2σ Guide

自筆証書遺言を
法務局で保管する
費用

法務局に支払う3,900円だけでなく、
書類取得、専門家確認、
相続開始後の証明書、
登記・税務まで含めて
総額で判断できるよう整理します。

3,900円 保管申請手数料
1,400円 情報証明書など
0.4% 相続登記の登録免許税目安
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

自筆証書遺言を 法務局で保管する 費用

法務局に支払う3,900円だけでなく、書類取得、専門家確認、相続開始後の証明書、登記・税務まで含めて 総額で判断できるよう整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
自筆証書遺言を 法務局で保管する 費用
法務局に支払う3,900円だけでなく、書類取得、専門家確認、相続開始後の証明書、登記・税務まで含めて 総額で判断できるよう整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 自筆証書遺言を 法務局で保管する 費用
  • 法務局に支払う3,900円だけでなく、書類取得、専門家確認、相続開始後の証明書、登記・税務まで含めて 総額で判断できるよう整理します。

POINT 1

  • 自筆証書遺言の 法務局保管費用の全体像
  • 3,900円という公式手数料と、周辺費用を分けて把握します。
  • 自筆証書遺言を法務局で保管してもらう場合、遺言者本人が法務局に支払う基本手数料は、遺言書1通につき 3,900円です。
  • ただし、実際の負担はこの金額だけで終わるとは限りません。
  • 3,900円で済む範囲と、別に準備すべき費用を区別できるため、見積りや家族への説明で何を確認するべきかを読み取れます。

POINT 2

  • 自筆証書遺言の 法務局保管制度でできること
  • 保管制度の役割と、内容設計まで保証されるわけではない点を整理します。
  • 紛失や発見漏れを抑える
  • 家庭裁判所の検認が不要
  • 内容の適切性は保証されない

POINT 3

  • 自筆証書遺言の 法務局保管費用と証明書手数料
  • 3,900円、1,400円、1,700円、800円の違いを一覧で確認します。
  • 法務局に支払う公式手数料は、保管申請だけでなく、相続開始後の閲覧や証明書交付にも分かれています。
  • どの手続が誰のための費用かを把握しておくと、生前の費用と死後の費用を混同せず、必要な証明書の数も見込みやすくなります。
  • 次の横棒グラフは、上の手数料を金額の大きい順ではなく、保管申請を基準に比較したものです。

POINT 4

  • 法務局保管申請に必要な 書類と実費
  • 1. 本人が法務局へ行けるか確認:代理人申請や郵送申請ではなく、本人出頭が基本です。
  • 2. 管轄と予約方法を確認:住所地、本籍地、所有不動産所在地に関係する遺言書保管所を確認します。
  • 3. 書類不備がないか確認:余白、ページ番号、住民票記載、本人確認書類、収入印紙を点検します。
  • 4. 再作成や再予約の費用に注意:交通費、時間、専門家確認費が増える可能性があります。
  • 5. 予約日に申請へ進む:保管証の保管方法と通知先も考えておきます。

POINT 5

  • 自筆証書遺言の様式不備と 専門家確認費用
  • 遺言能力
  • 高齢、認知症、入院、施設入所などがある場合、作成時の判断能力を争われる可能性があります。
  • 遺留分
  • 特定の相続人に多く残す場合、死後に遺留分侵害額請求が起きる可能性があります。

POINT 6

  • 相続開始後にかかる 証明書費用と検認不要の効果
  • 1. 保管事実を確認:関係相続人等が、遺言書の有無を確認するために証明書を取得することがあります。
  • 2. 遺言書情報証明書を取得:不動産登記や金融機関手続に使う写しとして重要です。
  • 3. 登記、預金、証券、保険へ接続:検認は不要でも、戸籍収集や機関ごとの必要書類は別に準備します。

POINT 7

  • 法務局保管制度と 公正証書遺言の費用比較
  • 3,900円の低額さと、公正証書遺言の安心材料を同時に見ます。
  • 自筆証書遺言を法務局で保管してもらう場合の費用は、公正証書遺言との比較で理解すると整理しやすくなります。
  • 法務局保管は低額で定額ですが、自書と本人出頭が前提です。
  • 公正証書遺言は費用が上がりやすい一方、自書が難しい場合や紛争リスクを重く見る場合に検討されます。

POINT 8

  • 自筆証書遺言の 法務局保管費用を ケース別に試算する
  • 不動産、遺留分、相続税、事業承継まで含めて総額を見ます。
  • 典型ケース別に見ると、3,900円が相続全体のどの部分にすぎないかが分かります。
  • ケースごとに追加費用の発生源が異なるため、金額そのものよりも、どの専門職や税金が関係するかを読み取ることが大切です。
  • シンプルな相続では低額に抑えやすい一方、不動産、遺留分、相続税、事業承継が絡むほど周辺費用が膨らむことを読み取れます。

まとめ

  • 自筆証書遺言を 法務局で保管する 費用
  • 自筆証書遺言の 法務局保管費用の全体像:3,900円という公式手数料と、周辺費用を分けて把握します。
  • 自筆証書遺言の 法務局保管制度でできること:保管制度の役割と、内容設計まで保証されるわけではない点を整理します。
  • 自筆証書遺言の 法務局保管費用と証明書手数料:3,900円、1,400円、1,700円、800円の違いを一覧で確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

自筆証書遺言の
法務局保管費用の全体像

3,900円という公式手数料と、周辺費用を分けて把握します。

自筆証書遺言を法務局で保管してもらう場合、遺言者本人が法務局に支払う基本手数料は、遺言書1通につき3,900円です。ただし、実際の負担はこの金額だけで終わるとは限りません。住民票などの取得費、交通費、財産目録を整えるための資料費、専門家相談料、相続開始後の証明書取得費、相続登記や相続税申告の費用を分けて見る必要があります。

次の比較表は、費用を5つの層に分けて、誰が負担しやすいかと法務局の保管手数料に含まれるかを整理したものです。3,900円で済む範囲と、別に準備すべき費用を区別できるため、見積りや家族への説明で何を確認するべきかを読み取れます。

費用の層主な内容負担しやすい人3,900円に含まれるか
第1層保管申請手数料3,900円遺言者含まれます
第2層住民票、戸籍、資料取得、交通費など遺言者含まれません
第3層弁護士、司法書士、行政書士、税理士などへの相談や作成支援遺言者含まれません
第4層相続開始後の証明書取得、閲覧、戸籍収集など相続人、受遺者、遺言執行者など含まれません
第5層相続登記、相続税申告、遺留分対応、訴訟、遺言執行など相続人、受遺者、相続財産など含まれません
結論3,900円は保管申請の入口費用です。遺言内容の設計、税務、不動産登記、相続開始後の実行費用は別に考える必要があります。
Section 01

自筆証書遺言の
法務局保管制度でできること

保管制度の役割と、内容設計まで保証されるわけではない点を整理します。

自筆証書遺言書保管制度は、民法上の方式で作成した自筆証書遺言を、法務局の遺言書保管所で保管してもらう制度です。自宅保管で起きやすい紛失、発見されない、破棄や改ざんを疑われるといった問題を抑えるために使われます。

次のポイント一覧は、制度が解決しやすい問題と、制度を使っても遺言者側に残る課題を対比しています。保管制度の価値と限界を同時に見られるため、低額な制度だけで十分か、内容確認の費用も見込むべきかを読み取れます。

保管

紛失や発見漏れを抑える

原本と画像データが保管されるため、自宅保管よりも所在を確認しやすくなります。

手続

家庭裁判所の検認が不要

法務局で保管された自筆証書遺言は、相続開始後の検認手続が不要になります。

限界

内容の適切性は保証されない

法務局は形式面を確認しますが、遺留分、税務、登記、紛争予防まで個別に設計する機関ではありません。

用語の整理

遺言者は遺言を書く本人、相続人は法律上財産を承継する人、受遺者は遺言で財産を受け取る人や法人です。遺言執行者は、預金解約、不動産名義変更、株式手続、受遺者への引渡しなど、遺言内容を実現する役割を担います。

遺言書保管官は法務局で保管事務を担当する職員ですが、遺言能力、遺留分侵害、相続税上の有利不利、将来の争いまでは判断しません。ここを誤解すると、保管手数料の安さだけで専門家確認まで省いてしまう危険があります。

Section 02

自筆証書遺言の
法務局保管費用と証明書手数料

3,900円、1,400円、1,700円、800円の違いを一覧で確認します。

法務局に支払う公式手数料は、保管申請だけでなく、相続開始後の閲覧や証明書交付にも分かれています。どの手続が誰のための費用かを把握しておくと、生前の費用と死後の費用を混同せず、必要な証明書の数も見込みやすくなります。

手続手数料主に手続できる人実務上の意味
遺言書の保管の申請申請1件、遺言書1通につき3,900円遺言者遺言書を法務局に預ける基本費用
遺言書の閲覧、モニター1回につき1,400円遺言者、相続開始後の関係相続人等画像データ等を画面で確認する費用
遺言書の閲覧、原本閲覧1回につき1,700円遺言者、相続開始後の関係相続人等原本そのものを確認する費用
遺言書情報証明書1通につき1,400円関係相続人等相続手続で遺言書の写しとして使う重要書類
遺言書保管事実証明書1通につき800円関係相続人等遺言書が保管されているかを確認する証明書
申請書等、撤回書等の閲覧1件につき1,700円遺言者、関係相続人等申請書や撤回書等を確認する費用

次の横棒グラフは、上の手数料を金額の大きい順ではなく、保管申請を基準に比較したものです。3,900円が突出しているのではなく、相続開始後にも1,400円や1,700円の手続が別に生じることを読み取れます。

保管申請
3,900円
原本閲覧
1,700円
情報証明
1,400円
画面閲覧
1,400円
事実証明
800円
長さは3,900円を100として相対比較した目安です。

3,900円は保管申請手数料であり、民間保管サービス料、弁護士報酬、文案作成料、相続税試算料、将来の遺言執行料ではありません。財産額が500万円でも5億円でも、法務局への保管申請は遺言書1通につき3,900円です。

支払時は3,900円分の収入印紙を用意し、手数料納付用紙に貼って提出するのが一般的です。収入印紙は切手ではなく、法務局ごとに購入環境も異なるため、予約日前に確認しておくと再訪問を避けやすくなります。

Section 03

法務局保管申請に必要な
書類と実費

住民票、本人確認書類、財産目録資料、交通費まで含めて準備します。

保管申請には、遺言書そのものだけでなく、申請書、本人確認書類、本籍と戸籍筆頭者の記載がある住民票の写し等、外国語遺言の場合の日本語翻訳文、収入印紙などが必要です。これらは自治体手数料や交通費を伴うため、3,900円とは別に見積もる必要があります。

次の一覧は、申請準備で発生しやすい実費と注意点を整理したものです。証明書の種類や取得条件を見落とすと予約日に受付できない可能性があるため、どの資料が追加費用になりやすいかを読み取ってください。

項目費用の性質注意点
住民票の写し等市区町村での証明書発行手数料本籍、戸籍筆頭者の記載が必要になるのが通常です
戸籍謄本、戸籍附票など必要に応じた証明書発行手数料氏名変更や住所変更などで追加資料が必要になることがあります
本人確認書類通常は既存の運転免許証など顔写真付きの官公署発行書類が必要です
財産目録作成資料登記事項証明書、登記情報、通帳コピー、固定資産資料など不動産や預貯金を正確に特定するために役立ちます
交通費法務局へ行く実費保管申請は本人出頭が必要です
翻訳費外国語遺言の場合日本語翻訳文が必要になることがあります

次の判断の流れは、申請前に本人出頭と予約準備を確認する順番を示しています。金銭以外に時間や移動負担がかかるため、どの段階で公正証書遺言や専門家支援の比較に進むべきかを読み取れます。

申請前の確認順序

本人が法務局へ行けるか確認

代理人申請や郵送申請ではなく、本人出頭が基本です。

管轄と予約方法を確認

住所地、本籍地、所有不動産所在地に関係する遺言書保管所を確認します。

書類不備がないか確認

余白、ページ番号、住民票記載、本人確認書類、収入印紙を点検します。

不備あり
再作成や再予約の費用に注意

交通費、時間、専門家確認費が増える可能性があります。

不備なし
予約日に申請へ進む

保管証の保管方法と通知先も考えておきます。

Section 04

自筆証書遺言の様式不備と
専門家確認費用

形式確認と内容設計の違いを押さえ、後日の費用増加を防ぎます。

自筆証書遺言書保管制度を利用するには、民法上の要件に加えて制度上の様式ルールを満たす必要があります。A4サイズ、片面記載、余白、ページ番号、複数ページを綴じ合わせないこと、財産目録の各ページへの署名押印などを外すと、書き直しや再訪問の負担につながります。

次の比較表は、よくある不備と追加で起きる費用を対応させたものです。どの不備が単なる見た目の問題ではなく、方式違反や手続停滞につながるかを読み取ることで、事前点検の優先順位を付けられます。

不備の種類追加で起きる費用や負担
本文の自書漏れ書き直しの時間、専門家相談料
日付が「吉日」など不明確書き直し、再予約の可能性
押印漏れ書き直しまたは再作成
財産目録の署名押印漏れ署名押印のやり直し、再印刷
財産の特定が不十分登記事項証明書等の取得、専門家確認
余白不足用紙の再作成、再予約

次の重要ポイントは、低額な制度を使う場合でも専門家確認を検討すべき領域を示しています。法務局が見る形式面と、専門家が確認する内容面を分けて理解することで、削ってよい費用と削ると危険な費用を読み取れます。

遺言能力

高齢、認知症、入院、施設入所などがある場合、作成時の判断能力を争われる可能性があります。

遺留分

特定の相続人に多く残す場合、死後に遺留分侵害額請求が起きる可能性があります。

不動産の特定

所在地、地番、家屋番号、持分などが登記記録とずれると、相続登記で手間が増えます。

税務と納税資金

相続税が見込まれる場合、分け方が税額や納税資金に影響します。

一般に、遺言書は安く作ることより、有効に、誤解なく、実行できる形で作ることが重要です。3,900円の制度を使っても、内容や方式に問題があれば、相続開始後に大きな紛争費用が生じることがあります。

Section 05

相続開始後にかかる
証明書費用と検認不要の効果

800円、1,400円、1,700円の手続と、相続手続へのつながりを整理します。

遺言者が亡くなった後は、相続人、受遺者、遺言執行者などが遺言書の内容確認や証明書取得を行うことがあります。金融機関、不動産登記、証券会社、保険会社では、閲覧だけでなく遺言書情報証明書の提出を求められる場面があるため、生前の保管費用とは別に考えます。

次の一覧は、相続開始後に発生しやすい法務局手数料を目的別にまとめたものです。どの証明書が「存在確認」に使われ、どの証明書が実際の相続手続で重要になるかを読み取れます。

手続手数料目的
遺言書保管事実証明書1通800円遺言書が法務局に保管されているか確認する
遺言書情報証明書1通1,400円遺言書の内容を証明書として取得し、相続手続に使う
遺言書の閲覧、モニター1回1,400円内容を画面で確認する
遺言書の閲覧、原本1回1,700円原本を確認する
申請書等、撤回書等の閲覧1件1,700円申請経緯や撤回関係を確認する

次の時系列は、法務局保管制度を使った場合に、相続開始後の初動がどのように進むかを整理したものです。検認が不要になることで短縮される部分と、それでも証明書取得や各機関手続が必要になる部分を読み取れます。

相続開始後

保管事実を確認

関係相続人等が、遺言書の有無を確認するために証明書を取得することがあります。

内容確認

遺言書情報証明書を取得

不動産登記や金融機関手続に使う写しとして重要です。

各種手続

登記、預金、証券、保険へ接続

検認は不要でも、戸籍収集や機関ごとの必要書類は別に準備します。

通知制度を利用すると、遺言者の死亡後に指定した人へ遺言書が保管されていることを知らせられます。対象者は3名まで指定可能とされており、遺言書が発見されないリスクを下げる効果があります。ただし、通知先の住所変更などを放置すると実効性が落ちるため、変更届や連絡先管理も実務上の手間として見込む必要があります。

Section 06

法務局保管制度と
公正証書遺言の費用比較

3,900円の低額さと、公正証書遺言の安心材料を同時に見ます。

自筆証書遺言を法務局で保管してもらう場合の費用は、公正証書遺言との比較で理解すると整理しやすくなります。法務局保管は低額で定額ですが、自書と本人出頭が前提です。公正証書遺言は費用が上がりやすい一方、自書が難しい場合や紛争リスクを重く見る場合に検討されます。

次の比較表は、法務局保管の自筆証書遺言と公正証書遺言を、費用だけでなく手続上の違いも含めて並べたものです。どちらが安いかだけでなく、どのリスクや負担を下げたいかを読み取ることが重要です。

項目法務局保管の自筆証書遺言公正証書遺言
基本手数料遺言書1通3,900円財産価額、受取人ごとに計算
内容作成遺言者が作成公証人が関与し、公正証書として作成
本人の自書本文は自書が必要自書不要
証人不要原則2人必要
検認不要不要
保管法務局公証役場
内容相談法務局は不可公証人は作成に関与するが、紛争や税務全般の代理相談とは別
移動困難な場合保管申請は本人出頭が基本公証人の出張作成が可能な場合があります

次の比較グラフは、代表的な費用例を並べたものです。法務局保管の3,900円、公正証書遺言で3,000万円を配偶者へ残す例の39,000円、1億円を妻と長男へ分ける例の95,000円を見比べることで、制度費用の差が財産額や受取人の数で広がることを読み取れます。

3,900円
法務局保管
39,000円
公正証書例A
95,000円
公正証書例B

保管後に内容を変更したい場合、保管中の遺言書の撤回、新しい遺言書の再保管、別の遺言書作成、公正証書遺言への切り替えが考えられます。再保管をするなら新たに3,900円が必要になり、複数の遺言が併存すると前の遺言との関係が争われる可能性があります。

Section 07

自筆証書遺言の
法務局保管費用を
ケース別に試算する

不動産、遺留分、相続税、事業承継まで含めて総額を見ます。

典型ケース別に見ると、3,900円が相続全体のどの部分にすぎないかが分かります。ケースごとに追加費用の発生源が異なるため、金額そのものよりも、どの専門職や税金が関係するかを読み取ることが大切です。

次の一覧は、5つの典型ケースについて、保管申請手数料以外に注意すべき費用を整理したものです。シンプルな相続では低額に抑えやすい一方、不動産、遺留分、相続税、事業承継が絡むほど周辺費用が膨らむことを読み取れます。

1

本人作成と保管だけ

保管申請は3,900円、住民票等と交通費は実費、専門家報酬はなしです。内容確認を省く分、遺留分や財産特定の不備は自己責任になります。

低額
2

不動産を含む遺言

登記事項証明書、固定資産資料、司法書士確認などが費用化しやすいです。不動産表示を誤ると相続登記時の負担が増えます。

登記注意
3

子どもの一人に多く残す

遺留分侵害額請求のリスクがあります。保管費用の安さより、生命保険、代償金、付言事項、遺言執行者の設計が重要です。

紛争注意
4

相続税が発生しそう

基礎控除額は3,000万円プラス600万円に法定相続人の数を掛けた額です。税理士相談や納税資金対策は別費用です。

税務注意
5

会社や非上場株式がある

株式評価、事業承継、遺留分、相続税、役員変更登記などが絡み、3,900円は全体費用の一部にすぎません。

承継注意

相続登記費用との混同にも注意が必要です。2024年4月1日から相続登記は義務化されており、相続等で不動産を取得した相続人は、所有権取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。登録免許税は相続による所有権移転で不動産価額の0.4パーセントとされ、固定資産税評価額2,000万円なら目安は8万円です。

相続税申告費用も別問題です。正味の遺産額が基礎控除額を超える場合は、申告納税が必要になります。不動産が多い、自宅土地を配偶者や同居親族に残す、生前贈与や生命保険がある、非上場株式があるといった場合は、税務設計を省くと結果的に総費用が増える可能性があります。

Section 08

自筆証書遺言の費用と
専門家の役割分担

弁護士、司法書士、税理士、行政書士、公証人などの使い分けを整理します。

法務局保管制度は低額ですが、相続実務には複数の専門職が関わります。どの専門家にどの段階で相談するかを分けると、全部を一人に任せるより費用対効果を調整しやすくなります。

次の比較表は、専門家ごとの役割と費用が発生しやすい場面を整理したものです。法律、登記、税務、保管、執行、不動産評価のどこに課題があるかを読み取り、必要な相談先を絞り込むために使えます。

専門家主な役割費用を検討すべき場面
弁護士遺留分、使い込み疑い、遺言無効、交渉、調停、審判、訴訟相続人同士でもめる可能性がある場合
司法書士相続登記、不動産名義変更、戸籍収集、法定相続情報一覧図不動産がある場合
税理士相続税申告、評価、納税資金、税務調査対応基礎控除額を超えそうな場合
行政書士争いのない書類作成、遺言作成支援、公正証書遺言準備財産内容や家族関係が比較的シンプルな場合
公証人公正証書遺言の作成自書が難しい、真正性を高めたい場合
遺言執行者死後の名義変更、払戻し、引渡し財産が多い、受遺者が多数、争いが予想される場合
信託銀行等遺言信託、保管、執行資産規模が大きく、家族が実務を担えない場合
不動産関連専門職鑑定、境界確認、分筆、売却価格や境界、売却が問題になる場合

次の判断の流れは、費用を抑えながら相談先を選ぶ順番を示しています。最初に財産と相続人を整理し、争い、税務、不動産、事業承継の有無で分岐させることで、どこに専門家費用を使うべきかを読み取れます。

相談先を切り分ける順番

財産と相続人を一覧化

預貯金、不動産、株式、保険、借入金、保証債務まで整理します。

争いの火種を確認

偏った配分、前婚の子、介護、生前贈与、財産管理者の有無を見ます。

リスク高い
弁護士、税理士、司法書士を早めに確認

遺留分、税務、登記の失敗を防ぐための費用を優先します。

シンプル
本人作成や行政書士支援を検討

必要部分だけスポット確認し、法務局保管制度を活用します。

Section 09

自筆証書遺言の費用を抑えて
失敗しないための実務手順

自分でできる準備と、専門家に確認すべき部分を切り分けます。

費用を抑えるには、単に専門家を使わないのではなく、どこを自分で行い、どこを専門家に確認してもらうかを切り分けることが重要です。保管申請の3,900円を活かすには、財産、相続人、争いの火種、税務、登記を順番に確認します。

次の時系列は、作成前から保管後までの行動の順番を示しています。再訪問、書き直し、相続開始後の紛争費用を抑えるために重要で、各段階で何を準備し、どこで専門家確認を検討するかを読み取れます。

Step 01

財産を一覧化する

預貯金、不動産、株式、投資信託、生命保険、車、貴金属、貸付金、借入金、保証債務、デジタル資産を整理します。

Step 02

相続人を確認する

配偶者、子、代襲相続人、前婚の子、認知した子、養子、兄弟姉妹などを確認します。

Step 03

争いの火種を洗い出す

偏った配分、介護負担、生前贈与、財産管理、不動産共有、後妻と前妻の子などを確認します。

Step 04

自筆証書遺言でよいか判断する

自書できるか、法務局に出向けるか、内容が単純か、遺言能力を疑われる可能性が低いかを検討します。

Step 05

様式ルールに沿って作成する

A4、余白、片面、ページ番号、財産目録の署名押印、具体的な日付、押印を確認します。

Step 06

必要書類をそろえる

申請書、住民票等、本人確認書類、収入印紙、財産目録資料を準備します。

Step 07

予約して申請する

予約専用ウェブサイト、電話、窓口などで予約し、本人が法務局へ出向きます。

Step 08

保管証を管理する

保管証は再発行されないため、保管場所と伝え方を決めておきます。

Step 09

通知先を検討する

遺言内容を生前に開示する必要はありませんが、保管している事実を誰に知らせるかを検討します。

次の比較表は、どの段階で誰に相談するかを整理したものです。専門家費用を必要な範囲に絞るために重要で、財産整理、登記、税務、紛争予防、死後の実行のどこに費用をかけるべきかを読み取れます。

段階相談先目的
財産一覧を作る司法書士、行政書士、FP財産と資料の整理
不動産を正確に書く司法書士登記記録に合った記載
相続税の有無を見る税理士基礎控除、評価、納税資金
相続人間の争いを予測する弁護士遺留分、無効主張、紛争予防
自書が難しい公証人、弁護士公正証書遺言の検討
死後の実行を任せたい弁護士、司法書士、信託銀行等遺言執行者の指定
Section 10

自筆証書遺言の
法務局保管費用でよくある誤解

3,900円でできることと、できないことを一般情報として整理します。

3,900円を払えば法務局が遺言を作ってくれるのか

一般的には、3,900円は保管申請手数料であり、遺言書の作成料ではありません。遺言書は事前に自分で作成する必要があり、具体的な文案や法的効果は財産内容や相続人関係によって変わります。

法務局が預かったなら遺言は絶対に有効なのか

一般的には、形式面の確認や保管による紛失防止の効果はあります。ただし、遺言能力、詐欺、強迫、遺留分、内容解釈などの争いが完全になくなるわけではありません。個別の有効性は、作成経緯や証拠関係で結論が変わる可能性があります。

相続人は生前から中身を見られるのか

一般的には、遺言者の生前に閲覧請求できるのは遺言者本人のみとされています。相続開始後の関係者による閲覧や証明書取得とは場面が異なります。

保管すれば相続税申告や相続登記も不要になるのか

一般的には、法務局で遺言書を保管しても、相続税申告義務や相続登記義務がなくなるわけではありません。相続税は遺産額、相続人の数、財産評価、特例適用で判断され、不動産の名義変更は別手続です。

公正証書遺言より必ず優れているのか

一般的には、制度の目的が異なります。法務局保管の自筆証書遺言は低額で利用しやすい一方、自書、本人出頭、内容設計の自己責任があります。公正証書遺言は費用が高くなりやすい一方、自書が難しい人や紛争リスクが高い人に適することがあります。

次の比較表は、費用対効果から見た制度選択の目安を整理したものです。安い方式を選ぶだけでなく、将来の手続や紛争を含めて判断するために重要で、どの状況で専門家確認や公正証書遺言の比較が必要になりやすいかを読み取れます。

状況推奨されやすい選択
財産が預金中心で相続人関係が単純自筆証書遺言と法務局保管
不動産が1つあり、相続人関係も単純自筆証書遺言と法務局保管、司法書士確認を検討
特定の相続人に偏って残す弁護士確認を加えた上で法務局保管または公正証書
高齢で自書や出頭が難しい公正証書遺言を強く検討
相続税が見込まれる税理士確認を加えた遺言設計
会社や非上場株式がある弁護士、税理士、公認会計士等による事業承継設計
相続人に障害、未成年、後見利用者がいる弁護士、司法書士、後見実務の確認
家族間対立が強い弁護士関与、公正証書遺言、証拠化を検討
Section 11

自筆証書遺言の
法務局保管費用を
最小化する確認項目

再訪問や書き直しを減らし、必要な専門家費用だけを見極めます。

費用を抑えるには、専門家を一切使わないことではなく、自分で行う部分と確認を受ける部分を切り分けることが重要です。特に、再訪問や書き直しが起きやすい項目を先に点検すると、少額の保管制度を効率よく使えます。

次のチェックリストは、法務局保管申請の前に確認すべき項目を、方式、書類、財産特定、リスク検討に分けて整理したものです。確認欄に沿って見直すことで、どの不備が費用増加につながるかを読み取れます。

チェック項目確認
遺言書本文は全文自書した
日付は年月日まで具体的に書いた
氏名は住民票、戸籍の記載どおりに書いた
押印した
財産目録を自書しない場合、各ページに署名押印した
A4用紙、片面、余白、ページ番号のルールを確認した
複数ページをホチキスで綴じていない
財産が特定できるよう不動産や預金情報を整理した
申請書を作成した
本籍と戸籍筆頭者の記載がある住民票等を準備した
顔写真付き本人確認書類を準備した
3,900円分の収入印紙を準備した
予約した
遺留分、税務、不動産登記のリスクを検討した
保管証の保管方法を決めた
通知先を設定するか検討した

次の比較表は、制度が向いている人と慎重に考えるべき人を並べたものです。単に費用が安いかではなく、本人出頭、自書、家族関係、財産内容、税務や登記の難しさから、追加確認が必要かを読み取れます。

向いている人理由慎重に考えるべき人理由
自分で字が書ける自筆証書遺言の要件を満たしやすい自書が難しい方式不備のリスクがあります
法務局に出向ける保管申請が可能法務局へ行けない本人出頭の制約があります
家族関係が単純内容設計のリスクが相対的に低い相続人同士の仲が悪い無効主張や遺留分問題が出やすい
財産が預金中心財産特定が比較的容易不動産が多い登記、評価、共有問題が出やすい
費用を抑えたい3,900円で保管できる相続税が見込まれる税務設計が必要です
検認を避けたい保管制度により検認不要会社、農地、山林、知財がある特殊財産の承継設計が必要です

次の比較表は、専門家費用の見積り時に確認したい質問を整理したものです。安く見える見積りの範囲外費用を避けるために重要で、業務範囲、成果物、相続開始後の費用を読み取れます。

質問確認したいこと
法務局の保管申請同行は報酬に含まれますか申請当日の支援範囲
遺言書の文案作成だけですか、財産調査も含みますか業務範囲
不動産の登記情報確認は含まれますか不動産特定の精度
遺留分の試算は含まれますか紛争予防の範囲
相続税の簡易判定は含まれますか税理士連携の必要性
公正証書遺言との比較もしてもらえますか制度選択の適切性
遺言執行者への就任費用はいくらですか死後費用
相続開始後の登記や預金解約は別料金ですか将来費用
Section 12

自筆証書遺言の
法務局保管費用は総額で判断する

制度の安さを活用しながら、将来費用を増やすリスクを避けます。

自筆証書遺言を法務局で保管してもらう場合の費用は、法務局に支払う保管申請手数料だけなら遺言書1通3,900円です。ただし、住民票等の実費、財産資料の取得費、移動費、必要に応じた専門家報酬、相続開始後の証明書費用、相続登記や相続税申告の費用を別に見込むべきです。

次の強調表示は、この制度の使い方を一文で整理したものです。3,900円で何ができ、何ができないかを切り分けることが、費用対効果を判断する出発点になります。

3,900円で保管と検認省略を低コスト化する制度

内容の法律相談、税務設計、不動産登記、遺留分対策、遺言能力の証拠化、遺言執行、相続税申告までは含まれません。

シンプルな相続では、本人作成と法務局保管で十分な場合があります。一方、争いが予想される相続、不動産が多い相続、相続税が見込まれる相続、事業承継を含む相続では、弁護士、司法書士、税理士などの専門家費用を加えた総費用で判断する必要があります。

必要な専門家費用まで削るのではなく、将来の無効争い、遺留分紛争、相続登記の停滞、相続税申告の失敗を防ぐために、3,900円の制度を使いつつリスクの高い部分だけ確認してもらうのが実務的です。

Reference

この記事の参考情報源

公的機関・法令

  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
  • 法務省「手数料|自筆証書遺言書保管制度」
  • 法務省「遺言書保管申請ガイドブック」
  • 法務省「申請書・届出書・請求書等」
  • 法務省「遺言書の様式等についての注意事項」
  • 政府広報オンライン「知っておきたい遺言書のこと。無効にならないための書き方、残し方」
  • e-Gov法令検索「法務局における遺言書の保管等に関する法律」
  • e-Gov法令検索「法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令」
  • 国税庁「相続税がかかる場合」
  • 国税庁「登録免許税の税額表」

公証実務

  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料に関する解説」
  • 日本公証人連合会「手数料」