2σ Guide

不動産取引でIT重説は
安全なのか弁護士の視点で解説

宅建業法上の重要事項説明をオンラインで受けるときに、法的手続、電子書面、本人確認、通信環境、録画録音、個人情報管理をどう確認するかを整理します。

5層安全性の確認軸
2017/2021賃貸・売買の本格運用
2022年5月書面電子化の施行
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不動産取引でIT重説は 安全なのか弁護士の視点で解説

制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。

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不動産取引でIT重説は 安全なのか弁護士の視点で解説
制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。
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  • 不動産取引でIT重説は 安全なのか弁護士の視点で解説
  • 制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。

POINT 1

  • 不動産取引のIT重説は条件付きで安全に使える
  • 制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。
  • IT重説は、重要事項説明をテレビ会議等で行う手続です。
  • 安全性を判断するときは、便利かどうかだけでなく、複数の層を分けて見る必要があります。
  • 弱い層があると紛争につながりやすいと読み取ってください。

POINT 2

  • IT重説・35条書面・37条書面・電子書面の違い
  • 1. 社会実験の開始:IT重説に係る社会実験が始まりました。
  • 2. 賃貸取引の本格運用:賃貸取引のIT重説が本格運用へ移行しました。
  • 3. 売買取引の本格運用:売買取引でもIT重説の本格運用が始まりました。
  • 4. 書面電子化の施行:重要事項説明書、契約締結時書面、媒介契約締結時書面等の電子提供が可能になりました。
  • 5. マニュアル整備:実施マニュアル、FAQ、ハンディガイド、承諾取得例などが整備されています。

POINT 3

  • 不動産取引のIT重説で守るべき法的安全性
  • 1. 宅建士が説明しているか:説明者が宅地建物取引士であることを確認します。
  • 2. 宅建士証を確認できるか:顔写真、氏名、登録番号などが読める状態で提示される必要があります。
  • 3. 重要事項説明書を事前に読めるか:説明を受ける側が書面を見ながら質問できる環境を確認します。
  • 4. 中断・再確認:映像、音声、書面閲覧、本人確認に支障があれば進行を止めます。
  • 5. 説明と質問へ進む:画面共有、ページ指定、質問回答を記録に残します。

POINT 4

  • IT重説の技術環境と説明内容の安全性
  • 画面、音声、通信、画面共有、重要項目の確認が理解の質を左右します。
  • 文字と図面が読めるか
  • 重要箇所で途切れないか
  • 開始から終了まで安定しているか

POINT 5

  • IT重説の録画録音・個人情報・サイバー対策
  • 証拠化は有効ですが、個人情報の管理を誤ると別のリスクになります。
  • 録画録音は、後日の紛争で有力な証拠になることがあります。
  • 一方で、宅建士、説明の相手方、売主・貸主、保証人などの個人情報が含まれる場合があります。
  • 証拠化と情報管理を同時に読むことが重要です。

POINT 6

  • 安全でないIT重説の典型例と事前チェック
  • 重要事項説明書が直前に届く
  • 内容を読む時間がなく、契約判断に必要な情報を理解しにくくなります。
  • 宅建士証が確認できない
  • 氏名、写真、登録番号などが読めない場合、本人確認に問題があります。

POINT 7

  • 不動産取引の種類別にIT重説の安全な流れを作る
  • 1. 実施前:重要事項説明書、契約書案、関連資料を事前送付し、電子書面の提供方法と形式への承諾を取得します。
  • 2. 環境確認:端末、通信、PDF閲覧、画面共有、音声、録画録音の扱い、対面や紙交付の希望を確認します。
  • 3. 実施中:宅建士の顔と宅建士証、書面受領、画面共有、重要条項、質問回答、通信障害時の中断を確認します。
  • 4. 実施後:説明済み書面、補足回答、契約書の変更点、電子署名前の整合性、37条書面、録画データを保存します。

POINT 8

  • IT重説のFAQ
  • 個別の契約内容で結論が変わるため、一般情報として確認します。
  • Q1. IT重説は対面より危険ですか。
  • Q2. スマートフォンだけでIT重説を受けてもよいですか。
  • Q3. 電子書面を拒否して紙で受け取れますか。

まとめ

  • 不動産取引でIT重説は 安全なのか弁護士の視点で解説
  • 不動産取引のIT重説は条件付きで安全に使える:制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。
  • IT重説・35条書面・37条書面・電子書面の違い:オンライン説明、電子書面、電子契約を混同しないことが出発点です。
  • 不動産取引のIT重説で守るべき法的安全性:対面と同様の扱いでも、説明義務や承諾記録は軽くなりません。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

不動産取引のIT重説は条件付きで安全に使える

制度、技術環境、証拠化がそろっているかを確認します。

IT重説は、重要事項説明をテレビ会議等で行う手続です。移動せずに説明を受けられ、日程調整や記録化もしやすい一方、画面越しで理解できるか、宅建士証を確認できるか、通信障害があった場合にどう扱われるかを確認する必要があります。

安全性を判断するときは、便利かどうかだけでなく、複数の層を分けて見る必要があります。次の比較表は、IT重説の安全性を5つの層に分けたものです。左列が安全性の種類、中央列が問題となる内容、右列が典型的なリスクです。弱い層があると紛争につながりやすいと読み取ってください。

安全性の層問題となる内容典型的なリスク
法的安全性宅建業法上の要件を満たしているか無資格者説明、宅建士証未提示、説明不足
理解の安全性説明の相手方が内容を理解できたか画面が小さい、早口、質問できない
技術的安全性映像、音声、電子書面が適切に機能するか通信途絶、音声不良、PDFが開けない
証拠上の安全性後から事実を証明できるか承諾記録なし、説明範囲不明、録画なし
情報管理上の安全性個人情報・契約情報が守られるか録画データ漏えい、URL誤送信、委託先管理不足

結論として、IT重説は危険な制度ではなく、条件を満たせば安全に使えます。ただし、オンライン会議を開くだけでは足りず、法的手続、技術環境、証拠化の3点がそろっているかを確認する必要があります。

注意このページは公的資料と実務上の検討事項に基づく一般的な情報提供です。契約解除、損害賠償、錯誤、詐欺、説明義務違反などの判断は、資料と事実関係を確認したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
Section 01

IT重説・35条書面・37条書面・電子書面の違い

オンライン説明、電子書面、電子契約を混同しないことが出発点です。

IT重説の安全性を考える前に、重要事項説明、35条書面、37条書面、書面電子化、電子契約を分ける必要があります。次の比較表は、混同しやすい手続を整理したものです。IT重説は説明方法、書面電子化は書面提供方法、電子契約は契約締結方法を指すと読み取ってください。

項目意味典型例
IT重説重要事項説明をオンラインで行うことテレビ会議で宅建士が説明する
35条書面契約前の判断資料となる重要事項説明書物件、法令制限、費用、解除などを確認する
37条書面契約成立後に交付される契約内容の確認資料売買契約書や賃貸借契約書を兼ねる場合がある
書面電子化35条書面・37条書面等を電子データで提供することPDFをメール送付、Webからダウンロード
電子契約契約締結を電子署名等で行うこと電子契約サービスで契約を締結する

制度は段階的に整備されてきました。次の時系列は、社会実験から本格運用、書面電子化、マニュアル整備までの流れを示します。順番を見ることで、IT重説が検証と制度整備を経て広がった手続だと読み取れます。

平成27年8月

社会実験の開始

IT重説に係る社会実験が始まりました。

平成29年10月1日

賃貸取引の本格運用

賃貸取引のIT重説が本格運用へ移行しました。

令和3年3月30日

売買取引の本格運用

売買取引でもIT重説の本格運用が始まりました。

令和4年5月18日

書面電子化の施行

重要事項説明書、契約締結時書面、媒介契約締結時書面等の電子提供が可能になりました。

令和6年12月

マニュアル整備

実施マニュアル、FAQ、ハンディガイド、承諾取得例などが整備されています。

Section 03

IT重説の技術環境と説明内容の安全性

画面、音声、通信、画面共有、重要項目の確認が理解の質を左右します。

IT重説では、相手方が説明内容を理解できる環境が不可欠です。次の比較一覧は、技術環境で確認すべき点を整理しています。見える、聞こえる、読める、質問できる状態が続いているかを読み取ってください。

画面

文字と図面が読めるか

宅建士証の文字、重要事項説明書、図面、契約条件を確認できる画面サイズと解像度が必要です。

音声

重要箇所で途切れないか

解除条項、ローン特約、修繕負担、契約不適合責任、原状回復などで聞き漏れがないか確認します。

通信

開始から終了まで安定しているか

動画と音声の品質が重要事項説明の開始から終了まで維持されることが重要です。

中断対応

障害時に再説明があるか

映像や音声に支障があれば中断し、原因を解消してから再開する必要があります。

売買では、金額、権利、将来利用に関わる項目を丁寧に確認する必要があります。次の比較表は、売買のIT重説で特に注意すべき項目と理由を示します。左列の項目が説明されたかだけでなく、右列のリスクに結び付けて理解できたかを読み取ってください。

売買で重要な項目確認すべき理由
登記簿上の権利関係所有者、抵当権、差押え、仮登記などを確認するため
境界・越境隣地との紛争、建築・売却時の制約に関わるため
接道義務・道路種別再建築可否、建築制限、資産価値に影響するため
都市計画・用途地域建築可能な用途・規模に影響するため
建築基準法・条例上の制限増改築、用途変更、将来利用に影響するため
ハザード情報水害・土砂災害等のリスク判断に関わるため
管理規約・修繕積立金マンションの費用負担、利用制限に関わるため
契約不適合責任引渡し後の不具合発見時の請求に関わるため
ローン特約融資不成立時に解除できるかに関わるため
手付解除・違約金契約解除時の金銭負担に直結するため

賃貸では、特約、退去費用、生活条件がトラブルになりやすい領域です。次の比較表は、賃貸のIT重説で確認すべき項目と理由を示します。金額だけでなく、発生条件や返還可能性まで読むことが重要です。

賃貸で重要な項目確認すべき理由
契約期間・更新普通借家か定期借家かで居住継続の安定性が異なるため
解約予告期間退去時期と賃料負担に関わるため
原状回復退去費用トラブルになりやすいため
敷金・礼金・保証料初期費用と返還可能性に関わるため
禁止事項ペット、楽器、事務所利用、民泊、同居人などに関わるため
設備の範囲故障時の修繕義務が貸主・借主どちらにあるかに関わるため
特約通常より借主に重い負担を課す条項が入ることがあるため
保証会社・連帯保証人滞納時の請求、更新料、保証料に関わるため
Section 04

IT重説の録画録音・個人情報・サイバー対策

証拠化は有効ですが、個人情報の管理を誤ると別のリスクになります。

録画録音は、後日の紛争で有力な証拠になることがあります。一方で、宅建士、説明の相手方、売主・貸主、保証人などの個人情報が含まれる場合があります。次の比較表は、録画録音の開始前から廃棄までの注意点を示します。証拠化と情報管理を同時に読むことが重要です。

項目推奨される対応
録画録音の開始前目的、保存期間、閲覧者、提供可否を確認する
録画範囲重要事項説明全体を原則とし、不要部分は記録しない
個人情報宅建士証、住所、連絡先等の取扱いに注意する
保存パスワード、アクセス制限、暗号化等を行う
共有関係者・専門家相談以外への共有を避ける
廃棄紛争リスクが落ち着いた後の廃棄ルールを決める

IT重説では、氏名、住所、契約条件、本人確認情報、物件所在地、家族構成、保証人情報などが画面、音声、書面、録画データとして流通します。次の比較表は、利用者側が意識できる基本対策を示します。左列が対策、右列が具体例です。説明を受ける側も、正規URL、認証、端末更新、保存方法を確認してください。

利用者側の対策具体例
正規URL確認不動産会社からのURLを公式メール・公式サイトで確認する
多要素認証電子契約サービスやクラウド保存で可能なら設定する
端末更新PC・スマホのOS、ブラウザ、PDF閲覧ソフトを更新する
画面ロック重要書類が表示された端末を放置しない
公共Wi-Fi回避重要な説明・契約は安全な回線で行う
データ保管重要事項説明書、契約書、録画データを整理して保存する
誤送信確認メール転送や家族共有時に宛先を確認する

録画録音は有効な証拠になり得ますが、無断録画、第三者への共有、SNS投稿、クラウドへの無管理保存は危険です。説明の記録を残すときは、同意、保存場所、アクセス権限、提供先、廃棄時期も一緒に確認する必要があります。

重要録画録音は、証拠として役立つ一方で、管理を誤ると情報漏えいの原因になります。関係者以外へ共有せず、専門家相談に使う場合も必要範囲に限定することが大切です。
Section 05

安全でないIT重説の典型例と事前チェック

重要事項説明書、宅建士証、通信、電子化強制、契約の急かしに注意します。

IT重説が危険になるのは、制度そのものよりも運用が雑な場合です。次の注意一覧は、安全でない進行の典型例を示します。該当する項目があれば、説明を止めて確認する、紙や対面に切り替える、専門家へ相談するなどの対応が必要だと読み取ってください。

重要事項説明書が直前に届く

内容を読む時間がなく、契約判断に必要な情報を理解しにくくなります。

宅建士証が確認できない

氏名、写真、登録番号などが読めない場合、本人確認に問題があります。

説明箇所が画面に示されない

どの条項を説明しているか分からず、解除や違約金の認識違いが生じやすくなります。

通信障害を無視して進む

聞こえない、見えない箇所があるまま説明済みとされる危険があります。

電子でしかできないと言われる

紙交付や対面説明を希望できる場面があるため、理由を確認する必要があります。

契約を急がされる

重要事項説明は契約判断のための手続であり、疑問が残ったまま署名や送金を急ぐのは危険です。

IT重説を受ける前の準備は、当日の理解度を大きく左右します。次の比較表は、事前準備で確認する項目を並べたものです。各行の右列を見て、説明前に資料、端末、通信、質問、送金予定を整えることが重要だと読み取ってください。

事前チェック項目確認内容
重要事項説明書を受領したPDFまたは紙で事前に受け取っているか
契約書案を受領した37条書面・契約書案も確認できるか
電子書面の承諾内容を確認した提供方法、形式、紙への切替可否が明示されているか
物件資料を確認した登記、図面、間取り、設備表、管理規約等があるか
質問リストを作った不明点を事前にメモしたか
端末を準備したPCまたはタブレット等、資料を読める画面か
通信環境を確認した安定した回線か、公共Wi-Fiではないか
録画録音の扱いを確認した録画可否、保存、提供のルールを確認したか
同席者を決めた家族、保証人、専門家など必要な人が参加できるか
送金予定を確認した説明前に安易に送金していないか

当日と終了後にも、確認すべき項目があります。次の比較表は、説明中と説明後に分けて重要点を示します。説明の途中で質問できるか、終了後に保存と再確認ができるかを読み取ってください。

場面確認内容
当日宅建士証、宅建士の顔、音声、画面共有、質問機会、重要条項、通信障害時の中断、不明点確認、書面保存を確認します。
終了後説明書・契約書、質問回答、契約前の再確認、送金先、電子署名の通知、重要なやり取りを保存します。
Section 06

不動産取引の種類別にIT重説の安全な流れを作る

売買、賃貸、電子契約、配慮が必要な人への対応を整理します。

売買と賃貸では、IT重説で見るべきリスクが異なります。次の比較一覧は、売買と賃貸の安全性の見方を分けたものです。取引金額が大きい売買では権利と将来利用、賃貸では特約と退去費用に重点があると読み取ってください。

売買

金額・権利・将来利用

ローン、登記、抵当権、境界、道路、建築制限、管理規約、契約不適合責任などを、事前資料と現地確認も含めて確認します。

賃貸

特約・退去費用・生活条件

原状回復、短期解約違約金、更新料、保証会社、禁止事項、設備故障、騒音、近隣関係などを確認します。

電子契約

説明義務とは別の手続

IT重説は説明、電子契約は契約意思、本人性、非改ざん性、証拠力が中心です。署名前に書面の整合性を確認します。

高齢者、視覚や聴覚に不安のある人、外国語対応が必要な人、IT機器に不慣れな人は、オンライン説明だけでは理解が難しい場合があります。次の比較表は、状況ごとの配慮例を示します。自分や同席者の事情に合わせて、対面、紙資料、大きな画面、通訳、事前テストなどを選ぶことが重要です。

状況配慮の例
高齢者家族同席、紙資料の事前送付、ゆっくり説明、重要箇所の再説明
視覚に不安大きな画面、拡大表示、紙資料、読み上げ確認
聴覚に不安音量確認、字幕機能、チャット併用、書面回答
外国人日本語理解度確認、通訳同席、専門用語の説明
ITに不慣れ事前接続テスト、紙交付、対面切替の選択肢
代理人利用委任状、本人意思確認、代理権限の範囲確認

安全なIT重説は、実施前、実施中、実施後の3段階で作られます。次の判断の流れは、紛争予防に必要な順番を示しています。事前送付、承諾、環境確認、説明中の確認、終了後の保存が連続しているかを読み取ってください。

安全なIT重説の標準的な順番

実施前

重要事項説明書、契約書案、関連資料を事前送付し、電子書面の提供方法と形式への承諾を取得します。

環境確認

端末、通信、PDF閲覧、画面共有、音声、録画録音の扱い、対面や紙交付の希望を確認します。

実施中

宅建士の顔と宅建士証、書面受領、画面共有、重要条項、質問回答、通信障害時の中断を確認します。

実施後

説明済み書面、補足回答、契約書の変更点、電子署名前の整合性、37条書面、録画データを保存します。

弁護士等へ相談する場面としては、売買代金が大きい、投資用・事業用不動産である、借地権、共有、相続、境界、越境が絡む、定期借家契約である、重要事項説明書と契約書案が一致しない、説明担当者が質問に答えない、電子書面や電子署名の仕組みが不明である、契約後に説明不足や返金、解除、損害賠償で争いがある場合などが挙げられます。

Section 07

IT重説のFAQ

個別の契約内容で結論が変わるため、一般情報として確認します。

Q1. IT重説は対面より危険ですか。

一般的には、制度そのものが対面より危険というわけではありません。IT重説を対面の重要事項説明と同様に取り扱う考え方が示されています。ただし、通信環境、本人確認、書面閲覧、質問機会、承諾記録などの運用によって安全性は変わります。

Q2. スマートフォンだけでIT重説を受けてもよいですか。

一般的には、不可能ではありませんが、売買や複雑な賃貸では慎重に考える必要があります。重要事項説明書、図面、宅建士証、電子署名画面を十分に確認できない可能性があります。具体的には、PCや大きめのタブレット、紙印刷を併用できるか確認する必要があります。

Q3. 電子書面を拒否して紙で受け取れますか。

一般的には、電子書面での提供には承諾が必要であり、紙での交付を受けられる場面があります。ただし、取引の進め方や事業者の対応状況によって調整が必要になる可能性があります。電子での確認に不安がある場合は、紙での交付希望を文書で伝えることが考えられます。

Q4. IT重説を拒否して対面で受けられますか。

一般的には、重要事項説明を対面で受ける選択肢があります。通信環境や理解に不安がある場合は、対面説明を希望する旨を伝えることが考えられます。ただし、日程や場所などの調整が必要になる可能性があります。

Q5. 録画録音はしたほうがよいですか。

一般的には、トラブル防止に役立つ可能性があります。ただし、個人情報が含まれるため、目的、保存方法、提供可否について確認し、関係者の了解を得て行うのが安全です。無断録画や第三者への不用意な共有は避ける必要があります。

Q6. 通信が途切れたのに説明が続いた場合、どうすればよいですか。

一般的には、聞こえなかった箇所や見えなかった箇所について中断と再説明を求めることが重要です。映像や音声の支障があれば中断し、支障がない状況にしてから再開する必要があります。具体的な契約上の影響は事実関係で変わります。

Q7. IT重説を受けた後、すぐ電子署名してもよいですか。

一般的には、重要事項説明書と契約書案の内容を照合し、不明点が解消してから署名することが望ましいといえます。説明直後に急ぐ必要があるとは限りません。疑問が残る場合は、メール等で回答を求め、記録に残してから進める必要があります。

Q8. 弁護士に相談するほどではない気がします。どこに相談できますか。

一般的には、宅建業法上の行政相談は都道府県等の宅地建物取引業免許担当窓口、民事上の返金、解除、損害賠償、契約条項の解釈は弁護士や法テラス、消費者トラブルは消費生活センター等が相談先になる可能性があります。具体的な相談先は、問題の性質に応じて選ぶ必要があります。

Section 08

IT重説は手続・技術・証拠で安全性を作る

見えない、聞こえない、読めない、質問できない、記録が残らない状態を避けます。

不動産取引でIT重説は安全なのかを整理すると、答えは条件付きで安全です。適正に実施されれば対面の重要事項説明と同様に機能しますが、オンライン会議を開くだけで安全になるわけではありません。

この結論を読み取るために、次の強調表示では、安全なIT重説と危険なIT重説を分ける実践的な基準をまとめます。ここで重要なのは、オンライン化は取引を軽くするためではなく、適切に使えば取引を透明にし、記録を残し、理解を助ける手段だという点です。

見えない、聞こえない、読めない、質問できない、記録が残らないIT重説は安全ではありません

反対に、よく見える画面、安定した音声、事前に読める書面、質問できる時間、確認できる宅建士証、保存できる証拠、適切な個人情報管理があれば、IT重説は十分に安全で合理的な選択肢になります。

不動産取引は、金額や生活への影響が大きい契約です。IT重説を利用するときは、便利さだけでなく、法的安全性、理解の安全性、技術的安全性、証拠上の安全性、情報管理上の安全性を一つずつ確認することが重要です。

Reference

参考資料・出典

不動産取引・IT重説

  • 国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」
  • 国土交通省「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」
  • 国土交通省「書面電子化・IT重説マニュアル ハンディガイド」
  • 国土交通省「不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります」
  • 国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
  • 不動産適正取引推進機構「不動産のQ&A 重要事項説明について」

電子契約・情報管理・相談窓口

  • デジタル庁「電子署名」
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」
  • IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」
  • NCO「サイバーセキュリティ対策9か条」
  • 国土交通省「都道府県の宅地建物取引業免許事務担当窓口一覧」
  • 法テラス「法的トラブルの相談・手続き」