無断投稿された顔写真・動画・プロフィール画像について、証拠保全、公式フォーム、法的根拠、発信者情報開示、相談先を一般情報として整理します。
無断投稿された顔写真・動画・プロフィール画像について、証拠保全、公式フォーム、法的根拠、発信者情報開示、相談先を一般情報として整理します。
最初に証拠を残し、緊急性と権利侵害の内容に応じて削除依頼・相談・裁判所手続を選びます。
SNSで自分の顔写真、全身写真、動画の切り抜き、集合写真、ストーリー、プロフィール画像、スクリーンショット等を勝手に投稿された場合、最初に大切なのは、投稿者へ感情的に連絡することではなく、掲載内容を保存することです。投稿が消えた後に、何が、いつ、どこで、誰により掲載されていたのかを説明できる状態にしておく必要があります。
SNSで自分の写真を勝手に投稿された場合の削除請求では、公式フォームによる削除依頼、投稿者への冷静な連絡、送信防止措置依頼、法務局や違法・有害情報相談センターへの相談、警察相談、弁護士による仮処分・発信者情報開示・損害賠償請求を、被害の内容に応じて組み合わせます。
次の強調部分は、このページ全体で共通する行動原則を示しています。対応の順番を間違えると証拠が失われたり、投稿者を刺激して拡散が広がったりするおそれがあるため、まず何を優先するかを読み取ってください。
削除請求の実務では、本人識別性、同意の不存在、私生活性、被害、緊急性、投稿URLを整理して伝えることが重要です。反論投稿や晒し返しよりも、保存、申告、相談の順番を守ることが被害拡大の抑制につながります。
投稿そのもの、写真だけ、検索結果、投稿者特定など、何を求めるのかを分けて考えます。
同じ「消してほしい」という相談でも、SNS上では投稿者、プラットフォーム、検索エンジン、転載先、閲覧者が分かれます。次の比較表は、削除請求で混同しやすい用語を整理したものです。どの相手に、どの対象について、どの対応を求めるのかを読み分けることが重要です。
| 用語 | 意味 | 実務上の見方 |
|---|---|---|
| SNS | X、Instagram、Threads、Facebook、TikTok、YouTube、LINE VOOM、Snapchat、note、ブログ、掲示板、画像共有、ライブ配信など、投稿・共有・閲覧ができるサービスを広く含みます。 | 投稿先だけでなく、引用、転載、検索結果、まとめサイトにも広がることがあります。 |
| 自分の写真 | 顔、体、後ろ姿、横顔、服装、持ち物、声、名前、学校名、勤務先、住所、車両ナンバーなどから本人を識別できる画像・動画を指します。 | 写真単体で明確でなくても、投稿文、タグ、コメント、狭いコミュニティでの認識を合わせて判断します。 |
| 勝手に投稿 | 本人の明示または黙示の同意なく、写真や動画をSNSに公開・共有することです。 | 撮影同意、非公開共有、社内利用、交際中の掲載同意が、全体公開や無期限掲載の同意になるとは限りません。 |
| 削除依頼 | SNS運営会社、サイト管理者、投稿者に任意で投稿を消すよう求めることです。 | アプリ内通報、ヘルプセンターのフォーム、メール、問い合わせ、内容証明郵便などが含まれます。 |
| 送信防止措置依頼 | 権利侵害情報について、プロバイダやプラットフォームに送信停止・非表示・削除等を求める手続です。 | 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書や削除フォームを使う場合があります。 |
| 法的な削除請求 | 人格権、肖像に関する人格的利益、プライバシー権、名誉権、著作権などを根拠に、権利侵害状態の除去や将来の侵害予防を求めることです。 | 任意交渉で解決しない場合、削除仮処分や訴訟が検討されます。 |
実務上は、投稿そのものの削除、写真・動画だけの削除、顔のぼかし、検索結果・キャッシュ・サムネイルの削除、リポストやスクリーンショット投稿の削除、なりすましアカウント停止、今後の再投稿防止、投稿者特定、損害賠償請求などを分けて検討します。
消えやすい投稿ほど、証拠保全と申告履歴の保存が大切です。
初動では時間帯ごとに優先順位が変わります。次の時系列は、投稿を見つけた直後から数日以内に何を行うかを整理したものです。順番を追うことで、証拠を失わず、公式フォームや相談窓口に伝える材料をそろえられます。
投稿URL、アカウントURL、投稿日時、投稿文、コメント、リポスト数、画像、動画を保存します。スクリーンショット、画面録画、PDF保存、印刷、URLメモを組み合わせます。
本人が写っていること、SNS公開に同意していないこと、本人識別が可能であること、問題となる権利、求める対応を簡潔に示します。受付番号や返信も保存します。
SNS公式フォームでは、長い法律論よりも「本人が写っている」「同意していない」「本人識別可能である」「肖像権、プライバシー、名誉、著作権、性的画像、なりすまし等のどの問題か」「削除・非表示・ぼかし・アカウント停止等のどの対応を求めるか」を明確に示します。
肖像に関する人格的利益、プライバシー、名誉、著作権、個人情報、性的画像の問題が重なります。
SNS写真削除請求の根拠は一つではありません。次の一覧は、無断投稿で問題になりやすい権利や制度を整理したものです。写真の内容、投稿文、撮影場所、投稿目的、拡散状況により、どの根拠を中心に説明するかが変わります。
本人の容貌や姿態をみだりに撮影・公表されない利益が問題になります。撮影同意とSNS公開同意は分けて考えます。
自宅、病院、学校、勤務先、家族関係、病歴、交際関係など、私生活上の情報が写真や投稿文からわかる場合に重要です。
顔写真とともに犯罪者扱い、嘲笑、性的加工、差別的表現、なりすまし投稿がある場合に検討します。
自撮り写真、自分で撮影した写真、自作動画を第三者が転載した場合は、複製権や公衆送信権の侵害も問題になり得ます。
企業、学校、店舗、イベント主催者などが事業として顔写真を扱う場合、個人情報保護、労務、広報倫理も確認します。
裸、下着、性的場面、盗撮、性的な画像加工、未成年者の画像、掲載予告は、刑事法や被害者支援を含めて早急な対応が必要です。
次の比較表は、肖像権やプライバシー侵害の主張を強める事情と、削除が難しくなり得る事情を並べたものです。各列の違いを見比べることで、自分の事案で何を重点的に説明すべきかを読み取れます。
| 判断要素 | 削除請求を強める事情 | 難しくなり得る事情 |
|---|---|---|
| 本人識別性 | 顔が明確、名前や勤務先も記載、周囲が容易に特定できる。 | 遠景で識別困難、単なる群衆の一部。 |
| 同意 | SNS公開の同意なし、過去に削除希望を伝えている。 | 投稿範囲・目的について明確に同意している。 |
| 撮影場所 | 自宅、病院、学校内、更衣室、職場内部、私的空間。 | 公道、公開イベント、報道現場。 |
| 投稿目的 | 嫌がらせ、晒し、嘲笑、性的目的、なりすまし、脅迫。 | 公益性、報道性、記録性がある。 |
| 写り方 | 顔のアップ、身体的特徴、未成年、傷病、性的・羞恥的場面。 | 偶然の映り込み、ぼかし済み。 |
| 拡散性 | フォロワー多数、引用・転載多数、検索結果に表示。 | 閲覧者が限定的、短時間で削除済み。 |
| 被害 | 学校・職場・家族に知られた、連絡が殺到、精神的苦痛。 | 実害が限定的。 |
最高裁の判例では、みだりに容貌・姿態を撮影されない自由や、撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益が問題とされてきました。SNSでは、撮影そのものに加えて、公表・拡散・検索表示による被害が実務上の焦点になります。
顔が写っているだけで機械的に決まるのではなく、同意、文脈、場所、被害、公共性を総合して考えます。
削除請求の見通しは、写真の内容だけでなく、投稿文、タグ、公開範囲、投稿者との関係、被害の具体性で変わります。次の比較表は、実務上検討されやすい事情を左右に整理したものです。左右のどちらに近いかを見ることで、公式フォームや相談時に補強すべき点がわかります。
| 認められやすい事情 | 難しくなり得る事情 |
|---|---|
| 本人の顔が明確に写り、SNS公開に同意していない。 | 公開イベントや街頭風景の群衆の一部として偶然写っている。 |
| 本名、勤務先、学校、住所、電話番号、家族情報が添えられている。 | 顔がぼかされ、本人識別性が低い。 |
| 嘲笑、誹謗中傷、性的嫌がらせ、脅迫、晒し目的がある。 | 本人が過去に同じ写真を全体公開していた。 |
| 自宅、病院、学校、職場、更衣室、ホテルなど私生活性の高い場所で撮影されている。 | 報道、評論、公益目的、記録目的との関係がある。 |
| 子ども、未成年者、病気、障害、妊娠、家庭事情などセンシティブな情報が含まれる。 | 投稿者が撮影者で、写真の著作権が投稿者にある。 |
| なりすましアカウントのアイコンやプロフィール画像として使われている。 | 写真の内容が特に私生活上の秘密を示していない。 |
| まとめサイトや別SNSに拡散されている。 | 閲覧範囲が限定的で、実害の立証が弱い。 |
| 過去に削除要請したのに再投稿・再アップロードされている。 | 投稿から長期間が経過し、緊急性が低いと見られる。 |
逆に、顔が写っていても、業務上の掲載に明確な同意があり、同意撤回の契約・規程が問題になる場合は、単純な無断投稿とは異なる検討が必要です。個別の見通しは、投稿の文脈と証拠を整理したうえで専門家に相談する必要があります。
削除が成功しても、投稿者特定や損害賠償を考えるなら削除前の記録が重要です。
証拠保全では、画面だけでなくURL、投稿者、日時、文脈、被害、削除依頼履歴をセットで残すことが重要です。次の表は保存対象を種類ごとに整理しています。各行を確認し、後から第三者へ説明できる資料になっているかを読み取ってください。
| 保存対象 | 具体例 |
|---|---|
| 投稿URL | 投稿単体のURL、画像URL、動画URL、短縮URL、共有リンク。 |
| アカウント情報 | アカウント名、ID、プロフィールURL、表示名、自己紹介、アイコン。 |
| 投稿日時 | SNS上の表示時刻、保存した日時、タイムゾーン。 |
| 投稿内容 | 写真、動画、投稿文、ハッシュタグ、位置情報、タグ付け。 |
| 反応 | コメント、リポスト、引用、いいね数、閲覧数、保存数。 |
| 文脈 | 前後の投稿、スレッド、ストーリー、ライブ配信の説明。 |
| 被害 | DM、電話、職場・学校への連絡、精神的苦痛、業務影響。 |
| 削除依頼履歴 | フォーム送信画面、受付番号、返信メール、送信日時。 |
| 再投稿 | 同一画像の別URL、転載先、まとめサイト、検索結果。 |
スクリーンショットは有用ですが、URLや投稿日時が写っていない、加工を疑われる、コメントや動画の文脈がわからない、ストーリーの閲覧期限が過ぎるといった弱点があります。URL欄が見える画面、PDF保存、画面録画、印刷、第三者の確認メモ、元画像のExif情報やクラウド保存履歴を組み合わせると説明しやすくなります。
次の一覧は、証拠を残す場面で避けるべき行動をまとめたものです。被害を止めるための作業が、逆に二次被害や法的リスクを増やさないよう、各項目の理由を読み取ってください。
相手のアカウントへログインしたり、パスワードを推測・入手したりする行為は避ける必要があります。
非公開アカウントへ偽名で入り込むと、証拠の信用性や別の法的問題が生じ得ます。
児童性的画像や性的画像を第三者へ共有すると、証拠保全を超えた新たな被害や責任につながるおそれがあります。
感情的なDMや反論投稿、晒し返しは、追加投稿や炎上を誘発することがあります。
プライバシー申告、著作権申告、なりすまし申告など、事案に合う窓口を選びます。
SNS公式フォームでは、法的な長文よりも、本人性、同意の不存在、本人識別性、権利侵害の種類、求める対応、緊急性を簡潔に示すことが重要です。次の表は申告内容を項目別に整理したものです。漏れがあると運営側が対象を特定しにくいため、各行を確認してください。
| 申告項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 本人性 | 申請者が写真に写っている本人、保護者、法定代理人、代理人のいずれかを示します。 |
| 対象 | 投稿URL、問題の写真・動画の位置、投稿者アカウントを示します。 |
| 同意の不存在 | SNS公開、全体公開、再投稿、広告利用などに同意していないことを示します。 |
| 本人識別性 | 顔、名前、勤務先、学校、タグ、コメント、狭いコミュニティで本人とわかる事情を示します。 |
| 権利侵害 | 肖像、プライバシー、名誉、著作権、性的画像、なりすまし、個人情報などを整理します。 |
| 求める対応 | 削除、非表示、ぼかし、アカウント停止、再投稿防止などを具体化します。 |
| 緊急性 | 未成年、性的画像、脅迫、住所晒し、急速な拡散などを示します。 |
次の比較表は、同じ写真でもどの申告ルートを使うかが変わる場面を整理したものです。著作権者でない人が著作権申告をするなど、申告の種類を誤ると対応されにくくなるため、状況と窓口の対応関係を読み取ってください。
| 状況 | 主に使う申告ルート |
|---|---|
| 他人が撮影した自分の顔写真を無断投稿 | プライバシー、肖像、個人情報、ハラスメント。 |
| 自分で撮影した自撮り写真を転載された | 著作権侵害、プライバシー、肖像。 |
| 元交際相手が性的写真を投稿 | 非同意性的画像、プライバシー、警察相談。 |
| 写真を使ったなりすまし | なりすまし、個人情報、肖像。 |
| 顔写真付きで誹謗中傷 | 名誉毀損・侮辱、ハラスメント、肖像。 |
| 子どもの写真を無断投稿 | 子どものプライバシー、保護者申告、肖像。 |
| 会社が従業員写真を無断掲載 | 肖像、プライバシー、個人情報、労務・社内規程。 |
各SNSのフォーム名、提出項目、本人確認方法、対応基準は変わることがあります。実際に申告するときは、公式ヘルプの表示を確認し、古い案内だけに依存しないことが重要です。
直接連絡が有効な場面と、警察・弁護士・相談窓口を優先すべき場面を分けます。
投稿者への直接連絡は早期解決につながることがありますが、脅迫、性的画像、ストーカー、匿名アカウント、炎上中の投稿では逆効果になることがあります。次の判断の流れは、連絡前に見るべき危険要素を整理したものです。分岐の順番を追うことで、直接連絡より相談を優先すべき場面を読み取れます。
URL、画面、投稿者、日時、被害を先に保存します。
脅迫、性的画像、住所晒し、未成年、ストーカー、金銭要求、炎上の有無を確認します。
警察、弁護士、相談窓口を通じた対応を検討します。
関係悪化や拡散のリスクを見ながら、短い文面で削除を求めます。
情報流通プラットフォーム対処法は、旧プロバイダ責任制限法を改正・発展させた法律です。権利侵害があった場合のプラットフォーム事業者等の責任制限、発信者情報開示請求、発信者情報開示命令事件、大規模プラットフォーム事業者への削除対応の迅速化・透明化に関する義務などを扱います。
もっとも、この法律があるからといって、SNS会社がすべての無断写真を自動的・即時に削除するわけではありません。削除請求の実体的な根拠は、人格権、肖像に関する人格的利益、プライバシー権、名誉権、著作権などにあり、この法律はプラットフォームとの関係や発信者情報開示の枠組みを定めるものとして理解するとよいでしょう。
削除したい、投稿者を特定したい、損害賠償を求めたい、という目的ごとに手続が変わります。
法的手続では、目的を取り違えないことが重要です。次の表は、削除、投稿者特定、損害賠償、再投稿防止の違いを整理したものです。自分がいま求めたい結果と、使うべき手続の対応関係を読み取ってください。
| 目的 | 主な手段 | 注意点 |
|---|---|---|
| 投稿を止めたい | 削除依頼、送信防止措置依頼、削除仮処分。 | URL単位で対象を特定し、被保全権利と保全の必要性を整理します。 |
| 投稿者を特定したい | 発信者情報開示請求、発信者情報開示命令。 | 投稿記事の削除を求める手続そのものではありません。通信ログの保存期間にも注意が必要です。 |
| 損害賠償を求めたい | 投稿者特定後の交渉、訴訟、不法行為に基づく損害賠償請求。 | 写真の内容、公開範囲、期間、悪質性、反復性、実害の立証が問題になります。 |
| 再投稿を止めたい | 警告、差止め、仮処分、和解条項、損害賠償請求。 | 同一画像の再投稿や別アカウントへの転載を想定して証拠を整理します。 |
発信者情報開示は、匿名投稿者のIPアドレス、タイムスタンプ、氏名、住所等の開示を求める制度です。通信ログは永久に保存されるとは限らず、事業者や通信種別によって保存期間が異なります。投稿者を特定したい場合は、削除依頼と並行して早めに相談することが重要です。
削除仮処分では、一般的には被保全権利と保全の必要性の2点が重要です。被保全権利は、肖像に関する人格的利益、プライバシー権、名誉権、著作権などの削除を求める法的根拠です。保全の必要性は、通常訴訟を待つと検索・転載・炎上・学校や職場への影響が続くなど、緊急性を示す事情です。
仮処分など迅速な判断が必要な手続では、投稿画面、URL、本人識別性、同意がないこと、被害状況、拡散状況、SNSへの削除依頼履歴などを整理して提出します。民事保全では、申立手数料として収入印紙2,000円が案内されることがありますが、郵便切手、資格証明書、担保金、弁護士費用、翻訳費用、海外法人対応の費用などは別途問題になります。
費用を抑えた相談、削除方法の助言、犯罪被害、代理人対応で窓口を使い分けます。
相談先は、被害の内容と求める結果によって変わります。次の一覧は、各窓口が主に扱いやすい場面を整理したものです。どこへ相談すればよいかわからないときは、緊急性、犯罪性、裁判手続の必要性を軸に読み分けてください。
インターネット上の人権侵害について、削除依頼の方法の助言や、人権侵害に該当すると認められる情報への削除要請が行われる場合があります。
費用を抑えたい削除フォームの選び方、送信防止措置依頼書の書き方、プラットフォームの対応が不十分な場合の相談に向いています。
削除方法の助言性的画像・動画の無断掲載、盗撮、児童性的画像、脅迫、恐喝、危害予告、ストーカー、住所晒し、詐欺的なりすまし等では相談を検討します。
犯罪の可能性SNS運営会社が削除に応じない、投稿者特定や損害賠償が必要、海外プラットフォームや仮処分が絡む場合に、代理人として通知・交渉・裁判手続を検討します。
代理人対応集合写真、元交際相手、学校、職場、店舗、報道、なりすまし、AI加工では見るべき事情が変わります。
同じ無断投稿でも、投稿者との関係や写真の使われ方によって現実的な解決方法が変わります。次の一覧は代表的な8類型を整理したものです。自分の事案に近い類型で、削除、ぼかし、公開範囲変更、警察相談、投稿者特定のどれが重要かを読み取ってください。
投稿全体の削除だけでなく、自分の顔のぼかし、トリミング、タグ削除、公開範囲変更が現実的な解決になることがあります。酔った姿、泣いている姿、交友関係がわかる写真では私生活性が高まります。
感情的対立、脅迫、復讐、性的画像、ストーカーに発展しやすい類型です。性的画像や脅迫がある場合は、証拠保存後、警察・弁護士への相談を優先することが一般的です。
制服、教室、登下校、交友関係が推測されやすく、いじめや晒しに発展することがあります。保護者、学校、スクールカウンセラー、法務局、警察、弁護士との連携が問題になります。
採用ページ、SNS、社内報、広告、プレスリリースでは、肖像、プライバシー、個人情報保護、労務管理、退職後の掲載継続が問題になります。
来場者・利用者の写真は商業利用・宣伝利用としての性質が強くなることがあります。掲示や規約の具体性、拒否機会、掲載媒体・期間・目的が重要です。
表現の自由や報道の自由との調整が必要です。顔を出す必要性、ぼかしで目的を達成できるか、未成年・被害者・無関係者への配慮を検討します。
アイコンやプロフィール画像として使われる場合、写真削除だけでなくアカウント停止、本人証明、投稿内容の保存、第三者被害の確認が必要になります。
実在の本人と識別され、性的・侮辱的・虚偽の文脈や詐欺利用がある場合、現実の写真でなくても削除請求の対象となり得ます。未成年者や脅迫がある場合は早期相談が重要です。
元投稿、リポスト、検索結果、キャッシュ、なりすましプロフィールを分けて整理します。
元投稿が削除されても、引用、転載、まとめサイト、検索結果、画像検索のサムネイルが残ることがあります。次の表は、削除対象をURL単位で整理するためのものです。対象を抽象的に伝えるのではなく、各行のように場所を分けて指定することが重要です。
| 対象 | 確認するURL | 補足 |
|---|---|---|
| 元投稿 | 投稿URL、画像URL、動画URL。 | まず掲載元を特定します。 |
| 引用・転載 | 引用投稿URL、転載URL、リポスト元。 | 元投稿と別に削除申請が必要なことがあります。 |
| まとめサイト | まとめページURL、画像直リンクURL。 | SNS側で消えても別ページに残ることがあります。 |
| 検索結果 | 検索結果URL、画像検索結果、キャッシュ、サムネイル。 | 元投稿削除後に古い表示の削除申請を検討します。 |
| なりすまし | プロフィールURL、アイコン画像URL、投稿一覧。 | アカウント全体の停止が必要な場合があります。 |
検索結果の削除だけでは元投稿は残ります。逆に、元投稿が削除されても、検索結果に古いサムネイルや説明文が一時的に残ることがあります。実務上は、元投稿・元ページを削除し、その後に検索エンジンへ古いコンテンツ削除やキャッシュ削除を申請し、画像検索、動画検索、SNS内検索、まとめサイトを確認する順序が現実的です。
弁護士や相談窓口へ持参するメモには、相談者、投稿の概要、同意の有無、被害状況、希望する対応、既に行ったこと、緊急事情を入れます。性的画像、未成年、住所晒し、脅迫、ストーカー、炎上・急拡散の有無は、対応の優先度を決める重要な情報です。
個別事案の断定ではなく、一般的な制度説明として整理します。
一般的には、本人識別性、同意の有無、撮影場所、投稿目的、公開範囲、私生活性、名誉毀損・侮辱の有無、公共性、拡散状況等を総合して判断されます。ただし、事故態様ではなく投稿の文脈や証拠関係によって結論が変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、ぼかしがあっても、服装、髪型、場所、名前、タグ、投稿文、コメント、周辺事情から本人がわかる場合は、削除請求の余地があります。ただし、完全に匿名化され、本人識別性や私生活情報が乏しい場合は判断が変わる可能性があります。
一般的には、真正面の顔かどうかだけでなく、本人を識別できるか、私生活上の情報が含まれるか、投稿の文脈が権利侵害的かが問題になります。後ろ姿でも、制服、職場、家族、場所、名前、文脈により本人がわかる場合があります。
一般的には、過去に自分で投稿した事実は、削除請求を難しくする事情になり得ます。しかし、それだけで常に削除請求が否定されるわけではありません。投稿範囲、投稿時期、現在の公開状況、悪意ある再投稿、誹謗中傷との組み合わせなどにより判断が変わります。
一般的には、公開範囲が限定されていても、本人の同意なく写真が掲載され、一定の閲覧者がいる場合、肖像やプライバシー上の問題となる可能性があります。ただし、全体公開より拡散性や被害の程度が小さいと評価されることがあります。
一般的には、短時間で消える投稿でも、証拠保全と相談の対象になり得ます。消えやすいため、画面録画、スクリーンショット、投稿者アカウント、表示時刻、閲覧者、反応、保存日時を残すことが重要です。
一般的には、撮影者が著作権を持つ場合でも、被写体本人の肖像やプライバシーを常に無視できるわけではありません。著作権と肖像・プライバシーは別の問題です。ただし、同意の範囲や写真の性質によって判断が変わります。
一般的には、自撮り写真では撮影者である本人が著作権者である可能性があります。この場合、肖像やプライバシーに加え、著作権侵害として削除を求める余地があります。ただし、権利者であることや利用許諾の有無を確認する必要があります。
一般的には、削除の必要性は投稿者の年齢だけでなく、権利侵害の内容で判断されます。ただし、損害賠償、学校対応、保護者への連絡、少年事件・教育的対応など、成人相手とは異なる解決方法が検討されることがあります。
一般的には、法務局は人権相談として削除依頼の方法を助言し、人権侵害と認めた場合にプロバイダ等へ削除要請を行うことがあります。弁護士は、代理人として通知書送付、交渉、仮処分、発信者情報開示、損害賠償請求、刑事告訴の補助等を検討します。
一般的には、発信者情報開示は投稿者を特定するための手続で、削除手続とは別とされています。投稿を削除したい場合は、削除依頼、送信防止措置依頼、削除仮処分などを別に検討する必要があります。
一般的には、削除後でも損害賠償請求が検討される場合があります。ただし、削除後に証拠がなくなると主張立証が難しくなる可能性があります。削除前にURL、画面、日時、投稿者、拡散状況、被害状況を保存しておくことが重要です。
本人側と写真を扱う会社・団体側の注意点を整理し、最後に対応方針を確認します。
SNSで自分の写真を勝手に投稿された場合の削除請求では、まず証拠を残し、SNS公式フォーム、投稿者への冷静な削除依頼、送信防止措置依頼、法務局・違法有害情報相談センターへの相談、弁護士による仮処分・発信者情報開示・損害賠償請求を、重大性に応じて選択します。
削除請求の法的根拠は、肖像に関する人格的利益、プライバシー権、名誉権、著作権、情報流通プラットフォーム対処法、民事保全、発信者情報開示、刑事法が重なり合います。単に無断投稿だから消してほしいと伝えるより、本人識別性、同意の不存在、私生活性、被害、緊急性、投稿URLを整理して伝えることが重要です。