2σ Guide

外国人を雇用する際に必要な
法的手続き

在留資格の確認、入管手続き、雇用契約、外国人雇用状況届出、社会保険、税務、不法就労防止まで、企業が採用前から退職時まで確認すべき実務を整理します。

2層 入管手続きと雇用管理
週28h 留学生等の原則上限
30万円以下 届出違反の罰金
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

外国人を雇用する際に必要な 法的手続き

採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
外国人を雇用する際に必要な 法的手続き
採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 外国人を雇用する際に必要な 法的手続き
  • 採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。

POINT 1

  • 外国人を雇用する際に必要な法的手続きの全体像
  • 採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。
  • 日本で外国人を採用する場合、単に雇用契約を結ぶだけでは足りません。
  • 外国人雇用の法的手続きは、大きく分けて二層構造です。
  • 重要なのは、外国人だから労働法を弱めてよいという発想を持たないことです。

POINT 2

  • 外国人雇用で押さえる在留資格と基本用語
  • 日常語のビザと、雇用実務で確認する在留資格は区別して考えます。
  • 在留資格
  • 在留カード
  • 資格外活動許可

POINT 3

  • 外国人雇用の採用前に行う法的検討
  • 国籍ではなく、予定業務と在留資格の整合性から検討を始めます。
  • 採用差別と適法な確認の両立
  • 外国人雇用の最初の作業は、どの国籍の人を採用するかではなく、どの業務を担当してもらうかを具体化することです。
  • 在留資格は本人の国籍ではなく、日本で行う活動内容に基づいて判断されます。

POINT 4

  • 外国人雇用の海外採用と国内採用の手続き
  • 1. 職務内容と候補者情報を整理:雇用条件、学歴、職歴、報酬、配属予定業務を確認します。
  • 2. 在留資格認定証明書交付申請:日本側の受入企業が資料を準備し、予定活動の適合性を説明します。
  • 3. 査証申請と入国:証明書交付後、候補者が在外公館で査証申請を行い、日本へ入国します。
  • 4. 在留カード確認と入社処理:上陸時に付与された在留資格を確認し、労務・社会保険・税務・届出を進めます。

POINT 5

  • 外国人雇用の労働条件・社会保険・税務手続き
  • 違約金・損害賠償予定
  • 労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりすることは労働基準法上問題になります。
  • 保証金・強制貯金
  • 費用回収や退職防止を目的に金銭を拘束する運用は、重大な コンプライアンス リスクになります。

POINT 6

  • 外国人雇用状況届出と入社後の継続管理
  • 1. 期限接近の初回確認:在留期限を台帳で確認し、本人に更新予定を確認します。
  • 2. 更新申請の準備:通常、満了日のおおむね3か月前から更新申請が可能とされています。
  • 3. 結果通知と特例期間の確認:結果通知日、特例期間の有無、追加資料の要否を確認し、業務継続の可否を管理します。
  • 4. 就労停止・退職・配置転換の検討:更新不許可の場合は、勤務継続の可否や雇用契約上の対応が問題になります。

POINT 7

  • 外国人雇用で注意する特定技能・技能実習・育成就労
  • 通常の雇用契約に加え、制度ごとの受入基準と支援体制が問題になります。
  • 特定技能
  • 技能実習
  • 育成就労

POINT 8

  • 外国人雇用の派遣・業務委託・インターン・副業の注意点
  • 雇用契約でない形でも、在留資格と労働者性の確認は残ります。
  • 派遣で受け入れる場合
  • 業務委託・フリーランス
  • インターンシップ

まとめ

  • 外国人を雇用する際に必要な 法的手続き
  • 外国人を雇用する際に必要な法的手続きの全体像:採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。
  • 外国人雇用で押さえる在留資格と基本用語:日常語のビザと、雇用実務で確認する在留資格は区別して考えます。
  • 外国人雇用の採用前に行う法的検討:国籍ではなく、予定業務と在留資格の整合性から検討を始めます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

外国人を雇用する際に必要な法的手続きの全体像

採用前から退職時まで、入管法上の確認と通常の雇用管理を一体で見ます。

日本で外国人を採用する場合、単に雇用契約を結ぶだけでは足りません。外国人労働者にも労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険制度などの保護が及びますが、これに加えて、在留資格、在留期間、活動範囲という入管法上の制約を確認する必要があります。

外国人雇用の法的手続きは、大きく分けて二層構造です。第一に、その人が日本で予定業務を行える在留資格を持っているかを確認し、必要に応じて在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、資格外活動許可申請などを行います。第二に、労働条件明示、社会保険、雇用保険、税務、外国人雇用状況届出など、雇用主としての通常手続きを日本人の場合と同じように行います。

注意このページは公的機関が公表する法令・行政資料に基づく一般的な情報提供です。個別の採用可否、在留資格該当性、許可見込み、紛争対応は、事情によって結論が変わるため、必要に応じて弁護士、行政書士、社会保険労務士、税理士などへ確認する必要があります。

次の表は、外国人雇用でどの段階に何を確認し、どの手続きが問題になるかを表します。採用の初期段階で全体の順番を把握しておくことが重要で、読者は自社が今どの段階にいて、どの部門が何を準備すべきかを読み取れます。

段階主な確認事項主な手続き担当部門の例
採用計画予定業務がどの在留資格に該当するか職務内容、学歴職歴、報酬水準の整理経営、人事、法務
募集・選考国籍差別を避けつつ就労可能性を確認できるか募集要項、職務記述書、選考記録の整備人事、法務
内定前後在留カード、旅券、資格外活動許可、指定書の内容在留資格変更、認定、更新の要否判断人事、法務、行政書士等
海外から呼び寄せ日本で働ける在留資格を取得できるか在留資格認定証明書交付申請、査証申請、入国人事、受入部門
国内在留者の採用現在の在留資格で予定業務が可能か在留資格変更許可申請、資格外活動許可の確認等人事、法務
雇用契約労働条件が法令と在留資格に適合しているか労働条件通知書、雇用契約書、就業規則の適用人事、労務
入社社会保険、雇用保険、税務の処理漏れがないか被保険者資格取得届、扶養控除等申告書等労務、経理
入社後在留期限、業務内容、労働時間、届出漏れ外国人雇用状況届出、在留期間更新、労務管理人事、法務
退職離職届出、資格喪失、在留上の説明外国人雇用状況届出、雇用保険・社会保険喪失届人事、労務

重要なのは、外国人だから労働法を弱めてよいという発想を持たないことです。むしろ入管法上の制約が追加されるため、企業側の確認義務、説明記録、継続管理は重くなります。

Section 01

外国人雇用で押さえる在留資格と基本用語

日常語のビザと、雇用実務で確認する在留資格は区別して考えます。

日常会話で使われる就労ビザという言葉には、査証と在留資格が混ざりがちです。査証は在外公館が発給する入国推薦に近い文書で、雇用実務で主に確認するのは、日本で一定の活動を行う法的資格である在留資格、在留期間、就労制限の有無です。

次の一覧は、外国人雇用で最初に混同しやすい用語を整理したものです。用語の意味を誤ると、確認すべき書類や申請の要否を見落としやすいため重要です。読者は、各用語がどの場面で問題になるかを読み取ってください。

Status

在留資格

日本に在留して一定の活動を行うための法的資格です。技術・人文知識・国際業務では専門的業務が中心で、単純作業を主たる業務にすることは原則として認められません。

Document

在留カード

中長期在留者の氏名、国籍・地域、在留資格、在留期間、就労制限の有無、資格外活動許可の有無などを確認する重要書類です。

Permit

資格外活動許可

留学や家族滞在など、本来の活動以外の就労を一定範囲で認める許可です。留学生の包括許可では、原則として週28時間以内、長期休業期間中は1日8時間以内が重要です。

Certificate

就労資格証明書

外国人が行おうとする活動が現在の在留資格で認められる活動に該当することを証明する文書です。転職者採用で疑義がある場合のリスク低減策になります。

Notice

外国人雇用状況届出

外国人労働者を雇い入れたとき、または離職したときにハローワークへ届け出る制度です。外交、公用、特別永住者は対象外で、怠ると30万円以下の罰金の対象となります。

Risk

不法就労助長

不法滞在者の就労、就労不可の在留資格での勤務、認められた活動範囲を超える勤務などを雇用主がさせた場合に問題となります。採用時の確認記録と入社後の管理が要になります。

在留カードで確認する実質

在留カードの写しを機械的に保存するだけでは十分とはいえません。企業としては、カードが真正なものか、在留期間が満了していないか、就労制限欄に何と記載されているか、裏面に資格外活動許可があるか、在留資格と予定業務が整合するか、特定活動の場合に指定書の内容と予定業務が整合するかを確認します。

資格外活動許可があることと、どの仕事でも無制限にできることは同じではありません。時間制限、活動内容の制限、複数事業所での合算管理が問題になり、留学生アルバイトでは本人への確認、シフト管理、誓約書、定期的なヒアリングが管理体制の一部になります。

Section 02

外国人雇用の採用前に行う法的検討

国籍ではなく、予定業務と在留資格の整合性から検討を始めます。

外国人雇用の最初の作業は、どの国籍の人を採用するかではなく、どの業務を担当してもらうかを具体化することです。在留資格は本人の国籍ではなく、日本で行う活動内容に基づいて判断されます。

採用前には、職種名、配属部署、具体的な担当業務、必要な専門知識・技能、学歴・専攻・職歴との関連性、報酬額、雇用形態、勤務地、勤務時間、契約期間、日本人社員と比較した処遇の合理性を文書化しておくことが重要です。特に技術・人文知識・国際業務では、職務内容と本人の学歴・職歴との関連性が問題になります。

次の表は、企業雇用でよく問題になる在留資格の類型と就労可否の考え方を表します。在留資格名だけで判断すると、特定活動や留学などで誤りが起きやすいため重要です。読者は、予定業務、指定書、資格外活動許可、時間管理のどこを重点確認すべきかを読み取ってください。

在留資格の類型就労可否の考え方実務上の注意点
就労目的の在留資格技術・人文知識・国際業務、技能、経営・管理、企業内転勤、高度専門職等在留資格で認められた活動に限り就労可能予定業務と在留資格の整合性が必要です。
身分・地位に基づく在留資格永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者就労制限なし在留期間の更新管理が必要な場合があります。
留学・家族滞在留学生、家族滞在者原則就労不可。ただし資格外活動許可があれば一定範囲で可能週28時間などの時間管理が重要です。
特定活動ワーキング・ホリデー、インターンシップ、就職活動、未来創造人材、デジタルノマド等指定書の内容による在留カードだけでなく指定書確認が必須です。
短期滞在観光、商用会議等原則就労不可採用や勤務開始は避ける扱いが一般的です。
技能実習・育成就労技能実習、2027年4月以降の育成就労制度目的・計画に沿った就労受入機関、監理・支援体制、制度移行に注意します。
特定技能特定産業分野の業務分野・業務区分に応じて就労可能支援計画、届出、受入基準が重要です。

採用差別と適法な確認の両立

企業は、国籍を理由として賃金、労働時間その他の労働条件を差別してはなりません。一方で、入管法上の就労可否を確認しないまま雇用すれば、不法就労助長のリスクが生じます。そのため、国籍を理由に排除するのではなく、予定業務に必要な就労資格を有するか、または入社時までに取得できる見込みがあるかを確認するという整理が重要です。

募集文例入社時点で日本国内において本業務に従事可能な在留資格を有する方、または入社予定日までに当該在留資格を取得できる見込みのある方、というように、国籍ではなく就労資格に着目した要件設計が考えられます。
Section 03

外国人雇用の海外採用と国内採用の手続き

海外から呼び寄せる場合と、国内在留者を採用する場合では確認順序が異なります。

海外在住の外国人を日本に呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の取得が重要な節目です。国内在留者を採用する場合は、現在の在留資格で自社業務に従事できるか、勤務開始前に変更許可が必要かを確認します。

次の判断の流れは、海外採用で在留資格取得から入社手続きへ進む順番を表します。手続きの順番を誤ると入社日や労働開始の適法性に影響するため重要です。読者は、どの段階で企業資料と候補者側の手続きが必要になるかを読み取ってください。

海外在住者を採用する場合の進め方

職務内容と候補者情報を整理

雇用条件、学歴、職歴、報酬、配属予定業務を確認します。

在留資格認定証明書交付申請

日本側の受入企業が資料を準備し、予定活動の適合性を説明します。

査証申請と入国

証明書交付後、候補者が在外公館で査証申請を行い、日本へ入国します。

在留カード確認と入社処理

上陸時に付与された在留資格を確認し、労務・社会保険・税務・届出を進めます。

海外採用で企業側が準備する資料

在留資格の種類や企業規模によって必要資料は異なりますが、雇用契約書または労働条件通知書、会社案内、登記事項証明書、決算書類、事業内容の説明資料、採用理由書、職務内容説明書、履歴書、卒業証明書、成績証明書、職歴証明書、報酬額を示す資料、配属部署、業務の流れ、組織図、日本人社員と同等以上の報酬であることを説明する資料が問題になります。

資料作成では、採用したいという抽象的な説明だけでは不十分です。予定業務が在留資格の活動内容に該当すること、本人の学歴・職歴と関連すること、安定的・継続的な雇用が見込まれること、報酬が適正であることを、書面で説明できるようにします。

内定時期と入社時期の設計

海外採用では、在留資格認定証明書の審査、査証申請、渡航準備に時間がかかります。内定通知書や雇用契約書では、入社日は在留資格取得および入国手続きの完了を前提とすること、許可が得られない場合の取扱い、渡航費や住居や赴任手当の負担者、入社前研修をオンラインで行う場合の報酬と労働時間の取扱い、個人情報と提出資料の取扱いを明確にしておくことが実務上有用です。

次の表は、国内在留者を採用する際に、在留カード確認後にどの判断へ進むかを表します。国内採用では在留資格名が同じでも転職後の業務が適合するとは限らないため重要です。読者は、就労制限なし、就労系、留学・家族滞在、特定活動の違いを読み取ってください。

確認対象主な確認事項必要になり得る対応
在留カード氏名、生年月日、国籍、在留資格、在留期間満了日、就労制限欄、裏面、住居地変更、偽変造の疑い読取アプリケーションや失効情報照会の活用も検討します。
就労制限なし永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など就労内容の制限は通常ありませんが、在留期間がある場合は更新期限を管理します。
就労系在留資格現在の在留資格で認められる活動範囲と自社業務の一致疑義があれば就労資格証明書、在留資格変更許可申請、専門家確認を検討します。
留学・家族滞在資格外活動許可の有無、週28時間、長期休業期間、複数勤務先の合算勤務開始前に許可範囲とシフト管理方法を確認します。
特定活動指定書に記載された活動内容ワーキング・ホリデー、インターンシップ、就職活動、未来創造人材、デジタルノマド等で判断が分かれます。

変更許可と更新許可

現在の在留資格では予定業務に従事できない場合、勤務開始前に在留資格変更許可を受ける必要があります。留学生を卒業後に正社員として採用する場合、留学から技術・人文知識・国際業務等への変更が典型です。許可前にフルタイム勤務を開始すると、資格外活動違反や不法就労助長のリスクがあります。

在留期間が満了する場合は在留期間更新許可申請が必要です。通常、満了日のおおむね3か月前から申請可能とされ、活動内容、雇用継続性、報酬、納税、社会保険加入状況などが問題になることがあります。企業の社会保険手続きや給与支払いの不備が、従業員本人の更新に影響する可能性にも注意します。

Section 04

外国人雇用の労働条件・社会保険・税務手続き

入管法の確認と同時に、日本人と同じ労働法・保険・税務の処理を進めます。

労働条件の明示

外国人を雇用する場合も、労働基準法に基づく労働条件の明示が必要です。賃金、労働時間、就業場所、従事すべき業務、契約期間、更新の有無、退職に関する事項などは、明確に説明します。

2024年4月からは、すべての労働者について就業場所・業務の変更範囲の明示が必要となり、有期契約労働者については更新上限等の明示も重要になっています。外国人雇用では、在留資格上の活動範囲と、労働条件通知書に記載する業務内容・就業場所が矛盾しないよう注意します。

日本語が十分でない労働者への説明

法律上、すべての労働条件通知書を外国語で作成しなければならないという一律の義務があるわけではありません。しかし、本人が労働条件を理解していないと、賃金、残業、休日、契約更新、退職をめぐる紛争が起きやすくなります。日本語の正式文書に加え、本人の理解できる言語の説明資料を用意し、賃金控除、残業代、社会保険料、税金、試用期間、有期契約、更新基準、退職、解雇、休職、懲戒のルールを具体例で説明し、説明日、説明者、通訳の有無、本人の確認署名を記録します。

次の一覧は、外国人雇用で特に問題になりやすい禁止的な運用を表します。早期退職防止や費用回収を急ぐと、労働者の自由な退職や移動を不当に制限する形になり得るため重要です。読者は、費用負担や書類保管の設計を行う前に、どの運用が高リスクかを読み取ってください。

違約金・損害賠償予定

労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりすることは労働基準法上問題になります。

保証金・強制貯金

費用回収や退職防止を目的に金銭を拘束する運用は、重大なコンプライアンスリスクになります。

旅券・在留カードの預かり

本人の移動や退職を制限する趣旨で旅券や在留カードを会社が保管する運用は避けます。

費用の一律返還

渡航費、引越費用、研修費用を企業が負担する場合でも、退職時に一律返還させる条項は慎重な検討が必要です。

次の表は、入社時に通常問題となる労務・社会保険・税務手続きをまとめたものです。外国人雇用では氏名表記、住所、居住者性、二重加入などで確認項目が増えるため重要です。読者は、入社直後に人事労務と経理がどの書類や期限を確認すべきかを読み取れます。

手続き外国人雇用での確認点実務上の注意
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿氏名表記、通称名、在留カード上の表記、銀行口座名義、マイナンバー、住所表記の揺れがある場合に備え、入社時の確認順序を決めます。
雇用保険適用要件を満たす場合は国籍を問わず被保険者雇入れ日の属する月の翌月10日までに資格取得届を提出します。
健康保険・厚生年金保険適用事業所に常時使用される者は原則として被保険者短期滞在、短時間勤務、出向、社会保障協定が絡む場合は判断が複雑です。
労災保険外国人労働者にも適用される在留資格確認とは別に、安全衛生教育、作業手順説明、保護具支給、災害報告を行います。
所得税・住民税居住者か非居住者か、国内源泉所得か、租税条約の適用があるか非居住者の源泉徴収税率、扶養控除等申告書、住民税、海外払い給与を確認します。
マイナンバー日本に住民票がある外国人には付番される社会保険・税務手続きに使いますが、就労可否の判断資料ではありません。

外国人役員、海外勤務、リモートワーク、短期滞在者、出向者の場合は、税務や社会保険の判断が特に複雑になります。税務判断を誤ると、源泉徴収漏れや年末調整誤りにつながるため、税理士等への確認が重要です。

Section 05

外国人雇用状況届出と入社後の継続管理

届出期限、在留期限、業務内容、所属機関の変化を継続的に管理します。

外国人雇用状況届出は、外国人労働者を雇い入れたとき、または離職したときにすべての事業主に義務付けられる手続きです。ただし、在留資格が外交または公用の人と、特別永住者は対象外です。届出事項には、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、在留カード番号、雇入れまたは離職年月日などが含まれます。

次の表は、外国人雇用状況届出と雇用保険手続きの期限の違いを表します。雇用保険に入るかどうかで提出様式と期限が変わるため重要です。読者は、自社の雇用形態ごとに、翌月10日、10日以内、翌月末日のどれが該当するかを読み取ってください。

対象雇入れ時離職時注意点
雇用保険被保険者となる外国人雇用保険被保険者資格取得届を翌月10日までに提出雇用保険被保険者資格喪失届を離職日の翌日から10日以内に提出この届出に外国人雇用状況届出に必要な事項も記載します。
雇用保険被保険者とならない外国人外国人雇用状況届出書を翌月末日までに提出外国人雇用状況届出書を翌月末日までに提出短時間アルバイトや留学生アルバイトでは別途届出が必要になる場合があります。
届出対象外外交、公用、特別永住者同左対象外かどうかを確認記録に残します。

届出漏れを防ぐ内部統制

届出は入社・退職の事務に紛れやすいため、入社チェックリストと退職チェックリストに組み込み、雇用保険加入者と非加入者で提出様式と期限を分けます。在留カード確認担当と届出担当を明確にし、人事システムに在留資格・在留期限・届出日を登録し、四半期ごとに外国人従業員台帳を棚卸しします。届出控え、電子申請完了画面、確認記録を保存することも重要です。

次の時系列は、在留期限管理で設定しておきたい主な確認時点を表します。期限切れ後の勤務継続は不法就労助長のリスクにつながるため重要です。読者は、満了日直前ではなく、6か月前から準備を分けて進めることを読み取ってください。

6か月前

期限接近の初回確認

在留期限を台帳で確認し、本人に更新予定を確認します。会社資料の準備が必要か洗い出します。

3か月前

更新申請の準備

通常、満了日のおおむね3か月前から更新申請が可能とされています。申請日、受付番号、提出資料を記録します。

1か月前

結果通知と特例期間の確認

結果通知日、特例期間の有無、追加資料の要否を確認し、業務継続の可否を管理します。

不許可時

就労停止・退職・配置転換の検討

更新不許可の場合は、勤務継続の可否や雇用契約上の対応が問題になります。個別事情に応じた確認が必要です。

業務内容と所属機関の変更

就労系在留資格では、採用時に許可された活動範囲と実際の業務内容が一致している必要があります。部署異動、職種変更、出向、兼務、副業、リモート勤務などが発生する場合、短期的・付随的な作業なのか、主たる業務の変更なのか、職務記述書と実態が一致しているかを確認します。システムエンジニアとして採用した人を、長期間にわたり倉庫内仕分け作業へ従事させるような場合は、在留資格との整合性が問題になります。

就労資格等で在留する外国人本人には、退職や転職など所属機関に関する届出義務が生じる場合があります。届出は原則として本人の義務ですが、企業が退職時や転職入社時に制度を案内することは、コンプライアンス上有益です。特定技能所属機関など、受入機関側に届出義務が課される制度にも注意します。

Section 06

外国人雇用で注意する特定技能・技能実習・育成就労

通常の雇用契約に加え、制度ごとの受入基準と支援体制が問題になります。

特定技能、技能実習、育成就労は、通常の就労系在留資格とは別に、制度目的、支援計画、監理体制、届出などの特別な論点があります。人手不足対応だけを目的に制度名を選ぶと、受入要件や管理義務を見落とすおそれがあります。

次の一覧は、3つの制度で企業が確認すべき中心論点を表します。制度ごとの目的や管理義務が異なるため重要です。読者は、単なる雇用契約に加えて、支援計画、技能実習計画、制度移行スケジュールのどれを確認すべきかを読み取ってください。

Specified Skills

特定技能

人手不足が深刻な特定産業分野で、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れる制度です。分野・業務区分の該当性、技能試験・日本語試験等、特定技能雇用契約、報酬が日本人と同等以上であること、支援計画、定期・随時の届出、受入人数枠や協議会加入、転職時の手続きが重要です。

Technical Intern

技能実習

開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を目的とする制度です。技能実習計画、監理団体、実習実施者、実習内容、監査、帳簿、賃金支払、安全衛生などについて、通常の雇用より厳格な管理が求められます。

Training Employment

育成就労

技能実習制度は発展的に解消され、育成就労制度が創設されます。関係法令は2024年6月21日に公布され、主要部分は2027年4月1日に施行予定です。特定技能制度との接続や経過措置の確認が重要です。

技能実習生も労働者である場合には、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法等の保護を受けます。長時間労働、賃金不払い、違約金、旅券・在留カードの取上げ、強制帰国などは、重大な法的リスクを生じさせます。

制度移行2027年4月1日前後は、技能実習、特定技能、育成就労の間で経過措置や手続きが複雑化する可能性があります。監理団体、登録支援機関、受入企業、送出機関、本人の契約関係も影響を受けるため、該当企業は早期に移行スケジュールを確認する必要があります。
Section 07

外国人雇用の派遣・業務委託・インターン・副業の注意点

雇用契約でない形でも、在留資格と労働者性の確認は残ります。

外国人に関わる働き方は、直接雇用だけではありません。派遣、業務委託、インターンシップ、副業・兼業でも、実際の活動内容が在留資格で認められるか、労働者性があるか、労働時間や届出の管理が必要かを確認します。

次の比較一覧は、雇用以外または複数勤務が絡む場面で、企業が確認すべき観点を表します。契約名だけで適法性が決まるわけではないため重要です。読者は、誰が雇用主か、誰が指揮命令するか、在留資格の範囲内かを読み取ってください。

Dispatch

派遣で受け入れる場合

派遣元が雇用主として労務・社会保険・外国人雇用状況届出等を行うのが基本です。ただし派遣先も、実際に従事させる業務が在留資格に適合しているかを確認します。

Contract

業務委託・フリーランス

雇用契約ではなくても、日本で報酬を得て活動する以上、在留資格上その活動が認められるかを確認します。実態として指揮命令、時間拘束、場所拘束、専属性、労務対価性が強い場合は労働者性が問題になります。

Intern

インターンシップ

有償か無償か、期間、教育課程との関係、実習内容、報酬、交通費、労働に該当する実態があるかによって、在留資格や資格外活動許可の要否が変わります。

Side Job

副業・兼業

就業規則上の許可だけでなく、在留資格上の可否を確認します。身分系在留資格なら就労制限は通常ありませんが、就労系在留資格では副業内容が範囲外となることがあります。

留学生や家族滞在者では、複数勤務先の労働時間合算が特に重要です。自社だけで週28時間以内に抑えていても、他社勤務を含めて上限を超える可能性があるため、本人の申告確認と定期的な見直しが必要です。

Section 08

外国人雇用の不法就労防止チェックリスト

採用時、入社後、退職時の確認を分けて管理します。

不法就労には、不法滞在者や退去強制対象者が働く場合、就労が認められていない在留資格の人が許可なく働く場合、認められた活動範囲を超えて働く場合があります。雇用時に在留カード等を確認していなかった場合、知らなかったとしても過失があると評価され得るため、採用時の確認記録と入社後の継続管理が重要です。

次の確認一覧は、企業が不法就労防止のために採用時、入社後、退職時に分けて見るべき項目を表します。どの時点で確認すべきかを分けることで、届出漏れや期限切れを防ぎやすくなるため重要です。読者は、自社のチェックリストに不足している項目を読み取ってください。

01

採用時に確認する項目

本人確認書類、在留カード表面・裏面、旅券、特定活動の指定書、資格外活動許可の有無・範囲、在留期間満了日、予定業務と在留資格の整合性、職務内容説明書、雇用契約書・労働条件通知書、外国人雇用状況届出の要否・期限、社会保険・雇用保険・税務手続きの開始を確認します。

採用前
02

入社後に定期確認する項目

在留期限の接近、更新申請の準備、実際の業務と職務内容説明書の一致、部署異動・出向・兼務の在留資格上の問題、留学生等の労働時間、最低賃金・契約条件、残業代、社会保険・雇用保険加入、住所変更・氏名変更・在留カード更新、ハラスメントや日本語理解不足や生活上の困難に関する相談窓口を確認します。

継続管理
03

退職時に確認する項目

外国人雇用状況の離職届出、雇用保険資格喪失届、健康保険・厚生年金保険資格喪失届、源泉徴収票、住民税の異動届、退職証明書等の交付要請、所属機関に関する届出の要否の案内、貸与物返却、旅券・在留カード等を会社が保管していないことを確認します。

退職

これらは単なる事務作業ではなく、行政調査や紛争が起きたときに、企業が合理的な確認をしていたことを示す証拠にもなります。人事、法務、労務、経理、現場部門で役割を明確にし、確認記録を残す運用が望まれます。

Section 09

外国人雇用で弁護士等の専門家に相談すべき場面

入管申請、労務、税務、紛争対応で相談先が変わります。

外国人雇用の手続きには、行政書士、社会保険労務士、税理士、弁護士など複数の専門家が関与し得ます。相談先を誤ると、申請書類だけ整っていても労務リスクが残る、労務管理だけ整っていても在留資格の問題が残る、といった状態になり得ます。

次の表は、専門家ごとに相談が有用な場面を表します。外国人雇用では法分野が重なるため重要です。読者は、いま問題になっているのが申請書類、労務管理、税務、紛争・行政対応のどれかを読み取ってください。

相談先有用な場面典型的な論点
弁護士法的紛争、契約リスク、労働問題、行政対応、刑事・行政上のリスクが絡む場面不法就労助長罪、入管・警察・労基署からの調査、解雇・雇止め・未払賃金・ハラスメント、退職合意書、誓約書、費用返還条項、派遣・業務委託・出向、国籍差別、社内調査、コンプライアンス改善
行政書士官公署提出書類の作成や申請取次が中心の場面在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、留学生の正社員採用、転職者の在留資格該当性確認
社会保険労務士労務管理や社会保険手続きが中心の場面労働条件通知書、就業規則、雇用保険、社会保険、労働時間管理、賃金制度、退職手続き、就業規則の多言語説明、安全衛生
税理士外国人従業員・役員の税務判断が中心の場面所得税、住民税、非居住者課税、租税条約、海外払い給与、出向者課税、年末調整、役員報酬

不法就労助長罪の疑い、行政機関からの調査・照会、外国人従業員との解雇・雇止め・未払賃金・ハラスメント紛争、退職合意書や費用返還条項の適法性、技能実習・特定技能・育成就労の契約や監理体制、国籍差別や採用差別のリスクは、弁護士への相談が特に有用な場面です。

Section 10

外国人雇用の法的手続きでよくある質問

実務で誤解されやすい点を、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 在留カードに「就労制限なし」とあれば、何も手続きは不要ですか。

一般的には、就労活動の内容に制限がない場合でも、雇用契約、労働条件明示、社会保険、雇用保険、税務、外国人雇用状況届出などの雇用主としての手続きは別途必要とされています。ただし、在留期間の有無や雇用形態によって管理すべき事項が変わる可能性があります。具体的な対応は、雇用条件と在留カード等を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q2. 留学生は週28時間以内ならどの仕事でもできますか。

一般的には、留学生が働くには資格外活動許可が必要で、風俗営業等への従事は認められないとされています。また、週28時間の制限は他社勤務を含めて問題になる可能性があります。具体的なシフト管理や業務内容の可否は、許可内容、学校の休業期間、他社勤務の有無を確認して判断する必要があります。

Q3. 外国人を業務委託にすれば、在留資格確認は不要ですか。

一般的には、雇用契約でなくても、日本で報酬を得て活動する場合は在留資格上その活動が認められるかを確認する必要があります。さらに、実態として指揮命令や時間拘束が強ければ労働者性が問題になる可能性があります。具体的な契約設計は、業務内容と稼働実態を整理して専門家へ確認する必要があります。

Q4. 前職で就労系在留資格を持っていた人なら、そのまま採用できますか。

一般的には、前職で認められていた活動と、自社で予定する業務が一致するとは限らないとされています。転職時には、予定業務と在留資格の整合性を確認し、必要に応じて就労資格証明書や在留資格変更を検討します。具体的には、前職の職務、自社の職務内容、学歴・職歴、報酬を整理して確認する必要があります。

Q5. 外国人雇用状況届出は、在留資格申請をしていれば不要ですか。

一般的には、外国人雇用状況届出は労働施策総合推進法に基づくハローワークへの届出であり、在留資格認定、変更、更新などの入管手続きとは別に管理する必要があるとされています。雇用保険の被保険者かどうかで提出方法や期限が変わるため、具体的には雇用形態と加入状況を確認する必要があります。

Q6. 在留期限の更新を本人に任せておけば、会社は責任を負いませんか。

一般的には、在留期限が切れた状態で勤務させると、会社側にも不法就労助長のリスクが生じ得るとされています。本人が申請主体になる場面でも、会社は在留期限を台帳で管理し、更新申請の進捗や結果を確認する体制を整えることが望まれます。具体的な対応は、在留資格、契約期間、業務内容によって変わります。

Q7. 外国人には日本人より低い賃金を設定できますか。

一般的には、国籍を理由とする差別的取扱いは認められず、最低賃金を下回ることもできません。在留資格手続き上も、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であることが問題になる場合があります。具体的な賃金設計は、職務内容、経験、責任、社内賃金体系を整理して確認する必要があります。

Q8. 採用面接で在留カードの提示を求めてもよいですか。

一般的には、就労可否確認のために在留資格、在留期限、就労制限を確認することは必要とされています。ただし、国籍差別につながる不必要な収集や、採用目的を超えた個人情報の利用は避けるべきです。具体的には、確認の目的、保管範囲、取扱いを明確にして運用する必要があります。

Q9. 特定技能外国人を雇う場合、通常の雇用契約だけで足りますか。

一般的には、特定技能では通常の雇用契約に加えて、分野別要件、支援計画、各種届出、受入機関の基準などの制度上の義務があるとされています。登録支援機関に委託する場合でも、受入機関としての責任を理解する必要があります。具体的な受入可否は、分野、業務区分、支援体制、届出状況を確認して判断します。

Q10. 技能実習制度は今後どうなりますか。

一般的には、技能実習制度は発展的に解消され、育成就労制度が創設される予定です。主要部分は2027年4月1日に施行予定とされています。ただし、経過措置や新制度への移行は受入状況によって確認事項が変わる可能性があります。具体的には、監理団体、登録支援機関、行政資料、専門家に最新情報を確認する必要があります。

Section 11

外国人雇用の実務手順と社内書式

海外採用、国内転職者、留学生アルバイトの順番を分けて整備します。

実務では、採用ルートごとに確認順序を変える必要があります。海外採用、国内転職者、留学生アルバイトでは、入管手続き、書類確認、勤務開始日、労働時間管理の重点が異なるためです。

海外採用の手順

  1. 採用予定職種を確定します。
  2. 在留資格候補を選定します。
  3. 候補者の学歴・職歴・資格を確認します。
  4. 報酬・労働条件を設計します。
  5. 雇用契約書・職務内容説明書を作成します。
  6. 在留資格認定証明書交付申請の資料を準備します。
  7. 申請・審査・交付を待ちます。
  8. 候補者が査証申請を行います。
  9. 入国後に在留カードを確認します。
  10. 入社手続きを行います。
  11. 外国人雇用状況届出、社会保険、税務を処理します。
  12. 在留期限管理を開始します。

国内転職者採用の手順

  1. 在留カード・旅券・指定書を確認します。
  2. 現在の在留資格と在留期限を確認します。
  3. 前職の職務と自社予定業務を比較します。
  4. 自社業務が在留資格の範囲内か検討します。
  5. 疑義があれば就労資格証明書や在留資格変更を検討します。
  6. 雇用契約書・労働条件通知書を作成します。
  7. 入社日を許可・確認手続きと整合させます。
  8. 入社後、外国人雇用状況届出と社会保険等を行います。
  9. 所属機関に関する届出の要否を本人に案内します。
  10. 在留期限と業務内容の継続管理を行います。

留学生アルバイト採用の手順

  1. 在留カードを確認します。
  2. 在留資格が留学であることを確認します。
  3. 裏面の資格外活動許可欄を確認します。
  4. 勤務予定時間を確認します。
  5. 他社勤務の有無を申告してもらいます。
  6. 週28時間を超えないシフトを設定します。
  7. 長期休業期間の取扱いを確認します。
  8. 風俗営業等に該当しない業務であることを確認します。
  9. 労働条件通知書を交付します。
  10. 雇用保険加入の有無を判断します。
  11. 外国人雇用状況届出を行います。
  12. シフト実績を継続管理します。

次の表は、外国人雇用を継続的に行う企業が整備すべき社内書式を表します。属人的な対応を減らし、行政調査や紛争時の説明資料にもなるため重要です。読者は、自社に足りない書式を採用、入社後、退職・相談対応のどこに配置するかを読み取ってください。

区分整備すべき書式例主な目的
採用時外国人採用チェックリスト、在留カード確認記録票、職務内容説明書、採用理由書の社内テンプレート予定業務と在留資格の整合性、確認記録の保存
在留・勤務管理在留資格・在留期限管理台帳、資格外活動許可確認書、他社勤務申告書、在留期間更新アラート表期限切れ、時間超過、業務内容不整合の予防
届出・支援外国人雇用状況届出管理表、特定技能支援実施記録、多言語労働条件説明資料届出漏れと説明不足の防止
退職・相談対応退職時チェックリスト、相談窓口案内文、個人情報取扱い同意書離職届出、貸与物返却、相談導線、個人情報管理の明確化
Section 12

外国人を雇用する際に必要な法的手続きの要点

最後に、企業が必ず押さえたい5つの確認軸を整理します。

外国人雇用は、人材確保、国際化、多様性推進の重要な手段です。しかし、法的手続きを軽視すると、不法就労助長、届出義務違反、未払賃金、社会保険未加入、税務処理誤り、在留期間更新不許可、行政調査、信用低下など、重大なリスクが発生します。

次の重要ポイントは、外国人雇用の手続きを5つの確認軸へ集約したものです。細かな申請や届出の前に全体の軸を押さえることが重要です。読者は、自社の運用が在留資格、入管手続き、労働法、届出、継続管理のどこで弱くなっているかを読み取ってください。

採用時点で適法でも、入社後の管理を怠ると違法状態へ移ることがあります

在留期限、業務内容、勤務時間、資格外活動、所属機関変更、社会保険、税務、退職時届出を継続的に管理することが、外国人雇用のリスク管理の中心です。

  1. 在留資格と予定業務の一致を確認すること。在留カードの在留資格名だけで判断せず、職務内容、学歴・職歴、報酬、指定書、資格外活動許可を総合的に確認します。
  2. 入社前に必要な入管手続きを完了させること。海外採用では在留資格認定証明書、国内採用では在留資格変更、更新、就労資格証明書、資格外活動許可などが問題になります。
  3. 労働法を日本人と同様に適用すること。労働条件明示、最低賃金、労働時間、残業代、安全衛生、有給休暇、解雇規制、社会保険、労災保険などは外国人にも適用されます。
  4. 外国人雇用状況届出を期限内に行うこと。雇用保険被保険者か否かで様式と期限が異なるため、入社・退職のチェックリストに組み込みます。
  5. 入社後の継続管理を行うこと。在留期限、業務内容、勤務時間、資格外活動、所属機関変更、社会保険、税務、退職時届出を継続的に管理します。

適切な対応の出発点は、国籍ではなく予定業務と在留資格を照合することです。そのうえで、雇用契約、労働条件明示、社会保険、税務、外国人雇用状況届出、在留期限管理を一体として運用します。外国人雇用は、人事だけ、法務だけ、労務だけ、入管手続きだけで完結するものではありません。採用部門、現場部門、法務、人事労務、経理、外部専門家が連携し、書面化されたプロセスを整えることが有効なリスク管理です。

制度改正にも注意が必要です。特に技能実習制度から育成就労制度への移行、特定技能制度の運用変更、労働条件明示ルールの改正など、外国人雇用を取り巻く制度は変化し続けています。企業は採用時点の確認だけでなく、最新の公的情報を定期的に確認し、社内ルールを更新する必要があります。

Reference

参考資料・公的情報源

制度は改正されることがあるため、実務対応時には最新の公的情報を確認してください。

雇用・労務・届出

  • 厚生労働省「外国人の雇用」
  • 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
  • 厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」
  • 東京外国人雇用サービスセンター「知っておくべき日本の労働関係法令等」

入管・在留管理

  • 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」
  • 出入国在留管理庁「在留管理制度よくある質問」
  • 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
  • 出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度」関連情報
  • 警視庁「外国人の適正雇用について」

社会保険・税務・法令

  • 日本年金機構「外国人従業員を雇用したときの手続き」
  • 国税庁「No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ」
  • 厚生労働省「外国人技能実習制度について」
  • e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」
  • e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」