2σ Guide

共有者が行方不明の場合に
不動産を処分する手段

相続不動産や共有不動産を動かすために、不在者財産管理人、失踪宣告、所在等不明共有者制度、所有者不明土地・建物管理命令、登記・税務を目的別に整理します。

7年 普通失踪の目安
10年 相続持分の制限
3年以内 相続登記義務
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共有者が行方不明の場合に 不動産を処分する手段

売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。

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共有者が行方不明の場合に 不動産を処分する手段
売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 共有者が行方不明の場合に 不動産を処分する手段
  • 売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。

POINT 1

  • 共有者が行方不明の場合に不動産を処分する手段の全体像
  • 売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。
  • 共有者の一人が行方不明だと、不動産全体の通常売却は止まりやすくなります。
  • 自分の共有持分だけなら売れる場合がありますが、多くの人が求めるのは、不動産全体を適正価格で処分し、代金を分ける解決です。
  • 管轄、向く場面、売却との関係、注意点を横に読み、今の問題が売却、取得、管理、相続 整理のどれなのかを見分けます。

POINT 2

  • 共有者が一人行方不明だとなぜ不動産処分が止まるのか
  • 共有持分、処分・管理・変更、所在等不明の意味を分けます。
  • 共有者の一人は、自分の持分を原則として単独で譲渡できます。
  • しかし、不動産全体を売るには、全共有者の持分を買主へ移す必要があります。
  • 行方不明者が署名、押印、本人確認、登記協力をできないと、通常売却は止まりやすくなります。

POINT 3

  • 共有者行方不明の不動産処分で初動確認すべき事項
  • 登記、遺産共有、目的、価格資料、相続登記義務を先に整理します。
  • 名義人・持分・権利負担
  • 遺産共有か通常共有か
  • 売却・取得・管理・分割

POINT 4

  • 不在者財産管理人と権限外行為許可で不動産を動かす
  • 1. 戸籍・登記・相続関係を整理:不在者、相続人、不動産、権利負担を確認します。
  • 2. 探索資料を集める:戸籍附票、返戻郵便、現地調査、親族照会などを整理します。
  • 3. 家庭裁判所に選任申立て:利害関係人として、従来の住所地・居所地を管轄する裁判所へ申し立てます。
  • 4. 権限外行為許可を申し立てる:売却対象、買主、価格、条件を具体化して許可を求めます。
  • 5. 契約・決済・登記へ:許可範囲と契約内容を一致させます。
  • 6. 条件・資料を再整理:価格、必要性、売買条件を補強します。

POINT 5

  • 失踪宣告は売却制度ではなく相続関係を整理する制度
  • 7年・1年の期間要件と、宣告後に相続人調査が必要になる点を確認します。
  • 失踪宣告は、生死不明の人を家庭裁判所の手続で法律上死亡したものとみなす制度です。
  • 普通失踪は7年間生死不明、危難失踪は危難が去った後1年間生死不明の場合に問題になります。
  • 失踪宣告後は、失踪者の相続人を調査し、その人たちを含めて遺産分割や持分処分を進めます。

POINT 6

  • 所在等不明共有者の持分取得と持分譲渡権限付与
  • 自分が取得する制度と、第三者売却へつなぐ制度を分けます。
  • 所在等不明共有者の制度には、持分取得と持分譲渡権限付与があります。
  • どちらも所在不明者の利益を供託などで保護しながら、動かない共有関係を進める制度です。
  • 自分が取得したいのか、第三者に全体売却したいのかで制度が分かれるため、目的、買主の有無、供託資金、10年制限を横に読みます。

POINT 7

  • 売却ではなく管理・変更・危険除去を進める制度
  • 修繕、解体、所有者不明不動産、管理不全不動産の制度を分けます。
  • 共有物の管理・変更に関する裁判
  • 所在は分かるが返事がない場合
  • 所有者不明土地・建物管理命令

POINT 8

  • 遺産分割・登記・評価・税務を同時に設計する
  • 裁判所手続だけでなく、所有権移転登記、価格資料、測量、譲渡所得まで確認します。
  • 相続人間で遺産分割の話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用できます。
  • 行方不明相続人がいる場合、その人を手続に関与させるため、不在者財産管理人を組み合わせることがあります。
  • 裁判所手続だけでは売却は完成しないため、各列を見て、決済・登記・税務申告までつながるかを確認します。

まとめ

  • 共有者が行方不明の場合に 不動産を処分する手段
  • 共有者が行方不明の場合に不動産を処分する手段の全体像:売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。
  • 共有者が一人行方不明だとなぜ不動産処分が止まるのか:共有持分、処分・管理・変更、所在等不明の意味を分けます。
  • 共有者行方不明の不動産処分で初動確認すべき事項:登記、遺産共有、目的、価格資料、相続登記義務を先に整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

共有者が行方不明の場合に不動産を処分する手段の全体像

売却を止める理由と、目的別に選ぶ裁判所制度を最初に整理します。

共有者の一人が行方不明だと、不動産全体の通常売却は止まりやすくなります。自分の共有持分だけなら売れる場合がありますが、多くの人が求めるのは、不動産全体を適正価格で処分し、代金を分ける解決です。

行方不明共有者がいる場合の制度は一つではありません。不在者財産管理人、失踪宣告、所在等不明共有者制度、所有者不明土地・建物管理命令、管理不全土地・建物管理命令、遺産分割調停・審判などを目的に応じて選びます。

次の比較表は、主要な制度の役割を一望するものです。管轄、向く場面、売却との関係、注意点を横に読み、今の問題が売却、取得、管理、相続整理のどれなのかを見分けます。

手段管轄向く場面売却との関係主な注意点
不在者財産管理人と権限外行為許可家庭裁判所行方不明者は特定できるが住所・居所が分からない。管理人が許可を得て遺産分割や売却に関与できます。予納金、報酬、許可範囲、職務継続に注意します。
失踪宣告家庭裁判所7年以上生死不明、危難後1年以上生死不明。死亡したものとみなし相続関係を整理します。売却許可制度ではなく、失踪者の相続人調査が必要です。
所在等不明共有者の持分取得地方裁判所他共有者が所在不明者の持分を取得したい。持分取得後に売却しやすくなります。10年制限と供託資金に注意します。
所在等不明共有者の持分譲渡権限付与地方裁判所所在不明者以外の全員が第三者へ売りたい。不動産全体の第三者売却に直結しやすい制度です。買主、価格、供託、契約条件、登記設計が重要です。
共有物の管理・変更に関する裁判地方裁判所修繕、解体、管理、利用方法を決めたい。売却そのものではなく管理・変更を進めます。処分制度と混同しないことが重要です。
所有者不明土地・建物管理命令地方裁判所特定不動産の所有者または所在が不明。管理人が許可を得て処分できる場合があります。人ではなく特定不動産に着目する制度です。
管理不全土地・建物管理命令地方裁判所危険建物や周辺被害がある。危険除去・管理改善が中心です。売却だけを目的に使う制度ではありません。
Section 01

共有者が一人行方不明だとなぜ不動産処分が止まるのか

共有持分、処分・管理・変更、所在等不明の意味を分けます。

共有者の一人は、自分の持分を原則として単独で譲渡できます。しかし、不動産全体を売るには、全共有者の持分を買主へ移す必要があります。行方不明者が署名、押印、本人確認、登記協力をできないと、通常売却は止まりやすくなります。

次の表は、日常的な「処分したい」という言葉を法律実務上の性質に分けるものです。何をしたいかによって必要な同意や制度が変わるため、売る、貸す、壊す、修理する、測量するを分けて読み取ります。

日常的な言い方法律実務上の性質
売る所有権の処分不動産全体の売却、共有持分の譲渡
貸す管理行為または処分に近い行為短期賃貸、長期賃貸
壊す変更行為・処分的行為老朽建物の解体
修理する保存行為または管理行為雨漏り補修、危険箇所の修繕
測量する売却準備・管理境界確認、分筆、地積測量

「行方不明」と「所在等不明」も同じではありません。返信しない、売却に反対している、交渉に応じないだけでは所在等不明とはいえないことがあります。戸籍、住民票、戸籍附票、登記、返戻郵便、親族照会、現地調査などで探索経過を証拠化します。

Section 02

共有者行方不明の不動産処分で初動確認すべき事項

登記、遺産共有、目的、価格資料、相続登記義務を先に整理します。

初動では、登記、相続関係、共有の種類、目的、価格資料を同時に確認します。数代前の名義のままだと、相続人の数が増え、所在調査や合意形成が急速に複雑になります。

次の一覧は、制度選択の前に確認する五つの入口です。上から順に登記、共有の性質、目的、価格、期限を確認すると、使える制度と準備すべき資料を読み取りやすくなります。

登記

名義人・持分・権利負担

登記事項証明書で名義、持分、住所、抵当権、差押え、仮登記、賃借権、土地建物の名義一致を確認します。

共有

遺産共有か通常共有か

遺産分割前の共有か、分割後・売買後の通常共有かで制度制限が変わります。

目的

売却・取得・管理・分割

不動産全体を売るのか、自分が取得するのか、修繕・解体なのかを分けます。

価格

時価資料と売買条件

固定資産評価、査定、鑑定、買付証明、契約案を早期に準備します。

期限

相続登記と税務期限

2024年4月1日以降の相続登記義務、3年以内の申請、10万円以下の過料、税務期限を確認します。

次の表は、目的ごとに優先的に検討する制度を示しています。目的の列を先に選び、右の制度を候補として読むことで、売却制度と管理制度を混同しにくくなります。

目的優先的に検討する制度
不動産全体を第三者に売りたい所在等不明共有者の持分譲渡権限付与、不在者財産管理人と許可
所在不明者の持分を自分が取得したい所在等不明共有者の持分取得
遺産分割協議を成立させたい不在者財産管理人、失踪宣告、遺産分割調停・審判
老朽建物を修繕・解体したい共有物の管理・変更に関する裁判、管理不全建物管理命令
所有者自体が不明な土地建物を管理・利用したい所有者不明土地・建物管理命令
税負担を見通して売却したい税理士による譲渡所得・相続税の検討
Section 03

不在者財産管理人と権限外行為許可で不動産を動かす

最近の相続で行方不明相続人がいる場合に第一候補になりやすい制度です。

不在者財産管理人は、従来の住所または居所を去り、容易に戻る見込みのない人の財産を管理するために家庭裁判所が選任する管理人です。売却や遺産分割のように財産内容を大きく変える行為は、通常、権限外行為許可が必要になります。

次の手順図は、不在者財産管理人を使う場合の標準的な進み方です。上から順に資料整理、選任、許可、契約・登記、税務・報告へ進むため、どの段階で裁判所の判断が必要かを読み取ります。

不在者財産管理人を使う場合の進め方

戸籍・登記・相続関係を整理

不在者、相続人、不動産、権利負担を確認します。

探索資料を集める

戸籍附票、返戻郵便、現地調査、親族照会などを整理します。

家庭裁判所に選任申立て

利害関係人として、従来の住所地・居所地を管轄する裁判所へ申し立てます。

権限外行為許可を申し立てる

売却対象、買主、価格、条件を具体化して許可を求めます。

許可あり
契約・決済・登記へ

許可範囲と契約内容を一致させます。

許可条件に不備
条件・資料を再整理

価格、必要性、売買条件を補強します。

管理人の職務は、当初の目的を果たしただけで当然に終わるものではありません。不在者が現れる、失踪宣告がされる、死亡が確認される、財産がなくなるなどの事情まで、代金管理、税務申告、報告を見通します。

Section 04

失踪宣告は売却制度ではなく相続関係を整理する制度

7年・1年の期間要件と、宣告後に相続人調査が必要になる点を確認します。

失踪宣告は、生死不明の人を家庭裁判所の手続で法律上死亡したものとみなす制度です。普通失踪は7年間生死不明、危難失踪は危難が去った後1年間生死不明の場合に問題になります。

次の比較表は、失踪宣告と不在者財産管理人の違いを示しています。どちらも行方不明者に関係しますが、目的と効果が違うため、売却許可の制度なのか相続関係整理の制度なのかを読み取ることが重要です。

制度目的売却との関係注意点
不在者財産管理人不在者の財産を管理する。権限外行為許可を得て遺産分割や売却に関与できます。本人が生存している前提で利益保護を行います。
失踪宣告生死不明者を死亡したものとみなす。直接の売却許可ではなく、失踪者の相続関係を整理します。相続人が増え、売却がかえって複雑になることがあります。

失踪宣告後は、失踪者の相続人を調査し、その人たちを含めて遺産分割や持分処分を進めます。売却目的だけで安易に選ぶのではなく、生死不明期間、家族関係、相続人の範囲、財産内容を比較する必要があります。

Section 05

所在等不明共有者の持分取得と持分譲渡権限付与

自分が取得する制度と、第三者売却へつなぐ制度を分けます。

所在等不明共有者の制度には、持分取得と持分譲渡権限付与があります。どちらも所在不明者の利益を供託などで保護しながら、動かない共有関係を進める制度です。

次の比較表は、持分取得と持分譲渡権限付与の違いを示しています。自分が取得したいのか、第三者に全体売却したいのかで制度が分かれるため、目的、買主の有無、供託資金、10年制限を横に読みます。

比較項目持分取得持分譲渡権限付与
目的所在不明者の持分を共有者が取得します。所在不明者の持分を第三者へ譲渡します。
買主の有無必須ではありません。第三者譲渡が前提です。
最終状態申立人側の持分が増えます。買主が不動産全体を取得しやすくなります。
適する場面自分で取得して住み続けたい、管理したい。所在不明者以外の全員が同じ買主へ売りたい。
資金申立人の供託資金が中心です。売買代金から供託・清算を設計しやすいです。
相続財産の制限遺産分割すべき相続財産に属する持分は相続開始から10年制限に注意します。同じく相続開始から10年制限に注意します。

申立てでは、登記事項証明書、戸籍・住民票、所在不明の探索報告書、返戻郵便、親族陳述書、固定資産評価証明書、査定書、鑑定評価書、買付証明書、契約案などを準備します。価格が低すぎないか、所在不明者の利益が守られるかが重要です。

Section 06

売却ではなく管理・変更・危険除去を進める制度

修繕、解体、所有者不明不動産、管理不全不動産の制度を分けます。

売却そのものではなく、修繕、解体、管理、危険除去を進める制度もあります。所有権を移す制度と管理・変更を進める制度を混同しないことが重要です。

次の一覧は、管理・変更・所有者不明・管理不全の制度を区別するものです。どの制度も不動産を動かす入口になり得ますが、目的が違うため、売却前の準備なのか、危険除去なのか、特定不動産の管理なのかを読み取ります。

管理・変更

共有物の管理・変更に関する裁判

所在等不明共有者がいる場合に、所在不明者以外の同意や持分価格の過半数で管理・変更を進める裁判です。売却そのものではありません。

賛否不明

所在は分かるが返事がない場合

所在不明ではなく賛否不明共有者の制度が問題になることがあります。連絡不能と反対・沈黙を分けます。

所有者不明

所有者不明土地・建物管理命令

特定土地・建物の所有者または所在が分からない場合、地方裁判所が管理人を選任し、許可を得て処分できる場合があります。

管理不全

管理不全土地・建物管理命令

倒壊危険、草木繁茂、ごみ、周辺被害など、所有者の管理不適当による危険除去・管理改善を目的にします。

老朽空き家が危険な場合は、売却より先に安全確保が必要なことがあります。共有物の管理・変更に関する裁判、管理不全建物管理命令、自治体の空家対策制度を比較してから、売却へ接続します。

Section 07

遺産分割・登記・評価・税務を同時に設計する

裁判所手続だけでなく、所有権移転登記、価格資料、測量、譲渡所得まで確認します。

相続人間で遺産分割の話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用できます。行方不明相続人がいる場合、その人を手続に関与させるため、不在者財産管理人を組み合わせることがあります。

次の比較表は、登記、評価、税務、測量、売買実務の確認事項をまとめたものです。裁判所手続だけでは売却は完成しないため、各列を見て、決済・登記・税務申告までつながるかを確認します。

領域確認事項売却での意味
登記相続登記、住所変更、抵当権、差押え、土地建物の名義一致。買主へ所有権移転登記ができるかを左右します。
裁判書類選任審判書、権限外行為許可、確定証明、供託書、登記原因証明情報。許可内容と契約・登記内容が一致している必要があります。
価格評価固定資産評価、路線価、公示地価、査定、鑑定、買付価格。所在不明者の利益保護と売買価格の相当性を支えます。
測量・境界地積測量図、越境、接道、分筆、建物滅失。価格、融資、引渡条件に直結します。
税務譲渡所得、取得費、取得時期、取得費加算、不在者の申告。売却時期や手取り額、管理人の対応に影響します。

譲渡所得では、譲渡価額から取得費と譲渡費用を差し引く考え方が基本です。相続した土地建物では、被相続人の取得費と取得時期を引き継ぐ扱い、取得費不明時の扱い、相続税の取得費加算の期限を確認します。

Section 08

共有者行方不明の不動産処分で関与する専門職

裁判所手続、登記、税務、評価、測量、売買を分担して進めます。

行方不明共有者がいる案件は、弁護士、司法書士、税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士が連携して進める場面が多くなります。誰に何を確認するかを分けることで、制度選択の手戻りを減らせます。

次の一覧は、専門職の役割を整理したものです。左の役割から、法的権限、登記、税務、価格、測量、売買という担当領域を読み取り、初回相談で誰を組み合わせるかを考えます。

01

弁護士

制度選択、交渉、家庭裁判所・地方裁判所への申立て、遺産分割、共有物分割、売買契約リスクを扱います。

法的権限
02

司法書士

相続登記、住所変更登記、所有権移転登記、登記原因証明情報、戸籍収集を担います。

登記
03

税理士

譲渡所得、相続税申告、取得費加算、準確定申告、不在者の税務を確認します。

税務
04

不動産鑑定士

時価、持分価値、遺産分割上の評価、裁判所提出資料としての価格評価を担います。

評価
05

土地家屋調査士

境界確認、測量、分筆、建物滅失登記など、土地建物の物理的な整理を担当します。

測量
06

宅地建物取引士・仲介業者

買主探索、査定、重要事項説明、契約条件調整、決済実務を担います。

売買
Section 09

共有者行方不明の典型事例と実務チェックリスト

相続、通常共有、自宅利用、古い名義、老朽空き家ごとに選択肢を分けます。

典型事例ごとに、最初に選ぶ制度は変わります。父の相続で兄弟の一人が行方不明なのか、通常共有の土地を第三者へ売りたいのか、危険な空き家を解体したいのかを分けて考えます。

次の比較表は、典型事例と制度選択の方向性を対応させたものです。事例の列を自分の状況に近づけて読み、相続開始から10年制限、買主の有無、危険除去の優先度を確認します。

典型事例検討しやすい手段確認事項
父の相続で兄弟の一人が行方不明不在者財産管理人、遺産分割調停・審判相続開始から10年以内で遺産分割未了なら、所在等不明共有者制度の制限に注意します。
兄弟共有の土地を第三者に売りたいが一人の所在が不明所在等不明共有者の持分譲渡権限付与通常共有として整理でき、他共有者全員と買主候補がそろうかを確認します。
共有不動産を自分が取得して住み続けたい所在等不明共有者の持分取得相続財産性、10年制限、供託資金、価格評価を確認します。
登記名義人が古すぎて所有者・相続人が分からない所有者不明土地・建物管理命令戸籍・登記調査を尽くしても所有者または所在が分からないかを確認します。
老朽空き家が危険で共有者の一人が不明共有物の管理・変更に関する裁判、管理不全建物管理命令売却より先に安全確保や危険除去が必要かを確認します。

次のチェック項目は、初回相談と売買契約前に必要な資料を整理したものです。資料の種類ごとに、誰の権利を確認するのか、所在不明をどう証明するのか、売却条件をどう支えるのかを読み取ります。

資料

初回相談に持参するもの

登記事項証明書、固定資産税資料、名寄帳、公図、測量図、戸籍、住民票、戸籍附票、遺言、協議メモ、返戻郵便、照会記録、査定書、買付証明書、相続税申告資料を集めます。

申立前

制度選択の確認

行方不明者の特定、所在不明証拠、遺産共有か通常共有か、相続開始時期、目的、他共有者の意思、買主、時価資料、供託・予納、税務期限を確認します。

契約前

決済に向けた確認

裁判所の許可・裁判、登記書類、抵当権抹消、境界、残置物、固定資産税精算、供託、譲渡所得申告主体、納税資金を確認します。

Section 10

共有者行方不明の不動産処分でよくある誤解

過半数、固定資産税、所在不明、管理人、失踪宣告、税務を正しく分けます。

行方不明共有者がいる場面では、過半数、固定資産税負担、住民票、管理人、失踪宣告、税務について誤解が起きやすくなります。誤解を残したまま契約や申立てに進むと、手続が止まる原因になります。

次の表は、よくある誤解と正しい見方を並べたものです。左の思い込みがどの制度とずれているのかを確認し、右の説明から次に必要な資料や手続を読み取ります。

よくある誤解正しい見方
過半数の共有者が賛成すれば売れる。管理事項なら過半数で決められる場面がありますが、不動産全体の売却は所有権の処分です。
固定資産税を払っている人が売れる。費用負担は清算で考慮されることがありますが、処分権を当然に取得するわけではありません。
住民票が取れないから所在不明。戸籍附票、返戻郵便、親族照会、現地調査など探索経過を具体的に残します。
不在者財産管理人を選べば自由に売れる。管理人は不在者の利益を守る立場です。売却や遺産分割には権限外行為許可が必要です。
失踪宣告をすればすぐ売れる。死亡したものとみなす制度であり、失踪者の相続人調査と手続が必要です。
裁判所手続が終わってから税務を考えればよい。取得費加算の期限、譲渡所得、不在者の申告、納税資金は売却前に確認します。
Section 11

共有者行方不明の不動産処分に関するFAQと結論

一般情報として制度の考え方を整理し、個別判断が必要な点を明確にします。

FAQでは、制度の一般的な考え方だけを整理します。実際の結論は、登記、相続開始時期、探索状況、他共有者の意思、価格、買主、税務期限、管轄裁判所の運用で変わるため、個別資料を前提に専門家へ確認する必要があります。

次の一覧は、相談で出やすい質問を一般情報としてまとめたものです。各回答の最後に個別事情で変わる点を置いているため、自分の状況ではどの資料が判断材料になるかを読み取ります。

Q1

共有者が行方不明でも、自分の持分だけなら売れますか。

一般的には、自分の共有持分だけを譲渡することは可能とされています。ただし、買主層は限られ、価格は下がりやすくなります。不動産全体を売るには裁判所手続を含む整理が必要になる可能性があります。

Q2

印鑑証明書が取れないだけなら売却できますか。

一般的には、印鑑証明書がない問題は、本人確認・意思確認・登記協力ができない問題と整理されます。無断署名や無断押印は許されず、法的権限を持つ者の関与が必要になる可能性があります。

Q3

不在者財産管理人と持分譲渡権限付与はどちらですか。

一般的には、最近の相続で行方不明相続人がいる場合は不在者財産管理人を検討し、通常共有で他共有者全員が第三者売却に同意している場合は持分譲渡権限付与を検討します。相続開始時期や共有の性質で変わります。

Q4

行方不明者が後から現れたらどうなりますか。

一般的には、制度ごとに処理が異なります。不在者財産管理人では財産引継ぎ、持分取得・譲渡権限付与では供託金、失踪宣告では取消しが問題になります。具体的効果は手続内容で変わります。

Q5

海外在住で連絡が取りにくい共有者も所在不明ですか。

一般的には、海外在住でも住所や連絡先が分かり、署名証明や在外公館手続で関与できるなら、所在不明とはいえない場合があります。所在不明制度に進む前に海外手続の可能性を確認します。

Q6

最初に誰へ相談すべきですか。

一般的には、争い、行方不明者、裁判所手続が絡む場合は弁護士の初期判断が重要です。登記は司法書士、税務は税理士、価格は不動産鑑定士、境界は土地家屋調査士、売買は宅地建物取引士と連携します。

結論共有者が行方不明の場合の不動産処分は、相続共有か通常共有か、人物が特定できるか、目的が売却・取得・管理・遺産分割のどれか、相続開始から10年を経過しているかで制度が変わります。裁判所手続、登記、価格、税務、境界、買主条件を同時に設計することが重要です。
Reference

共有者行方不明と不動産処分の参考資料

  • 日本法令外国語訳データベース「民法」
  • 裁判所「不在者財産管理人選任」
  • 裁判所「家事事件Q&A」
  • 裁判所「失踪宣告」
  • 東京地方裁判所「所在等不明共有者の持分取得」の手続説明資料
  • 東京地方裁判所「所在等不明共有者の持分譲渡権限付与」の手続説明資料
  • 東京地方裁判所「所在等不明共有者がいる場合の共有物の管理・変更」の手続説明資料
  • 東京地方裁判所「所有者不明土地・建物管理命令」の手続説明資料
  • 東京地方裁判所「管理不全土地・建物管理命令」の手続説明資料
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 法務省「相続登記の申請義務化特設ページ」
  • 国税庁「譲渡所得の計算のしかた」
  • 国税庁「相続や贈与によって取得した土地、建物の取得費と取得の時期」
  • 国税庁「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」