2σ Guide

外国人の法律問題を
在留資格から生活・仕事まで横断整理

在留資格、労働、家族、住まい、消費者被害、刑事事件、人権、難民、事業・不動産まで、外国人本人・家族・雇用主・支援者が押さえたい法的論点を一般情報として整理します。

412万超 2025年末の在留外国人数
257万超 2025年10月末の外国人労働者数
2027年 育成就労制度の施行予定
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外国人の法律問題を 在留資格から生活・仕事まで横断整理

入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。

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外国人の法律問題を 在留資格から生活・仕事まで横断整理
入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 外国人の法律問題を 在留資格から生活・仕事まで横断整理
  • 入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。

POINT 1

  • 外国人の法律問題の全体像と重要データ
  • 入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。
  • 外国人の法律問題は生活・企業・地域社会の共通課題です
  • 外国人の法律問題は、外国人だけに特別な法律が適用されるという単純な話ではありません。
  • 離婚の相談でも、親権、養育費、面会交流、DV保護、子の国籍、在留資格、ハーグ条約、外国判決の承認が同時に問題になり得ます。

POINT 2

  • 外国人の法律問題を読むための基礎知識
  • 誰が関係者になるのか、なぜ複雑になるのか、どの用語を押さえるべきかを整理します。
  • 法律上の外国人と実務上の関係者
  • 在留資格が生活の基盤になる
  • 日本法と外国法が交差する

POINT 3

  • 外国人の法律問題で最初に確認する在留資格
  • 1. 在留カードと旅券を確認:在留資格、在留期限、就労制限、指定書の有無を確認します。
  • 2. 現在の活動と照合:仕事、学校、家族関係、事業内容が資格の範囲に合うかを見ます。
  • 3. 期限・変更事情の有無を確認:退職、転職、離婚、別居、出産、犯罪、事業変更などを整理します。
  • 4. 早期相談:入管、弁護士、行政書士、支援機関に資料を持って相談します。
  • 5. 証拠整理:更新・変更に備えて契約書、収入、納税、家族資料を保存します。

POINT 4

  • 外国人労働者の法律問題と労働法上の保護
  • 賃金・時間
  • 契約・退職

POINT 5

  • 外国人の法律問題としての国際結婚・離婚・子ども
  • 1. もう一方の親の同意:出国・帰国について明確な同意があるかを確認します。
  • 2. 子の常居所地:子が普段生活している国や監護に関する判断の場を確認します。
  • 3. DV・危険の有無:安全確保が必要な場合は、避難と法的手続を並行して検討します。
  • 4. 事前相談:出国前に、弁護士、支援機関、外務省関連窓口等へ相談します。

POINT 6

  • 住まい・消費者被害・事故で起きる外国人の法律問題
  • 賃貸借、契約、借金、交通事故、税金・社会保険は日常生活に直結します。
  • 賃貸住宅と原状回復
  • 不動産購入と在留資格
  • クーリング・オフ、取消し、借金

POINT 7

  • 刑事事件・人権・学校・医療で起きる外国人の法律問題
  • 通訳、在留資格への影響、被害者支援、差別対応、医療同意を横断して確認します。
  • 外国人が刑事事件に関わる場合
  • 被害者としての外国人
  • 人権・差別・ヘイト、学校、医療

POINT 8

  • 企業・国際取引で生じる外国人の法律問題
  • 外国人雇用、外国人向けサービス、相続、国際契約、裁判手続を整理します。
  • 外国人雇用は採用だけの問題ではありません
  • 不法就労助長リスクと外国人向けサービス
  • 相続、国際契約、外国人経営者

まとめ

  • 外国人の法律問題を 在留資格から生活・仕事まで横断整理
  • 外国人の法律問題の全体像と重要データ:入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。
  • 外国人の法律問題を読むための基礎知識:誰が関係者になるのか、なぜ複雑になるのか、どの用語を押さえるべきかを整理します。
  • 外国人の法律問題で最初に確認する在留資格:更新、変更、資格外活動、離婚、退職、難民、起業などは、生活全体に影響します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

外国人の法律問題の全体像と重要データ

入管法だけでなく、仕事、家族、住まい、刑事手続、人権、事業まで重なり合う領域です。

外国人の法律問題は、外国人だけに特別な法律が適用されるという単純な話ではありません。日本で生活し、働き、学び、家族を持ち、事業を営む場面では、出入国在留管理、労働法、家族法、民事訴訟、刑事手続、人権救済、消費者法、住まい、税金、社会保障、会社法、不動産法、国際私法が重なります。

たとえば未払い賃金の相談でも、在留資格の更新、転職の可否、資格外活動、雇用主による在留カードや旅券の預かり、帰国費用、住居契約、家族の在留資格へ波及することがあります。離婚の相談でも、親権、養育費、面会交流、DV保護、子の国籍、在留資格、ハーグ条約、外国判決の承認が同時に問題になり得ます。

一般情報このページは、外国人本人、家族、雇用企業、支援者、管理部門担当者が相談前に論点を整理するための一般的な情報です。個別の結論は、事実関係、証拠、在留資格、時期、管轄、相手方の対応、法令・運用で変わるため、具体的には弁護士、行政書士、法テラス、弁護士会、入管、労働基準監督署、消費生活センターなど適切な窓口へ確認する必要があります。

次の強調表示は、日本で外国人の法律問題が社会的な実務課題になっている背景を示すものです。人数や制度変更は相談件数や企業対応にも影響するため、読者は「個人の困りごと」と「社会・企業・行政の課題」が結びついている点を読み取ることが重要です。

外国人の法律問題は生活・企業・地域社会の共通課題です

出入国在留管理庁の公表では2025年末時点の在留外国人数が4,125,395人、厚生労働省の公表では2025年10月末時点の外国人労働者数が2,571,037人、外国人を雇用する事業所数が371,215か所とされています。

この増加は、外国人が日本で生活し、働き、学び、結婚し、子を育て、事業を行い、不動産を借りたり買ったりする場面が増えていることを意味します。2024年公布の制度改正により技能実習制度に代わる育成就労制度の準備も進み、2025年10月には「経営・管理」の在留資格に関する基準の見直しも行われています。

外国人の法律問題を理解するうえでは、在留資格を生活の土台として確認しつつ、権利侵害、契約、家族、刑事手続、社会保障、企業責任を分けずに見る視点が必要です。

Section 01

外国人の法律問題を読むための基礎知識

誰が関係者になるのか、なぜ複雑になるのか、どの用語を押さえるべきかを整理します。

法律上の外国人と実務上の関係者

法律上、外国人とは一般に日本国籍を有しない人を指します。ただし実務で扱う外国人の法律問題では、国籍だけでなく、日本に住む中長期在留者、短期滞在の旅行者・出張者、留学生、技能実習生、特定技能外国人、育成就労制度の対象となり得る人、永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、難民認定申請者、補完的保護対象者、仮放免中の人、オーバーステイ状態の人、元外国籍者、外国籍の子、外国法人、外国人経営者、外国人投資家まで含めて考える必要があります。

また、外国人本人だけでなく、配偶者、子、雇用主、貸主、取引先、保証人、共同経営者、支援者、自治体、学校、医療機関、企業の法務部門にも関係します。問題を狭く捉えると、家族や雇用、住居、行政手続への波及を見落としやすくなります。

次の一覧は、外国人の法律問題が複雑になりやすい主な理由を並べたものです。どの理由が自分の問題に当てはまるかを確認すると、相談先や集める資料を早めに絞れるため重要です。

BASIS

在留資格が生活の基盤になる

仕事、学業、結婚、離婚、転職、退職、犯罪、病気、出産、起業、廃業が、在留資格の変更・更新・取消し・退去強制に影響することがあります。

CROSS BORDER

日本法と外国法が交差する

国際結婚、国際離婚、相続、子の移動、海外財産、外国法人との契約では、適用される法律や裁判所の管轄が問題になります。

EVIDENCE

証拠と言語の負担が大きい

契約書、LINE、給与明細、送金記録、診断書、在留カード、旅券、外国語の証明書・判決文などで、翻訳、認証、原本確認が必要になる場合があります。

外国人だから権利がないという理解は誤り

外国人であっても、日本国内では多くの基本的人権、民事上の権利、労働者としての権利、刑事手続上の権利が保障されます。労働基準法3条は、使用者が労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをしてはならないと定めています。

一方で、選挙権、公務就任、在留資格、入国・退去強制、国籍など、日本国民と外国人で制度上の扱いが異なる領域もあります。大切なのは、認められる権利と制度上の違いを分けて確認することです。

在留資格は生活の許可条件です

在留資格は、外国人が日本で行うことができる活動や身分・地位を定めるものです。日常会話では「ビザ」と呼ばれることがありますが、海外の日本大使館・総領事館で発給される査証と、日本に入国・在留するための在留資格は厳密には異なります。

実務上は、自分の在留資格で働けるのか、転職できるのか、副業できるのか、離婚や退職後も日本にいられるのか、更新できるのかを確認する必要があります。早い段階で相談すれば、在留期限前の更新・変更、DV被害時の安全確保、刑事事件での通訳と弁護人、労働事件での証拠保存など、選択肢が広がることがあります。

次の表は、相談前に混同しやすい主要用語を整理したものです。用語の違いを把握しておくと、入管、裁判所、労働機関、支援機関に説明するときに論点が伝わりやすくなるため重要です。

用語意味と確認点
在留資格外国人が日本で在留し、一定の活動を行うための法的な地位です。技術・人文知識・国際業務、技能実習、特定技能、留学、家族滞在、日本人の配偶者等、永住者、定住者、経営・管理などがあります。
在留カード中長期在留者に交付される資料で、氏名、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労制限の有無などが記載されます。就労可否と期限確認に使います。
資格外活動現在の在留資格で認められていない収入を伴う活動を行うことです。留学生や家族滞在の人がアルバイトをする場合、原則として許可が必要です。
オーバーステイ在留期間を過ぎても日本に滞在している状態です。退去強制、出国命令、在留特別許可、刑事責任などが問題になり得ます。
準拠法国際的な法律関係で、どの国の法律を適用するかという問題です。国際結婚、離婚、相続、契約、不法行為で重要になります。
国際裁判管轄どの国の裁判所が事件を扱えるかという問題です。海外にいる相手への請求や外国法人との紛争で検討します。
難民認定・補完的保護迫害や重大な危害のおそれを理由に保護を求める制度です。出身国情勢、本人の経歴、迫害事実、証拠、供述の一貫性が重要になります。
法テラス正式名称は日本司法支援センターです。法制度や相談窓口の情報提供、一定の要件を満たす場合の無料法律相談や費用立替え等を扱います。
Section 02

外国人の法律問題で最初に確認する在留資格

更新、変更、資格外活動、離婚、退職、難民、起業などは、生活全体に影響します。

入管法は生活・仕事・家族に直結します

外国人の法律問題で最初に確認すべきことは、多くの場合、在留資格です。出入国管理及び難民認定法は、日本への入国、上陸、在留、退去強制、難民認定などを定める基本法です。在留資格の問題は単なる行政手続ではなく、収入、家族、教育、医療、住宅、刑事事件と密接に結びつきます。

よくある相談には、在留期限が近い、退職・転職した、アルバイト時間を超過した、離婚後も日本に残れるか分からない、日本人の子を育てている、技能実習先や特定技能の勤務先でトラブルがある、経営・管理の資格で会社を作りたい、永住許可を申請したい、オーバーステイになった、難民認定申請や補完的保護の可能性を知りたい、といったものがあります。

次の表は、在留資格に関する代表的な手続と注意点をまとめたものです。期限や活動内容を誤ると生活や雇用に影響するため、読者は「いまの手続が更新なのか変更なのか」「どの資料で活動実態を説明するのか」を読み取ることが重要です。

手続典型例注意点
在留期間更新許可申請今の在留資格のまま期間を延ばす期限前の申請が重要です。活動実態、収入、納税、素行等が問題になることがあります。
在留資格変更許可申請留学から就労、配偶者から定住者等変更後の活動が在留資格に合うか、資料で説明する必要があります。
在留資格認定証明書交付申請海外から家族・従業員を呼ぶ受入機関や身元保証、活動内容の立証が重要です。
資格外活動許可申請留学生・家族滞在のアルバイト等許可範囲、時間制限、業務内容の制限に注意します。
永住許可申請長期居住者が永住者を目指す居住年数、素行、独立生計、納税・社会保険等が厳格に見られることがあります。
帰化申請日本国籍の取得法務局での相談・申請となり、国籍、家族、税金、生活実態等の確認が必要です。

入管手続では、まず現在の在留資格、在留期限、活動内容、家族関係、仕事や収入、違反の有無を順に確認します。次の判断の流れは初動で何を見るかを示しており、期限切れや活動不一致を早く発見できる点が重要です。

在留資格を確認する順番

在留カードと旅券を確認

在留資格、在留期限、就労制限、指定書の有無を確認します。

現在の活動と照合

仕事、学校、家族関係、事業内容が資格の範囲に合うかを見ます。

期限・変更事情の有無を確認

退職、転職、離婚、別居、出産、犯罪、事業変更などを整理します。

問題あり
早期相談

入管、弁護士、行政書士、支援機関に資料を持って相談します。

期限内
証拠整理

更新・変更に備えて契約書、収入、納税、家族資料を保存します。

留学生・家族滞在のアルバイト

留学生や家族滞在の在留資格の人は、原則としてその資格だけでは就労できません。アルバイトをするには資格外活動許可が必要です。包括許可がある場合、一般に1週28時間以内の範囲で働くことができ、留学生については教育機関の長期休業期間中に1日8時間以内の活動が認められる場合があります。

「雇用主が大丈夫と言ったから大丈夫」とは限りません。在留資格上の責任は本人にも及びます。時間超過、風俗営業等での就労、無許可就労は、更新不許可、資格取消し、退去強制、雇用主側の不法就労助長罪につながる可能性があります。在留カード裏面の記載、複数事業所合計の時間、長期休業期間の扱い、業務内容、シフト表や給与明細の保存を確認します。

退職・転職、配偶者資格、DV

就労系在留資格では、勤務先、職務内容、本人の学歴・職歴、報酬、会社の安定性が重要です。退職や転職をすると、入管への届出、在留資格の適合性、次回更新の見通しが問題になります。雇用契約書、職務内容説明書、会社案内、給与条件、卒業証明書、職歴証明書、理由書を整理し、必要に応じて就労資格証明書の取得も検討します。

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」では、婚姻関係の実体が重要です。別居、離婚、死別、DV避難があると、更新や変更が問題になります。ただし、離婚したから直ちに日本にいられなくなると単純に決まるわけではありません。生活実態、子の監護、日本国籍の子の養育、就労状況、DV被害、在留期間、社会的つながりを踏まえ、定住者等への変更が検討される場合があります。

安全優先DV被害では在留資格だけでなく安全確保が最優先です。配偶者暴力相談支援センター、警察、自治体、弁護士、支援団体などに相談し、避難、証拠保全、在留手続を分けずに考える必要があります。

オーバーステイ、退去強制、在留特別許可

在留期限を過ぎてしまった場合、退去強制手続の対象となる可能性があります。事情によっては、出国命令制度、在留特別許可、仮放免等が問題になります。2023年の入管法改正では、在留特別許可の申請手続、補完的保護対象者認定制度、送還停止効の例外、監理措置制度などの変更が盛り込まれています。

在留特別許可は、単に長く住んでいることや仕事があることだけで認められる制度ではありません。日本での家族関係、子の利益、在留状況、違反の内容、犯罪歴、社会的定着、出国困難性、人道上の事情などを総合的に考慮する制度です。個別事情の整理と証拠化が重要です。

難民認定、育成就労、外国人起業

難民認定や補完的保護では、政治、宗教、民族、社会的集団、紛争、迫害、重大な危害のおそれなど、生命・身体の安全に関わる事情を具体的に説明する必要があります。出身国の客観情勢、本人の経歴、迫害事実、証拠、供述の一貫性、翻訳の正確性が重要です。

技能実習制度に代わる育成就労制度は、2024年に関連法が公布され、原則として2027年4月1日施行に向けた準備が進められています。制度移行期には、技能実習、特定技能、育成就労、監理支援機関、受入企業、転籍、賃金、教育訓練、送出機関費用、労働条件、失踪対策が複雑に絡みます。

外国人が日本で会社を経営する場合は、「経営・管理」の在留資格、会社設立、税務、社会保険、許認可、契約、会計、事業実態を一体として準備します。2025年10月16日施行の改正により、常勤職員、資本金、語学能力、経営経験・学歴、事業計画書の専門家確認、事業所要件などが見直されています。

Section 03

外国人労働者の法律問題と労働法上の保護

在留資格の不安や言語の壁を利用した不利益取扱いに注意が必要です。

外国人であっても、日本で労働者として働く場合、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働契約法、労災保険、雇用保険、社会保険、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パワハラ防止措置等が問題になります。

特に重要なのは、外国人労働者が「在留資格を失うのが怖い」「日本語が分からない」「会社に逆らえない」と感じやすいことです。この脆弱性を利用して、低賃金、長時間労働、賃金不払い、違約金、旅券預かり、退職妨害、暴言、住居支配などが起きることがあります。

次の一覧は、外国人労働者から多い相談を種類ごとに整理したものです。労働問題は在留資格や住居にも波及しやすいため、読者は「賃金」「身分証の管理」「退職・解雇」「安全・ハラスメント」のどこに問題があるかを読み取ることが重要です。

賃金・時間

給与が支払われない、残業代が出ない、最低賃金を下回る、寮費・制服代・紹介料・罰金が不当に差し引かれるといった相談があります。

契約・退職

雇用契約書をもらっていない、日本語で分からない書類に署名した、退職したいのに辞められない、転職すると入管に通報すると脅されることがあります。

身分証の管理

旅券や在留カードを会社に預けさせられることは、移動・転職・相談・帰国の自由を制限し、人身取引や搾取の兆候として問題になり得ます。

安全・差別

ケガをしたのに労災扱いされない、妊娠・出産・病気を理由に解雇された、上司から差別的発言や暴力を受けたという相談があります。

旅券・在留カードの預かりは重大な問題です

外国人雇用管理の指針では、事業主が旅券や在留カード等を保管しないよう求められています。本人確認のために提示を受けることと、会社が継続的に預かることは別です。本人はコピーを保管し、支援者、弁護士、労働基準監督署、入管、警察等へ相談することを検討します。

未払い賃金・残業代は証拠が重要です

未払い賃金や残業代請求では、客観資料が重要です。外国人労働者の場合、日本語での説明が不足していることもあるため、雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、源泉徴収票、タイムカード、シフト表、勤怠アプリ、業務開始・終了を示すLINEやメール、会社からの指示、業務日報、銀行入金履歴、寮費や控除額の明細、同僚の証言、写真、録音、メモを保存します。

次の整理は、労働トラブルで保存したい資料を場面別に示すものです。証拠が散らばると説明が難しくなるため、読者は「契約」「勤務実態」「支払い」「会社の指示」「被害状況」を分けて集めることを読み取ると有用です。

契約関係

雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、説明資料、署名した書類の写しを保存します。

契約

勤務時間

タイムカード、シフト表、勤怠アプリ、業務開始・終了を示すメッセージやメールを残します。

時間

賃金・控除

給与明細、源泉徴収票、銀行入金履歴、寮費・制服代・紹介料などの控除明細を集めます。

賃金

被害状況

暴言、暴力、労災隠し、退職妨害、差別的発言について、録音、写真、メモ、相談記録を残します。

注意

解雇・雇止め・退職勧奨

外国人労働者であっても、解雇には客観的合理的理由と社会通念上の相当性が必要です。単に外国人であること、日本語が不十分であること、在留資格の手続が面倒であることを理由に不利益に扱うことは問題になります。

もっとも、在留資格上その仕事に就けない場合や在留期限が切れた場合には、労務提供が困難になることがあります。企業側は在留資格の確認と労働法上の手続を混同せず、本人側も解雇通知、退職合意書、離職票、在留手続への影響を確認する必要があります。

技能実習・特定技能・育成就労

技能実習や特定技能では、受入企業、監理団体、登録支援機関、送出機関、入管、労働局、母国側の制度が関係します。送出費用の過大負担、保証金、違約金、旅券管理、暴力、ハラスメント、賃金不払い、長時間労働、労災隠し、妊娠・出産時の不利益取扱い、転籍妨害に注意が必要です。

Section 04

外国人の法律問題としての国際結婚・離婚・子ども

婚姻、離婚、親権、在留資格、DV、ハーグ条約は同時に整理する必要があります。

国際結婚は婚姻手続と在留資格を分けて確認します

外国人と日本人、または外国人同士が結婚する場合、婚姻要件、必要書類、婚姻届、婚姻要件具備証明書、翻訳、外国大使館・領事館での手続、戸籍記載、在留資格が問題になります。日本で婚姻届が受理されても、相手国で有効に登録されるとは限りません。外国で成立した婚姻を日本でどう扱うかも確認が必要です。

婚姻と在留資格は別問題です。日本人と結婚したから自動的に在留資格が付与されるわけではありません。婚姻の実体、同居、生活費、交際経緯、収入、過去の在留状況等が審査されることがあります。

次の一覧は、国際離婚で同時に整理されやすい論点を並べたものです。家族事件では外国法、翻訳、在留資格、子どもの移動が重なるため、読者は「離婚そのもの」と「子・財産・在留・外国での効力」を分けて読むことが重要です。

DIVORCE

離婚手続と準拠法

日本の裁判所で離婚できるか、どの国の法律が適用されるか、協議離婚が相手国で有効か、外国判決を日本で承認できるかを確認します。

CHILD

子どもに関する論点

親権・監護権、養育費、面会交流、子どもの国籍や旅券、学校・医療との連携、海外にいる親との関係が問題になります。

STATUS

在留資格と生活基盤

離婚後の在留資格、DV保護、住居、生活費、児童手当、医療、学校を一体的に検討します。

子どもの利益が中心です

子どもに関する事件では、親の国籍や在留資格だけでなく、子の利益が中心になります。民法766条は、協議上の離婚に際して子の監護者、面会交流、養育費等を協議で定め、その際には子の利益を最も優先して考慮しなければならないと定めています。

外国人の法律問題では、子どもが日本語と外国語の間で生活している、片方の親が海外にいる、養育費を国境を越えて回収する必要がある、学校や医療との連携が必要である、といった課題が多くなります。

ハーグ条約と国境を越えた子の移動

一方の親が、もう一方の親の同意なく子を国境を越えて移動させると、ハーグ条約が問題になることがあります。日本は2014年4月1日からハーグ条約の締約国となっています。

次の判断の流れは、子を連れて帰国・出国する前に確認したい視点を示すものです。親の希望だけで動くと返還命令や外国での刑事責任が問題になり得るため、読者は「同意」「常居所地」「安全確保」「専門相談」の順番を読み取ることが重要です。

国境を越えた子の移動前に確認する視点

もう一方の親の同意

出国・帰国について明確な同意があるかを確認します。

子の常居所地

子が普段生活している国や監護に関する判断の場を確認します。

DV・危険の有無

安全確保が必要な場合は、避難と法的手続を並行して検討します。

事前相談

出国前に、弁護士、支援機関、外務省関連窓口等へ相談します。

DV、保護命令、在留資格

国際結婚では、DV被害者が「離婚すると在留資格がなくなる」「母国に帰ると危険」「日本語が分からず相談できない」と感じ、被害を訴えられないことがあります。DVでは、身体的暴力だけでなく、精神的暴力、性的暴力、経済的支配、在留カードや旅券の取り上げ、母国の家族への脅し、子どもを利用した支配も問題になります。

優先順位は安全確保です。そのうえで、保護命令、離婚、親権、養育費、面会交流、在留資格変更、住居、生活保護、児童手当、医療、学校を一体的に検討します。

Section 05

住まい・消費者被害・事故で起きる外国人の法律問題

賃貸借、契約、借金、交通事故、税金・社会保険は日常生活に直結します。

賃貸住宅と原状回復

外国人の住まいに関する法律問題では、外国人であることを理由に入居を断られる、保証人がいない、日本語の契約書を十分に理解しないまま署名した、退去時に高額な原状回復費用を請求された、敷金が返ってこない、無断転貸、同居人数、騒音、ゴミ出し、家賃滞納、在留期限を理由に更新を拒否されたといった相談があります。

国土交通省の原状回復に関する考え方では、通常損耗や経年変化は賃料に含まれるという整理が示されています。原状回復は、借主が部屋を完全に入居時の状態へ戻すことを意味するものではありません。ただし、故意・過失による破損、通常の使用方法を超える損耗、契約で明確に定められた特約などは、借主負担となる場合があります。

不動産購入と在留資格

外国人が日本の不動産を購入すること自体は、一般に国籍だけで一律に禁止されているわけではありません。ただし、本人確認、住所証明、登記、税務、送金、相続、管理、重要土地等調査法、在留資格との関係が問題になります。不動産購入は在留資格を自動的に与えるものではなく、投資、居住、経営、賃貸事業、税務を分けて検討します。

次の一覧は、日常生活で起こりやすい契約・金銭・事故の問題を整理したものです。生活上の小さなトラブルでも在留資格、信用情報、帰国後の請求に波及するため、読者は「契約書・画面・写真・支払記録」を早めに保存する必要があると読み取れます。

住まい

賃貸借契約書、重要事項説明書、入居時・退去時の写真、敷金精算書、請求書を保存します。

賃貸

消費者契約

通信契約、語学学校、就職支援、投資講座、訪問販売、マルチ商法、SNS送金などで契約内容の理解が問題になります。

契約

借金・債務整理

任意整理、個人再生、自己破産では、在留資格、仕事、保証人、海外資産、帰国予定、税金・社会保険料も確認します。

借金

交通事故

治療、休業損害、慰謝料、後遺障害、保険会社対応、通訳、帰国後の治療、在留期限が問題になります。

事故

クーリング・オフ、取消し、借金

訪問販売や電話勧誘販売などでは、一定期間内であればクーリング・オフが可能な場合があります。ただし、通信販売には原則としてクーリング・オフ制度がありません。インターネット通販では返品特約や表示内容が重要です。説明不足、誤認、強引な勧誘、詐欺・取消しが問題になる場合もあるため、契約書、広告、画面、録音、メッセージ、領収書を保管します。

借金問題では、外国人であっても日本に生活実態や財産、債務がある場合、日本の裁判所で破産等の手続が問題になることがあります。破産したから直ちに在留資格がなくなるわけではありませんが、経済状況や生活基盤は在留審査で問題になることがあります。

交通事故と税金・年金・社会保険

交通事故に遭った場合、警察への届出、病院受診、診断書取得、事故現場・車両・相手情報・保険情報の保存が重要です。日本語が不十分な場合、保険会社との示談書を理解しないまま署名しないよう注意します。加害者になった場合は、民事責任、行政処分、刑事責任、在留資格への影響が問題になります。

外国人であっても、日本で働き住む場合、所得税、住民税、社会保険、国民健康保険、国民年金、厚生年金などが問題になります。帰国時には、住民税、年金の脱退一時金、銀行口座、携帯電話、賃貸契約、在留カード返納、再入国許可、源泉徴収票、納税管理人等を確認します。

Section 06

刑事事件・人権・学校・医療で起きる外国人の法律問題

通訳、在留資格への影響、被害者支援、差別対応、医療同意を横断して確認します。

外国人が刑事事件に関わる場合

外国人が刑事事件に関わる場面は、被疑者・被告人としてだけではありません。被害者、目撃者、通訳を必要とする参考人、家族として関わる場合もあります。交通事故、傷害、窃盗、詐欺、薬物、オーバーステイ、不法就労助長、資格外活動、入管法違反、在留カード偽造、偽装結婚、DV、ストーカー、児童に関する事件などが想定されます。

裁判所では日本語を用いるとされていますが、日本語を理解できない外国人にとって通訳は適正な手続のために不可欠です。警察・検察・裁判所で供述する際、意味を理解しないまま署名押印することは危険です。供述調書、弁解録取書、示談書、誓約書、退去関連書類は、内容を確認し、不明点は通訳を通じて質問する必要があります。

在留影響刑事事件は、不起訴、罰金、執行猶予、実刑、退去強制事由、上陸拒否期間、永住申請、帰化申請、更新審査などに影響する可能性があります。刑事弁護と入管手続の両面から確認することが重要です。

被害者としての外国人

外国人が犯罪被害に遭った場合、日本語が分からない、在留資格が不安、加害者に支配されている、母国の家族に知られたくない、警察に行くと入管に通報されるのではないかと恐れることがあります。しかし、被害申告、保護、医療、損害賠償、刑事手続への参加、被害者支援、DV保護、在留手続上の配慮など、利用できる制度があります。

人権・差別・ヘイト、学校、医療

外国人の法律問題では、賃貸、就労、学校、医療、行政窓口、インターネット上の差別的投稿、ヘイトスピーチなどが問題になることがあります。深刻な差別、嫌がらせ、暴力、脅迫、インターネット上の権利侵害については、人権相談、弁護士、警察、自治体、学校、勤務先の相談窓口等を組み合わせて対応します。

外国籍の子、日本語を母語としない子、外国にルーツを持つ子は、就学、いじめ、日本語教育、進学、在留資格、親の離婚、貧困、医療、福祉との接続で課題を抱えることがあります。子どもの最善の利益、教育を受ける機会、児童虐待防止、親権・監護、在留資格、住民登録、福祉サービスへのアクセスを確認します。

医療現場では、診療契約、インフォームド・コンセント、医療通訳、未払い医療費、保険資格、救急対応、精神医療、妊娠・出産、感染症、死亡後の手続、遺体搬送などが問題になります。外国人患者が日本語を十分に理解できない場合、説明、同意書、費用、保険適用、退院後の生活を丁寧に確認する必要があります。

次の一覧は、刑事事件、人権、学校、医療の各場面で最初に確認したいことを整理したものです。生命・身体や手続保障に直結するため、読者は「通訳」「安全」「子ども」「同意」の確認を優先して読み取ることが重要です。

CRIMINAL

通訳と署名

供述調書や示談書などは、内容を理解したうえで確認します。分からない言葉は通訳を通じて質問します。

VICTIM

被害申告と保護

性犯罪、DV、人身取引、労働搾取では、支援機関と連携して安全を確保します。

RIGHTS

差別・学校・医療

人権相談、学校、自治体、医療機関、弁護士など複数の窓口を組み合わせて対応します。

Section 07

企業・国際取引で生じる外国人の法律問題

外国人雇用、外国人向けサービス、相続、国際契約、裁判手続を整理します。

外国人雇用は採用だけの問題ではありません

企業にとって、外国人雇用は人事施策であると同時に、入管法、労働法、社会保険、税務、個人情報、ハラスメント、通訳、社宅、教育、退職、危機管理の問題です。採用時だけでなく、在留期限の管理、職務変更、部署異動、副業、派遣・請負、退職時の対応まで内部統制を整える必要があります。

企業が確認すべき事項には、在留カードの真正性、在留期限、就労制限、従事予定業務と在留資格の適合性、雇用契約書・労働条件通知書の明確化、日本語能力に応じた説明資料、社会保険・労働保険、賃金・労働時間・休日・残業管理、ハラスメント・差別防止、退職・転職時の手続、会社都合退職時の在留資格への影響、家族帯同、住居、生活支援、個人情報・在留カード情報の管理があります。

次の表は、企業側が外国人雇用で確認すべき管理項目を整理したものです。不法就労助長や労務トラブルを防ぐには、採用時だけでなく就業中・退職時まで一貫して管理する必要があるため、読者は各段階の確認点を読み取ることが重要です。

段階確認する内容注意点
採用時在留カード、就労制限、職務内容、雇用契約、説明資料本人や派遣会社の説明だけに頼らず、業務と在留資格の適合性を確認します。
就業中在留期限、部署異動、副業、労働時間、社会保険、ハラスメント防止職務変更で資格不適合になる場合があるため、変更時にも確認します。
退職時退職理由、離職票、社宅、帰国、入管届出、転職可能性労働法上の手続と在留資格への影響を混同しないようにします。

不法就労助長リスクと外国人向けサービス

企業が就労できない外国人を働かせたり、在留資格で認められない業務に従事させたりすると、不法就労助長罪等が問題になる可能性があります。「本人が働きたいと言った」「派遣会社が大丈夫と言った」「在留カードを見なかった」は、十分な防御にならない場合があります。

外国人向けに不動産、通信、教育、金融、就職支援、医療、旅行、行政手続支援等を提供する企業は、説明義務、広告表示、契約書、解約条件、個人情報、クーリング・オフ、特定商取引法、景品表示法、犯罪収益移転防止法、反社会的勢力チェック、AML/CFTにも注意が必要です。多言語化、重要事項の強調、確認記録、苦情処理体制が重要です。

相続、国際契約、外国人経営者

外国人が日本で死亡した場合、相続人、準拠法、遺言、戸籍に相当する外国書類、翻訳、相続登記、銀行口座、税務、海外財産、遺体搬送が問題になります。出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書、宣誓供述書、領事認証、アポスティーユ、翻訳が必要になる場合があります。

外国人・外国法人との契約では、準拠法、管轄裁判所、仲裁条項、言語条項、支払通貨、税金・源泉徴収、輸出入規制、制裁・反社会的勢力・AML、個人情報の越境移転、知的財産権、不可抗力、通知方法が重要です。日本で履行される契約、日本の不動産に関する契約、日本の消費者に向けた契約では、日本法の強行規定が関係することがあります。

外国人経営者は、会社法、税務、社会保険、労働法、入管法、許認可、会計、契約、個人情報、反社チェック、資金移動、外国送金、実質的支配者確認を理解する必要があります。税金や社会保険を軽視すると、在留資格や永住申請にも影響し得ます。

裁判・調停・ADR・少額訴訟

外国人であっても、日本の裁判所を利用して民事訴訟、家事調停、労働審判、少額訴訟、支払督促、保全手続、執行手続などを行うことができます。ただし、相手方が海外にいる場合、送達、翻訳、国際裁判管轄、外国判決の承認・執行が問題になります。

少額訴訟は、60万円以下の金銭請求について、原則として1回の審理で判決をする簡易な手続です。敷金返還、少額の貸金、未払い報酬、売買代金などで利用されることがあります。ただし、相手方が通常訴訟への移行を求める場合や、証拠・争点が複雑な場合には適さないことがあります。家事事件、賃貸借、近隣紛争、労働紛争、国際家事事件では調停やADRが有効な場合もありますが、DV、支配関係、重大な権利侵害がある場合には安全確保が先です。

Section 08

外国人の法律問題を相談する前の準備

相談先の選び方、証拠整理、緊急度別の初動対応をまとめます。

まず整理すべきこと

弁護士や相談機関に行く前に、本人情報、在留情報、問題の種類、緊急性、相手方、証拠、希望を整理すると相談が進みやすくなります。相談では「日本に残りたい」「退職したい」「離婚したい」「賃金を取りたい」「刑事処分を軽くしたい」などの希望と、現実的なリスクを分けて伝えることが重要です。

次の表は、初回相談前にまとめるとよい情報を示すものです。相談時間は限られることが多いため、読者は各行の情報を事前に紙やメモへ整理しておくと、専門家が緊急性と必要資料を判断しやすくなる点を読み取ってください。

確認項目具体例
本人情報国籍、年齢、家族構成、住所、連絡先
在留情報在留資格、在留期限、在留カード番号、就労制限の有無
問題の種類入管、労働、離婚、DV、刑事、借金、住居、消費者、会社など
緊急性在留期限、裁判期日、逮捕、退去、暴力、支払期限
相手方配偶者、雇用主、貸主、会社、行政、警察、顧客など
証拠契約書、給与明細、写真、録音、メール、LINE、診断書等
希望日本に残りたい、退職したい、離婚したい、賃金を取りたい、刑事処分を軽くしたい等

相談先を使い分ける

外国人の法律問題では、相談内容によって適切な専門家が異なります。弁護士は交渉、訴訟、刑事弁護、離婚、労働事件、損害賠償、債務整理、DV、入管事件の法的代理などを扱います。行政書士は在留資格申請、許認可、官公署提出書類等を扱いますが、紛争性のある代理交渉や訴訟代理はできません。

司法書士は登記、簡易裁判所の一定範囲の代理、相続登記等、社会保険労務士は労務管理、社会保険、労働保険、就業規則等、税理士は税務申告、国際税務、帰国時税務等を扱います。弁護士会・法テラス、労働基準監督署・労働局、入管、消費生活センター、人権相談窓口、警察・配偶者暴力相談支援センターも、問題に応じて使い分けます。

次の一覧は、証拠を分野ごとに整理したものです。外国語資料や複数の制度が絡む事件では資料の抜けが結果に影響しやすいため、読者は自分の問題に近い欄から優先して集めることを読み取ると実務的です。

入管関係

旅券、在留カード、指定書、過去の申請控え、入管通知、雇用契約書、課税・納税証明書、住民票、家族関係資料、理由書、陳述書。

在留

労働関係

労働条件通知書、給与明細、源泉徴収票、タイムカード、シフト表、業務指示、入金履歴、退職届、解雇通知、診断書、労災資料、録音、写真、メモ。

労働

家族・DV関係

婚姻証明書、戸籍、住民票、子の出生証明書、写真、メッセージ、録音、診断書、相談記録、送金記録、学校・保育園資料、旅券。

安全

住まい・消費者関係

賃貸借契約書、重要事項説明書、写真、敷金精算書、請求書、領収書、契約画面、広告、パンフレット、解約申出、メール、LINE。

生活

刑事・事故関係

逮捕・勾留・呼出しの情報、事件番号、警察署、担当者名、事故証明書、診断書、示談書案、保険会社資料、目撃者情報、通訳の記録。

緊急

弁護士を選ぶときの視点

外国人の法律問題で弁護士を探す場合、入管法と関連分野の両方を理解しているか、労働、家族、刑事、難民、国際私法など問題に合う経験があるか、通訳・翻訳体制があるか、費用や実費を明確に説明するか、在留資格への影響を説明するか、緊急時に対応できるか、安易に結果を断言しないか、希望だけでなくリスクも説明するかを確認します。

次の時系列は、緊急度に応じた初動対応を示します。安全や期限の問題は待つほど選択肢が狭まるため、読者は上から順に「生命・身体」「身柄・退去」「期限」「通常相談」を切り分けて読むことが重要です。

今すぐ

安全確保が必要な場合

暴力、DV、性被害、脅迫、監禁、旅券取り上げ、外出制限、自殺念慮、子どもの危険、逮捕・勾留、強制退去や収容のリスクが目前にある場合は、警察、救急、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所、支援団体、弁護士、法テラス等に連絡します。

期限前

期限管理が必要な場合

在留期限、入管の資料提出通知、裁判期日、労働審判や訴訟の期日、クーリング・オフ期間、解雇予告、退去通知、支払期限、控訴・不服申立て期限がある場合は、複数の窓口へ同時に問い合わせることも検討します。

相談準備

通常相談でも資料を早めに集める

問題が大きくなる前に、事実関係、証拠、希望、相手方の情報、在留資格への影響を整理しておくと、交渉、行政手続、生活支援、通訳、関係機関との連携を組み立てやすくなります。

Section 09

外国人の法律問題に関するよくある質問

個別事情で結論が変わるため、一般的な制度説明として確認してください。

Q1. 外国人でも日本で弁護士に相談できますか。

一般的には、外国人であっても日本で法律相談を受け、弁護士に依頼し、裁判所を利用することができます。資力要件等を満たす場合、法テラスの民事法律扶助を利用できる場合もあります。ただし、相談内容、在留状況、収入、事件の種類によって利用できる制度が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 在留資格が不安定でも相談してよいですか。

一般的には、オーバーステイ、仮放免、難民認定申請中、DV被害、離婚後の在留資格などの事情がある場合でも、相談先を探すことは重要とされています。ただし、時期、違反内容、家族関係、証拠、身柄状況によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 会社が在留カードを預かると言っています。従う必要がありますか。

一般的には、本人確認のために提示する場面はありますが、会社が在留カードや旅券を継続的に保管することは重大な問題とされています。ただし、事実関係、保管の経緯、本人の同意の有無、労働環境によって評価が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士、労働基準監督署、支援機関等へ相談する必要があります。

Q4. 留学生が週28時間を超えて働いたらどうなりますか。

一般的には、資格外活動許可の範囲を超える就労は、在留資格の更新・変更に悪影響が出る可能性があり、悪質な場合には資格取消しや退去強制等の問題も生じ得るとされています。雇用主側にも不法就労助長のリスクがあります。ただし、就労時間、休業期間、許可内容、勤務実態によって判断が変わる可能性があります。具体的には専門家や入管へ確認する必要があります。

Q5. 離婚したらすぐ帰国しなければなりませんか。

一般的には、離婚したから直ちに帰国と一律に決まるわけではありません。ただし、配偶者としての在留資格の基礎事情が変わるため、届出、更新、変更、子の監護、生活基盤等を早急に確認する必要があるとされています。婚姻期間、子ども、DV、就労、在留状況によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q6. 外国人でも労災を使えますか。

一般的には、労働者として業務上または通勤中に負傷等した場合、外国人であっても労災保険の対象になり得るとされています。ただし、労働者性、事故状況、雇用形態、証拠、事業主の対応によって判断が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで労働基準監督署や弁護士等へ相談する必要があります。

Q7. 日本語が分からないまま契約書に署名しました。取り消せますか。

一般的には、日本語を十分に理解できなかった事情だけで常に契約を取り消せるとは限りません。ただし、説明不足、誤認、強引な勧誘、クーリング・オフ対象取引、詐欺・取消し等が問題になることがあります。契約書、広告、画面、録音、メッセージ、領収書などによって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は消費生活センターや弁護士等へ相談する必要があります。

Q8. 外国人が日本で不動産を買うと在留資格が取れますか。

一般的には、日本の不動産を買うこと自体は、在留資格を自動的に与えるものではないとされています。居住、投資、賃貸事業、経営、相続、税務は分けて考える必要があります。ただし、事業実態、資金、会社経営、生活基盤によって在留資格上の評価が問題になる可能性があります。具体的な対応は入管実務に詳しい専門家へ相談する必要があります。

Q9. 刑事事件で罰金だけなら在留資格に影響しませんか。

一般的には、罰金で終わった場合でも在留資格に影響しないとは限らないとされています。犯罪の種類、処分内容、在留資格、更新時期、過去の在留状況によって判断が変わる可能性があります。具体的な見通しは、刑事事件と入管手続の両方を踏まえて弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q10. 外国語の証拠はそのまま裁判所に出せますか。

一般的には、外国語の証拠を提出できる場合がありますが、実務上は日本語訳が必要になることが多いとされています。翻訳の正確性、翻訳者、原本との一致、相手方の争い方によって扱いが変わる可能性があります。具体的な提出方法は、裁判手続に詳しい専門家へ相談する必要があります。

Q11. 難民認定申請をすれば働けますか。

一般的には、難民認定申請をしただけで当然に就労できるわけではありません。手続段階、在留資格、指定書、就労可否によって判断が変わる可能性があります。誤った就労は入管上のリスクになるため、具体的には入管資料を確認し、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q12. 外国人の法律問題は、弁護士と行政書士のどちらに相談すべきですか。

一般的には、在留資格の申請書類作成や行政手続が中心なら行政書士が関与することがあり、紛争、交渉、訴訟、刑事事件、離婚、労働請求、損害賠償、退去強制、難民不服申立て等が絡む場合は弁護士への相談が重要とされています。ただし、事件の内容によって適切な専門家は変わる可能性があります。具体的には資料を整理したうえで、必要に応じて複数の専門家へ相談する必要があります。

Section 10

外国人の法律問題に強い相談体制とまとめ

単一の専門家だけでなく、複数の窓口が連携することが実効的な解決につながります。

外国人の法律問題は、単一の専門家だけで完結しにくい領域です。弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、税理士、通訳人、翻訳者、支援団体、自治体、医療機関、学校、企業法務、研究者が連携することで、実効的な解決に近づきます。

情報を受け取る人は、「自分は日本に残れるのか」「家族を守れるのか」「会社に請求できるのか」「警察や入管に行ってよいのか」「弁護士費用を払えるのか」といった切実な不安を抱えています。そのため、法令と公的資料に基づき、断定しすぎず、個別事情による違いを示し、相談先と初動対応を明確にする姿勢が重要です。

次の重要ポイントは、外国人の法律問題を整理するときの最後の確認事項をまとめたものです。複数分野が絡む場合ほど順番を誤りやすいため、読者は在留資格、証拠、相談先の三点を軸に読み取ることが重要です。

在留資格・証拠・早期相談が三つの軸です

在留資格は生活と権利行使の土台です。証拠は言語や文化の違いがある事件ほど重要です。早期に適切な相談先へつなぐことで、入管、労働、家族、刑事、人権を横断した選択肢を確保しやすくなります。

外国人の法律問題は、在留資格だけの問題ではありません。労働、結婚・離婚、子ども、住まい、消費者被害、刑事事件、差別、難民、税金、社会保険、事業、不動産、相続、国際取引が複雑に絡み合います。早い段階で事実を整理し、証拠を集め、信頼できる専門家に相談することで、解決の選択肢は広がります。

Guide

外国人の法律問題で次に確認したいこと

目的に近い詳しい解説へ進めるよう、関連するテーマを整理しました。

知りたい内容を選ぶと、手続、費用、地域、具体的な論点などの詳しい解説に進めます。

このテーマから次に確認されやすい詳しい解説を5件表示しています。

Reference

参考資料・公的情報源

入管・在留資格

  • 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
  • e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
  • 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
  • 出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
  • 出入国在留管理庁「留学の在留資格に係る資格外活動許可について」
  • 出入国在留管理庁「家族滞在の在留資格に係る資格外活動許可について」
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」
  • 出入国在留管理庁「難民認定制度・補完的保護対象者認定制度」
  • 出入国在留管理庁「令和5年改正入管法について」
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度について」
  • 出入国在留管理庁「外国人が我が国において事業の経営又は管理に従事する活動について」
  • 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」

労働・法制度・相談窓口

  • 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」
  • 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」
  • 厚生労働省「外国人労働者向け情報」
  • 厚生労働省「外国人労働者向け相談ダイヤル」
  • 法テラス「多言語情報提供サービス」
  • 法務省「外国人のための人権相談」

家族・住まい・消費者・裁判

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 外務省「ハーグ条約」
  • 外務省「国境を越えた子の連れ去りに関する注意喚起」
  • 内閣府男女共同参画局「DV相談ナビ・DV相談プラス」
  • 出入国在留管理庁「DV被害者への対応」
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
  • 消費者庁「特定商取引法ガイド」
  • 消費者庁「消費者ホットライン」
  • 国税庁「居住者と非居住者の区分」
  • 日本年金機構「脱退一時金」
  • 裁判所「通訳人」
  • 裁判所「少額訴訟」