2σ Guide

個人再生の返済額はいくら?
最低弁済額・清算価値・可処分所得で確認

個人再生で返す総額は、借金総額基準、清算価値、給与所得者等再生の可処分所得額2年分を比べて決まります。3年または5年で支払う月額の目安まで整理します。

3基準 返済総額の下限
100万円 500万円以下の最低額
3年/5年 分割返済の目安
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個人再生の返済額はいくら? 最低弁済額・清算価値・可処分所得で確認

個人再生で返す総額は、借金総額基準、清算価値、給与所得者等再生の可処分所得額2年分を比べて決まります。

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個人再生の返済額はいくら? 最低弁済額・清算価値・可処分
所得で確認
個人再生で返す総額は、借金総額基準、清算価値、給与所得者等再生の可処分所得額2年分を比べて決まります。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 個人再生の返済額はいくら? 最低弁済額・清算価値・可処分所得で確認
  • 個人再生で返す総額は、借金総額基準、清算価値、給与所得者等再生の可処分所得額2年分を比べて決まります。

POINT 1

  • 個人再生の返済額は3つの基準で決まる
  • 返済総額は「一番高い基準」を下回れない
  • 借金総額基準
  • 清算価値
  • 借金総額だけではなく、財産の評価と収入計算も返済総額に影響します。

POINT 2

  • 個人再生の返済額を読む前に制度の設計を押さえる
  • 個人再生は借金をゼロにする制度ではなく、圧縮後の金額を分割返済する制度です。
  • 返済額は本人の希望額だけではなく、法律上の下限、財産評価、家計の継続可能性によって決まります。
  • 給与所得者等再生は、給与またはこれに類する定期的収入を得る見込みがあり、その額の変動幅が小さいと見込まれる人を対象にします。

POINT 3

  • 個人再生の返済額の基本式と最低弁済額
  • 1. 借金総額基準を計算:住宅ローン等を除く基準債権総額から最低弁済額を出します。
  • 2. 清算価値を確認:預貯金、自動車、保険、退職金見込額、不動産などの価値を整理します。
  • 3. 可処分所得額2年分も比較:法令上の計算で出る金額を加えます。
  • 4. 2基準を比較:借金総額基準と清算価値の高い方を見ます。

POINT 4

  • 清算価値が個人再生の返済額を押し上げる仕組み
  • 財産を残せる可能性がある一方で、その価値は返済総額に反映されます。
  • 清算価値とは、自己破産 した場合に財産を換価して債権者に配当できると見込まれる価値です。
  • 個人再生は生活再建を図る制度ですが、債権者から見ると、自己破産より少ない配当しか受けられない計画では公平を欠きます。
  • そのため、返済総額は少なくとも清算価値以上である必要があります。

POINT 5

  • 給与所得者等再生で個人再生の返済額が上がる場合
  • 可処分所得額は家計簿上の余りと同じではなく、法令に従って計算されます。
  • 給与所得者等再生では、借金総額基準と清算価値基準に加えて、可処分所得額の2年分以上を返済する必要があります。
  • ここでいう可処分所得額は、毎月の生活費を払ったあとに実際に残る金額と完全に同じではありません。
  • 収入、税金・社会保険料、最低限度の生活を維持するために必要な費用を踏まえ、政令に従って算定されます。

POINT 6

  • 個人再生の返済額を3年・5年で割った月額目安
  • 返済総額だけでなく、毎月続けられる金額かを確認する必要があります。
  • 個人再生では、原則として3年間で分割返済します。
  • 特別の事情がある場合には、5年を超えない範囲で延長できることがあります。
  • 計算式は、3年返済なら返済総額 ÷ 36か月、5年返済なら返済総額 ÷ 60か月です。

POINT 7

  • 個人再生の返済額はいくらになるかを具体例で確認
  • 借金額が同じでも、清算価値や手続類型で返済総額は変わります。
  • 住宅ローンを残す場合、住宅ローンそのものは一般の借金のように減額されるわけではありません。
  • 住宅資金特別条項を利用する場合でも、住宅ローンは別途、再生計画や住宅資金特別条項に従って支払います。

POINT 8

  • 個人再生の返済額が想定より高くなる要因
  • 財産が多い
  • 預貯金、自動車、保険解約返戻金、退職金見込額、不動産の余剰価値があると清算価値が上がります。
  • 住宅に余剰価値がある
  • 住宅の時価が住宅ローン残高を大きく上回ると、その差額が清算価値に影響することがあります。

まとめ

  • 個人再生の返済額はいくら? 最低弁済額・清算価値・可処分
  • 個人再生の返済額を読む前に制度の設計を押さえる:個人再生は借金をゼロにする制度ではなく、圧縮後の金額を分割返済する制度です。
  • 個人再生の返済額の基本式と最低弁済額:まず法律上の下限を押さえ、その後に清算価値や可処分所得額と比べます。
  • 清算価値が個人再生の返済額を押し上げる仕組み:財産を残せる可能性がある一方で、その価値は返済総額に反映されます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

個人再生の返済額は3つの基準で決まる

借金総額だけではなく、財産の評価と収入計算も返済総額に影響します。

「個人再生の返済額はいくらになるか」という問いは、「借金が5分の1になるか」だけでは答えられません。個人再生の返済総額は、法律上の最低弁済額、清算価値、給与所得者等再生を選ぶ場合の可処分所得額2年分を比較し、少なくとも最も高い金額以上に設定されます。

次の強調表示は、このページ全体で使う基本結論を表しています。個人再生を検討する読者にとって重要なのは、最初に「どの基準がいちばん高くなるか」を見ることです。ここから、借金額だけで見た概算と、実際に裁判所へ示す返済計画の差を読み取れます。

返済総額は「一番高い基準」を下回れない

小規模個人再生では、借金総額基準と清算価値を比べます。給与所得者等再生では、そこに可処分所得額の2年分が加わります。

次の3つの項目は、返済額を左右する判断材料を並べたものです。どれも申立て前の見通しに直結するため、読者は「自分の借金額」「自分の財産」「給与所得者等再生を使う可能性」を分けて確認する必要があります。

Debt

借金総額基準

住宅ローン等を除く基準債権総額に応じ、100万円、5分の1、300万円、10分の1などの下限を確認します。

Assets

清算価値

自己破産した場合に債権者へ配当できると見込まれる財産価値です。返済総額は原則として清算価値以上になります。

Income

可処分所得額2年分

給与所得者等再生では、法令に従って算定される可処分所得額の2年分以上を返済する必要があります。

たとえば、借金が600万円で借金総額基準が120万円、清算価値が180万円なら、小規模個人再生でも返済総額は少なくとも180万円です。さらに給与所得者等再生で可処分所得額2年分が240万円と算定されれば、返済総額は少なくとも240万円になります。

Section 01

個人再生の返済額を読む前に制度の設計を押さえる

個人再生は借金をゼロにする制度ではなく、圧縮後の金額を分割返済する制度です。

個人再生は、借金の返済が困難になった個人が、裁判所の関与のもとで再生計画を作成し、一定額を原則3年で分割返済することにより、残りの債務について免除を受けることを目指す民事再生手続の一類型です。返済額は本人の希望額だけではなく、法律上の下限、財産評価、家計の継続可能性によって決まります。

次の比較表は、個人再生の主な2類型と返済額への影響を整理したものです。手続の種類によって加わる基準が違うため、読者は「債権者決議の有無」と「可処分所得額2年分が加わるか」を読み取ることが大切です。

類型概要返済額に関する特徴
小規模個人再生将来にわたり継続的または反復的に収入を得る見込みがある個人向けの手続です。借金総額基準と清算価値基準を満たします。債権者の不同意が一定数・一定額を超えると手続が廃止されることがあります。
給与所得者等再生給与など定期的収入があり、その変動幅が小さい人向けの手続です。小規模個人再生の基準に加え、可処分所得額の2年分以上を返済します。債権者の決議はありませんが、返済額が高くなりやすい構造です。

小規模個人再生は、民事再生法上、将来継続的または反復的に収入を得る見込みがあり、一定の除外債権を除いた再生債権の総額が5,000万円を超えない個人が対象です。給与所得者等再生は、給与またはこれに類する定期的収入を得る見込みがあり、その額の変動幅が小さいと見込まれる人を対象にします。

注意個人再生は、法律上許される範囲で債務を圧縮し、残った金額を支払う制度です。税金、養育費、一定の損害賠償債務など、一般の借金と同じように減らない支払いもあります。
Section 02

個人再生の返済額の基本式と最低弁済額

まず法律上の下限を押さえ、その後に清算価値や可処分所得額と比べます。

個人再生の返済額は、複数の金額を比べて最も高いものを採用する形で把握すると理解しやすくなります。次の判断の流れは、どの数字を比較するかを表しています。読者は、小規模個人再生と給与所得者等再生で比較対象が1つ増える点を読み取ってください。

返済総額を決める比較の順番

借金総額基準を計算

住宅ローン等を除く基準債権総額から最低弁済額を出します。

清算価値を確認

預貯金、自動車、保険、退職金見込額、不動産などの価値を整理します。

給与所得者等再生
可処分所得額2年分も比較

法令上の計算で出る金額を加えます。

小規模個人再生
2基準を比較

借金総額基準と清算価値の高い方を見ます。

小規模個人再生の返済総額
max(借金総額基準による最低額, 清算価値)

給与所得者等再生の返済総額
max(借金総額基準による最低額, 清算価値, 可処分所得額の2年分)

次の表は、住宅ローン等を除く基準債権総額ごとの最低弁済額を示しています。借金の範囲によって「全額」「100万円」「5分の1」「300万円」「10分の1」と変わるため、読者は自分の借金総額がどの行に入るかを確認してください。

住宅ローン等を除く基準債権総額借金総額基準による最低額読み取り方
100万円未満借金全額減額効果は限定的です。
100万円以上500万円以下100万円借金が300万円でも最低額は100万円です。
500万円超1,500万円以下借金総額の5分の1「5分の1」と説明されやすい範囲です。
1,500万円超3,000万円以下300万円5分の1ではなく300万円が下限になります。
3,000万円超5,000万円以下借金総額の10分の13,500万円なら350万円が一つの基準です。

「住宅ローンを除く」と説明されることがありますが、法律上は住宅資金貸付債権、別除権の行使により弁済を受けられると見込まれる再生債権、再生手続開始前の罰金等を除くなど、より精密に整理されます。担保付き債権、保証債務、税金・罰金等、非減免債権の扱いによって計算の前提が変わることがあります。

そのため、借金が500万円なら必ず100万円、900万円なら必ず180万円になるとは限りません。財産の清算価値が高い場合や、給与所得者等再生で可処分所得額2年分が高く算定される場合は、返済額が上がります。

Section 03

清算価値が個人再生の返済額を押し上げる仕組み

財産を残せる可能性がある一方で、その価値は返済総額に反映されます。

清算価値とは、自己破産した場合に財産を換価して債権者に配当できると見込まれる価値です。個人再生は生活再建を図る制度ですが、債権者から見ると、自己破産より少ない配当しか受けられない計画では公平を欠きます。そのため、返済総額は少なくとも清算価値以上である必要があります。

次の表は、清算価値に影響しやすい財産と確認ポイントをまとめたものです。財産評価は返済総額を数十万円から数百万円単位で変えることがあるため、読者は「財産があるか」だけでなく「どの時点の価値をどう示すか」を読み取る必要があります。

財産の種類実務上の確認ポイント
預貯金申立時点や基準時点の残高、直近の入出金、賞与・給与の入金状況を確認します。
自動車時価、ローン残高、所有権留保の有無、担保権の扱いを確認します。
生命保険解約返戻金の有無と金額を確認します。
退職金見込額勤続年数、退職金規程、自己都合退職時の見込額を確認します。
不動産時価、住宅ローン残高、共有持分、担保設定、固定資産評価額だけで足りるかを確認します。
敷金・保証金返還見込額、未払賃料等の控除可能性を確認します。
過払金返還請求権取引履歴の引き直し計算により発生する可能性を確認します。
相続財産・遺産分割未了財産相続発生の有無、持分、遺産分割の状況を確認します。

たとえば、住宅ローンを除く借金が300万円なら、借金総額基準による最低額は100万円です。しかし、換価価値150万円の財産があると評価されれば、返済総額は少なくとも150万円になります。

借金総額基準が100万円、清算価値が150万円なら、小規模個人再生の返済総額は150万円以上です。借金の額だけでなく、手元にどのような財産があるかを同時に確認します。

退職金見込額、自動車の時価、不動産査定、保険解約返戻金は、裁判所の運用や提出資料で評価が変わりやすい領域です。財産を隠したり低く見積もったりすると、手続の見通し自体に影響する可能性があります。

Section 04

給与所得者等再生で個人再生の返済額が上がる場合

可処分所得額は家計簿上の余りと同じではなく、法令に従って計算されます。

給与所得者等再生では、借金総額基準と清算価値基準に加えて、可処分所得額の2年分以上を返済する必要があります。ここでいう可処分所得額は、毎月の生活費を払ったあとに実際に残る金額と完全に同じではありません。収入、税金・社会保険料、最低限度の生活を維持するために必要な費用を踏まえ、政令に従って算定されます。

次の比較表は、小規模個人再生と給与所得者等再生で返済額を決める材料がどう違うかを示しています。読者にとって重要なのは、給与所得者等再生では債権者決議がない一方で、可処分所得基準が返済総額を押し上げる可能性がある点です。

観点小規模個人再生給与所得者等再生
比較する金額借金総額基準、清算価値借金総額基準、清算価値、可処分所得額2年分
債権者決議不同意が一定数・一定額を超えると廃止されることがあります。債権者の決議はありません。
返済額の傾向可処分所得基準がない分、低くなる可能性があります。可処分所得額が高いと、返済総額が高くなりやすいです。
検討が必要な事情大口債権者の反対見込み、清算価値、収入継続性収入の安定性、扶養人数、居住地域、過去の免責・再生歴

たとえば、住宅ローンを除く借金が500万円、清算価値が80万円、法定可処分所得額2年分が180万円だった場合、小規模個人再生なら返済総額は100万円以上で足りる可能性があります。しかし給与所得者等再生では、可処分所得基準が加わるため、返済総額は180万円以上になります。

分岐給与所得者等再生は、特定の大口債権者が反対する見込みがある場合に選択肢になります。ただし、返済総額が高くなる可能性があるため、債権者構成、収入安定性、可処分所得額、清算価値を合わせて検討します。
Section 05

個人再生の返済額を3年・5年で割った月額目安

返済総額だけでなく、毎月続けられる金額かを確認する必要があります。

個人再生では、原則として3年間で分割返済します。特別の事情がある場合には、5年を超えない範囲で延長できることがあります。法律上は毎月払いに限られず、3か月に1回以上の弁済期が到来する分割払いで足りますが、家計管理の面では毎月積み立てる形で考えると見通しを立てやすくなります。

次の表は、返済総額ごとに3年36か月と5年60か月で割った月額目安を示しています。月額の列を比べることで、返済期間の違いが家計にどれだけ影響するか、また5年返済を前提にしすぎると認可後の継続可能性を誤りやすいことを読み取れます。

返済総額3年・36か月の月額目安5年・60か月の月額目安
100万円約27,800円約16,700円
120万円約33,400円20,000円
150万円約41,700円25,000円
180万円50,000円30,000円
240万円約66,700円40,000円
300万円約83,400円50,000円
400万円約111,200円約66,700円
500万円約138,900円約83,400円

計算式は、3年返済なら返済総額 ÷ 36か月、5年返済なら返済総額 ÷ 60か月です。5年に延ばせれば月額負担は下がりますが、当然に認められるわけではありません。扶養家族、医療費、介護費、教育費、収入の安定性などについて、客観資料をもとに説明することが重要になります。

Section 06

個人再生の返済額はいくらになるかを具体例で確認

借金額が同じでも、清算価値や手続類型で返済総額は変わります。

次の比較表は、代表的な6つの試算例を並べたものです。読者にとって重要なのは、同じ600万円の借金でも、清算価値や可処分所得額2年分によって返済総額が120万円、180万円、220万円などに変わる点です。列ごとの金額差から、どの基準が最終的な下限になったかを読み取ってください。

前提返済総額の下限3年の月額目安5年の月額目安
借金300万円・財産ほぼなし清算価値20万円、小規模個人再生100万円以上約27,800円約16,700円
借金600万円・財産なし清算価値50万円、小規模個人再生120万円以上約33,400円20,000円
借金600万円・清算価値180万円借金総額基準120万円、清算価値180万円180万円以上50,000円30,000円
借金800万円・給与所得者等再生清算価値100万円、可処分所得額2年分220万円220万円以上約61,200円約36,700円
借金3,500万円清算価値250万円、小規模個人再生350万円以上約97,300円約58,400円
住宅ローンを残す場合住宅ローン以外400万円、住宅ローン残高2,500万円、清算価値80万円一般債権へ100万円以上が目安約27,800円約16,700円

住宅ローンを残す場合、住宅ローンそのものは一般の借金のように減額されるわけではありません。住宅資金特別条項を利用する場合でも、住宅ローンは別途、再生計画や住宅資金特別条項に従って支払います。

Section 07

個人再生の返済額が想定より高くなる要因

当初の概算より返済額が上がる場面は、いくつかの類型に整理できます。

次のポイント一覧は、個人再生の返済額を押し上げやすい要因をまとめたものです。これらは借金総額の表だけでは見落としやすいため、読者は「財産」「住宅」「所得」「債権額」「減らない支払い」のどこに該当するかを確認してください。

財産が多い

預貯金、自動車、保険解約返戻金、退職金見込額、不動産の余剰価値があると清算価値が上がります。

住宅に余剰価値がある

住宅の時価が住宅ローン残高を大きく上回ると、その差額が清算価値に影響することがあります。

可処分所得額が高い

年収が高い、扶養家族が少ない、賞与が安定している場合などは、給与所得者等再生で返済額が上がる可能性があります。

債権額が増える

遅延損害金、保証債務、求償債務、未払リース料、損害賠償債務などが加わると、基準債権総額が増えることがあります。

減らない支払いがある

税金、社会保険料、養育費、婚姻費用、一定の損害賠償債務などは、個人再生の計画弁済とは別に家計へ影響します。

住宅の時価が3,000万円、住宅ローン残高が2,400万円であれば、単純計算では600万円の余剰価値が問題になり得ます。実際の評価では、売却費用、担保、共有持分、地域ごとの運用も関係するため、数字だけを切り出さず資料全体で確認します。

次の確認一覧は、返済額を見誤りやすい事情をまとめたものです。該当項目が多いほど、一般的な最低弁済額表だけでは不十分になりやすいため、何が返済額、手続類型、裁判所の判断、債権者の反対可能性に関係するかを読み取ってください。

確認したい事情返済額への影響
退職金制度のある会社に長く勤務している退職金見込額が清算価値に影響する可能性があります。
解約返戻金のある生命保険に加入している解約返戻金が清算価値に入る可能性があります。
自動車を所有している時価やローン残高によって評価が必要です。
持ち家があり住宅ローン残高より時価が高い可能性がある余剰価値が返済総額を押し上げることがあります。
相続が発生している、または遺産分割が終わっていない相続分や未分割財産が評価対象になることがあります。
賞与、退職金、保険金、税金還付金が入っている預貯金残高や清算価値の評価に影響します。
個人事業主で売掛金、在庫、事業用資産がある事業資産や債権が清算価値に影響します。
税金、社会保険料、養育費、婚姻費用を滞納している計画弁済とは別の支払いとして家計を圧迫します。
大口債権者が1社に集中している小規模個人再生で不同意リスクが問題になることがあります。
過去7年以内に破産免責や給与所得者等再生を利用した手続選択や認可見通しに影響する可能性があります。
Section 08

住宅ローン特則と個人再生の返済額の考え方

自宅を残す可能性と、住宅ローンを支払い続ける負担は分けて考えます。

住宅ローン特則、正式には住宅資金特別条項は、住宅ローンの返済条件を再生計画に組み込み、自宅を残す可能性を開く制度です。ただし、住宅ローン特則は住宅ローンを大幅に減額する制度ではありません。一般債権への計画弁済と住宅ローンの返済は、資金計画上、別々に考える必要があります。

次の比較表は、住宅ローン特則を利用する場合に分けて見るべき支払いを整理したものです。住宅を残すほど返済が楽になるとは限らないため、読者は「一般債権への弁済」と「住宅ローン等の継続支払い」を別々に読み取ることが重要です。

支払いの種類考え方注意点
一般債権への計画弁済借金総額基準、清算価値、可処分所得額2年分を比較して下限を見ます。住宅ローン以外の借金に対する返済総額です。
住宅ローン返済住宅資金特別条項に従って支払いを続けます。一般の借金のように大幅減額されるわけではありません。
税金・社会保険料・養育費等個人再生で一般的な借金と同じように減らない支払いがあります。計画弁済とは別に家計を圧迫する可能性があります。
通常生活費住宅ローンと計画弁済を支払った後も生活費が必要です。再生計画の遂行可能性に関係します。

毎月の家計負担は、住宅ローン返済、個人再生の計画弁済のための積立・支払、税金・社会保険料・養育費等の非減免債務、通常生活費を合わせて確認します。住宅を守りたいという希望があっても、再生計画の履行可能性が低い場合は、裁判所から計画遂行の見込みを厳しく見られることがあります。

Section 09

個人再生の返済額を自分で概算する手順

相談前に資料を整理すると、返済額の見通しを具体的に確認しやすくなります。

次の手順図は、弁護士等の専門家へ相談する前に整理できる項目を順番に示しています。どの段階で借金額、財産、所得、期間、専門家確認が必要になるかが分かるため、読者は抜けている資料を確認する目的で読み取ってください。

概算の順番

1. 借金総額を一覧化

債権者名、借入残高、遅延損害金、保証人、担保の有無を整理します。

2. 借金総額基準を計算

100万円、5分の1、300万円、10分の1など、該当する下限を確認します。

3. 財産目録を作る

預貯金、自動車、保険、退職金見込額、不動産、敷金、過払金、相続財産を整理します。

4. 可処分所得を確認

給与所得者等再生を検討する場合、源泉徴収票、課税証明書、給与明細、賞与明細、扶養家族などを確認します。

5. 3年と5年で月額比較

返済総額を36か月、60か月で割り、住宅ローンや税金等を含めて支払えるかを確認します。

6. 抜け漏れを確認

財産評価、非減免債権、保証債務、個人事業の債務などを専門家へ確認します。

借金総額を整理するときは、カードローン、クレジットカード、消費者金融、銀行ローン、奨学金、リース、家賃滞納、携帯端末分割代金、損害賠償債務などを漏れなく確認します。財産については、債権者一覧表、清算価値算出シート、財産目録、可処分所得額算出シートのような項目を意識すると、相談時に不足しやすい資料を見つけやすくなります。

特に、不動産、退職金、保険、保証債務、税金、養育費、個人事業の買掛金、法人代表者の保証債務がある場合は、自己判断だけで返済額を決めると見通しを誤る可能性があります。概算は準備として有効ですが、最終的には資料をもとに個別事情を確認する必要があります。

Section 10

個人再生の返済額を弁護士相談で確認する質問

返済額だけでなく、裁判所に認められるか、継続して支払えるかを確認します。

次の質問一覧は、個人再生の相談時に確認したい内容を整理したものです。相談の場では限られた時間で返済額、手続類型、住宅ローン、費用、裁判所運用を確認する必要があるため、読者は自分の資料と照らして、どの質問を優先するかを読み取ってください。

確認したい質問理由
住宅ローンを除く基準債権総額はいくらになりそうか最低弁済額の出発点になるためです。
借金総額基準による最低額はいくらか100万円、5分の1、300万円、10分の1のどれに当たるかを確認します。
清算価値に入る財産は何か退職金、保険、自動車、不動産の評価で返済総額が変わります。
小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらが現実的か債権者の反対リスクと可処分所得基準を比較します。
可処分所得額の2年分はどの程度になりそうか給与所得者等再生で返済額が上がるかを確認します。
債権者の反対リスクはあるか、大口債権者は誰か小規模個人再生で不同意が問題になる可能性を確認します。
住宅ローン特則を使う場合、住宅ローンと計画弁済を合わせて支払えるか再生計画の遂行可能性に関わります。
3年返済と5年返済のどちらで計画を立てるべきか月額負担と特別の事情の説明可能性を確認します。
税金、養育費、社会保険料など別途支払う債務はあるか計画弁済とは別に家計へ影響するためです。
申立予定の裁判所で個人再生委員の選任や履行テストはどう見込まれるか地域ごとの運用差や準備資料に関係します。

弁護士選びでは、単に費用が安いかだけでなく、個人再生の申立実務、住宅ローン特則、不動産評価、個人事業主の再生、給与所得者等再生の可処分所得計算について対応経験を確認することが重要です。個別事情によって結論は変わるため、具体的な見通しや対応方針は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Section 11

個人再生の返済額で誤解しやすい点と返済不能リスク

認可後に支払いが続かないと、再生計画の取消しが問題になることがあります。

次の比較一覧は、個人再生の返済額についてよくある誤解と、実際に確認すべき点を対比したものです。誤解のまま手続を進めると、返済総額や月額負担を低く見積もるおそれがあるため、読者は各行の右側にある確認事項を読み取ってください。

誤解しやすい点確認すべき点
個人再生なら必ず借金が5分の1になる5分の1は、500万円超1,500万円以下で、清算価値や可処分所得基準が上回らない場合に近い説明です。
財産を手放さないなら返済額に関係ない財産を残せる可能性はありますが、清算価値以上の返済が必要です。
住宅ローン特則を使えば住宅ローンも減る住宅ローンは原則として一般の借金のように大幅減額されません。
給与所得者等再生は会社員に常に有利債権者決議がない利点はありますが、可処分所得額2年分により返済総額が高くなりやすいです。
返済額だけ計算できれば申立ては簡単申立書、債権者一覧表、財産目録、家計資料、清算価値資料、再生計画案、補正対応など多くの実務作業があります。

再生計画が認可されても、その後の返済を継続できなければ問題が生じます。返済期間中に支払いができなくなると、再生計画が取り消され、元の借金を全額支払わなければならなくなる可能性があります。

重要民事再生法には、一定割合以上の履行を終えていることなどを要件とする例外的な救済もあります。ただし、最初からそれを前提に無理な返済計画を立てることは避けるべきです。

個人再生では、裁判所に認可される計画だけでなく、3年または5年続けられる計画を作ることが重要です。返済額の概算、住宅ローン、税金、養育費、社会保険料、弁護士費用、裁判所費用を合わせて、継続可能性を確認します。

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個人再生の返済額はいくらになるかの整理

最終的には、最も高い基準を下限にして家計の継続可能性を確認します。

次の強調表示は、個人再生の返済額を検討するときの最終確認事項をまとめています。返済額を正確に把握するには、単に借金の額を見るのではなく、基準債権総額、清算価値、可処分所得額、返済期間、別枠の支払いを順番に確認する必要があります。

「いくら返すか」と「続けられるか」を同時に見る

個人再生の返済額は、法律上の下限と家計の継続可能性が交わるところで現実的な計画になります。

  1. 住宅ローン等を除いた基準債権総額を確認します。
  2. 借金総額基準による最低額を計算します。
  3. 財産を洗い出し、清算価値を計算します。
  4. 給与所得者等再生を検討する場合は、法定可処分所得額の2年分を計算します。
  5. それらのうち最も高い金額を、返済総額の下限として見ます。
  6. 返済総額を3年または5年で割り、家計上継続できるかを検討します。
  7. 住宅ローン、税金、養育費、社会保険料、弁護士費用、裁判所費用を別途考慮します。

返済額の概算は自分でもできますが、最終的な判断には、法令、裁判所運用、債権者構成、財産評価、家計の継続可能性を横断的に見る必要があります。相談時には、個人再生が使えるかだけでなく、いくら返済することになりそうか、なぜその金額になるのか、3年または5年で支払い続けられるかを具体的に確認することが重要です。

Reference

個人再生の参考資料・出典

制度の概要、返済基準、手続要件、参考書式を確認するための資料です。

公的・準公的資料

  • 裁判所「個人再生」
  • 裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」
  • 法テラス「債務、貸付」
  • 日本弁護士連合会「個人再生手続参考書式」

法令・条文

  • 民事再生法221条1項
  • 民事再生法229条
  • 民事再生法231条2項3号・4号
  • 民事再生法237条
  • 民事再生法239条1項
  • 民事再生法241条2項7号・3項
  • 民事再生法244条
  • 民事再生法174条2項
  • 民事再生法235条
  • 民事再生法の日本語・英語対訳資料