2σ Guide

廃除された
相続人の子供は
代襲相続できるか

被相続人の子が廃除された場面を中心に、
配偶者・直系尊属・兄弟姉妹との違い、
相続放棄との違い、登記や税務で
確認すべき点を整理します。

887条2項 廃除を代襲原因に含む条文
939条 相続放棄は別に扱う根拠
3年以内 相続登記の期限目安
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廃除された 相続人の子供は 代襲相続できるか

被相続人の子が廃除された場面を中心に、配偶者・直系尊属・兄弟姉妹との違い、相続放棄との違い、登記や税務で 確認すべき点を整理します。

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廃除された 相続人の子供は 代襲相続できるか
被相続人の子が廃除された場面を中心に、配偶者・直系尊属・兄弟姉妹との違い、相続放棄との違い、登記や税務で 確認すべき点を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 廃除された 相続人の子供は 代襲相続できるか
  • 被相続人の子が廃除された場面を中心に、配偶者・直系尊属・兄弟姉妹との違い、相続放棄との違い、登記や税務で 確認すべき点を整理します。

POINT 1

  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかの全体像
  • まず、原則と例外を分けて押さえます。
  • 民法887条2項が、死亡や相続欠格だけでなく、廃除によって相続権を失った場合も代襲原因に含めているためです。
  • 誰が廃除されたのかで結論が変わるため、最初に相続人の位置づけを確認することが重要です。
  • 相続放棄とは結論が異なります。

POINT 2

  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかを理解する基本用語
  • 廃除、代襲相続、相続放棄を混同しないための前提です。
  • 被相続人と相続人
  • 推定相続人
  • 代襲相続

POINT 3

  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかを 民法の条文から見る
  • 1. 廃除された人が被相続人の子か:子の系列であれば民法887条2項を確認します。
  • 2. その子供が被相続人の直系卑属か:養子縁組前出生子や連れ子では戸籍関係を確認します。
  • 3. 代襲者自身に欠格や廃除がないか:代襲者にも相続資格が必要です。
  • 4. 代襲相続人として扱う可能性:遺産分割、登記、税務で参加者に含めます。
  • 5. 別の順位や手続を検討:配偶者、直系尊属、兄弟姉妹、遺言の問題を分けて見ます。

POINT 4

  • 廃除と相続放棄の違い ― 代襲相続できるかの分岐
  • 本人が相続しないという結果は同じでも、子供への影響は異なります。
  • 廃除は本人の非行を対象にする
  • 代襲相続は下の世代の機会を残す
  • 代襲者自身の遺留分は別に見る

POINT 5

  • 廃除された相続人の子供が 代襲相続できる要件
  • 被相続人の子が廃除されたか
  • 中心となるのは、被相続人の子が廃除された場合です。
  • 代襲者が直系卑属か
  • 民法887条2項ただし書により、子、孫、ひ孫のような直系卑属であることが必要です。

POINT 6

  • 廃除された相続人の子供の 法定相続分と遺留分
  • 民法901条の考え方と、代襲者自身の遺留分を整理します。
  • 親の相続分を下の世代で分ける
  • 代襲相続人の相続分は、廃除された親が本来受けるはずだった相続分と同じです。
  • 代襲者が複数いる場合は、その親の相続分を代襲者たちで分けます。

POINT 7

  • 廃除された相続人の子供を確認する 遺言・家庭裁判所手続
  • 1. 被相続人が家庭裁判所へ廃除を請求:生前廃除では、被相続人自身が廃除原因を示して申し立てます。
  • 2. 遺言で廃除の意思表示をする:遺言廃除では、相続開始後に遺言執行者が家庭裁判所へ請求します。
  • 3. 家庭裁判所が廃除原因を確認:虐待、重大な侮辱、著しい非行の有無が証拠と経緯から確認されます。
  • 4. 戸籍届出と相続人範囲の確認:審判確定後は戸籍記載、廃除取消しの有無、代襲者の戸籍を確認します。

POINT 8

  • 廃除された相続人の子供がいる 相続登記と相続税
  • 相続人の範囲を誤ると、不動産名義と税額計算に影響します。
  • 2024年4月1日から相続登記は義務化
  • 基礎控除の例
  • 不動産がある相続では、誰が相続人かを確定しなければ相続登記の内容を決められません。

まとめ

  • 廃除された 相続人の子供は 代襲相続できるか
  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかの全体像:まず、原則と例外を分けて押さえます。
  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかを理解する 基本用語:廃除、代襲相続、相続放棄を混同しないための前提です。
  • 廃除された相続人の子供は 代襲相続できるかを 民法の条文から見る:民法887条2項、ただし書、再代襲、相続分をつなげて確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

廃除された相続人の子供は
代襲相続できるかの全体像

まず、原則と例外を分けて押さえます。

廃除された相続人の子供は代襲相続できるかという問いについて、被相続人の子が廃除された場面では、原則として代襲相続人になる可能性があります。民法887条2項が、死亡や相続欠格だけでなく、廃除によって相続権を失った場合も代襲原因に含めているためです。

結論廃除は、廃除された本人の相続権を失わせる制度です。その子供まで当然に相続から排除する制度ではないため、被相続人から見て直系卑属であり、本人に欠格や廃除などの障害がなければ、代襲相続を検討します。

次の比較表は、廃除された人の立場ごとに、子供が代襲相続できるかを整理したものです。誰が廃除されたのかで結論が変わるため、最初に相続人の位置づけを確認することが重要です。

廃除された人子供の扱い理由
被相続人の子原則として代襲相続を検討民法887条2項が廃除を代襲原因に含めています。
被相続人の配偶者配偶者を代襲しません配偶者には代襲相続制度がありません。
父母など直系尊属直系尊属を代襲しません民法は直系尊属について代襲を定めていません。
兄弟姉妹通常は廃除の対象ではありません兄弟姉妹には遺留分がなく、推定相続人廃除の対象になりにくい構造です。
廃除された子の子供自身資格喪失があれば相続できません代襲者自身にも相続資格が必要です。

相続放棄とは結論が異なります。相続放棄をした人は、その相続では初めから相続人でなかったものとみなされ、民法887条2項の代襲原因にも含まれていません。そのため、廃除と放棄を同じものとして扱うと、遺産分割協議、登記、税務の前提を誤るおそれがあります。

Section 01

廃除された相続人の子供は
代襲相続できるかを理解する
基本用語

廃除、代襲相続、相続放棄を混同しないための前提です。

このテーマでは、日常語としての「相続できない」と法律上の地位がずれることがあります。廃除、欠格、放棄はどれも結果として本人が相続しない場面を生みますが、子供が代襲相続できるかは同じではありません。

次の用語整理は、判断の前提になる法律上の地位をまとめたものです。各用語の違いを押さえると、どの時点で誰を相続人として扱うべきかを読み取りやすくなります。

PERSON

被相続人と相続人

被相続人は亡くなって相続される側の人です。相続人は、法律上、被相続人の財産上の権利義務を承継する地位にある人です。

EXPECTED

推定相続人

今その人が亡くなったなら相続人になるはずの人を指します。廃除は、遺留分を有する推定相続人について問題になります。

DISINHERIT

廃除

虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行がある場合に、家庭裁判所の手続を通じて推定相続人の相続権を失わせる制度です。

REPRESENT

代襲相続

本来相続人となるはずだった人が死亡、相続欠格、廃除などで相続できない場合に、その人の子供が代わって相続人となる制度です。

DISQUALIFY

相続欠格

遺言書の偽造や隠匿など、民法891条に定める重大な事由により、法律上当然に相続資格を失う制度です。

RENOUNCE

相続放棄

家庭裁判所に申述し、その相続では初めから相続人でなかったものとみなされる制度です。代襲原因には含まれません。

廃除は、単なる不仲や連絡不通だけで当然に認められる制度ではありません。本人の相続権と遺留分を失わせる強い効果があるため、事実関係、証拠、経緯、関係修復の可能性などが慎重に確認されます。

Section 02

廃除された相続人の子供は
代襲相続できるかを
民法の条文から見る

民法887条2項、ただし書、再代襲、相続分をつなげて確認します。

民法887条2項は、被相続人の子が相続開始以前に死亡した場合だけでなく、相続欠格または廃除によって相続権を失ったときにも、その者の子が代襲して相続人になると定めています。つまり、法律は廃除された子の子供が代襲相続人になる場面を明示的に予定しています。

次の判断の流れは、条文上の要件を順番に確認するためのものです。上から順に見ることで、被相続人の子の廃除なのか、代襲者が直系卑属なのか、本人に資格喪失がないのかを読み取れます。

代襲相続を検討する順序

廃除された人が被相続人の子か

子の系列であれば民法887条2項を確認します。

その子供が被相続人の直系卑属か

養子縁組前出生子や連れ子では戸籍関係を確認します。

代襲者自身に欠格や廃除がないか

代襲者にも相続資格が必要です。

要件あり
代襲相続人として扱う可能性

遺産分割、登記、税務で参加者に含めます。

要件なし
別の順位や手続を検討

配偶者、直系尊属、兄弟姉妹、遺言の問題を分けて見ます。

次の条文整理は、このページで扱う根拠条文を役割ごとに並べたものです。条番号だけでなく、どの論点に関係するかを押さえると、廃除と代襲相続の全体像を確認しやすくなります。

条文主な役割このテーマでの読み方
民法887条2項子の代襲相続死亡、欠格、廃除を代襲原因に含めます。
民法887条2項ただし書直系卑属要件代襲者が被相続人の直系卑属でない場合は除かれます。
民法887条3項再代襲子の系列では、さらに下の世代が相続人となる場合があります。
民法889条2項兄弟姉妹の代襲甥・姪の代襲を定めますが、兄弟姉妹の廃除とは構造が異なります。
民法892条推定相続人の廃除遺留分を有する推定相続人が対象です。
民法893条遺言による廃除遺言執行者が家庭裁判所へ請求する流れになります。
民法894条廃除の取消し廃除が後に取り消されていないかも確認します。
民法901条代襲相続人の相続分廃除された親が受けるはずだった相続分を代襲者が分けます。
民法939条相続放棄の効果放棄者は初めから相続人でなかったものとみなされ、代襲原因になりません。

再代襲も重要です。被相続人の子Aが廃除され、Aの子Bも相続開始前に死亡しており、Bの子Cがいる場合、Cがさらに代襲相続人になる可能性があります。一方、兄弟姉妹の系列では甥や姪の子まで再代襲することは認められないと整理されます。

Section 03

廃除と相続放棄の違い ―
代襲相続できるかの分岐

本人が相続しないという結果は同じでも、子供への影響は異なります。

廃除、相続欠格、相続放棄はいずれも本人が相続しない場面を生みます。しかし、代襲相続を発生させる原因に含まれるかどうかは別問題です。とくに相続放棄は、廃除と結論が逆になるため注意が必要です。

次の比較表は、死亡、相続欠格、廃除、相続放棄を並べ、本人と子供の扱いを整理したものです。右端の根拠を見ると、相続放棄だけが代襲原因から外れていることを読み取れます。

事由本人は相続するか子供は代襲相続するか根拠の考え方
死亡しません可能性があります民法887条2項
相続欠格しません可能性があります民法887条2項
廃除しません可能性があります民法887条2項
相続放棄しません原則として代襲しません放棄は代襲原因ではありません

次の3つの視点は、なぜ廃除では子供が代襲相続人になり得るのかを整理するものです。廃除の評価対象、代襲相続の制度趣旨、遺留分の帰属を分けると、結論の理由が見えやすくなります。

本人評価

廃除は本人の非行を対象にする

虐待、重大な侮辱、著しい非行の評価対象は原則として廃除される本人です。子供が当然に同じ評価を受けるわけではありません。

世代承継

代襲相続は下の世代の機会を残す

本来の相続人が一定の理由で相続できないとき、下の世代へ承継の機会を残す制度として位置づけられます。

遺留分

代襲者自身の遺留分は別に見る

廃除された本人の遺留分は失われますが、代襲者が相続人となる場合、その人自身の遺留分が問題になることがあります。

「親が相続できないなら子供が代わりに相続する」とだけ覚えると危険です。親が廃除されたのか、相続放棄したのか、相続欠格なのかを確認し、戸籍や家庭裁判所資料と照合する必要があります。

Section 04

廃除された相続人の子供が
代襲相続できる要件

子の系列か、直系卑属か、本人に障害がないかを確認します。

廃除された人の子供が常に代襲相続できるわけではありません。民法上の親族関係、相続開始時点の身分関係、代襲者自身の資格、協議への参加という複数の条件を確認します。

次の注意点一覧は、代襲相続できるかを判断する際に確認すべき要件を並べたものです。各項目のどれかが欠けると、相続人の範囲や手続の結論が変わるため、順番に照合することが重要です。

被相続人の子が廃除されたか

中心となるのは、被相続人の子が廃除された場合です。配偶者や直系尊属では代襲の構造が異なります。

代襲者が直系卑属か

民法887条2項ただし書により、子、孫、ひ孫のような直系卑属であることが必要です。

養子縁組と出生時期

普通養子縁組前に生まれていた養子の子は、養親の直系卑属に当たらない可能性があります。

代襲者自身の欠格や廃除

代襲者自身が相続欠格に該当し、または廃除されている場合は、相続資格を失います。

相続開始時点の状況

死亡日、審判確定、遺言の効力発生、相続放棄の有無などを時点で整理します。

遺産分割協議への参加

代襲相続人は法律上の相続人です。除外した協議書は、後で効力や登記の問題を生む可能性があります。

養子縁組がある場合は、とくに戸籍の確認が重要です。養子縁組日、子供の出生時期、普通養子か特別養子か、戸籍上の親族関係によって、代襲者が被相続人の直系卑属に当たるかが変わることがあります。

Section 05

廃除された相続人の子供の
法定相続分と遺留分

民法901条の考え方と、代襲者自身の遺留分を整理します。

代襲相続人の相続分は、廃除された親が本来受けるはずだった相続分と同じです。代襲者が複数いる場合は、その親の相続分を代襲者たちで分けます。

次の表は、配偶者と子がいる典型例での法定相続分を示しています。廃除されたAの相続分4分の1を、Aの子CとDが2人で分けるため、それぞれ8分の1になる点を読み取ります。

相続人法定相続分考え方
配偶者S2分の1配偶者と子がいる場合の配偶者分です。
子B4分の1子の側の2分の1を、A系統とBで分けます。
孫C8分の1Aが本来受ける4分の1を、CとDで分けます。
孫D8分の1Cと同じく、A系統の相続分を分けます。

次の表は、配偶者がいない場合の例です。子Aが廃除され、Aの子Cが1人だけであれば、CはAが本来受けるはずだった2分の1を承継することを読み取ります。

相続人法定相続分考え方
子B2分の1配偶者がいないため、子の系列で等分します。
孫C2分の1Aが本来受けるはずだった分を代襲します。

次の強調欄は、複数の代襲者がいる場合の分け方を一文で整理したものです。親の相続分を基準に考えると、人数が増えたときの計算を確認しやすくなります。

親の相続分を下の世代で分ける

廃除された子Aの本来の相続分が3分の1で、Aに子C、D、Eがいる場合、C、D、Eはそれぞれ9分の1ずつになります。

廃除された本人は相続人ではなくなり、遺留分も主張できません。一方で、代襲相続人となる子供は、その人自身が相続人として扱われるため、遺言によって取得分が侵害される場合には、その人自身の遺留分侵害額請求が問題になることがあります。

Section 06

廃除された相続人の子供を確認する
遺言・家庭裁判所手続

遺言に書いただけでは廃除が確定しない点に注意します。

廃除には、生前に被相続人が家庭裁判所へ請求する方法と、遺言で廃除の意思を表示し、相続開始後に遺言執行者が家庭裁判所へ請求する方法があります。遺言に「廃除する」と書かれているだけで当然に相続人でなくなるわけではありません。

次の時系列は、廃除の確認から戸籍・相続手続へ進む順番を示しています。手続のどの段階で相続人の範囲が変わり得るかを読み取ることで、協議や登記を急ぎすぎるリスクを避けやすくなります。

生前

被相続人が家庭裁判所へ廃除を請求

生前廃除では、被相続人自身が廃除原因を示して申し立てます。

遺言

遺言で廃除の意思表示をする

遺言廃除では、相続開始後に遺言執行者が家庭裁判所へ請求します。

請求

家庭裁判所が廃除原因を確認

虐待、重大な侮辱、著しい非行の有無が証拠と経緯から確認されます。

確定後

戸籍届出と相続人範囲の確認

審判確定後は戸籍記載、廃除取消しの有無、代襲者の戸籍を確認します。

次の資料一覧は、廃除と代襲相続の有無を確認するために重要な書類をまとめたものです。どの資料で親族関係と手続の確定を確認するかを読み取れます。

戸籍一式

被相続人の出生から死亡まで、廃除された人、代襲者、再代襲者につながる戸籍を確認します。

親族関係

審判書と確定証明書

廃除が家庭裁判所で認められ、確定しているかを確認します。

廃除の確定

遺言書と遺言執行者資料

遺言廃除の意思表示、執行者の指定、請求状況を確認します。

未確定に注意

相続放棄資料

相続放棄申述受理通知書や受理証明書により、放棄と廃除を区別します。

放棄確認

未成年・後見・利益相反資料

代襲者が未成年や成年後見の対象である場合、代理権や特別代理人の要否を確認します。

協議参加

廃除は取消しも問題になります。戸籍や過去の審判だけでなく、廃除取消しの申立てや遺言による取消しがないかを確認する必要があります。

Section 07

廃除された相続人の子供がいる
相続登記と相続税

相続人の範囲を誤ると、不動産名義と税額計算に影響します。

不動産がある相続では、誰が相続人かを確定しなければ相続登記の内容を決められません。廃除された人の子供が代襲相続人になる場合、その人を除外して不動産を特定の人名義にすることは、原則として困難です。

次の強調欄は、相続登記義務化で特に見落としやすい期限と制裁の目安をまとめたものです。代襲相続人の有無でもめている場合でも、期限管理と相続人申告登記の検討が必要になる点を読み取ります。

2024年4月1日から相続登記は義務化

不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が法律上の義務となり、正当な理由なく申請しない場合は10万円以下の過料が問題になる可能性があります。

次の表は、代襲相続人の有無が相続税に影響する主な場面を整理しています。法定相続人の数に誰を入れるかで、基礎控除や非課税枠、2割加算の判定が変わることを読み取れます。

税務項目影響する内容確認ポイント
法定相続人の数廃除された本人ではなく、代襲者を数に入れる場面があります。戸籍と廃除資料で相続人を確定します。
基礎控除3000万円に600万円と法定相続人の数を掛けた金額を加算します。代襲者の人数を誤ると控除額が変わります。
生命保険金・死亡退職金非課税限度額の人数計算に影響することがあります。受取人固有の権利と税務上の扱いを分けます。
2割加算代襲相続人となった孫は、一親等の血族に含む扱いが問題になります。孫養子では例外関係も確認します。
未分割申告・特例協議がまとまらない場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例にも注意します。申告期限と後日の更正可能性を確認します。

次の計算例は、代襲相続人を法定相続人の数に入れると基礎控除がどう変わるかを示しています。S、B、C、Dの4人を数えるため、式の人数部分が4人になる点を読み取ります。

基礎控除の例

配偶者S、子B、代襲相続人C・Dの4人が法定相続人となる場合、基礎控除額は3000万円+600万円×4人=5400万円です。

金融機関の預金払戻しや生命保険、不動産売却でも、代襲相続人の同意、署名押印、印鑑証明書、税務申告との連携が問題になります。未成年や海外在住の代襲者がいる場合は、さらに手続期間が長くなることがあります。

Section 08

廃除された相続人の子供が関わる
実務上の注意点

預金、保険、不動産、会社株式、所在不明、海外在住まで確認します。

廃除と代襲相続が問題になる相続では、法律上の結論だけでなく、実際の手続を止めないための確認が必要です。金融機関、保険会社、不動産関係者、税務関係者は、相続人全員の確定資料を前提に動きます。

次の注意点一覧は、実務で紛争や手続停止につながりやすい場面をまとめたものです。どの資産や状況で代襲相続人の参加・資料・専門家連携が必要になるかを読み取れます。

預金払戻し

相続人全員の確認資料が求められ、代襲者の同意や印鑑証明書が必要になることがあります。

生命保険金

受取人固有の権利、相続税、遺留分との関係を分けて検討します。

相続不動産の売却

売却前提として相続登記や遺産分割協議が必要になり、代襲者を除外できません。

会社株式・知的財産

非上場株式、事業用資産、特許や商標では、経営権と評価、納税資金を一体で見ます。

所在不明の代襲者

戸籍附票、住民票、家庭裁判所手続などにより、無視せず所在確認を進めます。

海外在住の代襲者

署名証明、在留証明、翻訳、送金規制、税務居住者判定が問題になることがあります。

廃除原因の立証不足

診断書、警察相談記録、録音、写真、メッセージ、介護記録など、具体的証拠が重要になります。

遺言だけで確定と扱う誤解

遺言の記載だけでは廃除が確定せず、家庭裁判所の判断を確認します。

相続人どうしで対立がある場合には弁護士、不動産がある場合には司法書士、相続税が発生しそうな場合には税理士、会社や評価が絡む場合には公認会計士や不動産鑑定士などとの連携が重要になります。

Section 09

廃除された相続人の子供は
代襲相続できるかのケース別整理

典型事例ごとに、結論の分かれ目を確認します。

次のケース別整理は、廃除と代襲相続の結論が変わりやすい場面をまとめたものです。廃除された人の立場、相続放棄との違い、養子縁組前出生子の扱いを読み分けることが重要です。

Case 01

長男が廃除され、孫がいる

被相続人Xに配偶者S、長男A、長女Bがいて、Aが廃除されAに子Cがいる場合、Aは相続人ではありませんが、CはAを代襲して相続人になる可能性があります。相続分はSが2分の1、Bが4分の1、Cが4分の1です。

Case 02

長男が相続放棄し、孫がいる

Aが家庭裁判所で相続放棄をした場合、CはAを代襲して相続する扱いにはなりません。相続放棄は代襲原因ではないためです。

Case 03

父が廃除され、兄弟姉妹がいる

被相続人に子がなく、父Fが廃除された場合、兄弟姉妹BはFを代襲するわけではありません。直系尊属には代襲相続制度がないため、別順位の相続人として検討します。

Case 04

配偶者が廃除され、子がいる

配偶者Sが廃除されても、子CはSを代襲するわけではありません。Cが被相続人自身の子であれば、被相続人の子として相続人になります。

Case 05

養子が廃除され、縁組前に生まれた子がいる

普通養子Aが廃除され、Aに養子縁組前出生子Bがいる場合、Bが被相続人の直系卑属に当たるかが問題になります。養子縁組日、出生年月日、戸籍記載を確認します。

Section 10

廃除された相続人の子供がいるときの
実務チェックリスト

相続人調査、遺言、協議、税務、登記の確認漏れを防ぎます。

代襲相続人を見落とすと、遺産分割協議、預金払戻し、不動産登記、相続税申告に影響します。実務では、相続人調査から税務・登記まで同時に確認することが重要です。

次の確認事項は、手続ごとに見落としやすい項目をまとめたものです。どの段階で誰の資料や同意が必要になるかを読み取り、チェック済みの項目と未確認の項目を分けて進めます。

相続人調査

戸籍と資格の確認

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 廃除された人との親子関係
  • 廃除された人の子供全員
  • 出生、死亡、養子縁組、婚姻、離縁
  • 再代襲、廃除取消し、相続放棄、相続欠格、未成年・後見・利益相反
遺言確認

廃除の意思表示と執行

  • 遺言方式の有効性
  • 廃除の意思表示
  • 遺言執行者の指定
  • 廃除請求と審判確定
  • 認められなかった場合の配分、代襲者の遺留分、予備的条項
遺産分割

全員参加と代理権

  • 代襲相続人全員の参加
  • 未成年者の代理権
  • 特別代理人の要否
  • 海外在住者の署名証明や翻訳
  • 遺産目録、不動産評価、預金残高、株式評価、債務、申告期限
相続税

人数と特例

  • 廃除された人を法定相続人の数に入れていないか
  • 代襲相続人を数に入れているか
  • 基礎控除、生命保険金、死亡退職金
  • 2割加算、小規模宅地等の特例
  • 未分割申告、更正の請求、生前贈与、相続時精算課税
相続登記

不動産名義の確認

  • 登記事項証明書
  • 代襲者を含めた相続人確定
  • 遺産分割協議書への参加
  • 相続登記義務化の期限
  • 2024年4月1日前の未登記不動産、相続人申告登記、固定資産評価証明書、住所証明情報、共有後の売却や分筆

次の専門家別の整理は、廃除と代襲相続が絡む案件で誰がどの論点を担当しやすいかをまとめたものです。法律、登記、税務、評価、事業承継を分けることで、相談先を選びやすくなります。

弁護士

廃除の成否、代襲相続人の範囲、遺留分、遺産分割協議、調停、審判、訴訟、使い込み疑いを扱います。

紛争対応

司法書士

相続登記、戸籍収集、相続関係説明図、登記原因証明情報、裁判所提出書類作成で関わります。

登記

税理士

相続税申告、基礎控除、非課税枠、2割加算、未分割申告、小規模宅地等の特例を確認します。

税務

行政書士・公証人・遺言執行者

紛争性のない書類作成支援、公正証書遺言、遺言執行、廃除請求後の手続管理で関わります。

書類・遺言

金融機関・信託銀行等

遺言信託、遺言執行、金融資産の分配、相続税申告との連携に影響します。

金融資産

不動産評価・売却の専門職

不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士が評価、境界、分筆、売却実務で関わります。

不動産

家庭裁判所関係者

廃除請求、遺産分割調停、審判、特別代理人選任、不在者財産管理人などで関わります。

裁判所手続

会計・経営・知的財産・年金の専門職

公認会計士、中小企業診断士、弁理士、FP、社会保険労務士が、会社株式、知的財産、保険、年金を確認します。

事業承継

相談前に準備したい資料

専門家へ相談する前には、可能な範囲で次の資料を整理すると、初回相談が効率的です。

  1. 被相続人の戸籍一式
  2. 廃除された人の戸籍
  3. 廃除された人の子供の戸籍
  4. 家庭裁判所の審判書、確定証明書
  5. 遺言書
  6. 遺言執行者に関する資料
  7. 相続放棄申述受理通知書または受理証明書
  8. 不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書
  9. 預金、証券、保険、債務の資料
  10. 生前贈与、使い込み疑い、介護、寄与に関する資料
  11. 会社株式、事業用資産、知的財産に関する資料
  12. 相続税申告に関係する財産目録
Section 11

廃除された相続人の子供と
代襲相続のFAQ

一般的な制度説明として、よくある疑問を整理します。

Q1. 廃除された相続人の子供は代襲相続できますか。

一般的には、被相続人の子が廃除された場合、その子供は代襲相続人となる可能性があるとされています。ただし、その子供が被相続人の直系卑属であること、本人に相続欠格や廃除などの障害がないことなどで結論が変わります。具体的な対応は、戸籍や家庭裁判所資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 廃除された人の子供も一緒に相続権を失いますか。

一般的には、廃除は廃除された本人の相続権を失わせる制度とされています。その子供が相続人になるかは、民法887条2項の要件に従って別に判断します。親族関係や代襲者自身の事情によって結論は変わる可能性があります。

Q3. 遺言で長男を廃除すると書けば自動的に相続人ではなくなりますか。

一般的には、遺言に廃除の意思表示があるだけで廃除が確定するわけではないとされています。遺言執行者が家庭裁判所へ請求し、家庭裁判所が廃除を認める必要があります。審判の有無や確定状況は資料で確認する必要があります。

Q4. 廃除された長男に子供が2人いる場合、相続分はどう考えますか。

一般的には、廃除された長男が本来受けるはずだった相続分を、その2人の子供が分けるとされています。たとえば長男の本来の相続分が2分の1であれば、子供2人はそれぞれ4分の1ずつになるという考え方です。ただし、具体的な相続分は家族構成や遺言の有無によって変わります。

Q5. 相続放棄した人の子供も代襲相続できますか。

一般的には、相続放棄は代襲原因ではないとされています。そのため、相続放棄した人の子供が、その親を代襲して相続人になる扱いには通常なりません。ただし、先順位者全員の放棄により次順位の相続人が問題になる場合など、別の整理が必要になることがあります。

Q6. 廃除された人が親の場合、その子供は代襲できますか。

一般的には、直系尊属について代襲相続制度はないとされています。廃除された親の子供が、親を代襲して相続する扱いにはなりません。ただし、その人が被相続人の兄弟姉妹として別順位の相続人になるかは、家族関係によって別に検討します。

Q7. 廃除された配偶者の子供は代襲できますか。

一般的には、配偶者には代襲相続制度がないとされています。そのため、配偶者の子供が配偶者を代襲して相続する扱いにはなりません。ただし、その子供が被相続人自身の子であれば、配偶者を代襲するのではなく、被相続人の子として相続人になる可能性があります。

Q8. 兄弟姉妹を廃除できますか。

一般的には、兄弟姉妹には遺留分がないため、民法892条の推定相続人廃除の対象にはなりにくいとされています。兄弟姉妹に財産を渡したくない場合は、遺言による財産配分の設計が中心になります。遺言の有効性や他の相続人との関係は専門家へ確認する必要があります。

Q9. 代襲相続人が未成年の場合、遺産分割協議はできますか。

一般的には、未成年者は単独で遺産分割協議を行えないため、法定代理人が関与するとされています。ただし、親権者と未成年者の利益が対立する場合には、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがあります。具体的な代理関係は資料をもとに確認します。

Q10. 廃除された人の子供にも遺留分はありますか。

一般的には、代襲相続人となる子供が被相続人の直系卑属として相続人になる場合、その人自身に遺留分が認められる場面があります。廃除された本人の遺留分は失われますが、代襲者自身の遺留分は別問題です。遺言内容や財産構成によって検討が必要です。

Q11. 廃除された人の子供を相続から外したい場合はどう考えますか。

一般的には、代襲者本人にも廃除原因がある場合は、その人について別途廃除を検討することになります。廃除原因がない場合には、遺言、遺留分対策、生命保険、贈与、信託、事業承継などを組み合わせて設計することがあります。個別の見通しは専門家への相談が必要です。

Q12. 廃除が戸籍に載っていない場合はどう判断しますか。

一般的には、家庭裁判所の審判、確定証明書、戸籍届出の有無を確認するとされています。遺言に廃除の意思表示があるだけの段階では、廃除の成否が確定していないことがあります。手続の進行状況を資料で確認する必要があります。

Q13. 代襲相続人を知らずに遺産分割協議を終えた場合はどうなりますか。

一般的には、本来参加すべき代襲相続人を除外して遺産分割協議を行うと、協議の有効性に問題が生じる可能性があります。やり直しや紛争につながることがあるため、戸籍を確認し、専門家へ相談する必要があります。

Q14. 廃除された人の子供は相続税申告に関係しますか。

一般的には、代襲相続人は法定相続人の数に含まれるため、基礎控除額、生命保険金や死亡退職金の非課税限度額、相続税の総額、2割加算の判定に影響するとされています。税務上の扱いは財産構成と取得者によって変わるため、税理士等への確認が必要です。

Q15. 不動産の名義変更にも代襲相続人の同意が必要ですか。

一般的には、遺産分割によって不動産を特定の相続人が取得する場合、代襲相続人も相続人として協議に参加する必要があります。除外した協議書では相続登記が進まない、または後に問題になる可能性があります。具体的な登記資料は司法書士等へ確認する必要があります。

Reference

廃除と代襲相続の
参考条文・参考資料

制度理解の前提となる公的情報と条文の要点です。

参考条文の要点

  • 民法887条2項 被相続人の子が死亡、相続欠格、廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲して相続人になります。ただし、被相続人の直系卑属でない者は除かれます。
  • 民法892条 遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行をしたときは、家庭裁判所への廃除請求が問題になります。
  • 民法893条 被相続人が遺言で廃除の意思を表示した場合、遺言執行者が家庭裁判所に廃除を請求します。
  • 民法901条 代襲相続人の相続分は、その直系尊属が受けるはずだった相続分と同じです。
  • 民法939条 相続放棄をした人は、その相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされます。

参考資料

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 裁判所「申立て等で使う書式」
  • 大阪市「推定相続人廃除届」
  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
  • 国税庁「財産を相続したとき」
  • 国税庁「第15条《遺産に係る基礎控除》関係」
  • 国税庁「No.4157 相続税額の2割加算」