2σ Guide

個人再生と自己破産の
どちらを選ぶべきか

借金の減額幅だけでなく、継続収入、自宅、財産、免責、保証人、職業への影響を重ねて、生活再建につながる判断基準を整理します。

7軸 制度選択の判断材料
3から5年 個人再生の返済期間
5000万円 小規模個人再生の上限目安
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

個人再生と自己破産の どちらを選ぶべきか

借金の減額幅だけでなく、継続収入、自宅、財産、免責、保証人、職業への影響を重ねて、生活再建につながる判断基準を整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
個人再生と自己破産の どちらを選ぶべきか
借金の減額幅だけでなく、継続収入、自宅、財産、免責、保証人、職業への影響を重ねて、生活再建につながる判断基準を整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 個人再生と自己破産の どちらを選ぶべきか
  • 借金の減額幅だけでなく、継続収入、自宅、財産、免責、保証人、職業への影響を重ねて、生活再建につながる判断基準を整理します。

POINT 1

  • 個人再生と自己破産の判断基準は生活再建から考える
  • 制度の有利不利だけでなく、裁判所の審査と手続後の暮らしを続けられるかを確認します。
  • 返済原資
  • 債務の性質
  • 職業と費用

POINT 2

  • 個人再生と自己破産の制度差を定義から押さえる
  • 債務整理、個人再生、自己破産、住宅資金特別条項を分けて理解します。
  • 方法には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などがあります。

POINT 3

  • 個人再生と自己破産の判断基準1 ― 収入と返済余力
  • 1. 収入と支出を保守的に見る:賞与や一時収入に頼らず、通常月で返済原資を確保できるかを確認します。
  • 2. 再生計画どおりに弁済:3か月に1回以上の弁済期を置き、認可決定確定から原則3年で最終弁済期を迎える設計が基本になります。
  • 3. 特別の事情がある場合の延長:民事再生法上、特別の事情がある場合には5年を超えない範囲で弁済期間を定める余地があります。
  • 4. 変更やハードシップ免責:やむを得ない事情で遂行が困難になった場合の変更や免責制度はありますが、例外的な救済として理解する必要があります。

POINT 4

  • 個人再生と自己破産の判断基準2・3 ― 住宅と財産
  • 本人所有と居住
  • 住宅は、個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物である必要があります。
  • 住宅ローンの性質
  • 建設・購入・改良等に必要な資金の分割払の貸付けで、抵当権が住宅に設定されていることを確認します。

POINT 5

  • 個人再生と自己破産の判断基準4 ― 債務額と債務の性質
  • 5000万円上限、最低弁済額、非免責債権を分けて確認します。
  • 最低弁済基準
  • 清算価値保障基準
  • 可処分所得基準

POINT 6

  • 個人再生と自己破産の判断基準5 ― 免責不許可と誠実性
  • 財産隠し・不利益処分
  • 債権者を害する目的で財産を隠す、壊す、不利益に処分する行為が問題になります。
  • 著しく不利な借入れ
  • 破産手続開始を遅らせる目的で、著しく不利な条件で借入れをする行為が問題になります。

POINT 7

  • 個人再生と自己破産の判断基準6・7 ― 保証人と職業への影響
  • 本人の債務整理だけで終わらない影響を、保証人・勤務先・資格から確認します。
  • 個人再生と自己破産のどちらを選んでも、保証人・連帯保証人への請求は原則として止まりません。
  • 本人の負担が軽くなっても周辺の生活に波及する点が重要です。
  • 保証人への請求、資格制限、勤務先との関係のどこに確認事項があるかを読み取ってください。

POINT 8

  • 個人再生と自己破産の実務的な判断の流れ
  • 1. 借金の全体像を把握:債権者、残高、保証人、担保、滞納、訴訟・差押えの有無を整理します。
  • 2. 毎月の返済余力を計算:生活費や税金を除いても、安定して返せる余剰があるかを見ます。
  • 3. 自己破産を中心に検討:非免責債権、同時廃止・管財事件、免責見通しを確認します。
  • 4. 住宅と財産を確認:住宅資金特別条項、清算価値、職業制限を順番に見ます。
  • 5. 税金・養育費・保証人を確認:手続で消えない債務や保証人への請求が生活再建を妨げないかを見ます。
  • 6. 個人再生案と自己破産案を比較:双方の見通し、費用、期間、生活への影響を資料に基づいて確認します。

まとめ

  • 個人再生と自己破産の どちらを選ぶべきか
  • 個人再生と自己破産の判断基準は生活再建から考える:制度の有利不利だけでなく、裁判所の審査と手続後の暮らしを続けられるかを確認します。
  • 個人再生と自己破産の制度差を定義から押さえる:債務整理、個人再生、自己破産、住宅資金特別条項を分けて理解します。
  • 個人再生と自己破産の判断基準1 ― 収入と返済余力:個人再生では、現実に返し続けられる余剰額が最初の関門になります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

個人再生と自己破産の判断基準は生活再建から考える

制度の有利不利だけでなく、裁判所の審査と手続後の暮らしを続けられるかを確認します。

個人再生と自己破産のどちらを選ぶべきかは、単に借金がどれだけ減るかでは決まりません。中心になるのは、収入で再生計画を履行できるか、自宅や財産を残す必要があるか、免責や保証人、職業上の制限が生活再建にどう影響するかという総合判断です。

次の一覧は、制度選択で最初に見る七つの判断軸を表しています。どの軸も、裁判所手続に耐えられるか、手続後の生活を続けられるかに直結するため重要です。各項目で、自分の事情が個人再生寄りか自己破産寄りかを読み取ってください。

Axis 01

返済原資

将来の収入から、3年から5年程度の返済を現実に続けられるかを確認します。

Axis 02

自宅

住宅ローン付き自宅を残したい場合は、住宅資金特別条項の要件が重要になります。

Axis 03

財産

財産を残せるとしても、清算価値が返済額を押し上げる可能性があります。

Axis 04

債務の性質

債務額上限、税金、養育費、罰金、損害賠償など、減免されにくい債務を見ます。

Axis 05

免責

浪費、ギャンブル、偏った返済、財産隠しなどがあると、自己破産で調査が重くなることがあります。

Axis 06

保証人

本人の手続を進めても、保証人への請求は原則として止まらない点を確認します。

Axis 07

職業と費用

資格制限、管財事件の費用、法テラス利用、相談準備まで含めて持続可能性を見ます。

要点安定した返済原資があり、自宅や一定の財産を守る必要が強い場合は個人再生を検討する価値が高くなります。返済原資が乏しく、財産保全より債務からの解放を優先する事情が強い場合は、自己破産が現実的になりやすいと整理できます。
Section 01

個人再生と自己破産の制度差を定義から押さえる

債務整理、個人再生、自己破産、住宅資金特別条項を分けて理解します。

債務整理とは、借金、クレジット債務、保証債務などを任意交渉または裁判所手続で整理し、返済不能または返済困難な状態を是正するための総称です。方法には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などがあります。

次の比較表は、主要な用語が何を意味し、制度選択でなぜ重要になるかを整理したものです。名称が似ていても、返済を続ける制度か、財産を清算して免責を目指す制度かで確認事項が変わるため、右列の読み取りポイントを見てください。

用語意味判断で見る点
個人再生裁判所の認可を受けた再生計画に従い、一定額を分割返済して残債務の免除を受ける手続です。継続収入、最低弁済額、清算価値、債権者の不同意、住宅資金特別条項の可否を確認します。
小規模個人再生将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあり、住宅ローン等を除く再生債権総額が5000万円以下の個人が対象になります。不同意回答者の半数以上、または議決権額の過半数が不同意の場合、廃止リスクがあります。
給与所得者等再生給与またはこれに類する定期収入を得る見込みがあり、収入変動が小さいと見込まれる人向けの手続です。可処分所得2年分以上という追加的な返済要件が重くなることがあります。
自己破産支払不能の状態で財産を換価・配当し、免責が確定すれば原則として破産債権の支払責任を免れる手続です。免責不許可事由、非免責債権、同時廃止か管財事件か、資格制限、保証人への影響を確認します。
住宅資金特別条項個人再生で住宅ローンを原則として支払い続け、それ以外の借金を整理するための条項です。本人所有・居住、住宅ローンの性質、他の担保権、代位弁済後6か月、家計余力を確認します。

次の比較表は、個人再生と自己破産の制度差を、収入、返済、自宅、財産、債権者、免責、職業制限という実務上の項目で並べたものです。左から順に読むと、個人再生は返済計画の実行可能性、自己破産は清算と免責の見通しが中心になることが分かります。

観点個人再生自己破産
基本目的収入から一定額を返済し、残債務を免除して経済生活を再建します。財産を清算し、免責により原則として支払責任から解放します。
収入要件将来継続的または反復した収入が必要です。給与所得者等再生では収入の安定性も重要です。支払不能が中心で、将来収入が乏しい場合でも利用可能性があります。
返済原則3年、特別の事情があれば5年以内で一定額を返済します。免責が確定すれば、非免責債権などを除き支払責任を免れます。
自宅住宅資金特別条項を利用できれば、自宅維持の余地があります。住宅ローン付き不動産は、担保権実行や任意売却の問題になりやすいです。
財産直ちに換価される制度ではありませんが、清算価値保障により返済額が上がります。破産財団に属する財産は原則として換価・配当の対象になります。
免責免責不許可事由そのものは中心ではありませんが、不誠実な財産隠しは不認可等のリスクになります。破産法252条の免責不許可事由が直接問題になります。
職業破産者になることによる資格制限は通常問題になりません。一部の資格・職業では、復権まで制限が問題になることがあります。
Section 02

個人再生と自己破産の判断基準1 ― 収入と返済余力

個人再生では、現実に返し続けられる余剰額が最初の関門になります。

個人再生は借金を大きく圧縮できる可能性がありますが、返済がゼロになる制度ではありません。再生計画で定めた金額を、原則3年間、特別の事情がある場合には5年以内で分割返済します。

計算式毎月の安定収入から、生活に不可欠な支出、住居費、税金・社会保険料・養育費、医療費・教育費・交通費などを差し引き、残った現実的な余剰額を再生計画に充てられるかを見ます。

次の時系列は、個人再生で想定される返済期間と、途中で家計が崩れた場合に問題になる救済の位置づけを表しています。返済は一時的な努力ではなく複数年続くため重要で、通常月の収支でどの段階まで耐えられるかを読み取ってください。

申立て前

収入と支出を保守的に見る

賞与や一時収入に頼らず、通常月で返済原資を確保できるかを確認します。

原則3年

再生計画どおりに弁済

3か月に1回以上の弁済期を置き、認可決定確定から原則3年で最終弁済期を迎える設計が基本になります。

最長5年

特別の事情がある場合の延長

民事再生法上、特別の事情がある場合には5年を超えない範囲で弁済期間を定める余地があります。

例外的救済

変更やハードシップ免責

やむを得ない事情で遂行が困難になった場合の変更や免責制度はありますが、例外的な救済として理解する必要があります。

次の一覧は、返済余力から見た制度選択の分岐を表しています。継続収入があるかどうかだけでなく、税金や養育費など手続外で支払うものも含めて破綻しないかが重要です。各項目で、個人再生を検討できる条件と自己破産の比重が高まる条件を読み分けてください。

個人再生を検討しやすい事情

毎月の収入が継続的で、家計見直し後に返済原資を確保でき、住宅ローンや税金なども含めて支払いが破綻しない場合です。

自己破産の比重が高まる事情

失業中、休職中、家計を削っても余剰がほとんどない、訴訟や差押えが迫っているなど、返済計画の前提がない場合です。

自営業者で確認すべき事情

売上変動が大きい場合は、楽観的な見込みではなく、保守的な売上でも返済可能性を説明できるかを確認します。

Section 03

個人再生と自己破産の判断基準2・3 ― 住宅と財産

自宅を残したいか、清算価値が返済額を押し上げるかを同時に見ます。

個人再生が自己破産と比較して選ばれやすい典型場面は、住宅ローン付き自宅を維持したい場合です。住宅資金特別条項を使えれば、住宅ローンを支払い続けながら、それ以外の借金を再生計画で整理する余地があります。

次の一覧は、住宅資金特別条項で最低限確認すべき要件を表しています。自宅を残せるかは制度選択の大きな分かれ目になるため重要で、本人所有・居住、担保権、代位弁済、家計余力のどこにリスクがあるかを読み取ってください。

本人所有と居住

住宅は、個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物である必要があります。

住宅ローンの性質

建設・購入・改良等に必要な資金の分割払の貸付けで、抵当権が住宅に設定されていることを確認します。

他の担保権

住宅ローン以外の担保権が住宅に設定されている場合、利用できない可能性があります。

代位弁済後6か月

保証会社が代位弁済した場合、全部履行日から6か月を経過する日までの申立てかが問題になります。

家計余力

住宅ローンは原則として減額されないため、ローンと再生計画弁済を同時に支払えるかを確認します。

次の比較表は、自宅や財産から見た選択の基本線を表しています。財産を残せるかどうかだけでなく、清算価値が返済額に反映される点が重要です。左列の状況ごとに、個人再生の可能性と自己破産での財産喪失リスクを読み取ってください。

状況個人再生で見る点自己破産で見る点
住宅ローン付き自宅を残したい住宅資金特別条項の要件と、ローン継続支払いの家計余力を確認します。担保権実行、任意売却、管財人による換価が問題になり、自宅維持は困難になりやすいです。
財産を残したい自動車、保険、退職金見込額、不動産持分、事業用資産などは残せる可能性がありますが、清算価値に反映されます。破産財団に属する財産は原則として換価・配当の対象になります。自由財産の範囲は運用や個別事情で変わります。
清算価値が高い最低弁済額が財産価値に引き上げられ、返済不能になることがあります。財産処分や換価を前提に、生活基盤への影響を正面から評価します。
めぼしい財産がない財産保全のメリットは小さくなります。財産喪失リスクが相対的に小さく、生活再建に適する可能性があります。
家族名義財産との混在財産目録や清算価値の説明を誤ると、不認可や廃止リスクがあります。財産移転や名義の実質が調査対象になる可能性があります。

清算価値に含まれ得る財産には、預貯金、現金、自動車、生命保険の解約返戻金、退職金見込額の一部、不動産の実質価値、株式・投資信託・暗号資産、事業用資産、売掛金、敷金・保証金返還請求権、相続財産、共有持分などがあります。

Section 04

個人再生と自己破産の判断基準4 ― 債務額と債務の性質

5000万円上限、最低弁済額、非免責債権を分けて確認します。

小規模個人再生では、住宅資金貸付債権などを除いた再生債権総額が5000万円を超えないことが必要です。住宅ローンを除いた借金が高額な場合は、債権調査、利息制限法に基づく引き直し、保証債務、事業債務の有無を精査する必要があります。

次の比較表は、小規模個人再生で示される最低弁済額の目安を表しています。債務総額だけで個人再生の返済額を決めるわけではないものの、出発点になるため重要です。右列の金額が、清算価値や可処分所得基準でさらに上がり得る点を読み取ってください。

住宅ローンを除く担保のない債務総額最低弁済額の基準の目安
100万円未満債務総額
100万円以上500万円以下100万円
500万円超1500万円以下債務総額の5分の1
1500万円超3000万円以下300万円
3000万円超5000万円以下債務総額の10分の1

次の一覧は、個人再生の返済額を左右する三つの基準を表しています。最低弁済額だけを見ていると返済計画を誤るため重要です。どの基準が自分の返済額を一番大きくしそうかを読み取ってください。

Standard 01

最低弁済基準

債務総額に応じた最低返済額です。100万円、5分の1、300万円、10分の1などの目安が出発点になります。

Standard 02

清算価値保障基準

破産した場合に債権者が受け取ると見込まれる額を下回らないようにする基準です。

Standard 03

可処分所得基準

給与所得者等再生で問題となり、可処分所得2年分以上の返済が必要になります。

注意税金、養育費、扶養義務、罰金、一定の損害賠償などが債務の大部分を占める場合、個人再生・自己破産のどちらでも期待したほど負担が軽くならないことがあります。税務署や自治体への分納相談、養育費の調整、家計再建を組み合わせる必要があります。
Section 05

個人再生と自己破産の判断基準5 ― 免責不許可と誠実性

借金の原因そのものより、財産・収入・債権者を正確に説明できるかが重要です。

自己破産では、免責許可決定が確定して初めて、原則として支払責任から解放されます。そのため、破産法252条の免責不許可事由の有無は重要です。ただし、免責不許可事由がある場合でも、裁判所が一切の事情を考慮して相当と認めるときは、裁量免責が認められる余地があります。

次の一覧は、自己破産で免責不許可事由として問題になり得る主な事情を表しています。これらは手続の調査負担や見通しに関わるため重要です。自分に近い事情がある場合、隠すのではなく、資料と経緯を整理して説明する必要があると読み取ってください。

財産隠し・不利益処分

債権者を害する目的で財産を隠す、壊す、不利益に処分する行為が問題になります。

著しく不利な借入れ

破産手続開始を遅らせる目的で、著しく不利な条件で借入れをする行為が問題になります。

現金化や偏った返済

クレジット購入品の不利益処分、特定債権者への担保提供や弁済が問題になります。

浪費・賭博・投資

浪費、賭博、その他の射幸行為により過大な債務を負った事情が問題になることがあります。

虚偽説明や資料不備

虚偽の債権者名簿、帳簿や書類の隠滅、裁判所や管財人への説明拒否が問題になります。

過去の免責等

過去一定期間内に免責許可等を受けている場合、免責判断で確認されます。

ギャンブル、浪費、投資失敗、換金行為、偏った返済がある場合、自己破産では免責調査が厳しくなることがあります。安定収入があり、再生計画を履行できる見込みがあるなら、個人再生を選ぶことで免責不許可リスクを回避または軽減できる場合があります。

一方、個人再生でも不誠実な行為は問題になります。財産目録に記載すべき財産を記載しない、収入や債権者を隠す、虚偽記載をすると、手続廃止、不認可、民事・刑事上の責任につながり得ます。

相談時の姿勢借金の原因を恥ずかしいと感じても、ギャンブル、浪費、投資、暗号資産、オンラインカジノ、親族弁済、現金化、名義貸し、保証、事業失敗などは隠さず説明することが重要です。専門家は道徳的に裁くためではなく、制度選択を誤らないために事実を確認します。
Section 06

個人再生と自己破産の判断基準6・7 ― 保証人と職業への影響

本人の債務整理だけで終わらない影響を、保証人・勤務先・資格から確認します。

個人再生と自己破産のどちらを選んでも、保証人・連帯保証人への請求は原則として止まりません。民事再生法177条2項も破産法253条2項も、再生計画や免責許可決定が、保証人などに対する債権者の権利に影響しない旨を定めています。

次の比較表は、保証人と職業への影響を、制度ごとに整理したものです。本人の負担が軽くなっても周辺の生活に波及する点が重要です。保証人への請求、資格制限、勤務先との関係のどこに確認事項があるかを読み取ってください。

確認項目個人再生自己破産
保証人への影響再生計画で本人の債務が圧縮されても、保証人への請求は原則として残ります。免責が確定しても、保証人への請求は原則として残ります。
保証人がいる場合どの債務に保証人が付くか、債権者が一括請求する可能性、保証人側の債務整理の要否を見ます。同じく保証人への請求リスクを見ます。本人と保証人双方の生活再建を視野に入れます。
資格・職業制限破産者になることによる資格制限は通常問題になりません。警備員、生命保険募集人、宅地建物取引士、一定の役員・士業関連資格などで制限が問題になることがあります。
復権破産者ではないため、復権の問題は通常中心になりません。免責許可決定が確定したときなどに復権し、資格制限が回復する場合があります。
制度外の影響信用情報、勤務先借入れ、社内貸付、登録上の報告義務は別途確認します。同じく信用情報や勤務先への影響に加え、管財事件となる場合の調査負担も確認します。

保証人への影響を避けるために任意整理を選ぶケースもありますが、任意整理で支払えないほど債務が重い場合、影響を完全に避けることは困難です。職業面では、職種名、登録制度、雇用契約、社内規程を具体的に確認する必要があります。

Section 07

自己破産を選ぶ場合は同時廃止と管財事件の分岐も見る

自己破産は一つの手続名でも、財産や免責調査の有無で負担が変わります。

自己破産を検討する場合は、自己破産かどうかだけでなく、同時廃止事件になるのか、管財事件になるのかが重要です。裁判所資料では、財産が少ない場合には破産管財人を選任しないまま破産手続を終了することもあると説明されていますが、管財事件となるかどうかは裁判所の判断事項です。

次の比較表は、同時廃止になりやすい方向の事情と、管財事件になりやすい方向の事情を表しています。予納金、面談、財産調査など手続負担に関わるため重要です。自分の事情がどちらに近いかを読み取って、相談時に確認してください。

同時廃止になりやすい方向管財事件になりやすい方向
換価すべき財産がほとんどない。不動産、自動車、高額保険、退職金見込額、事業用資産などがある。
債務の原因が比較的単純である。個人事業主、会社代表者、過去に事業を営んでいた人である。
免責不許可事由が明確には問題にならない。財産移転、親族への送金、偏った返済、現金化、ギャンブル、投資などの事情がある。
財産関係が複雑でない。債務額が大きい、または債務発生原因が複雑である。
債権者数や債務発生経緯が整理されている。家計や財産資料に不明点が多く、免責調査が必要である。

管財事件になると、予納金、管財人面談、郵便物管理、財産調査、換価、債権者対応などが発生し、時間と費用の負担が増えることがあります。自己破産を選ぶ場合でも、同時廃止見込みか管財見込みかは、費用準備と生活設計の両面で確認が必要です。

Section 08

個人再生と自己破産の実務的な判断の流れ

借金の全体像から、返済余力、住宅、財産、免責、残る債務まで順番に確認します。

次の判断の流れは、相談前に状況を整理するための順番を表しています。制度名から先に選ぶと重要な事情を見落としやすいため、借金、返済余力、住宅、財産、免責、残る債務の順に確認することが重要です。上から下へ進み、どの段階で専門家に確認すべき論点が出るかを読み取ってください。

生活再建を起点にした確認順序

借金の全体像を把握

債権者、残高、保証人、担保、滞納、訴訟・差押えの有無を整理します。

毎月の返済余力を計算

生活費や税金を除いても、安定して返せる余剰があるかを見ます。

余力がほぼない
自己破産を中心に検討

非免責債権、同時廃止・管財事件、免責見通しを確認します。

余力がある
住宅と財産を確認

住宅資金特別条項、清算価値、職業制限を順番に見ます。

税金・養育費・保証人を確認

手続で消えない債務や保証人への請求が生活再建を妨げないかを見ます。

個人再生案と自己破産案を比較

双方の見通し、費用、期間、生活への影響を資料に基づいて確認します。

次の事例一覧は、典型的な事情ごとに検討の出発点を示しています。実際の結論は資料と裁判所運用で変わるため重要で、どの事情が個人再生寄りまたは自己破産寄りに働くかを読み取ってください。

Case A

住宅ローン付き自宅を維持したい会社員

年収が安定し、住宅ローンを支払え、住宅資金特別条項の要件を満たす可能性があるなら、まず個人再生を検討します。

Case B

失業中で財産がほとんどない人

返済計画の履行可能性を欠くため、自己破産を中心に、同時廃止か管財事件か、非免責債権の有無を確認します。

Case C

収入はあるが清算価値が高い人

借金700万円でも清算価値が400万円あるような場合、返済額が清算価値に引き上げられる可能性があります。

Case D

ギャンブル・投資で債務が増えた人

自己破産では免責調査が問題になります。返済可能性があるなら、個人再生も検討対象になります。

Case E

税金と養育費が大部分の人

どちらの手続でも負担が残る可能性があるため、分納相談、養育費の調整、家計再建を組み合わせます。

Section 09

個人再生と自己破産の相談前に準備する資料と質問

資料をそろえるほど、最低弁済額、清算価値、免責、費用の見通しが具体化します。

相談前には、債権者一覧表、督促状、裁判所から届いた書類、給与明細、預貯金通帳、契約書・領収書、カード、家計簿、住宅ローンや不動産担保ローンの資料などを整理します。資料が不足すると、個人再生の返済額や自己破産の同時廃止・管財見込みを判断しにくくなります。

次の一覧は、相談前に整理すべき資料の種類を表しています。資料は制度選択の根拠になるため重要です。借金、家計、財産、住宅、経緯のどこが不足しているかを読み取って、相談前に補ってください。

1

借金に関する資料

債権者名、借入日、最終返済日、残高、毎月返済額、利率、保証人、担保、滞納期間、裁判・支払督促・差押えの有無を整理します。

債務
2

収入・家計に関する資料

給与明細、源泉徴収票、確定申告書、年金・手当・副業収入、家計簿、家賃、住宅ローン、公共料金、保険料、教育費、医療費を確認します。

家計
3

財産に関する資料

預貯金通帳、保険証券、解約返戻金証明書、車検証、査定資料、不動産登記、固定資産評価、退職金見込額、投資資産、相続関係資料を整理します。

財産
4

住宅ローン関係資料

住宅ローン契約書、返済予定表、滞納通知、保証会社からの通知、代位弁済通知、不動産登記、評価証明、管理費・修繕積立金の滞納資料を確認します。

住宅
5

借金の原因と経緯

借入れ開始時期、返済困難になった理由、返済のための借入れ、親族返済、財産移転、現金化、ギャンブル、投資、病気、離婚、失業、事業失敗を整理します。

経緯

次の比較表は、弁護士等に確認したい質問を論点別にまとめたものです。質問を用意すると、個人再生案と自己破産案の比較が具体化するため重要です。左列の論点ごとに、自分の資料で答えられない項目を相談時の確認事項として読み取ってください。

論点確認したい質問
個人再生の可否5000万円要件、小規模個人再生と給与所得者等再生の選択、最低弁済額、清算価値、可処分所得2年分、債権者不同意リスクを確認します。
住宅住宅資金特別条項を使えるか、住宅ローン滞納や保証会社の代位弁済が問題になるかを確認します。
自己破産同時廃止と管財事件の見込み、免責不許可事由、裁量免責の見通し、非免責債権の有無を確認します。
周辺影響保証人への請求時期、勤務先、資格、登録、役員地位、家族名義財産や家計の説明範囲を確認します。
費用と緊急対応弁護士費用、裁判所費用、予納金、分割払い、法テラス利用、給与差押えや訴訟への対応時期を確認します。
避ける行動申立て前に、一部債権者だけへの返済、親族への優先返済、財産の家族名義移転、使途不明な預金引出し、不自然な自動車・保険処分、クレジット購入品の売却、新たな借入れ、虚偽説明、裁判所書類の放置をすると、自己破産では免責不許可、個人再生では廃止・不認可・清算価値上の問題になり得ます。
Section 10

個人再生と自己破産のFAQとよくある誤解

制度を単純化しすぎると、返済額や残る債務、保証人への影響を見落とします。

個人再生なら借金は一律5分の1になりますか

一般的には、個人再生の返済額は最低弁済基準だけでなく、清算価値保障や給与所得者等再生の可処分所得基準にも左右されるとされています。ただし、財産内容、収入、債務総額、手続類型によって結論が変わる可能性があります。具体的な返済額は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

自己破産をすればすべての支払いがなくなりますか

一般的には、免責許可決定が確定しても、税金、一定の損害賠償、養育費・扶養義務、罰金等は非免責債権として残るとされています。ただし、債務の種類や発生原因によって扱いが変わる可能性があります。具体的な残債務は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

保証人には影響しませんか

一般的には、個人再生の再生計画や自己破産の免責許可決定は、保証人等に対する債権者の権利に影響しないとされています。ただし、保証契約の内容、債権者対応、保証人の資力によって対応は変わる可能性があります。具体的な説明時期や対応方針は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

裁判所でどちらの手続がよいか教えてもらえますか

一般的には、裁判所は中立機関であり、個別の方針決定を代わりに行う立場ではないとされています。ただし、利用する裁判所の案内資料や運用で確認できる範囲はあります。具体的な制度選択は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

弁護士に相談すると自己破産だけを勧められますか

一般的には、債務整理では任意整理、特定調停、個人再生、自己破産など複数の手段を比較して生活再建可能性を検討するとされています。ただし、収入、財産、債務の性質、保証人、職業制限によって適した手続は変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

次の比較表は、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の大まかな位置づけを表しています。個人再生と自己破産だけに絞る前に、返済可能性の段階を確認するため重要です。元金を返せるか、一定額なら返せるか、一定額も困難かという順で読み取ってください。

返済可能性検討しやすい手続注意点
元金をおおむね返せる任意整理・特定調停将来利息の調整や分割払いを目指しますが、元金を大きく減らす制度ではありません。
元金全額は返せないが一定額は返せる個人再生収入、最低弁済額、清算価値、住宅資金特別条項、債権者の意向を確認します。
一定額の返済も困難自己破産免責、非免責債権、財産、資格制限、同時廃止・管財事件を確認します。
Section 11

個人再生と自己破産の結論を最終チェックで統合する

どちらか一方のメリットだけでなく、解決しにくい債務も含めて整理します。

次の重要ポイントは、個人再生と自己破産の判断を一つに統合したものです。収入、自宅、財産、免責、保証人、職業制限のどれが決定的な事情になるかを見落とさないため重要です。三つの方向性のうち、自分の状況がどこに近いかを読み取ってください。

制度名ではなく、生活再建の持続可能性で選ぶ

安定収入があり、3年から5年の返済を続けられ、自宅や財産を守る必要が強い場合は個人再生を検討します。返済原資が乏しく、財産維持より債務からの解放を優先する事情が強い場合は自己破産を検討します。

次の一覧は、個人再生を優先的に検討しやすい人、自己破産を優先的に検討しやすい人、どちらでも解決しにくい人を分けたものです。相談前の自己整理として重要で、当てはまる項目が一つだけでなく複数重なるかを読み取ってください。

個人再生寄り

返済原資と守りたい生活基盤がある

安定収入があり、3年から5年の返済が可能で、住宅ローン付き自宅、車、保険、退職金、不動産持分、事業用資産などを守る必要がある場合です。破産による資格・職業制限が重大な不利益になる場合も検討価値があります。

自己破産寄り

返済計画の継続が現実的でない

安定した返済原資がなく、生活費を削っても再生計画を履行できず、維持すべき高額財産が少ない場合です。個人再生の最低弁済額、清算価値、可処分所得基準を満たせない場合も含まれます。

個別対応が必要

手続だけでは解決しにくい債務が中心

税金、養育費、罰金、一定の損害賠償、保証人への請求、住宅ローン継続不能、直前の財産移転や現金化が中心の場合は、税務、家計、家族関係、不動産処分、保証人対応を含めた設計が必要です。

次の最終チェックリストは、相談前に答えておきたい確認項目を表しています。制度選択を抽象論で終わらせず、資料に基づく相談につなげるため重要です。答えられない項目は、資料不足または専門家に確認すべき論点として読み取ってください。

確認項目答えておきたい内容
借金住宅ローン以外の総額、債権者数、保証人、税金、養育費、罰金、損害賠償の有無。
返済余力毎月いくらなら3年から5年継続して支払えるか。賞与に頼らず通常月で説明できるか。
住宅住宅を残したいか、住宅ローン滞納や代位弁済通知があるか。
財産自動車、保険、退職金、不動産、投資資産、相続財産などの価値はいくらか。
手続リスクギャンブル、投資、浪費、現金化、偏った返済、裁判、支払督促、差押え、資格・職業制限があるか。
費用と相談先弁護士費用、裁判所費用、予納金、法テラス利用可能性をどう確認するか。
Reference

この記事の参考情報源

公的機関、裁判所資料、法令、専門職団体の一般情報をもとに整理しています。

裁判所・公的機関の資料

  • 裁判所「個人再生」
  • 裁判所「破産」
  • 東京地方裁判所「よくある質問」
  • 大分地方裁判所「債務整理を考えている方へ」
  • 金融庁「多重債務者相談マニュアル」
  • 金融庁「多重債務についての相談窓口」

法令

  • 民事再生法1条、177条、196条、198条、221条、229条、234条、235条、237条、239条
  • 破産法252条、253条、255条

相談制度・専門職団体の情報

  • 日本弁護士連合会「よくある相談内容」
  • 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」
  • 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
  • 法テラス「債務整理の相談時に持参するとよい資料」