2σ Guide

個人情報保護法の改正で
個人が行使できる新しい権利

開示、訂正、利用停止、第三者提供記録の開示など、本人が自分のデータに関与するための制度を、現行法と改正法案の違いが分かるように整理します。

令和2年 本人関与が大きく拡張
3層 既存・拡張・法案段階で整理
16歳未満 法案で保護強化が注目
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

個人情報保護法の改正で 個人が行使できる新しい権利

開示、訂正、利用停止、第三者提供記録の開示など、本人が自分のデータに関与するための制度を、現行法と改正法案の違いが分かるように整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
個人情報保護法の改正で 個人が行使できる新しい権利
開示、訂正、利用停止、第三者提供記録の開示など、本人が自分のデータに関与するための制度を、現行法と改正法案の違いが分かるように整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 個人情報保護法の改正で 個人が行使できる新しい権利
  • 開示、訂正、利用停止、第三者提供記録の開示など、本人が自分のデータに関与するための制度を、現行法と改正法案の違いが分かるように整理します。

POINT 1

  • 個人情報保護法の改正で行使できる権利の全体像
  • 「新しい権利」は、完全な新設だけでなく、従来制度が使いやすくなったものや、請求範囲が広がったものを含みます。
  • 個人情報保護法は、企業や団体に義務を課すだけの法律ではありません。
  • 読者にとって重要なのは、どの悩みがどの請求につながるのかを読み取り、事業者への問い合わせを具体化することです。
  • これらは、GDPRのアクセス権、訂正権、消去権、データポータビリティ権などと完全に同じものではありません。

POINT 2

  • 個人情報保護法の改正を理解するための基本概念
  • 権利行使の対象になる情報かどうかは、情報の呼び名だけでなく、事業者の管理状況や照合可能性によって変わります。
  • 特定の個人を識別できる情報
  • 氏名がなくても本人に結びつく符号
  • 不利益や差別への配慮が必要な情報

POINT 3

  • 個人情報保護法の改正後に使いやすくなった本人の権利
  • 現行法上の権利は、開示、訂正、利用停止、第三者提供停止などを目的別に使い分けます。
  • 事業者の名称、住所、代表者、利用目的、開示等の手続、手数料、安全管理措置、苦情窓口を確認します。
  • これは他の請求をするための入口です。
  • 登録情報、契約情報、問い合わせ履歴、購入履歴、審査情報、対応記録、属性情報、メール配信設定などを確認する制度です。

POINT 4

  • 個人情報保護法の改正で何が変わったのか
  • 1. 本人関与の実効性を高める改正:保有個人データの開示方法、第三者提供記録の開示、利用停止・消去等の請求範囲が主要な改正項目として整理されました。
  • 2. 令和2年改正の全面施行:本人が電磁的記録による提供を含む方法を指定できるようになり、データとしての開示を求めやすくなりました。
  • 3. 改正法案の閣議決定と国会提出
  • 4. 成立・公布・施行前の内容は慎重に区別:参議院議案情報では令和8年4月21日現在として、衆議院の特別委員会に付託された段階と掲載されています。

POINT 5

  • 個人情報保護法に基づく権利行使の手順
  • 1. 相手方を特定する:サービス名ではなく、保有個人データの管理主体となる事業者名を確認します。
  • 2. 何を求めるかを明確にする:開示、第三者提供記録、訂正、利用停止、消去、第三者提供停止を項目ごとに分けます。
  • 3. 本人確認に対応する:なりすまし防止のための確認に応じつつ、不要な番号や機微情報の提出範囲を確認します。
  • 4. 回答内容を確認する:請求項目、理由、第三者提供記録、委託・共同利用の説明、実施日を見ます。
  • 5. 再照会・相談:理由の具体化を求め、認定個人情報保護団体、相談ダイヤル、弁護士 等を検討します。
  • 6. 記録を保管:回答、実施内容、保存期間、停止日などを手元に残します。

POINT 6

  • 個人情報保護法の権利行使が問題になる典型的な悩み
  • 知らない会社から営業電話やDMが来る
  • 取得経路、利用目的、第三者提供記録、オプトアウト届出、第三者提供停止手続を確認します。
  • 退会したのに個人情報が残っている
  • 契約履歴、決済履歴、税務・会計、不正防止、紛争対応のため一定期間保存される場合があります。

POINT 7

  • 個人情報保護法の請求書面で書くべき内容
  • 文例は一般的な整理であり、実際には事案、証拠、事業者の手続に合わせて調整が必要です。
  • 請求書面では、件名、対象者、求める情報や措置、希望する開示方法、本人確認資料、理由、添付資料を整理します。
  • 抽象的な要望ではなく、対象データと請求の種類を分けて書くことが重要です。
  • 次の文例一覧は、実際の書面でどの順番に情報を書くかを示しています。

POINT 8

  • 個人情報保護法の請求を事業者が拒否できる場合
  • 請求が常に認められるわけではありません。拒否理由の具体化と、事実の整理が重要です。
  • 請求が常に認められるわけではありません。
  • 拒否理由の具体化と、事実の整理が重要です。
  • また、過去に同意した場合でも、その後一切の権利行使ができなくなるわけではありません。

まとめ

  • 個人情報保護法の改正で 個人が行使できる新しい権利
  • 個人情報保護法の改正で行使できる権利の全体像:「新しい権利」は、完全な新設だけでなく、従来制度が使いやすくなったものや、請求範囲が広がったものを含みます。
  • 個人情報保護法の改正を理解するための基本概念:権利行使の対象になる情報かどうかは、情報の呼び名だけでなく、事業者の管理状況や照合可能性によって変わります。
  • 個人情報保護法の改正後に使いやすくなった本人の権利:現行法上の権利は、開示、訂正、利用停止、第三者提供停止などを目的別に使い分けます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

個人情報保護法の改正で行使できる権利の全体像

「新しい権利」は、完全な新設だけでなく、従来制度が使いやすくなったものや、請求範囲が広がったものを含みます。

個人情報保護法は、企業や団体に義務を課すだけの法律ではありません。本人が、自分に関するデータについて、見せてもらう、直してもらう、利用を止めてもらう、外部提供の経路を確認するための制度も置いています。

個人情報保護法の改正で個人が行使できる新しい権利を理解するには、従来からある本人関与制度の使いやすさ、請求対象や要件の拡張、今後導入される可能性がある法案段階の制度を分けて見ることが重要です。次の比較表は、現行法上の主な請求と典型場面を整理したものです。読者にとって重要なのは、どの悩みがどの請求につながるのかを読み取り、事業者への問い合わせを具体化することです。

権利・手続求められる内容典型的な場面
保有個人データに関する事項の確認事業者名、利用目的、請求手続、安全管理措置、苦情窓口などを知るプライバシーポリシーや相談窓口を確認したい
保有個人データの開示請求自分に関する保有個人データの内容を見せてもらう会員情報、購入履歴、審査情報、登録情報を確認したい
開示方法の指定電磁的記録など、本人が希望する方法で開示を求める紙ではなくデータで受け取りたい
第三者提供記録の開示請求誰に提供されたか、誰から提供を受けたかを確認する名簿業者、提携先提供、広告配信が疑われる
訂正・追加・削除請求事実と異なる内容を直す、追加する、削除する住所、氏名、職歴、信用情報、属性情報が誤っている
利用停止・消去請求違法取得、目的外利用、不要化、漏えい、権利利益侵害のおそれなどを理由に利用停止や消去を求める退会後も営業連絡が来る、過去の応募情報が残っている
第三者提供の停止請求違法な第三者提供や権利利益侵害のおそれがある場合に提供停止を求める同意なく外部業者へ提供された疑いがある
相談・苦情申出・裁判上の請求事業者、認定個人情報保護団体、個人情報保護委員会、裁判手続などを利用する事業者が不十分な回答しかしない、重大な被害がある

これらは、GDPRのアクセス権、訂正権、消去権、データポータビリティ権などと完全に同じものではありません。日本法では、個人情報、個人データ、保有個人データ、個人関連情報、第三者提供記録といった独自の概念に基づき、請求できる範囲や要件が決まります。

この制度の要点は、本人が単に「削除してほしい」と伝えるだけではなく、どの情報について、どの法律上の請求を、どの範囲で求めるのかを整理するところにあります。

Section 01

個人情報保護法の改正を理解するための基本概念

権利行使の対象になる情報かどうかは、情報の呼び名だけでなく、事業者の管理状況や照合可能性によって変わります。

本人が権利を行使するときに最も大切なのは、その情報が個人情報、個人データ、保有個人データ、個人関連情報、第三者提供記録のどれに当たるのかを見極めることです。同じ「自分の情報」でも、請求できる内容は分類によって変わります。

次の一覧は、権利行使でよく争点になる基本概念を並べたものです。各項目は請求の入口、対象、限界を判断するために重要であり、読者は「自分の情報がどの概念に近いか」「事業者がどの立場で管理しているか」を読み取る必要があります。

個人情報

特定の個人を識別できる情報

氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、顔写真、音声、勤務先、家族関係、購買履歴、位置情報などは、状況により個人情報に該当し得ます。公表済み情報でも個人情報になり得ます。

個人識別符号

氏名がなくても本人に結びつく符号

DNA、顔、虹彩、声紋、歩容、静脈、指紋、掌紋などに由来するデータや、旅券番号、基礎年金番号、免許証番号、個人番号などが問題になります。

要配慮個人情報

不利益や差別への配慮が必要な情報

人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴、犯罪被害歴、障害、健康診断結果、医療・調剤情報など、本人への不当な不利益を防ぐため特に配慮される情報です。

個人データ

検索可能なデータベース内の個人情報

会員データベース、顧客管理システム、応募者管理システム、従業員データベース、問い合わせ管理表、メール配信リストなどを構成する個人情報です。

保有個人データ

開示や訂正などの請求対象

事業者が開示、訂正、追加、削除、利用停止、消去、第三者提供停止を行う権限を持つ個人データです。請求制度の中心になる概念です。

個人関連情報

単体では個人情報に当たらないことがある情報

Cookie ID、端末識別子、閲覧履歴、位置情報、興味関心情報などが例です。提供先で個人データとして取得されることが想定される場合は、第三者提供の規律が問題になります。

第三者提供記録

提供先や提供元を確認する手掛かり

個人データを第三者へ提供した場合や第三者から提供を受けた場合に、一定範囲で作成・保存される記録です。本人は改正後、一定の範囲で開示を求められます。

形式的に氏名が表示されていない情報でも、会員ID、端末ID、Cookie ID、広告ID、電話番号、メールアドレスなどと容易に照合できる場合は、個人情報に当たる可能性があります。一方で、事業者が単に委託先として処理しているだけの情報などは、請求先や対象の整理が難しくなることがあります。

Section 02

個人情報保護法の改正後に使いやすくなった本人の権利

現行法上の権利は、開示、訂正、利用停止、第三者提供停止などを目的別に使い分けます。

現行法上、本人が使える主な制度は、利用目的や請求窓口を知ること、保有個人データを開示してもらうこと、電磁的記録での開示を求めること、第三者提供記録を確認すること、誤りを訂正すること、不要または不適正な利用を止めることです。

次の一覧は、本人が事業者へ伝える請求内容を整理するためのものです。どの制度を選ぶかで求める資料、説明すべき事情、事業者の回答の見方が変わるため、読者は自分の目的に最も近い項目を読み取ることが重要です。

1

保有個人データに関する事項の確認

事業者の名称、住所、代表者、利用目的、開示等の手続、手数料、安全管理措置、苦情窓口を確認します。これは他の請求をするための入口です。

入口
2

保有個人データの開示請求

登録情報、契約情報、問い合わせ履歴、購入履歴、審査情報、対応記録、属性情報、メール配信設定などを確認する制度です。訂正や利用停止の前提になります。

確認
3

電磁的記録による開示の指定

令和2年改正により、本人は電磁的記録の提供を含む方法を指定できるようになりました。紙ではなく、検索や保管がしやすい形式で受け取りたい場面で重要です。

改正点
4

第三者提供記録の開示請求

自分の個人データが誰に提供されたか、誰から提供を受けたかを確認します。知らない会社から連絡が来る、名簿流通が疑われる場面で基礎資料になります。

流通経路
5

訂正・追加・削除請求

内容が事実でない場合に、誤った住所、職歴、支払状況、資格情報、別人の混入などを訂正、追加、削除するよう求めます。評価が不満というだけでは足りないことがあります。

誤情報
6

利用停止・消去請求

目的外利用、不適正利用、不正取得、本人同意のない要配慮個人情報取得、不要化、漏えい等、権利利益侵害のおそれなどを理由に利用停止や消去を求めます。

停止限界あり
7

第三者提供の停止請求

本人同意が必要なのに同意なく提供された場合、オプトアウト制度の要件を満たしていない場合、外国第三者提供の説明や同意が問題になる場合に検討します。

提供停止
8

理由説明を求める対応

不開示、非訂正、利用停止拒否などの回答が抽象的な場合は、理由の具体化を求め、やり取りを記録します。その記録が行政相談や専門家相談の基礎になります。

記録化

利用停止・消去請求は、万能の削除権ではありません。法令上の保存義務、契約上の必要性、紛争対応、債権管理、不正防止、セキュリティ確保、税務・会計上の保存など、事業者側に正当な保持理由がある場合は、全部消去ではなく利用目的の限定やアクセス制限などが検討されることもあります。

Section 03

個人情報保護法の改正で何が変わったのか

令和2年改正で実際に使える権利が広がり、2026年改正法案では子どもや顔特徴データ等の本人関与が注目されています。

令和2年改正は2022年4月に全面施行され、本人関与の実効性を高める複数の改正を含んでいました。主な変化は、開示方法のデジタル化、第三者提供記録の開示、利用停止・消去等の請求範囲の拡大です。

次の時系列は、本人が使える制度の変化を時点ごとに整理したものです。どの段階で既に使える権利になったのか、どの内容が法案段階なのかを区別することが重要であり、読者は日付の順番と制度の成熟度を読み取る必要があります。

令和2年改正

本人関与の実効性を高める改正

保有個人データの開示方法、第三者提供記録の開示、利用停止・消去等の請求範囲が主要な改正項目として整理されました。

2022年4月

令和2年改正の全面施行

本人が電磁的記録による提供を含む方法を指定できるようになり、データとしての開示を求めやすくなりました。

2026年4月7日

改正法案の閣議決定と国会提出

身体の一部の特徴に係る情報、16歳未満の者、オプトアウト第三者提供、課徴金制度、統計・AI・医療等の利活用に関する見直しが示されました。

法案段階

成立・公布・施行前の内容は慎重に区別

参議院議案情報では令和8年4月21日現在として、衆議院の特別委員会に付託された段階と掲載されています。現行法上ただちに行使できる権利とは分けて確認する必要があります。

令和2年改正で特に重要なのは、本人が紙中心の開示だけでなく電磁的記録による開示を求めやすくなった点、第三者提供記録の開示によりデータの流通経路を確認しやすくなった点、不要化・漏えい・権利利益侵害のおそれにも利用停止や消去を求める余地が広がった点です。次の強調箇所は、現行法上の実務で最初に確認したい結論を示します。読者は「すぐ使える制度」と「将来の制度」を混同しないことを読み取ってください。

現行法でまず意識するのは、開示、第三者提供記録、利用停止・消去の3点です

個人情報保護法の改正で個人が行使できる新しい権利を考えるときは、データ形式での開示、提供経路の確認、不要または不適正な利用への停止請求を中心に整理すると、事業者への請求内容が具体化しやすくなります。

2026年改正法案では、本人関与の強化だけでなく、統計情報等の作成、AI開発、医療・公衆衛生、学術研究などのデータ利活用を円滑にする見直しも含まれています。制度理解では、同意だけを絶対条件とするのではなく、利用目的、リスク、本人への影響、透明性、安全管理、本人関与、監督機関による規律を組み合わせて見る必要があります。

次の一覧は、2026年改正法案で注目される論点を整理したものです。いずれも本人の不安や権利利益に関わるため重要ですが、成立・施行前の内容は現行法上の請求として断定せず、今後の条文、政令、規則、ガイドラインを確認する必要があると読み取ってください。

16歳未満の者

同意取得や通知等を法定代理人に対して行うこと、利用停止等請求の要件緩和、本人の最善の利益を優先して考慮する責務が注目されています。

顔特徴データ等

取扱いに関する一定事項の周知、利用停止等請求の要件緩和、オプトアウト制度に基づく第三者提供の禁止が示されています。

オプトアウト第三者提供

取得元、取得方法、本人同意の有無、適法取得の確認などが強化される方向です。名簿流通への対抗手段と関係します。

課徴金制度・命令制度

本人が直接課徴金を請求する制度ではありませんが、違法な取扱いへの抑止力として権利利益の保護に間接的に関わります。

データ利活用の例外

統計、AI、医療、公衆衛生、学術研究等では、社会的利益と本人の不安を調整する制度設計が重要になります。

Section 04

個人情報保護法に基づく権利行使の手順

相手方、請求内容、本人確認、回答確認、相談先を順番に整理すると、事業者とのやり取りを記録しやすくなります。

権利行使では、まずどの事業者に請求するのかを特定します。アプリ名、サービス名、ブランド名と法的な事業者名が異なることは珍しくありません。プライバシーポリシー、会社概要、特定商取引法表示、利用規約、問い合わせフォーム、アプリストア表示、メール送信元などを確認します。

次の判断の流れは、請求前後に確認する順番を示しています。順番を外すと、請求先が違う、請求内容が抽象的、回答の問題点が分からないという状態になりやすいため重要です。読者は、上から順に相手方、請求内容、本人確認、回答、相談先を確認する流れを読み取ってください。

権利行使の進め方

相手方を特定する

サービス名ではなく、保有個人データの管理主体となる事業者名を確認します。

何を求めるかを明確にする

開示、第三者提供記録、訂正、利用停止、消去、第三者提供停止を項目ごとに分けます。

本人確認に対応する

なりすまし防止のための確認に応じつつ、不要な番号や機微情報の提出範囲を確認します。

回答内容を確認する

請求項目、理由、第三者提供記録、委託・共同利用の説明、実施日を見ます。

不十分
再照会・相談

理由の具体化を求め、認定個人情報保護団体、相談ダイヤル、弁護士等を検討します。

整理済み
記録を保管

回答、実施内容、保存期間、停止日などを手元に残します。

請求内容は具体的にします。「私の個人情報を全部なんとかしてください」ではなく、対象となる会員登録情報、購入履歴、問い合わせ履歴、メール配信設定、第三者提供記録などを明示し、開示方法として電磁的記録による提供を希望する、といった形に整えます。

本人確認では、運転免許証、マイナンバーカードの表面、パスポート、登録済みメールアドレスへの確認、ID・パスワード認証、SMS認証、登録住所への郵送などが使われることがあります。ただし、本人確認のために過剰な情報を求めることは別のリスクになります。不要な番号や機微情報は、提出方法やマスキングの可否を確認します。

回答が来たら、請求した項目すべてに回答しているか、不開示や一部開示の理由が具体的か、訂正や利用停止をしない理由が具体的か、第三者提供記録の提供先、提供元、提供日、項目が確認できるか、委託・共同利用・第三者提供の説明が整合しているかを確認します。

Section 05

個人情報保護法の権利行使が問題になる典型的な悩み

営業連絡、退会後の保存、誤情報、SNS、顔認証、子どものデータ、職場の情報など、場面ごとに制度の使い方が変わります。

本人が不安を感じる場面は、知らない会社からの連絡、退会後の保存、間違った情報による不利益、SNSや口コミサイトへの掲載、顔認証カメラ、子どものアプリ利用、会社に提出した情報などに分かれます。

次の比較一覧は、典型的な悩みごとに確認すべき事項を整理したものです。場面によって個人情報保護法だけでなく、名誉毀損、プライバシー侵害、労働法、消費者法など別の制度が中心になることもあるため重要です。読者は、各悩みで最初に確認する情報と、組み合わせる請求を読み取ってください。

知らない会社から営業電話やDMが来る

取得経路、利用目的、第三者提供記録、オプトアウト届出、第三者提供停止手続を確認します。複数社が関与する場合は提供元・提供先の流れを記録します。

退会したのに個人情報が残っている

契約履歴、決済履歴、税務・会計、不正防止、紛争対応のため一定期間保存される場合があります。営業目的の利用停止や第三者提供停止など、目的を絞ることが有効なことがあります。

間違った情報で不利益を受けた

まず開示請求で記録内容を確認し、誤りの箇所と正しい内容を具体化します。信用情報、金融、保険、医療、採用、労務では証拠保全が重要です。

SNSや口コミサイトから情報を消したい

個人情報保護法だけでなく、名誉毀損、プライバシー侵害、著作権、プロバイダ責任制限法、削除仮処分、発信者情報開示が中心になることがあります。

顔認証カメラが不安である

掲示、プライバシーポリシー、問い合わせ窓口を確認し、顔識別機能、顔特徴データ生成、利用目的、保存期間、第三者提供、共同利用、利用停止手続を尋ねます。

子どものアプリ利用や学習データが心配である

学習履歴、行動履歴、成績、興味関心、顔写真、音声、位置情報、友人関係などが取得されることがあります。2026年改正法案では16歳未満の者に関する本人関与が注目されています。

会社に提出した個人情報を削除したい

労働関係法令、税務、社会保険、健康管理、安全配慮義務、ハラスメント調査、懲戒、訴訟対応が関係します。目的を失った情報や過剰な情報は利用停止・消去請求の検討対象になります。

インターネット上の投稿や検索結果については、「忘れられる権利」という表現が使われることがありますが、日本の個人情報保護法上、一般的・包括的にオンライン情報を削除できる権利が明文化されているわけではありません。情報の内容、投稿者、掲載媒体、公共性、真実性、被害の重大性によって根拠が変わります。

Section 06

個人情報保護法の請求書面で書くべき内容

文例は一般的な整理であり、実際には事案、証拠、事業者の手続に合わせて調整が必要です。

請求書面では、件名、対象者、求める情報や措置、希望する開示方法、本人確認資料、理由、添付資料を整理します。抽象的な要望ではなく、対象データと請求の種類を分けて書くことが重要です。

次の文例一覧は、開示、訂正、利用停止・消去、第三者提供記録の4種類について、書くべき要素を比較したものです。読者にとって重要なのは、請求ごとに必要な情報が異なる点であり、表の各列から「誰の、どのデータについて、何を求めるか」を読み取ってください。

請求の種類書面に入れる主な内容文例の骨子
開示請求対象者、会員ID、登録メールアドレス、開示を求める情報、希望する開示方法、本人確認資料件名 ― 保有個人データの開示請求
会員登録情報、購入履歴、問い合わせ履歴、メール配信設定、利用停止・退会処理に関する記録、第三者提供記録の開示を求めます。電磁的記録による提供を希望します。
訂正請求誤っている情報、正しい情報、訂正を求める理由、根拠資料件名 ― 保有個人データの訂正請求
登録住所など内容が事実と異なる項目を示し、正しい住所、転居日、変更届の提出状況、住所変更が確認できる資料を添えて訂正を求めます。
利用停止・消去請求退会日、継続している営業連絡、停止を求める利用目的、不要な情報、保存理由の説明請求件名 ― 保有個人データの利用停止および消去請求
営業メール配信の停止、営業電話利用の停止、退会後も保存する必要のない個人データの消去、法令保存が必要な項目・理由・期間の説明を求めます。
第三者提供記録の開示請求提供先または提供元、提供年月日、提供された個人データの項目、本人同意またはオプトアウト等の根拠件名 ― 第三者提供記録の開示請求
第三者へ提供した記録、第三者から提供を受けた記録、提供先または提供元、提供年月日、提供項目、同意またはオプトアウト等の根拠の開示を求めます。

次の文例一覧は、実際の書面でどの順番に情報を書くかを示しています。請求の種類ごとに件名、対象者、求める内容、本人確認資料、理由を分けると、事業者側も回答しやすくなります。読者は、自分の事情に合わせて空欄部分と対象データを置き換えて読むことが重要です。

保有個人データの開示請求

件名 ― 保有個人データの開示請求
株式会社〇〇 個人情報保護相談窓口 御中。私は貴社サービス「〇〇」を利用している者です。個人情報保護法に基づき、私を本人とする保有個人データの開示を請求します。

対象者は、氏名、登録メールアドレス、会員IDで特定します。開示を求める情報は、会員登録情報、購入履歴、問い合わせ履歴、メール配信設定、利用停止・退会処理に関する記録、第三者提供記録です。開示方法は電磁的記録による提供を希望し、本人確認資料は貴社所定の方法に従い提出します。

開示電磁的記録

保有個人データの訂正請求

件名 ― 保有個人データの訂正請求
貴社が保有する私の保有個人データについて、内容が事実と異なるため、個人情報保護法に基づき訂正を請求します。

誤っている情報として旧住所などを示し、正しい情報として現在の住所を記載します。訂正を求める理由は、転居日、変更届の提出状況、現在も旧住所が登録されている事情を整理します。添付資料として、住所変更が確認できる本人確認書類の写しなどを添えます。

訂正根拠資料

利用停止および消去請求

件名 ― 保有個人データの利用停止および消去請求
私は、〇年〇月〇日に貴社サービスを退会しました。退会後も営業メールおよび電話連絡が継続しているため、営業目的での利用停止および不要な情報の消去を請求します。

対象者は氏名、登録メールアドレス、電話番号、会員IDで特定します。請求内容は、営業メール配信の停止、営業電話利用の停止、退会後も保存する必要のない個人データの消去、法令上保存が必要な情報がある場合の項目・保存理由・保存期間の説明です。

利用停止保存理由

第三者提供記録の開示請求

件名 ― 第三者提供記録の開示請求
個人情報保護法に基づき、私を本人とする個人データに関する第三者提供記録の開示を請求します。

対象者は氏名、登録メールアドレス、会員IDで特定します。開示を求める記録は、貴社から第三者へ提供した記録、第三者から貴社が提供を受けた記録、提供先または提供元、提供年月日、提供された個人データの項目、本人同意またはオプトアウト等の根拠です。背景事情として、関連性の不明な事業者から営業連絡が届くようになった経緯を整理します。

提供記録取得経路

請求後のやり取りでは、送付日、送付先、受付番号、担当部署、回答期限、回答内容、再照会の内容を記録します。電話で説明を受けた場合も、日時、相手方、説明内容をメモに残すと、後日の相談で経緯を説明しやすくなります。

Section 07

個人情報保護法の請求を事業者が拒否できる場合

請求が常に認められるわけではありません。拒否理由の具体化と、事実の整理が重要です。

事業者は、開示により本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、他の法令に違反する場合などに、全部または一部を開示しないことがあります。

次の比較表は、拒否理由と本人側で確認する視点を整理したものです。拒否されたときに感情的な反論だけをしても進みにくいため、読者は「どの拒否理由なのか」「どの事実を具体化すればよいのか」を読み取ることが重要です。

拒否され得る場面事業者側の理由本人側の確認ポイント
開示拒否本人または第三者の権利利益を害するおそれ、業務への著しい支障、他法令違反など単に大量、面倒、社内規程という説明で終わっていないか。理由の具体化を求めます。
訂正拒否内容が事実でないとはいえない、評価や意見の違いにとどまるなど評価への不満ではなく、前提事実の誤り、別人情報の混入、記録日や支払状況の誤りを特定します。
利用停止・消去拒否法令保存義務、契約履行、債権管理、紛争対応、不正利用防止、セキュリティ確保など全面消去だけでなく、営業利用の停止、第三者提供停止、不要項目の削除、保存期間の明示、アクセス制限を求める余地を検討します。
第三者提供停止の拒否委託、共同利用、事業承継など、通常の第三者提供と異なる扱いだと説明される場合委託先の業務内容、共同利用者の範囲、利用目的、管理責任者、外国にある第三者の関与を確認します。

誤解しやすい点として、すべての情報を無条件に削除できるわけではないこと、開示請求で企業の内部判断やアルゴリズムの全内容まで見られるわけではないこと、Cookie IDや広告IDが常に保有個人データの開示対象になるとは限らないことがあります。

また、過去に同意した場合でも、その後一切の権利行使ができなくなるわけではありません。利用目的、同意の範囲、第三者提供の有無、保存期間、同意撤回の可否、利用停止等請求の要件を個別に確認する必要があります。

Section 08

個人情報保護法の問題で弁護士等へ相談を検討する場面

本人だけで請求できる場面もありますが、被害が重大な場合や別の法制度が関係する場合は、専門的な切り分けが必要になります。

個人情報保護法上の請求は、本人が自分で行うことも可能です。ただし、事業者が開示・訂正・利用停止に一切応じない、回答が抽象的で実質的な説明がない、漏えい、なりすまし、詐欺、二次被害が発生している場合は、専門家相談の必要性が高まります。

次の一覧は、相談を検討しやすい場面と準備資料を整理したものです。個人情報保護法の請求だけで解決する問題と、損害賠償、差止め、名誉毀損、労働法、消費者法、刑事法などを使う問題を分けるために重要です。読者は、自分の状況に近い項目と、相談前に集める資料を読み取ってください。

重大な不利益

医療、信用情報、採用、労務、教育、金融

誤情報や不適正利用による影響が生活や信用に及ぶ場合、開示・訂正だけでなく損害や差止めの検討が必要になることがあります。

二次被害

漏えい、なりすまし、詐欺、拡散

漏えい通知、被害を示す資料、連絡履歴、金銭被害、なりすましの記録を整理します。警察や消費生活センターが関係する場合もあります。

オンライン被害

SNS、掲示板、検索結果、口コミサイト

個人情報保護法だけでなく、削除仮処分、発信者情報開示、名誉毀損、プライバシー侵害などの制度を検討することがあります。

関係者が多い

第三者提供、共同利用、委託、外国提供

提供元、提供先、委託先、共同利用者、外国での処理など、法的評価が難しい場合は契約や規約の確認が重要です。

保護が必要な本人

未成年者、高齢者、障害者、DV・ストーカー被害者

住所、連絡先、位置情報、家族情報などの扱いが安全に直結する場合があります。相談時には安全確保の観点も整理します。

準備資料

相談前に集めるもの

プライバシーポリシー、利用規約、同意画面、メール・チャット・電話記録、請求書等の控え、事業者回答、被害資料、時系列メモを用意します。

相談先としては、事業者の個人情報保護相談窓口、認定個人情報保護団体、個人情報保護委員会の相談ダイヤル、消費生活センター、弁護士が考えられます。事案によっては警察、労働局、法務局、人権相談窓口、金融ADR、医療安全支援センター等も関係します。

Section 09

個人情報保護法の改正と本人の権利に関するFAQ

回答は一般的な制度説明です。具体的な結論は、情報の種類、取得経路、利用目的、証拠、時期、事業者の立場で変わります。

個人情報保護法の改正で、自分の情報をすべて削除してもらえるようになったのでしょうか

一般的には、利用停止・消去請求の範囲は令和2年改正で広がったとされています。ただし、法令上の保存義務、契約履行、紛争対応、不正防止、税務・会計上の保存などによって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、対象データと保存理由を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

第三者提供記録を見れば、どこから情報が漏れたか分かるのでしょうか

一般的には、第三者提供記録の開示は提供先や提供元を確認するための重要な手掛かりになるとされています。ただし、委託、共同利用、事業承継、記録作成義務の例外、開示制限などによって確認できる範囲は変わる可能性があります。具体的な対応は、事業者の回答と連絡履歴を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

2026年改正法案の内容は、今すぐ使える権利なのでしょうか

一般的には、法案段階の内容は成立・公布・施行を経てから具体的に適用される制度として扱う必要があります。ただし、国会審議、施行日、政令、規則、ガイドラインによって実際の時期や範囲は変わる可能性があります。具体的な対応は、公的資料で施行状況を確認したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

SNSに載った個人情報は、個人情報保護法だけで削除を求めるのでしょうか

一般的には、SNS投稿や口コミ、掲示板投稿では、個人情報保護法だけでなく、名誉毀損、プライバシー侵害、著作権、プロバイダ責任制限法、削除仮処分、発信者情報開示などが問題になるとされています。ただし、投稿内容、媒体、公共性、証拠関係によって結論は変わる可能性があります。具体的な対応は、投稿画面やURL、被害状況を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Section 10

個人情報保護法の改正で個人が行使できる権利をどう使うか

単なる削除請求ではなく、自分と家族の信用、健康、職業、移動、購買、社会的評価を守るための制度として理解します。

個人情報保護法の改正により、個人が行使できる権利は、従来よりも実質的に強化されています。特に、令和2年改正による電磁的記録での開示、第三者提供記録の開示、利用停止・消去等の請求範囲拡大は、一般の個人にとって実際に使える重要な制度です。

2026年改正法案では、16歳未満の者や顔特徴データ等について、本人関与をさらに強める方向が示されています。これは、AI、顔認証、データ流通、子どものオンライン利用が拡大する社会において、個人の権利利益をより実質的に守るための制度的対応といえます。

まずは、自分の個人情報を取り扱っている事業者のプライバシーポリシーと請求窓口を確認し、開示、第三者提供記録の開示、訂正、利用停止・消去、第三者提供停止のうち、どの請求が適切かを整理します。事業者の対応に疑問がある場合は、やり取りを記録し、認定個人情報保護団体、個人情報保護委員会相談ダイヤル、弁護士等への相談を検討する流れになります。

Reference

参考資料・信頼できる情報源

公的機関の法令、ガイドライン、議案情報を中心に確認しています。

法令・ガイドライン

  • e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
  • 個人情報保護委員会「令和2年 改正個人情報保護法 特集」

改正法案・相談窓口

  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(概要)」
  • 参議院「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案 議案情報」
  • 個人情報保護委員会「個人情報保護法相談ダイヤル」
  • 個人情報保護委員会FAQ「開示請求、内容の訂正、利用停止の請求等に関する苦情や相談への対応」