予約、準備、当日の進行、相談後の選択肢、相談料と委任後費用まで、相続相談の入口で迷いやすい点を整理します。
予約、準備、当日の進行、相談後の選択肢、相談料と委任後費用まで、相続相談の入口で迷いやすい点を整理します。
相談料だけでなく、委任後費用や関連手続費用まで分けて理解します。
弁護士会の法律相談センターで相続相談を受ける基本的な順序は、相談先を探す、電話またはインターネットで予約する、資料と質問を整理する、当日に受付と相談票記入を行う、30分前後で弁護士に相談する、相談後に継続相談や事件依頼、他専門職への相談を選ぶ、という流れです。
日弁連は、各地の弁護士会館等を含め全国約300か所で法律相談を実施し、相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なるものの5,500円前後と案内しています。ただし料金は全国一律ではなく、東京では30分まで5,500円、延長15分ごとに2,750円という例があり、千葉では1コマ30分2,000円という例もあります。
次の重要ポイントは、この記事の費用整理の出発点を表しています。相続相談では入口の相談料、依頼後の弁護士費用、公的手続や他専門職の費用が混ざりやすいため、どの費用がどの段階で発生するのかを読み分けることが重要です。
30分前後の相談で支払う費用は、代理人として事件を依頼した場合の着手金や報酬金とは別です。さらに、相続登記、相続税申告、家庭裁判所手続、公正証書遺言などには別の費用や専門職報酬が発生することがあります。
弁護士会の相続相談は、個別事件の結論をその場で保証するものではありません。相続人の構成、遺言の有無、遺産の内容、税務期限、不動産の有無、紛争性、証拠の状態によって結論が変わるため、初回相談では全体像と次の確認事項を整理することが中心になります。
相続では感情面の整理と期限管理が同時に進むため、入口で論点を分けることが大切です。
相続相談が急ぎになる理由は、複数の期限が同時に動き始めるからです。次の比較表は、代表的な期限、費用、確認先を並べたもので、読者にとって期限切れのリスクを避けるために重要です。相談前には、どの期限が自分の事案に関係するかを読み取ってください。
| 項目 | 期限や費用の目安 | 相談で確認したいこと |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 自己のために相続開始があったことを知ったときから3か月以内。申述人1人につき収入印紙800円分と連絡用郵便切手。 | 財産調査の範囲、してはいけない行為、期間伸長の可能性。 |
| 相続税申告 | 通常、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内。 | 基礎控除、税理士への相談時期、未分割の場合の対応。 |
| 相続登記 | 2024年4月1日から義務化。不動産取得を知った日から原則3年以内。遺産分割成立後も成立日から3年以内。 | 不動産を誰が取得するか、司法書士へつなぐタイミング。 |
| 遺産分割調停 | 申立費用は被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用郵便切手。 | 交渉で足りるか、調停や審判を見据えるか。 |
| 特別代理人選任 | 子1人につき収入印紙800円分と連絡用郵便切手。 | 未成年者と親権者の利害が対立していないか。 |
相続の入口では、誰の死亡により誰が財産を承継するのか、そして話し合いで分ける対象が何かを正確にそろえる必要があります。次の比較表は基本用語の意味を表しており、相談時に弁護士へ事実関係を短く伝えるために重要です。自分の説明で使う言葉がどの項目に当たるかを読み取ってください。
| 用語 | 意味 | 相談での使い方 |
|---|---|---|
| 被相続人 | 死亡して相続の対象となる人。 | 誰が亡くなったかを最初に伝えます。 |
| 相続人 | 民法上、被相続人の財産上の権利義務を承継する地位にある人。 | 配偶者、子、代襲相続人、前婚の子、養子などを整理します。 |
| 遺産分割 | 共同相続人の間で、相続財産を具体的に誰が取得するかを定める手続。 | 協議、調停、審判のどこまで必要かを確認します。 |
| 法律相談 | 事実関係を説明し、法的な見通し、選択肢、注意点を聞くこと。 | 30分前後の助言であり、事件処理の依頼とは別です。 |
| 事件依頼 | 代理人として交渉、調停、審判、訴訟、書類作成などを委任すること。 | 着手金、報酬金、実費、日当などの確認が必要です。 |
最初の30分で重要なのは、すべてを一度に解決することではありません。期限、相続人、遺産、遺言、証拠、紛争性、税務や登記の必要性を分け、弁護士に相談すべき問題と他専門職へつなぐ問題を見極めることです。
相続人間の対立、遺言、不動産、税務、放棄、後見や未成年者の問題を見分けます。
相続相談には、弁護士に早めに相談した方がよい場面と、登記や税務など別の専門職を中心に進める場面があります。次の一覧は弁護士会の相談センターを利用する価値が高い場面を表しており、読者が自分の困りごとをどの類型に近いか読み取るために重要です。
預金管理、遺産分割協議書への署名押印、資料開示拒否、感情的対立がある場合は、権利、証拠、手続選択を整理します。
遺言能力、方式、遺留分、遺言執行者、登記、税務、受遺者との関係などを確認します。
評価額、代償金、売却、共有回避、居住継続、固定資産税、賃料収入、相続登記を一体で検討します。
基礎控除を超える可能性、不動産や非上場株式、生前贈与、特例利用がある場合は税理士連携を急ぎます。
借金、保証債務、事業負債、財産調査の不足がある場合は、3か月期限と財産処分の有無を確認します。
利益相反、特別代理人、成年後見、保佐、補助などが絡む場合は、家庭裁判所手続の入口を確認します。
対立がある場合に弁護士へ相談する目的は、相手を攻撃することではありません。自分の権利の有無、請求できるものと請求しにくいもの、残すべき証拠、交渉、調停、審判、訴訟のどれが現実的かを整理することです。
公正証書遺言を作成する場面では、公証人手数料が目的価額に応じて定められています。たとえば目的の価額が50万円以下なら3,000円、50万円超100万円以下なら5,000円、100万円超200万円以下なら7,000円、200万円超500万円以下なら13,000円と案内されています。
相続税が発生しそうな場合は、相続人間の権利関係や交渉方針は弁護士、相続税申告や税務代理は税理士、不動産の名義変更は司法書士というように、役割を分ける視点が欠かせません。
弁護士、司法書士、税理士、行政書士、公証人等の守備範囲を整理します。
相続では、1つの窓口だけで登記、税務、紛争、評価、書類作成がすべて完結するとは限りません。次の一覧は専門職ごとの主な役割を表しており、読者にとって誰へ何を相談するかを誤らないために重要です。自分の問題が紛争、登記、税務、書類作成、予防法務のどこに近いかを読み取ってください。
相続人間でもめている、遺留分を請求したい、使い込みを疑っている、調停や訴訟の可能性がある場合に中心になります。
紛争対応不動産の相続登記、戸籍収集、登記申請書類、法定相続情報一覧図、家庭裁判所提出書類作成で重要です。
登記相続税申告、税務相談、税務代理、税務調査対応を担います。10か月期限を見据えた早期相談が必要です。
税務法的紛争段階、税務、登記申請業務を除く範囲で、遺産分割協議書や相続人関係説明図等の書類作成に関わることがあります。
範囲確認公正証書遺言、遺言内容の実現、遺言信託、遺産整理業務など、争いが少ない予防や実行段階で関与します。
予防と実行弁護士には守秘義務があります。一方で、同じ相続で利害が対立する相続人双方から相談を受けることは利益相反の問題を生じ得るため、予約時や相談票で相手方情報を確認されることがあります。
紛争性が高い場合は弁護士を起点にし、不動産登記は司法書士、相続税は税理士、不動産評価は不動産鑑定士、境界や分筆は土地家屋調査士と連携する発想が有効です。
相談先探しから相談後の選択まで、実務上の順番を確認します。
弁護士会の法律相談センターでは、予約から相談後の選択まで段階的に進みます。次の判断の流れは各段階の順番を表しており、読者にとって準備漏れや当日の時間不足を避けるために重要です。上から順に、どの時点で料金、資料、利益相反、依頼の有無を確認するかを読み取ってください。
日弁連、各地の弁護士会、法律相談センターサイトで地域、分野、料金を確認します。
電話またはインターネットで、相続、遺言、遺産分割、相続放棄などの分野を伝えます。
被相続人名、相手方名、他の相続人名を整理し、利益相反の有無を確認します。
戸籍、遺言、財産資料、通知書、通帳写し、不動産資料、時系列メモを用意します。
開始前に余裕をもって到着し、受付、相談票記入、相談料支払を行います。
事実、争点、期限、証拠、手続選択、費用見通しを確認します。
相談のみで終了、継続相談、事件依頼、他専門職への相談を選びます。
流れをもう少し実務的に見ると、各段階で相談者がすることと注意点が変わります。次の比較表は、予約前から相談後までの作業を表しており、読者が自分の準備状況を確認するために重要です。
| 段階 | 相談者がすること | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 相談先を探す | 地域、相談分野、相談料、支払方法を確認します。 |
| 2 | 予約する | 主要な問題を一言で伝えると、適した相談枠につながりやすくなります。 |
| 3 | 利害関係を確認する | 相手方氏名、被相続人氏名、他の相続人名を聞かれることがあります。 |
| 4 | 資料を準備する | 原本を全部持参するだけでなく、要約メモを1枚作ると時間を使いやすくなります。 |
| 5 | 当日受付 | 相談開始前に受付、相談票記入、相談料支払が必要になる場合があります。 |
| 6 | 相談 | 概要、法的整理、次の行動の順で30分を使います。 |
| 7 | 相談後 | 終了、継続相談、事件依頼、他専門職への相談を選びます。 |
資料、質問、冒頭説明、避けるべき行動を事前に整理します。
30分前後の相談で成果を出すには、資料を持参するだけでなく、何を聞きたいのかを整理しておくことが重要です。次の一覧は相談前に作る資料を表しており、読者にとって期限と争点を短時間で伝えるために重要です。各資料がどの目的に役立つかを読み取ってください。
死亡日、葬儀、遺言発見、通帳確認、相手方との連絡、書類到着日を並べ、期限と争点を把握します。
被相続人、配偶者、子、代襲相続人、養子、前婚の子などを整理し、相続人確定の入口にします。
預貯金、不動産、株式、保険、負債、貸付金、事業財産をまとめ、遺産分割、税務、登記の見通しに使います。
何に困っているか、何を求めたいか、相手の主張を整理し、相談時間を争点に集中させます。
今日必ず聞きたい3問から5問を先に決め、相談終了後に残る不安を減らします。
持参資料の具体例は、被相続人の死亡記載のある戸籍、相続人の戸籍、遺言書の写し、財産目録、固定資産税納税通知書、不動産登記事項証明書、預貯金通帳、残高証明書、取引履歴、生命保険証券、証券会社資料、借入資料、相手方からの手紙、メール、LINE、内容証明郵便、家庭裁判所や税務署からの書類です。
30分相談では、冒頭の説明と終盤の確認事項を決めておくと効率が上がります。次の比較表は、相談中に話す順番を表しており、読者にとって限られた時間で期限、証拠、手続、費用を聞き漏らさないために重要です。
| 場面 | 伝えること、確認すること |
|---|---|
| 冒頭 | 誰が亡くなったか、自分は相続人の誰に当たるか、何に困っているか、今日何を決めたいかを伝えます。 |
| 中盤 | 相続人、遺産、遺言、期限、相手方の動き、証拠、紛争性、専門職連携を確認します。 |
| 終盤 | 相続放棄、税務申告、登記、遺留分などの緊急期限を確認します。 |
| 終盤 | どの資料を集めるか、相手方に何を求めるか、交渉、調停、審判、訴訟のどれが現実的かを聞きます。 |
| 終盤 | 継続相談や事件依頼の費用項目、司法書士、税理士、不動産鑑定士等へ相談する必要性を確認します。 |
相談料、無料相談、着手金、報酬金、公的費用を分けて見ます。
相談料は全国一律ではなく、相談センターごとに異なります。次の比較表は代表的な料金例を表しており、読者にとって予約前に最新料金と支払方法を確認する必要があるため重要です。金額は入口の相談料であり、事件依頼後の費用とは別である点を読み取ってください。
| 窓口や制度 | 相談時間や料金の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 日弁連の案内 | 相談時間はおおむね30分、相談料は5,500円前後。 | 地域や相談内容により異なります。 |
| 東京の弁護士会法律相談センター等 | 30分まで5,500円、超過15分ごとに2,750円という例。 | 相談日当日、相談前支払と案内される例があります。 |
| 千葉県弁護士会の予約管理サイト | 1コマ30分2,000円という例。 | 現金のみとされる例があるため、予約時確認が必要です。 |
| 法テラスの無料法律相談 | 1回30分、同一問題につき3回まで無料。 | 収入と資産が一定基準以下などの条件があります。東京に住む3人家族の例では、収入299,200円、資産270万円が基準として示されています。 |
| 法テラスの費用立替制度 | 弁護士や司法書士費用等の立替制度。 | 資力基準、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適することが条件です。 |
事件を依頼する場合は、相談料とは別に弁護士費用が発生します。次の比較表は委任後に発生し得る費用項目を表しており、読者にとって総額を誤解しないために重要です。どの費用が開始時、終了時、実費精算時に関係するかを読み取ってください。
| 費用項目 | 意味 | 相続事件での例 |
|---|---|---|
| 着手金 | 結果にかかわらず事件処理開始時に支払う費用。 | 遺産分割交渉、調停、遺留分請求、使い込み返還請求。 |
| 報酬金 | 成功の程度に応じて終了時に支払う費用。 | 取得額、回収額、合意内容などに応じることがあります。 |
| 手数料 | 定型的または単発業務の対価。 | 遺産分割協議書作成、内容証明作成、相続放棄申述支援。 |
| 実費 | 事件処理に必要な外部費用。 | 収入印紙、郵便切手、戸籍取得費、登記事項証明書、交通費。 |
| 日当 | 遠方出張や裁判所出頭等の拘束時間に対する費用。 | 遠方の家庭裁判所、現地調査。 |
| 鑑定費用 | 専門評価の費用。 | 不動産鑑定、株式評価、筆跡鑑定、医療記録調査。 |
相続の総費用では、弁護士費用以外の公的手続費用も見落とせません。次の比較表は代表的な手続費用を表しており、読者にとって相談料とは別に準備すべき費用を把握するために重要です。各手続が家庭裁判所、登記、税務、公証のどの領域に属するかを読み取ってください。
| 手続 | 主な費用 | 費用の性質 |
|---|---|---|
| 相続放棄申述 | 申述人1人につき収入印紙800円分、連絡用郵便切手。 | 家庭裁判所手続の実費。 |
| 遺産分割調停 | 被相続人1人につき収入印紙1,200円分、連絡用郵便切手。 | 家庭裁判所手続の実費。 |
| 特別代理人選任 | 子1人につき収入印紙800円分、連絡用郵便切手。 | 家庭裁判所手続の実費。 |
| 相続登記の登録免許税 | 相続による土地、建物の所有権移転登記は不動産価額の1,000分の4が原則。 | 登記申請に伴う税金。 |
| 相続税申告 | 税額は財産額、基礎控除、特例等により異なり、申告期限は原則10か月。 | 税務申告と納税。 |
| 公正証書遺言 | 目的価額に応じた公証人手数料。 | 公証役場での手数料。 |
安いか高いかだけでなく、依頼範囲と計算方法を確認します。
費用の説明で重要なのは、金額の高低だけではありません。次の比較表は初回相談時または依頼前に確認したい質問を表しており、読者にとって後日の認識違いを避けるために重要です。どの質問が相談料、委任費用、他専門職費用、報酬計算に関係するかを読み取ってください。
| 質問 | 理由 |
|---|---|
| 今日の相談料以外に、継続相談料はかかりますか | 相談だけで継続する場合の負担を知るため。 |
| 事件を依頼した場合、着手金、報酬金、実費、日当は別ですか | 総費用を把握するため。 |
| 交渉で終わる場合と調停に進む場合で費用は変わりますか | 手続段階ごとの負担を知るため。 |
| 税理士、司法書士、不動産鑑定士の費用は別ですか | 相続では複数専門職の費用が発生し得るため。 |
| 報酬金の算定基準は、取得額、増加額、回収額のどれですか | 成功報酬の計算方法を誤解しないため。 |
| 委任契約書と見積書を出してもらえますか | 後日の紛争を避けるため。 |
| 法テラスの利用可能性はありますか | 資力要件を満たす場合に費用負担を軽減できるため。 |
相談時には、「総額いくらですか」とだけ聞くよりも、「交渉だけの場合」「調停まで進む場合」「審判や訴訟まで進む場合」「税理士、司法書士、不動産鑑定士の費用が別にかかる場合」に分けて概算を確認すると整理しやすくなります。
遺産分割協議書、使い込み、遺留分、相続放棄、不動産共有の場面を整理します。
相続相談では、困りごとの種類によって持参資料と質問が変わります。次の比較表は代表的な相談シナリオを表しており、読者にとって自分の相談で何を準備すべきかを判断するために重要です。左の相談類型に近い行から、資料と確認点を読み取ってください。
| 相談類型 | 持参したい資料 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 遺産分割協議書に署名を求められた | 協議書案、財産一覧、不動産資料、通帳資料、相手方からの説明文、印鑑証明書提出依頼書。 | 相続人全員の参加、財産漏れ、負債、不動産評価、代償金、税務、登記の考慮。 |
| 預貯金の使い込みを疑っている | 通帳コピー、取引履歴、介護施設請求書、医療費領収書、相手方の説明、判断能力に関する資料。 | 使途不明金の立証、取引履歴取得、遺産分割での調整、返還請求の要否。 |
| 遺留分を請求したい | 遺言書、財産資料、生前贈与の資料、相続人関係、死亡日、遺言内容を知った日、相手方とのやり取り。 | 期限、請求先、請求方法、内容証明郵便の要否。 |
| 相続放棄を検討している | 債権者通知、督促状、借入契約書、通帳、不動産資料、死亡日が分かる戸籍、死亡を知った日が分かる資料。 | 財産処分の有無、3か月期限、次順位相続人への影響、専門家報酬の有無。 |
| 不動産を共有にするか迷っている | 固定資産税納税通知書、登記事項証明書、評価資料、賃料資料、境界や接道に関する資料。 | 売却、代償分割、取得、共有回避、固定資産税、相続登記義務への対応。 |
質問は5問以内に絞ると、30分相談を使いやすくなります。遺産分割なら協議書案の修正点、遺留分なら期限と請求先、使い込みなら集める資料、相続放棄なら調査すべき財産、不動産なら共有、売却、代償分割のどれが現実的かを優先して確認します。
法律相談センター、法テラス、市区町村、民間法律事務所、司法書士、税理士を比較します。
相続の相談窓口は複数あり、相談できる内容や向いている場面が異なります。次の比較表は主な窓口の特徴を表しており、読者にとって相談先選びのミスマッチを避けるために重要です。自分の問題が初期方針、費用不安、登記、税務、継続依頼のどれに近いかを読み取ってください。
| 窓口 | 主な特徴 | 向いている相談 |
|---|---|---|
| 弁護士会の法律相談センター | 弁護士会が運営または関与し、相談分野や地域から選べます。30分程度の有料相談が多いものの地域差があります。 | 相続でもめている、弁護士に初期方針を聞きたい場合。 |
| 法テラス | 資力要件等を満たす人向けの無料法律相談、費用立替制度があります。 | 経済的に弁護士費用が不安な場合。 |
| 市区町村無料相談 | 住民向けの短時間無料相談が多く、一般的な入口相談に向きます。 | 専門家に聞くべきかを確認したい場合。 |
| 民間法律事務所 | 特定分野に注力する事務所を自分で選べます。 | 継続依頼を前提に専門性や相性を重視したい場合。 |
| 司法書士相談 | 相続登記、裁判所提出書類、法定相続情報などに対応します。 | 不動産名義変更、争いが少ない書類手続。 |
| 税理士相談 | 相続税、贈与税、税務調査、特例適用に対応します。 | 相続税が発生しそうな場合。 |
法律相談センターは、「どこへ相談すればよいか分からない」という段階で有用です。一方で、相続税申告のみ、相続登記のみ、公正証書遺言作成のみなど依頼したい業務が明確な場合は、税理士、司法書士、公証役場へ直接相談する方が早いこともあります。
予約前、資料準備、当日質問、専門職連携をまとめて確認します。
相談前の確認事項は、予約、資料、当日質問の3つに分けると抜け漏れを減らせます。次の一覧は相談前チェックを表しており、読者にとって30分相談を実務的に使うために重要です。自分が未準備の項目を読み取って、相談前に補ってください。
遺産分割、遺言、遺留分、相続放棄、使い込み、不動産、相続税のどれに近いか、相談時間、延長料、支払方法を確認します。
戸籍、遺言書、不動産資料、通帳、残高証明書、取引履歴、保険、証券、借入資料、相手方から届いた書類を用意します。
期限が迫っている手続、署名押印してはいけない書類、集めるべき証拠、専門職連携、依頼時の費用項目を確認します。
相続事件では、1人の専門家だけで完結しないことがあります。次の比較表は専門職連携の組み合わせを表しており、読者にとって主担当と連携先を分けて考えるために重要です。自分の事案で誰を起点にするかを読み取ってください。
| 事案 | 主担当 | 連携先 |
|---|---|---|
| 相続人間でもめている | 弁護士 | 税理士、司法書士、不動産鑑定士。 |
| 不動産の名義変更中心 | 司法書士 | 弁護士、税理士、土地家屋調査士。 |
| 相続税申告中心 | 税理士 | 弁護士、司法書士、不動産鑑定士。 |
| 争いのない協議書作成 | 行政書士、司法書士、弁護士 | 税理士、金融機関。 |
| 公正証書遺言 | 公証人 | 弁護士、司法書士、税理士、信託銀行。 |
| 会社、非上場株式がある | 弁護士、税理士 | 公認会計士、中小企業診断士、金融機関。 |
| 境界、分筆、農地、山林 | 司法書士、土地家屋調査士 | 弁護士、不動産鑑定士、行政書士。 |
法律相談センターの役割、裁判、登記、税務、無料相談の限界を整理します。
一般的には、法律相談センターは相談と助言の場とされています。相談時間内に、遺産分割協議書、相続税申告書、登記申請書、調停申立書をすべて作成する場ではありません。ただし、資料や相談内容によって確認できる範囲は変わるため、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、弁護士相談は裁判を避けるためにも利用されます。交渉で解決できるか、調停に進むべきか、相手方への伝え方をどうするか、証拠をどう整理するかを早期に確認することで、紛争拡大を抑えられる可能性があります。ただし、相手方の対応や証拠関係によって見通しは変わるため、個別の方針は専門家へ確認する必要があります。
一般的には、不動産を相続した場合、2024年4月1日から相続登記の申請義務があるとされています。相続により不動産の所有権を取得した相続人は、原則としてその取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。遺産分割が成立した場合にも成立日から3年以内の申請義務があるため、具体的な登記対応は司法書士等へ相談する必要があります。
一般的には、相続税はすべての相続で発生するものではありません。ただし、都市部の不動産、生命保険、生前贈与、非上場株式がある場合には、想定より早く基礎控除を超える可能性があります。相続税申告期限は原則10か月であり、基礎控除額は3,000万円プラス600万円に法定相続人の数を乗じた額とされています。そのため、税理士相談の要否は早めに確認する必要があります。
一般的には、無料相談は入口の確認に有用とされています。一方で、短時間の相談だけで資料精査や継続的な交渉まで行うことは難しい場合があります。同じ問題について複数の相談先で断片的な助言を受けると方針が整理しにくくなることがあるため、継続的に誰が主担当になるかを確認することが重要です。
初回相談の目的は、期限、争点、証拠、費用、次の一手を明確にすることです。
弁護士会の法律相談センターで相続相談を受ける流れは、相談先を探し、電話またはインターネットで予約し、相談分野を簡潔に伝え、時系列表、家族関係図、財産一覧、争点メモ、質問リストを作り、当日に受付、相談票記入、相談料支払を行い、限られた時間で弁護士に相談するという順序です。
相談後は、相談のみで終える、継続相談する、事件を依頼する、司法書士や税理士等につなぐ、という選択をします。費用面では、相談時間はおおむね30分、相談料は5,500円前後という全国的な目安がありますが、東京では30分5,500円、延長15分2,750円の例があり、千葉では30分2,000円の例もあります。
相続では、相続放棄の3か月、相続税申告の10か月、相続登記の3年など、重要な期限が複数あります。初回相談の目的は、すべてを一度に解決することではなく、期限、争点、証拠、費用、専門職連携、次の一手を明確にすることです。