利用条件、収入基準、資産基準、立替制度、専門職の使い分けを、相続で迷いやすい順番に整理します。
利用条件、収入基準、資産基準、立替制度、専門職の使い分けを、相続で迷いやすい順番に整理します。
無料になる相談と、立替や別制度になる手続を最初に分けて確認します。
法テラスの相続相談は、一定の要件を満たす人に限り、弁護士または司法書士による法律相談として無料で利用できる制度です。ここでいう無料は、民事法律扶助のうち法律相談援助の相談料がかからないという意味で、原則として同一の問題につき3回まで、1回30分程度の口頭による法的助言を受ける場面を指します。
一方で、相談後に遺産分割調停、遺留分侵害額請求、相続放棄申述書などを専門家へ依頼する場合は、多くは法テラスが費用を立て替え、利用者が分割返済する制度に移ります。相続税申告、登記申請代理、鑑定、測量、登録免許税なども、無料相談とは別に考える必要があります。
次の比較一覧は、法テラスで無料と呼ばれやすい場面を分けて示すものです。最初に区分を理解することが重要で、相談料、立替、専門職ごとの別費用を読み分けると誤解を避けやすくなります。
| 区分 | 費用の扱い | 主な内容 | 相続での典型例 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 情報提供 | 無料 | 法制度や相談窓口の案内 | 相続放棄の手続先、遺産分割調停の概要 | 個別の法律判断とは異なります。 |
| 法律相談援助 | 無料 | 弁護士または司法書士による法律相談 | 遺産分割、遺留分、相続放棄、相続人間の争い | 収入・資産基準などがあり、1回30分程度、同一問題3回までが目安です。 |
| 代理援助・書類作成援助 | 立替 | 専門家費用等を法テラスが立て替える | 調停、訴訟、示談交渉、裁判所提出書類作成 | 原則として返済が必要で、審査があります。 |
| 税務申告・登記申請そのもの | 別制度 | 税理士、司法書士、法務局、税務署等の領域 | 相続税申告、相続登記 | 方向性は相談できても、申告代理や登記代理が当然に無料になるわけではありません。 |
法テラスと民事法律扶助の役割、無料相談の限界、用語の違いを整理します。
法テラスは、日本司法支援センターの通称で、法的トラブルの総合案内、経済的に困っている人への無料法律相談、弁護士・司法書士費用等の立替を担う機関です。相続では、遺言の有効性、遺産分割協議、遺留分、相続放棄、預金払戻し、不動産の名義変更、相続税、成年後見などが重なりやすく、専門家へつながる入口として機能します。
ただし、法テラスが相続を一括処理するわけではありません。法律相談援助は口頭の法的助言が中心で、書類作成、代理交渉、調停出席、訴訟活動、税務申告、登記申請代理を当然に含むものではありません。
次の用語一覧は、制度の名前と実際の意味を対応させたものです。制度名の違いを押さえることが重要で、相談時に何を申し込んでいるのか、費用負担がどこで変わるのかを読み取れます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 法テラス | 日本司法支援センターの通称です。法的トラブルに関する情報提供や民事法律扶助などを担います。 |
| 民事法律扶助 | 経済的に余裕がない個人に対する無料法律相談と、弁護士・司法書士費用等の立替制度です。 |
| 法律相談援助 | 弁護士・司法書士による無料法律相談です。相続では、遺産分割、相続放棄、遺留分などが典型です。 |
| 代理援助 | 弁護士・司法書士が代理人として交渉、調停、訴訟等を行う場合の費用立替です。 |
| 書類作成援助 | 裁判所提出書類を弁護士・司法書士に作成してもらう場合の費用立替です。手続の主体は本人です。 |
| 資力基準 | 収入と資産が一定額以下であることを確認する基準です。 |
| 相続相談 | 被相続人の死亡により生じる権利義務、遺産分割、相続放棄、遺言、遺留分、登記、税務などに関する相談です。 |
無料相談の条件と、依頼に進む場合の審査条件を分けて確認します。
法テラスの無料法律相談を利用するには、収入と資産が一定基準以下であること、相談内容が民事・家事・行政に関する法律問題であること、民事法律扶助の趣旨に適することなどが必要です。相続は家事・民事の法律問題に当たることが多い一方、法人としての相談や刑事事件そのものは民事法律扶助の対象外です。
次の比較一覧は、無料法律相談に入るための主な条件を表しています。条件の数だけでなく、相続では配偶者が相手方か、相続財産が自由に使えるか、相談内容が法律問題かを読み取ることが重要です。
| 条件 | 内容 | 相続での意味 |
|---|---|---|
| 資力基準 | 収入と資産が一定基準以下であること | 年金生活、低収入、預貯金が少ない相続人などが対象になり得ます。 |
| 相談内容 | 民事、家事、行政に関する法律問題であること | 遺産分割、相続放棄、遺留分、遺言、成年後見などが該当しやすい分野です。 |
| 扶助の趣旨 | 制度の趣旨に適すること | 報復、嫌がらせ、自己宣伝、権利濫用的な目的は問題になり得ます。 |
| 個人であること | 国民または日本に住所を有し適法に在留する外国人個人 | 会社そのもの、団体、組合は対象外です。 |
| 刑事事件でないこと | 刑事事件は民事法律扶助の無料相談の対象外 | 相続争いに伴う横領疑いなどは、民事相談と刑事手続を分けて整理します。 |
相談だけでは解決せず、専門家に事件処理を依頼する場合は、代理援助または書類作成援助を検討します。代理援助では専門家が代理人として進め、書類作成援助では裁判所提出書類を作成してもらいますが、手続の主体は本人です。
次の比較一覧は、立替制度で見られる3つの要件をまとめたものです。無料相談から依頼へ進む場面で重要になり、資力だけでなく、解決可能性や制度趣旨に沿うかも確認されることを読み取れます。
| 要件 | 内容 | 相続での例 |
|---|---|---|
| 資力基準 | 収入や資産が一定基準以下であること | 手取り月収、預貯金、不動産、有価証券などを確認します。 |
| 勝訴の見込みがないとはいえないこと | 解決可能性がまったくないとはいえないこと | 遺留分請求の根拠資料がある、遺産分割調停で解決余地がある、相続放棄の期間内であるなどです。 |
| 扶助の趣旨に適すること | 報復目的、権利濫用、費用対効果が著しく乏しい事件などでないこと | 感情的制裁だけを目的とする申立ては問題になり得ます。 |
司法書士は、法務大臣の認定を受けている場合、簡易裁判所の管轄となる事案について相談や代理を行えることがあります。ただし、訴額140万円を超えない範囲に限られるため、相続では遺産額、請求額、手続の種類により弁護士が中心になる場面と司法書士が対応しやすい場面が分かれます。
2026年3月現在の基準表をもとに、家賃等の調整も確認します。
法テラスの収入基準は、原則として申込者と配偶者の手取り月収額の合計で判定します。賞与がある場合は、賞与を含む手取り年収を12で割った額を月収に含めます。配偶者が紛争の相手方である場合は、申込者本人の収入のみで判断する扱いがあります。
次の表は、法律相談援助の収入基準を家族人数ごとに示しています。一般地域と東京都特別区・大阪市などの一級地で金額が違う点が重要で、自分の家族人数と居住地域を合わせて読み取ります。
| 家族人数 | 一般地域の収入基準 | 一級地の収入基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 182,000円以下 | 200,200円以下 |
| 2人 | 251,000円以下 | 276,100円以下 |
| 3人 | 272,000円以下 | 299,200円以下 |
| 4人 | 299,000円以下 | 328,900円以下 |
| 5人以上 | 1名増えるごとに30,000円を加算 | 1名増えるごとに33,000円を加算 |
家族人数は、申込者、配偶者、申込者または配偶者の扶養家族を基礎にします。実際の判定では、同居状況、扶養関係、相手方との関係、生活費の援助の有無などが確認されることがあります。
次の表は、家賃または住宅ローンを負担している場合に考慮され得る限度額を示しています。基準を少し超えている人にとって重要で、家計上の支出が判定に影響する可能性を読み取れます。
| 家族人数 | 家賃・住宅ローンの考慮限度額 | 東京都特別区の場合 |
|---|---|---|
| 1人 | 41,000円以下 | 53,000円以下 |
| 2人 | 53,000円以下 | 68,000円以下 |
| 3人 | 66,000円以下 | 85,000円以下 |
| 4人以上 | 71,000円以下 | 92,000円以下 |
医療費、教育費、職業上やむを得ない出費等の負担により生計が困難であると認められる場合には、これらを収入から控除できる場合があります。基準表だけで数千円超えているときも、生活実態を整理して確認することが大切です。
次の表は、無料法律相談における資産基準を示しています。現金と預貯金が中心ですが、立替制度に進む場合は有価証券や不動産等も問題になり得るため、相談段階から資産の性質を分けて読み取ります。
| 家族人数 | 資産基準 |
|---|---|
| 1人 | 180万円以下 |
| 2人 | 250万円以下 |
| 3人 | 270万円以下 |
| 4人以上 | 300万円以下 |
代理援助や書類作成援助では、申込者と配偶者の現金、預貯金、有価証券、不動産等の時価を合算した額も問題になります。ただし、生活のために必要な住宅や農地、係争物件である資産、相手方である配偶者の資産、将来の医療費や教育費等のために備蓄した財産は、事情によって除外または控除できる場合があります。
収入、資産、相続財産の使える状態を順番に整理します。
相続相談では、遺産があるかどうかだけで法テラス利用の可否を決めないことが大切です。遺産が争いの対象で、まだ自由に使えない場合や、不動産の評価と取得者が決まっていない場合には、資産の見え方と生活実態がずれることがあります。
次の判断の流れは、相談前に確認する順番を表します。順番どおりに整理することが重要で、手取り収入、配偶者の扱い、家族人数、支出、現金化できる資産と争いの対象を分けて読み取ります。
給与、年金、事業収入、賞与を含め、実際に手元に残る金額を整理します。
配偶者が相続紛争の相手方でない限り、合算される可能性があります。
一級地かどうか、家賃、住宅ローン、医療費、教育費などを整理します。
通帳、ネット銀行、定期預金を含めて把握します。
未分割、不動産、係争物件など、自由に使えない事情を伝えます。
収入、資産、家族関係を正確に申告します。
次の具体例一覧は、基準表だけでは判断しにくい典型場面を表します。数字の大小だけでなく、家賃負担、係争物件、配偶者が相手方かどうかを読み取ることが重要です。
手取り月収185,000円、預貯金50万円、家賃45,000円の場合、一般地域の単身者基準182,000円を3,000円超えます。ただし、家賃負担は41,000円まで考慮され得るため、確認する価値があります。
夫婦合計の手取り月収305,000円、預貯金120万円、家賃90,000円の場合、一級地の3人家族基準299,200円を超えます。ただし、家賃は85,000円まで考慮され得ます。
評価額2,000万円の不動産があっても、兄弟間で取得者や評価額を争い、現時点で売却も利用もできない場合があります。係争物件である事情を正確に説明します。
配偶者収入は原則として合算されますが、配偶者が相続紛争の相手方に当たるかどうかで扱いが変わる可能性があります。家族関係と対立関係を分けて整理します。
遺産分割、相続放棄、遺留分、預金・保険・年金を整理します。
法テラスの無料法律相談で中心になるのは、法律問題として整理できる相続テーマです。税務申告、登記申請、金融機関の内部手続そのものは別領域ですが、どの手続を先に行うべきか、誰に依頼すべきかを相談で整理する意義は大きくあります。
次の整理は、相続で相談しやすいテーマと関係する専門職を表します。相談内容の幅を知ることが重要で、自分の問題が法律相談、税務、登記、金融機関手続のどこに近いかを読み取れます。
相続人、遺産の範囲、遺言の有無、特別受益、寄与分、不動産評価、調停申立ての要否を整理します。
弁護士司法書士自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内の申述、借金や保証債務、単純承認と見られ得る行為を確認します。
家庭裁判所期限管理遺言や生前贈与により最低限の取り分が侵害された可能性、請求期限、遺産評価、内容証明郵便、交渉や調停を整理します。
弁護士証拠整理預金払戻し、相続人全員の同意、使い込み疑い、生命保険金の帰属、遺族年金と相続放棄の関係を整理します。
金融機関制度横断認知症の人、未成年者、後見利用者が相続人にいる場合、成年後見や特別代理人の必要性を確認します。
家庭裁判所本人保護遺産分割で話合いがつかない場合、家庭裁判所の調停または審判を利用することがあります。調停では当事者双方から事情を聴き、資料提出や鑑定も含めて事情を把握し、合意を目指します。話合いがまとまらない場合は審判へ移行します。
相続放棄では、死亡日だけでなく、相談者が相続開始を知った日が重要です。借金、保証債務、滞納税金、損害賠償債務、預金引出し、遺品処分、先順位相続人の放棄、未成年者や成年被後見人の有無を早急に確認します。
遺留分では、遺言の内容と作成方式、誰がどの財産を取得したか、請求者が遺留分権利者に当たるか、相続開始と侵害を知った時期、生前贈与や特別受益、不動産や非上場株式の評価方法を整理します。
無料法律相談で整理できることと、司法書士・税理士へつなぐ領域を分けます。
不動産がある相続では、相続登記が重要です。相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要になりました。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
次の比較一覧は、相続登記と相続税について、法テラスで整理しやすい点と別の専門職が中心になる点を分けたものです。相談窓口を間違えないことが重要で、法的争点、登記実務、税務申告の境界を読み取れます。
| 分野 | 法テラスの相談で整理しやすいこと | 別途中心になる専門職・機関 | 主な期限・数値 |
|---|---|---|---|
| 相続登記 | 義務化の概要、遺産分割未了のリスク、相続人申告登記の検討、調停と登記の順序 | 司法書士、法務局 | 取得を知った日から3年以内、過料は10万円以下の可能性 |
| 相続税 | 遺産分割が申告期限に間に合わないリスク、税理士へつなぐ必要性、税負担をめぐる争い | 税理士、税務署、国税庁情報 | 基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数、申告期限は原則10か月 |
| 不動産評価 | 遺産分割や遺留分で評価が争点になるか、鑑定が必要か | 不動産鑑定士、土地家屋調査士、不動産仲介業者 | 固定資産評価額、路線価、実勢価格は一致しないことがあります。 |
相続登記の相談では、固定資産税納税通知書、固定資産評価証明書、登記事項証明書、名寄帳、遺言書、遺産分割協議書案、戸籍、不動産の利用状況を準備すると進めやすくなります。
相続税が発生しそうな場合、国税庁の基礎控除式である3,000万円+600万円×法定相続人の数を超える可能性があるかを早めに確認します。小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、非上場株式の評価、生前贈与加算、相続時精算課税、税務調査対応は税理士や税務署の領域です。
30分の相談で争点と期限を伝えるため、資料と手順をそろえます。
無料法律相談では、書類が完全にそろっていなくても相談できる場合があります。しかし、相続相談は30分程度であるため、死亡日、相続人、遺産、争点、期限、収入・資産が分かる資料の有無で相談の密度が大きく変わります。
次の表は、相続相談で持参したい資料と確認目的をまとめたものです。資料の名前をそろえるだけでなく、何を確認するための資料かを理解することが重要で、期限、相続人、遺産、使い込み、費用基準を読み取れます。
| 資料 | 目的 |
|---|---|
| 死亡日が分かる資料 | 相続開始日、相続放棄期限、時効を確認します。 |
| 戸籍、住民票除票、相続関係図 | 相続人を確定します。 |
| 遺言書 | 方式、有効性、遺留分、遺言執行を確認します。 |
| 預金通帳、残高証明、取引履歴 | 遺産額、使い込み、預金払戻しを確認します。 |
| 登記事項証明書、固定資産税通知書 | 相続登記、評価、分割方法を確認します。 |
| 借金、督促状、保証契約書 | 相続放棄、限定承認、債務承継を確認します。 |
| 保険証券、保険金支払通知 | 生命保険金の帰属と税務を確認します。 |
| 手紙、メール、LINE | 紛争の経緯、合意内容、証拠を確認します。 |
| 収入、資産が分かる資料 | 法テラスの資力基準の見込みを確認します。 |
立替制度に進む場合は、住民票、収入確認資料、資産確認資料、事件内容を確認する資料、返済口座確認資料などが求められることがあります。収入資料には給与明細、賞与明細、源泉徴収票、課税証明書、確定申告書、年金振込通知書、生活保護受給証明書などがあります。
次の時系列は、法テラスの相続相談から立替制度の利用までの一般的な進み方を表します。段階ごとの準備が重要で、相談だけで終わる場合と、審査・契約・返済に進む場合の違いを読み取れます。
相続人、遺産、争点、期限を整理し、30分相談に備えて時系列メモを作ります。
法テラスまたは契約専門家へ予約し、手取り月収、預貯金、家族人数、家賃などを伝えます。
弁護士・司法書士から法的助言を受け、自力対応、専門職依頼、調停、訴訟等の方向性を検討します。
代理援助または書類作成援助を申し込み、資力、解決可能性、制度趣旨の審査を受けます。
法テラス、利用者、受任者等の契約に基づき進み、費用は原則として分割返済します。
返済、報酬金、実費、別費用を相談時に確認します。
無料法律相談は相談料が無料であるという意味です。代理援助・書類作成援助は、法テラスが費用を立て替える制度であり、原則として返済が必要です。事件の結果として相手方から金銭等を得た場合は、その金銭等から立替金や報酬金を精算することがあります。
次の強調欄は、立替制度の返済イメージを表します。返済があることを理解することが重要で、無料相談から依頼へ進むときに月額返済、事件終了後の精算、免除や猶予の可能性を読み取れます。
立替制度の援助開始決定後は、5,000円から10,000円程度の分割で毎月返済し、事件終了後は原則3年以内に完済となる金額で返済すると説明されています。生活保護を受けている人またはそれに準じる程度に生計が困難な人は、申請により返済猶予や免除が認められる場合があります。
次の確認一覧は、相談後に依頼へ進む前に聞いておきたい費用項目を示します。費用の種類を分けることが重要で、相談料、立替額、月額返済、報酬金、実費、税務・登記・鑑定などの別費用を読み取れます。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 今日の相談は無料法律相談か | 情報提供、無料相談、通常相談の違いを確認します。 |
| 同じ問題で何回目か | 同一問題3回までという目安に関わります。 |
| 代理援助か書類作成援助か | 専門家が代理するのか、書類作成中心かで費用と進め方が変わります。 |
| 立替額と毎月の返済額 | 生活に無理のない返済計画を確認します。 |
| 報酬金が発生する条件 | 金銭を得た場合の精算や事件終了時の負担に関わります。 |
| 別途必要な費用 | 登記費用、税理士費用、鑑定費用、登録免許税、収入印紙、郵券などを確認します。 |
弁護士や司法書士に依頼すれば、着手金、実費、報酬金などが発生し得ます。法テラス利用の場合は、費用額や返済方法を法テラスが決定する部分がありますが、専門家の業務が無償になるわけではありません。
本人保護、出張相談、成年後見、特別代理人を含めて考えます。
相続相談では、本人が高齢で、認知症、障がい、入院、施設入所などにより、窓口まで行くことが困難な場合があります。法テラスの制度では、高齢者や障がいのある人のために出張相談を行う場合があります。
次の整理は、本人が自分で相談しにくい場面に関係する制度や確認先を表します。本人保護が重要で、家族が代わりに進めてよい場面と、成年後見や特別代理人などの手続が必要になり得る場面を読み取れます。
高齢や障がいなどで外出が難しい場合、出張相談が検討されることがあります。利用条件や地域の運用は確認が必要です。
認知機能が十分でないため法的問題を抱えているのに支援を求められない人は、福祉機関等を通じた連絡が問題になります。
認知症の親が遺産分割協議の当事者である場合など、成年後見制度の利用が必要になることがあります。
未成年者と親権者が共同相続人となり利益が対立する場合、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがあります。
本人が相談できない状態にある場合、家族が本人の権利を自由に処分できるわけではありません。福祉機関、地域包括支援センター、成年後見制度、家庭裁判所、弁護士、司法書士を含めて、本人保護の観点から手続を組み立てる必要があります。
弁護士・司法書士を入口に、税務、不動産、家庭裁判所へ接続します。
相続は、単一の専門職だけで完結しないことが多い分野です。争い、不動産、税務、会社、知的財産、成年後見、境界、売却、年金が絡むと、複数専門職の連携が不可欠です。法テラスの民事法律扶助で直接中心になるのは、弁護士と司法書士です。
次の表は、相続で関わる専門職・機関の主な役割と法テラスとの関係をまとめたものです。誰に何を相談するかを分けることが重要で、法律相談の入口から税務、登記、不動産、家庭裁判所へどうつながるかを読み取れます。
| 専門職・機関 | 相続での主な役割 | 法テラスとの関係 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 相続人間の争い、交渉、調停、審判、訴訟、遺留分、使い込み追及 | 法律相談援助、代理援助の中心職です。 |
| 司法書士 | 相続登記、戸籍収集、登記書類、裁判所提出書類作成、一定範囲の簡裁代理 | 法律相談援助、書類作成援助、一定範囲の代理援助で関わります。 |
| 税理士 | 相続税申告、税務相談、税務代理、税務調査対応 | 民事法律扶助の直接対象ではありませんが、連携が重要です。 |
| 行政書士 | 争いのない遺産分割協議書、相続関係説明図、遺言作成支援 | 紛争、税務代理、登記申請代理は扱えません。 |
| 公証人・遺言執行者 | 公正証書遺言の作成、遺言内容の実現 | 将来の紛争予防や遺言実現で重要です。 |
| 不動産鑑定士・土地家屋調査士 | 不動産評価、境界確認、分筆、表示登記 | 評価争いや土地を分ける場面で関与します。 |
| 宅地建物取引士・不動産仲介業者 | 相続不動産の売却、重要事項説明、売買契約実務 | 換価分割や売却方針で関与します。 |
| 家庭裁判所 | 遺産分割調停、審判、相続放棄、特別代理人、成年後見 | 法テラス相談後の手続先になることが多い機関です。 |
| 公認会計士・中小企業診断士・弁理士 | 非上場株式評価、事業承継、知的財産の承継 | 会社や特殊財産がある相続で関与します。 |
| 金融機関・保険会社・年金関係機関 | 預金払戻し、死亡保険金、遺族年金などの手続 | 遺産調査と換価、死亡後の周辺手続で関与します。 |
争いがある相続では、弁護士が法的請求権、証拠、手続選択、期限、費用対効果を検討します。不動産がある相続では、司法書士が登記や書類作成で重要になります。相続税が発生しそうな相続では、税理士が主担当候補になります。
相続財産に会社株式、事業用資産、知的財産、農地、賃貸不動産、医療法人持分などが含まれる場合、無料法律相談だけで全体を解決することは難しくなります。個人相続人としての権利と、法人や事業の利害を分けて整理する必要があります。
対象外や慎重判断になりやすい場面を先に確認します。
法テラスの無料相談や立替制度は、経済的に余裕がない個人の法的紛争へのアクセスを支援する制度です。そのため、収入・資産が基準を大きく超える場合、法人としての相談、刑事事件そのもの、税務申告だけの依頼などは、制度の中心対象から外れやすくなります。
次の表は、利用できない、または慎重な判断が必要になりやすい場面を表します。制度の対象を知ることが重要で、相談できる法律問題と、他の専門職・機関へ直接進むべき問題を読み取れます。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 収入・資産が基準を大きく超える | 民事法律扶助は経済的に余裕がない人を対象とする制度です。 |
| 法人・会社としての相談 | 民事法律扶助の対象は個人であり、法人・組合等は対象外です。 |
| 刑事事件そのもの | 民事法律扶助の無料法律相談の対象外です。 |
| 税務申告だけを依頼したい | 税務代理は税理士の領域であり、民事法律扶助の中心対象ではありません。 |
| 登記申請だけを無料でしてほしい | 相続登記申請代理そのものの費用が当然に無料になる制度ではありません。 |
| 報復目的、嫌がらせ目的 | 民事法律扶助の趣旨に適しない可能性があります。 |
| 回収可能性がない少額請求 | 代理援助では費用対効果の観点から問題になる場合があります。 |
| 相手方の利益も同時に代表してほしい | 利益相反の問題があります。 |
ただし、利用できないかどうかは事案により異なります。相続では、遺産が多く見えても係争物件である、現金化できない、相続人が高齢で困窮している、配偶者が相手方であるなど、個別事情が資力判断に影響する場合があります。
相談前に聞きたいことと該当項目を整理します。
30分の相談を有効に使うには、質問を事前に絞る必要があります。特に相続では、相続放棄の3か月、遺留分の期間制限、相続税申告期限、相続登記の3年、調停準備などが重なることがあります。
次の質問一覧は、無料相談の最後までに確認したい項目を表します。優先順位を付けることが重要で、資力基準、専門職の選択、期限、立替制度、別専門職への接続を読み取れます。
| 相談で確認したい質問 | 確認する目的 |
|---|---|
| 法テラスの無料相談の資力基準を満たしそうか | 相談料無料の見込みを確認します。 |
| 弁護士と司法書士のどちらに相談する問題か | 紛争性、登記、書類作成のどれが中心かを分けます。 |
| 相続放棄の期限はいつか | 3か月の熟慮期間と起算点を確認します。 |
| 遺産分割調停を申し立てる必要があるか | 話合いで進めるか、家庭裁判所へ進むかを整理します。 |
| 遺言書や遺留分の問題があるか | 請求期限、相手方、資料収集の方向性を確認します。 |
| 預金の使い込みを調べるには何が必要か | 取引履歴、判断能力、使途、証拠の集め方を整理します。 |
| 相続登記義務化により何をいつまでに行うか | 3年以内の登記義務や相続人申告登記を検討します。 |
| 相続税の申告が必要そうか | 基礎控除、10か月期限、税理士接続の必要性を確認します。 |
| 代理援助か書類作成援助か | 依頼後の進め方、費用、返済を確認します。 |
| 税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、不動産会社につなぐ必要があるか | 法律相談だけで完結しない争点を把握します。 |
次のチェック一覧は、法テラスへの相談を早めに検討したい状況を表します。該当項目が多いほど、期限や費用の不安を早く整理する重要性が高く、どの資料を優先して集めるかを読み取れます。
| チェック項目 | 該当 |
|---|---|
| 手取り月収が収入基準に近い、または下回る | □ |
| 預貯金が資産基準に近い、または下回る | □ |
| 相続放棄を検討している | □ |
| 借金や保証債務が見つかった | □ |
| 遺産分割協議がまとまらない | □ |
| 他の相続人が資料開示に応じない | □ |
| 預金の使い込みが疑われる | □ |
| 遺言で自分の取り分が著しく少ない | □ |
| 不動産の名義変更ができていない | □ |
| 相続登記の期限が不安である | □ |
| 未成年者、認知症の人、後見利用者が相続人にいる | □ |
| 相続税の申告要否が分からない | □ |
| 弁護士費用を一括で用意できない | □ |
| どの専門職に相談するか分からない | □ |
よくある誤解を、一般的な制度説明として整理します。
法テラスの相続相談では、無料相談、立替、相続財産、税務、登記、代理相談を混同しやすい傾向があります。次のQ&Aは一般的な制度理解を整理するもので、個別事情により結論が変わる可能性を前提に読み取ることが重要です。
一般的には、弁護士・司法書士による無料法律相談には資力基準などの要件があるとされています。情報提供は広く利用できますが、無料法律相談は経済的に困っている人を中心に設計されています。具体的な利用可否は、収入、資産、家族状況、相談内容を整理して確認する必要があります。
一般的には、相談料が無料でも、事件処理を依頼する場合は立替制度になり、返済が必要になることがあります。代理援助か書類作成援助か、立替額、月額返済、報酬金、実費は事案によって異なります。具体的な費用は、相談時に専門家や法テラスへ確認する必要があります。
一般的には、相続財産があるという事実だけで直ちに利用不可になるとは限らないとされています。争いの対象、未分割、換価不能、生活に必要な住宅など、財産の性質によって判断が変わる可能性があります。具体的には、自由に使える資産と係争物件を分けて説明する必要があります。
一般的には、相続税申告は税理士の領域であり、法テラスの無料法律相談とは別に扱われます。法律相談では、相続税が問題になりそうか、税理士へつなぐ必要があるかを整理できる場合があります。具体的な税額計算や申告方針は、税理士や税務署に確認する必要があります。
一般的には、相続登記の必要性や紛争との関係は法律相談で整理できる場合があります。ただし、登記申請代理の報酬、登録免許税、必要書類の取得費用などが当然に無料になるわけではありません。具体的な登記手続は、司法書士や法務局に確認する必要があります。
一般的には、無料法律相談は本人からの申込みが原則とされています。本人が認知機能や障がい等で自ら支援を求められない場合は、福祉機関等を通じた制度、成年後見制度、家庭裁判所での手続が問題になる可能性があります。具体的には、本人保護の観点から専門家へ相談する必要があります。