2σ Guide

時給制で働いている人の
休業損害の計算方法

パート、アルバイト、派遣、契約社員、ダブルワーク、学生アルバイトなど、時給制で働く人の休業損害を時間・シフト・証拠から整理します。

6,100円自賠責の原則日額
19,000円立証がある場合の上限日額
120万円傷害部分の支払限度額
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時給制で働いている人の 休業損害の計算方法

パート、アルバイト、派遣、契約社員、ダブルワーク、学生アルバイトなど、時給制で働く人の休業損害を時間・シフト・証拠から整理します。

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時給制で働いている人の 休業損害の計算方法
パート、アルバイト、派遣、契約社員、ダブルワーク、学生アルバイトなど、時給制で働く人の休業損害を時間・シフト・証拠から整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 時給制で働いている人の 休業損害の計算方法
  • パート、アルバイト、派遣、契約社員、ダブルワーク、学生アルバイトなど、時給制で働く人の休業損害を時間・シフト・証拠から整理します。

POINT 1

  • 時給制の休業損害の全体像と基本式
  • 時給、シフト、有給、部分休業を最初に分けて考えます。
  • 時給 × 失われた勤務予定時間
  • 総支給額 ÷ 実勤務日数
  • 事故前3か月 ÷ 90日等

POINT 2

  • 時給制の休業損害で見る自賠責・任意保険・裁判基準
  • 1. 交通事故による負傷:事故態様と傷病名、治療経過を確認します。
  • 2. 働けない・本来どおり働けない:欠勤、遅刻、早退、短時間勤務、通院中抜け、有給使用を分けます。
  • 3. 失われた勤務予定時間を復元:シフト表、勤怠アプリ、過去実績、勤務先証明で本来の勤務を示します。
  • 4. 実際の賃金との差額を計算:時給、割増、手当、賞与減額、実支給額を反映します。

POINT 3

  • 時給制の休業損害の計算式と5つの判断軸
  • シフトが確定していたか
  • 勤務実績が安定していたか
  • 医師の就労制限があるか
  • 完全休業か部分休業か
  • 有給休暇を使用したか
  • 時間単位、稼働日平均、暦日平均、部分休業、有給を分けます。

POINT 4

  • 時給制の休業損害の具体的な計算例
  • 固定シフト、変動シフト、部分休業、深夜割増、採用直後を比較します。
  • 計算例は、どの式をどの場面で使うかを具体的に表しています。
  • 読者は、前提、式、必要資料を一緒に確認してください。
  • 次の棒の比較は、変動シフト型で稼働日平均と暦日平均の差を表しています。

POINT 5

  • 時給制の休業損害証明書と証拠の作り方
  • 1. A 事故前の働き方:給与明細、賃金台帳、源泉徴収票、雇用契約書、シフト表、タイムカードで確認します。
  • 2. B 事故がなければ働く予定:確定シフト、勤務予定表、採用通知、過去実績、勤務先証明で補います。
  • 3. C けがで働けなかった範囲:休業損害証明書、有給管理表、通院予約、診断書、就労制限意見書で説明します。
  • 4. D いくら減収したか:事故後の給与明細、賃金台帳、振込記録、手当・賞与資料を照合します。

POINT 6

  • 時給制の休業損害で複雑になりやすい場面と給付調整
  • 事故による退職
  • 医師の就労制限、仕事内容の資料、配置転換や時短勤務の可否、退職理由証明、求職活動資料が重要です。
  • 雇止め・契約更新拒否
  • 更新実績、更新見込み、勤務評価、会社の説明、同僚の更新状況を確認します。

POINT 7

  • 低い提示を受けた時給制労働者の確認順序と相談判断
  • 計算式、証拠、期限、誤解、相談必要度をまとめます。
  • 時給制だから少ないとは限りません
  • 通院日数と休業日数は別です
  • 有給を使っても損害になることがあります

POINT 8

  • 時給制の休業損害を漏れなく整理するまとめ
  • 出発点は本来収入
  • シフト、時間、有給、証拠、示談前確認を一つの表にまとめます。

まとめ

  • 時給制で働いている人の 休業損害の計算方法
  • 時給制の休業損害の全体像と基本式:時給、シフト、有給、部分休業を最初に分けて考えます。
  • 時給制の休業損害で見る自賠責・任意保険・裁判基準:6,100円、19,000円、120万円という数字と、実損立証の関係を整理します。
  • 時給制の休業損害の具体的な計算例:固定シフト、変動シフト、部分休業、深夜割増、採用直後を比較します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

時給制の休業損害の全体像と基本式

時給、シフト、有給、部分休業を最初に分けて考えます。

時給制で働いている人の休業損害は、単純に時給に休んだ日数を掛けるだけでは足りないことがあります。基本は、事故がなければ得られたはずの賃金等から、実際に受け取った賃金等を差し引く考え方です。

次の重要ポイントは、時給制の休業損害で使う三つの計算の入口を表しています。読者にとって重要なのは、勤務予定が確定しているか、過去実績で説明するか、保険会社の暦日平均が実態に合うかを読み分けることです。

実損

時給 × 失われた勤務予定時間

確定シフト、遅刻、早退、短時間勤務、通院中抜け、深夜勤務の喪失など、時間単位で復元できる場合に実態に合いやすい考え方です。

稼働日平均

総支給額 ÷ 実勤務日数

過去の勤務実績から1勤務日あたりの収入を出し、本来働く予定だった日数または蓋然性のある日数に掛けます。

暦日平均

事故前3か月 ÷ 90日等

保険会社提示で見られますが、週2日から週4日の時給制では日額が低くなりすぎる場合があります。

この強調表示は、休業損害の本質を表しています。日数だけを見ると部分休業や有給使用が漏れやすいため、読者は失われた勤務時間、手当、実際の支給額を分けて確認してください。

時給制では何時間分の勤務機会を失ったかが中心です

欠勤、有給、遅刻、早退、短時間勤務、通院中抜け、残業不可、深夜勤務喪失を分けて整理すると、事故による実際の減収を説明しやすくなります。

一般情報過失割合、治療経過、既往症、雇用契約、労災、健康保険、社会保険給付、証拠の有無によって結論は変わります。個別の見通しは資料を整理したうえで専門家に確認する必要があります。
Section 01

時給制の休業損害で見る自賠責・任意保険・裁判基準

6,100円、19,000円、120万円という数字と、実損立証の関係を整理します。

自賠責、任意保険、裁判での考え方は同じではありません。次の表は、それぞれの基準や実務上の見方を比較したものです。読者は、自賠責の定型日額が入口であっても、最終的には実際の減収と証拠が重視されると読み取ってください。

基準・場面内容時給制での注意点
自賠責基準休業損害は原則1日6,100円。立証により1日19,000円を限度に実額が扱われる説明があります。傷害部分全体の支払限度額は120万円です。日額だけが一人歩きしやすいものの、シフトや時間単位の実損を示せる場合は資料が重要です。
任意保険提示事故前3か月の給与を90日で割るなど、低く見積もられることがあります。休日を含む90日で割ると、実際に失った勤務日の収入より低くなることがあります。
裁判基準・弁護士基準裁判例の傾向を踏まえ、現実に失われた収入をどれだけ具体的に立証できるかが重視されます。確定シフトがある場合は時間単位の実損計算が強く、未確定なら過去実績から蓋然性を示します。

法的には、民法709条の不法行為責任を出発点に、交通事故では自動車損害賠償保障法による自賠責保険制度も関係します。ただし、休業損害の万能な一つの式が条文にあるわけではなく、事故がなければ得られたはずの収入と事故後の現実を比較し、相当因果関係のある範囲を資料で説明します。

時給制の特徴は、勤務形態ごとに争点が変わる点にあります。次の比較表は、どの事情が何を争点にするかを表しています。読者は、自分に当てはまる行を見て、どの資料が必要かを確認してください。

事情争点になりやすい点
シフト制事故がなければ本当にその日に働けたのか
勤務時間が日によって違う1日何時間分を損害とみるのか
繁忙期と閑散期がある事故前3か月だけで平均してよいのか
事故直前に採用された過去3か月の実績がない場合に何を根拠にするのか
掛け持ち勤務複数職場の休業損害を合算できるのか
有給休暇を使った給料は減っていなくても休業損害になるのか
一部だけ勤務した遅刻、早退、短時間勤務をどう計算するのか
通院のために抜けた通院時間分の賃金喪失をどう証明するのか
退職、雇止め、シフト減事故との因果関係をどう立証するのか

法的な出発点は、事故がなければ得られたはずの収入を、事故後の現実と比較することです。次の判断の流れは、事故から減収までのつながりを表しています。上から下へ、事故、負傷、就労不能または制限、減収の順で確認します。

時給制の休業損害を確認する順番

交通事故による負傷

事故態様と傷病名、治療経過を確認します。

働けない・本来どおり働けない

欠勤、遅刻、早退、短時間勤務、通院中抜け、有給使用を分けます。

失われた勤務予定時間を復元

シフト表、勤怠アプリ、過去実績、勤務先証明で本来の勤務を示します。

実際の賃金との差額を計算

時給、割増、手当、賞与減額、実支給額を反映します。

Section 02

時給制の休業損害の計算式と5つの判断軸

時間単位、稼働日平均、暦日平均、部分休業、有給を分けます。

基本公式は三層で整理できます。次の表は、時間単位、稼働日平均、暦日平均の違いを表しています。読者は、分母と掛ける日数をそろえないと過大または過小になる点を読み取ってください。

計算方法向いている場面注意点
時間単位の実損計算休業損害 = 時給 × 失われた勤務予定時間確定シフト、部分休業、通院中抜け、深夜勤務、休日勤務がある場合手当、割増、実際に支払われた賃金を差し引く必要があります。
稼働日平均方式基礎収入日額 = 事故前一定期間の総支給額 ÷ 実勤務日数勤務実績は安定しているが日ごとの時間が変動する場合掛ける日数は、本来働く予定または蓋然性のある日数に限る必要があります。
暦日平均方式基礎収入日額 = 事故前3か月の総支給額 ÷ 90日等連続完全休業で、勤務日と休日を厳密に分けにくい場合週数日の時給制では日額が低くなりすぎることがあります。

次の横棒グラフは、事故前3か月の総支給額36万円、実勤務45日、暦日90日の例で、計算方法による差を表しています。棒が長いほど計算額が大きく、読者は同じ14日分の休業でも分母の選び方で結果が大きく変わると読み取ってください。

稼働日平均
100%
暦日平均
54%
表示は比較のため、稼働日平均12万円を100%として見せています。実際の請求では、勤務予定14日の蓋然性を資料で示す必要があります。

五つの判断軸は、どの式を使うかを決めるための確認項目です。次の一覧は、シフト、勤務実績、医師の制限、部分休業、有給使用をどう読むかを表しています。読者は、自分のケースで強い証拠がどこにあるかを見てください。

軸1

シフトが確定していたか

勤務先のシフト表、勤怠アプリ、店長からの確定メッセージがあれば、この日に何時間働く予定だったかを直接示せます。

軸2

勤務実績が安定していたか

確定シフトがなくても、過去3か月から12か月の給与明細、賃金台帳、勤務実績から蓋然性を説明できます。

軸3

医師の就労制限があるか

通院日だけか、安静、荷重禁止、運転禁止、重量物禁止、長時間立位禁止などの制限があるかで休業範囲が変わります。

軸4

完全休業か部分休業か

遅刻、早退、短時間勤務、軽作業配置による時給減、残業不可を時間数で整理します。

軸5

有給休暇を使用したか

有給使用日も休業損害として扱われることがあります。使用日数、理由、勤務予定、賃金支払状況を明確にします。

部分休業の比較表は、日数だけでは漏れやすい損害を表しています。読者は、休業日数だけでなく、失われた時間と時給差を一覧にする必要があると読み取ってください。

類型計算の基本
遅刻時給 × 遅刻で失われた時間
早退時給 × 早退で失われた時間
通院中抜け時給 × 通院で抜けた時間
短時間勤務時給 × 本来勤務時間との差分
軽作業配置で時給減事故前時給との差額 × 実勤務時間
残業不可事故前の残業実績または予定に基づく差額
Section 03

時給制の休業損害の具体的な計算例

固定シフト、変動シフト、部分休業、深夜割増、採用直後を比較します。

計算例は、どの式をどの場面で使うかを具体的に表しています。次の表は、固定シフト、変動シフト、部分休業、深夜割増、採用直後の五つの例を並べたものです。読者は、前提、式、必要資料を一緒に確認してください。

類型前提計算必要資料・読み方
固定シフト型時給1,250円、毎週月水金、1日5時間、4週間12シフト休業1,250円 × 5時間 × 12シフト = 75,000円勤務曜日と時間が安定しており、時間単位の計算が実態に合いやすいです。
変動シフト型事故前3か月の総支給額420,000円、実勤務50日、暦日91日、失われた勤務予定14日稼働日平均は420,000円 ÷ 50日 = 8,400円、8,400円 × 14日 = 117,600円。暦日平均は4,615円 × 14日 = 64,610円14日について働く予定または蓋然性があったことをシフト表や過去実績で示します。
部分休業型時給1,500円、本来1日8時間、事故後1日4時間、短縮勤務20日失われた時間4時間 × 20日 = 80時間、1,500円 × 80時間 = 120,000円20日働いた事実ではなく、事故がなければ8時間働けた点を示します。
深夜割増型通常時給1,400円、深夜時給1,750円、深夜勤務6時間を5回喪失1,750円 × 6時間 × 5回 = 52,500円深夜勤務や休日勤務が確定していたなら、割増後の時給を使う方が実態に合います。
採用直後型採用が事故3日前、時給1,600円、週4日1日6時間予定、5週間働けず1,600円 × 6時間 × 4日 × 5週間 = 192,000円雇用契約書、労働条件通知書、採用通知、研修日程、勤務予定表が重要です。

次の棒の比較は、変動シフト型で稼働日平均と暦日平均の差を表しています。棒の高さが大きいほど計算額が高く、読者は、休日を含む暦日で割ると時給制の実態を過小評価することがあると読み取ってください。

11.8万
稼働日平均
6.5万
暦日平均

割増賃金や手当は、通常時給だけでは見えにくい差額です。次の比較表は、追加で検討する項目と資料を表しています。読者は、給与明細の総支給額、深夜割増、休日割増、残業代、手当、賞与減額を確認してください。

追加項目確認資料注意点
深夜割増・休日割増給与明細、シフト表、勤務予定表割増後の時給で計算できるかを確認します。
残業予定過去の残業実績、確定シフト、勤務先証明予定または蓋然性がある範囲で検討します。
職務手当・皆勤手当・精勤手当就業規則、賃金規程、給与明細事故による欠勤や時短で失われたかを確認します。
賞与減額賞与規程、評価表、勤務先証明欠勤や評価低下が事故によるものかを示します。
実際に支払われた賃金事故後の給与明細、賃金台帳損害額から実支給額を差し引きます。
Section 04

時給制の休業損害証明書と証拠の作り方

勤務先資料、収入資料、医療資料をつなげて減収を説明します。

休業損害証明書は重要ですが、時給制では記載漏れが起きやすい書類でもあります。次の表は、よくある誤りと問題点を表しています。読者は、欠勤日だけでなく有給、遅刻、早退、短時間勤務、手当を分けて確認してください。

よくある誤り問題点
欠勤日だけ記載し、有給使用日を書かない有給分の休業損害が漏れます。
遅刻、早退を日数に反映しない部分休業が漏れます。
シフト予定を保存していない働く予定の立証が弱くなります。
事故前3か月の総支給額に手当を入れない基礎収入が低くなります。
手取り額で記載する総支給額ベースより低くなる可能性があります。
事故以外の欠勤を混ぜる因果関係が不明確になります。
休業理由欄が空白保険会社から確認が入りやすくなります。

証拠の作り方は、事故前、事故がなければ、事故後、減収額の四つを分けることが重要です。次の判断の流れは、どの資料がどの事実を支えるかを表しています。読者は、AからDまでがつながると説明しやすいと読み取ってください。

時給制の休業損害で証明する四つの事実

A 事故前の働き方

給与明細、賃金台帳、源泉徴収票、雇用契約書、シフト表、タイムカードで確認します。

B 事故がなければ働く予定

確定シフト、勤務予定表、採用通知、過去実績、勤務先証明で補います。

C けがで働けなかった範囲

休業損害証明書、有給管理表、通院予約、診断書、就労制限意見書で説明します。

D いくら減収したか

事故後の給与明細、賃金台帳、振込記録、手当・賞与資料を照合します。

必要資料は、収入、休業、医療の三群に分けると漏れを防げます。次の比較表は、それぞれの資料が果たす役割を表しています。読者は、金額資料と医療上の必要性の資料を両方そろえる必要があると読み取ってください。

分野資料役割
事故前収入給与明細、賃金台帳、源泉徴収票、給与振込口座、雇用契約書、労働条件通知書、シフト表、勤怠アプリ時給、手当、総支給額、勤務日、勤務時間の予定を示します。
事故後休業休業損害証明書、事故後の給与明細、有給休暇管理表、シフト取消記録、勤務先担当者の証明、通院予約票欠勤、有給、遅刻、早退、短時間勤務、減収額を示します。
医療上の必要性診断書、診療録、画像資料、リハビリ記録、医師の意見書、処方内容事故によるけがのために休む必要があったことを示します。

医師に仕事内容を伝えるときは、抽象的に働けないと伝えるだけでは不十分です。次の表は、業務要素と症状の関係を表しています。読者は、立ち仕事、運転、夜勤、重量物など、仕事の中身を具体的に説明してください。

業務要素医学的に問題になりやすい症状
長時間立位腰痛、膝痛、足関節痛、下肢骨折後の疼痛
重量物運搬腰椎捻挫、肩関節損傷、手関節損傷
階段昇降膝、足関節、股関節の損傷
運転頚部痛、めまい、薬の眠気、視野障害
細かい手作業手指骨折、腱損傷、神経障害
接客顔面外傷、発声障害、精神症状
夜勤睡眠障害、頭部外傷後症状、薬の影響
Section 05

時給制の休業損害で複雑になりやすい場面と給付調整

通院、事故前3か月、複数勤務先、退職、労災、傷病手当金を整理します。

通院、事故前3か月、複数勤務先、派遣、学生、家事従事者などは、時給制で特に問題になりやすい場面です。次の表は、各場面の争点と資料を表しています。読者は、同じ時給制でも働き方によって証明の中心が変わると読み取ってください。

場面争点資料・考え方
通院日の休業損害勤務時間内に通院せざるを得なかったか、丸1日休む必要があったか予約時間、移動時間、待ち時間、治療時間、勤務先との距離、勤務シフト、医師の指示を整理します。
事故前3か月の平均繁忙期、閑散期、昇給直後、入社直後をどう扱うか前年同時期、過去12か月実績、昇給通知、採用通知、勤務予定表を使うことがあります。
ダブルワーク複数勤務先の減収を合算できるか勤務先ごとの証明書、勤務時間の重複がないこと、他方の勤務実績を確認します。
派遣・登録制・日雇い毎回仕事があった蓋然性をどう示すか派遣契約、就業条件明示書、案件紹介メール、過去稼働実績、断った案件の履歴を確認します。
学生アルバイト授業、試験、長期休暇、部活動との関係時間割、シフト表、長期休暇中の勤務実績、勤務先証明を確認します。
家事従事者でもある時給制労働者賃金収入の損害と家事労働への支障をどう調整するか自賠責支払基準では家事従事者について休業による収入減少があったものとみなす扱いが示されています。二重取りにならないよう、現実収入と家事労働評価の関係を個別に検討します。

退職、雇止め、シフト削減は、休業損害が複雑になりやすい場面です。次の一覧は、事故との因果関係を示すために必要になりやすい資料を表しています。読者は、単に退職やシフト減があっただけでなく、事故による就労制限との関係を資料で示す必要があります。

事故による退職

医師の就労制限、仕事内容の資料、配置転換や時短勤務の可否、退職理由証明、求職活動資料が重要です。

雇止め・契約更新拒否

更新実績、更新見込み、勤務評価、会社の説明、同僚の更新状況を確認します。

シフト削減

事故後にまだ無理そうだから入れないとされたのか、店舗の売上減少や本人希望など事故以外の理由なのかを分けます。

労災、傷病手当金、税金、平均賃金、賃金センサスは、受け取ったお金や参考資料をどう扱うかに関係します。次の表は、それぞれの位置づけを表しています。読者は、同じ損害について二重に受け取れない点と、統計は補助的に使う場面がある点を読み取ってください。

制度・資料ポイント
労災保険業務中または通勤中の事故では、休業1日につき給付基礎日額の80%が支給され、その内訳は休業(補償)等給付60%と休業特別支給金20%と説明されています。第三者行為災害では求償、控除、特別支給金の扱いを分けます。
傷病手当金業務外のけがで働けず給与を受けられない場合に問題になります。支給期間は支給開始日から通算1年6か月、支給額は標準報酬月額を基礎にした30分の1の3分の2相当額を基本に計算される説明があります。同じ休業損害について二重に受け取ることはできません。
税金交通事故の損害賠償金等は原則非課税と説明されますが、必要経費を補てんする部分など例外があり得ます。疑義があれば税務の専門家に確認します。
労働基準法の平均賃金原則は事由発生日以前3か月の賃金総額を総日数で除す考え方です。時間額や日額で労働日数が少ない場合などは、賃金総額を労働日数で除した額の6割に当たる額が最低保障額として問題になります。交通事故休業損害の唯一の式ではありませんが、補助資料になることがあります。
賃金センサス短期の時給制休業損害では通常中心になりにくいものの、若年者、家事従事者、後遺障害逸失利益などで参考になることがあります。
Section 06

低い提示を受けた時給制労働者の確認順序と相談判断

計算式、証拠、期限、誤解、相談必要度をまとめます。

保険会社から低い提示を受けたときは、計算式、証拠、医療上の必要性、相談判断の順に確認します。次の表は、提示額のどこを見るかを表しています。読者は、金額そのものよりも、分母、休業日数、手当、控除がどう処理されたかを読み取ってください。

確認事項見るポイント
日額6,100円か、3か月平均か、実損か
分母90日か、暦日数か、実勤務日数か
休業日数欠勤のみか、有給、遅刻、早退、通院中抜けを含むか
給与額手取りか、総支給額か
手当深夜、休日、残業、職務手当が含まれるか
期間いつからいつまでを対象にしているか
過失相殺過失割合で減額されているか
既払金労災や傷病手当金が控除されているか

時効と請求期限は、事故日、症状固定日、死亡日、加害者の特定、保険会社の対応などで変わります。次の表は、原資料で説明されている主な期限の考え方を表しています。読者は、期限が近い場合には個別事情を確認する必要があると読み取ってください。

請求・権利起算点の例期間の考え方
自賠責の傷害事故発生の翌日3年以内と説明されています。
自賠責の後遺障害症状固定日の翌日3年以内と説明されています。
自賠責の死亡死亡日の翌日3年以内と説明されています。
生命身体侵害の民事請求損害および加害者を知った時民法724条の2により5年の特則が問題になります。

よくある誤解は、時給制だから少ない、通院日だけ、有給は損害なし、保険会社の計算が正解、証明書がないと無理、というものです。次の一覧は、誤解と見直す視点を表しています。読者は、実際の勤務機会と証拠に戻って確認してください。

誤解1

時給制だから少ないとは限りません

深夜勤務、長時間シフト、繁忙期、複数勤務先、残業が多い場合は、月給制より高い休業損害になることもあります。

誤解2

通院日数と休業日数は別です

通院していない日でも医師の指示や症状により働けなければ対象になり得ます。通院した日でも勤務に影響がなければ発生しないことがあります。

誤解3

有給を使っても損害になることがあります

事故がなければ自由に使えた有給を治療や療養に使わざるを得なかった点が問題になります。

誤解4

保険会社の計算は最終結論とは限りません

根拠資料と法的構成により修正されることがあります。

誤解5

証明書だけが資料ではありません

給与明細、振込記録、シフト表、勤怠記録、雇用契約書、勤務先担当者のメールなどで代替立証を検討できます。

相談必要度は、金額差や立証の複雑さを見て判断します。次の比較表は、どの事案で相談の必要性が高まりやすいかを表しています。読者は、証拠がある短期欠勤と、退職・労災・後遺障害が絡む案件を分けて考えてください。

事案相談必要度理由
固定シフトで短期欠勤、証拠あり自力請求も可能ですが確認価値があります。
変動シフトで高額減収計算方法で差が大きくなります。
ダブルワーク合算と証拠整理が複雑です。
派遣、登録制、日雇い蓋然性の立証が必要です。
退職、雇止め非常に高因果関係と労働問題が絡みます。
後遺障害の可能性非常に高休業損害から逸失利益に影響します。
労災併用求償、控除、特別支給金の整理が必要です。
保険会社が有給分を否定支払基準や実務を踏まえた反論が必要です。
会社が証明書を拒否代替立証の設計が必要です。
Section 07

時給制の休業損害を漏れなく整理するまとめ

シフト、時間、有給、証拠、示談前確認を一つの表にまとめます。

実務上のチェックリストは、本人、勤務先、医療機関に分けると行動に移しやすくなります。次の表は、各場面で確認することと目的を表しています。読者は、早い段階でシフト、給与、通院、就労制限を同じカレンダーに並べる必要があると読み取ってください。

場面確認すること目的
本人がすぐ行うこと事故前後のシフト表、給与明細、勤怠アプリ、通院日と勤務予定、有給使用日、収入減一覧を保存勤務予定、基礎収入、因果関係、交渉資料を残します。
勤務先に依頼すること休業損害証明書、賃金台帳、シフト予定、有給休暇管理表、遅刻早退の時間数、配置変更や時短の証明、賞与減額や手当喪失の証明基本証拠、休業予定日の証明、部分休業や追加損害の証明になります。
医療機関で確認すること傷病名、治療期間、就労可否、業務制限、通院頻度、薬の副作用休業期間、部分休業、運転や夜勤などへの影響を説明します。

交渉用の一覧表は、日付ごとに本来の勤務、実際の勤務、失われた時間、時給、損害額、根拠資料を対応させるものです。次の表では、どの列に何を入れるかを示しています。読者は、資料番号を付けて証拠と対応させると検討しやすいと読み取ってください。

日付本来の勤務予定実際の勤務失われた時間時給損害額根拠資料
4月5日6時間0時間6時間1,300円7,800円シフト表、診断書
4月7日5時間2時間3時間1,300円3,900円勤怠記録
4月10日8時間深夜0時間8時間1,625円13,000円深夜シフト表

弁護士相談時の資料は、事故、医療、収入、勤務、休業、保険、生活の七分野に分けると整理しやすくなります。次の比較表は、持参資料と役割を表しています。読者は、事故前にどれくらい働き、事故後にどれくらい働けず、提示額のどこが不満かを短く説明できるようにしてください。

分野資料
事故交通事故証明書、事故状況メモ、ドライブレコーダー、写真
医療診断書、診療明細、薬の説明書、画像CD、通院日一覧
収入給与明細、源泉徴収票、賃金台帳、振込口座
勤務雇用契約書、労働条件通知書、シフト表、勤怠記録
休業休業損害証明書、有給管理表、勤務先との連絡履歴
保険保険会社からの提示、既払金一覧、労災資料、傷病手当金資料
生活仕事に支障が出た具体的内容、復職状況、退職関係資料

最後のまとめは、時給制の休業損害で特に重要な五つの原則を表しています。読者は、日額計算だけに任せず、失われた時間、シフト、有給、証拠、示談前相談を順番に確認してください。

1

出発点は本来収入

事故がなければ得られたはずの賃金等と、実際に受け取った賃金等を比較します。

2

自賠責日額だけで終わらない

6,100円、19,000円、120万円の数字を理解しつつ、実収入と証拠を確認します。

3

時間単位が本質になりやすい

欠勤、有給、遅刻、早退、短時間勤務、通院中抜け、残業不可、深夜勤務喪失を分けます。

4

証拠で決まる

休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、賃金台帳、シフト表、勤怠記録、医師の診断書を保存します。

5

違和感があれば示談前に確認

変動シフト、ダブルワーク、退職、雇止め、労災併用、後遺障害の可能性がある場合は早めの相談が重要です。

Reference

この記事の参考情報源

公的・中立的な資料

  • 国土交通省「限度額と補償内容」
  • 金融庁・国土交通省告示「自動車損害賠償責任保険等の支払基準」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「交通事故損害額算定基準等の刊行物案内」
  • 厚生労働省「休業(補償)等給付の計算方法」
  • 労働局資料「第三者行為災害について」
  • 全国健康保険協会「傷病手当金」
  • 厚生労働省関係資料「平均賃金について」
  • 政府統計の総合窓口 e-Stat「賃金構造基本統計調査」
  • 国税庁タックスアンサー「加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき」