前科がないことは有利な事情になり得ますが、死亡結果、重大な性犯罪、強盗、放火、薬物密輸、特殊詐欺や高額横領などでは、犯罪行為自体の重さから実刑が問題になります。
まず、初犯という事情だけでは判断できない理由を整理します。
まず、初犯という事情だけでは判断できない理由を整理します。
「初犯なら執行猶予になる」「前科がなければ刑務所には行かない」という理解は、刑事事件では危険な単純化です。前科がないことは量刑上有利に働くことがありますが、刑事裁判でまず問われるのは、その犯罪行為自体がどれほど重いかです。
現行法では、2025年6月1日から従来の懲役と禁錮が廃止され、拘禁刑に一本化されています。このページでは現行法上の拘禁刑を基本に、過去の統計や一般的な検索語として必要な範囲で旧用語にも触れます。
次の一覧は、初犯でも実刑リスクが高まりやすい典型類型をまとめたものです。どの類型も、罪名だけでなく結果の重さ、社会的危険、被害回復の有無が判断に影響するため、どの要素が重視されるかを読み取ることが重要です。
殺人、現住建造物等放火、強盗、不同意性交等などは刑の幅自体が重く、下限が5年以上、6年以上、7年以上の罪では減軽がなければ執行猶予の入口に届きません。
傷害致死、危険運転致死、保護責任者遺棄致死、不同意性交等致死傷などでは、初犯かどうか以前に結果の重大性が量刑の中心になります。
放火、拳銃所持、覚醒剤の輸入・製造・営利目的所持、薬物密売、組織的詐欺などは、直接被害者が限定されていても社会全体への危険が重視されます。
詐欺、業務上横領、背任、恐喝は、被害額が高額、被害者が多数、組織的・計画的、被害弁償が乏しい場合に実刑リスクが現実化します。
不同意性交等、監護者性交等、不同意性交等致死傷、児童に対する重大な性犯罪では、人格的被害、心理的被害、継続性、支配関係が重視されます。
初犯、実刑、法定刑、処断刑、宣告刑、執行猶予を区別します。
日常語としての初犯は、初めて犯罪をした、前科がないという意味で使われます。ただし刑事実務では、前科、前歴、同種前歴、余罪を分けて考える必要があります。
次の比較表は、似た言葉が量刑や捜査対応でどのように違うかを示しています。用語の違いを押さえることは、初犯という言葉だけで安全視しないために重要で、どの履歴が再犯可能性や公判戦略に関わるのかを読み取ってください。
| 用語 | 意味 | 量刑・対応上の注意 |
|---|---|---|
| 前科 | 有罪判決が確定した過去の犯罪歴。罰金刑も含まれます。 | 再犯可能性や刑の重さに影響し得ます。 |
| 前歴 | 逮捕、送致、不起訴、少年事件歴など、有罪判決に至らない履歴を広く指すことがあります。 | 前科でなくても、捜査や処分の見通しに影響する場合があります。 |
| 同種前歴 | 同じ種類の犯罪について過去に捜査や処分を受けた履歴です。 | 再犯可能性や常習性の判断で問題になることがあります。 |
| 余罪 | 起訴された事件以外に疑われる犯罪事実です。 | 量刑での考慮には制約がありますが、捜査・公判戦略には大きく影響します。 |
実刑とは、拘禁刑の全部について執行猶予が付かず、刑事施設に収容される刑をいいます。たとえば拘禁刑4年は、全部執行猶予を付けられないため実刑です。拘禁刑2年6月、執行猶予4年であれば、判決確定後ただちに服役するわけではないため、通常は実刑とは呼びません。
有期拘禁刑は原則として1月以上20年以下で、加重される場合には上限が伸長され得ます。無期拘禁刑と有期拘禁刑の違いも、重大事件では重要です。
量刑を理解するには、法律上の刑の幅、減軽や加重を反映した刑の幅、実際に言い渡される刑を分ける必要があります。次の表では、3段階の違いと、実刑か執行猶予かを考えるときの読み方を整理しています。
| 段階 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 法定刑 | 法律が罪名ごとに定める刑の範囲 | 殺人罪は死刑・無期又は5年以上の拘禁刑 |
| 処断刑 | 未遂減軽、自首減軽、酌量減軽、累犯加重などを反映した後の刑の範囲 | 不同意性交等罪で減軽が認められると下限が下がり得ます。 |
| 宣告刑 | 裁判所が判決で実際に言い渡す刑 | 拘禁刑3年、拘禁刑2年6月・執行猶予4年など |
刑法25条は、一定の者が3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき、情状により、1年以上5年以下の期間、刑の全部の執行を猶予することができると定めています。
中心は犯情で、一般情状はその後に評価されます。
裁判実務では、量刑判断の中心は犯罪行為そのものに関する事情、すなわち犯情に置かれます。同種事案の大まかな量刑傾向を把握し、そのうえで当該事件が重い部類か軽い部類かを検討し、最後に一般情状を踏まえて具体的な刑を定めるという考え方です。
次の一覧は、量刑で重視されやすい犯情要素を整理したものです。犯情は初犯という有利な事情より先に量刑の出発点を形づくるため重要で、どの要素が事件の重さを押し上げるのかを読み取る必要があります。
死亡、重傷、後遺障害、精神的被害、財産的損害が重いほど、実刑リスクが高まります。
凶器使用、暴行の強度、放火場所、危険運転の態様など、危険性の高さが評価されます。
下見、道具の用意、共犯者との役割分担などがあると、偶発的な事件より重く見られます。
利欲目的、身勝手な動機、怨恨、依存症、突発性などが個別に検討されます。
監護関係、支配関係、信頼関係の悪用は、特に性犯罪や横領で重く見られます。
首謀者、指示役、実行役、受け子、見張り役など、関与の程度が重要です。
一般情状とは、前科前歴、反省、謝罪、示談、被害弁償、家族の監督、更生環境、依存症治療、社会復帰の見込みなど、犯罪行為そのもの以外の事情です。初犯であることは一般情状として有利ですが、重大犯罪では刑期を調整する要素にとどまり、実刑を避けるかどうかまでは左右しないことがあります。
量刑判断は、犯情を出発点として、同種事案の傾向、一般情状、最終的な宣告刑へ進む順番で考えると理解しやすくなります。次の判断の流れは、なぜ初犯だけでは結論が決まらないのかを示すものなので、各段階で何が重視されるかを順番に読み取ってください。
結果の重大性、危険性、計画性、動機、共犯内の役割を確認します。
同じ罪名でも、具体的事情に近い事案との比較が必要です。
初犯、示談、被害弁償、治療、監督体制などを評価します。
宣告刑が3年を超える拘禁刑なら実刑になります。
法律上の入口に立っても、当然に執行猶予とは限りません。
裁判員裁判では、同種事案の大まかな量刑傾向を把握する資料が用いられることがあります。しかし、同じ罪名なら同じ刑という意味ではありません。罪名、犯行態様、結果、被害回復、証拠関係によって量刑は大きく変わります。
宣告刑3年、法定刑の下限、被害額や組織性が重要です。
最も重要な分岐点は、宣告刑が3年以下かどうかです。刑法25条の枠組み上、全部執行猶予を付けられるのは、原則として3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に限られます。裁判所が拘禁刑4年が相当と判断した時点で、初犯であっても実刑です。
次の比較一覧は、法定刑の下限と執行猶予の入口との関係を示しています。下限が重い罪では、減軽がなければ3年以下に届かないことがあるため重要で、どの段階で法律上のハードルが生じるかを読み取ってください。
全部執行猶予を付けられず、初犯でも実刑になります。
不同意性交等罪や強盗罪などでは、減軽を経て3年以下にする必要があります。
傷害致死などでは法律上の余地はありますが、死亡・重大傷害が厳しく評価されます。
詐欺、業務上横領、恐喝などは、被害額、組織性、反復性、弁償状況で実刑化します。
不同意性交等罪や強盗罪は、法定刑の下限が5年以上の有期拘禁刑です。このままでは宣告刑を3年以下にできません。執行猶予の可能性を法律上開くには、未遂減軽、酌量減軽、自首減軽などにより処断刑の下限を下げる必要があります。
傷害致死罪や不同意わいせつ等致死傷罪など、法定刑の下限が3年以上の罪では、法律上は拘禁刑3年、執行猶予という余地が残ります。しかし死亡や重大な傷害という結果がある場合、3年にとどめるべきか、執行猶予を付けるべきかは厳しく判断されます。
詐欺罪、業務上横領罪、恐喝罪などは、法定刑の下限だけを見ると執行猶予の余地が広いように見えます。しかし、被害額が高額、被害者が多数、返金・弁償がほとんどない、組織的・計画的、犯行期間が長い、信頼関係を悪用している、証拠隠滅や虚偽説明がある、共犯内で指示・管理する立場にある場合には、初犯でも実刑リスクが高まります。
生命・身体、放火、強盗、性犯罪、交通、薬物、銃器、財産犯を横断して確認します。
次の表は、主な罪名と法定刑の概略、初犯でも実刑リスクが高まりやすい典型事情を整理したものです。列は分野、罪名、法定刑、重く見られる事情を示しており、法定刑の重さだけでなく、結果・態様・被害回復の乏しさを合わせて読むことが重要です。
| 分野 | 罪名・根拠 | 法定刑の概略 | 初犯でも実刑リスクが高まる典型事情 |
|---|---|---|---|
| 生命・身体 | 殺人罪 | 死刑・無期又は5年以上の拘禁刑 | 被害者死亡、計画性、凶器、強い殺意、複数被害者、遺族感情 |
| 生命・身体 | 殺人未遂罪 | 殺人罪と同じ法定刑、未遂減軽の余地 | 重大傷害、強い殺意、凶器使用、計画的犯行 |
| 生命・身体 | 傷害致死罪 | 3年以上の有期拘禁刑 | 強い暴行、複数人暴行、長時間暴行、救護せず放置 |
| 生命・身体 | 保護責任者遺棄致死・遺棄等致死 | 致死結果では重い処断 | 幼児・高齢者・障害者等の放置、監護義務違反、虐待的経緯 |
| 放火 | 現住建造物等放火罪 | 死刑・無期又は5年以上の拘禁刑 | 人が住む建物や人がいる建物への放火、延焼危険、夜間、逃走困難 |
| 放火 | 非現住建造物等放火罪 | 他人所有建造物等は2年以上の有期拘禁刑等 | 近隣延焼危険、損害額大、保険金目的、公共的施設 |
| 強盗 | 強盗罪 | 5年以上の有期拘禁刑 | 凶器使用、暴行・脅迫が強い、被害額大、計画性、店舗・住宅侵入 |
| 強盗 | 事後強盗罪・昏酔強盗罪 | 強盗として扱われる | 窃盗後の暴行、薬物・酒等で抵抗不能にする、被害者の危険増大 |
| 強盗 | 強盗致傷罪 | 無期又は6年以上の拘禁刑 | 被害者負傷、凶器、複数犯、重大傷害、計画的強盗 |
| 強盗 | 強盗致死罪 | 死刑又は無期拘禁刑 | 被害者死亡。初犯かどうかは刑種・刑量の一要素にとどまりやすい |
| 強盗・性犯罪 | 強盗・不同意性交等罪 | 無期又は7年以上の拘禁刑 | 財産犯と性犯罪が結合した極めて重い類型 |
| 強盗・性犯罪 | 強盗・不同意性交等致死罪 | 死刑又は無期拘禁刑 | 被害者死亡。極めて重大な裁判員裁判対象事件 |
| 性犯罪 | 不同意性交等罪 | 5年以上の有期拘禁刑 | 暴行・脅迫、薬物・飲酒、監禁、複数犯、被害者の年齢、被害の深刻さ |
| 性犯罪 | 監護者性交等罪 | 5年以上の有期拘禁刑 | 監護・教育・雇用等の支配関係、継続性、児童被害 |
| 性犯罪 | 不同意性交等致死傷罪 | 無期又は6年以上の拘禁刑 | 性犯罪に死傷結果が加わる重大類型 |
| 性犯罪 | 不同意わいせつ等致死傷罪 | 無期又は3年以上の拘禁刑 | わいせつ行為により重大傷害・死亡が発生 |
| 交通 | 危険運転致死傷罪 | 類型により、致死は1年以上20年以下又は15年以下、致傷は15年以下又は12年以下等 | 飲酒・薬物、著しい速度超過、赤信号無視、制御困難運転、死亡結果 |
| 交通 | 過失運転致死傷罪 | 7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 死亡事故、著しい過失、ひき逃げ、飲酒発覚免脱、無免許、示談未了 |
| 薬物 | 覚醒剤の輸入・輸出・製造 | 1年以上の有期拘禁刑。営利目的は無期又は3年以上等 | 密輸、営利目的、多量、組織的関与、運び屋でも重要役割 |
| 薬物 | 覚醒剤の所持・譲渡・譲受・使用 | 10年以下の拘禁刑。営利目的は1年以上等 | 多量所持、営利目的、譲渡、常習性、依存症対策なし、再使用リスク |
| 薬物 | 大麻等の不正施用・所持、栽培 | 不正施用・所持等は麻薬規制対象。栽培は1年以上10年以下の拘禁刑等 | 営利目的、栽培規模、販売・勧誘、若年者への拡散、組織性 |
| 銃器 | 拳銃等所持 | 1年以上10年以下の拘禁刑。複数所持や実包所持で加重 | 拳銃・実包の同時所持、複数丁、暴力団・組織性、隠匿、使用目的 |
| 財産犯 | 詐欺罪 | 10年以下の拘禁刑 | 特殊詐欺、被害者多数、高齢者被害、高額被害、組織的役割、弁償なし |
| 財産犯 | 業務上横領罪 | 10年以下の拘禁刑 | 会社資金・顧客資産の高額横領、長期継続、隠蔽工作、返済不能 |
| 財産犯 | 背任罪 | 5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 企業・金融機関に大損害、忠実義務違反、利益相反、組織的隠蔽 |
| 粗暴・財産 | 恐喝罪 | 10年以下の拘禁刑 | 暴力団関係、反復継続、被害額大、脅迫が強い、被害者支配 |
罪名ごとの特徴を、法定刑と犯情の両面から確認します。
次の一覧は、主要な罪名ごとに、実刑リスクを押し上げる事情を整理したものです。罪名が同じでも犯情によって評価は変わるため重要で、どの事情が法定刑の重さと結び付くのかを読み取ってください。
殺人罪は死刑、無期拘禁刑、又は5年以上の拘禁刑です。殺人未遂でも、重大傷害、重要部位への凶器使用、強い殺意、計画性があれば、初犯でも実刑が問題になります。
下限5年以上殺意がなくても死亡結果は重く見られます。集団暴行、長時間暴行、抵抗困難な被害者、救護しない放置、児童・高齢者虐待では実刑リスクが高まります。
死亡結果現住建造物等放火は、死傷者が出ていなくても、多数人の生命・身体・財産を危険にさらす犯罪です。集合住宅、夜間、延焼危険、保険金目的などが重く評価されます。
社会的危険強盗は暴行・脅迫を伴うため、財産犯の中でも重い位置付けです。強盗致傷は無期又は6年以上、強盗致死は死刑又は無期拘禁刑です。
暴行・脅迫不同意性交等罪は5年以上の有期拘禁刑です。薬物・飲酒、監禁、複数犯、未成年被害、支配関係、口止めなどがあると、初犯でも実刑リスクが高まります。
人格的被害単純使用・少量所持と、輸入・輸出・製造・営利目的事犯は重さが大きく異なります。密輸、営利目的、多量、組織的関与、治療計画の乏しさが重要です。
営利目的発砲していなくても社会に対する危険が重視されます。実包同時所持、複数丁、組織性、隠匿、使用目的が疑われる事情は重く見られます。
危険物被害額が数百万円、数千万円、億単位に及ぶ、長期間反復する、被害者が多数、返済不能、帳簿改ざんや虚偽説明がある場合は、初犯でも実刑が現実化しやすくなります。
高額被害特殊詐欺では、受け子・出し子であっても、被害者から現金やカードを取得する実行行為を担うため軽く扱われるとは限りません。高齢者など脆弱な被害者を狙っている、複数件に関与している、報酬目的で加担している、上位者をかばう、証拠隠滅を図るといった事情は重く評価されます。
業務上横領では、会社の経理担当者、役員、従業員、金融機関職員、管理者などが、業務上預かっている財産を横領した場合に問題になります。顧客資産や公金など信頼性の高い財産を侵害した場合、被害弁償が十分でなければ初犯でも実刑リスクが高まります。
統計の読み違いと、重大事件への当てはめ違いに注意が必要です。
裁判員裁判の対象事件は、死刑又は無期の拘禁刑に当たる罪に係る事件、法定合議事件であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件など、重大事件が中心です。対象事件だから必ず実刑というわけではありませんが、法定刑や結果が重い事件であることが多く、初犯であることだけでは実刑リスクを消すことはできません。
次の一覧は、裁判員裁判の対象になり得る代表例と準備の焦点をまとめています。対象事件は手続が重く、証拠・鑑定・被害者参加・情状立証が早期に問題になるため、どの準備が必要になりやすいかを読み取ることが大切です。
| 代表例 | 準備で問題になりやすい点 |
|---|---|
| 殺人、殺人未遂 | 殺意、凶器、計画性、鑑定、遺族対応、情状資料 |
| 強盗致傷、強盗致死 | 暴行・脅迫の程度、傷害結果、共犯内の役割、被害弁償 |
| 現住建造物等放火 | 延焼危険、人の所在、動機、責任能力、再犯防止策 |
| 危険運転致死 | 運転態様、飲酒・薬物、速度、事故解析、遺族対応 |
| 不同意性交等致死傷 | 被害状況、被害者参加、心理的被害、証拠関係 |
| 覚醒剤の営利目的輸入等 | 営利目的、量、組織性、役割、報酬、依存治療 |
令和6年における有期の懲役刑又は禁錮刑を言い渡された総数に占める全部執行猶予率は66.2%とされています。ただし、この数字は重大事件だけを対象にしたものではなく、軽い事件から重い事件まで含む全体的な統計です。
次の強調表示は、66.2%という全体統計を読むときの注意点を示しています。この数字だけで個別事件の見通しを判断すると危険なため、統計の対象範囲と個別事情の違いを読み取ってください。
全体の全部執行猶予率が高く見えても、強盗、放火、重大性犯罪、死亡事故、薬物密輸、高額横領などでは、罪名・結果・犯情により実刑リスクが大きく変わります。
次の一覧は、「初犯なら執行猶予」という誤解が生まれる代表的な理由を整理したものです。どれも軽微な事件の経験則を重大事件に広げてしまう点が問題で、どの場面で考え方を切り替えるべきかを読み取ってください。
示談、被害弁償、謝罪、反省文は重要ですが、死亡結果や重大な性被害、社会的危険の高い犯罪では、それだけで結論は決まりません。
窃盗と強盗はどちらも財産に関わりますが、強盗は暴行・脅迫を伴い、法定刑の下限が5年以上と重くなっています。
被害回復、再犯防止策、争点整理、身柄対応を具体化します。
個別事件で実刑を避けられるか、刑期を短縮できるかは、証拠に基づく情状立証に左右されます。次の一覧は、準備されることがある資料や活動を目的別に整理したものです。言葉だけの反省では足りない場面が多いため、どの資料がどの事情を裏付けるのかを読み取ってください。
被害弁償、示談書、宥恕文言の有無、被害品返還、治療費・慰謝料の支払い、供託、分割弁済計画が問題になります。
財産犯身体犯・性犯罪薬物・アルコール・ギャンブル依存治療、性加害防止プログラム、精神科通院、カウンセリング、就労環境、家族・雇用主の監督を整えます。
治療監督殺意、強盗か恐喝か、不同意性交等の要件、危険運転か過失運転か、営利目的、共謀、責任能力などを確認します。
罪名変更早期釈放、勾留取消し、準抗告、保釈などは、公判準備、示談、治療、就労、家族監督、被害弁償の準備につながることがあります。
保釈特に薬物、性犯罪、交通、詐欺グループ関与、横領などでは、「反省している」という言葉だけでは不十分です。再犯がなぜ起きたのか、再発をどう防ぐのかを具体的な行動と資料で示す必要があります。
罪名が変わると、法定刑も量刑の出発点も大きく変わります。殺人と傷害致死、強盗と恐喝、危険運転致死と過失運転致死では、争点整理の結果が実刑リスクの見立てに直結します。
任意聴取から起訴後まで、相談の遅れが不利になり得る場面を整理します。
実刑リスクがある罪名では、相談の遅れが供述、証拠、示談、身柄、情状資料の準備に影響することがあります。次の時系列は、どの段階で何を確認する必要があるかを示しており、早期相談の意味を具体的に読み取るために重要です。
任意だから安全とは限りません。供述調書は後の公判で重要な証拠になり得ます。
スマートフォン、パソコン、クラウド、通帳、帳簿、通信履歴などが重要証拠になり得ます。
黙秘権、供述方針、家族連絡、職場対応、被害者対応、身柄解放の方針を短時間で確認します。
被害弁償、示談、診断書、反省文、治療開始、家族監督書などを準備する余地があります。
何を認め、何を争い、どの情状を立証するかを明確にします。裁判員裁判では公判前整理手続への準備も重要です。
次の一覧は、刑事事件で弁護士を選ぶ際の確認項目をまとめたものです。初犯でも実刑が問題になる事件では、楽観的な断定よりも、リスク説明と証拠に基づく対策が重要なので、相談時にどの観点を聞くべきかを読み取ってください。
対象罪名の取扱経験、否認事件と自白事件の双方への対応経験を確認します。
示談交渉、被害弁償、被害者参加への対応経験を確認します。
裁判員裁判や重大事件の公判対応、公判前整理手続への経験を確認します。
薬物、性犯罪、交通、財産犯など、事件類型に応じた治療や監督体制を提案できるか確認します。
家族、職場、治療機関との連携を組み立てられるかを確認します。
必ず執行猶予になるなど、根拠のない断定をしないか確認します。
個別事件の結論ではなく、一般的な制度理解として整理します。
一般的には、初犯であることは有利な情状になり得るとされています。ただし、殺人、強盗、放火、不同意性交等、危険運転致死、薬物密輸、拳銃所持、特殊詐欺、高額横領などでは、罪名、被害結果、犯行態様によって実刑が問題になる可能性があります。具体的な見通しは、証拠関係や被害回復状況を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、未遂減軽、酌量減軽、自首減軽などにより処断刑が下がり、最終的な宣告刑が3年以下になれば、執行猶予の法律上の余地が生じるとされています。ただし、被害の重大性、暴行・脅迫の程度、計画性、被害者の意向などで判断は変わります。具体的には、事件資料を確認したうえで弁護士等の専門家に相談する必要があります。
一般的には、示談や被害弁償は重要な情状資料とされています。ただし、死亡結果、重大な性被害、強盗、放火、薬物密輸、社会的危険の高い犯罪では、示談があっても実刑が選択される可能性があります。被害者対応の方法を含め、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、被害者の処罰感情や宥恕の有無は重要な事情とされています。ただし、刑事裁判は国家が刑罰を判断する手続であり、犯罪の社会的危険性や結果の重大性によって結論が変わる可能性があります。個別の見通しは、罪名、証拠、被害状況を整理して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、反省文は補助的な情状資料になり得るとされています。ただし、形式的な反省文だけでは不十分な場合があります。何を反省しているのか、被害をどう理解しているのか、再犯防止のために何を実行するのかなど、具体的行動と結び付けて検討する必要があります。
一般的には、単純使用・少量所持では執行猶予が問題になることがあるとされています。ただし、薬物の種類、量、営利目的、譲渡、輸入、組織性、依存の程度、治療計画によって判断は変わります。覚醒剤の輸入・製造・営利目的所持などでは、初犯でも実刑リスクが高くなる可能性があります。
一般的には、受け子・出し子は末端と説明されることがありますが、被害者から現金やカードを取得する実行行為を担うため、軽く扱われるとは限らないとされています。被害額、件数、報酬、認識、共犯との連絡、被害弁償の有無により判断は変わります。具体的な見通しは専門家へ相談する必要があります。
一般的には、過失の程度が比較的軽く、被害弁償、示談、反省、再発防止策が整っている場合には、執行猶予や罰金が問題になることがあるとされています。ただし、危険運転、飲酒、無免許、著しい速度超過、ひき逃げ、死亡結果がある場合には、初犯でも実刑リスクがあります。事故態様や証拠関係で結論は変わります。
法定刑、結果、犯情、情状資料を総合して考える必要があります。
初犯でも実刑になりやすいのは、法定刑の下限が重い犯罪、被害者が死亡・重傷を負った犯罪、強盗、放火、重大性犯罪、薬物密輸・営利目的薬物事犯、拳銃等所持、特殊詐欺、高額横領、組織的財産犯、危険運転致死傷、悪質な交通死亡事故などです。
執行猶予は、初犯だから自動的に付くものではありません。宣告刑が3年以下であるという法律上の条件に加え、情状上、刑の執行を猶予するのが相当と判断される必要があります。
次の重要ポイントは、実刑リスクを考えるときの確認順序をまとめたものです。結論を急ぐのではなく、法律上の入口、犯情、一般情状、準備できる資料を順番に見ることが重要で、どこにリスクがあるかを読み取ってください。
3年を超える拘禁刑では全部執行猶予は付けられません。
死亡、重傷、凶器、計画性、組織性、被害額、支配関係が出発点になります。
示談、弁償、治療、監督、就労、家族支援は具体的な資料で裏付けます。
罪名や事実認定が変わると、法定刑と量刑の出発点も変わります。
法令、公的機関資料、裁判実務資料を中心に整理しています。