2σ Guide

顔に傷が残った子どもの
外貌醜状と後遺障害

子どもの顔、頭、首に傷が残ったときの外貌醜状の認定基準、証拠づくり、手続、損害賠償で問題になる項目を、一般の方向けに整理します。

7級 著しい醜状
9級 相当程度
12級 醜状
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顔に傷が残った子どもの 外貌醜状と後遺障害

子どもの顔、頭、首に傷が残ったときの 外貌醜状の認定基準、証拠づくり、手続、損害賠償で問題になる項目を、一般の方向けに整理します。

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顔に傷が残った子どもの 外貌醜状と後遺障害
子どもの顔、頭、首に傷が残ったときの 外貌醜状の認定基準、証拠づくり、手続、損害賠償で問題になる項目を、一般の方向けに整理します。
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  • 顔に傷が残った子どもの 外貌醜状と後遺障害
  • 子どもの顔、頭、首に傷が残ったときの 外貌醜状の認定基準、証拠づくり、手続、損害賠償で問題になる項目を、一般の方向けに整理します。

POINT 1

  • 子どもの外貌醜状の後遺障害認定基準 ― 全体像
  • 子ども専用の別基準ではなく、傷の部位、程度、恒久性、資料で判断されます。
  • 等級表は大人と同じです
  • 傷跡の見え方が変わります
  • 学校生活と心理面も重要です

POINT 2

  • 子どもの顔の傷で使う外貌醜状の用語整理
  • 外貌、醜状、瘢痕、後遺障害、症状固定を分けて確認します。
  • 外貌醜状の判断では、日常語としての傷あとと、自賠責の等級認定で使う用語を分ける必要があります。
  • 列を左から右に読むと、医学的な状態がどのように後遺障害認定へつながるかが分かります。
  • 顔の傷跡は、赤み、盛り上がり、幅、硬さ、色素沈着が時間で変化します。

POINT 3

  • 子どもの外貌醜状で中心になる7級12号、9級16号、12級14号
  • 7級12号
  • 広い瘢痕、組織陥没、火傷後の広い変色、耳や鼻の欠損、顔面骨骨折後の変形などが問題になります。
  • 9級16号
  • 顔面部に5センチメートル以上の線状痕があり、人目につく程度以上である場合が典型です。

POINT 4

  • 人目につく程度と複数の傷・火傷後変色・顔面神経麻痺
  • 傷の存在だけではなく、通常の生活での見え方を示す必要があります。
  • 外貌醜状では、傷が存在するだけでは足りず、日常生活で人目につく程度以上であることが必要です。
  • なぜ重要かというと、同じ長さの傷でも、隠れる部分、撮影条件、複数傷の関係によって資料上の評価が変わるためです。
  • 子ども本人が傷を恥ずかしがり、写真撮影や面接で顔を伏せることがあります。

POINT 5

  • 子どもの顔の傷で特有に問題になる成長・学校・将来
  • 1. 救命と感染予防を優先:救急搬送記録、診断書、縫合記録、受傷直後の写真を保存します。
  • 2. 形成外科と関連診療科で経過確認:テープ、遮光、抜糸、赤み、かゆみ、ひきつれ、学校生活の変化を記録します。
  • 3. 最終的な傷の状態を測定:瘢痕、線状痕、陥没、隠れる範囲、複数傷の関係を診断書と写真で対応させます。
  • 4. 等級と民事上の損害を分けて確認:慰謝料、逸失利益、将来治療費、心理支援費用、過失割合を確認します。

POINT 6

  • 医療面で押さえるべき形成外科・写真・診療記録
  • 顔面外傷では整容性、機能、心理面を一体で記録します。
  • 顔面外傷では、救命、出血管理、感染予防、骨折や神経損傷の確認が最優先です。
  • そのうえで、顔は整容性が重視されるため、形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、口腔外科、脳神経外科、救急科などが関わることがあります。
  • 出血、感染、異物混入、顔面骨折、眼窩骨折、歯牙損傷、鼻骨骨折、神経損傷を確認します。

POINT 7

  • 子どもの外貌醜状の後遺障害認定手続と診断書
  • 1. 症状固定を確認:医師が治療経過と今後の改善可能性を踏まえて判断します。
  • 2. 後遺障害診断書と写真を準備:部位、長さ、幅、面積、色調、隆起、陥没、隠れる範囲を対応させます。
  • 3. 事前認定か被害者請求を検討:資料を主体的に整えたい事案では被害者請求が選択肢になります。
  • 4. 損害額を検討:慰謝料、逸失利益、将来治療費を分けて確認します。
  • 5. 異議申立てを検討:測定、写真、複数傷、永久性の不足を補います。

POINT 8

  • 子どもの顔の傷で損害賠償上問題になる項目
  • 1. 人身事故届と初期資料:警察届出、救急搬送記録、診断書、画像、縫合記録、受傷直後の写真を確保します。
  • 2. 経過と学校生活を記録:通院日、治療内容、薬、テープ、遮光、抜糸、感染、友人関係や登校状況を記録します。
  • 3. 測定と診断書を整える:最終的な瘢痕、線状痕、陥没、複数傷の関係、将来治療費の資料を準備します。
  • 4. 不足と示談額を確認:非該当理由、測定ミス、写真不足、合算の不検討、慰謝料、逸失利益、過失割合を見直します。

まとめ

  • 顔に傷が残った子どもの 外貌醜状と後遺障害
  • 子どもの外貌醜状の後遺障害認定基準 ― 全体像:子ども専用の別基準ではなく、傷の部位、程度、恒久性、資料で判断されます。
  • 子どもの顔の傷で使う外貌醜状の用語整理:外貌、醜状、瘢痕、後遺障害、症状固定を分けて確認します。
  • 子どもの外貌醜状で中心になる7級12号、9級16号、12級14号:等級、慰謝料等、限度額、労働能力喪失率の目安を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

子どもの外貌醜状の後遺障害認定基準 ― 全体像

子ども専用の別基準ではなく、傷の部位、程度、恒久性、資料で判断されます。

交通事故で子どもの顔に傷が残ったとき、医学上の傷あとと、法律上の後遺障害は同じではありません。傷あとが実際に残っていても、自賠責保険の後遺障害等級に該当するには、部位、程度、恒久性、事故との因果関係、症状固定後の状態が資料で確認できる必要があります。

結論として、子どもの顔に傷が残った場合でも、外貌醜状は子ども専用の別基準で評価されるわけではありません。基本は大人と同じく、頭部、顔面部、頸部に、人目につく程度以上の瘢痕、線状痕、組織陥没、欠損、火傷後の永久的な色調変化などが残っているかで判断されます。

次の重要ポイント一覧は、子どもの外貌醜状で最初に分けて考えるべき論点を示します。なぜ重要かというと、等級基準は大人と同じでも、成長、学校生活、将来の職業選択という子ども特有の影響が損害賠償で問題になるためです。各項目から、等級認定と賠償上の論点を分けて読むことができます。

基準

等級表は大人と同じです

性別や子どもであることだけで別等級になる仕組みではありません。

成長

傷跡の見え方が変わります

顔面の大きさ、皮膚の張力、表情、思春期の変化で目立ち方が変わることがあります。

生活

学校生活と心理面も重要です

写真、友人関係、からかい、登校しぶり、自己像への影響は慰謝料や支援費用で問題になります。

将来

逸失利益は争点になりやすいです

将来の職業が未定であるため、進路、対人業務、面接、就職活動への影響を具体化する必要があります。

注意このページは一般的な情報提供です。医療判断は主治医や形成外科医等へ、法的判断は弁護士等の専門家へ確認する必要があります。
Section 01

子どもの顔の傷で使う外貌醜状の用語整理

外貌、醜状、瘢痕、後遺障害、症状固定を分けて確認します。

外貌醜状の判断では、日常語としての傷あとと、自賠責の等級認定で使う用語を分ける必要があります。次の表は、用語ごとの意味と認定での見方を整理したものです。列を左から右に読むと、医学的な状態がどのように後遺障害認定へつながるかが分かります。

用語意味認定での見方
外貌頭部、顔面部、頸部など、上肢と下肢を除く日常的に人目につく部分額、まぶた周辺、頬、鼻、口周り、あご、耳、首などを確認します
醜状社会生活上、人目につく程度以上の外観上の変化本人が気になるだけではなく、客観的な見え方が問題になります
瘢痕傷が治った後に残る線維性の組織面積、色調、盛り上がり、陥没、光沢を見ます
線状痕切り傷や縫合痕のように線状に残る傷あと3センチメートル以上、5センチメートル以上が重要な分岐になります
後遺障害事故との因果関係があり、症状固定後も残り、自賠責基準に該当すると認定された障害後遺障害診断書、写真、診療経過、測定結果が必要です
症状固定医学上一般に認められる治療をしても明らかな改善が期待しにくくなった時点医師が判断し、後遺障害申請の基準時になります

顔の傷跡は、赤み、盛り上がり、幅、硬さ、色素沈着が時間で変化します。症状固定時期は事故からの月数だけで決めず、急性期治療、形成外科的修正、レーザー、テープ固定、遮光、内服、圧迫、心理的負担、学校生活への影響を見ながら判断する必要があります。

Section 02

子どもの外貌醜状で中心になる7級12号、9級16号、12級14号

等級、慰謝料等、限度額、労働能力喪失率の目安を確認します。

交通事故の外貌醜状では、主に7級12号、9級16号、12級14号が問題になります。次の表は、自賠責等級、障害の内容、代表的な認定基準、慰謝料等、保険金額の限度、労働能力喪失率の目安を並べたものです。金額や率は損害計算の出発点であり、最終額そのものではないことを読み取ってください。

自賠責等級障害の内容代表的な認定基準後遺障害慰謝料等限度額喪失率の目安
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの顔面部では鶏卵程度以上の瘢痕、または10円硬貨程度以上の組織陥没など419万円1051万円56パーセント
9級16号外貌に相当程度の醜状を残すもの顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上249万円616万円35パーセント
12級14号外貌に醜状を残すもの顔面部では10円硬貨程度以上の瘢痕、または長さ3センチメートル以上の線状痕など94万円224万円14パーセント

等級ごとの基準は、顔の傷の大きさと種類で大きく分かれます。次の比較一覧は、7級、9級、12級の典型的な見方を整理したものです。なぜ重要かというと、数ミリ、複数傷の合算、髪や眉で隠れる部分の扱いが境界事案で結論に影響するためです。各項目から、どの基準に近いかを読み取れます。

7級12号

広い瘢痕、組織陥没、火傷後の広い変色、耳や鼻の欠損、顔面骨骨折後の変形などが問題になります。

9級16号

顔面部に5センチメートル以上の線状痕があり、人目につく程度以上である場合が典型です。

12級14号

10円硬貨程度以上の瘢痕、または3センチメートル以上の線状痕などが中心です。

基準未満の傷でも、法的に一切意味がないとは限りません。後遺障害等級に届かない場合でも、治療中の痛み、通院、手術、精神的苦痛、学校生活への影響、将来の修正治療費などは、個別の損害や慰謝料で問題になる可能性があります。

Section 03

人目につく程度と複数の傷・火傷後変色・顔面神経麻痺

傷の存在だけではなく、通常の生活での見え方を示す必要があります。

外貌醜状では、傷が存在するだけでは足りず、日常生活で人目につく程度以上であることが必要です。次の表は、見え方に関する典型的な争点を整理したものです。なぜ重要かというと、同じ長さの傷でも、隠れる部分、撮影条件、複数傷の関係によって資料上の評価が変わるためです。

論点確認する内容子どもの事案での注意点
髪や眉で隠れる部分通常の生活で見える部分と隠れる部分を分ける無理に隠している状態ではなく、客観的な見え方を示します
複数の瘢痕や線状痕近接して全体として一つの目立つ傷跡に見えるか一本ごとに3センチメートル未満でも、合算が問題になることがあります
火傷後の色調変化黒褐色の変色、白斑のような色素脱失が永久的か時間で変わるため、症状固定時期と写真条件が重要です
顔面神経麻痺口のゆがみ、閉瞼不能、表情時の変化形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、心理支援の連携が必要になることがあります

子ども本人が傷を恥ずかしがり、写真撮影や面接で顔を伏せることがあります。この場合は、保護者と専門家が事前に説明し、本人の心理的負担を最小限にしながら、必要な証拠を整える工夫が重要です。

Section 04

子どもの顔の傷で特有に問題になる成長・学校・将来

等級基準は同じでも、損害賠償では子ども特有の事情が重要です。

子どもの外貌醜状では、等級表は大人と同じでも、損害賠償上は成長、学校生活、心理面、将来の職業選択が大きな意味を持ちます。次の一覧は、子ども特有の論点を整理するものです。どの項目が等級認定そのものではなく、慰謝料、逸失利益、将来治療費、学校支援に関わるかを読み取ってください。

成長

傷跡の幅や目立ち方が変化

顔面骨格、皮膚の伸展、表情筋、日焼け、思春期の肌変化により見え方が変わります。

学校

写真、友人関係、からかい

学校記録、スクールカウンセラーの所見、保護者の生活記録が役立つことがあります。

心理

自己像と対人不安

登校しぶり、写真嫌悪、睡眠、不安、対人回避がある場合は医療や心理支援の記録が重要です。

将来

職業が未定であること

対人業務、面接、顧客対応、進路選択への影響を抽象論ではなく具体資料で示します。

子どもの傷跡は、治療と証拠化の時期も難しくなります。次の時系列は、治療を優先しつつ、後遺障害認定に必要な資料をどの段階で残すかを示します。順番に読むと、事故直後から症状固定前まで継続記録が必要なことが分かります。

事故直後

救命と感染予防を優先

救急搬送記録、診断書、縫合記録、受傷直後の写真を保存します。

治療中

形成外科と関連診療科で経過確認

テープ、遮光、抜糸、赤み、かゆみ、ひきつれ、学校生活の変化を記録します。

症状固定前

最終的な傷の状態を測定

瘢痕、線状痕、陥没、隠れる範囲、複数傷の関係を診断書と写真で対応させます。

認定結果後

等級と民事上の損害を分けて確認

慰謝料、逸失利益、将来治療費、心理支援費用、過失割合を確認します。

Section 05

医療面で押さえるべき形成外科・写真・診療記録

顔面外傷では整容性、機能、心理面を一体で記録します。

顔面外傷では、救命、出血管理、感染予防、骨折や神経損傷の確認が最優先です。そのうえで、顔は整容性が重視されるため、形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、口腔外科、脳神経外科、救急科などが関わることがあります。次の一覧は、医療面で見落としやすい確認事項を示します。

初期治療

出血、感染、異物混入、顔面骨折、眼窩骨折、歯牙損傷、鼻骨骨折、神経損傷を確認します。

救急

形成外科

縫合、真皮縫合、傷の方向、緊張を減らす処置、抜糸後のテープ、遮光、修正術の要否を見ます。

整容性

診療記録

診断書、手術記録、縫合記録、創部写真、感染の有無、瘢痕拘縮、治療方針を集めます。

証拠

心理支援

不安、登校しぶり、写真への抵抗、からかいへの恐怖がある場合は医療や学校の記録を残します。

生活支援

写真は、顔の傷の後遺障害認定で極めて重要です。次の表は、証拠として分かりやすい写真にするための撮り方を整理したものです。列を読むと、傷そのものと顔全体での目立ち方の両方を示す必要が分かります。

撮影項目具体的な注意点
方向正面、左右斜め、左右側面、近接を撮影する
条件同じ距離、同じ照明、同じ背景で経時的に撮る
測定定規やスケールを傷の近くに置くが、傷を隠さない
加工美肌補正、フィルター、強い影、過度な接写を避ける
表情無表情と、笑顔や会話時など傷が動く状態の両方を残す
管理子どもの尊厳とプライバシーを守り、保存先と共有範囲を限定する
Section 06

子どもの外貌醜状の後遺障害認定手続と診断書

事前認定、被害者請求、請求期限、面接や測定を整理します。

自賠責保険金の請求では、請求書類が損害保険会社または共済組合に提出され、その後、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所で調査されます。次の判断の流れは、資料提出から結果確認までの大まかな順番を示します。順番に読むと、写真や診断書を提出前に整える重要性が分かります。

後遺障害認定の準備と確認

症状固定を確認

医師が治療経過と今後の改善可能性を踏まえて判断します。

後遺障害診断書と写真を準備

部位、長さ、幅、面積、色調、隆起、陥没、隠れる範囲を対応させます。

事前認定か被害者請求を検討

資料を主体的に整えたい事案では被害者請求が選択肢になります。

認定に納得
損害額を検討

慰謝料、逸失利益、将来治療費を分けて確認します。

疑問が残る
異議申立てを検討

測定、写真、複数傷、永久性の不足を補います。

後遺障害診断書では、調査機関が等級表への該当性を判断できるだけの具体性が必要です。次の表は、医師に医学的に正確な範囲で記載してもらうべき事項をまとめたものです。左列の各項目が曖昧だと、写真や面接で補う必要が出ることを読み取ってください。

項目記載のポイント
部位額、右頬、鼻根部、上口唇、下顎、頸部などを具体化する
種類瘢痕、線状痕、肥厚性瘢痕、色素沈着、色素脱失、組織陥没、欠損を区別する
長さ、幅、面積センチメートル単位で起点と終点を明示する
色調と形状赤み、白色化、黒褐色変化、隆起、陥凹、ひきつれ、拘縮、表情時の変形を書く
人目につく程度正面視、側面視、通常姿勢で見えるかを意識する
図示顔の模式図、写真との対応、複数傷の位置関係を明示する

後遺障害に関する被害者請求は、一般的に症状固定日の翌日から3年以内に行う必要があります。ただし、時効更新、任意保険との交渉、民事上の消滅時効、未成年者の権利行使などが絡む場合があります。期限に余裕があるように見えても、資料収集と異議申立ての準備には時間がかかります。

Section 07

子どもの顔の傷で損害賠償上問題になる項目

慰謝料、逸失利益、将来治療費、付添費、心理支援費用を分けます。

外貌醜状の認定後も、損害賠償では複数の項目を分けて検討します。次の表は、子どもの顔の傷で問題になりやすい損害項目を整理したものです。どの項目が等級に連動し、どの項目が個別資料で補強されるかを読み取ることが重要です。

項目問題になる内容必要な資料
後遺障害慰謝料7級419万円、9級249万円、12級94万円などの自賠責基準を出発点に検討認定結果、傷の写真、生活への影響資料
逸失利益将来収入の減少。子どもでは将来の職業が未定で争点になりやすい進路資料、学校記録、心理記録、対人業務への影響資料
将来治療費修正手術、レーザー、瘢痕拘縮解除、心理療法など専門医意見、治療計画、予想費用、時期、保険適用の有無
付添費・交通費・文書料12歳以下の子どもの入通院付添いや複数科受診に伴う費用通院記録、領収書、文書料、交通費資料
心理的支援費用不安、登校しぶり、対人回避、睡眠障害、写真への抵抗など医師、公認心理師、スクールカウンセラーの記録

証拠づくりは、事故直後から認定結果後まで段階的に進めます。次の一覧は、時期ごとに残すべき資料をまとめたものです。順番ごとに意味があり、後から不足しやすい受傷直後の写真や治療経過を早期に確保することが読み取りのポイントです。

事故直後

人身事故届と初期資料

警察届出、救急搬送記録、診断書、画像、縫合記録、受傷直後の写真を確保します。

治療中

経過と学校生活を記録

通院日、治療内容、薬、テープ、遮光、抜糸、感染、友人関係や登校状況を記録します。

症状固定前

測定と診断書を整える

最終的な瘢痕、線状痕、陥没、複数傷の関係、将来治療費の資料を準備します。

認定結果後

不足と示談額を確認

非該当理由、測定ミス、写真不足、合算の不検討、慰謝料、逸失利益、過失割合を見直します。

Section 08

子どもの外貌醜状でよくある誤解と異議申立て

誤解を避け、認定結果に疑問がある場合は不足資料を分析します。

子どもの顔の傷では、基準や写真、修正手術、性別に関する誤解が生じやすくなります。次の表は、よくある誤解と正しい整理を並べたものです。なぜ重要かというと、誤解したまま示談や申請を進めると、必要な資料を集める時期を逃す可能性があるためです。

誤解一般的な整理
子どもの顔は小さいから短い傷でも自動的に認定される基本的には面積や長さを絶対値で見ます。複数傷、陥没、色調変化などは別途検討します。
女の子なら男の子より高い等級になる現在の基準は性別で等級を分けていません。心理的苦痛や学校生活への影響は個別に評価され得ます。
医師が傷跡ありと書けば必ず認定される部位、長さ、面積、見え方、隠れる部分、事故との因果関係が資料上明確である必要があります。
修正手術前に必ず申請すべき一律にはいえません。医学的必要性と法的立証を主治医や弁護士等と調整する必要があります。
スマートフォン写真が数枚あれば十分距離、光、角度、スケール、顔全体との関係、日付、加工なしの保存が重要です。
自賠責で非該当なら相談しても意味がない測定不足、写真不足、診断書不足、複数傷の合算漏れなどがあれば、見直しの余地が問題になります。

非該当、想定より低い等級、複数傷の評価漏れなどがある場合は、同じ資料を再提出するだけでは足りないことがあります。次の判断の流れは、異議申立てを検討するときに不足を分析する順番を示します。どこでつまずいたかを読むことで、追加写真、専門医意見、診断書補足の必要性が分かります。

異議申立てを考えるときの確認順序

結果理由を確認

非該当理由、等級判断、傷の見落とし、測定内容を確認します。

初回資料の不足を分析

写真、診断書、永久性、人目につく程度、複数傷の関係を点検します。

補充資料を準備

追加写真、専門医意見書、診断書補足、学校や心理資料を検討します。

示談前に損害項目を再確認

後遺障害慰謝料、逸失利益、将来治療費、過失割合を分けて確認します。

Section 09

専門家連携と実務上の戦略

医学を優先しながら、証拠とプライバシーを守って進めます。

子どもの顔の傷は、医療、法律、学校、心理、保険が交差する問題です。次の一覧は、各専門家がどのような役割を持つかを整理したものです。なぜ重要かというと、どれか一つの視点だけでは、治療、認定、生活再建の全体像を見落としやすいためです。

警察・救急・医療

事故態様、搬送記録、初期所見、縫合、骨折、神経損傷を早期に記録します。

形成外科・関連診療科

瘢痕、瘢痕拘縮、顔面外傷、眼、鼻、歯、顎、頭部外傷の連携を担います。

学校・心理・福祉

写真行事、プール、体育、友人からの質問、からかい、心理的支援を検討します。

弁護士・保険・損害調査

後遺障害申請、被害者請求、異議申立て、示談交渉、資料の出し方を整理します。

実務上の戦略は、子どもの身体と心の回復を最優先にしながら、必要な資料を失わないことです。次の重要ポイントは、治療、症状固定、境界事案、プライバシーの4つを整理します。各項目を読むと、法的立証のために治療を遅らせるのではなく、適切な治療経過を記録する姿勢が大切だと分かります。

医学優先

まず治療、次に法的立証

後遺障害認定を意識しすぎて必要な治療を遅らせることは避けます。

準備

症状固定前に証拠をそろえる

事故直後から同じ条件で写真を残し、治療中の変化を示せるようにします。

境界

数ミリの違いを正確に測る

3センチメートル、5センチメートル、10円硬貨程度、鶏卵程度の境界では専門医所見が重要です。

保護

子どものプライバシーを守る

顔写真、学校資料、心理記録は必要範囲に限定し、共有と保管を慎重に管理します。

Section 10

子どもの外貌醜状に関するFAQ

一般的な制度説明として、個別事情で結論が変わる点を前提に整理します。

子どもなら大人より緩やかに外貌醜状が認定されますか。

一般的には、外貌醜状の等級表は子ども専用の別基準を設けていないとされています。ただし、学校生活、心理面、将来の職業選択、成長に伴う変化は損害賠償上の個別事情として問題になる可能性があります。具体的な評価は資料を整理して専門家へ相談する必要があります。

3センチメートル未満の傷はまったく評価されませんか。

一般的には、顔面部の線状痕で12級14号を検討する際に3センチメートル以上が重要な基準になります。ただし、複数傷の合算、陥没、色調変化、治療経過、精神的苦痛、学校生活への影響などが別途問題になる可能性があります。個別の資料で検討する必要があります。

修正手術を受ける前と後のどちらで申請すべきですか。

一般的には、一律に決められるものではありません。治療として必要な修正手術が残っている場合は症状固定前と判断される可能性があり、一方で長期間待つと境界事案で傷の見え方が変化することもあります。主治医や弁護士等と医学的必要性と法的立証を合わせて確認する必要があります。

写真撮影で子どもが嫌がる場合はどう考えますか。

一般的には、子どもの心理的負担とプライバシーに配慮しながら、必要な範囲で証拠を残すことが重要とされています。撮影の目的、保存先、共有範囲を説明し、医療者や専門家と相談しながら負担を抑える必要があります。

自賠責で非該当になったら異議申立てはできますか。

一般的には、認定結果に疑問がある場合には異議申立てを検討することがあります。ただし、同じ資料を再提出するだけではなく、写真不足、測定不足、診断書の記載不足、複数傷の合算、永久性の説明などを分析し、追加資料を準備する必要があります。

子どもの逸失利益はどのように考えますか。

一般的には、幼児、児童、生徒、学生の後遺障害逸失利益では平均給与額を基礎にする扱いが示されています。ただし、外貌醜状が将来の労働能力にどの程度影響するかは、進路、対人業務、心理的影響、証拠関係で変わる可能性があります。具体的な計算は専門家へ相談する必要があります。

Reference

参考資料

公的資料・調査機関資料

  • 国土交通省「後遺障害等級表」
  • 厚生労働省「外貌の醜状障害に関する障害等級認定基準について」
  • 国土交通省、金融庁「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • 国土交通省「労働能力喪失率表」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 日本損害保険協会「自賠責保険」

医学系資料・研究資料

  • 日本創傷外科学会「顔のケガ」
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会「顔の傷跡」
  • 国立成育医療研究センター「形成外科」
  • 小児顔面熱傷の心理社会的影響に関する多施設前向き縦断研究
  • 外見上の違いを持つ子ども・若者への心理社会的支援に関する小児心理学レビュー