2σ Guide

亡くなった日が土日祝日で
取引がない場合の株式評価方法

相続税申告で上場株式を評価するときは、単純に前営業日の終値だけを見るのではなく、死亡日に最も近い終値を決め、死亡月・前月・前々月の月平均額と比較します。

4価額 比較して低い価額を採用
3か月 死亡月・前月・前々月
7営業日 月間相場表の掲載目安
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

亡くなった日が土日祝日で 取引がない場合の株式評価方法

まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
亡くなった日が土日祝日で 取引がない場合の株式評価方法
まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 亡くなった日が土日祝日で 取引がない場合の株式評価方法
  • まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。

POINT 1

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価方法の全体像
  • まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。
  • 1株当たり評価額 = 4価額のうち最も低い価額
  • 休日の終値を置き換えた価格だけで判断しないことが重要で、読者は最後に最も低い価額を選ぶ点を読み取ってください。
  • 途中の価格が高くても低くても、最終的には比較対象全体の最小値に株数を乗じる構造を押さえることが大切です。

POINT 2

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価に必要な用語
  • 相続税評価と遺産分割の評価は、目的と基準時点が異なります。
  • 被相続人
  • 課税時期
  • 最終価格

POINT 3

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価を支える法的根拠
  • 1. 死亡日に終値がある:その日の最終価格を4価額比較の1つとして使います。
  • 2. 死亡日に終値がない:前後の最も近い日の最終価格を探し、同じ近さなら平均します。
  • 3. 権利落ちや売買停止がある:単純な日数比較だけでなく、権利状態や個別銘柄の事情を確認します。

POINT 4

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の前後近接日ルール
  • 1. 死亡日を確認:土日祝日、年末年始、個別銘柄の売買停止などを確認します。
  • 2. 前後の最終価格を探す:死亡日前と死亡日後で、それぞれ最も近い終値を確認します。
  • 3. 平均額を使う:前後2つの最終価格の平均額を死亡日の最終価格として扱います。
  • 4. 近い日の終値を使う:死亡日に最も近い日の最終価格を採用します。
  • 5. 4価額比較へ進む:死亡月、前月、前々月の月平均額と比較し、最も低い価額を選びます。

POINT 5

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価の計算例
  • 近接日で置き換えた後、月平均額と比較して評価額を計算します。
  • 日曜日に死亡し、翌月曜日の終値を使う例
  • 前後が同じ近さで平均する例
  • 死亡日が月末休日で翌営業日が翌月になる例

POINT 6

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価で注意する例外
  • 月平均額の特例
  • 権利落ちや配当落ちは、死亡日の最終価格だけでなく死亡月、前月、前々月の月平均額にも影響します。
  • 配当期待権

POINT 7

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価の実務手順
  • 1. 保有銘柄と株数を確定する:死亡日時点の銘柄、数量、口座区分を証券会社の証明書で確認します。
  • 2. 死亡日が取引日か確認する:取引所全体の休業日だけでなく、個別銘柄の売買停止や 合併 なども確認します。
  • 3. 死亡日の最終価格として扱う価格を決める:死亡日前後の最も近い終値、同距離の場合の平均、権利落ち等の例外を確認します。
  • 4. 3つの月平均額を取得する:死亡月、前月、前々月の終値月平均額を月間相場表や証券会社資料で確認します。
  • 5. 4価額のうち最も低い価額を選ぶ:死亡日の最終価格として扱う価格と3つの月平均額を比較します。
  • 6. 株数を乗じる:1株当たり評価額に死亡日時点の保有株数を乗じます。
  • 7. 評価明細書を作成する:銘柄、取引所、数量、課税時期の最終価格、月平均額、採用価額を整理します。

POINT 8

  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価と周辺論点
  • 外国株式など
  • 外国取引所の価格、為替換算、休日の違い、現地時間、証券会社の残高証明書の記載内容が問題になります。
  • ETF、REIT、投資信託
  • 上場株式に準じる処理が必要な場合がありますが、商品分類によって確認すべき通達や評価単位が異なります。

まとめ

  • 亡くなった日が土日祝日で 取引がない場合の株式評価方法
  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価方法の全体像:まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。
  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価に必要な用語:相続税評価と遺産分割の評価は、目的と基準時点が異なります。
  • 亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価を支える法的根拠:相続税法22条、財産評価基本通達1、169、170から172が中心になります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価方法の全体像

まず、休日の終値をどう置き換え、その後に何を比較するのかを確認します。

相続税申告で上場株式を評価するとき、被相続人が亡くなった日が土曜日、日曜日、祝日、年末年始などで金融商品取引所の取引がない場合でも、常に前営業日の終値を使うとは限りません。財産評価基本通達171では、死亡日の前後にある最終価格のうち、死亡日に最も近い日の最終価格を死亡日の最終価格として扱うのが原則です。前後が同じ近さであれば、その2つの平均額を使います。

この比較表は、上場株式の1株当たり評価額を決める4つの候補を示しています。休日の終値を置き換えた価格だけで判断しないことが重要で、読者は最後に最も低い価額を選ぶ点を読み取ってください。

比較する価額内容
1課税時期の最終価格。死亡日に最終価格がない場合は、通達171などで置き換えた価格
2課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
3課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
4課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額

次の重要ポイントは、休日の処理と4価額比較を1つの計算順序としてまとめたものです。途中の価格が高くても低くても、最終的には比較対象全体の最小値に株数を乗じる構造を押さえることが大切です。

1株当たり評価額 = 4価額のうち最も低い価額

上場株式の評価額は、1株当たり評価額に死亡日時点の保有株数を乗じて計算します。休日の場合は、先に死亡日の最終価格として扱う価格を決めてから、この4価額比較に進みます。

注意権利落ち、配当落ち、株式分割、新株割当、無償交付、上場廃止、売買停止、外国上場株式、複数取引所上場銘柄、死亡後売却がある場合は、追加確認が必要です。
Section 01

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価に必要な用語

相続税評価と遺産分割の評価は、目的と基準時点が異なります。

この記事は、主に相続税申告における上場株式の評価を扱います。上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。一方、遺産分割協議、調停、審判、遺留分侵害額請求などの民事上の評価は、相続税申告の評価と常に同じではありません。

次の一覧は、休日の株式評価で最初に確認する基本用語を整理したものです。用語の意味をそろえることは、証券会社資料、税務資料、相続人間の話し合いを混同しないために重要です。

TERM 01

被相続人

亡くなった方をいいます。相続税評価では、被相続人が死亡日にどの財産をどれだけ保有していたかが出発点です。

TERM 02

課税時期

相続税や贈与税で財産を評価する基準時点です。相続または遺贈の場合、通常は被相続人の死亡の日です。

TERM 03

最終価格

実務上はその取引日における終値を指します。休日や個別銘柄の事情で終値がない場合は、通達171の処理を検討します。

TERM 04

月平均額

ある月における毎日の最終価格の平均額です。死亡月、前月、前々月の3つを比較対象に入れます。

TERM 05

権利落ちと配当落ち

株式の割当てや配当を受ける権利が切り離された後の状態です。死亡時点の権利状態と価格データの整合性が問題になります。

死亡時刻が午前中か午後かは、通常の上場株式評価では問題にしません。課税時期の最終価格、つまりその日の取引終了時の価格を使う仕組みだからです。死亡日が取引日で、その銘柄の終値が存在する場合には、その日の終値を使います。

区別相続税申告では死亡日を基準に評価しますが、遺産分割では分割時点の時価や当事者間の合意が問題になることがあります。争いがある場合は、税務上の評価額だけで結論を出しにくいことがあります。
Section 03

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の前後近接日ルール

前営業日固定ではなく、死亡日に最も近い終値を探します。

死亡日に最終価格がない場合は、死亡日前の最終価格または死亡日後の最終価格のうち、死亡日に最も近い日の最終価格を使います。前後に同じ近さの最終価格が2つある場合は、その2つの平均額を使います。この処理で決まった価格が、財産評価基本通達169で比較する4価額のうち、課税時期の最終価格として扱われます。

次の判断の流れは、休日や祝日をはさんだときの価格選択を順番に示しています。前後の距離と権利状態の両方を見ることが重要で、読者は最終的に4価額比較へ進む点を確認してください。

死亡日に終値がない場合の判断順序

死亡日を確認

土日祝日、年末年始、個別銘柄の売買停止などを確認します。

前後の最終価格を探す

死亡日前と死亡日後で、それぞれ最も近い終値を確認します。

同じ近さ
平均額を使う

前後2つの最終価格の平均額を死亡日の最終価格として扱います。

近い日がある
近い日の終値を使う

死亡日に最も近い日の最終価格を採用します。

4価額比較へ進む

死亡月、前月、前々月の月平均額と比較し、最も低い価額を選びます。

次の判定表は、土曜日、日曜日、祝日、月末休日の典型例を並べています。曜日だけで決めず、前後の取引日との距離を比べることが重要です。

死亡日の状況前後の取引日死亡日の最終価格として扱う価格
土曜日に死亡前日の金曜日に終値、翌営業日は月曜日原則として金曜日の終値。金曜日のほうが近いため
日曜日に死亡前の金曜日に終値、翌日の月曜日に終値原則として月曜日の終値。月曜日のほうが近いため
月曜日が祝日で死亡前の金曜日に終値、翌日の火曜日に終値原則として火曜日の終値。火曜日のほうが近いため
日曜日に死亡し、月曜日も祝日前の金曜日に終値、翌火曜日に終値金曜日と火曜日が同じ近さなら、両者の平均額
月末の日曜日に死亡し、翌営業日が翌月前の金曜日と翌月の月曜日など通達171に従って最も近い日を使う。月平均額の比較対象は死亡月、前月、前々月で、翌月平均ではない
理由翌営業日の終値を使う場合があるのは、死亡後の値上がりや値下がりをそのまま課税する趣旨ではありません。死亡日に市場価格がないため、最も近い市場価格で死亡日の客観的価値を近似する技術的な処理です。
Section 04

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価の計算例

近接日で置き換えた後、月平均額と比較して評価額を計算します。

日曜日に死亡し、翌月曜日の終値を使う例

次の表は、日曜日に亡くなった場合に前金曜日と翌月曜日を比べる例です。翌月曜日のほうが死亡日に近いため、まず1,020円を死亡日の最終価格として扱い、その後の4価額比較では最も低い970円を採用する点を読み取ってください。

価格項目金額
前金曜日の終値1,010円
翌月曜日の終値1,020円
死亡月の終値月平均額990円
死亡月の前月の終値月平均額1,030円
死亡月の前々月の終値月平均額970円
保有株数1,000株

この比較表は、死亡日の最終価格として扱う価格と3つの月平均額を並べたものです。最も低い価格が評価単価になるため、1,020円ではなく970円が1株当たり評価額になります。

比較対象金額
死亡日の最終価格として扱う価格1,020円
死亡月の終値月平均額990円
前月の終値月平均額1,030円
前々月の終値月平均額970円
計算式970円 × 1,000株 = 970,000円

前後が同じ近さで平均する例

次の表は、前金曜日と翌火曜日がどちらも死亡日から2日離れている例です。最初に2つの終値の平均額1,040円を作り、その1,040円を4価額比較の候補に入れる点が重要です。

価格項目金額
前金曜日の終値1,000円
翌火曜日の終値1,080円
死亡月の終値月平均額1,050円
前月の終値月平均額990円
前々月の終値月平均額1,100円
保有株数500株

この比較表は、平均額を作った後の4価額比較を示しています。平均額1,040円よりも前月平均990円が低いため、相続税評価では990円に株数を乗じます。

比較対象金額
死亡日の最終価格として扱う価格1,040円
死亡月の終値月平均額1,050円
前月の終値月平均額990円
前々月の終値月平均額1,100円
計算式(1,000円 + 1,080円) ÷ 2 = 1,040円。990円 × 500株 = 495,000円

死亡日が月末休日で翌営業日が翌月になる例

月末の日曜日に亡くなり、翌営業日が翌月の月曜日であった場合でも、死亡日の最終価格として扱う価格は通達171に従って前後の近い日から決めます。ただし、月平均額の比較対象は死亡月、死亡月の前月、死亡月の前々月であり、翌月の月平均額を加えるわけではありません。

Section 05

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価で注意する例外

権利落ち、配当落ち、配当期待権は価格の見方を変えることがあります。

通常の休日処理では、前後の最も近い終値を使います。しかし、死亡日の前後に権利落ちや配当落ちがある場合、単に近い終値を使うと、死亡時点の権利状態と異なる価格を採用してしまう可能性があります。

次の比較表は、財産評価基本通達170と171が権利状態を重視する場面を整理したものです。日数の近さだけでなく、死亡時点の株式にどの権利が含まれていたかを読み取る必要があります。

場面採用する方向
死亡日が権利落ち等の日の前日以前で、通常の近接日判定では権利落ち後の価格を採ることになる場合死亡日前の最終価格のうち、死亡日に最も近いものを採る
死亡日が株式の割当て等の基準日の翌日以後で、通常の近接日判定では権利落ち前の価格を採ることになる場合死亡日後の最終価格のうち、死亡日に最も近いものを採る

次の一覧は、休日の株式評価に付随して確認したい論点です。株式そのものの単価だけを見ていると、配当期待権や月平均額の修正などを見落とすおそれがあるため、それぞれ別項目として点検します。

月平均額の特例

権利落ちや配当落ちは、死亡日の最終価格だけでなく死亡月、前月、前々月の月平均額にも影響します。通達172の確認が必要です。

配当期待権

配当金交付の基準日の翌日から配当金交付の効力発生日までに亡くなった場合、予想配当から源泉徴収相当額を控除した金額が問題になります。

未収配当金

配当基準日に株主であり、配当金支払前に亡くなった場合、株式の評価とは別に計上が必要になる可能性があります。

特殊な銘柄事情

売買停止、整理銘柄化、上場廃止、合併、株式併合、株式分割、単元未満株などは個別確認が必要です。

重要権利落ち後の株価は、配当や割当の権利が切り離された分だけ形式的に下がることがあります。死亡時点の現況に合わない価格をそのまま使わないよう、証券会社資料や取引所データを確認します。
Section 06

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価の実務手順

証券口座の確認から評価明細書の作成まで、資料と順序を整理します。

実務では、まず死亡日に保有していた上場株式の銘柄、銘柄コード、取扱証券会社、支店、口座区分、保有株数を確定します。ネット証券、対面証券、持株会、外国証券口座、単元未満株サービスなどを見落とさないことが重要です。

次の資料一覧は、株式評価の前提となる数量、価格、配当、売却有無を確認するためのものです。どの資料がどの論点を裏付けるのかを読み取ると、証拠不足による計算ミスを避けやすくなります。

資料確認内容
証券会社の残高証明書死亡日時点の保有銘柄、数量、評価参考情報
取引報告書、年間取引報告書死亡直前の売買、死亡後の売却の有無
配当金支払通知書配当期待権、未収配当金、受取済配当の確認
証券会社の相続手続書類相続手続中の移管、換金、口座凍結状況
被相続人のメモ、通帳、郵便物ネット証券、外国証券、端株、単元未満株の発見

次の時系列は、死亡日が休日で取引がない場合に、どの順序で評価額へ到達するかを示しています。上から順に資料確認、価格決定、月平均額比較、株数乗算、明細書作成へ進むことが重要です。

第1段階

保有銘柄と株数を確定する

死亡日時点の銘柄、数量、口座区分を証券会社の証明書で確認します。

第2段階

死亡日が取引日か確認する

取引所全体の休業日だけでなく、個別銘柄の売買停止や合併なども確認します。

第3段階

死亡日の最終価格として扱う価格を決める

死亡日前後の最も近い終値、同距離の場合の平均、権利落ち等の例外を確認します。

第4段階

3つの月平均額を取得する

死亡月、前月、前々月の終値月平均額を月間相場表や証券会社資料で確認します。

第5段階

4価額のうち最も低い価額を選ぶ

死亡日の最終価格として扱う価格と3つの月平均額を比較します。

第6段階

株数を乗じる

1株当たり評価額に死亡日時点の保有株数を乗じます。

第7段階

評価明細書を作成する

銘柄、取引所、数量、課税時期の最終価格、月平均額、採用価額を整理します。

月平均額は、日本取引所グループの月間相場表で確認できる場合があります。月間相場表は毎月第7営業日に前月データを掲載していると案内されています。証券会社に相続税申告用の残高証明書を依頼すると、4つの比較価格を記載してくれる場合もあります。

保存証券会社の残高証明書、取引所の月間相場表、株価データ、配当資料、権利落ちに関する会社情報は、評価明細書や計算メモと一緒に保存しておくことが望ましいです。
Section 08

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価でよくある誤り

前営業日だけを見る、月平均額を忘れる、売却額に置き換えるといった誤りを避けます。

休日の株式評価では、最初の価格選択だけで安心してしまうと、月平均額や配当、数量確認の漏れにつながります。次の一覧は、評価ミスにつながりやすい典型例を並べたものです。

常に前営業日を使う

通達171の原則は前後の最も近い日です。日曜日に亡くなり翌月曜日が取引日なら、翌月曜日の終値が近い場合があります。

月平均額との比較を忘れる

死亡日の最終価格として扱う価格だけで評価を終えず、死亡月、前月、前々月の月平均額と比較します。

死亡後の売却価格をそのまま使う

売却価格は納税資金や所得税の検討で重要ですが、相続税評価の基準そのものではありません。

権利落ち、配当落ちを確認しない

通常の近接日判定とは違う処理が必要になることがあります。月平均額の特例も確認します。

配当期待権を漏らす

配当基準日後、配当金の支払前に亡くなった場合などでは、株式とは別に相続財産になることがあります。

調整後終値を不用意に使う

相続税評価では、取引所が公表する最終価格や相続税評価用の月平均額との整合性が重要です。

証券口座を見落とす

ネット証券、対面証券、持株会、外国証券口座、単元未満株サービスなどを郵便物や入出金から確認します。

次の比較表は、専門職ごとの主な役割を整理したものです。株式評価が税務、民事紛争、登記、会社価値、金融手続のどこに関係するかを読み分けると、相談先を選びやすくなります。

専門職・機関主な役割
税理士財産評価基本通達169から172、配当期待権、外国株式、投資信託、債券、死亡後売却の所得税影響などを確認します。
弁護士相続人間で株式の評価、売却、分配、使い込み、遺留分、遺産分割方法をめぐる争いがある場合に関与します。
司法書士相続登記、戸籍収集、法定相続情報一覧図、裁判所提出書類作成などで相続全体の手続整理に関与します。
公認会計士非上場株式、会社価値、財務分析、事業承継、複雑な資本取引がある場合に専門性が有用です。
金融機関、証券会社、信託銀行死亡日時点の残高証明書、評価参考価格、配当資料、取引履歴、相続移管手続などを提供します。
Section 09

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価チェックリスト

資料確認から専門職相談まで、漏れやすい項目を順番に確認します。

次のチェックリストは、休日に亡くなった場合の上場株式評価を漏れなく進めるための確認項目です。上から順に、口座・数量・価格・月平均額・配当・資料保存・紛争有無を確認する流れとして読んでください。

チェック項目確認欄
被相続人の全証券口座を確認した
死亡日時点の保有銘柄と株数を証明書で確認した
死亡日が取引日か休業日か確認した
死亡日に終値がない銘柄について、前後の最も近い終値を確認した
前後が同じ近さの場合、平均額を計算した
権利落ち、配当落ち、株式分割、新株割当、無償交付を確認した
財産評価基本通達170、171、172の特例該当性を確認した
死亡月、前月、前々月の月平均額を確認した
4価額のうち最も低い価額を採用した
採用単価に株数を乗じた
配当期待権、未収配当金を確認した
証券会社の残高証明書、月間相場表、株価資料を保存した
上場株式の評価明細書を作成した
相続人間で評価額をめぐる争いがないか確認した
必要に応じて税理士、弁護士、公認会計士に相談した

最終的な理解としては、相続税評価の基準日は死亡日であり、死亡日に最終価格がない場合は前後の最も近い日の最終価格を死亡日の最終価格として扱います。その価格だけで評価を終えず、死亡月、前月、前々月の月平均額と比較し、4価額のうち最も低い価額を1株当たり評価額にします。

Section 10

亡くなった日が土日祝日で取引がない場合の株式評価FAQ

よくある疑問を、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 亡くなった日が土曜日なら、必ず前日の金曜日の終値ですか。

一般的には、金曜日の終値が死亡日に最も近い価格になることが多いとされています。ただし、個別銘柄に最終価格がない場合や、権利落ち、配当落ち、売買停止などの事情によって確認事項は変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 亡くなった日が日曜日なら、前の金曜日と翌月曜日のどちらですか。

一般的には、死亡日に最も近い日の最終価格を使うとされています。通常の日曜日であれば翌月曜日は1日後、前金曜日は2日前なので、翌月曜日の終値を使うことになります。ただし、月曜日が祝日で取引がない場合や特殊事情がある場合は、前後の近さを改めて判定する必要があります。

Q3. 前後の価格が同じ近さならどうしますか。

一般的には、前後の最終価格が2つあり、いずれも死亡日から同じ近さであれば、その2つの平均額を死亡日の最終価格として扱うとされています。ただし、権利落ちや配当落ちなどがあると結論が変わる可能性があります。具体的には、銘柄資料を確認する必要があります。

Q4. 死亡日の最終価格として扱う価格を決めたら、それが評価額ですか。

一般的には、その価格は4価額比較の1つにすぎないとされています。死亡月、前月、前々月の月平均額と比較し、最も低い価額を1株当たりの評価額とします。ただし、商品分類や権利落ち等の事情によって追加確認が必要になることがあります。

Q5. 月平均額は自分で計算する必要がありますか。

一般的には、東京証券取引所上場銘柄については日本取引所グループの月間相場表で確認できる場合があります。証券会社の相続税申告用残高証明書に4価額が記載されることもあります。ただし、権利落ちや特殊事情がある場合は、単純転記で足りるかを確認する必要があります。

Q6. 証券会社の残高証明書の評価額をそのまま使ってよいですか。

一般的には、残高証明書は重要な資料とされています。ただし、記載されている評価額が相続税評価の4価額比較を正しく反映しているか、権利落ちや配当落ちが考慮されているかは確認が必要です。疑問がある場合は、証券会社に算定根拠を照会し、税理士等の専門家に確認する必要があります。

Q7. 亡くなった後すぐに売却しました。売却額で相続税申告できますか。

一般的には、相続税評価は死亡日時点の評価方法によるとされています。死亡後の売却額は、遺産分割、納税資金、所得税の譲渡所得では重要ですが、相続税評価額そのものとは区別します。個別の申告処理は、売却時期や取得費、分割内容によって変わる可能性があります。

Q8. 評価額を低くするために、最も低い取引所や価格サイトを自由に選べますか。

一般的には、国内の複数取引所に上場している株式について、納税義務者が選択した金融商品取引所の価格を用いる枠組みがあります。ただし、根拠資料のある価格を使うこと、同一取引所の価格で整合的に計算すること、特殊事情を説明できることが必要です。価格サイトの調整後終値を安易に使うのは危険です。

Q9. 相続税がかからない場合でも評価は必要ですか。

一般的には、相続税申告が不要な場合でも、遺産分割協議、相続人間の清算、遺留分、換価分割、所得税の取得費確認などのために株式の価格把握が必要になる場合があります。目的によって基準時点や必要資料が変わるため、個別事情に応じた確認が必要です。

Q10. 誰に相談すべきですか。

一般的には、相続税申告が必要または必要か不明な場合は税理士、相続人間で争いがある場合は弁護士、非上場株式や会社価値が問題になる場合は公認会計士、相続登記や戸籍整理が必要な場合は司法書士に相談することが考えられます。具体的な相談先は、財産内容と争点によって変わります。

Reference

参考資料

上場株式評価、取引所休業日、配当期待権、評価明細書に関する公的資料を中心に整理しています。

税務評価に関する資料

  • 国税庁「No.4632 上場株式の評価」
  • 国税庁「財産評価基本通達 169 上場株式の評価」
  • 国税庁「財産評価基本通達 170から172」
  • 国税庁「財産評価基本通達 193 配当期待権の評価」
  • 国税庁「B2-3 上場株式の評価明細書」

法令・市場資料

  • e-Gov法令検索「相続税法 第22条 評価の原則」
  • 日本取引所グループ「内国株の売買制度 売買立会時」
  • 日本取引所グループ「月間相場表」