債権者決議の有無、2年分の可処分所得基準、返済総額への影響を中心に、個人再生の2類型を一般情報として整理します。
債権者決議の有無、2年分の可処分所得基準、返済総額への影響を中心に、個人再生の2類型を一般情報として整理します。
最初に押さえるべき結論は、債権者決議と可処分所得基準です。
小規模個人再生と給与所得者等再生の違いを一言で整理すると、小規模個人再生は利用できる人の幅が広い一方で、再生計画案について債権者の不同意リスクがあります。給与所得者等再生は安定した給与等の収入がある人に限られる一方で、債権者の決議を要しません。
もう一つの大きな違いは返済総額です。給与所得者等再生では、法定最低弁済額や清算価値に加えて、2年分の可処分所得を下回らないことが求められるため、家計状況によっては小規模個人再生より返済額が高くなることがあります。
次の比較は、制度選択に直結する主要項目を一覧にしたものです。どの列が自分に近いかを見ることで、相談時に確認すべき論点を把握しやすくなります。
| 判断軸 | 小規模個人再生 | 給与所得者等再生 |
|---|---|---|
| 利用できる人 | 継続的または反復的な収入見込みがある個人 | 小規模個人再生の対象者のうち、給与またはこれに類する定期収入があり、変動幅が小さい人 |
| 典型例 | 個人事業主、会社員、公務員、パート、家賃収入者など | 会社員、公務員など安定した給与収入者 |
| 債権者の関与 | 書面決議があり、不同意が一定基準を超えると計画が通らない可能性があります | 意見聴取はありますが、不同意だけで否決される構造ではありません |
| 返済額の基準 | 法定最低弁済額と清算価値の高い方 | 法定最低弁済額、清算価値、2年分可処分所得の高い方 |
| 主なリスク | 債権者不同意による否決 | 収入要件、可処分所得基準、過去の免責・再生歴による制限 |
重要な違いを短く確認するため、次の強調部分では「なぜ会社員でも小規模個人再生を選ぶことがあるのか」を示しています。返済額と債権者反対リスクを同時に見ることが、このテーマの核心です。
給与所得者等再生は債権者決議を避けやすい制度ですが、2年分の可処分所得基準で返済総額が増えることがあります。債権者不同意リスクが低いなら、小規模個人再生が家計に合うこともあります。
小規模個人再生と給与所得者等再生を比べる前提として、個人再生の仕組みと用語を整理します。
個人再生は、民事再生法に基づく個人債務者の再建型手続です。破産が原則として財産を清算して免責を得る制度であるのに対し、個人再生は将来の収入から一定額を分割返済し、再生計画どおりに返済することで残りの債務の免除を受ける仕組みです。
裁判所資料では、個人再生は通常再生手続を簡素化した手続と説明されています。基本的な流れは、申立て、開始決定、債権届出・債権調査、再生計画案の提出、再生計画案の決議または意見聴取、認可、計画に基づく弁済です。
次の一覧は、両制度を読むときに頻出する用語をまとめたものです。各用語の意味を先に押さえると、返済額や債権者関与の違いを誤解しにくくなります。
| 用語 | 意味 | 比較で重要な理由 |
|---|---|---|
| 再生債務者 | 個人再生を申し立てる個人 | 法人ではなく個人のみが対象です |
| 再生債権者 | 再生手続開始前の原因に基づく金銭債権などを持つ者 | 小規模個人再生では書面決議に関わります |
| 再生債権 | 個人再生の対象となる債権 | 税金、社会保険料、養育費、罰金などは別途扱いの確認が必要です |
| 基準債権総額 | 最低弁済額を算定する基礎となる債権総額 | 住宅ローン等を除く債務額の把握が出発点になります |
| 清算価値 | 破産した場合に債権者へ配当されると見込まれる財産価値 | 両制度とも返済総額は清算価値を下回れません |
| 可処分所得 | 収入から税金、社会保険料、政令上の生活費などを控除して算出する額 | 給与所得者等再生では2年分が返済総額の下限になり得ます |
| 書面決議 | 再生計画案への同意・不同意を債権者に確認する手続 | 小規模個人再生の最大の特徴です |
| 意見聴取 | 債権者から意見を聴く手続 | 給与所得者等再生では決議ではなく意見聴取になります |
| 個人再生委員 | 裁判所により選任され、財産・収入状況を調査し意見を述べる中立的機関 | 東京地方裁判所では全件選任の運用が説明されています |
次の3つの観点は、個人再生の2類型を見分ける土台です。対象者、債権者関与、返済額の算定基準を分けて見ると、制度の位置づけが整理しやすくなります。
継続的または反復的な収入見込みがあれば、会社員だけでなく個人事業主、フリーランス、パート、家賃収入者なども候補になります。
給与またはこれに類する定期的収入があり、収入額の変動幅が小さい人を対象にする特則的な手続です。
給与所得者等再生は債権者決議を不要にする一方、2年分の可処分所得を返済総額に反映させます。
制度上の位置づけ、利用要件、返済額、債権者関与を横断的に確認します。
小規模個人再生は個人再生の基本型、給与所得者等再生はその対象者のうち安定した給与等の収入がある人向けの類型です。給与所得者等再生を利用できる人は、通常、小規模個人再生も検討対象になります。
次の比較表は、利用場面ごとの違いをまとめたものです。左から順に、制度の入口、返済額への影響、実務上の注意点を読み取ると、どちらを優先して検討するかの見通しを立てやすくなります。
| 項目 | 小規模個人再生 | 給与所得者等再生 |
|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 個人再生の基本類型 | 小規模個人再生の対象者のうち、安定した給与等の収入がある人向けの類型 |
| 収入要件 | 将来において継続的または反復して収入を得る見込み | 給与またはこれに類する定期収入があり、収入変動幅が小さい見込み |
| 債務総額要件 | 住宅ローン等を除き原則5000万円以下 | 同じく住宅ローン等を除き原則5000万円以下 |
| 債権者決議 | あり | なし |
| 債権者の関与 | 不同意が一定基準を超えると計画が通らない可能性があります | 意見聴取はありますが、不同意意見だけで否決されるわけではありません |
| 返済額の基本 | 法定最低弁済額と清算価値の高い方 | 法定最低弁済額、清算価値、2年分可処分所得の高い方 |
| 返済額が高くなる要因 | 高額資産、退職金見込額、保険解約返戻金など | 左記に加え、高い可処分所得 |
| 提出資料 | 収入資料、財産資料、清算価値資料など | 左記に加え、2年分資料と可処分所得額算出資料の重要性が高い |
| 典型的な選択理由 | 返済額を抑えやすく、利用対象が広い | 債権者の反対リスクを回避しやすい |
| 典型的な注意点 | 債権者不同意リスク | 返済額上昇、収入変動要件、7年制限など |
両制度に共通する基本要件として、個人であること、将来の継続的または反復的な収入見込みがあること、住宅ローン等を除く債務総額が原則5000万円以下であること、返済不能または返済不能のおそれがあること、再生計画を遂行できる見込みがあることが挙げられます。
会社員、公務員、契約社員、パート、アルバイト、個人事業主、フリーランス、家賃収入者、年金収入者などは、小規模個人再生を検討し得ます。ただし、無職で収入見込みがない場合や、家計上返済原資を確保できない場合は、計画遂行可能性が問題になります。
給与所得者等再生では、給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり、その収入額の変動幅が小さいと見込まれる必要があります。裁判所資料では、過去2年分の収入資料を参考に、年単位の変動幅がおおむね年間収入の5分の1以下かが問題になるとの説明があります。
返済総額の下限は、最低弁済額、清算価値、可処分所得のどれが最も高いかで決まります。
返済総額の違いは、制度選択で最も大きな関心事です。小規模個人再生では、法定最低弁済額と清算価値を比べ、高い方以上の返済計画が必要になります。給与所得者等再生では、さらに2年分の可処分所得が比較対象に加わります。
次の表は、住宅ローン等を除く借金総額ごとの最低弁済額の目安です。債務総額の区分によって下限額が変わるため、まず自分の基準債権総額がどの区分に入るかを確認することが重要です。
| 住宅ローン等を除く借金総額 | 最低弁済額の目安 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 総額全部 | 圧縮の余地は限定的です |
| 100万円以上500万円程度まで | 100万円 | 500万円の5分の1は100万円です |
| 500万円を超え1500万円程度まで | 総額の5分の1 | 700万円なら140万円が目安です |
| 1500万円以上3000万円程度まで | 300万円 | 1500万円の5分の1は300万円です |
| 3000万円を超え5000万円以下 | 総額の10分の1 | 債務額が大きい場合の下限です |
小規模個人再生でも給与所得者等再生でも、返済総額は清算価値を下回れません。預貯金、自動車、保険解約返戻金、退職金見込額、不動産持分などを考慮した清算価値が法定最低弁済額より高ければ、清算価値が返済総額を押し上げます。
給与所得者等再生で重要な可処分所得は、単純な手取り額ではありません。概略としては、年間収入から税金、社会保険料、政令で定められた最低生活費などを控除して算出されます。
次の一覧は、返済総額の算定で何を比較するかを示しています。小規模個人再生には2年分可処分所得が加わらない点、給与所得者等再生では3項目のうち最も高い額が問題になる点を読み取ってください。
法定最低弁済額と清算価値を比べ、高い方以上の金額で計画を組む必要があります。
法定最低弁済額、清算価値、2年分の可処分所得を比べ、最も高い金額が下限になります。
120万円を3年で返すなら月約3万3333円、240万円なら月約6万6666円です。
返済額だけで選ぶと、債権者不同意リスクを見落とすことがあります。次の要素を掛け合わせて、返済額の低さと手続の通りやすさを同時に検討する必要があります。
家計に無理のない返済額であることが重要です。
小規模個人再生では債権者構成が計画の成否に影響します。
給与所得者等再生では定期収入と変動幅が特に重視されます。
財産価値が高いと、どちらの手続でも返済額が上がります。
給与所得者等再生では7年以内の一定の免責・再生歴が問題になり得ます。
本人の返済計画だけでなく、保証人や住宅ローン特則への影響も確認が必要です。
小規模個人再生では債権者の不同意、給与所得者等再生では不認可事由の有無が中心になります。
小規模個人再生では、再生計画案について債権者の書面決議があります。不同意回答をした議決権者が総数の半数に満たず、かつ不同意の議決権額が総額の2分の1を超えないときは、可決したものとみなされます。反対に、この基準を超えると計画案が通らない可能性があります。
次の判断の流れは、小規模個人再生で不同意が問題になる場面を表しています。人数と金額のどちらか一方だけでなく、両方を確認する必要がある点を読み取ってください。
債権者へ同意・不同意の確認が行われます。
電話や口頭ではなく、期限までの書面回答が問題になります。
頭数または金額の基準を満たすと否決リスクが高まります。
他の認可要件も満たすかを確認します。
頭数要件では、たとえば債権者が4社で2社が不同意回答をした場合、不同意が半数に満たないとはいえないため問題になります。金額要件では、債権者が5社で反対が1社だけでも、その1社が債権総額の60%を持っていれば問題になる可能性があります。
次の一覧は、債権者不同意リスクが高くなりやすい典型場面を整理したものです。どの項目に当てはまるかを見ることで、給与所得者等再生を検討する実益があるかを考えやすくなります。
1社で債権総額の過半を占めると、金額要件が大きな問題になります。
1社または2社の反対で頭数要件に触れる可能性があります。
感情的な対立が強い場合、不同意回答が予想されることがあります。
交渉が激しく対立していた場合、再生計画案への反対を想定して検討します。
給与所得者等再生では、債権者の決議はありません。債権者から意見を聴く手続はありますが、不同意の意見だけで再生計画案が否決されるわけではありません。ただし、収入要件、可処分所得基準、清算価値、計画遂行可能性、7年以内の一定の手続歴、債権者の一般の利益などに問題があれば認可されないことがあります。
基本的な進行は共通しますが、収入資料と可処分所得資料で差が出ます。
両制度の基本的な進行は大きく同じです。申立てから開始決定、債権届出・債権調査、再生計画案の提出、決議または意見聴取、認可、弁済へ進みます。違いは、収入資料の厚み、可処分所得額算出資料、そして計画案提出後の債権者関与に現れます。
次の時系列は、個人再生の一般的な進行を整理したものです。どの段階で資料準備、債権者関与、家計の継続性確認が問題になるかを読み取ると、手続全体の見通しを持ちやすくなります。
債権者一覧、収入資料、財産資料、家計表、住宅ローン資料などを集めます。
東京地方裁判所では全件個人再生委員を選任する運用が説明されています。
最低弁済額、清算価値、可処分所得、家計余力などを踏まえて計画を作成します。
小規模個人再生では書面決議、給与所得者等再生では意見聴取が中心になります。
認可決定確定後は手続が終結し、裁判所の監督なしに計画どおり弁済を続けます。
提出資料では、給与所得者等再生の方が過去2年分資料と可処分所得額算出シートの重要性が高くなります。次の表では、資料の差が何を確認するためのものかを合わせて見てください。
| 資料項目 | 小規模個人再生 | 給与所得者等再生 | 確認される点 |
|---|---|---|---|
| 源泉徴収票・確定申告書 | 直近1年分が中心 | 直近2年分が中心 | 収入見込みと変動幅 |
| 課税証明書・所得証明書 | 直近1年分が中心 | 直近2年分が中心 | 公的資料による所得確認 |
| 給与明細 | 直近2か月分 | 直近2か月分 | 現在の収入状況 |
| 可処分所得額算出シート | 通常は中心資料ではありません | 重要資料になります | 2年分可処分所得基準 |
| 清算価値資料 | 必要 | 必要 | 財産価値が返済総額を押し上げないか |
裁判所ごとの運用差も重要です。日弁連の参考書式は東京地裁モデルであり、地域によって専用書式や運用が異なる場合があります。申立予定の地方裁判所の最新書式、必要資料、予納金、郵便切手、個人再生委員の選任運用、分割予納金などを確認する必要があります。
住宅を残したい場合でも、2つの制度の違いは返済余力に影響します。
住宅ローン特則は、正式には住宅資金貸付債権に関する特則と呼ばれ、住宅ローンを支払い続けながら、その他の債務について個人再生を行うための制度です。要件を満たせば、小規模個人再生でも給与所得者等再生でも利用可能です。
次の一覧は、住宅ローン特則を検討するときに確認すべきポイントです。住宅ローンを残す制度であっても、住宅ローン元本を大幅に減らす制度ではない点、再生計画の返済と二重に家計へ影響する点を読み取ってください。
| 確認項目 | 意味 | 制度選択への影響 |
|---|---|---|
| 利用可能性 | 一定の要件を満たせば両制度で利用できます | 特則の可否だけで制度を決めるわけではありません |
| 住宅ローン元本 | 原則として大幅に減額する制度ではありません | 住宅ローン返済は別途続く前提で家計を見ます |
| 滞納分 | 滞納がある場合はその解消方法が問題になります | 再生計画弁済に加えて負担が増えることがあります |
| 可処分所得基準 | 給与所得者等再生では返済額が増えることがあります | 住宅ローン返済と一般債権返済の合計額を確認します |
住宅ローン特則を併用する場合は、住宅ローンの通常返済、再生計画による一般債権への返済、住宅ローン滞納分がある場合の弁済を合算して確認します。給与所得者等再生を選ぶと、可処分所得基準によって一般債権への返済額が高くなることがあるため、慎重な家計検証が必要です。
要件、債権者リスク、返済額、家計の持続可能性を順に確認します。
制度選択では、いきなり返済額だけを比べるのではなく、個人再生を利用できるか、給与所得者等再生の要件を満たすか、小規模個人再生の不同意リスクがどの程度か、返済総額がどれだけ違うか、家計が持続するかを段階的に見ます。
次の判断の流れは、制度選択で確認する順番を示しています。前半は入口要件、後半は返済額と債権者関与の比較であり、最後に認可後の返済継続可能性を確認する点が重要です。
個人、債務総額、収入見込み、返済不能のおそれ、遂行可能性を見ます。
定期収入、収入変動幅、過去2年資料、7年制限、可処分所得を確認します。
債権者数、大口債権者、個人債権者、過去の交渉経緯を確認します。
返済額が大幅に増えないかを試算します。
返済額を抑えられる可能性を確認します。
返済総額の比較では、次の式を使って、どちらの下限が高くなるかを見ます。給与所得者等再生の返済額が小規模個人再生とほぼ同じで、債権者不同意リスクが高い場合、給与所得者等再生を選ぶ合理性が高まります。
最後に家計の持続可能性を検証します。認可決定が確定すると個人再生手続は終結し、再生債務者自身が再生計画どおりに分割弁済していくことになります。教育費、医療費、車検、税金、家賃更新、賞与減少なども織り込む必要があります。
単純化した例で、可処分所得と清算価値がどのように効くかを確認します。
以下の例は制度理解のための単純化したモデルです。実際には、清算価値、可処分所得、税金、非減免債権、住宅ローン、退職金見込額、保険解約返戻金、不動産評価などを個別に計算する必要があります。
次の表は、4つのモデルケースを並べたものです。清算価値や2年分可処分所得のどれが最も高いかを見ると、返済総額を押し上げる要因が読み取れます。
| ケース | 前提 | 小規模個人再生 | 給与所得者等再生 | 読み取り方 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 借金700万円、最低弁済額140万円、清算価値80万円、2年分可処分所得260万円、反対リスク低 | 140万円 | 260万円 | 給与所得者等再生で120万円増えます |
| 2 | 借金900万円、最低弁済額180万円、清算価値120万円、2年分可処分所得190万円、反対リスク高 | 180万円 | 190万円 | 返済額差が10万円なら、反対リスク回避の実益があります |
| 3 | 借金1000万円、最低弁済額200万円、清算価値450万円、2年分可処分所得300万円、反対リスク中 | 450万円 | 450万円 | 清算価値が最も高く、返済総額は同じです |
| 4 | 借金500万円、最低弁済額100万円、清算価値60万円、2年分可処分所得300万円、住宅ローン月12万円、家計余力月4万円 | 100万円 | 300万円 | 給与所得者等再生は月額返済が家計余力を超える可能性があります |
次の比較では、高さが各モデルの返済総額の大きさを示します。ケース1とケース4では給与所得者等再生の負担増が目立ち、ケース3では清算価値が支配的なため両制度が同額になる点を確認してください。
ケース4では、3年返済なら小規模個人再生は100万円 ÷ 36か月 = 約2万7778円です。給与所得者等再生は300万円 ÷ 36か月 = 約8万3333円です。住宅ローン月額12万円に加え、再生計画弁済が月8万3333円となると、家計余力月4万円程度を超える可能性があります。
制度選択を具体化するには、債権者構成、財産、収入、家計、住宅ローンを資料で確認します。
個人再生は、一般の方が自分だけで正確に判断するのが難しい手続です。債権者一覧表や再生計画案を作成できないと手続が進まず、最終的に手続が廃止される可能性もあるため、専門家に相談して見通しを確認することが重要です。
次の一覧は、相談時に確認したい主要論点です。資料をそろえて質問すると、返済額、債権者不同意リスク、住宅ローン特則、手続費用の見通しを具体化しやすくなります。
債権者構成、収入、財産状況から、返済額と不同意リスクの両面で説明を受けます。
制度選択住宅ローン等を除く基準債権総額、預貯金、保険、自動車、退職金、不動産などを確認します。
返済額給与所得者等再生を検討する場合、過去2年分の収入資料をもとに差額を試算します。
給与所得者等再生頭数要件と金額要件の両方から、小規模個人再生の否決リスクを確認します。
小規模個人再生住宅、抵当権、滞納、代位弁済、保証人への請求リスクを確認します。
住宅・保証次の表は、相談時に用意すると検討が進みやすい資料です。給与所得者等再生では過去2年分の収入資料が特に重要で、清算価値を確認するためには財産資料も必要になります。
| 資料 | 確認する内容 | 特に重要になる場面 |
|---|---|---|
| 債権者一覧・借入残高資料 | 債務総額、債権者数、大口債権者 | 不同意リスクと最低弁済額 |
| 給与明細・源泉徴収票・課税証明書 | 収入額、変動幅、可処分所得 | 給与所得者等再生 |
| 預金通帳・保険・車・退職金資料 | 清算価値 | 返済総額の算定 |
| 不動産資料・住宅ローン返済予定表 | 住宅ローン特則、担保、家計負担 | 自宅を残したい場合 |
| 家計表・税金滞納資料・保証契約書 | 返済可能性、非減免債権、保証人への影響 | 認可後の継続可能性 |
勤務先へ当然に通知されるわけではありませんが、勤務先から借入れがある場合は勤務先が債権者として関与する可能性があります。同居家族に全く知られずに進めることは、家計や資料の関係で難しい場合があります。個人再生では開始決定や認可決定等が官報公告されます。
保証人がいる債務では、個人再生による減免の効果が保証人に及ばず、保証人へ請求されることがあります。税金や社会保険料は一般のカード債務と同じようには減額されず、別途納付計画が必要になることがあります。車、退職金見込額、高額な保険解約返戻金は清算価値を押し上げる要因になり得ます。
過去に破産や個人再生をした人は、時期、手続の種類、免責・認可の内容を正確に確認する必要があります。給与所得者等再生では、過去の給与所得者等再生、ハードシップ免責、破産免責などから7年以内の場合に問題となることがあります。
両制度は、債務者の再建と債権者保護のバランスの取り方が異なります。
小規模個人再生は、個人債務者の経済的再生を支援しつつ、債権者の集団的意思を一定程度反映させる制度です。最低弁済額や清算価値を満たす計画でも、債権者の多数が反対すれば計画が通らない可能性があります。
次の整理は、両制度の中核となる考え方を並べたものです。債権者決議がある代わりに返済基準が相対的に低くなり得る制度と、決議を省く代わりに可処分所得を強く反映する制度という対応関係を読み取ってください。
幅広い収入類型を対象にし、最低弁済額と清算価値を基準にしながら、債権者の不同意による拒否機能を残しています。
収入が安定し将来収入を把握しやすい債務者について、債権者決議を不要にする代わりに可処分所得基準を加えています。
小規模個人再生の決議を通過できる見込みが高く、可処分所得基準による負担増を避けたい場合、小規模個人再生が合理的な選択肢になります。
日弁連の2023年破産事件及び個人再生事件記録調査では、有効データとして個人再生773件が集計され、小規模個人再生604件、給与所得者等再生169件と報告されています。終結内容では、認可決定が全体で90.30%、小規模で91.06%、給与者で87.57%でした。この調査は全件統計ではありませんが、実務で小規模個人再生の利用が多い状況を理解する参考になります。
制度の一般的な考え方を整理します。個別の見通しは資料により変わります。
一般的には、会社員でも小規模個人再生を選べる場合があります。給与所得者等再生では債権者決議が不要になる一方、2年分の可処分所得基準により返済額が高くなる可能性があります。債権者構成、収入、清算価値、家計状況で結論は変わるため、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、個人事業主だけでなく、会社員、公務員、パート、家賃収入者なども利用できる可能性があるとされています。ただし、継続的または反復的な収入見込みや計画遂行可能性が必要です。具体的な適否は収入資料や家計状況を整理して確認する必要があります。
一般的には、給与所得者等再生では債権者の不同意だけで計画が否決される構造ではありません。ただし、収入要件、可処分所得基準、清算価値、計画遂行可能性、不認可事由などを満たす必要があります。個別の認可見通しは資料と裁判所の判断によって変わります。
一般的には、期限までに不同意回答をしなければ、不同意としては扱われない方向で考えられます。ただし、債権者の数、債権額、回答状況、議決権の扱いで結論は変わる可能性があります。具体的には頭数要件と金額要件を資料で確認する必要があります。
一般的には、実際の家計支出がそのまま控除されるわけではなく、政令で定められた生活費等を用いて計算されます。そのため、実際には生活が苦しいと感じても、制度上の可処分所得が高く出る可能性があります。具体的な試算は収入資料と家族構成をもとに確認する必要があります。
一般的には、個人再生の返済期間は原則3年とされていますが、事情により5年以内の計画が認められることがあります。ただし、期間を延ばせるかは家計、債務額、計画遂行可能性などで変わります。具体的には専門家へ相談して返済計画を確認する必要があります。
一般的には、住宅ローン特則は要件を満たせば小規模個人再生でも給与所得者等再生でも利用可能です。選択では、住宅ローン返済と再生計画返済の合計額、債権者不同意リスク、可処分所得基準による返済額増加を確認します。具体的な適否は住宅ローン資料と家計資料により変わります。
一般的には、本人申立てが制度上すべて否定されているわけではありません。しかし、個人再生は債権者一覧表、財産資料、清算価値、可処分所得、再生計画案、期限管理などが複雑です。手続を進められるかは事案によって変わるため、資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、債権者一覧、借入残高資料、給与明細、源泉徴収票、課税証明書、預金通帳、保険資料、自動車資料、退職金見込額資料、不動産資料、住宅ローン返済予定表、家計表、滞納税金資料、保証人の有無が分かる契約書などが役立ちます。給与所得者等再生では過去2年分の収入資料が特に重要です。
一般的な参考資料として、日弁連の2023年破産事件及び個人再生事件記録調査では、個人再生773件のうち小規模個人再生604件、給与所得者等再生169件と報告されています。ただし、この調査は全件統計ではありません。個別には債権者構成や可処分所得で適した手続が変わります。
公的機関・中立的団体・法令資料を中心に整理しています。