相手方、反復性、不安を覚えさせる態様も重要です。次の重要ポイントは、相談時に確認されやすい観点をまとめたもので、行為名だけで結論が決まるわけではないことを読み取ってください。

Purpose

目的が限定される

恋愛感情、好意感情、又はそれが満たされなかったことへの怨恨感情が中心になります。

Target

本人以外も対象になり得る

本人の家族、同居人、勤務先・学校関係者、新しい交際相手への行為も問題になり得ます。

Repeat

反復が重要になる

同じ方法でなくても、SNS、待ち伏せ、職場電話、位置情報取得が継続すれば反復性が問題になります。

安全優先身の危険を感じる場合は、法的な分類を調べ続けるよりも先に110番又は最寄りの警察署への相談が優先される対応とされています。
Section 01

ストーカー規制法の用語と処罰の関係

禁止される行為、警告・禁止命令、罰則の段階を確認します。

ストーカー規制法では、日常語のストーカーと法律上の用語が異なります。次の表は、つきまとい等、位置情報無承諾取得等、ストーカー行為を区別したもので、警告・禁止命令・処罰の前提となる用語の違いを読み取ってください。

用語法的な意味
つきまとい等法2条1項に列挙された行為。恋愛感情・好意感情又はそれが満たされなかったことへの怨恨感情を充足する目的が必要です。
位置情報無承諾取得等法2条3項の行為。GPS機器等・紛失防止タグ等による位置情報取得や取り付け等が問題になります。
ストーカー行為同一の者に対し、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を反復してすることです。一定類型では、不安を覚えさせるような方法であることも必要です。

禁止される行為と処罰の関係は段階的に理解する必要があります。次の表は罰則の概要を整理したもので、禁止命令等に違反した場合は通常のストーカー行為より重く扱われ得る点を読み取ってください。

類型罰則の概要
ストーカー行為1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金
禁止命令等に違反した場合6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

成立判断では、行為名だけではなく複数の軸を組み合わせて検討します。次の一覧は5つの判断軸を整理したもので、目的、相手方、行為類型、不安、反復を一つずつ確認する読み方をしてください。

目的

交際したい、復縁したい、好意を受け入れてほしい、拒絶された恨みを晴らしたいなどの感情が中心になります。

相手方

本人だけでなく、配偶者、直系・同居の親族、社会生活上密接な関係者に対する行為も問題になり得ます。

行為類型

待ち伏せ、監視告知、面会要求、乱暴な言動、連続連絡、名誉侵害、性的羞恥心侵害、位置情報取得等に当たるかを見ます。

不安要件

身体の安全、住居等の平穏、名誉、行動の自由が害される不安を覚えさせる方法かを検討します。

反復

同じ行為でなくても、同一の相手に対する継続的・反復的な接触や監視が問題になります。

Section 02

ストーカー規制法で禁止されるつきまとい等8類型

待ち伏せ、監視告知、連続連絡、名誉侵害、性的羞恥心侵害まで整理します。

つきまとい等の8類型は、現実の接近からオンライン上の名誉侵害や性的画像まで広がります。次の比較表は、8類型と具体例を一覧化したもので、どの行為がどの類型に近いかを確認するために重要です。

類型禁止される行為に当たり得る具体例実務上の見方
つきまとい・待ち伏せ等通勤路で待つ、自宅や職場前で見張る、進路に立ちふさがる、避難先付近で待つ偶然を装っていても、日時・場所・頻度・他の連絡との組み合わせが重要です。
監視していると告げる行為「今日は青い服だったね」「今、部屋の電気がついたね」などと伝える実際に監視したかだけでなく、監視されていると思わせることが問題になります。
面会・交際等の要求「一度だけ会って」「別れを認めない」「返事をしなければ家に行く」と迫る拒否後の要求や復縁要求は危険サインになり得ます。
乱暴な言動自宅前で怒鳴る、粗暴な内容の電話やメッセージ、深夜のクラクション脅迫、暴行、業務妨害、名誉毀損等と重なることがあります。
無言電話・連続連絡無言電話、深夜・早朝の反復電話、ブロック後の別アカウントDM、職場や家族への連続連絡拒否が明確であるほど、法的評価が重くなりやすいです。
汚物等の送付不快物を郵送する、玄関前や車両に置く、脅し文句を同封する現物、写真、配送伝票、発見日時・場所を保存する必要があります。
名誉を害する行為実名・勤務先・写真を載せた中傷投稿、職場や学校への虚偽連絡名誉毀損、侮辱、削除請求、発信者情報開示と重なることがあります。
性的羞恥心の侵害性的画像の送付、拡散示唆、卑わいな連絡、職場・学校への性的内容の送付リベンジポルノ防止法、脅迫、強要等の問題と重なる可能性があります。

具体例を見ると、場所や手段が違っても「相手の自由や平穏を脅かす」という共通点があります。次の重要ポイントは相談時に説明したい観点を整理したもので、回数、拒否、時間帯、場所、第三者への波及を確認する読み方をしてください。

1

回数と期間

1回だけか、毎日・毎週続くのか、手段が変わって継続しているのかを記録します。

反復
2

拒否の有無

「連絡しないでください」やブロックなど、拒否の意思がどのように示されたかを保存します。

拒否
3

場所と時間帯

自宅、職場、学校、よく行く店、深夜・早朝など、不安が強まりやすい事情を整理します。

場所
4

周囲への波及

家族、勤務先、学校、新しい交際相手への接触や情報取得を記録します。

周囲
悪用防止被害を早期に認識し相談につなげるための整理です。機器の隠し方や追跡の技術的手順など、悪用につながる説明は扱いません。
Section 03

GPS・スマートフォン・紛失防止タグによる位置情報取得

会いに来なくても問題になり得る位置情報の無承諾取得を整理します。

位置情報無承諾取得等は、相手に会いに行かなくても生活の自由を大きく制約します。次の比較表は、GPS、スマートフォン、位置情報アプリ、紛失防止タグの具体例を整理したもので、承諾の有無、同意撤回後の利用、機器の取付けを読み取ってください。

対象・場面禁止される行為に当たり得る具体例
車両相手の車にGPS機器を取り付け、走行場所を把握する。車内や車体付近に紛失防止タグを入れる。
スマートフォン位置情報履歴を無断で閲覧する。端末を勝手に操作し移動履歴を取得する。
位置情報アプリ無断で位置情報共有アプリを入れる。過去の同意を利用し、同意撤回後も位置情報を見続ける。
クラウド機能相手のアカウントに無断ログインし、端末位置を確認する。
バッグ・ポーチ相手の持ち物に紛失防止タグを入れる。
贈り物・共同利用物タグをひそかに取り付けた物を渡す。相手が持ち歩く共用物に装置を付ける。
子どもの荷物相手の行動把握を目的に、子どもの荷物を通じて位置を取得する。
第三者依頼第三者に依頼して機器やタグを取り付けさせる。

紛失防止タグをめぐる改正は、技術の変化に制度が対応した部分です。次の時系列は、GPS機器、紛失防止タグ、警察の警告、勤務先・学校の支援、第三者による所在地情報提供対策の流れを示すもので、どの改正がどの危険に対応しているかを読み取ってください。

令和3年改正

GPS機器等への対応

元交際相手等の車両にGPS機器を取り付ける事案を背景に、GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等が規制対象として整備されました。

令和7年12月30日

紛失防止タグへの対応

紛失防止タグを悪用して所在情報を取得しようとする事案の増加を踏まえ、タグによる位置情報取得や取付け等が規制対象に追加されました。

令和7年改正

職権での警告

被害者本人が恐怖や支配関係により申出しにくい場合でも、警察が事案の危険性を踏まえて対応できる余地が広がったと整理できます。

令和7年改正

勤務先・学校の支援努力義務

被害者を雇用する者や、被害者が就学する学校の長が、被害者への援助に係る努力義務の主体に追加されました。

令和8年3月10日

所在地情報提供への対策

警察本部長等が、所在地情報を提供するおそれのある者に対し、情報提供先がストーカー行為等をするおそれのある者であることを通知し、情報提供を行わないよう求める制度が整備されました。

不審な機器やアラートに気づいた場合は、捨てる前の記録が重要です。次の一覧は発見時の対応を整理したもので、機器、画面、発見場所、過去の発言、警察相談記録を対応させて読み取ってください。

1

発見状況を残す

見つけた日時、場所、車両やバッグ内の位置、スマートフォンのアラート画面を保存します。

記録
2

機器を撮影する

外観、識別できる表示、設置状況を写真で残します。危険物の可能性がある場合は触り過ぎません。

写真
3

過去の発言と結び付ける

相手が移動先を知っているように告げた日時や文面を、位置情報機器の発見と合わせて整理します。

時系列
4

警察へ相談する

自己判断で破棄せず、発見状況を持って警察へ相談します。

相談
Section 04

ストーカー規制法のグレーゾーンと判断演習

1回だけ、元交際相手、SNS閲覧、職場電話、位置情報共有を整理します。

グレーゾーンは、結論を急がず、目的、拒否、反復、危険性、正当な連絡かどうかを分けて考える必要があります。次の比較表はよくある疑問を整理したもので、単純に違法・適法で決めつけず、どの事情が問題を重くするかを読み取ってください。

疑問一般的な整理
1回だけなら問題ないのか1回だけでは反復を要するストーカー行為に当たりにくい場合がありますが、脅迫、住居侵入、名誉毀損、性的画像の拡散などは別途問題になり得ます。
元交際相手なら連絡してよいのか元交際相手であることは連絡の自由を無制限に認める理由にはなりません。拒否後の面会・復縁要求は典型的な問題行為になり得ます。
SNSを見るだけでも問題か公開SNSの閲覧だけで直ちに問題になるとは限りませんが、監視告知、連続接触、名誉侵害、性的画像送付が加わると問題になります。
職場へ電話するのはどうか正当な業務連絡と異なり、本人が拒否しているのに復縁要求、私生活暴露、連続電話をする場合は問題になり得ます。
弁護士や裁判所を通じた連絡はどうか正当な権利行使としての通知や手続は通常異なりますが、法的手続を装って面会や交際を迫る場合は別途問題になり得ます。
以前同意していた位置情報共有はどうか同意の範囲、期間、目的、撤回の有無が重要で、過去の同意で現在の無断取得が常に正当化されるわけではありません。
子どもの安全確認ならよいのか正当な目的がある場合もありますが、元配偶者や元交際相手の位置把握や待ち伏せにつながる場合は問題になり得ます。

具体例を短く検討すると、どの事情が重視されるかが見えやすくなります。次の一覧は5つの事例を並べたもので、拒否、反復、場所、位置情報、名誉・性的画像の被害を読み取ってください。

事例A ― 毎日DM

拒否後に毎日DMを送り、ブロック後も別アカウントから送る場合、拒否後の連続連絡や面会・交際要求に当たり得ます。

事例B ― 職場前で待つ

職場の出入口で待ち「話すまで帰らない」と言う場合、待ち伏せ、見張り、面会要求に当たり得ます。

事例C ― 紛失防止タグ

車から見覚えのないタグが見つかり、相手が移動先を知っているように告げていた場合、位置情報取得や取付けが問題になり得ます。

事例D ― 実名中傷

SNSに実名・勤務先・写真を載せて中傷する場合、名誉侵害、プライバシー侵害、削除や発信者情報開示の問題になります。

事例E ― 性的画像の脅し

「復縁しなければ写真をばらまく」と送る場合、性的羞恥心侵害、脅迫、強要、リベンジポルノ防止法上の問題があり得ます。

個別判断グレーゾーンの結論は、行為の目的、頻度、拒否の有無、証拠、危険性、他法令との関係により変わります。具体的な見通しや対応方針は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
Section 05

ストーカー規制法の相談前に残す証拠と避ける対応

被害者側の証拠保全と、指摘された側の接触停止を整理します。

被害者側の初動では、法的評価よりも安全確保と証拠保存を先に置きます。次の表は証拠として残したいものを整理したもので、メッセージ、電話、SNS、物品、待ち伏せ、GPS・タグ、警察相談、拒否の意思をどのように残すかを読み取ってください。

証拠保存方法
メッセージ画面全体のスクリーンショット、日時、相手アカウント、URL
電話着信履歴、通話日時、録音可能な場合の録音、非通知の履歴
SNS投稿URL、投稿日時、アカウント名、プロフィール、前後の投稿
メールヘッダー情報、送信日時、送信元、本文、添付ファイル
手紙・物品封筒、消印、伝票、現物写真、保管状態
待ち伏せ日時、場所、写真、防犯カメラの有無、目撃者
GPS・タグ発見日時、発見場所、機器写真、設置状況、警察相談記録
警察相談相談日時、担当部署、相談番号、説明内容
拒否の意思「連絡しないでください」等の送信記録、弁護士通知

証拠メモの書式例

次の記録例は、時系列で何を残すかを表しています。日時、場所、相手、内容、自分の対応、証拠、不安や生活への影響を分けると、警察や弁護士等が経過を把握しやすくなる点を読み取れます。

記録例発生日 ― 2026年4月1日 22:35頃。場所 ― 自宅マンション入口付近。相手 ― 元交際相手A。内容 ― 帰宅時、入口横にAが立っていて「話すまで帰らない」と言われた。対応 ― 会話せず管理人室に避難し、23:00頃に友人に迎えに来てもらった。証拠 ― 入口付近の写真、友人へのメッセージ、管理人に相談した記録。影響 ― 翌日から帰宅時にタクシーを利用し、睡眠不調がある。

避けたい対応を知っておくと、証拠関係を複雑にしたり危険を高めたりする行動を減らせます。次の比較表は、避けたい対応と理由を並べたもので、直接会わない、削除しない、刺激しない、連携して説明するという読み方をしてください。

避けたい対応理由
感情的に返信を繰り返す連絡が続き、証拠関係が複雑になる
直接会って説得する危険が高まり、相手に接触機会を与える
証拠をすぐ削除する警察・弁護士が事実確認しにくくなる
GPS・タグをすぐ捨てる設置状況や機器情報の証拠が失われる
SNSで相手を刺激する報復や名誉毀損リスクが生じる
一人で勤務先・学校へ説明しない必要な範囲で安全担当者や上司と連携する必要がある

弁護士が関与し得る場面は、被害者側の警察対応だけではありません。次の表は相談できる内容を場面ごとに整理したもので、刑事事件化、民事請求、投稿被害、家族・離婚、勤務先対応、加害者側相談まで広く読み取ってください。

場面弁護士が支援し得る内容
警察相談前事実関係と証拠の整理、相談メモ作成
警告・禁止命令どの行為が条文類型に当たるかの整理
刑事事件化被害届、告訴状、意見書、証拠提出の支援
民事請求損害賠償、接触禁止条項を含む合意書、仮処分
投稿被害削除請求、発信者情報開示、損害賠償
家族・離婚DV防止法、離婚、監護、面会交流、保護命令との関係整理
勤務先対応会社への説明文、個人情報秘匿、来訪者対応
加害者側相談警告後の対応、接触停止、刑事弁護、示談対応

相談前の準備では、相手との関係、拒否の有無、行為の日時・場所・方法・頻度、スクリーンショットや着信履歴などの証拠、希望する対応、危害予告や位置情報追跡などの緊急性を整理しておくと、警察や弁護士等へ経過を説明しやすくなります。

ストーカー行為を疑われた側は、自己判断で誤解を解こうとする追加接触を避ける必要があります。次の一覧は早期に理解したい対応を整理したもので、接触停止、第三者経由、位置情報やアカウント利用の停止を読み取ってください。

Stop

まず接触を停止する

警告後や明確な拒否後に「最後に一通だけ」と送ることは、追加接触として証拠化される可能性があります。

Route

正当な連絡は第三者経由へ

荷物返還、金銭精算、子ども、契約など必要な連絡は、弁護士、調停、正式窓口を検討します。

Access

位置情報・アカウント利用を止める

過去に共有していた位置情報、クラウド、SNS、写真・動画、連絡先情報の無断利用を停止します。

Section 06

勤務先・学校・家族の対応と他法令との関係

情報非開示、来訪対応、刑法・民法・DV防止法などを横断して見ます。

勤務先、学校、家族は、本人の安全と個人情報保護を両立する必要があります。次の表は勤務先の対応例を整理したもので、受付、電話、個人情報、退勤、記録、社内周知の各領域で何を確認するかを読み取ってください。

領域対応例
受付・警備来訪者対応、本人呼出しルール、警察連絡手順
電話個人の在席・シフト・直通番号を伝えない
個人情報住所、勤務日、異動先、連絡先を共有しない
退勤退勤導線の変更、複数人での移動、タクシー利用
記録来訪、電話、郵送物、メールを記録する
社内周知必要最小限の関係者に限定し、二次被害を防ぐ

ストーカー事案では、ストーカー規制法だけでなく複数の法令や制度が同時に問題になります。次の比較表は関連法令と問題例を並べたもので、要件に完全に当たらない場合でも他の法的ルートがあり得ることを読み取ってください。

関連法令・制度問題となる例
刑法上の脅迫・強要「会わなければ危害を加える」と告げる
暴行・傷害押す、つかむ、殴る、けがをさせる
住居侵入・建造物侵入自宅敷地、マンション共用部、学校、職場に無断侵入
名誉毀損・侮辱SNSや職場で中傷する
不正アクセス禁止法アカウントに無断ログインする
リベンジポルノ防止法私的な性的画像を拡散する
DV防止法配偶者・生活の本拠を共にする交際相手等からの暴力・脅迫
迷惑防止条例つきまとい、粗暴行為、盗撮等が条例で規制される場合
民法上の不法行為精神的損害、転居費用、休業損害等の賠償
個人情報保護・プライバシー住所・勤務先・連絡先の漏えい、私生活情報の公開

支援の設計では、本人、勤務先、学校、家族が同じ方向を向く必要があります。次の一覧は関係者ごとの役割を整理したもので、情報非開示、記録化、警察相談への接続を共通の軸として読み取ってください。

Work

勤務先

来訪者対応、電話取次ぎ、住所・勤務日・退勤時間の秘匿、社内周知を必要最小限で行います。

School

学校

校門・通学路・保護者対応・行事・SNS情報を管理し、本人の安全と意向を尊重します。

Family

家族・友人

居場所を教えず、連絡を仲介せず、拒否意思を尊重し、証拠保存や警察相談の同行を支援します。

Section 07

ストーカー規制法のよくある質問

好意目的、拒否、SNS、位置情報、警察相談を一般情報として整理します。

相手が「好きだからやった」と言えば、むしろ当たりやすいのですか。

一般的には、好意感情は目的要件を基礎づける方向に働くことがあります。ただし、行為類型、拒否の有無、反復性、不安を覚えさせる態様、証拠関係によって結論は変わります。具体的な見通しは弁護士等の専門家に相談する必要があります。

連絡を拒否していない場合でも問題になりますか。

一般的には、拒否の有無は重要ですが、拒否がなければ常に問題がないとはいえません。待ち伏せ、監視告知、乱暴な言動、汚物送付、性的画像送付、無断位置情報取得などは、拒否の明示がなくても問題になり得ます。

ブロック後に別アカウントから連絡するのは危険ですか。

一般的には、ブロックは連絡拒否の強いサインと受け止められます。別アカウント、別電話番号、第三者経由で連絡を続けると、拒否後の連続連絡や面会・交際要求として評価される可能性があります。

相手の家族に連絡するのはどうですか。

一般的には、本人への接触が拒否されたため家族に連絡する場合、家族へのつきまとい等や本人への圧力として評価される可能性があります。荷物返還や法的連絡が必要な場合は、弁護士・調停・正式な手続を検討する必要があります。

よく行く店で待つ場合も問題になりますか。

一般的には、自宅前でなくても、相手が現に所在する場所や通常所在する場所の付近での見張り、押し掛け、うろつきが問題になる可能性があります。場所、頻度、拒否の有無、過去の関係、危険性で判断が変わります。

位置情報を見ただけで会いに行かなければ安全ですか。

一般的には、相手の承諾なく位置情報を取得する行為自体が位置情報無承諾取得等に当たり得ます。接近していないことだけで安全又は適法と判断できるわけではありません。具体的には専門家へ相談する必要があります。

警察に相談すると必ず相手に連絡されますか。

一般的には、対応内容により異なります。警告、禁止命令、被害防止措置、パトロール、相談記録など複数の対応があり得ます。相手に知られることが怖い場合は、相談時にその不安を明確に伝える必要があります。

弁護士に相談する前に警察へ行く必要がありますか。

一般的には、危害予告、待ち伏せ、押し掛け、刃物・暴力、位置情報追跡、職場・学校への接近がある場合は警察相談が優先される対応とされています。並行して弁護士に相談すると、証拠整理や民事対応を進めやすくなります。

Reference

参考資料

制度や相談窓口を確認するために参照した公的・中立的な資料名です。

公的機関・中立的資料

  • e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」
  • 警察庁「ストーカー規制法が改正されました!」
  • 警察庁「ストーカー規制法の規制対象行為」
  • 警視庁「ストーカー規制法」
  • 警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要」
  • 警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の概要」