2σ Guide

不動産登記は
司法書士だけで足りるのか

登記申請だけなら司法書士が中心です。ただし、権利関係に争いがある、交渉や裁判が見込まれる、相続・共有・境界・担保が絡む場合は弁護士との連携を検討します。

3層判断モデル
3年以内相続登記の期限
140万円簡裁代理の目安
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

不動産登記は 司法書士だけで足りるのか

登記申請だけなら司法書士が中心です。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
不動産登記は 司法書士だけで足りるのか
登記申請だけなら司法書士が中心です。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 不動産登記は 司法書士だけで足りるのか
  • 登記申請だけなら司法書士が中心です。

POINT 1

  • 不動産登記は司法書士だけで足りるのか ― まず結論
  • 登記申請だけなら司法書士中心、争い・交渉・裁判があれば 弁護士も検討するのが基本です。
  • 登記申請なら司法書士。争い・交渉・裁判なら弁護士。表示登記や測量なら土地家屋調査士。
  • 登記技術の問題
  • 権利設計の問題

POINT 2

  • 不動産登記の基本と司法書士・土地家屋調査士の守備範囲
  • 表示に関する登記と権利に関する登記を分けると、相談先が見えやすくなります。
  • 不動産登記には、土地や建物の物理的状況を示す表示に関する登記と、所有権・抵当権・賃借権などを示す権利に関する登記があります。
  • ここを混同すると、司法書士、土地家屋調査士、弁護士の役割を誤りやすくなります。
  • 区分を知ることが重要なのは、建物新築、分筆、相続、売買、抵当権抹消では必要な手続が異なるためです。

POINT 3

  • 不動産登記で司法書士だけで足りる典型例
  • 売買・抵当権抹消・円満な 相続登記 など、争いのない手続では司法書士中心で進みやすいです。
  • 状況と注意点を並べることが重要なのは、同じ「登記」でも、契約リスクや相続対立があると弁護士の関与が必要になり得るからです。
  • 読者は、右欄に該当する事情がないかを確認してください。
  • 制度改正の期限や金額基準は、相談先判断にも影響します。

POINT 4

  • 不動産登記で弁護士も必要になりやすい危険信号
  • 書類を渡さない
  • 売主、相続人、共有者、金融機関などが登記に必要な書類を出さない場合です。
  • 契約の有効性に争いがある
  • 売買、贈与、遺産分割、財産分与の成立、解除、取消し、無効が問題になる場合です。

POINT 5

  • 不動産登記で専門職を混同しないための比較
  • 司法書士、弁護士、土地家屋調査士、税理士、不動産会社の役割を整理します。
  • 不動産登記の周辺では、資格制度上の制限も重要です。
  • 役割を混同しないことが重要なのは、違法な代行、無効な合意、紛争の長期化を避けるためです。
  • 読者は、自分の相談内容がどの専門職の欄に近いかを確認してください。

POINT 6

  • 不動産登記のケース別判断 ― 司法書士だけか弁護士も必要か
  • 売買、相続、共有、境界、担保、高齢者の不動産処分を場面ごとに見ます。
  • 実務では、同じ不動産登記でも、売買、相続、贈与、共有、境界、借地、担保、高齢者の不動産処分で相談先が変わります。
  • 登記だけを見ず、前提となる権利関係や将来の争いを確認することが大切です。
  • 場面別に見ることが重要なのは、司法書士だけで足りる条件と弁護士も検討する条件が大きく異なるためです。

POINT 7

  • 不動産登記の相談先を決める判断の流れ
  • 1. 登記の種類を確認:表示に関する登記なら土地家屋調査士、権利に関する登記なら司法書士が中心です。
  • 2. 争いの有無を確認:相手が協力するか、契約や相続に異議がないか、書類がそろうかを確認します。
  • 3. 弁護士を加える:交渉、調停、訴訟、保全、損害賠償、所有権確認を検討します。
  • 4. 登記実務を進める:司法書士または土地家屋調査士を中心に必要書類を整えます。
  • 5. 税務と費用を確認:相続税、贈与税、譲渡所得税、登録免許税、専門職費用を確認します。

POINT 8

  • 不動産登記でよくある誤解と相談タイミング
  • 1. 弁護士で契約リスクを確認:解除、違約金、契約不適合、境界、担保、紛争解決条項を確認します。
  • 2. 司法書士で必要書類を確認:住所変更、相続登記未了、抵当権抹消書類、登記識別情報を確認します。
  • 3. 弁護士で交渉方針を検討:相手が書類を出さない、押印しない、境界確認に応じない場合です。
  • 4. 主張と証拠を整理:内容証明、調停、訴訟、仮処分、強制執行を検討します。

まとめ

  • 不動産登記は 司法書士だけで足りるのか
  • 不動産登記は司法書士だけで足りるのか ― まず結論:登記申請だけなら司法書士中心、争い・交渉・裁判があれば 弁護士も検討するのが基本です。
  • 不動産登記の基本と司法書士・土地家屋調査士の守備範囲:表示に関する登記と権利に関する登記を分けると、相談先が見えやすくなります。
  • 不動産登記で司法書士だけで足りる典型例:売買・抵当権抹消・円満な 相続登記 など、争いのない手続では司法書士中心で進みやすいです。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

不動産登記は司法書士だけで足りるのか ― まず結論

登記申請だけなら司法書士中心、争い・交渉・裁判があれば弁護士も検討するのが基本です。

不動産登記は、単なる名義変更ではなく、不動産の表示や権利関係を公示し、権利保全と取引安全を支える制度です。登記申請という手続だけを正確に完結させる場面では司法書士が中心で、通常は司法書士だけで足りることが多いです。

次の強調表示は、このページ全体の判断軸をまとめたものです。なぜ重要かというと、相談先を誤ると、登記は進んでも契約・相続・共有・境界・担保の紛争が残ることがあるためです。読者は、自分の問題が手続、権利設計、紛争解決のどこにあるかを読み取ってください。

登記申請なら司法書士。争い・交渉・裁判なら弁護士。表示登記や測量なら土地家屋調査士。

不動産登記の相談は、司法書士か弁護士かという二者択一ではなく、問題を手続、権利関係、紛争、測量、税務に分解して専門職を配置する発想が重要です。

次の一覧は、最初に確認すべき三つの層を整理しています。層を分けることが重要なのは、司法書士が中心になる場面と弁護士が中心になる場面を見誤らないためです。読者は、今ある不安がどの層に近いかを確認してください。

第1層

登記技術の問題

申請書、添付書類、登録免許税、登記原因、本人確認、補正対応などです。権利登記では司法書士が中心です。

第2層

権利設計の問題

誰に所有権を移すか、相続・贈与・売買・財産分与のどれにするか、契約や将来リスクをどう設計するかです。

第3層

紛争解決の問題

相手が協力しない、登記を抹消したい、所有権を確認したい、共有物を分割したい場合は弁護士の関与が重要です。

Section 01

不動産登記の基本と司法書士・土地家屋調査士の守備範囲

表示に関する登記と権利に関する登記を分けると、相談先が見えやすくなります。

不動産登記には、土地や建物の物理的状況を示す表示に関する登記と、所有権・抵当権・賃借権などを示す権利に関する登記があります。ここを混同すると、司法書士、土地家屋調査士、弁護士の役割を誤りやすくなります。

次の表は、登記の種類と主な専門職を対応させたものです。区分を知ることが重要なのは、建物新築、分筆、相続、売買、抵当権抹消では必要な手続が異なるためです。読者は、まず自分の登記が表示なのか権利なのかを確認してください。

区分主な内容中心になりやすい専門職
表示に関する登記土地の所在、地番、地目、地積、建物の所在、種類、構造、床面積など土地家屋調査士
権利に関する登記所有権移転、所有権保存、抵当権設定・抹消、相続による所有権移転など司法書士
登記前提の権利問題契約解除、相続人間の対立、共有物分割、所有権確認、損害賠償など弁護士
税務問題相続税、贈与税、譲渡所得税、不動産取得税、登録免許税の影響税理士を含めて検討

次の一覧は、司法書士が登記実務で担う代表的な作業を示しています。作業の幅を知ることが重要なのは、司法書士が単なる申請書作成者ではなく、決済や本人確認を通じて取引安全を支える存在だと分かるためです。読者は、争いがない登記では司法書士中心で進みやすいことを読み取ってください。

1

登記記録と必要書類の確認

登記事項、登記識別情報、印鑑証明書、戸籍、固定資産評価証明書などを確認します。

申請準備
2

本人確認・意思確認

売主や相続人などが本人であり、登記申請意思があるかを確認します。

取引安全
3

所有権移転・抵当権抹消等の申請

売買、相続、贈与、住宅ローン完済後の抵当権抹消など、権利登記の申請を担います。

権利登記
Section 02

不動産登記で司法書士だけで足りる典型例

売買・抵当権抹消・円満な相続登記など、争いのない手続では司法書士中心で進みやすいです。

司法書士だけで足りることが多いのは、必要書類がそろい、関係者が協力的で、契約や相続関係に争いがなく、登記申請の正確な実行が主目的となる場面です。

次の表は、司法書士中心で進みやすい場面を整理したものです。状況と注意点を並べることが重要なのは、同じ「登記」でも、契約リスクや相続対立があると弁護士の関与が必要になり得るからです。読者は、右欄に該当する事情がないかを確認してください。

状況司法書士が中心になりやすい理由弁護士も検討する事情
争いのない売買決済所有権移転登記と抵当権設定登記を同日に確実に行うことが中心です。解除、損害賠償、ローン特約、説明義務違反が争われている場合
住宅ローン完済後の抵当権抹消金融機関から抹消書類が出ており、債権者と債務者に争いがない場合です。抹消書類が出ない、債務や保証をめぐる対立がある場合
円満な相続登記相続人全員が合意し、遺産分割協議書や戸籍が整っている場合です。遺言の有効性、遺留分特別受益寄与分、使途不明金で対立がある場合
住所・氏名変更登記住所や氏名の変更を登記記録へ反映する比較的定型的な手続です。売却、相続、本人確認に疑義があり、権利関係も争われる場合
贈与登記贈与者と受贈者の意思が明確で、税務確認も済んでいる場合です。判断能力、他の相続人の反対、遺留分、税務負担が問題になる場合

制度改正の期限や金額基準は、相談先判断にも影響します。次の強調表示は、このテーマで特に重要な数値をまとめたものです。読者は、相続登記、住所変更登記、認定司法書士の代理範囲について、時期と金額の制約を確認してください。

2024年4月1日、2026年4月1日、140万円という三つの数字に注意

相続登記は2024年4月1日から義務化され、住所等変更登記は2026年4月1日から義務化されます。認定司法書士の簡易裁判所代理は、訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件等に限られる点にも注意が必要です。

Section 03

不動産登記で弁護士も必要になりやすい危険信号

争い・交渉・訴訟・保全・強制執行が見える場合は、登記だけでは解決しません。

弁護士の役割は、登記そのものよりも、登記の前提となる権利関係や紛争を扱うことです。売買契約の解除、相続人間の対立、共有物分割、登記抹消、所有権確認、境界や通行権の争いなどでは、交渉・調停・訴訟・保全を見据えます。

次の一覧は、弁護士相談を検討しやすい危険信号をまとめたものです。早期発見が重要なのは、登記を先に進めると、後から抹消や更正に相手方の協力または裁判所手続が必要になることがあるためです。読者は、複数該当する場合ほど弁護士関与の必要性が高いと読み取ってください。

書類を渡さない

売主、相続人、共有者、金融機関などが登記に必要な書類を出さない場合です。

契約の有効性に争いがある

売買、贈与、遺産分割、財産分与の成立、解除、取消し、無効が問題になる場合です。

相続人・共有者が対立している

協議がまとまらない、連絡不能、行方不明、代償金や売却方法で争う場合です。

処分されるおそれがある

第三者売却、担保設定、差押え、仮差押え、競売、倒産が関係する場合です。

弁護士が関与する場面では、登記実行前後の交渉や裁判所手続を一体で考える必要があります。次の表は、弁護士が担う典型的な業務を整理したものです。読者は、単なる申請ではなく権利主張や紛争処理があるかを確認してください。

弁護士の業務具体例司法書士との連携
契約・合意の有効性判断売買、贈与、遺産分割、財産分与、共有者間合意合意成立後の登記書類を司法書士が整えます。
交渉代理書類交付、共有物分割、境界、借地、担保、損害賠償合意条項が登記可能かを確認します。
裁判所手続所有権確認、登記抹消、共有物分割、遺産分割調停、仮処分判決・和解・調停後の登記を司法書士が担当することがあります。
倒産・執行対応競売、任意売却、差押え、仮差押え、破産、民事再生担保権や所有権移転の登記実務と連携します。
Section 04

不動産登記で専門職を混同しないための比較

司法書士、弁護士、土地家屋調査士、税理士、不動産会社の役割を整理します。

不動産登記の周辺では、資格制度上の制限も重要です。登記申請代理や法務局提出書類作成は司法書士または土地家屋調査士の領域であり、紛争性のある法律事件の交渉・和解・訴訟代理は弁護士の領域です。

次の表は、関与しやすい専門職を役割別に整理したものです。役割を混同しないことが重要なのは、違法な代行、無効な合意、紛争の長期化を避けるためです。読者は、自分の相談内容がどの専門職の欄に近いかを確認してください。

専門職等主な役割注意点
司法書士権利に関する登記、供託、法務局提出書類作成、一定の簡裁代理高額・複雑な不動産紛争では弁護士との連携が必要になりやすいです。
弁護士法律事務、交渉、訴訟、調停、保全、強制執行、紛争解決登記実行の細かな申請実務は司法書士が担うことが一般的です。
土地家屋調査士表示に関する登記、測量、分筆、合筆、筆界特定境界の民事紛争や所有権争いは弁護士の関与が必要です。
税理士相続税、贈与税、譲渡所得税、不動産取得税などの税務税務判断は登記とは別に検討します。
不動産会社売買・賃貸の媒介、重要事項説明、契約締結支援登記申請代理や法的紛争代理を本来的に行うわけではありません。
Section 05

不動産登記のケース別判断 ― 司法書士だけか弁護士も必要か

売買、相続、共有、境界、担保、高齢者の不動産処分を場面ごとに見ます。

実務では、同じ不動産登記でも、売買、相続、贈与、共有、境界、借地、担保、高齢者の不動産処分で相談先が変わります。登記だけを見ず、前提となる権利関係や将来の争いを確認することが大切です。

次の表は、代表的な場面ごとの判断をまとめたものです。場面別に見ることが重要なのは、司法書士だけで足りる条件と弁護士も検討する条件が大きく異なるためです。読者は、右欄の事情がある場合に早めの法律相談を考えてください。

場面司法書士中心で進みやすい場合弁護士も検討する場合
不動産売買売主・買主・金融機関に争いがなく、必要書類がそろう場合契約不適合、解除、違約金、二重売買、書類不交付がある場合
相続登記相続人全員が合意し、遺言や協議書に争いがない場合遺産分割、遺留分、特別受益、寄与分、使途不明金で対立する場合
贈与・親族間売買意思能力や合意内容が明確で、税務確認も済んでいる場合判断能力、他の相続人の反対、遺留分侵害リスクがある場合
共有不動産共有者全員が売却や登記に同意している場合売却反対、固定資産税負担、居住者退去、共有物分割で争う場合
境界・越境測量や分筆など技術的・表示登記の問題にとどまる場合撤去、通行権、取得時効、所有権界で対立する場合
借地・借家賃借権設定登記など登記申請だけが中心の場合譲渡承諾、更新料、立退料、明渡し、借地非訟が問題になる場合
抵当権・担保住宅ローン完済後の抵当権抹消など、債権者と争いがない場合競売、任意売却、保証、根抵当権、破産、民事再生が関係する場合
高齢者の不動産処分判断能力に問題がなく、本人意思が明確な場合成年後見、親族対立、囲い込み、贈与無効が問題になる場合
Section 06

不動産登記の相談先を決める判断の流れ

表示登記、権利登記、争いの有無、財産価値、税務の順に確認します。

相談先を決めるときは、いきなり「司法書士か弁護士か」と選ばず、登記の種類、争いの有無、財産価値、税務、最終体制を順に確認します。順番を守ることが重要なのは、初期段階で専門職の組み合わせを誤ると、後で手戻りが生じやすいためです。

次の判断の流れは、最初の相談先を選ぶための順番を示しています。分岐の意味が重要なのは、争いがあるかどうかで、登記申請中心か紛争解決中心かが変わるためです。読者は、自分の案件を上から順に当てはめてください。

不動産登記の相談先を選ぶ順番

登記の種類を確認

表示に関する登記なら土地家屋調査士、権利に関する登記なら司法書士が中心です。

争いの有無を確認

相手が協力するか、契約や相続に異議がないか、書類がそろうかを確認します。

争いがある
弁護士を加える

交渉、調停、訴訟、保全、損害賠償、所有権確認を検討します。

争いがない
登記実務を進める

司法書士または土地家屋調査士を中心に必要書類を整えます。

税務と費用を確認

相続税、贈与税、譲渡所得税、登録免許税、専門職費用を確認します。

次の表は、案件タイプごとの推奨体制を整理したものです。体制を先に描くことが重要なのは、不動産では登記、契約、税務、測量、金融機関対応が同時に動くことがあるためです。読者は、単独依頼で足りるか連携が必要かを読み取ってください。

案件タイプ基本体制補足
単純な売買登記司法書士契約紛争や説明義務違反があれば弁護士も検討します。
新築建物と住宅ローン土地家屋調査士+司法書士表題登記、保存登記、抵当権設定を分けます。
円満な相続登記司法書士。必要に応じて税理士相続税や売却予定があれば税務も確認します。
争いのある相続弁護士+司法書士+税理士協議、調停、登記、税務を連携します。
境界・分筆土地家屋調査士。争いがあれば弁護士測量と民事紛争を分けます。
共有物分割弁護士+司法書士合意または判決に基づく登記実行が必要です。
任意売却・競売弁護士+司法書士。不動産会社・金融機関とも連携担保権、債務、売却条件、登記を一体で見ます。
Section 07

不動産登記でよくある誤解と相談タイミング

登記が終われば安心、家族間なら不要、住所変更は任意などの誤解を整理します。

不動産登記では、手続が終われば権利問題もすべて解決したように見えます。しかし、登記記録だけで契約の有効性、相続人間の合意、境界、税務、第三者との紛争まで保証されるわけではありません。

次の表は、よくある誤解と正しい見方を整理したものです。誤解を早めに修正することが重要なのは、相続登記の期限、住所変更登記の義務化、家族間の合意不備などが後で大きな紛争につながるためです。読者は、左欄の考え方に近い場合ほど注意してください。

誤解正しい見方確認すること
不動産登記は司法書士だけで必ず足りる争いのない申請なら司法書士中心ですが、権利関係に争いがあれば弁護士も検討します。相手の協力、契約の有効性、裁判所手続の可能性
弁護士に頼めば登記も全部安心弁護士は紛争解決や契約設計が中心で、登記実行は司法書士が担うことが多いです。登記申請実務を誰が担当するか
相続登記は単なる名義変更なので急がなくてよい2024年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。相続発生日、取得を知った日、未登記不動産の有無
住所変更登記は任意だから放置してよい2026年4月1日から住所・氏名・名称変更登記が義務化されます。変更日、売却予定、相続予定、登記記録の住所
家族間なら契約書や専門家は不要家族間の不動産移転は、判断能力、贈与、売買、遺留分、税務で争いになりやすいです。契約書、代金、税務、他の相続人への説明
登記簿に名前があれば絶対に安全登記は重要な公示制度ですが、無効、取消し、なりすまし、境界問題までは自動的に解決しません。本人確認、契約書、境界、占有、第三者の主張

次の時系列は、弁護士と司法書士に相談しやすいタイミングを示しています。タイミングが重要なのは、登記後に争うより、契約前や登記前に予防したほうが費用と時間を抑えられる場合があるためです。読者は、いま自分がどの段階にいるかを確認してください。

契約前

弁護士で契約リスクを確認

解除、違約金、契約不適合、境界、担保、紛争解決条項を確認します。

決済・申請前

司法書士で必要書類を確認

住所変更、相続登記未了、抵当権抹消書類、登記識別情報を確認します。

協力拒否

弁護士で交渉方針を検討

相手が書類を出さない、押印しない、境界確認に応じない場合です。

裁判所手続前

主張と証拠を整理

内容証明、調停、訴訟、仮処分、強制執行を検討します。

Section 08

不動産登記や不動産紛争の相談前に準備する資料

登記、相続、境界、紛争の資料を分けて用意すると、専門家の判断が速くなります。

不動産の相談では、感情的な経緯だけでなく、登記記録、契約書、戸籍、測量図、支払資料、相手方の書面などの客観資料が重要です。資料が不足していても相談は可能ですが、そろえるほど見通しを立てやすくなります。

次の表は、相談前に準備するとよい資料を分野別に整理したものです。資料を分けることが重要なのは、登記申請、相続、境界、紛争で必要な証拠が異なるためです。読者は、該当分野の資料から優先的に集めてください。

分野主な資料確認すること
共通資料登記事項証明書、固定資産税納税通知書、固定資産評価証明書、売買契約書、登記識別情報権利者、物件、評価額、契約内容、登記の現状
相続戸籍、除籍、改製原戸籍、遺言書、遺産分割協議書案、相続財産一覧相続人、遺言の有無、不動産の取得者、争点
境界・越境公図、地積測量図、境界確認書、現況写真、隣地所有者とのやり取り筆界、所有権界、越境物、合意の有無
紛争内容証明、通知書、回答書、裁判所書類、時系列表、支払証拠相手方の主張、請求内容、期限、証拠の強弱
税務・費用取得費、売却予定額、ローン残高、登録免許税、専門職見積り税務負担、費用対効果、資金計画
Section 09

不動産登記の典型シナリオで見る判断

相続、自宅購入、境界、離婚、長期未登記の例で、どの専門家を加えるかを確認します。

最後に、実際の相談に近いシナリオで判断を確認します。事例形式で見ることが重要なのは、同じ登記でも、全員合意があるか、判断能力に不安があるか、ローンや税務が絡むかで相談先が変わるためです。読者は、自分の状況に近い例を探してください。

相続

兄弟3人で長男名義にしたい

全員が合意し代償金も整理できていれば司法書士中心で進みやすいです。不満、押印拒否、生前贈与、介護負担がある場合は弁護士も検討します。

売買

売主の住所が登記簿と違う

単純な転居なら住所変更登記を司法書士が確認します。本人性、代理権、判断能力、相続登記未了に不安があれば弁護士相談も有益です。

境界

隣地との境界が不明

測量や分筆は土地家屋調査士が中心です。隣地所有者が確認に応じない、越境撤去や通行権で争う場合は弁護士が必要になりやすいです。

離婚

夫名義の自宅を妻に移したい

登記は司法書士が担当できますが、住宅ローン、連帯保証、養育費、慰謝料、財産分与、税務が絡む場合は弁護士との連携が望ましいです。

長期未登記

亡父名義の土地を放置していた

まず司法書士に相続人調査と登記可能性を相談します。相続人多数、行方不明者、売却反対者がいる場合は弁護士の関与が必要になりやすいです。

不動産登記の不安は、「誰に頼むか」より先に「何が問題か」を分けると整理できます。登記申請だけなら司法書士、争い・交渉・裁判なら弁護士、土地建物の物理的状況なら土地家屋調査士、税金なら税理士という分担を前提に、複雑な案件では連携体制を組むことが安全です。

Reference

参考資料

法令・公的機関資料

  • e-Gov法令検索「不動産登記法」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「司法書士法」
  • e-Gov法令検索「弁護士法」
  • 法務省「不動産登記のABC」
  • 法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」
  • 法務省「所有不動産記録証明制度について」

専門職団体資料

  • 日本司法書士会連合会「司法書士の業務」
  • 日本司法書士会連合会「非司法書士の取締りに関する資料」
  • 日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士について」
  • 日本弁護士連合会「非弁活動・非弁提携対策」