2σ Guide

傷害事件で
加害者になった
場合の弁護士対応

逮捕直後の接見、取調べ、勾留阻止、示談交渉、不起訴判断、公判対応まで、刑事手続の段階ごとに一般情報として整理します。

72h 逮捕から勾留判断まで
20日 勾留で留置され得る期間
15年 傷害罪の法定刑
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傷害事件で 加害者になった 場合の弁護士対応

逮捕直後の接見、取調べ、勾留阻止、示談交渉、不起訴判断、公判対応まで、刑事手続の段階ごとに一般情報として整理します。

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傷害事件で 加害者になった 場合の弁護士対応
逮捕直後の接見、取調べ、勾留阻止、示談交渉、不起訴判断、公判対応まで、刑事手続の段階ごとに一般情報として整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 傷害事件で 加害者になった 場合の弁護士対応
  • 逮捕直後の接見、取調べ、勾留阻止、示談交渉、不起訴判断、公判対応まで、刑事手続の段階ごとに一般情報として整理します。

POINT 1

  • 傷害事件で加害者になった場合の弁護士対応の全体像
  • 示談、取調べ、身柄拘束、起訴判断を一体で考える必要があります。
  • 示談代行だけでなく、初動から公判までを見通す対応です
  • 身体拘束への対応
  • 取調べ対応

POINT 2

  • 傷害事件で加害者になった場合に押さえる用語と罪名
  • 行為そのもの
  • 暴行行為があったか、押した・振り払った・制止した行為と攻撃行為が混同されていないかを確認します。
  • 傷害結果との関係
  • 相手のけがが本当にその行為から生じたか、診断書、写真、動画、目撃証言と合うかを確認します。

POINT 3

  • 傷害事件で加害者になった場合の逮捕から起訴判断まで
  • 在宅事件と身柄事件、当番弁護士、私選・国選の違いを整理します。
  • 当番弁護士
  • 私選弁護人
  • 国選弁護人

POINT 4

  • 傷害事件で加害者になった場合の取調べと供述調書対応
  • 評価語の混入
  • 「故意に」「一方的に」「執拗に」など、本人の認識より断定的な言葉が入っていないかを確認します。
  • 防衛事情の省略
  • 相手の先行行為、挑発、自分の防御行為が省略され、攻撃だけが強調されていないかを確認します。

POINT 5

  • 傷害事件で加害者になった場合の示談交渉と弁護士対応
  • 圧力と受け取られる
  • 被害者が恐怖や圧迫感を覚えると、処罰感情が強まる可能性があります。
  • 口止めと疑われる
  • 供述変更の働きかけや証拠隠滅のおそれと見られることがあります。

POINT 6

  • 傷害事件で加害者になった場合の不起訴・略式・正式裁判の分かれ目
  • 1. 被害回復を資料化:示談書、嘆願書、謝罪文、被害弁償の記録を整理します。
  • 2. 再発防止を具体化:反省文、通院、カウンセリング、断酒、家族や勤務先の監督体制を示します。
  • 3. 争点を意見書で示す:正当防衛、過剰防衛、因果関係、診断書の信用性、防犯カメラや目撃者供述を整理します。

POINT 7

  • 傷害事件で加害者になった場合の起訴後・公判・正当防衛対応
  • 保釈、証拠、量刑、被害者参加、共同事件の論点を整理します。
  • 起訴後は、捜査段階の被疑者から、刑事裁判を受ける被告人という立場になります。
  • 身体拘束が続く場合は保釈請求が問題となり、有罪を争わない場合でも量刑資料の準備が重要です。
  • 項目ごとに「争う事実」と「情状として示す事実」が違うため、自分の事件でどの資料が必要かを読み取ってください。

POINT 8

  • 傷害事件で加害者になった場合に弁護士へ相談する準備
  • 資料、費用、初動対応、家族・勤務先への影響を事前に整理します。
  • 初動対応の可否
  • 示談交渉の設計
  • 取調べ方針の具体性

まとめ

  • 傷害事件で 加害者になった 場合の弁護士対応
  • 傷害事件で加害者になった場合の弁護士対応の全体像:示談、取調べ、身柄拘束、起訴判断を一体で考える必要があります。
  • 傷害事件で加害者になった場合に押さえる用語と罪名:被疑者、被告人、傷害罪、暴行罪の違いを先に整理します。
  • 傷害事件で加害者になった場合の逮捕から起訴判断まで:在宅事件と身柄事件、当番弁護士、私選・国選の違いを整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

傷害事件で加害者になった場合の弁護士対応の全体像

示談、取調べ、身柄拘束、起訴判断を一体で考える必要があります。

傷害事件で加害者側とされた場合、弁護士の対応は被害者との示談だけに限られません。逮捕直後の接見、勾留を避けるための資料提出、取調べ方針、法的評価、検察官への意見提出、公判準備、勤務先や家族への影響整理まで、時間の経過に応じて目的が変わります。

次の強調表示は、弁護士対応の中心が「お金で解決すること」ではなく、事実、身柄、被害回復、社会生活を同時に整える点にあることを示します。早い段階で何を整えるべきかを読み取ると、相談時の優先順位をつけやすくなります。

示談代行だけでなく、初動から公判までを見通す対応です

初期は身体拘束と供述調書への対応、中盤は被害者対応と検察官への資料提出、起訴後は保釈・証拠検討・量刑資料の準備が中心になります。

次の一覧は、傷害事件で加害者になった場合の弁護士対応を7つの領域に分けたものです。どの領域も刑事処分や生活への影響に関わるため、自分の状況に該当する項目を読み取ることが重要です。

領域1

身体拘束への対応

逮捕直後の接見、勾留請求への意見提出、勾留決定への不服申立て、釈放後の在宅捜査対応を検討します。

領域2

取調べ対応

黙秘権、供述調書、署名押印の意味を確認し、事実と異なる不利な供述が固定されないよう整理します。

領域3

法的評価の検討

傷害罪、暴行罪、傷害致死、過失傷害、正当防衛、過剰防衛、共同正犯や同時傷害の可能性を検討します。

領域4

被害者対応と示談交渉

謝罪、治療費、慰謝料、休業損害、宥恕文言、接触禁止条項などを安全な連絡経路で調整します。

領域5

検察官への意見提出

不起訴、起訴猶予、略式命令、正式裁判の見通しを踏まえ、示談書や再発防止資料を提出します。

領域6

公判と社会生活の整理

保釈、証拠検討、量刑資料、勤務先や学校への説明、報道・SNS・資格・在留資格への波及を整理します。

Section 01

傷害事件で加害者になった場合に押さえる用語と罪名

被疑者、被告人、傷害罪、暴行罪の違いを先に整理します。

日常会話の「加害者」という表現と、刑事手続で使われる被疑者・被告人という表現は意味が異なります。呼び方を分けることは、まだ確定していない事実や責任を不用意に認めないために重要です。

次の比較表は、傷害事件で最初に整理すべき用語と法定刑を並べています。列は「何を意味するか」と「どの段階で問題になるか」を示すため、相談前に自分の状況がどこに当たるかを読み取ってください。

用語・罪名基本的な意味重要な確認点
被疑者捜査段階で犯罪の疑いをかけられている人です。刑事責任が確定したわけではないため、事実関係と証拠を分けて整理します。
被告人起訴後に刑事裁判を受ける立場です。保釈、証拠検討、量刑資料、被告人質問の準備が重要になります。
傷害罪人の身体を傷害した場合に問題になります。法定刑は15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。
暴行罪暴行を加えたものの傷害に至らなかった場合に問題になります。法定刑は2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留又は科料です。
傷害致死傷害行為の結果として死亡が生じた場合に問題になります。法定刑は3年以上の有期拘禁刑です。
正当防衛・過剰防衛急迫不正の侵害に対する防衛行為か、防衛の程度を超えたかを検討します。相手の先行行為、逃げ道、体格差、反撃の回数や部位などの証拠が重要です。

次の一覧は、「全部自分が悪い」と決めつける前に分けて考えるべき事実を示しています。各項目は法的評価や示談交渉の前提に関わるため、証拠と記憶を照らして読み取る必要があります。

行為そのもの

暴行行為があったか、押した・振り払った・制止した行為と攻撃行為が混同されていないかを確認します。

傷害結果との関係

相手のけがが本当にその行為から生じたか、診断書、写真、動画、目撃証言と合うかを確認します。

故意と過失

故意の暴行なのか、不注意や偶発事故に近いのかで、争点や処分見通しが変わります。

防衛の余地

相手の先行暴行、急迫性、防衛意思、必要性・相当性、過剰性を分けて検討します。

Section 02

傷害事件で加害者になった場合の初動と5つの確認論点

事実、身柄、取調べ、被害者対応、社会生活を同時に整理します。

傷害事件では、初動の数時間から数日で、逮捕・勾留、供述調書、被害者対応、勤務先や家族への影響が大きく変わり得ます。とくに逮捕後は最大72時間で勾留請求の判断に進むため、事実と資料を早く整える必要があります。

次の時系列は、初動で優先して確認する順番を示しています。順番には意味があり、先に証拠や身柄リスクを整理してから、謝罪・示談・勤務先対応を設計する流れを読み取ってください。

最初に整理

誰が、いつ、どこで、何をしたか

発生日時、場所、同席者、飲酒、相手との関係、最初に手を出した人、攻撃・防御・制止・転倒の区別を時系列で整理します。

証拠の確認

客観資料を失わない

防犯カメラ、スマートフォン動画、音声、SNS、通話履歴、目撃者、店舗、タクシー、救急搬送記録を確認します。

身柄対応

逃亡・罪証隠滅のおそれを下げる

住所資料、身元引受書、出頭誓約書、接触しない誓約書、持病・介護・育児・仕事上の事情を整えます。

社会生活

勤務先・学校・家族への説明を整理する

欠勤連絡、報道やSNS、同じ職場・学校での接触回避、資格や在留資格への影響を慎重に確認します。

次の判断の流れは、逮捕・勾留リスクを下げるために弁護士が検討する資料の出し方を表します。分岐は「資料が事件内容と矛盾しないか」を見るため、形式的に出せば足りるわけではない点を読み取ってください。

身柄拘束リスクを下げるための判断の流れ

住所・出頭可能性を確認

住所、家族、勤務先、呼出しへの対応状況を整理します。

被害者や関係者への接触リスクを確認

直接連絡が圧力や証拠隠滅と見られないかを確認します。

リスクが高い
接触回避策を優先

弁護士を窓口にし、誓約書や連絡経路を整えます。

整理できる
意見書と資料を提出

勾留の必要性が低い事情を裁判官や検察官へ示します。

Section 03

傷害事件で加害者になった場合の逮捕から起訴判断まで

在宅事件と身柄事件、当番弁護士、私選・国選の違いを整理します。

傷害事件には、逮捕されずに呼出しを受ける在宅事件と、逮捕・勾留により身体拘束を受ける身柄事件があります。軽傷なら必ず在宅、重傷なら必ず逮捕という単純な区別ではなく、逃亡や罪証隠滅のおそれ、被害者との関係、前科前歴などが問題になります。

次の比較表は、逮捕直後から起訴・不起訴判断までの段階ごとに、主な問題と弁護士対応を整理したものです。左から右へ時間が進むものとして読み、どの段階で何を準備すべきかを確認してください。

段階主な問題弁護士の対応
事件直後逮捕、被害者対応、証拠散逸初回相談、時系列整理、証拠保全、直接接触を避ける助言を行います。
逮捕直後取調べ、家族連絡、勾留リスク接見、黙秘権説明、供述方針、家族・勤務先連絡の整理を行います。
勾留請求前身体拘束の継続勾留請求却下を求める意見書、身元引受書、誓約書を提出します。
勾留後最大20日程度の身体拘束、示談交渉準抗告、示談交渉、検察官との協議、医療・仕事上の事情整理を行います。
検察処分前不起訴、略式、正式裁判意見書、示談書、反省・再発防止資料、証拠評価を提出します。
起訴後被告人勾留、保釈、証拠開示保釈請求、証拠検討、公判方針、量刑資料収集を行います。

次の一覧は、逮捕直後に利用される制度と弁護人選任の位置づけを示します。制度ごとに利用できる時期が違うため、どのタイミングで相談できるかを読み取ることが重要です。

逮捕直後

当番弁護士

各地の弁護士会が運営し、初回接見で被疑事実、取調べ状況、体調、家族連絡、黙秘権、勾留見通しを確認します。

早期対応

私選弁護人

本人又は家族が委任し、逮捕直後から接見、勾留阻止、被害者対応、検察官・裁判官への意見提出を行いやすい立場です。

勾留後

国選弁護人

貧困等の理由で弁護人を選任できない場合に国が選任する制度で、現在は被疑者が勾留されている全事件が対象です。

Section 04

傷害事件で加害者になった場合の取調べと供述調書対応

認める事件でも言葉の選び方が事実認定に直結します。

被疑者には黙秘権などの権利が保障されていますが、取調べ対応は単に話すか黙るかだけで決まるものではありません。争いのない事実だけ述べるのか、正当防衛の事情を早期に説明するのか、謝罪意思を述べるのかは、証拠関係によって変わります。

次の比較表は、同じ出来事でも表現の違いが故意、危険性、悪質性、正当防衛の余地に影響する例を示します。列ごとの違いから、供述調書の言葉を細かく確認する必要性を読み取ってください。

確認する表現評価に影響する点注意すべきこと
殴った/押しのけた攻撃行為か、防御・制止に近い行為かが変わります。本人の記憶と動画、目撃証言、けがの部位を合わせて確認します。
顔面を狙った/相手が動いて当たった危険部位への故意や悪質性の評価に関わります。距離、向き、相手の動き、周囲の状況を具体化します。
何度も蹴った/一度転倒した後に離れた執拗性、追撃の有無、量刑上の評価に関わります。回数、時間、倒れた後の救護や離脱の有無を確認します。
凶器を使った/持っていた物が偶然当たった危険物使用の有無で処分見通しが変わります。物の種類、持ち方、使う意思、現場写真を整理します。
注意供述調書は後の起訴判断や公判で使われ得る重要資料です。「だいたい合っている」と考えて署名押印しても、本人の供述として扱われるため、違う点は訂正を求める必要があります。

次の一覧は、供述調書に署名押印する前に確認すべき事項です。各項目は不利な評価や事実誤認につながりやすいため、文面を自分で読み、違和感がある部分を読み取ってください。

評価語の混入

「故意に」「一方的に」「執拗に」など、本人の認識より断定的な言葉が入っていないかを確認します。

防衛事情の省略

相手の先行行為、挑発、自分の防御行為が省略され、攻撃だけが強調されていないかを確認します。

数量と位置

暴行回数、部位、時間、距離、飲酒量、記憶の程度が正確かを確認します。

謝罪意思の記載

謝罪・救護の事実や、示談意思について実際と異なる記載がないかを確認します。

Section 05

傷害事件で加害者になった場合の示談交渉と弁護士対応

直接接触を避け、被害回復と再発防止を文書化します。

傷害事件の示談は、謝罪、損害賠償、今後の接触禁止、処罰に関する意向などを合意するものです。傷害罪は親告罪ではないため、示談が成立しても必ず不起訴になるわけではありませんが、被害回復や犯罪後の情況として重要な資料になり得ます。

次の一覧は、本人や家族が直接連絡する場合に起こり得る問題を示します。各項目は、謝罪のつもりでも被害者に圧力として受け止められる危険を示すため、連絡方法を慎重に読む必要があります。

圧力と受け取られる

被害者が恐怖や圧迫感を覚えると、処罰感情が強まる可能性があります。

口止めと疑われる

供述変更の働きかけや証拠隠滅のおそれと見られることがあります。

交渉が感情的になる

金額や謝罪の言葉をめぐり、示談交渉が破綻しやすくなります。

約束が不明確になる

過大な約束や清算範囲の不明確さが、後日の紛争につながります。

次の比較表は、示談金の検討要素と示談書に入れる主な条項を整理したものです。左列はお金の内訳、右列は今後の紛争予防に関わる文言を示すため、金額だけでなく条項の読み方も確認してください。

項目内容注意点
損害項目治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料、後遺障害、物損など治療終了前や損害未確定の段階では、追加請求や留保条項を慎重に検討します。
支払条項金額、支払期限、振込先、分割の可否分割払いでは期限の利益喪失や不履行時の扱いを確認します。
宥恕条項被害者が処罰を望まない、寛大な処分を求めるなどの意思表示被害者が望まない文言を無理に入れると逆効果になり得ます。
接触禁止電話、SNS、勤務先や自宅付近への接近禁止被害者の安全感と再発防止を具体化します。
秘密保持住所、連絡先、勤務先、事件内容の取扱い過度に広すぎる文言や、捜査機関・裁判所への提出範囲に注意します。
Section 06

傷害事件で加害者になった場合の不起訴・略式・正式裁判の分かれ目

示談だけでなく、傷害程度、行為態様、再発防止、証拠関係が問題になります。

傷害事件の処分見通しは、全治日数や示談の有無だけで機械的に決まるものではありません。検察官は、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などを総合して、不起訴、略式命令、正式裁判を検討します。

次の比較一覧は、不起訴を目指しやすい方向の事情と、起訴・公判請求に傾きやすい事情を対比しています。左右の違いから、何を資料化し、どのリスクを下げるべきかを読み取ってください。

有利に働き得る事情

被害が軽く再発防止が具体的

比較的軽い傷害、偶発的な口論、一回限りの暴行、凶器なし、早期謝罪・救護、示談成立、前科前歴なし、監督体制、客観証拠と整合する供述などです。

重く見られやすい事情

危険性や継続性が高い

重い傷害、後遺症、入院、顔面・頭部・腹部への攻撃、複数回の暴行、凶器や危険物、倒れた後の追撃、集団暴行、弱い立場の被害者などです。

特に注意

証拠隠滅や虚偽説明

口止め、逃走、虚偽供述、示談不成立、被害者の強い処罰感情、執行猶予中や保護観察中の事情は、重く評価される可能性があります。

次の判断の流れは、検察処分前に弁護士が提出資料を整える考え方を示します。順番は、被害回復、再発防止、争点整理を分けて示すため、単なる反省文だけでは足りない点を読み取ってください。

検察官へ提出する資料を整える判断の流れ

被害回復を資料化

示談書、嘆願書、謝罪文、被害弁償の記録を整理します。

再発防止を具体化

反省文、通院、カウンセリング、断酒、家族や勤務先の監督体制を示します。

争点を意見書で示す

正当防衛、過剰防衛、因果関係、診断書の信用性、防犯カメラや目撃者供述を整理します。

Section 07

傷害事件で加害者になった場合の起訴後・公判・正当防衛対応

保釈、証拠、量刑、被害者参加、共同事件の論点を整理します。

起訴後は、捜査段階の被疑者から、刑事裁判を受ける被告人という立場になります。身体拘束が続く場合は保釈請求が問題となり、有罪を争わない場合でも量刑資料の準備が重要です。

次の一覧は、起訴後から公判までに弁護士が準備する主な事項を示しています。項目ごとに「争う事実」と「情状として示す事実」が違うため、自分の事件でどの資料が必要かを読み取ってください。

01

起訴状と証拠の確認

公訴事実、検察官請求証拠、被害者供述、診断書、写真、実況見分調書を確認します。

証拠検討
02

保釈と身体拘束への対応

起訴後も身体拘束が続く場合、逃亡や罪証隠滅のおそれを下げる資料を整え、保釈を検討します。

保釈
03

量刑資料の準備

示談、被害弁償、被害者の意向、反省、再発防止、家族・職場の監督体制、社会復帰の見通しを整理します。

量刑
04

被害者参加への備え

被害者の心情意見陳述、質問への準備、謝罪の表現、争う範囲の明確化、二次被害を避ける法廷対応を行います。

注意

次の比較表は、共同事件・集団暴行・正当防衛が問題になる場合の確認点をまとめています。複数人事件や防衛主張では、本人の行為だけでなく全体の傷害結果との関係を読む必要があります。

論点確認する事実重要な証拠
共同事件・集団暴行誰が最初に暴行したか、誰の行為がどの傷害と結び付くか、共謀があったかを確認します。防犯カメラ、目撃者、各人の位置、行為分担、声かけの内容
同時傷害・現場助勢本人の暴行が軽くても、全体の傷害結果との関係で責任が問題になることがあります。傷害部位、時間的接着性、複数人の供述、医療記録
正当防衛・過剰防衛急迫性、不正性、防衛意思、必要性・相当性、過剰性を確認します。相手の先行暴行、自分の負傷診断書、破れた衣服、逃げ道、体格差、反撃後の行動
Section 08

傷害事件で加害者になった場合に弁護士へ相談する準備

資料、費用、初動対応、家族・勤務先への影響を事前に整理します。

弁護士へ相談する際は、資料が整理されているほど初期判断が早くなります。ただし、証拠を消す、相手に口裏合わせを頼む、被害者に連絡して供述を変えさせようとする行為は重大な不利益を招きます。

次の一覧は、相談前に確認したい資料を用途別にまとめたものです。分類ごとに、身柄対応、取調べ対応、示談交渉、公判準備のどこに使う資料かを読み取ってください。

分類準備したい資料主な用途
捜査情報警察署名、担当部署、担当者名、呼出状、逮捕・勾留場所、担当検察庁接見、勾留対応、呼出し対応の前提になります。
けがと証拠診断書、負傷写真、現場写真、地図、防犯カメラ、目撃者情報、救急搬送記録傷害結果、因果関係、正当防衛、量刑資料に関わります。
連絡記録SNS、メッセージ、通話履歴、謝罪や弁償のやり取り接触リスク、示談交渉、被害者対応の方針に関わります。
生活への影響勤務先・学校への影響資料、家族の身元引受、持病・通院・服薬情報勾留阻止、保釈、社会復帰、再発防止の資料になります。

次の一覧は、刑事事件の弁護士選びで確認したい観点を示しています。初動の速さ、示談交渉、取調べ対応、費用、家族・勤務先対応の説明が具体的かを読み取ると、相談先を比較しやすくなります。

確認1

初動対応の可否

逮捕直後や勾留請求前に接見・意見書提出ができるか、夜間・休日の対応方針を確認します。

確認2

示談交渉の設計

金額だけでなく、被害者の安全感、個人情報、宥恕条項、接触禁止条項を設計できるかを確認します。

確認3

取調べ方針の具体性

全部認める、黙るといった単純な説明ではなく、証拠と争点に応じた方針を説明できるかを確認します。

確認4

費用と生活対応

相談料、着手金、報酬金、接見日当、公判対応費用、家族や勤務先への説明支援を確認します。

Section 09

傷害事件で加害者になった場合のよくある質問

示談、不起訴、直接謝罪、国選・私選、勤務先対応を一般情報として整理します。

示談が成立すると不起訴になりますか。

一般的には、示談は被害回復や犯罪後の情況を示す重要資料になるとされています。ただし、傷害罪は親告罪ではないため、傷害の程度、行為態様、前科前歴、証拠関係、被害者の意向によって結論は変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

軽いけがなら弁護士は不要ですか。

一般的には、軽微に見える事件でも、被害者の処罰感情、職場や学校での関係、診断書の内容、前科前歴、供述調書の内容によって不利益が拡大する可能性があります。具体的な対応は、事件態様や証拠関係を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

被害者に直接謝罪してもよいですか。

一般的には、謝罪の意思を示すことは重要とされています。ただし、逮捕・勾留中、被害者が恐怖を感じている場合、接触禁止や証拠隠滅が問題になる場合には、直接連絡が不利に働く可能性があります。連絡方法は、弁護士等の専門家に相談して確認する必要があります。

国選弁護人と私選弁護人の違いは何ですか。

一般的には、国選弁護人は一定の条件のもとで国が選任する制度、私選弁護人は本人や家族が費用を負担して選任する制度とされています。利用できる時期や活動開始の速さは状況によって異なるため、具体的には弁護士会、法テラス、弁護士等へ確認する必要があります。

会社に知られずに解決できますか。

一般的には、在宅事件で早期に対応できれば勤務先に知られない可能性はあります。ただし、逮捕による欠勤、報道、被害者が同じ会社、警察からの照会、就業規則上の報告義務などで結論は変わります。説明方針は、事実関係と防御方針を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

傷害事件の弁護士対応で参照した公的情報源

  • e-Gov法令検索「刑法」
  • e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
  • 法務省「拘禁刑下の矯正処遇等について」
  • 最高裁判所第二小法廷判決・昭和27年6月6日
  • 日本弁護士連合会「刑事手続の流れ」
  • 日本弁護士連合会「刑事弁護に関する制度のご紹介」
  • 法テラス「国選弁護等関連業務」
  • 裁判所「検察官による起訴・不起訴の決定」
  • 日本弁護士連合会「刑事弁護人にできること」
  • 裁判所「刑事手続における犯罪被害者のための制度」