2σ Guide

保険会社との示談交渉で
最初に確認すべきこと

交通事故の示談交渉は、提示額だけで判断するものではありません。事故記録、医療、保険、過失、損害、労災、時効、清算条項を順に確認してから署名を検討します。

10項目署名前チェック
120万円自賠責傷害限度額
3年主な請求期限
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

保険会社との示談交渉で 最初に確認すべきこと

交通事故の示談交渉は、提示額だけで判断するものではありません。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
保険会社との示談交渉で 最初に確認すべきこと
交通事故の示談交渉は、提示額だけで判断するものではありません。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 保険会社との示談交渉で 最初に確認すべきこと
  • 交通事故の示談交渉は、提示額だけで判断するものではありません。

POINT 1

  • 保険会社との示談交渉で最初に確認すべきことの全体像
  • 提示額の大小より先に、事故、医療、保険、過失、損害、清算範囲を確認します。
  • 警察届出と医師の診断
  • 治療終了と症状固定
  • 保険と公的制度

POINT 2

  • 保険会社との示談交渉前に警察届出と交通事故証明書を確認する
  • 1. 安全確保、救護、110番通報:現場で示談せず、負傷者救護、危険防止、警察への報告を優先します。
  • 2. 医師の診断を受ける:頚部痛、腰痛、しびれ、めまい、頭痛、耳鳴り、不眠などがあれば、事故後の症状として診療記録に残します。
  • 3. 交通事故証明書を確認する:警察に届出されていない事故は証明書を申請できないため、保険請求や交渉の入口として取得可否を確認します。
  • 4. けががある場合の扱いを確認する:交通事故証明書が物件事故でも医療記録で受傷が認められる余地はありますが、交渉上は初動の記録が重要です。

POINT 3

  • 保険会社との示談交渉では相手方と自分側の保険を分けて確認する
  • 相手方の支払主体、自分側の補償、労災や健康保険を混同しないことが重要です。
  • 人身傷害、搭乗者傷害、車両保険
  • 弁護士費用特約
  • 家族の自動車保険や火災保険

POINT 4

  • 保険会社との示談交渉前に治療終了、症状固定、後遺障害を確認する
  • 初診と傷病名
  • 初診日が事故日と近く、傷病名が事故態様と整合しているかを確認します。
  • 通院と検査
  • 通院頻度が症状と整合し、レントゲン、CT、MRIなど必要な画像検査が行われているかを確認します。

POINT 5

  • 保険会社との示談交渉では過失割合と損害項目を内訳で確認する
  • 総額ではなく、証拠、基準、計算式、既払金控除を分けて見ます。
  • 過失割合は印象ではなく証拠で検討され、総損害額が大きいほど数パーセントの差が結果に影響します。
  • 示談金の総額だけを見ると、抜けている項目に気づきにくいため重要です。
  • 保険会社の提示額がどの基準の考え方に近いかで検証方法が変わるため重要です。

POINT 6

  • 保険会社との示談交渉で労災、健康保険、公的制度を確認する
  • 業務中、通勤中、健康保険利用、障害や介護がある事故では調整が必要です。
  • 示談金だけでは生活再建が完結しない事故では特に重要です。
  • 次の重要ポイントは、時効と請求期限を日付ごとに管理する考え方です。
  • 交渉が続いていても期限管理は別に必要なため重要です。

POINT 7

  • 保険会社との示談交渉では示談書と清算条項を最後にもう一度確認する
  • 治療や症状固定が未整理
  • まだ通院中、症状固定の意味を理解できていない、後遺障害診断書を作成していない場合です。
  • 損害資料が不足
  • 休業損害資料が未提出、自営業、会社役員、家事従事者の基礎収入が争点である場合です。

POINT 8

  • 保険会社との示談交渉で事案別に確認すべきポイント
  • むち打ち、骨折、頭部外傷、死亡事故、子ども、高齢者では資料の重点が変わります。
  • 症状や被害者属性によって必要資料が変わるため重要です。
  • 各項目から、どの医療記録、生活記録、法的確認を優先すべきかを読み取ります。
  • 画像に明確な異常が出ないことが多く、症状の連続性、通院頻度、神経学的所見が重要です。

まとめ

  • 保険会社との示談交渉で 最初に確認すべきこと
  • 保険会社との示談交渉で最初に確認すべきことの全体像:提示額の大小より先に、事故、医療、保険、過失、損害、清算範囲を確認します。
  • 保険会社との示談交渉前に警察届出と交通事故証明書を確認する:事故現場で終わらせず、事故の存在と受傷の記録を残すことが入口です。
  • 保険会社との示談交渉では相手方と自分側の保険を分けて確認する:相手方の支払主体、自分側の補償、労災や健康保険を混同しないことが重要です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

保険会社との示談交渉で最初に確認すべきことの全体像

提示額の大小より先に、事故、医療、保険、過失、損害、清算範囲を確認します。

保険会社との示談交渉で最初に確認すべきことは、単に提示額が高いか低いかではありません。事故が適切に記録され、治療や症状固定、後遺障害、相手方と保険関係、過失割合、損害項目、証拠、時効、清算条項が整理されているかを確認することです。

次の一覧は、示談交渉に入る前の核心を五つに圧縮したものです。読者にとって重要なのは、どの確認がどのリスクを防ぐのかを理解することです。初動、医療、保険、証拠、署名の順で読み取ると、交渉前の土台が見えます。

01

警察届出と医師の診断

事故が記録され、人身事故として扱うべき事案であれば診断書と届出が整っているかを確認します。

02

治療終了と症状固定

治療が終了または症状固定に至り、後遺障害の検討を終えているかを確認します。

03

保険と公的制度

相手方、保険会社、自賠責、任意保険、自分側保険、労災、健康保険の関係を整理します。

04

過失と損害の根拠

過失割合、事故態様、損害項目、証拠の対応関係を説明できるかを確認します。

05

清算範囲の理解

示談書や免責証書への署名で、どの請求を放棄し、どの紛争が終わるのかを理解します。

次の強調点は、示談交渉の本質を一文でまとめたものです。示談は裁判所が金額を決める手続ではなく、合意で紛争を終わらせる手続です。

示談は「終わらせる合意」です

治療中、症状固定前、後遺障害診断書作成前、過失割合争いが残る段階、休業損害資料が未提出の段階では、示談書への署名を慎重に扱う必要があります。

Section 01

保険会社との示談交渉は署名前の10項目から確認する

事故証明、保険、治療、後遺障害、過失、損害、時効、清算条項を順に点検します。

次の比較表は、署名前に確認する10項目を、確認する理由と主な資料に分けて整理したものです。右列の資料がそろっていない項目は、示談前に追加確認が必要な合図として読み取ります。

確認項目確認する理由主な資料
警察届出と交通事故証明書事故の存在、人身扱い、保険請求の基礎になります。交通事故証明書、実況見分関連資料
相手方情報誰に請求できるかを特定します。運転免許証、車検証、保険証券、名刺
自分側の保険弁護士費用特約、人身傷害、車両保険を確認します。自動車保険証券、火災保険、共済
治療状況示談開始時期を誤らないためです。診断書、診療報酬明細書、画像検査
症状固定と後遺障害将来損害を取りこぼさないためです。後遺障害診断書、MRI、CT、神経学的所見
過失割合賠償額を大きく左右します。ドライブレコーダー、現場写真、信号サイクル、実況見分
損害項目の網羅性治療費だけでなく全損害を確認します。領収書、休業損害証明、確定申告書
労災、健康保険、公的給付二重取り、求償、控除を避けるためです。第三者行為災害届、第三者行為による傷病届
時効と請求期限交渉中に権利を失わないようにします。事故日、症状固定日、死亡日、請求履歴
示談書の清算条項署名後に追加請求できないリスクを避けます。示談書、免責証書、承諾書

次の判断の流れは、署名前に止まるべき代表場面を示しています。分岐には意味があり、未確認項目がある場合は右へ進まず、資料確認へ戻る読み方をします。

署名前の判断手順

示談書または免責証書が届く

まず金額より先に、損害範囲と清算条項を確認します。

未確認の損害や制度調整があるか

通院中、症状固定前、後遺障害未検討、休業資料未提出、求償未整理なら要注意です。

ある
署名を急がない

根拠資料、留保条項、専門家確認を優先します。

ない
内訳と支払条件を確認

総額、既払金、最終支払額、期限、振込先が一致するかを確認します。

Section 02

保険会社との示談交渉前に警察届出と交通事故証明書を確認する

事故現場で終わらせず、事故の存在と受傷の記録を残すことが入口です。

次の時系列は、事故直後から示談交渉の入口までに必要な初動を並べたものです。順番には意味があり、警察届出と医師の診断が遅れると、事故の存在や受傷との関係を説明しにくくなります。

事故直後

安全確保、救護、110番通報

現場で示談せず、負傷者救護、危険防止、警察への報告を優先します。

当日から早期

医師の診断を受ける

頚部痛、腰痛、しびれ、めまい、頭痛、耳鳴り、不眠などがあれば、事故後の症状として診療記録に残します。

証明取得

交通事故証明書を確認する

警察に届出されていない事故は証明書を申請できないため、保険請求や交渉の入口として取得可否を確認します。

人身扱い

けががある場合の扱いを確認する

交通事故証明書が物件事故でも医療記録で受傷が認められる余地はありますが、交渉上は初動の記録が重要です。

次の比較表は、初動で確認する証拠を種類別にまとめたものです。後から過失割合や損害額を交渉するときも、事故直後の客観資料に戻って検証されます。

資料確認する内容
交通事故証明書当事者、車両、事故類型、人身物件の別を確認します。
実況見分関係資料指示説明、衝突地点、危険認知地点、停止位置を検討します。
現場写真停止線、横断歩道、見通し、道路幅、標識、路面状況を記録します。
ドライブレコーダー、防犯カメラ速度、信号、車線、ウインカー、ブレーキ、回避動作、進入順を確認します。
車両損傷写真衝突部位、衝突角度、速度感、二次衝突を検討します。
目撃者供述信号、速度、一時停止、歩行者や自転車の動きを確認します。
Section 03

保険会社との示談交渉では相手方と自分側の保険を分けて確認する

相手方の支払主体、自分側の補償、労災や健康保険を混同しないことが重要です。

次の比較表は、請求先と支払に関係する相手を分けて整理したものです。誰が何を支払うのか、誰が交渉窓口なのかを読み取ることが重要です。

関係者確認事項
運転者氏名、住所、連絡先、運転免許証、勤務中かどうか
車両所有者車検証上の所有者または使用者
使用者、雇主業務中事故の場合の会社名、担当部署、連絡先
任意保険会社会社名、担当者、事故受付番号、対人対物の有無
自賠責保険会社保険会社名、証明書番号、契約期間
共済共済の種類、契約番号、担当部署
修理業者物損調査、損傷写真、見積書、全損判断

次の一覧は、自分側で確認すべき保険と制度をまとめたものです。相手方保険会社との交渉だけに意識が向くと、自分の補償や費用特約を見落とすため重要です。

自動車保険

人身傷害、搭乗者傷害、車両保険

相手方からの賠償とは別に、自分側の契約で補償される項目がないか確認します。

特約

弁護士費用特約

法律相談や交渉依頼の費用が補償される場合があります。過失割合争い、無保険、治療打切り、後遺障害、休業損害がある事故では早期確認が重要です。

家族契約

家族の自動車保険や火災保険

同居親族、別居未婚子、火災保険、傷害保険、個人賠償責任特約などの補償対象を確認します。

公的制度

労災、健康保険

業務中、通勤中の事故では労災保険が関係します。健康保険を使う場合は第三者行為による傷病届が問題になります。

Section 04

保険会社との示談交渉前に治療終了、症状固定、後遺障害を確認する

治療中の示談は、将来の治療費、慰謝料、逸失利益を取りこぼす危険があります。

次の重要ポイントは、治療中に示談しない理由を損害項目ごとに整理したものです。読者にとって重要なのは、治療費の一括対応終了と医学的な治療終了が同じではない点です。

治療中治療中に示談すると、将来の治療費、追加通院期間の慰謝料、追加休業期間の休業損害、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益、将来介護費、装具費、住宅改造費、精神症状や就労制限の評価が未確定のまま清算される危険があります。

次の比較表は、後遺障害の検討が必要になりやすい症状や所見を診療分野ごとにまとめたものです。分野ごとに見ることで、見た目の重さだけで判断しないことが分かります。

分野注意すべき症状、所見
整形外科頚部痛、腰痛、しびれ、骨折後の可動域制限、関節不安定性、変形、神経根症状
脳神経外科頭部外傷、意識障害、脳挫傷、脳出血、記憶障害、注意障害、遂行機能障害
耳鼻咽喉科めまい、耳鳴り、難聴、平衡機能障害
眼科視力低下、視野障害、複視、眼球運動障害
形成外科醜状痕、瘢痕拘縮、顔面外傷
精神科、心療内科PTSD、不安、抑うつ、不眠、パニック症状
リハビリ歩行障害、巧緻運動障害、ADL制限、復職困難

次の一覧は、示談前に最低限確認したい医療資料をまとめたものです。医師の診断書、診療録、画像所見、検査結果、後遺障害診断書は、法律、保険、後遺障害実務の中心資料になるため重要です。

初診と傷病名

初診日が事故日と近く、傷病名が事故態様と整合しているかを確認します。

通院と検査

通院頻度が症状と整合し、レントゲン、CT、MRIなど必要な画像検査が行われているかを確認します。

神経症状

徒手筋力検査、深部腱反射、知覚検査などが記録されているかを確認します。

症状固定と診断書

症状固定日、自覚症状、他覚所見、検査結果、就労制限が具体的に記載されているかを確認します。

Section 05

保険会社との示談交渉では過失割合と損害項目を内訳で確認する

総額ではなく、証拠、基準、計算式、既払金控除を分けて見ます。

次の比較表は、過失割合を検証するための証拠を種類別に整理したものです。過失割合は印象ではなく証拠で検討され、総損害額が大きいほど数パーセントの差が結果に影響します。

証拠確認内容
ドライブレコーダー速度、信号、車線、ウインカー、ブレーキ、回避動作
防犯カメラ交差点進入順、信号サイクル、歩行者の位置
現場写真停止線、横断歩道、見通し、道路幅、標識
車両損傷写真衝突部位、衝突角度、速度感、二次衝突
EDR、ECUデータ速度、制動、アクセル開度、衝突前挙動

次の比較表は、人身損害の基本項目を、内容と主な資料に分けてまとめたものです。示談金の総額だけを見ると、抜けている項目に気づきにくいため重要です。

損害項目内容主な資料
治療費診察、投薬、処置、手術、入院、リハビリ診療報酬明細書、領収書
通院交通費電車、バス、タクシー、自家用車交通費明細、領収書、経路
休業損害事故により働けなかった収入減休業損害証明、給与明細、源泉徴収票
家事従事者の休業損害家事労働に支障が出た損害家族構成、症状、通院日数
入通院慰謝料傷害による精神的苦痛通院期間、実通院日数、傷病内容
後遺障害慰謝料後遺障害が残った精神的苦痛後遺障害等級、診断書
後遺障害逸失利益将来の労働能力低下による減収収入資料、労働能力喪失率、年齢
将来介護費重度後遺障害で将来必要な介護費医師意見、介護計画、家族負担

次の比較表は、賠償額の算定基準を三層に分けたものです。保険会社の提示額がどの基準の考え方に近いかで検証方法が変わるため重要です。

基準性質特徴
自賠責基準法令、支払基準に基づく基本補償最低限の対人補償として機能し、限度額があります。
任意保険基準各保険会社の内部的な支払実務公開されないことが多く、提示額は交渉上の提案です。
裁判実務基準裁判例、実務文献に基づく算定弁護士交渉や訴訟で参照されることが多い基準です。
Section 06

保険会社との示談交渉で労災、健康保険、公的制度を確認する

業務中、通勤中、健康保険利用、障害や介護がある事故では調整が必要です。

次の比較表は、労災、健康保険、障害福祉、介護、就労支援、心理支援を専門職と確認内容に分けたものです。示談金だけでは生活再建が完結しない事故では特に重要です。

制度関与専門職確認内容
労災保険社会保険労務士、労基署療養補償、休業補償、障害補償、第三者行為災害届
健康保険社会保険労務士、保険者傷病手当金、第三者行為による傷病届
障害年金社会保険労務士初診日、障害認定日、診断書、就労状況
障害福祉社会福祉士、市区町村身体障害者手帳、障害福祉サービス、補装具
介護保険ケアマネジャー要介護認定、介護サービス、住宅改修
就労支援産業医、人事、職業カウンセラー復職可否、配置転換、合理的配慮
心理支援公認心理師、臨床心理士PTSD、不眠、不安、家族支援

次の重要ポイントは、時効と請求期限を日付ごとに管理する考え方です。交渉が続いていても期限管理は別に必要なため重要です。

期限管理事故日、初診日、最終通院日、症状固定日、後遺障害等級認定日、死亡日、保険会社への請求日、示談案受領日はメモ化します。自賠責保険の被害者請求では、傷害は事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内、死亡は死亡日の翌日から3年以内が問題になります。
Section 07

保険会社との示談交渉では示談書と清算条項を最後にもう一度確認する

金額より先に、何を清算し、何を残すのかを読みます。

次の比較表は、示談書や免責証書で見るべき文言を確認対象ごとに整理したものです。署名前の最終確認として重要で、左列の項目ごとに、右列の文言が自分の理解と一致しているかを読み取ります。

確認対象見るべき文言
事故の特定日時、場所、当事者、車両番号に誤りがないか
損害範囲人身、物損、後遺障害、死亡、労災、健康保険求償を含むか
金額総額、既払金、最終支払額が一致するか
支払期限いつまでに、誰が、どこへ支払うか
過失割合合意した割合と一致しているか
後遺障害等級、後遺障害慰謝料、逸失利益を含むか
留保条項未確定の後遺障害、労災、健康保険求償等が残されているか
清算条項今後一切請求しない内容になっていないか
口外禁止不必要に広すぎないか
遅延損害金支払遅延時の扱いがあるか

次の一覧は、署名を急ぐべきではない典型例をまとめたものです。読者にとって重要なのは、一つでも該当すれば金額の検討前に未確認事項へ戻ることです。

治療や症状固定が未整理

まだ通院中、症状固定の意味を理解できていない、後遺障害診断書を作成していない場合です。

損害資料が不足

休業損害資料が未提出、自営業、会社役員、家事従事者の基礎収入が争点である場合です。

過失や範囲が不明

過失割合の根拠が示されていない、物損だけのつもりなのに人身も清算する文言がある場合です。

制度調整が残る

労災や健康保険の求償関係が未整理、相手方が無保険またはひき逃げで政府保障事業の検討が必要な場合です。

Section 08

保険会社との示談交渉で事案別に確認すべきポイント

むち打ち、骨折、頭部外傷、死亡事故、子ども、高齢者では資料の重点が変わります。

次の一覧は、事案別に初期確認の重点をまとめたものです。症状や被害者属性によって必要資料が変わるため重要です。各項目から、どの医療記録、生活記録、法的確認を優先すべきかを読み取ります。

01

むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫

画像に明確な異常が出ないことが多く、症状の連続性、通院頻度、神経学的所見が重要です。初診が事故直後か、症状が初期から記録されているかを確認します。

神経症状継続記録
02

骨折、関節損傷、手術例

骨折部位、手術内容、固定期間、可動域測定、健側との比較、リハビリ経過、抜釘予定、仕事や家事への支障を確認します。

可動域将来手術
03

高次脳機能障害、頭部外傷

意識消失、健忘、嘔吐、頭痛、めまい、CT、MRI、神経心理学的検査、家族や職場が認識する変化を確認します。

頭部外傷家族記録
04

死亡事故

相続人、事故態様、死亡診断書、戸籍、葬儀費、逸失利益、慰謝料、労災、遺族年金、刑事手続、心理支援を確認します。

死亡事故相続
05

子どもの事故

親権者、法定代理人、学校生活、付添看護、通院付添、成長障害、変形、学習面、心理面を確認します。

未成年利益保護
06

高齢者の事故

事故前の生活自立度、既往症と事故後悪化、入院、転院、施設入所、介護保険、障害福祉、余命、年金収入を確認します。

高齢者事故前ADL

次の比較表は、示談がまとまらない場合の主な相談、解決手続を整理したものです。最初から選択肢を把握しておくと、保険会社との交渉が平行線になったときに行動しやすくなります。

手続、窓口主な特徴
交通事故紛争処理センター自動車事故の損害賠償について、法律相談、和解あっ旋、審査を無料で行う機関です。相手方任意保険会社の有無など利用条件を確認します。
日弁連交通事故相談センター相談から示談あっせんまで無料で利用できる場合があります。自賠責保険または自賠責共済が関係する車両事故が中心です。
そんぽADRセンター損害保険や交通事故の相談、損害保険会社との苦情、紛争解決支援を扱います。
調停、訴訟交渉やADRで解決できない場合に検討される法的手続です。時効や証拠、費用、見通しを専門家に確認します。
Section 09

保険会社との示談交渉の実務チェックリストと誤解の整理

事故直後、治療中、症状固定前後、示談案受領後に分けて確認します。

次の比較表は、事故直後から示談案受領後までの確認事項を時期別にまとめたものです。時期ごとにやるべきことが変わるため重要です。左列で自分の現在地を確認し、右列から未完了の項目を読み取ります。

時期確認事項
事故直後から7日以内警察届出、医師の診断、交通事故証明書の取得方法、相手方情報、映像や写真の保存、自分の保険会社への連絡、弁護士費用特約、人身傷害、車両保険の確認
治療中主治医への症状説明、診療録への反映、通院交通費、領収書、休業記録、保険会社との電話メモ、治療費打切りの打診への主治医確認、労災や健康保険の要否
症状固定前後症状固定の意味、後遺障害診断書の必要性、画像や検査結果、リハビリ記録、仕事、家事、学校生活への支障、事前認定と被害者請求の選択
示談案受領後提示額の内訳、過失割合の根拠、自賠責部分、任意保険部分、既払金控除、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損、労災や健康保険との調整、清算条項、ADRや専門家相談

次の一覧は、示談交渉でよくある誤解を整理したものです。誤解に気づかないまま署名すると、必要な確認を飛ばすおそれがあります。

提示額が法律上の上限とは限らない

保険会社の提示額は交渉上の提案であり、裁判実務上の評価と一致するとは限りません。

治療費と示談金は別に確認する

治療費は損害項目の一つであり、休業損害、慰謝料、後遺障害、逸失利益、通院交通費を別に確認します。

物損示談の文言に注意する

物損だけのつもりでも、示談書の文言によって人身損害まで清算対象に含まれる危険があります。

交渉中でも時効管理は必要

事故日、症状固定日、死亡日、請求履歴を管理し、期限が近い場合は専門家相談を優先します。

次の強調点は、このページ全体の結論です。読者にとって重要なのは、最初の確認作業を面倒な事務ではなく、交渉の基礎として扱うことです。

提示額ではなく、確認済みの土台から始める

事故、当事者、保険、医療、後遺障害、過失、損害、労災、時効、清算条項を、証拠と制度に基づいて確定することが、合理的な示談交渉の出発点です。

Reference

参考資料

このページで制度説明の基礎にした公的機関、業界団体、相談機関の資料名です。

公的機関、法令、保険制度

  • 日本損害保険協会「交通事故の示談の流れは」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」
  • 警視庁「当たり屋」
  • 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする」
  • 自動車安全運転センター「申請方法」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済ポータルサイト」
  • 国土交通省「限度額と補償内容」
  • 東京労働局「第三者行為災害について」
  • 全国健康保険協会「第三者行為による傷病届」
  • e-Gov法令検索「民法」

相談、紛争解決、実務資料

  • 日本損害保険協会「交通事故による賠償問題の解決方法は」
  • 日本弁護士連合会「弁護士費用保険について」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について」
  • 公益財団法人交通事故紛争処理センター「ご利用について」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「示談あっせん・審査」
  • 日本損害保険協会「そんぽADRセンター」