支払の種類、拒否理由、証拠、手続選択を先に分けることが出発点です。
支払の種類、拒否理由、証拠、手続選択を先に分けることが出発点です。
交通事故で保険会社から支払えない、一部しか払えない、治療費はここまで、後遺障害は非該当、過失割合により減額すると言われた場合、問題は単なる金額交渉ではありません。自賠責保険金、相手方任意保険会社からの損害賠償金、自分の人身傷害保険金、車両保険金、搭乗者傷害保険金、弁護士費用特約のどれが問題かを分ける必要があります。
次の判断の流れは、保険金の不払い・減額に対して弁護士が交渉するときの基本順序を表します。最初の分類を誤ると、証拠の集め方や申立先が変わるため重要です。上から順に、支払の性質、拒否理由、証拠、計算、次の手続を読み取ってください。
このページの中心は、保険会社に感情的に抗議することではなく、支払拒否や減額の論理を証拠で可視化することです。法的責任、医学的因果関係、事故態様、損害額、約款解釈を組み合わせ、保険会社が支払って解決する合理性を判断できる材料を整えます。
次の重要ポイントは、本文全体で繰り返し出てくる金額と期限の位置づけを表します。各数値は制度上の上限や期限の目安であり、個別の請求額を保証するものではありません。どの制度の数字なのかを読み分けることが大切です。
自賠責の傷害限度額は被害者1人につき120万円、死亡による損害は3,000万円、後遺障害は等級により75万円から4,000万円です。さらに自賠責の被害者請求では、傷害、後遺障害、死亡ごとに3年の期限管理が問題になります。
同じ「払われない」でも、自賠責、任意保険、自分の保険では根拠が異なります。
保険金の不払い・減額に対して弁護士が交渉する前に、何の支払が問題かを分類します。この比較表は、支払の種類ごとに根拠と典型争点を整理したものです。列の違いを見れば、相手方の責任追及なのか、自分の契約に基づく請求なのかを読み取れます。
| 支払の種類 | 位置づけ | 主な争点 |
|---|---|---|
| 自賠責保険金 | 人身被害の基本的な対人賠償を確保する強制保険です。物損は対象外です。 | 傷害、後遺障害、死亡の限度額、被害者請求、後遺障害等級、重過失減額などです。 |
| 任意保険会社からの損害賠償金 | 加害者が負う損害賠償責任を任意保険会社が処理しているものです。 | 過失割合、治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益、既払金、示談額の相当性などです。 |
| 自分の保険契約に基づく保険金 | 人身傷害保険、搭乗者傷害保険、車両保険、弁護士費用特約など、契約と約款に基づく支払です。 | 約款上の支払要件、免責、支払限度額、事前承認、控除関係、調査協力義務などです。 |
| 不払いと減額 | 不払いは全部拒否、減額は金額、期間、割合、等級、必要性、相当性の限定です。 | どの損害項目を、どの根拠で、どの範囲まで拒否しているかを特定します。 |
次の一覧は、保険会社の説明で混同しやすい3つの観点を並べたものです。読者にとって重要なのは、支払元が違えば証拠と反論の入口も変わる点です。各項目の説明から、自分の争いがどこに属するかを確認してください。
傷害、後遺障害、死亡について限度額が定められます。被害者請求や異議申立ての検討が中心になります。
保険会社が「事故との因果関係がない」「治療の必要性がない」「時効が完成している」と述べても、それだけで結論が決まるわけではありません。どの支払類型について、どの資料を根拠に、どの範囲を拒否しているのかを明らかにする必要があります。
自賠法、民法、保険法、約款、損害調査の役割を横断して見ます。
交通事故保険紛争は、単一の法律だけでは整理できません。この表は、主な制度と弁護士が確認する視点を対応させたものです。どの法律や約款が問題になっているかを見れば、反論が法的責任、契約解釈、医学的資料のどこに向かうかを読み取れます。
| 制度・資料 | 主な役割 | 交渉上の確認点 |
|---|---|---|
| 自動車損害賠償保障法 | 運行供用者の人身損害賠償責任や自賠責制度の基礎です。 | 事故が人身損害として扱われるか、被害者請求や後遺障害判断の入口を確認します。 |
| 民法 | 不法行為、慰謝料、過失相殺などの基本ルールに関係します。 | 過失割合、損害項目、既払金、時効、裁判になった場合の見通しを整理します。 |
| 保険法と約款 | 自分の保険会社への保険金請求では契約内容が中心です。 | 支払事由、免責事由、通知義務、調査協力義務、支払期限、保険金請求権の時効を確認します。 |
| 損害保険料率算出機構 | 自賠責の損害調査で、請求書類をもとに事故状況、損害額、後遺障害などを調査します。 | どの資料に基づき、どの論点が判断されたかを確認します。 |
次の数値比較は、自賠責の補償限度と後遺障害の位置づけを整理したものです。読者にとって重要なのは、自賠責だけで全損害が補償されるとは限らない点です。金額の列から、重傷、後遺障害、死亡では任意保険会社や加害者への追加請求が問題になりやすいことを読み取ってください。
| 区分 | 自賠責の限度額・考え方 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 傷害による損害 | 被害者1人につき120万円が限度です。 | 治療費、文書料、休業損害、慰謝料などが含まれます。長期通院では超過部分の検討が必要です。 |
| 死亡による損害 | 3,000万円が限度です。 | 死亡慰謝料、逸失利益、葬儀費などの全体損害を別途検討します。 |
| 後遺障害 | 等級により75万円から4,000万円です。 | 後遺障害慰謝料と逸失利益に直結するため、診断書、画像、検査、日常生活制限の整理が重要です。 |
| 休業損害 | 原則1日6,100円、立証できる場合は19,000円を限度に実額が問題になります。 | 任意保険や裁判実務では、職業、収入資料、家事労働、事業所得をより細かく見ます。 |
任意保険会社の示談提示は判決ではありません。ただし、拒否すれば自動的に増額するわけでもありません。弁護士の交渉では、保険会社の計算を覆すだけの証拠、法的構成、医学的説明、事故態様の分析が必要になります。
拒否理由を証拠の問題に変換すると、準備すべき資料が見えます。
保険会社の不払い・減額理由は、抽象的な一言で終わらせず、資料と反論方向に分解します。この表は、典型的な拒否理由、保険会社側の主張、確認資料、反論の方向性を対応させたものです。各行を読むと、どの証拠を追加すべきかが分かります。
| 不払い・減額理由 | 保険会社側の典型的主張 | 弁護士が確認する資料 | 反論の方向性 |
|---|---|---|---|
| 事故との因果関係がない | 症状は既往症、加齢、別事故、日常生活によるもの | 事故直後の診断書、カルテ、画像、既往歴、通院履歴 | 事故前後の症状変化、受傷機転、医学的整合性を示します。 |
| 治療の必要性がない | 通院期間が長すぎる、漫然治療である | 診療録、リハビリ記録、主治医意見、検査結果 | 症状推移、治療効果、医師判断、就労制限を整理します。 |
| 治療費打切り | 事故から一定期間経過した | 症状固定時期、医師の治療計画、通院状況 | 保険会社の便宜的時期と医学的症状固定を区別します。 |
| 過失割合による減額 | 被害者にも信号違反、一時不停止、前方不注意がある | 交通事故証明書、実況見分調書、映像、現場写真、信号サイクル | 事故態様を再構成し、過失割合の前提事実を争います。 |
| 休業損害の否認 | 収入減がない、休業の必要がない | 休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書、業務資料 | 事故による労働不能、収入減、家事労働への影響を立証します。 |
| 後遺障害非該当 | 他覚所見がない、残存症状が等級基準に届かない | 後遺障害診断書、画像、神経学的検査、可動域測定、神経心理検査 | 診断名だけでなく機能障害、検査所見、日常生活制限を整理します。 |
| 逸失利益の減額 | 労働能力喪失期間が短い、収入基礎が高すぎる | 就労実態、職種、収入資料、後遺障害等級、業務制限 | 仕事の具体的支障と将来収入への影響を証明します。 |
| 素因減額 | 既往症、体質、精神的要因が損害拡大に寄与した | 既往歴、事故前の就労状況、医療記録、専門医意見 | 寄与割合を争い、事故の主要因性を示します。 |
| 物損の時価制限 | 修理費が車両時価を超える | 査定書、修理見積、同種車両価格、写真、整備記録 | 時価額、買替諸費用、評価損、代車必要性を検討します。 |
| 約款上の免責 | 契約条件に該当しない、免責条項に当たる | 保険証券、約款、事故状況、通知履歴、調査回答 | 約款文言、事故事実、免責条項の適用範囲を争います。 |
| 書類不足 | 必要書類がそろっていない | 請求書、同意書、診断書、領収書、印鑑証明、住民票 | 何が不足し、それが支払判断に不可欠かを限定します。 |
| 時効 | 請求期間が過ぎている | 事故日、症状固定日、死亡日、請求日、交渉履歴 | 自賠責、保険金、損害賠償請求権の時効を分けて検討します。 |
保険会社の主張は、言われたら終わりの結論ではなく、反論可能な事実命題であることが少なくありません。弁護士は、感情ではなく証拠の問題へ変換し、どの資料でどの前提を争うかを整理します。
口頭説明を文書化し、総額ではなく項目別の差額を確認します。
保険会社から電話で支払えないと言われたとき、弁護士はまず理由を文書で明らかにするよう求めます。この一覧は、書面化で確認すべき項目をまとめたものです。なぜ重要かというと、理由が曖昧なままでは反論資料を準備できないからです。各行を、照会書に入れる確認事項として読んでください。
| 確認する事項 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 支払わない損害項目 | 治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害、逸失利益、物損のどれかを特定します。 |
| 減額した損害項目 | 金額、期間、割合、等級、必要性、相当性のどこを限定したのかを確認します。 |
| 因果関係を否定する理由 | 事故前後の症状、既往症、画像所見、受傷機転のどれが問題かを見ます。 |
| 治療必要性の根拠資料 | 医師判断ではなく保険会社の便宜的判断になっていないかを確認します。 |
| 過失割合の根拠 | 事故態様、信号、道路状況、映像、実況見分の前提を確認します。 |
| 後遺障害の根拠 | 等級または非該当の理由、提出資料、記載漏れを見ます。 |
| 約款条項と時効 | どの条項、どの起算点、どの期限を主張しているかを分けます。 |
次の比較表は、提示額を項目別に分ける考え方を表します。総額だけを見ると差額の理由が分かりません。列ごとに、保険会社提示額、被害者側請求額、根拠資料、争点を対応させて読み取ることが重要です。
| 損害項目 | 差額が出やすい理由 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 通院慰謝料 | 算定基準、通院期間、実通院日数の評価が異なることがあります。 | 診療報酬明細書、通院日数、症状固定日 |
| 休業損害 | 基礎収入、休業必要性、有給休暇、残業減、家事労働が争われます。 | 休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書 |
| 後遺障害 | 等級の有無、喪失率、喪失期間で大きな差が出ます。 | 後遺障害診断書、画像、検査、就労支障資料 |
| 過失割合 | 損害全体に割合で影響します。重度事故では数パーセントでも差が大きくなります。 | 実況見分調書、映像、現場写真、信号サイクル |
| 物損 | 時価額、買替諸費用、評価損、代車期間が争われます。 | 修理見積、査定書、同種車両価格、整備記録 |
警察、医療、後遺障害、労務、物損の資料を争点ごとに集めます。
弁護士が証拠を集める目的は、資料を多く並べることではなく、拒否理由と対応させることです。この一覧は、分野ごとの資料と読み取り方を整理しています。読者にとって重要なのは、警察資料は事故態様、医療資料は因果関係、労務資料は収入減、車両資料は修理合理性を支えるという分担です。
交通事故証明書、実況見分調書、現場見取図、供述、映像、信号サイクル、標識、道路幅員を確認します。民事上の過失割合を最終決定する資料ではありませんが、事故態様の基礎になります。
事故態様過失割合診断書、カルテ、診療報酬明細書、X線、CT、MRI、神経学的検査、可動域測定、リハビリ記録、処方歴を集めます。診断名だけでなく、症状の一貫性と他覚所見が重要です。
因果関係治療必要性休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、出勤簿、確定申告書、売上帳、家事従事状況などを確認します。職業ごとに立証方法が変わります。
休業損害逸失利益修理見積、損傷写真、分解後の追加損傷、車検証、整備記録、同種車両価格、評価損、代車資料を集めます。時価額や修理合理性を個別に見ます。
物損車両保険次の重要ポイントは、医師への確認で守るべき線引きを示します。なぜ重要かというと、医学的事実と法的評価を混ぜると資料の信用性が下がるためです。医師には傷病名、症状、検査、治療必要性、症状固定時期など医学的事項を確認し、法的評価は弁護士が行うと読み取ってください。
医師に保険会社との争いに勝てる結論を書いてもらうのではなく、初診時症状、事故との医学的関連性、治療内容、残存症状、検査所見、就労や日常生活への医学的制限を正確に記録してもらうことが重要です。
勝ち筋と弱点を同時に見て、請求書を証拠と計算で組み立てます。
弁護士は有利な証拠だけでなく、不利な事情も先に把握します。この一覧は、交渉で相手方が指摘しやすい弱点を示します。読者にとって重要なのは、弱点を隠すのではなく、説明可能性、譲歩の範囲、争う価値を見極める点です。
事故直後に病院へ行っていない、初診時に症状を訴えていない、通院間隔が空いている場合は因果関係を争われやすくなります。
事故前から同じ部位で通院していた、画像所見が乏しい、医師が症状固定と判断している場合は医学的説明が必要です。
休業中の別収入、SNS投稿、日常行動、過去説明の変遷があると、休業損害や症状の信用性に影響します。
被害者側の違反、軽微な車両損傷、映像との不整合がある場合、過失割合や受傷機転を慎重に検討します。
次の時系列は、交渉書面を作る順番を示します。なぜ重要かというと、保険会社担当者は社内決裁のために、支払う合理性を説明できる資料を必要とするからです。上から順に、事故、責任、治療、損害、金額、回答期限へ進む構造を読み取ってください。
当事者、事故日、場所、車両、事故態様、責任原因、過失割合の主張を整理します。
受傷内容、治療経過、症状固定日、後遺障害、医学的資料を対応させます。
治療費、交通費、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損、既払金、請求額を項目別に示します。
最大請求額、訴訟見通し、早期解決ライン、ADRや訴訟へ進む下限を確認します。
交渉では、最大請求額だけでなく解決可能ラインを持つことが重要です。訴訟見通し、証拠の強弱、費用、時効、生活再建、既払金、相手方の資力を踏まえて、譲歩できる範囲と進むべき手続を判断します。
治療費、後遺障害、過失割合、休業損害、物損、自分の保険を分けて見ます。
争点ごとの対応は、同じ交渉でも必要な資料と手続が異なります。この比較一覧は、代表的な6つの争点と弁護士が重視する対応を示します。各項目から、自分の問題がどの証拠と手続に結びつくかを読み取ってください。
保険会社が医療機関への直接払いをやめても、医師が治療不要と判断したことと同じではありません。主治医見解、治療効果、症状推移、検査結果、仕事や生活への支障を確認します。
後遺障害診断書、画像、神経学的検査、日常生活状況、就労支障を整えます。異議申立てでは不満の再提出ではなく、不足資料を補う必要があります。
意識障害、頭部画像、神経心理検査、記憶や注意の障害、事故前後の生活変化、家族の介護負担、将来の就労可能性を整理します。
信号、一時停止、優先道路、速度、衝突地点、損傷位置、映像、EDR、目撃者供述などを確認し、保険会社の前提事実を検討します。
会社員、自営業者、会社役員、家事従事者、学生、高齢者では立証方法が異なります。基礎収入、喪失率、喪失期間、具体的支障が重要です。
経済的全損、評価損、代車料、営業損害、車両保険の免責、事故性、約款を確認します。車両技術者の資料が役立つことがあります。
保険金の不払い・減額交渉では、0対100の事故にも注意が必要です。被害者に過失がなく、自分に賠償責任が生じない場合、自分の保険会社の示談代行サービスを利用できないことがあります。このような場面では、弁護士費用特約の有無が重要です。
相手方賠償なのか、自分の保険契約なのかで窓口が変わります。
交渉で解決しない場合でも、次の手続は一つではありません。この表は、主な紛争解決手段と向いている場面を示します。読者にとって重要なのは、自賠責の不服、自分の保険契約、損害賠償全体で入口が異なる点です。
| 手続 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| そんぽADRセンター | 損害保険会社との相談、苦情、紛争解決支援。手続費用は原則無料ですが、通信費や資料取得費は自己負担となることがあります。 | 自賠責の重過失減額や後遺障害等級認定などは別機関の利用を案内される場合があります。 |
| 自賠責保険・共済紛争処理機構 | 自賠責の支払内容、後遺障害等級、非該当、重過失減額などへの不服。 | 任意保険全般の保険金不払いを扱う場ではありません。 |
| 交通事故紛争処理センター | 自動車事故の被害者と加害者または加害者側保険会社との損害賠償紛争。 | 人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険など、自分の保険会社との保険金支払紛争は対象外とされます。 |
| 日弁連交通事故相談センター | 自動車事故の民事上の法律問題、面接相談、示談あっせん、審査。 | 地域や事案により利用方法を確認します。 |
| 民事調停・訴訟 | 事実認定、医学的因果関係、高額損害、過失割合、免責が大きく争われる事案。 | 時間、費用、証拠の強さ、生活再建の必要性を総合して判断します。 |
次の重要ポイントは、期限管理で特に注意すべき考え方を示します。なぜ重要かというと、正しい請求でも時効や手続期限を見落とすと回収が難しくなるためです。自賠責、損害賠償、保険金請求権を別々に確認することを読み取ってください。
自賠責の被害者請求では、傷害は事故発生から3年以内、後遺障害は症状固定から3年以内、死亡は死亡から3年以内が問題になります。加害者への損害賠償請求権や自分の保険契約上の保険金請求権は、民法、保険法、約款、交渉経過を分けて確認します。
法律だけでなく、医療、事故工学、車両、労務、福祉の資料が交渉を支えます。
交通事故は法律だけの問題ではありません。この一覧は、専門職ごとの役割を整理したものです。読者にとって重要なのは、弁護士が各専門職の資料を法的主張へ変換する点です。どの分野の資料が不足しているかを読み取ってください。
支払の性質、不払い理由、証拠、損害計算、時効、ADRや訴訟の選択を整理します。保険会社担当者を敵視するのではなく、査定構造を理解して必要資料を示します。
法的構成交渉救急医、整形外科医、脳神経外科医、リハビリ医、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、症状、治療、後遺障害、日常生活動作、復職支障を記録します。
医学的資料生活制限交通事故鑑定人、工学鑑定人、映像解析技術者が、速度、衝突角度、回避可能性、視認性、映像、EDR、損傷を分析します。
事故態様過失割合自動車整備士、車体修理業者、中古車査定士が、修理費、損傷範囲、評価損、時価額、代車必要性を支えます。
物損車両保険社会保険労務士、労働基準監督署、勤務先、福祉職、心理職、医療ソーシャルワーカーが、労災、休業、障害年金、介護、心理的外傷、生活再建を支えます。
休業損害生活再建照会書、損害計算表、医師への確認事項、署名前の注意をまとめます。
保険会社への照会では、相手を非難する文面ではなく、判断根拠を特定する構成が重要です。この表は、照会書に入れる項目と目的を整理しています。各行を見れば、支払拒否理由と追加資料を明らかにするための質問順序が分かります。
| 照会書に入れる項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 事故情報 | 事故日、事故場所、当事者、車両、証券番号、受付番号を整理します。 |
| 支払拒否または減額項目 | どの損害項目を拒否または減額するのかを確認します。 |
| 計算方法 | 治療費、慰謝料、休業損害、後遺障害、物損、既払金控除の計算根拠を求めます。 |
| 過失割合と因果関係 | 事故態様、傷害との関連、治療費打切り、後遺障害等級または非該当の根拠を確認します。 |
| 約款と追加資料 | 約款条項を適用する場合の条項名、適用理由、追加提出が必要な資料を確認します。 |
次の比較表は、損害計算表で対応させる項目を示します。読者にとって重要なのは、被害者側請求額、保険会社提示額、差額、根拠資料、争点を横に並べることです。空欄を埋める作業により、何が不足しているかを読み取れます。
| 損害項目 | 根拠資料 | 主な争点 |
|---|---|---|
| 治療費 | 診療報酬明細書 | 必要性、症状固定時期、事故との関連 |
| 通院交通費 | 交通費明細 | 経路、交通手段、通院頻度 |
| 休業損害 | 休業損害証明書、収入資料 | 基礎収入、休業必要性、有給、残業減 |
| 傷害慰謝料 | 通院日数、治療期間 | 算定基準、通院頻度、治療経過 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害診断書 | 等級、非該当、記載漏れ |
| 逸失利益 | 収入資料、就労支障資料 | 喪失率、喪失期間、具体的支障 |
| 物損 | 修理見積、査定書 | 時価額、評価損、代車必要性 |
| 既払金 | 支払明細 | 控除範囲、内訳、重複計算 |
避けるべき行動は、交渉の信用性や請求権に直接影響します。この一覧は、事故後に注意すべき代表的な行動を整理したものです。各項目から、証拠を壊さず、後から説明困難な矛盾を作らないことを読み取ってください。
示談は原則として紛争を終局的に解決する合意です。後遺障害、治療継続、休業損害、逸失利益、追加物損が残る場合は慎重に確認します。
医学的記録、映像、日常行動、勤務状況と矛盾すると信用性が低下します。事実に沿って継続的に記録します。
通院間隔が空くと、症状が軽い、治療必要性がない、事故との因果関係がないと主張されることがあります。
領収書、交通費メモ、診断書、薬の明細、勤務資料、修理見積、写真、事故直後の連絡記録を保存します。
旅行、スポーツ、長時間運転などの投稿が、症状や休業の主張と矛盾すると扱われる場合があります。
個別判断ではなく、一般的な制度説明として整理します。
一般的には、保険会社の判断は最終的な裁判所の判断とは異なります。まず、何を根拠に、どの項目を、どの金額までしか認めないのかを書面で確認します。ただし、事故態様、医学的証拠、約款、時効、既払金によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、損害項目の見落とし、算定基準の違い、後遺障害の準備不足、休業損害の立証不足がある場合、弁護士の関与で提示内容が改善する可能性があります。ただし、証拠が弱い、提示額が相当、過失が大きい、時効が問題になる場合は、増額が限定的なこともあります。具体的な見通しは個別資料で確認する必要があります。
一般的には、保険会社の一括対応終了と医学的に治療不要であることは同じではありません。医師の判断を確認し、治療が必要な場合は健康保険、労災保険、人身傷害保険などを検討しながら継続することがあります。ただし、治療の必要性や事故との関連は記録で示す必要があります。
一般的には、異議申立ては不満を述べるだけでは足りず、新たな医学的資料や前回判断の不足を補う資料が重要とされています。ただし、画像、神経学的検査、症状の一貫性、日常生活制限、事故態様によって判断が変わります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、録音の可否や使い方は状況により慎重に判断する必要があります。少なくとも、日時、担当者名、話した内容、約束事項をメモし、重要事項は書面やメールで確認することが望ましいとされています。具体的な証拠化の方法は、事案に応じて弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、同じ制度ではありません。交通事故紛争処理センターは主に損害賠償紛争、そんぽADRセンターは損害保険会社との相談、苦情、紛争解決を扱います。ただし、自賠責保険の後遺障害等級認定などは別機関が案内される場合があるため、申立先は事案ごとに確認する必要があります。
一般的には、被害者に過失がなく自分に賠償責任が生じない場合、自分の保険会社の示談代行サービスを利用できないことがあります。この場合、弁護士費用特約を確認することが重要です。ただし、保険契約や事故態様で扱いが変わる可能性があるため、具体的には保険会社や弁護士等へ確認する必要があります。
分類、証拠、計算、手続選択を順番に整えることが生活再建につながります。
保険金の不払い・減額に対して弁護士が交渉する方法は、強い言葉で保険会社に抗議することではありません。交通事故の保険紛争は、法律、医学、事故工学、車両技術、労務、福祉、心理支援が重なる複合問題です。
弁護士は、まず支払の性質を分類します。自賠責保険金なのか、相手方任意保険会社による賠償金なのか、自分の人身傷害保険金なのか、車両保険金なのかを分けます。次に、不払い・減額理由を、因果関係、治療必要性、過失割合、後遺障害、休業損害、逸失利益、物損、約款、時効に分解します。
そのうえで、診断書、カルテ、画像、事故資料、労務資料、修理資料、専門家意見を組み合わせて、保険会社の査定を再検討させます。示談交渉で解決できなければ、被害者請求、異議申立て、ADR、紛争処理センター、訴訟を選択します。
制度や手続の確認に用いた公的・準公的資料名を整理します。