会社ごとの書類差を、証明すべき事実と受付運用に分けて整理します。法定相続情報、印鑑証明、遺言、協議書、税務資料まで、再取得と不備返戻を減らす順序で確認します。
会社ごとの書類差を、証明すべき事実と受付運用に分けて整理します。
必要書類を丸暗記するのではなく、証明すべき事実と提出先ごとの受付運用を分けて整理します。
証券会社ごとに相続手続きの必要書類が異なる場合の対処法は、各社の書類名を覚えることではありません。まず、証券会社が確認したい事実を分解し、どの会社にも使える共通証明書類と、会社ごとの所定書式を分けて管理することが出発点です。
証券口座の相続は、相続法、戸籍実務、本人確認、証券保管振替制度、特定口座、NISA、税務、商品約款が重なる領域です。同じ家族構成でも、法定相続情報一覧図で足りる会社、戸籍の原本確認を求める会社、印鑑登録証明書の期限を3か月以内にする会社、6か月以内にする会社が出てきます。
次の重要ポイントは、このページ全体で扱う実務上の軸をまとめたものです。証券会社によって差が出る理由を先に押さえることが重要で、どの数値が手続の優先順位を決めるかを読み取ると、書類収集の順番を組み立てやすくなります。
8つの確認対象、5つの差異ポイント、7つの実務原則を軸にすると、証券会社が複数あっても場当たり的な再取得や不備返戻を減らせます。
次の一覧は、証券会社の相続手続で特に見落としやすい重点項目を示しています。件数や期限は準備順序に直結するため、相続人全員の署名押印より前に確認しておく項目を読み取ってください。
死亡、相続人、財産、取得者、同意、本人確認、移管先、商品制約を分けて確認します。
法定相続情報の扱い、有効期限、原本確認、承継根拠、口座開設要否に差が出ます。
目的別整理、共通書類先行、所定書式の会社別管理、最短期限への統一などを徹底します。
被相続人、相続人、法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、残高証明書、移管の意味をそろえます。
証券会社に照会すると、戸籍、法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、検認、残高証明書、移管などの言葉が一度に出てきます。用語の意味をそろえることが重要で、どの書類が何を証明するのかを読み取ると、会社ごとの要求の違いを整理しやすくなります。
| 用語 | 意味 | 証券会社の手続での確認点 |
|---|---|---|
| 被相続人 | 亡くなった人です。 | 証券口座、投資信託、上場株式、債券、外国証券、MRF、預り金などを保有していた名義人を指します。 |
| 相続人 | 被相続人の権利義務を承継する人です。 | 配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹、代襲相続人、養子、前婚の子などを戸籍で確認します。 |
| 法定相続情報一覧図 | 相続関係を一覧化し、登記官の認証文を付した写しです。 | 戸籍の束を何度も提出する負担を軽くできる場合がありますが、遺産分割内容や相続放棄までは通常示せません。 |
| 遺産分割協議書 | 相続人全員で遺産の分け方を合意した書面です。 | 証券会社名、支店名、口座番号、銘柄、数量、預り金、取得者が分かる記載が重要です。 |
| 遺言書と検認 | 遺言に基づく承継では、種類や検認の要否を確認します。 | 公正証書遺言や法務局保管の自筆証書遺言では検認が不要な場合があり、遺言執行者の有無も確認されます。 |
| 残高証明書 | 死亡日など特定日の預り資産や預り金を示す証明です。 | 誰が相続するかを決める書類ではなく、遺産分割や相続税申告の基礎資料になります。 |
| 移管 | 有価証券等を被相続人口座から相続人名義の口座へ移す手続です。 | 相続人名義の同社口座が必要な場合、他社移管できる場合、商品により移管できない場合があります。 |
法定相続情報一覧図は便利ですが、万能ではありません。遺言書の内容、遺産分割協議の結果、相続放棄、遺言執行者の権限、特別代理人の選任、相続開始後に相続人が死亡した二次相続などは、別書類で説明する必要が出ることがあります。
法律上の相続要件だけでなく、本人確認、税務、口座区分、商品約款が重なるためです。
民法上の中心は、誰が相続人で、遺言または遺産分割で誰が財産を取得するかです。一方、証券会社では本人確認、反社会的勢力排除、マネー・ローンダリング対策、特定口座の取得価額管理、NISA口座からの払出し、外国証券の移管可否、商品ごとの約款も確認されます。
次の表は、証券会社が相続手続で確認する代表的な8項目を、書類の目的ごとに整理したものです。どの列に不備があるかを把握することが重要で、追加提出を求められたときは不足している確認目的を読み取ってください。
| 確認対象 | 確認に使われやすい書類 | 不備が出やすい点 |
|---|---|---|
| 死亡の事実 | 除籍謄本、戸籍謄本、死亡診断書の写し、住民票除票 | 初期照会では足りても、移管時には戸籍が必要になることがあります。 |
| 相続人の範囲 | 法定相続情報一覧図、出生から死亡までの戸籍、相続人の現在戸籍 | 代襲相続、兄弟姉妹相続、養子、前婚の子で調査範囲が広がります。 |
| 相続財産の内容 | 残高証明書、取引残高報告書、取引明細 | 未収配当金、外貨、単元未満株式、特別口座を見落としやすくなります。 |
| 取得者 | 遺言書、遺産分割協議書、調停調書、審判書 | 銘柄、数量、口座、預り金の特定が曖昧だと移管指図ができません。 |
| 全員の同意または権限 | 相続人全員の署名押印、委任状、遺言執行者の書類 | 遺言執行者がいるか、全員の実印が必要かで書類が変わります。 |
| 本人確認と印鑑 | 本人確認書類、印鑑登録証明書 | 発行後3か月以内、6か月以内など会社ごとの差が大きい部分です。 |
| 移管先口座 | 相続人名義の証券口座、特定口座開設書類、移管依頼書 | 同じ証券会社の口座が必要な場合と、他社移管が可能な場合があります。 |
| 商品ごとの制約 | 商品別確認書、外国証券関係書類、信用取引清算書類 | 外国株式、信用取引、貸株、NISA、一般口座では追加確認が生じます。 |
商品の違いも書類差の大きな原因です。国内上場株式、投資信託、外貨建債券、外国株式、信用取引、先物、オプション、貸株、MRF、NISA口座、特定口座、一般口座では、移管可否や税務処理が変わります。
公式案内に現れる違いを、法定相続情報、印鑑証明、遺言、協議書、口座開設の観点で比較します。
証券会社の案内は改定されるため、実際の提出前には各社から最新の個別案内を取り寄せる必要があります。次の比較表は、差が現れやすい実務上の特徴を整理したもので、どの会社で先に確認すべきか、どの書類を共通化できるかを読み取るために使います。
| 会社または機関 | 案内から読み取れる特徴 | 実務上の対処 |
|---|---|---|
| 野村證券 | 相続手続依頼書、戸籍謄本等または法定相続情報一覧図、相続人全員の印鑑証明書、協議書写し、遺言書写し、検認関係書類などが状況別に示されます。印鑑証明書は発行より6か月以内の原本と案内され、相続人名義の振替先口座が必要とされます。 | 相続人の同社口座開設を早めに進め、残高証明書や特定口座取引明細も同時に請求します。 |
| 大和証券 | 遺言書がある場合、遺産分割協議書がある場合、どちらもない場合に分けて書類を示します。戸籍等に代えて法定相続情報一覧図を提出できる場合があります。 | 遺言、協議書、協議未了のどの経路で進めるかを最初に決め、法定相続情報で代替できる範囲を確認します。 |
| みずほ証券 | 会社所定の届出書と、相続人側が用意する書類を分け、遺言執行者、協議書、審判書、調書などのケース別に案内します。 | 会社所定書類と外部証明書類を分けて管理し、協議書、調停調書、審判書、遺言書の要否を確認します。 |
| SMBC日興証券 | 必要書類は遺言書の有無や内容等により異なると案内されています。 | Web上の一般的なリストだけで判断せず、遺言の有無、遺言執行者の有無、協議書の有無を伝えて個別リストを取り寄せます。 |
| 楽天証券 | 遺言書、検認調書、法定相続情報一覧図または戸籍謄本等が状況別の必要書類として示されます。 | 郵送中心になりやすいため、原本返却の可否、写しの可否、書類到着後の処理日数を事前に確認します。 |
| 松井証券 | 顧客サポートへ連絡後、代表相続人へ書類を送付する流れです。戸籍は発行から6か月以内、印鑑証明書は発行から3か月以内とされる案内があります。 | 印鑑証明書は最後に取得します。3か月基準に合わせると、6か月基準の会社にも対応しやすくなります。 |
| 岡三オンライン | 事業譲渡に伴う期限、口座開設可否、譲渡先での手続など、会社事情による特別な案内があります。 | 会社再編、サービス終了、事業譲渡がある会社では、期限、移管先、口座開設可否を通常書類と別に確認します。 |
| マネックス証券 | 被相続人が特定口座で保有していた上場株式等は、相続人の特定口座へ移管できる場合があり、取得日や取得価額の引継ぎが案内されています。一般口座資産は扱いが異なります。 | 特定口座で受けたい場合は、相続人側の特定口座開設と、特定口座へ受け入れるための手続を早めに確認します。 |
次の一覧は、各社の案内の違いが特に集中する5つの論点です。ここを先に比較することが重要で、提出書類そのものよりも、受付運用の差を読み取って準備順序を決めます。
戸籍一式をどこまで置き換えられるかは会社ごとに確認します。
戸籍や印鑑登録証明書の3か月、6か月などの期限差を比較します。
原本提出、原本確認、写し可、原本返却の有無を分けて管理します。
遺言書、協議書、調停調書、審判書のどれで進めるかを明示します。
同社口座の開設が必要か、他社移管が可能かを確認します。
死亡連絡、窓口確認、共通書類、法定相続情報、印鑑証明の順で進めます。
複数の証券会社が関係するときは、思いついた会社から順に書類を送るより、全体の順序をそろえるほうが不備を減らせます。次の時系列は、何を先に確認し、どこで書類を消耗しないようにするかを示しており、前半で情報を集め、後半で期限のある書類を取得することを読み取ってください。
店舗型証券では取引店、ネット証券では相続専用窓口やカスタマーサポートに、遺言の有無、相続人の範囲、協議書の予定、税務資料の必要性を伝えます。
法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、印鑑登録証明書などの共通書類と、各社の相続手続依頼書、移管依頼書、口座解約依頼書を分けて管理します。
複数の金融機関、証券会社、不動産、税務署が関係する場合、戸籍一式を何度も提出する負担を減らせる可能性があります。
3か月以内の会社がある場合は、全社の署名押印や所定書類が整う直前に取得し、期限内に一括提出できるようにします。
受付窓口へ最初に伝える事項は、必要書類の範囲を決める材料です。次の表は、照会時に伝えるべき情報と理由を対応させたもので、会社から返ってくる個別リストを比較しやすくするために各項目を埋めます。
| 伝える事項 | 理由 |
|---|---|
| 被相続人の氏名、生年月日、死亡日、住所 | 口座照会と本人特定に必要です。 |
| 口座番号、支店名、ログインIDの有無 | 口座特定が早くなります。 |
| 相続人の人数と続柄 | 戸籍、印鑑証明書、署名者の範囲が変わります。 |
| 遺言書と遺言執行者の有無 | 遺言に基づく処理か、相続人全員の協議かが変わります。 |
| 遺産分割協議書の作成予定 | 協議書提出か、会社所定届出書かが変わります。 |
| 未成年者、後見利用者、海外居住者の有無 | 特別代理人、後見人、署名証明、在留証明、翻訳が必要になる場合があります。 |
| 相続税申告の予定 | 残高証明書、取引明細、評価資料の取得が必要になります。 |
共通書類と会社指定書類を分けると、原本の不足や期限切れを防ぎやすくなります。次の表では、横断的に使える書類と、その書類で注意すべき点を示しているため、どれを複数通用意するかを読み取ってください。
| 分類 | 代表的書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 死亡の証明 | 除籍謄本、戸籍謄本、住民票除票、死亡診断書の写し | 死亡診断書でよい段階と、戸籍が必要な段階が分かれます。 |
| 相続人の証明 | 法定相続情報一覧図、出生から死亡までの戸籍、相続人全員の現在戸籍 | 相続放棄、二次相続、遺産分割内容までは別書類で補います。 |
| 権利帰属の証明 | 遺言書、遺言書情報証明書、検認済証明書、協議書、調停調書、審判書 | 誰が当該証券を取得するかが明確である必要があります。 |
| 意思確認 | 相続人全員の署名、実印、印鑑登録証明書、委任状 | 有効期間は会社により3か月、6か月など差があります。 |
| 本人確認 | マイナンバーカード表面、運転免許証、資格確認書、住民票 | マイナンバー提出の要否は口座開設や税務処理で変わります。 |
| 税務資料 | 残高証明書、特定口座年間取引報告書、取引明細、取得価額資料 | 相続税評価、譲渡所得、取得費加算の検討に使います。 |
遺言の有無、協議未了、未成年者、海外居住者、証券会社不明の場面に分けます。
相続手続の必要書類は、遺言があるか、相続人全員で協議できるか、家庭裁判所の手続が必要かによって変わります。次の判断の流れは、どの承継根拠で証券会社に説明するかを示しており、最初の分岐で必要書類の種類が大きく変わることを読み取ってください。
公正証書、自筆証書、法務局保管の有無を確認します。
いる場合は権限確認書類を中心に、いない場合は受取人や相続人の同意を確認します。
調停調書、審判書、確定証明書が承継根拠になります。
銘柄、数量、口座、預り金、取得者を明確にします。
基本の順序は、相続人の確定、残高証明書の取得、遺産分割協議、協議書の作成、証券会社所定書類の記入、移管です。協議書には、当該証券会社の預り資産を誰が取得するかを包括的に示しつつ、銘柄や数量が分かる特定的な記載を併用すると、移管指図の不明確さを減らせます。
次の表は、協議書で特定すべき証券資産の書き方を示しています。会社名だけでは足りない場面があるため、どの列を埋めれば移管先と取得者が明確になるかを読み取ってください。
| 証券会社 | 支店 | 口座番号 | 銘柄または商品 | 数量または金額 | 取得者 |
|---|---|---|---|---|---|
| ○○証券 | 本店 | 123456 | 株式会社X 普通株式 | 1,000株 | 相続人A |
| ○○証券 | 本店 | 123456 | ○○投資信託 | 全口数 | 相続人B |
| ○○証券 | 本店 | 123456 | 預り金 | 全額 | 相続人A |
遺言書があるときは、協議書を作る前に、遺言書の種類、公正証書か自筆証書か、法務局保管制度の利用、検認の要否、遺言執行者の有無、証券口座の記載の具体性、包括遺贈か特定遺贈かを確認します。自筆証書遺言で法務局保管制度を利用していない場合、家庭裁判所の検認手続が必要になることがあります。
相続人全員の署名押印が得られない場合、証券会社は通常、相続手続を完了できません。一般的には、家庭裁判所の遺産分割調停、審判、または関連する訴訟で権利帰属を確定させ、調停調書、審判書、確定証明書などを承継根拠として提出する流れになります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
未成年者と親権者が同じ相続で利害対立する場合、親が未成年者を代理して遺産分割協議を進められないことがあります。成年後見人がいる相続人についても、本人との利益相反があれば特別代理人や臨時保佐人、臨時補助人の選任が問題になります。
海外居住者が相続人にいる場合、印鑑登録証明書を取得できないことがあります。その場合は、在外公館の署名証明、居住証明、宣誓供述書、パスポート写し、翻訳文などが必要になる可能性があります。外国籍の相続人では、出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書、家族関係証明書などで相続関係を示すことがあります。
証券会社が分からないときは、調査対象を紙資料、銀行口座、メール、税務資料、証券保管振替機構、信託銀行の証券代行に分けます。次の表は、どこを見れば保有先の手掛かりが出やすいかを示しており、証券口座と特別口座を分けて読み取ることが重要です。
| 調査対象 | 見るべき資料 |
|---|---|
| 自宅の紙資料 | 取引残高報告書、年間取引報告書、口座開設通知、配当金通知、株主総会通知。 |
| 銀行口座 | 証券会社への入金、証券会社からの出金、投信分配金、配当金の入金。 |
| メール | 取引報告、ログイン通知、電子交付通知、キャンペーン通知。 |
| 税務資料 | 確定申告書、株式譲渡所得の明細、配当所得、外国税額控除。 |
| 証券保管振替機構 | 登録済加入者情報通知書の開示請求。 |
| 信託銀行の証券代行 | 特別口座、未受領配当金、単元未満株式。 |
残高証明書、取得価額、NISA払出し、取得費加算は、移管書類とは目的が違います。
証券会社の残高証明書は、銘柄や数量を確認する基礎資料ですが、相続税評価額を自動的に確定するものではありません。上場株式の評価では、死亡日の終値、課税時期の属する月、前月、前々月の月平均額などを確認します。投資信託、外貨建資産、債券、未収配当金も別途確認が必要です。
次の表は、相続後の税務や売却時に必要になりやすい資料を整理したものです。移管が終わってから集め直すと時間がかかるため、相続手続の段階で何を同時請求すべきかを読み取ってください。
| 資料 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 残高証明書 | 死亡日現在の銘柄、数量、預り金を確認します。 | 相続税評価額をそのまま確定する書類ではありません。 |
| 特定口座年間取引報告書 | 被相続人の取引状況、配当、譲渡損益を確認します。 | 準確定申告や相続後の売却準備に使います。 |
| 取得価額資料 | 相続人の譲渡所得計算に影響します。 | 特定口座では取得日や取得価額が引き継がれる場合があります。 |
| 取引明細 | 取得単価、取得日、手数料、分割や併合を確認します。 | 取得費が不明な場合の検討資料になります。 |
| NISA口座の払出し資料 | 相続開始日の終値相当額で取得したものと扱われる処理を確認します。 | 通常の特定口座の取得価額引継ぎと同じに考えないよう注意します。 |
相続または遺贈で取得した株式などを一定期間内に譲渡した場合、相続税額の一部を取得費に加算できる特例が問題になることがあります。次の強調事項は、期限と処理主体を確認するために重要で、証券会社へ書類を出すことと税務申告が別手続である点を読み取ってください。
相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡するなど、税務上の要件確認が必要です。適用の可否、計算、確定申告の要否は税理士等に確認します。
会社別管理表、照会文例、原本管理、不備返戻時の確認事項をまとめます。
複数の証券会社があるときは、会社別の管理表を作ると、必要書類、有効期限、原本返却、相続人口座、残高証明を横断的に比べられます。次の表は管理すべき項目を示しており、期限の短い書類や会社所定書式をどこに分けて記録するかを読み取ってください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 証券会社名 | ○○証券 |
| 支店、部店、口座番号 | 本店、123456 |
| 担当窓口 | 相続事務センター、担当者名、電話番号 |
| 最終確認日 | 2026年5月19日 |
| 手続ルート | 遺産分割協議書あり |
| 必要な会社所定書類 | 相続手続依頼書、相続上場株式等移管依頼書、口座解約依頼書 |
| 共通証明書類 | 法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、印鑑登録証明書 |
| 原本提出 | 印鑑証明書原本、協議書写し可、戸籍写し可など |
| 有効期限 | 印鑑証明書3か月以内、戸籍6か月以内など |
| 相続人口座 | 同社口座が必要、他社移管可、特定口座受入要手続 |
| 残高証明 | 請求済、未請求、死亡日基準、相続税申告用 |
| 不備指摘 | なし、署名漏れ、銘柄記載不足など |
会社ごとの差を比較するには、同じ前提を各社へ伝えることが重要です。次の文面は、どの承継根拠で進めるか、法定相続情報一覧図を使うか、特定口座受入や残高証明も確認したいかを一度に伝えるための例として読み取ってください。
戸籍、法定相続情報一覧図、印鑑登録証明書、遺産分割協議書の原本返却は会社により対応が異なります。返却を希望する場合は提出時に明記し、印鑑登録証明書のように返却されないことが多い書類は必要通数を多めに取得します。
複数社の手続を並行するときに、1社へ先に原本を送ると、他社に出す書類が不足することがあります。法定相続情報一覧図を複数通取得し、印鑑登録証明書を必要通数そろえ、遺産分割協議書の原本と写しの扱いを決めてから提出します。
不備返戻を受けたときは、追加書類名だけでなく、どの確認事項が不足しているのかを聞くことが重要です。次の表は質問と意味を対応させたもので、再提出の範囲を必要最小限にするために読み取ってください。
| 質問 | 意味 |
|---|---|
| 不足しているのは、死亡確認、相続人確認、権限確認、本人確認、移管先確認のどれですか | 必要書類の目的を特定します。 |
| 法定相続情報一覧図で代替できない理由は何ですか | 追加戸籍が必要な範囲を絞ります。 |
| 原本が必要ですか、写しで足りますか | 書類の消耗を防ぎます。 |
| 発行期限の基準日は、発行日から提出日までですか、受理日までですか | 期限切れを防ぎます。 |
| 協議書の記載が不足している場合、どの銘柄、数量、口座情報が必要ですか | 協議書の再作成を最小限にします。 |
争い、登記、税務、書類整理、金融資産管理で相談先が変わります。
証券会社の必要書類だけを見ていると、相続全体の公平性や税務、登記、家庭裁判所手続とのつながりを見落とすことがあります。次の一覧は専門家ごとの主な役割を示しており、どの問題が出たときに誰へ確認するかを読み取ってください。
相続人間の争い、遺言の有効性、遺留分、使い込み疑い、調停、審判、訴訟がある場合に中心になります。
紛争戸籍収集、法定相続情報一覧図、相続登記、不動産名義変更が関係する場合に重要です。
登記上場株式、投資信託、債券、外貨建資産、未上場株式、相続後の売却、相続税申告で関与します。
税務紛争がなく、税務申告や登記申請代理を伴わない範囲で、協議書や戸籍整理などの下準備を担うことがあります。
書類遺言信託、遺産整理、金融資産の承継、生活資金、資産配分、保険、売却時期の全体設計で関係します。
金融戸籍不足、協議書の特定不足、印鑑証明の期限切れ、口座凍結、申告期限を整理します。
不備返戻は、書類名の見落としだけでなく、証明目的の不足から起きます。次の一覧は代表的な失敗と修正方法を示しており、どの段階で立て直せば再取得や再協議を減らせるかを読み取ってください。
子も直系尊属もいない場合は、被相続人の戸籍だけでなく、父母、兄弟姉妹、甥姪の代襲関係まで確認が必要になることがあります。法定相続情報一覧図を作成してから提出するほうが効率的です。
どの証券会社のどの株式か分からず、投資信託、債券、預り金、未収配当金、外貨、端数が漏れることがあります。別紙財産目録を付け、相続人全員の押印を整えます。
3か月以内基準の会社に合わせて取り直すのが実務上は安全です。海外居住者や遠方の相続人がいる場合は、署名押印の段取りから逆算します。
被相続人口座で相続人が自由に売却できるわけではありません。相場変動が心配な場合でも、分割方法、移管可否、換金可否を会社へ確認します。
移管が終わっていなくても、残高証明書、取引明細、評価資料の取得を進め、相続税評価の準備を進めます。
目的別整理、共通書類、会社別所定書式、最短期限、原本管理、税務資料、紛争対応でまとめます。
証券会社ごとに相続手続きの必要書類が異なる場合は、提出書類を会社名ごとに丸暗記するより、実務原則で管理するほうが安定します。次の表は7原則と対応を示しており、どの原則を使えば再提出や税務上の見落としを減らせるかを読み取ってください。
| 原則 | 実務対応 |
|---|---|
| 目的で分ける | 死亡、相続人、取得者、同意、本人確認、移管先、税務のどれを証明する書類かを整理します。 |
| 共通書類を先に作る | 法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、残高証明書、印鑑証明書の取得計画を立てます。 |
| 所定書式は会社別に扱う | 相続手続依頼書、移管依頼書、口座解約依頼書は各社の最新版を使います。 |
| 有効期限は最短基準に合わせる | 印鑑登録証明書は3か月基準の会社があればそれに合わせます。 |
| 原本返却を前提にしない | 余分な通数を取得し、返却希望は提出時に明記します。 |
| 税務資料を同時に取る | 残高証明書、取引明細、取得価額、NISA払出し資料を請求します。 |
| 紛争なら提出を急がない | 調停調書、審判書、確定証明書などで権利帰属を確定させます。 |
最後に、実践的な順序を時系列で確認します。上から下へ進めるほど期限のある書類や会社所定書式に近づくため、調査、法定相続情報、協議書、印鑑証明、提出、税務確認の順番を読み取ってください。
紙資料、入出金履歴、電子交付、配当通知、証券保管振替機構などを確認します。
相続手続書類一式と、残高証明書請求書、取引明細の請求方法を確認します。
複数の金融機関で使う前提で、必要通数と追加書類を確認します。
検認、遺言書情報証明書、協議書の銘柄、数量、預り金、未収配当金まで確認します。
会社ごとの受付運用を比較し、最短期限に合わせて提出予定を組みます。
会社別所定書類を記入し、原本返却希望や不足時の連絡先も添えます。
取得価額、口座区分、相続税申告、売却時期、取得費加算の検討を行います。
制度、証券会社の相続案内、税務資料を確認しています。