2σ Guide

相続人の廃除を
家庭裁判所に申し立てる方法

推定相続人の廃除について、民法892条以下の要件、証拠、家庭裁判所の審理、確定後の戸籍・税務・登記を整理します。

800円 収入印紙の目安
1570円 郵便切手例×当事者数
333件 令和6年統計の受理総数
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相続人の廃除を 家庭裁判所に申し立てる方法

推定相続人の廃除について、民法892条以下の要件、証拠、家庭裁判所の審理、確定後の戸籍・税務・登記を整理します。

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相続人の廃除を 家庭裁判所に申し立てる方法
推定相続人の廃除について、民法892条以下の要件、証拠、家庭裁判所の審理、確定後の戸籍・税務・登記を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 相続人の廃除を 家庭裁判所に申し立てる方法
  • 推定相続人の廃除について、民法892条以下の要件、証拠、家庭裁判所の審理、確定後の戸籍・税務・登記を整理します。

POINT 1

  • 相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる方法の全体像
  • 生前廃除、遺言廃除、証拠、審判後の効果までを最初に整理します。
  • 結論 ― 廃除は重大事案で使う厳格な家事審判手続
  • 単なる家族不和や相続人同士の争いを理由に、簡単に相続させない制度ではありません。
  • この重要ポイントは、廃除の対象、申立方法、証拠、審判後の効果をまとめたものです。

POINT 2

  • 相続人の廃除とは何か ― 推定相続人と対象者の範囲
  • 廃除は家族関係を消す制度ではなく、特定の相続関係で相続権を失わせる制度です。
  • 今死亡したと仮定した場合の相続人
  • 相続権を失わせる制度
  • 対象者を分ける基準

POINT 3

  • 相続人の廃除が認められる要件と認められにくい事情
  • 性格が合わない、疎遠である
  • 長年会っていない、帰省しない、親の価値観に合わないという事情だけでは通常弱いと考えられます。
  • 介護を十分にしなかった
  • 具体的な虐待や著しい放置まで証明できない場合、廃除の根拠としては慎重に見られます。

POINT 4

  • 相続人の廃除の生前申立てと遺言廃除の違い
  • 生前廃除と遺言廃除の管轄、証拠、対立リスクを比較します。
  • 各列では、申立人、時期、管轄、証拠上の注意を対比してください。
  • 管轄は、申立時期によって変わります。
  • 管轄を表で確認することが重要なのは、提出先を誤ると手続が遅れ、相続税申告や登記期限への影響が出ることがあるためです。

POINT 5

  • 相続人の廃除申立てに必要な書類・費用・申立書の書き方
  • 戸籍、遺言、証拠、収入印紙、郵便切手を具体的に確認します。
  • 申立てに必要な書類は、身分関係、遺言、証拠、遺言執行者の資格を示す資料に分かれます。
  • 各行では、生前申立てと遺言による申立ての違いを確認してください。
  • 申立書には、当事者、趣旨、理由、証拠を法律要件と結びつけて書きます。

POINT 6

  • 相続人の廃除申立てで重要な証拠の集め方
  • 時系列表、診断書、録音、預金資料などを法律要件に結びつけます。
  • 廃除申立てで最も重要なのは証拠です。
  • 左から日付、出来事、廃除事由、証拠、関係者を対応させて読んでください。
  • 証拠の種類を分けることが重要なのは、暴力、侮辱、財産侵害、介護放棄では、必要な資料と保存方法が異なるためです。

POINT 7

  • 家庭裁判所での審理、廃除確定後の効力と戸籍手続
  • 1. 家庭裁判所へ申立書を出す:収入印紙、郵便切手、戸籍、証拠資料の形式確認を受けます。
  • 2. 相手方への通知や追加資料指示:不適法または理由がないことが明らかな場合を除き、相手方の陳述を聴く手続が予定されます。
  • 3. 申立人と相手方の陳述聴取:関係性、行為内容、継続性、悪質性、原因関係、証拠、代替手段、真意が確認されます。
  • 4. 必要に応じた家庭裁判所調査官の調査:生活実態や家族関係、資料の信用性が見られることがあります。
  • 5. 認容または却下:廃除を認める審判、または申立て却下の審判が出ます。
  • 6. 抗告期間の経過または抗告審:確定後に戸籍届出、遺産分割、登記、税務へ反映します。

POINT 8

  • 相続人の廃除と相続欠格・遺留分放棄・相続放棄の違い
  • 廃除以外の制度、相続税、相続登記、不動産実務への影響を整理します。
  • 廃除と似た制度には、相続欠格、遺留分放棄、相続放棄があります。
  • 各行では、廃除の代替になるのか、別制度として使うのかを読み取ってください。
  • 相続税と登記への影響は、廃除の成否が相続人の範囲を変えるため重要です。

まとめ

  • 相続人の廃除を 家庭裁判所に申し立てる方法
  • 相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる方法の全体像:生前廃除、遺言廃除、証拠、審判後の効果までを最初に整理します。
  • 相続人の廃除とは何か ― 推定相続人と対象者の範囲:廃除は家族関係を消す制度ではなく、特定の相続関係で相続権を失わせる制度です。
  • 相続人の廃除が認められる要件と認められにくい事情:虐待、重大な侮辱、著しい非行を、証拠と結びつけて整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる方法の全体像

生前廃除、遺言廃除、証拠、審判後の効果までを最初に整理します。

相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる方法は、遺留分を有する推定相続人について、被相続人に対する虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行がある場合に、家庭裁判所の審判で相続権を失わせる制度です。単なる家族不和や相続人同士の争いを理由に、簡単に相続させない制度ではありません。

この重要ポイントは、廃除の対象、申立方法、証拠、審判後の効果をまとめたものです。最初に全体像を押さえることが重要なのは、廃除は戸籍、代襲相続、相続税、登記、生命保険、不服申立てまで影響するためです。ここでは、誰が申し立て、何を立証し、確定後に何が残るかを読み取ってください。

結論 ― 廃除は重大事案で使う厳格な家事審判手続

生前は被相続人本人が住所地の家庭裁判所へ申し立て、遺言廃除では相続開始後に遺言執行者が相続開始地の家庭裁判所へ申し立てます。要件は虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行で、証拠に基づく具体的な主張が必要です。

次の比較表は、相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる方法の主要段階を整理したものです。段階ごとに見ることが重要なのは、要件検討、証拠、管轄、審理、不服申立て、戸籍や税務までが連続しているためです。左から右へ、何を確認し、どこでつまずきやすいかを読み取ってください。

段階主な内容実務上の注意点
要件検討対象者が遺留分を有する推定相続人か、廃除事由があるかを確認します。兄弟姉妹は遺留分がないため廃除の対象ではありません。
証拠収集虐待、重大な侮辱、著しい非行を裏付ける資料を集めます。診断書、警察相談記録、写真、録音、メッセージ、預金資料などを時系列で整理します。
方式選択生前申立てか、遺言廃除かを選びます。生前は本人説明が可能で、遺言廃除は死後の証拠不足に注意します。
申立書作成申立趣旨、申立理由、証拠説明を整理します。事実を時系列で特定し、感情論にしないことが重要です。
管轄確認生前は被相続人の住所地、死亡後は相続開始地の家庭裁判所です。家事事件手続法188条の管轄を確認します。
審理審問、相手方の陳述聴取、調査、証拠確認が行われます。相手方には原則として陳述の機会があります。
審判と確定後認容または却下、不服申立て、戸籍届出、登記、税務調整へ進みます。即時抗告、代襲相続、10日以内の戸籍届出、相続税10か月に注意します。
Section 01

相続人の廃除とは何か ― 推定相続人と対象者の範囲

廃除は家族関係を消す制度ではなく、特定の相続関係で相続権を失わせる制度です。

廃除を理解するには、推定相続人、廃除、遺留分、対象者の範囲を区別する必要があります。定義を一覧で確認することが重要なのは、廃除は相続開始後に相続人同士が他の相続人を外す制度ではなく、被相続人本人または遺言執行者が家庭裁判所に請求する制度だからです。各項目では、誰が対象になり、誰が対象外かを読み取ってください。

推定相続人

今死亡したと仮定した場合の相続人

配偶者や子など、被相続人が今死亡した場合に相続人になる予定の人です。廃除は原則として被相続人本人が生前に申し立てるか、遺言で意思表示し相続開始後に遺言執行者が申し立てます。

廃除

相続権を失わせる制度

家庭裁判所の審判により、特定の被相続人との関係で相続権を失わせる制度です。親族関係や扶養義務が当然にすべて消える制度ではありません。

遺留分

対象者を分ける基準

廃除の対象は遺留分を有する推定相続人です。兄弟姉妹には遺留分がないため、廃除ではなく遺言による財産配分などを検討します。

次の比較表は、続柄ごとに廃除の対象になるかを整理しています。対象範囲を見ることが重要なのは、兄弟姉妹や甥姪は廃除ではなく、遺言など別の方法で対応するのが基本になるためです。各行では、遺留分の有無と代襲相続の可能性を確認してください。

続柄廃除対象になるか理由
配偶者なる遺留分を有する推定相続人です。
なる遺留分を有する推定相続人です。
孫などの代襲相続人なる場合がある代襲により遺留分を有する立場になる場合があります。
父母、祖父母など直系尊属なる遺留分を有する推定相続人です。
兄弟姉妹ならない兄弟姉妹には遺留分がありません。
甥、姪原則ならない兄弟姉妹の代襲相続人であり、遺留分がありません。

兄弟姉妹に相続させたくない場合、廃除ではなく、遺言で全財産を別の人に承継させる設計を検討します。兄弟姉妹には遺留分がないため、通常は遺留分侵害額請求の問題が生じません。ただし、相続税、登記、他の相続人との関係は別途確認が必要です。

Section 02

相続人の廃除が認められる要件と認められにくい事情

虐待、重大な侮辱、著しい非行を、証拠と結びつけて整理します。

廃除事由は、虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行です。要件を表で確認することが重要なのは、家庭裁判所は被相続人の強い感情だけで廃除を認めるわけではなく、行為の継続性、悪質性、被害、証拠の信用性を総合して見るためです。各行では、どの行為をどの証拠で示すかを読み取ってください。

類型具体例立証資料の例
身体的虐待暴行、傷害、物を投げつける、押し倒す診断書、負傷写真、警察相談記録、救急搬送記録
精神的虐待長期的な罵倒、脅迫、人格否定、孤立化録音、メッセージ、メール、第三者の陳述書
経済的虐待預金の無断引出し、年金の取り上げ、カードの無断使用通帳、取引履歴、ATM画像照会、家計記録
介護放棄介護義務を負う状況での著しい放置介護記録、ケアマネジャー記録、医療記録
重大な侮辱公然の侮辱、虚偽の悪評拡散、SNSでの人格攻撃録音、投稿記録、親族や近隣の陳述書
その他の著しい非行財産使い込み、重大犯罪、多額債務を負わせる行為、生活破壊預金資料、契約書、刑事資料、医療や介護の記録

次の一覧は、廃除が認められにくい典型例をまとめたものです。弱い事情を先に確認することが重要なのは、家族関係の不満と民法892条の廃除事由は同じではないためです。各項目では、具体的な虐待、侮辱、著しい非行の証明につながるかを読み取ってください。

性格が合わない、疎遠である

長年会っていない、帰省しない、親の価値観に合わないという事情だけでは通常弱いと考えられます。

介護を十分にしなかった

具体的な虐待や著しい放置まで証明できない場合、廃除の根拠としては慎重に見られます。

被相続人が一方的に嫌悪している

遺産を渡したくない気持ちだけでは、重大な非行の証明になりません。

相続人同士が争っている

相続開始後の相続人同士の争い自体は、原則として廃除事由ではありません。

介護型の事案では、単に介護に協力しないことと、要介護者を長期間放置したり介護名目で財産を流用したりすることを分けます。この区別が重要なのは、介護負担の偏りだけでは廃除事由になりにくい一方、生命身体への危険や財産侵害が具体的に示されると評価が変わりうるためです。次の表では、類型ごとの強弱を確認してください。

類型廃除事由になりやすいか補足
単に介護に協力しない低い家族関係の不満にとどまる場合が多いです。
介護費を負担しない低いから中具体的義務、資力、経緯によります。
要介護者を長期間放置中から高生命身体への危険、医療記録が重要です。
介護名目で財産を流用中から高預金資料、介護費との対応が重要です。
面会妨害、支配、隔離中から高虐待、経済的虐待、精神的虐待の立証が必要です。
Section 03

相続人の廃除の生前申立てと遺言廃除の違い

生前廃除と遺言廃除の管轄、証拠、対立リスクを比較します。

廃除の申立方法は、生前廃除と遺言廃除の二つに分かれます。二つを比較することが重要なのは、本人が生前に説明できるか、死後に遺言執行者が証拠で説明するかで、準備すべき資料とリスクが変わるためです。各列では、申立人、時期、管轄、証拠上の注意を対比してください。

項目生前廃除遺言廃除
申立人被相続人本人遺言執行者
申立時期被相続人生存中被相続人死亡後
管轄被相続人の住所地の家庭裁判所相続開始地の家庭裁判所
本人説明可能不可能
相手方との対立生前に顕在化しやすい生前は顕在化しにくい
証拠上の注意本人の陳述を証拠化します。死後に説明できる客観資料が必須です。
適する事案安全を確保でき、本人が申立てに耐えられる場合生前の対立激化を避けたいが、証拠が厚い場合

管轄は、申立時期によって変わります。管轄を表で確認することが重要なのは、提出先を誤ると手続が遅れ、相続税申告や登記期限への影響が出ることがあるためです。生前と死亡後のどちらかを、被相続人の住所地または相続開始地で読み分けてください。

場面管轄
被相続人が生前に申し立てる被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所
遺言執行者が死亡後に申し立てる相続開始地を管轄する家庭裁判所

遺言廃除を選ぶ場合は、遺言に廃除意思を書くことだけでは足りません。公正証書遺言、遺言執行者の明確な指定、廃除事由の具体的記載、証拠ファイル、陳述書、日記、医療記録、警察相談記録、財産流出資料、録音、第三者証言、証拠保管場所の一覧を、生前のうちに整えることが重要です。

注意暴力、脅迫、虐待、住所を知られたくない事情がある場合は、安全確保、住所秘匿、警察相談、保護命令、別居、代理人の関与を先に検討します。
Section 04

相続人の廃除申立てに必要な書類・費用・申立書の書き方

戸籍、遺言、証拠、収入印紙、郵便切手を具体的に確認します。

申立てに必要な書類は、身分関係、遺言、証拠、遺言執行者の資格を示す資料に分かれます。書類を一覧で見ることが重要なのは、家庭裁判所ごとの運用で追加資料や郵便切手が変わる一方、基本となる戸籍や遺言資料は事案整理の土台になるためです。各行では、生前申立てと遺言による申立ての違いを確認してください。

区分添付書類の例
生前申立て申立人である被相続人の戸籍謄本または全部事項証明書
遺言による申立て遺言者の死亡が記載された戸籍、除籍、改製原戸籍謄本など
共通相手方の戸籍謄本または全部事項証明書
遺言による申立て遺言書の写し、または遺言書の検認調書謄本の写し
家庭裁判所選任の遺言執行者が申し立てる場合遺言執行者選任の審判謄本の写し

申立書には、当事者、趣旨、理由、証拠を法律要件と結びつけて書きます。記載項目を確認することが重要なのは、「親不孝」「財産を渡したくない」といった抽象的表現では、虐待、重大な侮辱、著しい非行の具体性が伝わらないためです。各項目では、どの事実をどの証拠で裏付けるかを読み取ってください。

項目内容
申立人生前廃除では被相続人、遺言廃除では遺言執行者です。
相手方廃除を求める推定相続人です。
事件本人裁判所の様式によっては、廃除対象者を事件本人として記載します。
申立ての趣旨相手方を申立人または遺言者の推定相続人から廃除するとの審判を求める旨です。
申立ての理由廃除事由にあたる具体的事実を時系列で記載します。
証拠診断書、写真、録音反訳、メール、メッセージ、預金資料、陳述書などです。
添付書類戸籍、遺言書写し、検認調書、遺言執行者選任審判書などです。

費用は家庭裁判所ごとに最新案内を確認しますが、那覇家庭裁判所の令和6年10月版一覧では、収入印紙800円、郵便切手例として500円2枚、100円1枚、110円4枚、20円1枚、10円1枚、合計1570円に当事者数を掛けた額が示されています。相手方が複数いる場合や追加送達が必要な場合は、追加の郵便切手を求められることがあります。

申立理由は、身分関係、相手方が遺留分を有する推定相続人であること、問題行為の発生時期・場所・内容、廃除事由にあたる理由、被害、一時的衝突ではない事情、証拠との対応関係、廃除以外の手段では足りない理由の順に組み立てます。

Section 05

相続人の廃除申立てで重要な証拠の集め方

時系列表、診断書、録音、預金資料などを法律要件に結びつけます。

廃除申立てで最も重要なのは証拠です。時系列表で整理することが重要なのは、家庭裁判所が「いつ、どこで、誰が、何をし、どの被害が生じたか」を具体的に確認するためです。左から日付、出来事、廃除事由、証拠、関係者を対応させて読んでください。

日付出来事廃除事由との関係証拠関係者
2024年5月1日相手方が被相続人に暴行し、右腕に打撲虐待診断書、写真、警察相談記録近隣住民A
2024年8月10日相手方が被相続人の口座から無断で50万円を出金著しい非行通帳、取引履歴、ATM照会資料銀行担当者
2025年1月15日親族会議で被相続人を公然と侮辱重大な侮辱録音、出席者陳述書親族B、C

次の比較表は、典型的な証拠と使い方を整理したものです。証拠の種類を分けることが重要なのは、暴力、侮辱、財産侵害、介護放棄では、必要な資料と保存方法が異なるためです。各行では、資料の内容だけでなく、日時、作成者、原データ、信用性の説明まで意識してください。

証拠使い方注意点
診断書暴行、ストレス障害、不眠、うつ症状などを裏付けます。受診日、受傷機転、医師の所見を確認します。
写真、動画傷、破壊された物、生活状況を示します。撮影日時、撮影者、改変の有無を説明します。
録音脅迫、侮辱、暴言を示します。反訳文を作り、該当部分を特定します。
メッセージ、メール、SMS侮辱、脅迫、金銭要求を示します。スクリーンショットだけでなく原データ保存を意識します。
警察相談記録暴力、脅迫、ストーカー、DVの相談履歴を示します。相談受理番号、相談日を控えます。
介護記録放置、面会妨害、虐待を示します。ケアマネジャー、訪問看護、施設記録を確認します。
預金取引履歴無断出金、使い込みを示します。使途不明金の特定と相手方の関与が必要です。
第三者陳述書目撃者、親族、近隣住民の説明を示します。具体性、署名、日付、連絡先を整えます。
日記、メモ継続的な被害を示します。作成時期と継続性が信用性を支えます。

証拠収集では、適法性を意識することが重要です。相手方のスマートフォンに無断でログインする、クラウドアカウントを盗み見る、郵便物を開封する、第三者の会話を盗聴する、住居に侵入して資料を持ち出すなどは、刑事、民事、家事手続上のリスクがあります。自分が参加している会話の録音、自己の通帳や医療記録の保管、相手方から届いたメッセージの保存など、安全な方法で資料化します。

Section 06

家庭裁判所での審理、廃除確定後の効力と戸籍手続

審問、相手方の陳述聴取、即時抗告、代襲相続、戸籍届出を確認します。

家庭裁判所での審理は、申立書提出、形式確認、相手方への通知、追加資料、審問、調査、審判、不服申立て、戸籍や相続手続への反映という順で進みます。手続の順番を見ることが重要なのは、相手方の陳述聴取や即時抗告が予定され、単に書類を出せば終わる制度ではないためです。上から下へ、各段階で何が確認されるかを読んでください。

提出

家庭裁判所へ申立書を出す

収入印紙、郵便切手、戸籍、証拠資料の形式確認を受けます。

通知・照会

相手方への通知や追加資料指示

不適法または理由がないことが明らかな場合を除き、相手方の陳述を聴く手続が予定されます。

審問

申立人と相手方の陳述聴取

関係性、行為内容、継続性、悪質性、原因関係、証拠、代替手段、真意が確認されます。

調査

必要に応じた家庭裁判所調査官の調査

生活実態や家族関係、資料の信用性が見られることがあります。

審判

認容または却下

廃除を認める審判、または申立て却下の審判が出ます。

確定

抗告期間の経過または抗告審

確定後に戸籍届出、遺産分割、登記、税務へ反映します。

審問で確認されやすい事項は、主張の強さだけでなく、具体的事実と証拠の対応です。観点を表で見ることが重要なのは、廃除は相手方の相続権を失わせる重大な手続であり、家庭裁判所が慎重に判断するためです。各行では、どの事情が廃除事由の評価に関わるかを読み取ってください。

観点確認される内容
関係性親子、配偶者、直系尊属としての生活実態
行為内容虐待、侮辱、非行の具体的日時、場所、態様
継続性単発か、反復継続しているか
悪質性被相続人の生命、身体、精神、財産にどの程度影響したか
原因関係被相続人側の言動、家族全体の紛争背景
証拠主張を裏付ける客観資料があるか
代替手段遺言、遺留分放棄、財産管理などでは足りないか
真意被相続人の意思が自由で明確か

廃除が確定すると、廃除された推定相続人はその被相続人について相続権と遺留分を失います。ただし、廃除の効果は原則として本人に及び、子などの直系卑属に当然に及ぶわけではありません。廃除された子に子がいる場合、孫が代襲相続人となることがあります。

戸籍では、推定相続人の廃除または取消しの審判が確定したとき、裁判所書記官が廃除された者の本籍地の戸籍事務を扱う者へ通知する規律があります。市区町村の案内では、審判確定の日から10日以内に推定相続人廃除届を提出する必要があると説明されています。審判書謄本、確定証明書、戸籍届書を確認し、金融機関、不動産登記、相続税申告で使える形に整えます。

不服申立て推定相続人の廃除の審判に対しては廃除された推定相続人が、廃除または取消しの申立てを却下する審判に対しては申立人が、即時抗告をすることができます。審判書を受け取ったら抗告期間と追加証拠を直ちに確認します。
Section 08

相続人の廃除を申し立てる前の戦略と司法統計

廃除以外の選択肢、統計、相手方の反論を踏まえて準備します。

実務上の戦略では、廃除を唯一の選択肢にせず、遺言、遺留分対策、財産管理、信託、生命保険、返還請求、安全確保を比較します。戦略を一覧で見ることが重要なのは、廃除のハードルが高く、事案によっては別制度の方が実効的なことがあるためです。各項目では、廃除と並行または代替で検討する手段を読み取ってください。

検討する手段実務上の意味
遺言で相続分を最小化する廃除が認められない場合に備えて財産承継先を明確にします。
遺留分侵害額請求に備える請求される可能性と支払資金を設計します。
遺留分放棄を検討する権利者本人の意思と家庭裁判所の許可が前提です。
家族信託や任意後見を使う財産管理や判断能力低下への備えとして検討します。
生前贈与や生命保険を整理する税務上の影響と受取人を確認します。
使い込みには返還請求を検討する廃除とは別に不当利得返還や損害賠償が問題になります。
暴力や虐待では安全確保を優先する警察、保護命令、自治体相談、住所秘匿を先に検討します。

司法統計は、制度の位置づけを知る手がかりになります。数値を確認することが重要なのは、廃除が大量に認められる制度ではなく、限られた重大事案で厳格に判断されることを理解できるためです。次の表では、令和6年司法統計年報の該当分類に含まれる件数を、成功率の単純な数字ではなく制度の重さとして読んでください。

項目件数
受理総数333件
新受202件
既済210件
認容49件
却下88件
取下げ69件
その他4件
未済123件

申立て後に相手方が反論してくる場面では、あらかじめ反論を想定した証拠準備が必要です。反論と対応を表で見ることが重要なのは、事実否認、誤解、被相続人側の原因、判断能力の争いなどが審理の中心になることがあるためです。各行では、どの証拠で補強するかを確認してください。

反論対応
事実はない証拠で日時、場所、行為を特定します。
被相続人の言い分は誤解第三者証言、客観資料で補強します。
被相続人側にも原因がある事情を認めつつ、相手方行為の重大性を示します。
一時的な口論にすぎない継続性、悪質性、被害の深刻さを示します。
財産管理は本人の同意があった判断能力、同意の範囲、使途を検討します。
遺言者は認知症だった遺言作成時の診断書、面談記録、公証人関与を示します。
Section 09

相続人の廃除申立てでよくある質問

FAQは一般的な制度説明にとどめ、具体的な対応は資料に基づいて確認します。

よくある質問では、兄弟姉妹、絶縁状態、相続人同士の争い、遺言廃除、専門家なしの申立て、代襲相続、生命保険、住所情報の扱いを一般情報として整理します。質問ごとに確認することが重要なのは、廃除は個別事情と証拠で結論が大きく変わる制度だからです。各回答では、制度上の原則と確認すべき例外を読み取ってください。

Q1

兄弟姉妹を廃除できますか

一般的には、兄弟姉妹には遺留分がないため廃除の対象ではありません。相続させたくない場合は、遺言で財産承継先を指定する方法を検討します。

Q2

子どもと絶縁状態なら廃除できますか

一般的には、絶縁状態だけでは足りません。長年会っていない、連絡がないという事情だけでなく、虐待、重大な侮辱、著しい非行を具体的に立証する必要があります。

Q3

相続人同士でもめたので廃除できますか

一般的には、相続人同士が申し立てて他の相続人を廃除する制度ではありません。相続開始後の争いでは、遺産分割調停、返還請求、遺留分、遺言無効など別手続を検討します。

Q4

遺言に廃除すると書くだけで足りますか

一般的には、遺言に廃除意思を書くことは出発点ですが、それだけで当然に廃除されるわけではありません。遺言執行者が家庭裁判所へ申し立て、廃除事由を立証する必要があります。

Q5

弁護士なしで申し立てられますか

法律上は本人申立ても可能です。ただし、要件判断、証拠構成、相手方の反論、審問、即時抗告、税務、登記まで波及するため、争いが見込まれる場合は弁護士等へ相談する必要があります。

Q6

廃除された人の子どもは相続できますか

一般的には、廃除の効果は本人に及ぶのが原則です。廃除された子の子、つまり孫が代襲相続人となる場合があるため、代襲相続を含めた設計が必要です。

Q7

確定前に被相続人が死亡したらどうなりますか

一般的には、廃除または取消しの請求後、審判確定前に相続が開始した場合、家庭裁判所が遺産管理について必要な処分を命じることがあります。散逸のおそれがあれば早期相談が必要です。

Q8

廃除されたら生命保険金も受け取れませんか

生命保険金は、契約形態、受取人指定、保険料負担者により扱いが変わります。相続税上のみなし相続財産や非課税枠も関係するため、保険会社、弁護士、税理士に確認します。

Q9

住所を知られますか

家事手続では申立書や資料の送付、閲覧などで住所情報の扱いが問題になることがあります。暴力、脅迫、DV、虐待がある場合は、提出前に住所秘匿や非開示の案内を確認します。

Reference

この記事の参考情報源

公的・中立的な資料

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 衆議院「家事事件手続法」
  • Japanese Law Translation「家事事件手続規則」
  • 裁判所「家事審判で使う書式」
  • 那覇家庭裁判所「添付書類・予納郵券一覧表」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 裁判所「遺留分放棄の許可」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
  • 国税庁「財産を相続したとき」
  • 国税庁「相続税の計算」
  • 国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」
  • e-Gov法令検索「戸籍法」
  • 大阪市「推定相続人廃除届」
  • 最高裁判所「司法統計年報 家事編」